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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】移動局装置及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20220809BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20220809BHJP
   H04W 76/50 20180101ALI20220809BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20220809BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20220809BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220809BHJP
   H04W 84/08 20090101ALI20220809BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W4/90
H04W76/50
H04W88/02 110
H04M11/04
H04M1/00 R
H04W84/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018179645
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020053783
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】宮部 達志
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-167253(JP,A)
【文献】特表2006-505158(JP,A)
【文献】特表2002-511223(JP,A)
【文献】国際公開第2017/102030(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0205527(US,A1)
【文献】都道府県・市町村デジタル移動通信システム,標準規格ARIB STD-T79 3.0版(第1分冊),社団法人 電波産業会,2009年07月29日,pp.37-39,391-397
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04M 11/04
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムの基地局装置と通信可能な移動局装置において、
前記基地局装置から送信される、該基地局装置が所属する無線通信システムのシステムコードを含む報知情報を受信する通信部と、
自身が所属する無線通信システムとは別の無線通信システムの基地局装置から受信した報知情報に基づいて、前記別の無線通信システムの応援通信に参入できるか否かを判定する制御部と、
前記別の無線通信システムの応援通信に参入できると判定された場合に、前記別の無線通信システムの基地局装置から受信した報知情報のシステムコードを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているシステムコードを表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする移動局装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動局装置において、
前記報知情報には、前記別の無線通信システムが許可する応援形式を示す応援種別が含まれており、
前記制御部は、前記報知情報の応援種別に基づいて、前記別の無線通信システムの応援通信に参入できるか否かを判定することを特徴とする移動局装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の移動局装置において、
前記制御部は、前記表示部に表示されたシステムコードのうちのユーザに選択されたシステムコードを、応援通信の参入先の無線通信システムのシステムコードとして設定することを特徴とする移動局装置。
【請求項4】
移動局装置と基地局装置を備えた無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、自身が所属する無線通信システムのシステムコードを含む報知情報を送信し、
前記移動局装置は、自身が所属する無線通信システムとは別の無線通信システムの基地局装置から受信した報知情報に基づいて、前記別の無線通信システムの応援通信に参入できるか否かを判定し、応援通信に参入できると判定された場合に、当該報知情報のシステムコードを記憶して表示できるようにすることを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所属する無線通信システムとは別の無線通信システムへの応援参入に使用できる移動局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの一つとして、標準規格ARIB STD-T79(非特許文献1参照)で定められているデジタル移動通信システムがある。図1には、デジタル移動通信システムの構成例を示してある。同図のデジタル移動通信システムは、システムの通信を統括する統制局装置10と、統制局―移動局間、あるいは移動局-移動局間で通信を行うための基地局装置20と、移動局装置30-1~30-2とを備えている。なお、図1のデジタル移動通信システムは簡略化されており、システム内の基地局20や移動局30の台数は任意である。
【0003】
