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特許7120836液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/045 20060101AFI20220809BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B41J2/045
B41J2/01 401
B41J2/01 403
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018136383
(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020011479
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】501167725
【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐賀 行弘
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-117842(JP,A)
【文献】特開2017-165032(JP,A)
【文献】特開2014-177045(JP,A)
【文献】特開2016-068485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、
前記噴射部に対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記パルス信号を出力する出力回路と、
前記液体を噴射させる噴射動作期間と、前記噴射動作期間の前に前記噴射部内の前記液体を加温するプリヒート期間とで、前記出力回路内における出力抵抗値を変化させる抵抗値制御機構と
を有しており、
前記抵抗値制御機構は、
前記プリヒート期間においては、前記出力抵抗値が前記噴射部内の配線抵抗値よりも小さくなるように、前記出力抵抗値を設定し、
前記噴射動作期間においては、前記出力抵抗値が前記配線抵抗値よりも大きくなるように、前記出力抵抗値を設定する
液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記抵抗値制御機構は、
前記プリヒート期間における前記出力抵抗値が、前記噴射動作期間における前記出力抵抗値よりも小さくなるように、前記出力抵抗値を設定する
請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記出力回路は、P型トランジスタおよびN型トランジスタを含んでおり、
前記抵抗値制御機構は、
前記噴射動作期間と前記プリヒート期間とで、
前記P型トランジスタおよび前記N型トランジスタのうちの少なくとも一方に対応する前記出力抵抗値を変化させる
請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
【請求項5】
複数のノズルを有する噴射部に対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記ノズルから液体を噴射させる際に、
前記噴射部内の前記液体を加温するプリヒート期間を設定することと、
前記プリヒート期間の後に、前記液体を噴射させる噴射動作期間を設定することと
を含み、
前記噴射動作期間と前記プリヒート期間とで、前記パルス信号を出力する出力回路内における出力抵抗値を変化させる際に、
前記プリヒート期間においては、前記出力抵抗値が前記噴射部内の配線抵抗値よりも小さくなるように、前記出力抵抗値を設定し、
前記噴射動作期間においては、前記出力抵抗値が前記配線抵抗値よりも大きくなるように、前記出力抵抗値を設定する
液体噴射ヘッドの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が様々な分野に利用されており、液体噴射ヘッドとしては、各種方式のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-177045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような液体噴射ヘッドでは、印刷開始までの時間を短くしつつ、印刷画質を向上させることが求められている。印刷開始までの時間を短くしつつ印刷画質を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、この噴射部に対して1または複数のパルス信号を印加することにより、ノズルから液体を噴射させる制御部とを備えたものである。この制御部は、パルス信号を出力する出力回路と、液体を噴射させる噴射動作期間とこの噴射動作期間の前に噴射部内の液体を加温するプリヒート期間とで、出力回路内における出力抵抗値を変化させる抵抗値制御機構とを有している。この抵抗値制御機構は、上記プリヒート期間においては、上記出力抵抗値が噴射部内の配線抵抗値よりも小さくなるように、上記出力抵抗値を設定し、上記噴射動作期間においては、上記出力抵抗値が上記配線抵抗値よりも大きくなるように、上記出力抵抗値を設定する。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置は、上記本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドを備えたものである。