(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】気密装置
(51)【国際特許分類】
H01S 3/036 20060101AFI20220809BHJP
H01S 3/02 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H01S3/036
H01S3/02
(21)【出願番号】P 2018234718
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】萬 雅史
(72)【発明者】
【氏名】田中 研太
(72)【発明者】
【氏名】河村 譲一
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-030554(JP,U)
【文献】特開2017-183450(JP,A)
【文献】特開2010-220356(JP,A)
【文献】特開2013-051752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
H02K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが充填されるガス容器の外に配置されて当該ガス容器とともに気密な空間を形成するモータ容器、及び回転軸を備えたモータを有し、
前記モータ容器は、前記ガス容器の中の空間と前記モータ容器の中の空間とを仕切る仕切部分を含んでおり、
前記回転軸は、前記仕切部分に設けられた第1孔を通って前記モータ容器の中から前記ガス容器の中まで延びており、
前記仕切部分は、前記第1孔の他に、前記モータ容器の中の空間と前記ガス容器の中の空間との間でガスを流通させる第2孔を備えて
おり、前記第1孔と前記第2孔とは、並列のガス流路を構成している気密装置。
【請求項2】
前記モータは、さらに、前記回転軸が前記第1孔を通る部分において、前記仕切部分に対して前記回転軸を回転可能に支持する軸受を含む請求項1に記載の気密装置。
【請求項3】
前記モータは、さらに、
前記回転軸が前記第1孔を通る部分において、前記仕切部分に対して前記回転軸を回転可能に支持するフロント軸受と、
前記モータ容器に対して前記回転軸を回転可能に支持するリア軸受けと
を含み、
前記リア軸受けにより、前記モータ容器内の空間が、前記フロント軸受側の第1空間と、前記回転軸の末端側の第2空間とに区分され、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぎ、前記リア軸受の隙間からなるガス流路に対して並列に第3孔が設けられている請求項1または2に記載の気密装置。
【請求項4】
ガスが充填されるガス容器
と、
前記ガス容器の外に配置されて当該ガス容器とともに気密な空間を形成するモータ容器、回転軸、及び前記回転軸を前記モータ容器に対して回転可能に支持する軸受を備えたモータ
と
を有し、
前記ガス容器と前記モータ容器とは、前記ガス容器及び前記モータ容器内の空間を外界から気密に隔離しており、
前記モータ容器は、前記モータ容器の中の空間と前記ガス容器の中の空間とを仕切り、前記回転軸が通過する第1孔が設けられた仕切部分と、
前記モータ容器の中の空間と前記ガス容器の中の空間との間で、前記軸受を通ることなくガスを流通させるガス経路を備えている気密装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気密装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電励起炭酸ガスレーザ等のガスレーザ装置は、放電電極、光共振器、レーザガス等を収容するチェンバを備えている。このチェンバ内にブロワを配置し、レーザガスを循環させている。ブロワを駆動するためのモータはチェンバの外に配置され、モータの回転軸がチェンバの外から内部に挿入される。チェンバ内の気密性を維持するために、回転軸が通過する孔にシール手段が設けられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載されたレーザガス装置では、モータハウジング(モータ容器)内は不活性ガスで満たされ、チェンバ内の圧力より高い圧力に設定されている。シール手段として、例えば耐摩耗性に富んだPTFE等からなるリップシールが用いられる。シール手段のシール不良が発生した場合でも、モータハウジング内がチェンバ内より高圧に設定されているため、チェンバ内から外部にレーザガスが漏れることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シール手段に不良が発生すると、モータハウジング内のガスがチェンバに流入するため、チェンバ内のレーザガスの組成が変化してしまう。本発明の目的は、シール手段を用いることなく、チェンバ等のガス容器内を気密に保つことが可能な気密装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によると、
ガスが充填されるガス容器の外に配置されて当該ガス容器とともに気密な空間を形成するモータ容器、及び回転軸を備えたモータを有し、
前記モータ容器は、前記ガス容器の中の空間と前記モータ容器の中の空間とを仕切る仕切部分を含んでおり、