本明細書では、「統制局装置」を「統制局」と略し、「基地局装置」を「基地局」と略し、「移動局装置」を「移動局」と略することがあるが、これらは同義であり、使い分けに特別な意図があるわけではない。また、本明細書では、「無線通信システム」や「デジタル移動通信システム」を、単に「システム」と表記することがある。
【0004】
デジタル移動通信システムでは、災害発生時等に異なる自治体間での相互応援を目的とした音声通信を行うことができる。このような通信を「応援通信」という。応援通信では、近隣の市町村や応援協定を締結した自治体間において、応援のため持参した別自治体の移動局を自システム内の端末として利用して、音声通信を行うことができるようになる。
【0005】
図2には、デジタル移動通信システムにおける応援通信の例を示してある。同図に示すように、自治体A、自治体Bのそれぞれにデジタル移動通信システムが設けられているものとする。図1と同様に、自治体Aのシステムは、統制局10Aと、基地局20Aと、移動局30-1~30-2とを備え、自治体Bのシステムは、統制局10Bと、基地局20Bと、移動局30-3~30-4とを備えている。
【0006】
自治体Aから移動局30-1を自治体Bに持参して応援通信を行う場合は、自治体B側のシステムで応援通信受入をON(応援受入状態)にして、移動局30-1で応援参入の設定を行う。これにより、移動局30-1は自治体Bのシステムの端末として音声通信を行うことができるようになる。
【0007】
このような応援参入に関し、システム利用者の利便性の向上を図る種々の発明が提案されている。例えば、特許文献1には、応援通信先のシステムコードを移動局に登録させる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-56991号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】標準規格ARIB STD-T79 3.0版、「都道府県・市町村デジタル移動通信システム」、一般社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
デジタル移動通信システムでは、そのシステムが設置されている自治体を識別するためのシステムコード(都道府県コード2桁+市区町村コード3 桁)が、通信の制御等で使用される。図3を参照して、従来方式の応援通信の手順について説明する。
【0011】
図3に示すように、応援通信を行うには、(1)参入される側のシステムの統制局10Bで応援通信受入をON(応援受入状態)に設定した上で、(2)参入する側のシステムの移動局30-1でも応援通信参入をON(応援参入状態)に設定し、更に、(3)移動局30-1に参入先を指定するためのシステムコードの入力を行う必要があった。このため、応援通信をしようとする者は、事前に参入先のシステムコードを知っておく必要がある。しかしながら、応援通信は緊急時に使用することが想定されることから、事前に十分な情報共有ができずにシステムコードの確認に手間取ることが考えられる。
【0012】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、応援通信に参入する際のユーザの操作負担を軽減できる移動局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明では、移動局装置を以下のように構成した。
すなわち、無線通信システムの基地局装置と通信可能な移動局装置において、前記基地局装置から送信される、該基地局装置が所属する無線通信システムのシステムコードを含む報知情報を受信する通信部と、自身が所属する無線通信システムとは別の無線通信システムの基地局装置から受信した報知情報に基づいて、前記別の無線通信システムの応援通信に参入できるか否かを判定する制御部と、前記別の無線通信システムの応援通信に参入できると判定された場合に、前記別の無線通信システムの基地局装置から受信した報知情報のシステムコードを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されているシステムコードを表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記報知情報に、前記別の無線通信システムが許可する応援形式を示す応援種別を含めておき、前記制御部が、前記報知情報の応援種別に基づいて、前記別の無線通信システムの応援通信に参入できるか否かを判定するように構成してもよい。
【0015】
また、前記制御部が、前記表示部に表示されたシステムコードのうちのユーザに選択されたシステムコードを、応援通信の参入先の無線通信システムのシステムコードとして設定するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、応援通信に参入する際のユーザの操作負担を軽減できる移動局装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】デジタル移動通信システムの構成例を示す図である。
図2】デジタル移動通信システムにおける応援通信の例を示す図である。
図3】従来方式の応援通信の手順を説明する図である。
図4】本発明方式の応援通信の手順を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る移動局装置の構成例を示す図である。
図6図5の移動局による応援通信のフローチャートの例を示す図である。
図7図5の移動局による受信システムコードの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明方式の応援通信の仕組みについて、図4を参照して説明する。