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドの駆動方法は、複数のノズルを有する噴射部に対して1または複数のパルス信号を印加することにより、ノズルから液体を噴射させる際に、噴射部内の液体を加温するプリヒート期間を設定することと、このプリヒート期間の後に、液体を噴射させる噴射動作期間を設定することとを、含むようにしたものである。また、上記噴射動作期間と上記プリヒート期間とで、パルス信号を出力する出力回路内における出力抵抗値を変化させる際に、上記プリヒート期間においては、上記出力抵抗値が噴射部内の配線抵抗値よりも小さくなるように、上記出力抵抗値を設定し、上記噴射動作期間においては、上記出力抵抗値が上記配線抵抗値よりも大きくなるように、上記出力抵抗値を設定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法によれば、印刷開始までの時間を短くしつつ、印刷画質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置の概略構成例を表す模式斜視図である。
図2図1に示した液体噴射ヘッドの概略構成例を表す模式図である。
図3図2に示した制御部およびアクチュエータプレートの詳細構成例を表す回路図である。
図4】比較例に係る制御部およびアクチュエータプレートの構成例を表す回路図である。
図5】実施の形態に係る液体噴射ヘッドの駆動方法の一例を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(プリヒート期間と噴射動作期間とで出力抵抗値を変化させる手法の例)
2.変形例
【0011】
<1.実施の形態>
[プリンタ1の全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1の概略構成例を、模式的に斜視図にて表したものである。プリンタ1は、後述するインク9を利用して、被記録媒体としての記録紙Pに対して、画像や文字等の記録(印刷)を行うインクジェットプリンタである。
【0012】
なお、本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドの駆動方法は、本実施の形態のプリンタ1において具現化されるため、以下、併せて説明する。
【0013】
プリンタ1は、図1に示したように、一対の搬送機構2a,2bと、インクタンク3と、インクジェットヘッド4と、インク供給管50と、走査機構6とを備えている。これらの各部材は、所定形状を有する筺体10内に収容されている。なお、本明細書の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0014】
ここで、プリンタ1は、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応し、インクジェットヘッド4(後述するインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4B)は、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。また、インク9は、本開示における「液体」の一具体例に対応している。
【0015】
搬送機構2a,2bはそれぞれ、図1に示したように、記録紙Pを搬送方向d(X軸方向)に沿って搬送する機構である。これらの搬送機構2a,2bはそれぞれ、グリッドローラ21、ピンチローラ22および駆動機構(不図示)を有している。この駆動機構は、グリッドローラ21を軸周りに回転させる(Z-X面内で回転させる)機構であり、例えばモータ等によって構成されている。
【0016】
(インクタンク3)
インクタンク3は、インク9を内部に収容するタンクである。このインクタンク3としては、この例では図1に示したように、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(B)の4色のインク9を個別に収容する、4種類のタンクが設けられている。すなわち、イエローのインク9を収容するインクタンク3Yと、マゼンダのインク9を収容するインクタンク3Mと、シアンのインク9を収容するインクタンク3Cと、ブラックのインク9を収容するインクタンク3Bとが設けられている。これらのインクタンク3Y,3M,3C,3Bは、筺体10内において、X軸方向に沿って並んで配置されている。
【0017】
なお、インクタンク3Y,3M,3C,3Bはそれぞれ、収容するインク9の色以外については同一の構成であるため、以下ではインクタンク3と総称して説明する。
【0018】
(インクジェットヘッド4)
インクジェットヘッド4は、後述する複数のノズル(ノズル孔Hn)から記録紙Pに対して液滴状のインク9を噴射(吐出)して、画像や文字等の記録(印刷)を行うヘッドである。このインクジェットヘッド4としても、この例では図1に示したように、上記したインクタンク3Y,3M,3C,3Bにそれぞれ収容されている4色のインク9を個別に噴射する、4種類のヘッドが設けられている。すなわち、イエローのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Yと、マゼンダのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Mと、シアンのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Cと、ブラックのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Bとが設けられている。これらのインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bは、筺体10内において、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