前記回転軸は、前記仕切部分に設けられた第1孔を通って前記モータ容器の中から前記ガス容器の中まで延びており、
前記仕切部分は、前記第1孔の他に、前記モータ容器の中の空間と前記ガス容器の中の空間との間でガスを流通させる第2孔を備えており、前記第1孔と前記第2孔とは、並列のガス流路を構成している気密装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によると、
ガスが充填されるガス容器と、
前記ガス容器の外に配置されて当該ガス容器とともに気密な空間を形成するモータ容器、回転軸、及び前記回転軸を前記モータ容器に対して回転可能に支持する軸受を備えたモータと
を有し、
前記ガス容器と前記モータ容器とは、前記ガス容器及び前記モータ容器内の空間を外界から気密に隔離しており、
前記モータ容器は、前記モータ容器の中の空間と前記ガス容器の中の空間とを仕切り、前記回転軸が通過する第1孔が設けられた仕切部分と、
前記モータ容器の中の空間と前記ガス容器の中の空間との間で、前記軸受を通ることなくガスを流通させるガス経路を備えている気密装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
ガス容器とモータ容器とで気密な空間を形成さいているため、回転軸が通過する第1孔を気密にシールすることなくガス容器の中の空間の気密性を確保することができる。
【0009】
モータ容器の中の空間とガス容器の中の空間との間で、軸受を通ることなくガスを流通させるガス経路を設けると、軸受を通過するガスの流量が少なくなるため、流速も低下する。このため、軸受をガスが流れることによる軸受の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例による気密装置の概略断面図である。
【
図2】
図2は、実施例による気密装置のモータを仕切部分側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、実施例によるガス容器内を排気しているときの気密装置の概略断面図である。
【
図4】
図4は、実施例によるガス容器内にガスを導入しているときの気密装置の概略断面図である。
【
図5】
図5は、他の実施例による気密装置の概略断面図である。
【
図6】
図6は、さらに他の実施例によるガスレーザ装置の光軸に垂直な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~
図4を参照して、実施例による気密装置について説明する。
図1は、本実施例による気密装置の概略断面図である。
図1では、実際には複数の個別部材を組み合わせて構成される部材を1つの部材として示しており、個別の部材を個々に示していない。また、複数の部材がボルト等で締め付けて固定される場合、ボルト等の固定具は
図1に明示していない。また、気密性を確保するために用いられるOリング等の周知の部材も
図1に明示していない。
【0012】
本実施例による気密装置は、ガス容器50と、ガス容器50に取り付けられたモータ10とを有する。モータ10は、回転軸11、及びガス容器50の外に取り付けられたモータ容器12を含む。モータ容器12は、ロータ15及びステータ16を収容する収容部分12Aと、収容部分12Aの開口部を塞ぐ仕切部分12Bとで構成される。
【0013】
ガス容器50に開口部51が設けられており、モータ10の仕切部分12Bが開口部51を塞ぐように、モータ10がガス容器50にボルト等で取り付けられている。仕切部分12Bはモータ10をガス容器50に取り付けるためのフランジとして利用される。モータ容器12はガス容器50と共に気密な空間を形成する。仕切部分12Bが、モータ容器12内の空間と、ガス容器50内の空間とを仕切る。
【0014】
回転軸11は、モータ容器12内においてフロント軸受13により仕切部分12Bに回転可能に支持され、リア軸受14により収容部分12Aに回転可能に支持されている。フロント軸受13及びリア軸受け14には、例えば転がり軸受が用いられる。回転軸11にロータ15が固定され、収容部分12Aにステータ16が固定されている。
【0015】
回転軸11は、仕切部分12Bに設けられた第1孔21を通ってモータ容器12の中からガス容器50の中まで延びている。仕切部分12Bに、第1孔21の他に第2孔22が設けられている。第2孔22は、モータ容器12の中の空間とガス容器50の中の空間との間でガスを流通させる。
【0016】
リア軸受14により、モータ容器12内の空間が、ロータ15及びステータ16等が配置された空間と、回転軸11の末端側の空間とに区分される。第3孔23が、リア軸受14によって区画された2つの空間同士を繋いでいる。例えば、第3孔23は、収容部分12Aの壁内、またはリア軸受14の外輪を固定する固定部材(図示せず)等に設けられる。
【0017】
ガス容器50に導入ポート61及び排気ポート65が設けられている。導入ポート61は、導入バルブ62を介してガス供給源63に接続されており、排気ポート65は、排気バルブ66を介して真空ポンプ67に接続されている。排気バルブ66を開いて真空ポンプ67を動作させると、ガス容器50内の空間が排気される。導入バルブ62を開くと、導入ポート61からガス容器50内にガスが導入される。
【0018】