図4に示すように、応援通信を行う際に、(1)参入される側のシステムの統制局10Bで応援通信受入をON(応援受入状態)に設定した上で、(2)参入する側のシステムの移動局30-1でも応援通信参入をON(応援参入状態)に設定する点は、従来方式と同様である。本発明方式では、(3)応援通信を受け入れているシステムのシステムコードが移動局30-1に表示され、その中から参入先のシステムコードを選択できるように構成されていることが、従来方式と異なっている。
【0019】
このような仕組みは、基地局20から移動局30に送信される報知情報を利用することで実現できる。報知情報とは、通信の制御情報や自治体毎のシステムコードに関する情報を移動局30に通知するための信号である。
【0020】
自治体Aから持参した移動局30-1は、自治体Bの基地局20Bからの報知情報を受信した際に、移動局30-1の応援通信参入がONであり、自治体Bが応援受入状態であった場合(つまり、移動局が応援通信に参入できる状態の場合)に、受信した報知情報に含まれるシステムコード(自治体Bのシステムコード)を保存しておく。つまり、異なる自治体のシステムコードを含む報知情報を移動局30が受信した場合、通常であれば報知情報は破棄されるが、本発明方式では破棄せずに、その報知情報に含まれるシステムコードを保存する。これにより、移動局30は、応援通信に参入できる状態にある自治体のシステムコードを表示して、ユーザに選択させることが可能となる。
【0021】
ここで、移動局30が複数の自治体から報知情報を受信した場合には、それぞれのシステムコードを保持できるようにすることが好ましい。これにより、移動局30は、応援通信に参入できる状態にある複数の自治体のシステムコードを表示して、その中から所望のシステムコードをユーザに選択させることが可能となる。この場合、移動局30に各自治体のシステムコードに自治体名を紐付けて持たせておくことで、システムコードの表示の際に自治体名も表示できるようになる。したがって、移動局30のユーザは、事前に参入先のシステムコードの周知がなくても、所望の自治体のシステムに容易に参入できるようになる。
【0022】
ただし、移動局30がシステムコードの保持するにあたり、保持期間に制限を設けることが好ましい。システムコードの保持期間に制限が無ければ、応援通信の受入を終了した自治体のシステムコードがいつまでも残存し、移動局30のユーザに誤った情報を与えかねないためである。
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムについて、実施例を参照して具体的に説明する。ここでは、図1図2に示したような、統制局10と、基地局20と、移動局30とを備えたデジタル移動通信システムを例にして説明する。なお、統制局10及び基地局20の構成や動作は従来のものと同様なため、その説明を省略する。
【0024】
図5には、本発明方式のデジタル移動通信システムで使用される移動局30の構成例を示してある。本例の移動局30は、応援通信に関する各種の情報を表示する表示部31と、応援通信に関する各種の情報を記憶する記憶部32と、基地局20との通信や他の移動局30との通信を行うための通信部33と、移動局30の制御を司る制御部34とを有する。
【0025】
記憶部32には、固有システムコードと、参入先システムコードと、受信システムコードと、自治体名データとが記憶される。固有システムコードは、移動局30が所属するシステムのシステムコードである。参入先システムコードは、移動局30が応援通信に参入しているシステムのシステムコードである。受信システムコードは、移動局30が応援通信に参入することが可能な状態にある他のシステムのシステムコードである。自治体名データは、移動局30が参入する可能性のあるシステムのシステムコードに対応する自治体名のデータである。自治体名データは、例えば、全国の自治体の各システムコードと、該システムコードに対応する自治体名とを対応付けて保持する自治体名テーブルとして構成される。
【0026】
制御部34は、移動局30が所属するシステムとは別のシステムの基地局20から受信した報知情報に基づいて、別のシステムの応援通信に参入できるか否かを判定し、応援通信に参入できると判定された場合に、その報知情報のシステムコードを受信システムコードとして記憶部32に記憶させる。また、記憶部32に記憶されている受信システムコード及び対応する自治体名を表示部31に表示し、その中からユーザに選択されたシステムコードを、参入先システムコードとして設定する。参入先システムコードを設定すると、移動局30はそのシステムコードの自治体の端末として動作し、応援参入先のシステムで音声通信できるようになる。
【0027】
報知情報には、送信元の基地局20が所属するシステムのシステムコードの他に、そのシステムが許可する応援形式を示す応援種別が含まれている。本例では、応援種別として、「応援無し」、「県内応援」、「相互応援」、「グループ限定応援」のいずれかが設定されているものとする。「応援無し」は、応援通信を受け入れない状態(応援通信受入がOFFの状態)であり、「県内応援」、「相互応援」、「グループ限定応援」は、応援通信を受け入れる状態(応援通信受入がONの状態)である。
【0028】
「県内応援」は、同じ県内の自治体からの応援通信を受け入れることを示している。つまり、システムコードの上2桁の都道府県コードが一致する自治体の移動局30であれば応援通信を受け入れる。「相互応援」は、同じ県内だけでなく県外からも応援通信を受け入れることを示している。つまり、システムコードに関わらず、全ての自治体の移動局30による応援通信を受け入れる。「グループ限定応援」は、「相互応援」のように全ての自治体の移動局30による応援通信を受け入れるが、通信に一部制限をかけ、特定のグループ番号(例えば、90~99)でのグループ通信のみを許可することを示している。
【0029】