【0019】
なお、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bはそれぞれ、利用するインク9の色以外については同一の構成であるため、以下ではインクジェットヘッド4と総称して説明する。また、このインクジェットヘッド4の詳細構成例については、後述する(図2)。
【0020】
インク供給管50は、インクタンク3内からインクジェットヘッド4内へ向けて、インク9が供給される管である。このインク供給管50は、例えば、以下説明する走査機構6の動作に追従可能な程度の可撓性を有する、フレキシブルホースにより構成されている。
【0021】
(走査機構6)
走査機構6は、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って、インクジェットヘッド4を走査させる機構である。この走査機構6は、図1に示したように、Y軸方向に沿って延設された一対のガイドレール61a,61bと、これらのガイドレール61a,61bに移動可能に支持されたキャリッジ62と、このキャリッジ62をY軸方向に沿って移動させる駆動機構63と、を有している。
【0022】
駆動機構63は、ガイドレール61a,61bの間に配置された一対のプーリ631a,631bと、これらのプーリ631a,631b間に巻回された無端ベルト632と、プーリ631aを回転駆動させる駆動モータ633と、を有している。また、キャリッジ62上には、前述した4種類のインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bが、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
【0023】
なお、このような走査機構6と前述した搬送機構2a,2bとにより、インクジェットヘッド4と記録紙Pとを相対的に移動させる、移動機構が構成されるようになっている。
【0024】
[インクジェットヘッド4の詳細構成]
続いて、図2を参照して、インクジェットヘッド4の詳細構成例について説明する。図2は、インクジェットヘッド4の概略構成例を、模式的に表したものである。
【0025】
インクジェットヘッド4は、図2に示したように、ノズルプレート41、アクチュエータプレート42および制御部49を有している。なお、ノズルプレート41およびアクチュエータプレート42は、本開示における「噴射部」の一具体例に対応している。
【0026】
(ノズルプレート41)
ノズルプレート41は、ポリイミド等のフィルム材または金属材料により構成されたプレートであり、図2に示したように、インク9を噴射する複数のノズル孔Hnを有している(図2中の破線の矢印参照)。これらのノズル孔Hnはそれぞれ、所定の間隔をおいて一直線上(1列)に並んで形成されている。なお、各ノズル孔Hnは、本開示における「ノズル」の一具体例に対応している。
【0027】
(アクチュエータプレート42)
アクチュエータプレート42は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料により構成されたプレートである。このアクチュエータプレート42には、複数のチャネル(不図示)が設けられている。これらのチャネルは、インク9に対して圧力を印加するための圧力室として機能する部分であり、所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。各チャネルは、圧電体からなる駆動壁(不図示)によってそれぞれ画成されており、断面視にて凹状の溝部となっている。
【0028】
このようなチャネルには、インク9を吐出させるための吐出チャネルと、インク9を吐出させないダミーチャネル(非吐出チャネル)とが存在している。言い換えると、吐出チャネルにはインク9が充填される一方、ダミーチャネルにはインク9が充填されないようになっている。また、各吐出チャネルは、ノズルプレート41におけるノズル孔Hnと連通している一方、各ダミーチャネルは、ノズル孔Hnには連通しないようになっている。これらの吐出チャネルとダミーチャネルとは、所定の方向に沿って交互に並んで配置されている。
【0029】
上記した駆動壁における対向する内側面にはそれぞれ、駆動電極(不図示)が設けられている。この駆動電極には、吐出チャネルに面する内側面に設けられたコモン電極(共通電極)と、ダミーチャネルに面する内側面に設けられたアクティブ電極(個別電極)とが存在している。これらの駆動電極と、駆動基板(不図示)における駆動回路との間は、フレキシブル基板(不図示)に形成された複数の引き出し電極を介して、電気的に接続されている。これにより、このフレキシブル基板を介して、以下説明する制御部49を含む駆動回路から各駆動電極に対し、後述する駆動電圧Vd(パルス信号Sp)が印加されるようになっている。
【0030】
(制御部49)
