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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】門扉
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
E06B11/02 J
E06B11/02 P
E06B11/02 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018178435
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2019060226
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】P 2017183447
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592218171
【氏名又は名称】伊勢屋金網工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】林 賢吉
(72)【発明者】
【氏名】原 哲
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-026576(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏の面に平行に横方向へスライド開閉される門扉本体と、
前記門扉本体を下部にて支持する支持体と、
前記スライド開閉にてスライド移動する前記支持体を下方でガイドする移動ガイド部とを備え、
前記移動ガイド部は、
前記支持体の下部が収納される収納空間と、
前記収納空間の上方で前記支持体の上端から下端の間の高さに位置して前記支持体の表裏に対向する一対の蓋体とを有し、
前記支持体は、当該支持体の下辺部におけるスライド移動方向の端部から上方斜め内側に伸びる斜辺部が設けられている
門扉。
【請求項2】
前記斜辺部は、端部に向かって厚みが徐々に薄くなる形状に形成されている
請求項1記載の門扉。
【請求項3】
前記移動ガイド部は、前記スライド移動方向に長く敷設されたレールと、
前記支持体の下端に設けられて当該レール上を転動する転動体を有し、
前記一対の蓋体は、互いの間の隙間が、前記支持体のスライド移動を許容し前記スライド移動方向に長いスリットを形成し、
前記スリットは、前記転動体と前記レールが収容される前記収空間の幅よりも狭い隙間に形成されている
請求項1または2記載の門扉。
【請求項4】
前記レールは、前記スリットから下方へ前記転動体の高さ以上に離間して敷設された
請求項3記載の門扉。
【請求項5】
前記一対の蓋体は、少なくとも一方が開閉可能に構成されている
請求項1から4のいずれか1つに記載の門扉。
【請求項6】
前記斜辺部の下端は前記蓋体よりも下方に位置し、前記斜辺部の上端は前記蓋体よりも上方に位置する構成である
請求項1からのいずれか1つに記載の門扉。
【請求項7】
前記支持体の表裏に対向する前記一対の蓋体は、相互に対向する面に弾性を有する素材で形成された緩衝部材を備えた
請求項1から6のいずれか1つに記載の門扉。
【請求項8】
前記斜辺部は、前記支持体の下辺部から上方斜め内側に向けて仰角を徐々に小さくしながら所定の長さだけ伸びた急な傾斜の切先部と、前記切先部から滑らかに接続されて仰角を前記切先部の仰角よりも小さい範囲で緩やかな傾斜の物打ち部とを有し、
前記支持体は、前記斜辺部の上部に連接され仰角を徐々に大きくするアール状に形成された堆積物側方排除部を有する
請求項1から7のいずれか1つに記載の門扉。
【請求項9】
前記一対の蓋体は、端部の天端に設けた蓋体連結部材により連結される
請求項1から8のいずれか1つに記載の門扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、門扉に関する。
【背景技術】
【0002】
工場等の施設では、周囲が外壁で囲われ、出入り口に門が設置されている。このような門には、路面にレールを敷設しそのレール上に門扉を移動させるレール式の門扉や、レールが無く門扉下部のタイヤで移動させるタイヤ式の門扉等が広く用いられている。
【0003】
しかし、レール式の門扉は、冬期に積雪がある寒冷地においては、降雪時にレール周辺の路面上に門扉の戸車を覆うように積雪し、夜間に凍結して門扉の開閉が不可能になることや、また、通行する車等により踏み固められた雪によりレールが埋まり、門扉の開閉が困難となることがあった。また、タイヤ式の門扉は、寒冷地において雪が踏み固められた凍結すると、その雪の厚みと表面の凹凸により、うまく開閉させることができず、無理に開閉させることによって故障することがあった。
【0004】