したがって、制御部34は、受信した報知情報に含まれるシステムコードと自身のシステムコード(固有システムコード)とが異なる場合に、その報知情報に含まれる応援種別に基づいて、応援通信に参入できるか否かを判定することができる。すなわち、「応援無し」の場合は、応援通信に参入できないと判定する。「県内応援」の場合は、両システムコードの上2桁の都道府県コードが一致すれば、応援通信に参入できると判定し、一致しなければ、応援通信に参入できないと判定する。「相互応援」の場合は、応援通信に参入できると判定する。「グループ限定応援」の場合は、制限付き(グループ通信のみ)の応援通信に参入できると判定と判定する。
【0030】
図6には、移動局30による応援通信のフローチャートの例を示してある。なお、移動局30は、応援通信参入をON(応援参入状態)に設定してあるものとする。この状態で、移動局30がシステムコードを含む報知情報を受信した際の処理を説明する。
【0031】
移動局30はまず、記憶部32に記憶している固有システムコードと、受信した報知情報に含まれるシステムコードとが一致するか判定する(ステップS11)。
固有システムコードと一致する場合(ステップS11;Yes)は、移動局30が所属する自治体からの報知情報であり、通常の通信待受の状態となる。
固有システムコードと一致しない場合(ステップS11;No)は、移動局30の所属とは異なる自治体からの報知情報である。この場合、報知情報に含まれる応援種別に基づいて、その自治体の応援通信に参入できるか否かを判定する(ステップS12)。
【0032】
応援通信に参入できないと判定された場合(ステップS12;No)は、通信圏外の状態となる。
応援通信に参入できると判定された場合(ステップS12;Yes)は、記憶部32に記憶している参入先システムコードと、受信した報知情報に含まれるシステムコードとが一致するか判定する(ステップS13)。
【0033】
参入先システムコードと一致する場合(ステップS13;Yes)は、応援通信の通信待受の状態とる。
参入先システムコードと一致しない場合(ステップS13;No)は、受信した報知情報に含まれるシステムコードを受信システムコードとして記憶部32に記憶させ、(ステップS14)、通信圏外の状態となる。
【0034】
移動局30は、応援通信参入がON(応援参入状態)に設定されている間、上述した図6の処理を一定間隔で繰り返す。このとき、複数の自治体からの報知情報を受信した場合には、応援通信に参入できる自治体のものであれば、それぞれのシステムコードを受信システムコードとして記憶部32に記憶する。また、記憶部32に記憶している受信システムコードと同じシステムコードを含む報知情報を一定の期間受信しない状態が続いた場合には、その受信システムコードを記憶部32から削除を行うようにする。
【0035】
そして、移動局30は、ユーザの操作に応じて、記憶部32に記憶されている受信システムコード及び対応する自治体名を表示部31に表示する。例えば、図7に示すように、表示部31に、受信システムコード及び対応する自治体名をリスト形式で表示し、ユーザからの選択を受け付ける。そして、表示部31の表示の中からユーザに選択されたシステムコードを、参入先システムコードとして記憶部32に記憶する。これにより、移動局30は、参入先システムコードに対応する自治体のシステムの応援通信に参入することができ、以降はその自治体の端末として音声通信できるようになる。
【0036】
以上説明したように、本例の移動局30は、自身が所属する無線通信システムとは別の無線通信システムの基地局20からの報知情報を通信部33で受信した場合に、制御部34が、受信した報知情報に基づいて、別の無線通信システムの応援通信に参入できるか否かを判定し、別の無線通信システムの応援通信に参入できると判定された場合に、その報知情報のシステムコードを記憶部32に記憶しておき、記憶部32に記憶されているシステムコードを表示部34に表示して、ユーザが選択できるように構成されている。
【0037】
したがって、移動局30のユーザは、応援通信に参入する際のシステムコードの入力の手間を省略できると共に、参入先のシステムコードを知っておく必要もない。このため、応援通信に参入する際のユーザの操作負担が軽減される。これにより、災害時等の応援通信への参入をスムーズに行うことが可能になる。
【0038】
ここで、上記の説明では、記憶部32に記憶している受信システムコードと同じシステムコードを含む報知情報を一定の期間受信しない状態が続いた場合に、その受信システムコードを記憶部32から削除しているが、別の条件により削除してもよい。例えば、所定の日時の到来時に削除してもよく、受信システムコードの削除の条件は記憶部32に記憶させておけばよい。
【0039】
以上、本発明について実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された無線通信システムに限定されるものではなく、上記以外の無線通信システムにも広く適用できることは言うまでもない。
また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法や方式、そのような方法や方式を実現するためのプログラム、そのプログラムを記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、所属する無線通信システムとは別の無線通信システムへの応援参入に使用できる種々の移動局装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10:統制局、 20:基地局、 30:移動局、 31:表示部、 32:記憶部、 33:通信部、 34:制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7