制御部49は、インクジェットヘッド4の各構成部品に電気的に接続されて相互に信号を送受信することで、各構成部品を包括的に制御するものである。具体的には、制御部49は、インクジェットヘッド4における各種動作(インク9の噴射動作等)を制御する。詳細には、制御部49は、アクチュエータプレート42に対して上記した駆動電圧Vd(パルス信号Sp)を出力して、上記した吐出チャネルを膨張または収縮させることで、各ノズル孔Hnからのインク9の噴射動作を制御するようになっている(図2参照)。
【0031】
このような制御部49は、各種の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、このCPUによって実行すべき制御プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)と、各種データのバッファや演算処理のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)と、を有している。
【0032】
ここで、図3を参照して、制御部49等の詳細構成例について説明する。図3は、制御部49およびアクチュエータプレート42の詳細構成例を、回路図で表したものである。
【0033】
図3に示したように、制御部49は、制御信号出力部490および出力回路491を含んで構成されている。なお、この図3においては、アクチュエータプレート42内における配線抵抗42Rおよび配線容量42Cをそれぞれ、模式的に抜粋して示している。
【0034】
出力回路491は、前述した駆動電圧Vd(パルス信号Sp)をアクチュエータプレート42に対して出力する回路である。この出力回路491は、図3に示したように、2つのトランジスタ(P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrn)を含んで構成されている。なお、図3に示した例では、これらのP型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnはいずれも、MOS-FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)により構成されている。また、この出力回路491内には、2つの抵抗値制御機構492p,492nが、それぞれ設けられている。
【0035】
このような出力回路491では、図3に示したように、電源VDDとグランド(接地)との間に、抵抗値制御機構492p、P型トランジスタTrp、抵抗値制御機構492nおよびN型トランジスタTrnがそれぞれ、この順序にて互いに直列接続されている。具体的には、電源VDDとP型トランジスタTrpのソースとの間に、抵抗値制御機構492pが配置され、P型トランジスタTrpのドレインは、接続点P1に接続されている。また、グランドとN型トランジスタTrnのソースとの間に、抵抗値制御機構492nが配置され、N型トランジスタTrnのドレインは、接続点P1に接続されている。なお、この接続点P1は、制御部49とアクチュエータプレート42との間を接続する配線(駆動電圧Vdが出力される配線)を介して、アクチュエータプレート42内の配線(前述した配線抵抗42Rおよび配線容量42Cを有する配線)に接続されるようになっている(図3参照)。
【0036】
ここで、図3中に示したように、出力回路491全体の抵抗値(出力抵抗値)をRoutと称し、以下説明する抵抗値制御機構492p,492nにおける抵抗値(出力抵抗値)をそれぞれ、R2p,R2nと称するものとする。また、アクチュエータプレート42内の配線抵抗42Rにおける抵抗値(配線抵抗値)を、Rwと称するものとする。
【0037】
制御信号出力部490は、図3に示したように、出力回路491内の各素子に対して制御信号を出力するものである。具体的には、制御信号出力部490は、P型トランジスタTrpのゲートに対して、このP型トランジスタTrpのオン・オフ動作を制御するための制御信号Sc2pを出力する。同様に、制御信号出力部490は、N型トランジスタTrnのゲートに対して、このN型トランジスタTrnのオン・オフ動作を制御するための制御信号Sc2nを出力する。また、制御信号出力部490は、以下説明する抵抗値制御機構492p,492nに対して、各抵抗値制御機構492p,492nにおける動作(後述する出力抵抗値Routの制御動作)を制御するための制御信号Sc2p,Sc2nを、それぞれ出力するようになっている。
【0038】
抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、出力回路491内における出力抵抗値Routを変化させる(制御する)機構である。具体的には、抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、後述するプリヒート期間(インクジェットヘッド4内のインク9を予め加温する期間)と、このプリヒート期間の後の噴射動作期間(インク9を噴射させる期間,印刷期間)とで、この出力抵抗値Routを変化させる。より具体的には、抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、これらのプリヒート期間と噴射動作期間とで、P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnに対応する出力抵抗値(抵抗値制御機構492p,492nの出力抵抗値R2p,R2n)を変化させることで、出力抵抗値Routを変化させるようになっている(図3参照)。