ここで、特許文献1には、出入口路面に埋設した排水溝の耐重型グレーチングを挟んで、一対のレールを敷設し、該レール上に台車型鉄扉を走行自由に載架する発明が開示されている。これにより、台車型鉄扉の戸車の回りの積雪を防止できるとされている。
【0005】
この特許文献1に開示の発明は、レールが路面から突出しているため、レールの側面にごみ、砂等が吹き寄せられて溜まりやすい。したがって、外観上好ましくなく、また、ごみや砂等が門扉の走行の妨げとなるためにレール周辺の清掃をしなければならず、メンテナンスが煩雑なものであった。
【0006】
これに対して、レールの上端が高くともグレーチング本体の上端と略同一平面になる門扉用グレーチングの発明が特許文献2に開示されている。
【0007】
しかしながら、上述の各発明は、いずれも、夜間に凍結したり、あるいは踏み固められて固くなった雪に起因して門扉の開閉が困難となるという課題を解決するものではなかった。
【0008】
このように、寒冷地において積もった雪が踏み固められたり凍結しても開閉できるような門扉が無かったため、門扉が開かなくなることを避けるべく、冬季は門扉を開けたままにしているのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】実開平7-38596号公報
【文献】特開2005-282275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、上述の問題点に鑑みて、積もった雪が踏み固められたり凍結しても開閉できる門扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、表裏の面に平行に横方向へスライド開閉される門扉本体と、前記門扉本体を下部にて支持する支持体と、前記スライド開閉にてスライド移動する前記支持体を下方でガイドする移動ガイド部とを備え、前記移動ガイド部は、前記支持体の下部が収納される収納空間と、前記収納空間の上方で前記支持体の上端から下端の間の高さに位置して前記支持体の表裏に対向する一対の蓋体とを有し、前記支持体は、当該支持体の下辺部におけるスライド移動方向の端部から上方斜め内側に伸びる斜辺部が設けられている門扉であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明により、積もった雪が踏み固められたり凍結しても開閉できる門扉を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】門扉の構成を示す説明図。
図2】門扉、スライド板及び戸車周りの構成を示す説明図。
図3】レールと戸車の構成を示す説明図。
図4】スライド板の構成を示す説明図。
図5】第2実施例におけるスライド板及び戸車周りの拡大断面図。
図6】第3実施例における溝蓋の構成を示す説明図。
図7】第4実施例におけるスライド板の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願発明の一実施形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
<門扉の全体構成>
図1(A)は門扉1の正面図で、図1(B)は門扉1の平面図で、図2(A)は門扉1の図1(A)のD-D断面による一部縦断右側面図である。
【0016】
門扉1は、例えば、工場や学校、病院等の出入口に設けられる大型のレール式の門扉(レール式門扉)であって、門扉本体10と、門扉本体10を下方から支持するスライド板2(支持体)と、スライド板2の下端に取り付けられた戸車3と、戸車3をガイドする移動ガイド部20を備えている。この門扉本体10とスライド板2と戸車3は、一体となって、移動ガイド部20に沿って門扉本体10の表裏の面に平行にスライド開閉する。すなわち、戸車3が移動ガイド部20に沿ってスライド移動し、この戸車3に固定されているスライド板と門扉本体10が、これによってスライド開閉する。
尚、ワイヤ(図示せず)の一端を門扉本体10に取り付け、このワイヤを巻き取るウインチ(図示せず)を設置して、門扉本体10をスライド開閉させる構造にする、あるいは、戸車3にモータ(図示せず)を取り付けて電動駆動とする等、適宜の駆動力によって開閉する構造としてもよい。
【0017】
門扉本体10は、同一平面上にほぼ等間隔に配列された複数の縦格子13と、当該縦格子13を上下方向から挟むようにして設けられた上枠14、及び下枠11aを備え、さらに、当該下枠11aと同一形状の補助下枠11bを、当該下枠11aの後方に平行且つ離間して備えている。そして、門扉本体10は、補助下枠11bを縦格子13の上方部の背面側に連結する逆J字状の縦框15と、補助下枠11bを下枠11aに前後方向に水平に連結する横框12とを、それぞれ同数ずつ備えている。そして、縦框15と横框12とは、平面視において同一箇所にほぼ等間隔に配列されている。門扉本体10を構成する各部材(縦格子13、上枠14、下枠11a、補助下枠11b、縦框15、横框12)は、ステンレス、アルミ、及び鋼鉄素材で形成されている。そして、門扉本体10は、縦格子13が路面Fに対して略垂直になるように立設されている。