図2は、本実施例による気密装置に用いられるモータ10の斜視図である。収容部分12Aと仕切部分12Bとでモータ容器12が構成される。仕切部分12Bに第1孔21及び第2孔22が設けられている。モータ容器12の内部から第1孔21を通って回転軸11が突出している。第1孔21の側面と回転軸11の側面との間に微小な間隙が確保されている。第2孔22は、仕切部分12Bの外側の表面に開口している。仕切部分12Bの外周の縁の近傍に、複数のボルト穴26が設けられている。ボルト穴26にボルトを通すことにより、モータ10がガス容器50(
図1)に固定される。
【0019】
図3は、実施例によるガス容器50内を排気しているときの気密装置の概略断面図である。
図3において、ガスの流れを矢印で示している。導入バルブ62を閉じ、排気バルブ66を開き、真空ポンプ67を動作させると、排気ポート65を通ってガス容器50内が排気される。このとき、モータ容器12内の、ロータ15及びステータ16が収容された空間も、第1孔21及び第2孔22を通って排気される。このとき、リア軸受14より末端側の空間内のガスは、第3孔23を通ってロータ15及びステータ16が収容された空間に移動する。
【0020】
図4は、実施例によるガス容器50内にガスを導入しているときの気密装置の概略断面図である。
図4において、ガスの流れを矢印で示している。排気バルブ66を閉じ、導入バルブ62を開くとガス供給源63から導入ポート61を通ってガス容器50内にガスが導入される。ガス容器50内に導入されたガスは、第1孔21及び第2孔22を通ってモータ容器12内の、ロータ15及びステータ16が収容された空間にも導入される。さらに、第3孔23を通ってリア軸受14より末端側の空間にガスが導入される。
【0021】
次に、本実施例の優れた効果について説明する。
本実施例においては、ガス容器50とモータ容器12との2つの容器によって、容器内の空間を外界(例えば大気)から気密に隔離している。ガス容器50の中の空間とモータ容器12の中の空間との間で、第1孔21及び第2孔22を経由してガスが相互に流通しても、ガス容器50内の空間を外界から気密に隔離した状態は保たれる。このように、本実施例では、ガス容器50の中の空間とモータ容器12の中の空間とを同じガス雰囲気とし、両者の間でのガスの流通を許容している。このため、回転軸11が通っている第1孔21を気密にシールすることなく、ガス容器50の中の空間を外界から隔離することができる。
【0022】
ガス容器50内の排気時(
図3)及びガス容器50内へのガス導入時(
図4)に、第1孔21を通過するガスは、フロント軸受13の隙間を通過する。第1孔21を通過するガスの流速が速い場合には、フロント軸受13のグリースが飛び散り、ガス容器50内がグリースで汚染される。また、グリースが飛び散ることにより、フロント軸受13の寿命が短くなる。
【0023】
本実施例では、フロント軸受13の隙間及び第1孔21からなるガス流路に対して並列に第2孔22からなるガス流路が設けられているため、ガス容器50内の空間とモータ容器12内の空間との間で流通するガスの流れが、第1孔21と第2孔22とに分散される。流通するガスの流れが分散されることにより、第1孔21を通過するガス量が減り、流速も遅くなる。このため、フロント軸受13のグリースの飛び散りを抑制することができる。その結果、ガス容器50内の汚染や、フロント軸受13の劣化を抑制することができる。
【0024】
また、リア軸受14によって区画された2つの空間の間でガスが移動する際に、ガスがリア軸受14の隙間からなるガス流路を通過する。本実施例では、リア軸受14の隙間からなるガス流路に対して並列に第3孔23が設けられているため、リア軸受14の隙間を通過するガス量が減る。このため、リア軸受14のグリースの飛び散りや、リア軸受14の劣化を抑制することができる。なお、リア軸受14より末端側の空間の容積は、ロータ15及びステータ16が収容された空間の容積より十分小さい。このため、ガス排気及びガス導入時に、リア軸受14で区画された2つの空間の間で移動するガス量は少ない。従って、この2つの空間の間で移動するガスの流速が、グリースの飛び散りを生じさせない程度に遅い場合には、第3孔23を設けなくてもよい。
【0025】
フロント軸受13のグリースの飛び散りを抑制するために、第2孔22の流路抵抗を、フロント軸受13の隙間及び第1孔21からなるガス流路の流路抵抗より小さくすることが好ましい。
【0026】
次に、
図5を参照して、他の実施例による気密装置について説明する。以下、
図1~
図4に示した実施例による気密装置と共通の構成については説明を省略する。
【0027】
図5は、本実施例による気密装置の概略断面図である。本実施例においては、モータ容器12の仕切部分12Bに第2孔22(
図1)が設けられていない。フロント軸受13は、仕切部分12Bではなく、収容部分12Aの軸受支持部25に支持されている。軸受支持部25は、収容部分12Aの内面から回転軸11に向かって突出しており、その先端にフロント軸受13を支持している。
【0028】
軸受支持部25よりも仕切部分12B側の空間と、ロータ15及びステータ16が収容された空間との間でガスを流通させる第4孔24が、軸受支持部25に設けられている。第1孔21及び第4孔24が直列に繋がることにより、モータ容器12の中の空間とガス容器50の中の空間との間で、フロント軸受13の隙間を通ることなくガスを流通させるガス経路(