【0039】
なお、上記したプリヒート期間とは、より具体的に説明すると、例えばインク9を噴射させないパルス幅の波形を繰り返し入力して、アクチュエータプレート42を発熱させることで、インク9を加温する期間を意味している。また、上記した抵抗値制御機構492p,492nによる出力抵抗値Routの制御動作の詳細については、後述する(図5)。
【0040】
[動作および作用・効果]
(A.プリンタ1の基本動作)
このプリンタ1では、以下のようにして、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われる。なお、初期状態として、図1に示した4種類のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)にはそれぞれ、対応する色(4色)のインク9が十分に封入されているものとする。また、インクタンク3内のインク9は、インク供給管50を介して、インクジェットヘッド4内に充填された状態となっている。
【0041】
このような初期状態において、プリンタ1を作動させると、搬送機構2a,2bにおけるグリッドローラ21がそれぞれ回転することで、グリッドローラ21とピンチローラ22と間に、記録紙Pが搬送方向d(X軸方向)に沿って搬送される。また、このような搬送動作と同時に、駆動機構63における駆動モータ633が、プーリ631a,631bをそれぞれ回転させることで、無端ベルト632を動作させる。これにより、キャリッジ62がガイドレール61a,61bにガイドされながら、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って往復移動する。そしてこの際に、各インクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4B)によって、4色のインク9を記録紙Pに適宜吐出させることで、この記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作がなされる。
【0042】
(B.インクジェットヘッド4における詳細動作)
続いて、インクジェットヘッド4における詳細動作(インク9の噴射動作)について説明する。すなわち、このインクジェットヘッド4では、以下のようにして、せん断(シェア)モードを用いたインク9の噴射動作が行われる。
【0043】
まず、制御部49は、アクチュエータプレート42内の前述した駆動電極(コモン電極およびアクティブ電極)に対し、駆動電圧Vd(パルス信号Sp)を印加する(図2参照)。具体的には、制御部49は、前述した吐出チャネルを画成する一対の駆動壁に配置された各駆動電極に対し、駆動電圧Vdを印加する。これにより、これら一対の駆動壁がそれぞれ、その吐出チャネルに隣接するダミーチャネル側へ、突出するように変形する。
【0044】
このとき、駆動壁における深さ方向の中間位置を中心として、駆動壁がV字状に屈曲変形することになる。そして、このような駆動壁の屈曲変形により、吐出チャネルがあたかも膨らむように変形する。このように、一対の駆動壁での圧電厚み滑り効果による屈曲変形によって、吐出チャネルの容積が増大する。そして、吐出チャネルの容積が増大することにより、インク9が吐出チャネル内へ誘導されることになる。
【0045】
次いで、このようにして吐出チャネル内へ誘導されたインク9は、圧力波となって吐出チャネルの内部に伝播する。そして、ノズルプレート41のノズル孔Hnにこの圧力波が到達したタイミングで、駆動電極に印加される駆動電圧Vdが、0(ゼロ)Vとなる。これにより、上記した屈曲変形の状態から駆動壁が復元する結果、一旦増大した吐出チャネルの容積が、再び元に戻ることになる。
【0046】
このようにして、吐出チャネルの容積が元に戻る過程で、吐出チャネル内部の圧力が増加し、吐出チャネル内のインク9が加圧される。その結果、液滴状のインク9が、ノズル孔Hnを通って外部へと(記録紙Pへ向けて)吐出される(図2参照)。このようにしてインクジェットヘッド4におけるインク9の噴射動作(吐出動作)がなされ、その結果、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われることになる。
【0047】
(C.出力抵抗値Routの制御動作)
次に、図1図2に加えて図3図5を参照して、前述した制御部49内での抵抗値制御機構492p,492nによる出力抵抗値Routの制御動作について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。
【0048】
(C-1.比較例)
図4は、比較例に係るインクジェットヘッドにおける制御部(制御部109)およびアクチュエータプレート42の構成例を、回路図で表したものである。この比較例の制御部109は、図3に示した本実施の形態の制御部49において、制御信号出力部490および出力回路491の代わりにそれぞれ、制御信号出力部100および出力回路101を設けたものに対応している。
【0049】
出力回路101は、出力回路491と同様に、2つのトランジスタ(P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrn)を含んで構成されている。ただし、この出力回路101では出力回路491とは異なり、前述した抵抗値制御機構492p,492nはいずれも、設けられていない。なお、図4中に示したように、この出力回路101における出力抵抗値を、Rout101と称するものとする。