【0018】
<スライド板及び戸車周りの構成>
図2(B)はスライド板2及び戸車3周りの側面図で、図3(A)はスライド板2及び戸車3周りの正面図で、図3(B)はスライド板2及び戸車3周りの底面図である。
【0019】
スライド板2は、板状で、門扉本体10を構成する下枠11a及び補助下枠11bの長手方向に平行で、且つ縦格子13に平行に配置され、下枠11a及び補助下枠11bのそれぞれの下端部に一または複数接続されている。このため、スライド板2は、下枠11a及び補助下枠11bの各幅方向中央に設けられ、門扉本体10が立設された状態で、路面Fに略垂直に交差する。なお、スライド板2は、棒状部材を一列に並べて形成する、あるいは棒状部材を網目状に配置して形成するなど、適宜の形状とすることができるが、間に雪が入って凍ることを防止するべく板状とすることが好ましい。特に、スライド板2は、下枠11a及び補助下枠11bの各幅方向中央に設けられているため、上から降り積もる雪が下枠11a及び補助下枠11bで遮られ、その下のスライド板2や後述のスリット53になるべくかからない配置となっている。
【0020】
戸車3は、ベアリング(図示せず)を装着した車輪32(転動体)と、当該ベアリングを介して車輪32を回転自在に支持する車軸(回転軸)33と、縦断面が逆U字状の枠金具31を備えている。枠金具31は、車輪32の上方を覆いスライド板2の下端部と接続するスライド板接続部31cと、車輪32を左右両側から覆い車輪32の左右両側に突き出た車軸33を支持する車軸支持部31a、31bを有している。車輪32は、車輪32の溝が90度の略V字状に加工されており、直径が外側から内側に向かって徐々に小さくなる外輪部32a、32bと、外輪部32a、32bに両側から挟まれ直径が外輪部32a、32bの内側と同一で狭幅の内輪部32cとで構成されている。車輪32は、門扉本体10の重量に応じて鋼素材、あるいは鋳鉄素材で形成されている。鋳鉄の中でもダグタイル鋳鉄は超重量の門扉本体10には好適である。車輪32に装着されるベアリングは、超重量の門扉本体10にはダブルベアリングが好ましい。また、塵や埃が入り込みにくい防塵効果の高い密閉式のベアリングが好ましい。ベアリングには、寒冷地仕様の不凍オイルを注油するのが好ましい。戸車3は、車軸33の方向がスライド板2に垂直になるように配置され、スライド板接続部31cを介してスライド板2の下端部に一または複数接続されている。言い換えると、スライド板2は、戸車3の進行方向に平行に配置されている。
【0021】
<門扉の設置及び移動路面下の構造>
門扉1が設置され且つ移動する路面F下の空間には、横長で縦断面が略四角形の収納空間Sが平行に2本形成されている(図2(B)参照)。一方の収納空間Sは、スライド板2の下部と、当該スライド板2を介して下枠11aに取り付けられた戸車3がすっぽりと収まる大きさで、かつ、戸車3が下枠11aの長手方向に移動可能なように、下枠11aの下方、及び下枠11aの長手方向の延長線の下方の路面F下に形成されている。同様にして、他方の収納空間Sは、スライド板2を介して補助下枠11bに取り付けられた戸車3がすっぽりと収まる大きさで、かつ、戸車3が補助下枠11bの長手方向に移動可能なように、補助下枠11bの下方、及び補助下枠11bの長手方向の延長線の下方の路面F下に形成されている。各収納空間Sは、横長で縦断面が略U字状の基礎コンクリート6が路面F下に埋設され、当該基礎コンクリート6の内面側を覆うようにして、鋼素材の内壁部材51が側面部51a、51b及び底面部51cを形成している。
【0022】
収納空間Sの内壁部材51の側面部51a、51bにおける底面部51cと交わるコーナー部には、補強部材55が設けられている。この補強部材55は、収納空間Sの長手方向が法線方向となる略板状で、側辺が側面部51a、51bに固定されている。また、補強部材55における略水平に形成されている上辺は、溝蓋5の底面に当接し、溝蓋5が略水平となるように支持する。これにより、補強部材55を介して底面部51cから側面部51a、51bを押圧支持している。このため、側面部51a、51bは収納空間Sの内側に倒れにくくなっている。
【0023】
内壁部材51の底面部51cの上面側には、レール4が敷設されている。レール4は、底面部51cの中央線上に直線状に敷設されている。レール4は、鋼素材で形成され、内壁部材51の底面部51cに溶接により固定されている。レール4は、縦断面が略直角2等辺山形のアングルレールである。レール4は、戸車3が乗った状態で車輪32の溝にほぼピッタリ合うようになっている。すなわち、車輪32の外輪部32a、32bがレール4を幅方向の両側から下方へ斜めに挟み込むようになっている。このため、レール4上を移動する戸車3は脱輪しにくい。レール4の裏面側には、保温ヒータ57がレール4に沿って敷設されている。これにより、レール4を保温ヒータ57により保温することができる。このため、冬期に雪等がレール4に付着しそのまま凍結するのを防止することができ、これにより、レール4上の凍結した雪等が障害物となって戸車3の車輪32が動かなくなるのを未然に防止することができる。なお、保温ヒータ57を備えない構成としてもよい。この場合はコストダウンを図ることができる。
