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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】車両用空調装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
B60H1/00 102L
B60H1/00 102P
B60H1/00 102J
B60H1/00 102Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019002148
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020111125
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 彪史
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-118523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0162192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下仕切板により区画された上側通路及び下側通路を内部に有する空調ケースと、
前記上側通路と前記下側通路に跨って配置された加熱部と、
前記上側通路の前記加熱部の下流に配置されると共に上側通路と下側通路とを接続する上下接続開口に向けて前記加熱部を通過した空気の一部を案内する案内通路を形成する上側通路仕切板と
を備える車両用空調装置であって、
前記上下接続開口が閉鎖された状態にて前記案内通路を閉鎖する案内通路開閉部を備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記案内通路開閉部は、前記上下接続開口を開閉可能な第1シール部と、前記案内通路の出口開口を開閉可能であると共に前記第1シール部が前記上下接続開口を閉鎖する状態にて前記出口開口を閉鎖する第2シール部とを有することを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記案内通路の出口開口から吐出された空気を前記上側通路仕切板の上方空間に還流可能な還流開口が前記空調ケースの内部に設けられ、
前記案内通路開閉部は、前記上下接続開口を開閉可能な第1シール部と、前記還流開口を開閉可能であると共に前記第1シール部が前記上下接続開口を閉鎖する状態にて前記還流開口を閉鎖する第3シール部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記下側通路に連通すると共に乗員の足元に供給する空気を吐出するフット開口が前記空調ケースに設けられ、
前記案内通路開閉部は、フット開口を開閉可能な第4シール部を有することを特徴とする請求項2または3記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記第4シール部は、前記上下接続開口が閉鎖された状態にて前記フット開口を開放し、前記上下接続開口が開放された状態にて前記フット開口を閉鎖することを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
【請求項6】
前記上側通路仕切板は、前記案内通路の出口端部にて、前記上下接続開口に向けて延在されていることを特徴とする請求項1~5いずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
前記加熱部と、前記上側通路仕切板の上流端との間に隙間開口が設けられていることを特徴とする請求項1~6いずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記上側通路仕切板は、上流端と下流端との間にて、前記案内通路と前記上側通路仕切板の上方空間とを接続する貫通開口を有することを特徴とする請求項1~7いずれか一項に記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、四輪自動車等の車両には、温度及び湿度を調整した空気(調和空気)を生成する車両用空調装置が搭載されている。この車両用空調装置は、内部に空気が流れる流路を有する空調ケースを備え、空調ケースの内部に空気を冷却するエバポレータと、空気を加熱するヒータとを収容している。このような車両用空調装置では、エバポレータによって一定温度に冷却された空気の少なくとも一部をヒータにより加熱し、ヒータによる加熱する空気の量を調整することによって、所望の温度の調和空気を生成する。例えば、特許文献1には、空調ケースの内部を上側通路と下側通路とに区画する上下仕切板を備え、上側通路と下側通路とに供給する空気を外気と内気とで選択可能とすることが可能とされた車両用空調装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6201621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように、上下仕切板により空調ケースの内部が区画された車両用空調装置では、空調ケースの下部に設けられたフット開口(乗員の足元に供給する調和空気を吐出する開口)からは、主として下側通路を流れる空気が吐出される。このため、必要に応じてフット開口から十分な流量の調和空気を吐出可能とするために、特許文献1では、上側通路を流れる調和空気の一部を下側通路に供給するための上下接続開口が設けられている。また、特許文献1では、上述の上下仕切板と異なる仕切り板が上側通路の内部に設けられており、ヒータで温められた調和空気の一部が仕切り板によって上下接続開口に向けて案内される。