【0050】
制御信号出力部100は、制御信号出力部490と同様に、P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnに対する制御信号Sc1p,Sc1nをそれぞれ、出力するようになっている。ただし、この制御信号出力部100では制御信号出力部490とは異なり、出力抵抗値Rout101を変化させる機能を持っていないことから、前述した制御信号Sc2p,Sc2nを出力しないようになっている。
【0051】
このような比較例に係るインクジェットヘッドでは、本実施の形態のインクジェットヘッド4とは異なり、出力回路101における出力抵抗値Rout101が、固定値となっている。このため、この比較例のインクジェットヘッドでは、例えば、前述したプリヒート期間において、アクチュエータプレート42の内部での発熱量を大きくして、効率的なプリヒート動作(アクチュエータプレート42およびノズルプレート41の内部のインク9の加温動作)を図ろうとした場合、以下のようになる。すなわち、この場合、そのようなプリヒート期間の後の噴射動作期間(印刷期間)においては、アクチュエータプレート42の内部での発熱量が過大となる(配線抵抗値Rw>出力抵抗値Rout101:図4参照)結果、印刷画質への悪影響が生じ、印刷画質が低下してしまうおそれがある。
【0052】
(C-2.本実施の形態)
そこで本実施の形態では、前述した抵抗値制御機構492p,492nによって、出力回路491における出力抵抗値Routを制御する(変化させる)ようにしている。以下、このような抵抗値制御機構492p,492nによる出力抵抗値Routの制御動作について、詳細に説明する。
【0053】
図5は、本実施の形態に係るインクジェットヘッド4の駆動方法(前述したプリヒート動作および記録紙Pに対する印刷動作等)の一例を、流れ図で表したものである。
【0054】
図5に示したインクジェットヘッド4の駆動方法では、まず、制御部49は、印刷動作の前段階として、前述したプリヒート期間T1(インクジェットヘッド4内のインク9を予め加温する期間)を設定する(ステップS11)。
【0055】
このプリヒート期間T1では、制御部49における抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、出力回路491における出力抵抗値Rout(Rout1)を以下のように設定する。すなわち、抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、出力抵抗値Routがアクチュエータプレート42内の配線抵抗値Rwよりも小さくなるように(Rout<Rw)、出力抵抗値Routを設定する。具体的には、抵抗値制御機構492p,492nは、出力回路491に含まれるP型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnに対応する出力抵抗値(出力抵抗値R2p,R2n)の少なくとも一方(図3の例では双方)を変化させることで、出力回路491における出力抵抗値Routを変化させる。
【0056】
続いて、このようなプリヒート期間T1の後に、制御部49は、前述した噴射動作期間(印刷期間)T2を設定する(ステップS12)。
【0057】
この噴射動作期間T2では、制御部49における抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、出力回路491における出力抵抗値Rout(Rout2)を以下のように設定する。すなわち、抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、出力抵抗値Routがアクチュエータプレート42内の配線抵抗値Rwよりも大きくなるように(Rout>Rw)、出力抵抗値Routを設定する。具体的には、この場合においても抵抗値制御機構492p,492nは、上記した出力抵抗値R2p,R2nの少なくとも一方(図3の例では双方)を変化させることで、出力回路491における出力抵抗値Routを変化させる。
【0058】
ここで、抵抗値制御機構492p,492nはそれぞれ、プリヒート期間T1における出力抵抗値Rout1が、噴射動作期間T2における出力抵抗値Rout2よりも小さくなるように(Rout1<Rout2:図5参照)、出力抵抗値Rout1,Rout2を設定する。
【0059】
以上で、図5に示した一連の処理が終了となる。
【0060】
(C-3.作用・効果)
このようにして本実施の形態のインクジェットヘッド4では、プリヒート期間T1と噴射動作期間T2とで、出力回路491内の出力抵抗値Routが変化するため、以下のようになる。すなわち、例えば、出力回路491内の出力抵抗値Routとアクチュエータプレート42内の配線抵抗値Rwとの抵抗値の比率、言い換えると、出力回路491内とアクチュエータプレート42内とでの発熱量の比率を、プリヒート期間T1と噴射動作期間T2とで、変化させることができる。
【0061】
したがって、本実施の形態では、上記した比較例の場合(出力回路内の出力抵抗値が固定である場合)とは異なり、以下のようになる。すなわち、例えば、プリヒート期間T1において、アクチュエータプレート42の内部での発熱量を大きくして、効率的なプリヒート動作を図ろうとした場合でも、噴射動作期間T2においてはアクチュエータプレート42の内部での発熱量を抑える、といったことができるようになる。