【0024】
基礎コンクリート6の長手方向の両端には、排水桝(図示せず)が設けられている。収納空間S内に侵入した雪解け水や雨水は、排水桝を介して排水溝(図示せず)に排水される。
【0025】
収納空間Sの上方の開放面は、横長で矩形状の一対(2つ)の蓋体5a、5bを有する溝蓋5で蓋がされている。各蓋体5a、5bは、路面Fと面一になるように配置され、それぞれ収納空間Sの内壁部材51の側面部51a、51bの各上端辺部51x、51yに固定されている。
【0026】
蓋体5aと側面部51aとのコーナー部、及び蓋体5bと側面部51bとのコーナー部には、補強部材54が設けられている。これにより、補強部材54を介して側面部51a、51bから蓋体5a、5bを押圧支持している。このため、蓋体5a、5bは収納空間Sの内部に落ち込みにくくなっている。
【0027】
蓋体5a、5bは、それぞれの一方の長辺部5ax、5bxが対向するように配置され、長辺部5axと長辺部5bxとの間に隙間となるスリット53が形成されている。スリット53は、路面Fと面一に収納空間Sの上方の開放面に形成され、長手方向に伸びる直線状で、平面視において、レール4と平行になるように形成されている。スリット53は、隙間幅W3がスライド板2の板厚W1(図4(B)参照)より僅かに大きく、かつ、戸車3の幅よりも狭く構成されている。これにより、スリット53に沿ってスライド板2が自由にスライド移動でき、かつ、戸車3がスリット53から抜け出ることを防止でき、門扉本体10が風等で倒れることを防止している。スリット53には、スライド板2が縦に挿入されている。スリット53の縁に、スライド板2が接触しないように配置するのが好ましい。これにより、スリット53内を、スライド板2は上下方向及び長手方向にスライド可能となっている。また、スリット53の幅は、下枠11a及び補助下枠11bの幅よりも狭く形成されている。これにより、上から降り積もる雪は、下枠11a及び補助下枠11bの上に積もり、その下のスリット53内には入りにくいようになっている。
【0028】
図3(C)は、レール4上に戸車3を乗せる前の溝蓋5の閉じた状態を示す図で、図3(D)は、溝蓋5を開放してレール4上に戸車3を乗せる様子を示す図である。
【0029】
溝蓋5の一部または全部は、観音開きの横長で矩形状の2つの蓋体5a、5bを有している。蓋体5a、5bの対向しない側の長辺部5ay、5byは、それぞれ内壁部材51の側面部51a、51bの各上端辺部51x、51yと蝶番52a、52bを介して連結されている。このため、蓋体5a、5bは、それぞれ蝶番52a、52bを回転軸として上方に開けることができる(図3(D)参照)。これにより、溝蓋5が閉じた状態で隙間幅W3の狭いスリット53(図3(C)参照)は、溝蓋5が開放されることにより隙間幅W3が広くなり、戸車3をレール4に乗せたり、レール4から降ろしたりできるようになる(図3(D)参照)。また、収納空間S内に溜まった砂や塵埃等を清掃により除去することができる。尚、蓋体5a、5bは、通常、補強部材54にボルト止めされている。このため、門扉本体10が風等によって表側(または裏側)へ倒れようとするとき、補助下枠11b(または下枠11a)のスライド板接続部31cが持ち上がって補助下枠11b(または下枠11a)の蓋体5a、5bに当接して、これ以上持ち上がらないように規制される。この規制によって、門扉本体10はこれ以上倒れることができないため、風によって門扉本体10が倒れることを防止できる。
【0030】
<スライド板の詳細>
図4(A)は、スライド板2の斜視図であり、図4(B)はスライド板2の平面図である。
【0031】
スライド板2は、板厚がW1の板状で、下辺部22と、下辺部22の両端から上方斜め内側に伸びる左斜辺部25(堆積物かき分け部)及び右斜辺部26(堆積物かき分け部)と、左斜辺部25の上端から上方に伸びる左側辺部23と、右斜辺部26の上端から上方に伸びる右側辺部24と、左側辺部23の上端と右側辺部24の上端を結ぶ上辺部21とで外周が覆われている。そして、下辺部22は、戸車3のスライド板接続部31cに接続されている。また、上辺部21は、門扉本体10を構成する下枠11a及び補助下枠11bのそれぞれの下端部に接続されている(図示せず)。板厚W1は、2~10mmが好ましく、3~8mmがより好ましく、4~6mmが好適である。なお、左斜辺部25及び右斜辺部26は、直線状の傾斜辺にて形成したが、湾曲した傾斜辺に形成してもよい。
【0032】