【0005】
一方で、上下接続開口はモードドアによって開閉可能とされている。このため、仕切り板によって案内された調和空気は、上下接続開口が閉鎖されている場合には、上下接続開口を通過できない。そこで、特許文献1では、仕切り板と空調ケースの内壁との間に開閉可能な還流開口を設けており、上下接続開口が閉鎖されている場合には、還流開口を開放して調和空気を仕切り板の上方空間に還流している。しかしながら、このような特許文献1では、上下接続開口が開放されていない場合には、上側通路にてヒータを通過した調和空気が仕切り板の下方を流れ、さらに還流開口を介して仕切り板の上方空間に至るという長い距離を流れることになり、上側通路における圧力損失が増大する。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、空調ケースの内部が上下仕切板によって上側通路と下側通路とに区画された車両用空調装置において、上側通路と下側通路とを接続する上下接続開口が閉じられた場合における空調ケース内部の圧力損失を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、上下仕切板により区画された上側通路及び下側通路を内部に有する空調ケースと、上記上側通路と上記下側通路に跨って配置された加熱部と、上記上側通路の上記加熱部の下流に配置されると共に上側通路と下側通路とを接続する上下接続開口に向けて上記加熱部を通過した空気の一部を案内する案内通路を形成する上側通路仕切板とを備える車両用空調装置であって、上記上下接続開口が閉鎖された状態にて上記案内通路を閉鎖する案内通路開閉部を備えるという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記案内通路開閉部が、上記上下接続開口を開閉可能な第1シール部と、上記案内通路の出口開口を開閉可能であると共に上記第1シール部が上記上下接続開口を閉鎖する状態にて上記出口開口を閉鎖する第2シール部とを有するという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明において、上記案内通路の出口開口から吐出された空気を上記上側通路仕切板の上方空間に還流可能な還流開口が上記空調ケースの内部に設けられ、上記案内通路開閉部が、上記上下接続開口を開閉可能な第1シール部と、上記還流開口を開閉可能であると共に上記第1シール部が上記上下接続開口を閉鎖する状態にて上記還流開口を閉鎖する第3シール部とを有するという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第2または第3において、上記下側通路に連通すると共に乗員の足元に供給する空気を吐出するフット開口が上記空調ケースに設けられ、上記案内通路開閉部が、フット開口を開閉可能な第4シール部を有するという構成を採用する。
【0012】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記第4シール部が、上記上下接続開口が閉鎖された状態にて上記フット開口を開放し、上記上下接続開口が開放された状態にて上記フット開口を閉鎖するという構成を採用する。
【0013】
第6の発明は、上記第1~第5いずれかの発明において、上記上側通路仕切板が、上記案内通路の出口端部にて、上記上下接続開口に向けて延在されているという構成を採用する。
【0014】
第7の発明は、上記第1~第6いずれかの発明において、上記加熱部と、上記上側通路仕切板の上流端との間に隙間開口が設けられているという構成を採用する。
【0015】
第8の発明は、上記第1~第7いずれかの発明において、上記上側通路仕切板は、上流端と下流端との間にて、上記案内通路と上記上側通路仕切板の上方空間とを接続する貫通開口を有するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上側通路と下側通路とを接続する上下接続開口が閉鎖された状態では、上下接続開口に向けて空気の一部を案内する案内通路が案内通路開閉部によって閉鎖される。このため、上下接続開口が閉鎖された状態で案内通路へ空気が流れ込むことを防止し、上側通路を流れる空気が案内通路及び還流開口を介することなく、上側通路仕切板の上方空間に流れる。このため、本発明によれば、空調ケースの内部が上下仕切板によって上側通路と下側通路とに区画された車両用空調装置において、上側通路と下側通路とを接続する上下接続開口が閉じられた場合における空調ケース内部の圧力損失を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
図2】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の要部拡大図である。
図3】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の動作を説明する模式的な縦断面図である。