【0062】
以上のことから、本実施の形態のインクジェットヘッド4では、効率的なプリヒート動作を行って、印刷動作を開始する前のスタートアップ期間の短縮化を図りつつ、インク9を噴射する際のアクチュエータプレート42内での過剰な発熱に起因した、印刷画質への悪影響を防止することができる。その結果、本実施の形態では、印刷開始までの時間を短くしつつ、上記比較例と比べ、印刷画質を向上させることが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態では、プリヒート期間T1における出力抵抗値Rout(Rout1)が、噴射動作期間T2における出力抵抗値Rout(Rout2)よりも小さくなるように設定される(Rout1<Rout2:図5参照)ため、以下のようになる。すなわち、まず、プリヒート期間T1では、アクチュエータプレート42内での発熱量が相対的に大きくなるため、効率的なプリヒート動作が実現される。一方、噴射動作期間T2では、アクチュエータプレート42内での発熱量が相対的に小さくなるため、このアクチュエータプレート42内での過剰な発熱に起因した、印刷画質への悪影響(印刷画質劣化)が防止される。これらのことから、プリヒート期間T1における効率的なプリヒート動作と、噴射動作期間T2における印刷画質劣化の防止とを、実際に両立させることができるようになる結果、印刷画質をより確実に向上させることが可能となる。
【0064】
更に、本実施の形態では、プリヒート期間T1では、出力抵抗値Routが配線抵抗値Rwよりも小さくなるように(Rout<Rw)、すなわち、アクチュエータプレート42内での発熱量が相対的に大きくなるように設定されるため、効率的なプリヒート動作が実現される。一方、噴射動作期間T2では、逆に、出力抵抗値Routが配線抵抗値Rwよりも大きくなるように(Rout>Rw)、すなわち、アクチュエータプレート42内での発熱量が相対的に小さくなるように設定されることから、このアクチュエータプレート42内での過剰な発熱に起因した、印刷画質への悪影響(印刷画質劣化)が防止される。これらのことから、プリヒート期間T1における効率的なプリヒート動作と、噴射動作期間T2における印刷画質劣化の防止とを、実際に両立させることができるようになる結果、印刷画質をより確実に向上させることが可能となる。
【0065】
加えて、本実施の形態では、プリヒート期間T1と噴射動作期間T2とで、出力回路491に含まれるP型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnに対応する出力抵抗値(出力抵抗値R2p,R2n)を変化させるようにしたので、以下のようになる。すなわち、出力回路491における出力抵抗値Routを、簡易な手法にて変化させることができ、効率的なプリヒート動作によってスタートアップ期間を短縮することが可能となる一方で、印刷時には上記したようにして、印刷画質の劣化を抑制することが可能となる。
【0066】
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0067】
例えば、上記実施の形態では、プリンタおよびインクジェットヘッドにおける各部材の構成例(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。
【0068】
また、インクジェットヘッドの構造としては、各タイプのものを適用することが可能である。すなわち、例えば、アクチュエータプレートにおける各吐出チャネルの延在方向の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドであってもよい。あるいは、例えば、各吐出チャネルの延在方向に沿ってインク9を吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドであってもよい。更には、プリンタの方式としても、上記実施の形態で説明した方式には限られず、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式など、各種の方式を適用することが可能である。
【0069】
更に、上記実施の形態では、出力回路491の回路構成例について具体的に挙げて説明したが、出力回路の回路構成例(トランジスタおよび抵抗値制御機構の個数や配置位置等)については、上記実施の形態で挙げた例には限られない。すなわち、例えば、P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnのうちの一方のトランジスタのみが、出力回路内に設けられているようにしてもよい。また、抵抗値制御機構についても、上記実施の形態で説明した2つの場合には限られず、例えば1つだけ、あるいは、3つ以上の抵抗値制御機構が、出力回路内に設けられているようにしてもよい。
【0070】