スライド板2は、下辺部22と上辺部21とが平行で、左右対称となっている。下辺部22の両端からの、左斜辺部25の立ち上がり角及び右斜辺部26の立ち上がり角は、θ1で等しい。同様に、左斜辺部25の上端と右斜辺部26の上端とを結ぶ下辺部22に平行な仮想線27に対する、左側辺部23の傾斜角及び右側辺部24の傾斜角は、θ2で等しい。θ1は、鋭角で、5~85度が好ましく、10~60度がより好ましく、15~45度が好適である。θ2は、60~120度が好ましく、80~100度がより好ましい。
【0033】
下辺部22及び上辺部21は、スリット53にほぼ平行に配置されている。上辺部21からスリット53までの距離D1は、上辺部21から仮想線27までの距離H1より大きく、上辺部21から下辺部22までの距離H2より小さくなるように設定されている。このため、スリット53は、左斜辺部25及び右斜辺部26と斜めに交差する。スリット53と左斜辺部25及び右斜辺部26とのなす角は、θ4で、左斜辺部25の立ち上がり角及び右斜辺部26の立ち上がり角θ1にほぼ等しく、鋭角になっている。θ4は、(θ1-5度)より大きく(θ1+5度)より小さければ、必ずしもθ1と等しくなくてもよい。θ4は、5~85度が好ましく、10~60度がより好ましく、15~45度が好適である。これにより、例えば、スリット53近傍で凍結したり、あるいは踏み固められて固くなった雪は、スリット53に沿って左右に移動する左斜辺部25及び右斜辺部26と衝突し、スリット53に対する勾配角がθ4で板厚W1があまり大きくない左斜辺部25及び右斜辺部26により、斜め上方に押し上げられる。そのため、当該雪は、スリット53近傍から斜めに引き剥がされ、同時に、割るようにして破砕することができる。尚、距離D1と距離H2との差はできるだけ小さい方が好ましい。これによって上述のスライド板2による雪の破砕作用が害されることはほとんどない。他方、戸車3が門扉本体10に接近して設置されることになるため、門扉本体10が風の影響で倒れる方向へ傾いても、その傾きによって持ち上がったスライド板接続部31cが蓋体5a、5bにすぐに当接してそれ以上移動しない。このため、蓋体5a、5bによるスライド板接続部31cの抜け止め効果がすぐに発揮され、門扉本体10の転倒を防止できる。
【0034】
左斜辺部25、右斜辺部26、左側辺部23、及び右側辺部24は、外方に凸状(端部に向かって厚みが徐々に薄くなる形状)である。より詳細には、左側辺部23は、平坦面部23cの縁を両側の急斜面部23a、23bで限定された断面が台状となっている。同様に、左斜辺部25、右斜辺部26、及び右側辺部24も、平坦面部25c、26c、24cの縁を両側の急斜面部25a、25b、26a、26b、24a、24bで限定された断面が台状となっている。各平坦面部23c、25c、26c、24cは、幅が等しくW2である。また、スライド板2の板面に対する各急斜面部23a、23b、25a、25b、26a、26b、24a、24bのテーパ角は、等しくθ3である。スライド板2の板厚W1に対する幅W2の比(W2/W1)は、1/10~9/10が好ましく、1/5~3/5がより好ましく、3/10~2/5が好適である。また、θ3は、100~150度が好ましく、110~135度がより好ましく、120度が好適である。左斜辺部25、右斜辺部26、左側辺部23、及び右側辺部24は、外方に凸状であるため、上述の凍結したり、あるいは踏み固められて固くなった雪と衝突した際に、当該雪に対して切断力を加えることができる。そのため、当該雪は、切り裂くようにして破砕することができる。
【0035】
スライド板2の下辺部22の長さL1は、上辺部21の長さL2より長い。スライド板2を、下枠11aあるいは補助下枠11bに一つ接続する場合には、L1は、下枠11a及び補助下枠11bの長手方向の長さと同じか、または短いが、同じであるのが好ましい(図1(A)(B)図2(A)参照)。また、スライド板2を、下枠11aあるいは補助下枠11bに複数接続する場合には、下枠11aあるいは補助下枠11bに接続されたスライド板2のL1の合計は、下枠11a及び補助下枠11bの長手方向の長さと同じか、または短いが、同じであるのが好ましい。これにより、門扉本体10と路面Fの間の隙間をスライド板2によりほぼ閉鎖することができる。このため、門扉本体10の下から這って工場等に侵入しようとする小動物等の侵入を抑制することができる(図1(A)(B)2(A)参照)。
【実施例2】
【0036】
図5は、他の実施例におけるスライド板2及び戸車3周りの側面図である。