図5において矢印で示した流路)が形成される。
【0029】
次に、本実施例の優れた効果について説明する。
ガス容器50内の排気、及びガス容器50内へのガス導入時に、ガス容器50内の空間とモータ容器12内の空間との間で第1孔21を通ってガスが流通する。さらに、モータ容器12内において、フロント軸受13の隙間で構成されるガス流路と、第4孔24とをガスが流れる。本実施例では、フロント軸受13の隙間で構成されるガス流路に対して第4孔24からなるガス流路が並列に設けられている。このため、フロント軸受13で区画された2つの空間の間で流通するガスの流れは、フロント軸受13の隙間で構成されるガス流路と、第4孔24とに分散される。これにより、フロント軸受13の隙間を通過するガス量が減り、ガスの流速を遅くすることができる。その結果、フロント軸受13のグリースの飛び散りを抑制することができる。
【0030】
また、本実施例では、第1孔21からなるガス流路と、第4孔24からなるガス流路とが直列に繋がっているため、ガス容器50の中の空間とモータ容器12の中の空間とを繋ぐガス流路の流路抵抗が、
図1に記載の実施例の場合よりも大きい。このため、ガス容器50内の圧力とモータ容器12内の圧力とが等しいとき、ガス容器50内の空間とモータ容器12内の空間との独立性を高めることができる。
【0031】
次に、
図6を参照してさらに他の実施例によるガスレーザ装置について説明する。本実施例によるガスレーザ装置には、上記実施例による気密装置が採用されている。
【0032】
図6は、本実施例によるガスレーザ装置の光軸に垂直な断面図である。ガス容器50内にレーザガスが充填される。ガス容器50の内部空間が上下仕切板54により、上方の光学室52と下方のブロワ室53とに区分されている。光学室52内に、一対の放電電極55が配置されている。一対の放電電極55の間に放電領域56が画定される。
図6に示した断面において放電領域56と重なる位置に光共振器57が配置されている。
【0033】
光学室52内に仕切板58が配置されている。仕切板58は、上下仕切板54に設けられた開口54Aから放電領域56までの第1ガス流路71、放電領域56から上下仕切板54に設けられた他の開口54Bまでの第2ガス流路72を画定する。レーザガスは、放電領域56を、光軸に対して直交する方向に流れる。放電方向は、レーザガスが流れる方向、及び光軸方向の両方に対して直交する。ブロワ室53、第1ガス流路71、放電領域56、及び第2ガス流路72によって、レーザガスが循環する循環路が構成される。
【0034】
ブロワ室53にブロワ73が配置されている。ブロワ73は、ガス容器50の壁面に取り付けられたモータ10及びモータ10の回転軸11の先端に取り付けられたインペラ74で構成される。ガス容器50とモータ10のモータ容器12により、気密な空間が形成される。ブロワ73は、ガス容器50の中に形成された循環路をレーザガスが循環するように、レーザガスの流れを発生させる。
【0035】
ブロワ室53内の循環路に、熱交換器75が収容されている。放電領域56で加熱されたレーザガスが、熱交換器75を通過することによって冷却され、冷却されたレーザガスが放電領域56に再供給される。
【0036】
光学室52の壁面に導入ポート61が設けられており、ブロワ室53の壁面に排気ポート65が設けられている。排気ポート65からガス容器50内のレーザガスが排気され、導入ポート61からガス容器50内にレーザガスが導入される。
【0037】
次に、本実施例の優れた効果について説明する。
レーザガスの劣化によりレーザガスを交換する際には、まずガス容器50内を真空排気し、その後ガス容器50内にレーザガスを導入する。本実施例では、ガス容器50及びモータ10に、
図1または
図5に示した実施例による気密装置が用いられている。このため、ガス容器50内を真空排気する際に、フロント軸受13(
図1、
図5)からのグリースの飛び散りが抑制される。その結果、ガス容器50内の汚染や、レーザガスの清浄度の低下を抑制することができ、安定したレーザ発振を行うことが可能になる。さらに、フロント軸受13の劣化を抑制することができる。
【0038】
また、ガス容器50とモータ10のモータ容器12(
図1、
図5)とによって気密性が確保されているため、ガス容器50内への好ましくないガス成分の侵入を抑制することができる。
【0039】
上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0040】
10 モータ
11 回転軸
12 モータ容器
12A 収容部分
12B 仕切部分
13 フロント軸受
14 リア軸受
15 ロータ
16 ステータ
21 第1孔
22 第2孔
23 第3孔
24 第4孔
25 軸受支持部
26 ボルト穴
50 ガス容器
51 ガス容器の開口部
52 光学室
53 ブロワ室
54 上下仕切板
54A、54B 上下仕切板に設けられた開口
55 放電電極
56 放電領域
57 光共振器
58 仕切板
61 導入ポート
62 導入バルブ
63 ガス供給源
65 排気ポート
66 排気バルブ
67 真空ポンプ
71 第1ガス流路
72 第2ガス流路
73 ブロワ
74 インペラ
75 熱交換器