加えて、上記実施の形態では、抵抗値制御機構492p,492nによる出力抵抗値Routの制御動作例を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態で挙げた例には限られず、他の手法を用いて、出力抵抗値Routの制御を行うようにしてもよい。具体的には、上記実施の形態では、P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnの双方に対応する出力抵抗値(出力抵抗値R2p,R2n)を制御することで、出力回路491における出力抵抗値Routを制御していたが、この手法には限られない。すなわち、例えば、P型トランジスタTrpおよびN型トランジスタTrnのうちの一方に対応する出力抵抗値(出力抵抗値R2p,R2nのうちの一方)を制御することで、出力回路491における出力抵抗値Routを制御するようにしてもよい。また、例えば、このようなトランジスタ以外に対応する出力抵抗値を制御することで、出力抵抗値Routを制御するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。具体的には、例えば出力抵抗値Routを制御する処理を、インクジェットヘッド内でハードウェア的に制御するようにしてもよいし、あるいは、制御線をプリンタ側の基板に接続して、ソフトウェア的に制御するようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
【0072】
更に、上記実施の形態では、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例として、プリンタ1(インクジェットプリンタ)を挙げて説明したが、この例には限られず、インクジェットプリンタ以外の他の装置にも、本開示を適用することが可能である。換言すると、本開示の「液体噴射ヘッド」(インクジェットヘッド)を、インクジェットプリンタ以外の他の装置に適用するようにしてもよい。具体的には、例えば、ファクシミリやオンデマンド印刷機などの装置に、本開示の「液体噴射ヘッド」を適用するようにしてもよい。
【0073】
加えて、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
【0074】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0075】
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、
前記噴射部に対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記パルス信号を出力する出力回路と、
前記液体を噴射させる噴射動作期間と、前記噴射動作期間の前に前記噴射部内の前記液体を加温するプリヒート期間とで、前記出力回路内における出力抵抗値を変化させる抵抗値制御機構と
を有する液体噴射ヘッド。
(2)
前記抵抗値制御機構は、
前記プリヒート期間における前記出力抵抗値が、前記噴射動作期間における前記出力抵抗値よりも小さくなるように、前記出力抵抗値を設定する
上記(1)に記載の液体噴射ヘッド。
(3)
前記抵抗値制御機構は、
前記プリヒート期間においては、前記出力抵抗値が前記噴射部内の配線抵抗値よりも小さくなるように、前記出力抵抗値を設定し、
前記噴射動作期間においては、前記出力抵抗値が前記配線抵抗値よりも大きくなるように、前記出力抵抗値を設定する
上記(1)または(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(4)
前記出力回路は、P型トランジスタおよびN型トランジスタを含んでおり、
前記抵抗値制御機構は、
前記噴射動作期間と前記プリヒート期間とで、
前記P型トランジスタおよび前記N型トランジスタのうちの少なくとも一方に対応する前記出力抵抗値を変化させる
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(5)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
(6)
複数のノズルを有する噴射部に対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記ノズルから液体を噴射させる際に、
前記噴射部内の前記液体を加温するプリヒート期間を設定することと、
前記プリヒート期間の後に、前記液体を噴射させる噴射動作期間を設定することと
を含み、
前記噴射動作期間と前記プリヒート期間とで、前記パルス信号を出力する出力回路内における出力抵抗値を変化させる
液体噴射ヘッドの駆動方法。
【符号の説明】
【0076】
1…プリンタ、10…筺体、2a,2b…搬送機構、21…グリッドローラ、22…ピンチローラ、3(3Y,3M,3C,3B)…インクタンク、4(4Y,4M,4C,4B)…インクジェットヘッド、41…ノズルプレート、42…アクチュエータプレート、42R…配線抵抗、42C…配線容量、49…制御部、490…制御信号出力部、491…出力回路、492p,492n…抵抗値制御機構、50…インク供給管、6…走査機構、61a,61b…ガイドレール、62…キャリッジ、63…駆動機構、631a,631b…プーリ、632…無端ベルト、633…駆動モータ、9…インク、P…記録紙、d…搬送方向、Hn…ノズル孔、Sp…パルス信号、Vd…駆動電圧、Rout,Rout1,Rout2,R2p,R2n…出力抵抗値、Rw…配線抵抗値、Trp…P型トランジスタ、Trn…N型トランジスタ、VDD…電源、P1…接続点、Sc1p,Sc1n,Sc2p,Sc2n…制御信号、T1…プリヒート期間、T2…噴射動作期間(印刷期間)。
図1
図2
図3
図4
図5