この例では、レールが2式4a、4b平行に離間して敷設されている。各レール4a、4b上に乗せられた戸車2式3a、3bは、中間に設けられた連結部材34により並列に連結されている。そして、スライド板2は、直下の連結部材34を介して、戸車2式3a、3bに接続されている。一方、スリット53は、レール4a、4bと平面視において平行に形成されている。また、上述のように、スリット53は、隙間幅W3がスライド板2の板厚W1(図4(B)参照)より僅かに大きく、そして、スリット53の縁に接触しないようにしてスライド板2が縦に挿入されている。このため、スリット53の直下には、レール4a、4bは存在せず、また、戸車3a、3bがスリット53の直下に来ることもない。従って、スリット53の僅かな隙間を通って収納空間S内に雪が入り込み、スリット53の直下に多少積もることがあったとしても、レール4a、4bや戸車3a、3b上に積もることはほとんど無い。そのため、収納空間S内に入り込んだ雪の凍結を原因とした門扉本体10の開閉困難は生じにくい。
【0037】
以上の構成と動作により、門扉1は、路面Fの上方に配置された門扉本体10と、門扉本体10の下端に連結され、門扉本体10に平行に且つ下方に伸びる板状のスライド板2と、路面Fに開口した門扉本体に平行に伸びるスリット53と路面F下に設置されスリット53の方向に回転する車輪32とを有し、車輪32が回転することでスリット53内に挿入したスライド板2をスリット53に沿ってスライドさせる直線搬送手段と、を備えており、スライド板2は、路面F上に露出しスリット53と斜めに交差する斜辺部(左斜辺部25、右斜辺部26)を有し、スリット53と斜辺部(左斜辺部25、右斜辺部26)とのなす角が鋭角になっている。このため、例えば、スリット53及びスリット53近傍の路面F上に積雪し、その後、凍結したり、あるいは踏み固められて固くなっても、スリット53に沿ってスライドする当該スライド板2により破砕することができる。これにより、門扉1は、豪雪地帯に設置されても、雪を原因とした開閉困難は生じにくい。
【0038】
さらに、スリット53と斜辺部(左斜辺部25、右斜辺部26)とのなす角は鋭角になっている。このため、スリット53に沿って左右に移動するスライド板2の左斜辺部25及び右斜辺部26は、上述のスリット53及びスリット53近傍の路面F上の固くなった雪に斜め下方から衝突し、当該雪を斜め上方に押し上げる。これにより、当該雪は、スリット53及びスリット53近傍から引き剥がされ、同時に、下方から上方へ断ち割るようにして破砕することができる。これにより、当該雪が相当固くなる厳冬期においても、当該雪を原因とした門扉1の開閉困難が生じにくくなる。
【0039】
また、スライド板2の左斜辺部25及び右斜辺部26は、外方に凸状になっている。このため、スライド板2の左斜辺部25及び右斜辺部26は、上述の固くなった雪と衝突した際に、当該雪に対して切断力を加えることができる。これにより、当該雪は、切り裂くようにして破砕することができる。
【0040】
直線搬送手段は、スリット53下方の路面F下に平面視においてスリット53に平行に敷設されたレール4と、スライド板2の下端に連結されレール4上を移動する戸車と、を有している。すなわち、スリット53は、平面視においてレール4に平行であり、また、スライド板2は、下端に戸車3が連結され、レール4上を移動するようになっている。このため、スライド板2は、スリット53に沿った一定方向にスムーズにスライドすることができる。これにより、スライド板2は、上述の固くなった雪に対して、一定方向に破砕力を加え続けることができるため、当該雪を破砕しやすくなる。
【0041】
レール4は、スリット53直下から離間して敷設されている。そのため、路面F上に降ってきた雪等は、狭い隙間のスリット53をすり抜けてさらに落下したとしても、レール4上に付着する確率はそれ程大きくならない。これにより、レール4上に付着した雪等の凍結を原因とした門扉1の開閉困難は生じにくくなる。従って、従来のように、積雪で門扉が動かなくなることを心配して夜間に門扉を開けたままにしておく必要がなく、安心して門扉1を閉めて施錠し施設内のセキュリティーを保つことができる。
【0042】
スリット53の一部または全部は、矩形状の2つの板状体である蓋体5a、5bが路面Fと面一になるように配置され、且つ一方の板状体である蓋体5aの一方の長辺部5axと他方の板状体である蓋体5bの一方の長辺部5bxとが対向し且つ僅かに離間して配置されて形成される2つの板状体である蓋体5a、5bの隙間であって、2つの板状体である蓋体5a、5bは、対向しない一方の板状体である蓋体5aの他方の長辺部5ayと他方の板状体である蓋体5bの他方の長辺部5byとに、それぞれ他方の長辺部5ay、5byに沿って回転軸となる蝶番52a、52bが設けられている。このため、スリット53の一部または全部は、当該スリット53の一部または全部を形成する蓋体5a、5bがいわゆる観音開きの扉を形成している。そして、蓋体5a、5bは、それぞれ蝶番52a、52bを回転軸として大きく上方に開放することができる。これにより、レール4への戸車3の乗降がしやすくなり、また、収納空間S内に溜まった砂や塵埃等を清掃により除去することも容易となる。
【0043】
尚、本願発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。スライド板2をスリット53に沿ってスライドさせる直線搬送手段として、レール4と戸車3(車輪32)とを組み合わせた例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、ラック(レール4に相当)とピニオン(車輪32に相当)との組み合わせや、レール4に代えてスリット53の方向に回転する車輪32をスリット53の方向に近接して複数配列し、車輪32上にスライド板2を直接嵌め込むようにしてもよい。
【0044】
また、蓋体5a、5bを蝶番52a、52bを軸に開閉動作するように構成したが、蝶番52a、52bを設けずに蓋体5a、5bを設置/取り外しできるように構成してもよい。この場合も蓋体5a、5bを取り外して開状態とし、収納空間S内の清掃等のメンテナンスを行うことができる。
【0045】
また、門扉1は、門扉本体10の大きさが変化せずにスライドするスライド式門扉としたが、これに限らず、門扉本体が開閉方向に伸縮するアコーディオン式門扉とすることもできる。この場合、門扉本体10がアコーディオン式となる点が実施例1と異なるだけで、その他のスライド板2、戸車3、および移動ガイド部20は実施例1と同じ構成とすることができる。この場合も、アコーディオン式門扉はレール式門扉の一種として機能し、実施例1と同じ効果を奏することができる。
【実施例3】
【0046】
図6(A)は、第3実施例における溝蓋105の構成を示す説明図である。以下では、上述までの実施例との相違点だけを詳述し、その他の同様な点の説明は省略する。
【0047】
溝蓋105は、矩形状の2つの板状体である蓋体5a、5bが路面F(図示せず)と面一になるように対向して平行に配置され、対向する蓋体5aの長辺部5axと蓋体5bの長辺部5bxには、それぞれ長手形状の緩衝部材105a、105bが各長辺部5ax、5bxに沿って対向して平行に設けられている。
【0048】
緩衝部材105a、105bは、弾性を有する素材で形成されている。例えば、緩衝部材105a、105bは、天然の、あるいは合成樹脂などで作製された人造のスポンジ素材を、棒状(角棒状)に形成したものを使用してもよい。
【0049】
また、図6(B)は、第3実施例の変形例における溝蓋205の構成を示す説明図である。緩衝部材205a、205bは、弾性を有する多数の繊維や針金を、それぞれ蓋体5aの長辺部5axから蓋体5bの長辺部5bxへ向けて生やしたブラシ状、および蓋体5bの長辺部5bxから蓋体5aの長辺部5axへ向けて生やしたブラシ状であってもよい。
【0050】
図6(A)、(B)に示すように、対向する蓋体5aの長辺部5axと蓋体5bの長辺部5bxにそれぞれ設けられた緩衝部材105a、105bの間、および緩衝部材205a、205bの間には、それぞれ隙間153、253が形成されている。隙間153、253の幅は、少なくともスライド板2の板厚W1(図4(B)参照)より小さく、あるいは全く無くてもよい。
【0051】
以上の構成により、緩衝部材105a、105b、205a、205bが、弾性を有する素材で形成されているため、緩衝部材105a、105b、205a、205bを弾性変形させて、隙間153にスライド板2を容易に配置することができる。また、配置されたスライド板2と緩衝部材105a、105b、205a、205bとの間には隙間が生じない。これにより、スライド板2と緩衝部材105a、105b、205a、205bとの隙間から収納空間S(図2(B)参照)内に、雨水や雪、ほこり、砂などが入りにくくなる。一方、隙間153,253に配置されたスライド板2は、緩衝部材105a、105b、205a、205bを弾性変形させながら、隙間153,253に沿って容易にスライド移動させることができる。
【0052】
さらに、隙間153、252の幅を全く無いようにすれば、間にスライド板2が配置されていない場所の緩衝部材105aと緩衝部材105bとの隙間153や、緩衝部材205aと緩衝部材205bとの隙間253からも、雨水や雪、ほこり、砂などが収納空間S(図2(B)参照)内に入りにくくなる。
【0053】
なお、図6(B)に示した緩衝部材205a、205bはブラシ状のため、隙間253の幅を全く無いようにするために、一方の緩衝部材205a、205bのブラシの先端部と他方の緩衝部材205b、205aのブラシの先端部とが重ね合わさるように相互に入り込むようにしてもよい。
【実施例4】
【0054】
図7は、第4実施例におけるスライド板102の構成を示す説明図である。以下では、上述までの実施例との相違点だけを詳述し、その他の同様な点の説明は省略する。
【0055】
スライド板102は、板厚がW1の板状で、下辺部122と、下辺部122の両端から上方斜め内側に伸びる左斜辺部125(堆積物かき分け部)及び右斜辺部126(堆積物かき分け部)と、左斜辺部125の上端から上方に伸びる左側辺部123と、右斜辺部126の上端から上方に伸びる右側辺部124と、左側辺部123の上端と右側辺部124の上端を結ぶ上辺部121とで外周が覆われている点で、スライド板2と共通している(図4参照)。
【0056】
スライド板102は、左斜辺部125と右斜辺部126、および左側辺部123と右側辺部124の形状が、スライド板2と相違する。
【0057】
左斜辺部125と右斜辺部126は、刃を上に棟を下にして水平に置かれた日本刀の刃先のような形状に形成されている。すなわち、左斜辺部125と右斜辺部126は、それぞれ下辺部122の両端から上方斜め内側に向けて仰角を30度から60度までの範囲で徐々に小さくしながら所定の長さだけ伸びた急な傾斜の切先部と、それぞれの切先部から滑らかに接続されて仰角を30度以下の範囲で僅かに小さくしつつ左側辺部123と右側辺部124にまで伸びた緩やかな傾斜の物打ち部を有する。
【0058】
また、左側辺部123と右側辺部124は、左斜辺部125と右斜辺部126のそれぞれの上端から上辺部121に向けて仰角を0度からほぼ90度になるように徐々に大きくしながら伸びたアール状に形成されている。
【0059】
以上の構成により、スライド板102の左斜辺部125と右斜辺部126は、刃先の形状を有しているため、実施例1,2における溝蓋5の矩形状の2つの蓋体5a、5bが閉じた状態で形成されるスリット53、及びスリット53近傍の路面F上や、実施例3における緩衝部材105a、105b、205a、205b及びそれらの隙間153、253に積雪し、その後、凍結したりあるいは踏み固められて、当該雪が固くなっても、スライド板102がスリット53に沿ってスライドする際に、容易に切り裂きあるいは破砕することができる。
【0060】
さらに、左側辺部123と右側辺部124は、アール状に形成されているため、左斜辺部125あるいは右斜辺部126によって切り裂きあるいは破砕された雪片をスライドするスライド板102の側方に容易に排除することができる堆積物側方排除部として機能する。
これにより、積雪し、その後、凍結したりあるいは踏み固められスライド板102上に連結された門扉本体10を、スムーズに移動させることができる。
【実施例5】
【0061】
図7に示すように、溝蓋5を構成する矩形状の2つの板状体である蓋体5a、5bを連結する蓋体連結部材205cを、溝蓋5の長尺方向の2つの端部にそれぞれ設けるようにしてもよい。蓋体連結部材205cは、各蓋体5a、5bの天端にネジ止めされている。このねじ止めは、蓋体5a、5bがずれ動くことの無いように雄ネジと雌ネジの隙間のないビスによりねじ止めされている。なお、蓋体5a、5bを補強部材54(図5参照)にビス止めしてもよい。
【0062】
これにより、重量物を運搬するトラックなどが溝蓋5上を往来しても、溝蓋5の蓋体5a、5bにより形成されているスリット53は、その隙間幅W3が変動しにくくなる(図5参照)。特に、スリット53の隙間幅W3が小さくなりにくいため、スリット53内に挿入されスリット53に沿ってスライド移動するスライド板2、102は、その側方近傍に位置する蓋体5a、5bに接触する恐れが小さくなる。また、スリット53の隙間幅W3が大きくなりにくいため、収納空間S(図2(B)参照)内に、雨水や雪、ほこり、砂などが入り込みやすくなる恐れが小さくなる。
【実施例6】
【0063】
門扉本体10に、門扉本体10の高さと同じ程度の長さで人の手指で把持できる棒状のてこ棒を設けてもよい。門扉本体10には、てこ棒が門扉本体10に作用する作用点として機能する円柱状の支軸が、門扉本体10を構成する下枠11aあるいは補助下枠11bに、水平に外方に向けて設けられている。てこ棒には、支軸が貫通し且つ当該てこ棒の長手方向に長い長丸貫通孔が形成されている。長丸貫通孔は、てこ棒を路面F上に立てた状態で支軸が長丸貫通孔内のほぼ中央に位置するように設けられ、支軸が長丸貫通孔内を摺動できるようになっている。
【0064】
以上の構成により、てこ棒を斜めにして路面F上に立てかけた状態で、てこ棒の上部(力点)を把持して門扉本体10の左右方向に力を加えると、てこ棒の下端が(支点)となって、門扉本体10に設けられた支軸(作用点)に、てこの原理による大きな力が加えられる。これにより、停止状態の門扉本体10を動かす際の初動が容易になる。
尚、本願発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本願発明は、門扉に関する産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…門扉
2…スライド板
3…戸車
4…レール
5…溝蓋
5a、5b…蓋体
5ax、5bx…一方の長辺部
5ay、5by…他方の長辺部
6…基礎コンクリート
10…門扉本体
25…左斜辺部
26…右斜辺部
52a、52b…蝶番
53…スリット
57…保温ヒータ
F…路面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7