図4】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の動作を説明する模式的な縦断面図である。
図5】本発明の第2実施形態における車両用空調装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
図6】本発明の第3実施形態における車両用空調装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
図7】本発明の第3実施形態における車両用空調装置が備える案内通路開閉機構の斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態における車両用空調装置の動作を説明する模式的な縦断面図である。
図9】本発明の第3実施形態における車両用空調装置の動作を説明する模式的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用空調装置の一実施形態について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の車両用空調装置1の概略構成を模式的に示す縦断面図である。この図に示すように、本実施形態の車両用空調装置1は、空調ケース2と、エバポレータ3と、ヒータコア4(加熱部)と、上側エアミックスドア機構5と、下側エアミックスドア機構6と、デフロスタ開口開閉機構7と、フェイス開口開閉機構8と、フット開口開閉機構9と、案内通路開閉機構10(案内通路開閉部)とを備えている。
【0020】
空調ケース2は、図1に示すようにエバポレータ3やヒータコア4等を収容するケーシングであり、内部に空気が流れる流路を有している。この空調ケース2は、空調ケース2の外形形状を形成する外殻壁2aの他、外殻壁2aの内部に配置されて空調ケース2の内部空間を区画する複数の区画壁やエバポレータ3等を支持する支持壁等を有している。本実施形態の車両用空調装置1では、空調ケース2は、上記区画壁として、例えば上下仕切板2bと、上側通路仕切板2cとを有している。また、空調ケース2は、上記支持壁として、例えばヒータコア上端支持壁2dと、ヒータコア下端支持壁2eとを有している。
【0021】
上下仕切板2bは、外殻壁2aの内部を上下に区画するように略水平に配置された板状の部位である。このような上下仕切板2bによって、空調ケース2の内部は、上側通路R1と、下側通路R2とに区画されている。また、上下仕切板2bは、エバポレータ3の上流側(本実施形態において車両の前後方向における前側であり図1における左側)に配置される上流側仕切板2b1と、エバポレータ3とヒータコア4との間に配置される中間仕切板2b2と、ヒータコア4の下流側(本実施形態において車両の前後方向における後側であり図1における右側)に配置される下流側仕切板2b3とを有している。
【0022】
下流側仕切板2b3と外殻壁2aとは水平方向にて離間されている。つまり、下流側仕切板2b3と、外殻壁2aの内壁面との間には、隙間が設けられている。この隙間は、上側通路R1と下側通路R2とを接続する上下接続開口K1として機能する。この上下接続開口K1を介して、上側通路R1を流れる空気が下側通路R2に流入すること、下側通路R2を流れる空気が上側通路R1に流入することが可能となる。なお、上側通路R1と下側通路R2とのどちらから空気が上下接続開口K1に流れ込むかは、デフロスタ開口開閉機構7と、フェイス開口開閉機構8と、フット開口開閉機構9との状態(すなわち、後述するデフロスタ開口Kaと、フェイス開口Kbと、フット開口Kcとの開閉状態)によって定まる。
【0023】
図2は、上側通路仕切板2cを含む空調ケース2の部分拡大図である。上側通路仕切板2cは、上側通路R1のヒータコア4の下流側に配置されており、上側通路R1のヒータコア4の下流側の空間を上下に区画するように略水平状態とされた板状の部位である。この上側通路仕切板2cは、上下仕切板2b(下流側仕切板2b3)との間にヒータコア4を通過した空気の一部を案内する案内通路R3を形成する。このような案内通路R3は、入口開口R31がヒータコア4に対向して設けられ、出口開口R32が上下接続開口K1に向けて設けられている。なお、出口開口R32から吐出された空気が上下接続開口K1に案内されるように、上側通路仕切板2cの出口開口R32側の端部は、上下接続開口K1に向けて延在されている。つまり、上側通路仕切板2cは、案内通路R3の出口端部にて、上下接続開口K1に向けて延在されている。
【0024】
また、上側通路仕切板2cの上方空間は、ヒータコア4によって加熱された空気と、ヒータコア4をバイパスした冷たい空気とが混合される上側混合空間R4とされている。なお、上側通路仕切板2cは、上側通路R1にてヒータコア4が配置された領域の高さ方向における略中間位置に配置されている。これによって、ヒータコア4を通過した空気が上側通路仕切板2cの下方(すなわち案内通路R3)と上方(上側混合空間R4)とに分けて供給可能とされる。
【0025】
また、上側通路仕切板2cとヒータコア4とは水平方向に離間されている。つまり、上側通路仕切板2cとヒータコア4の下流側の端面との間には隙間が設けられている。この隙間は、案内通路開閉機構10によって案内通路R3が閉鎖された場合に、ヒータコア4を通過して案内通路R3に流入しようとする空気を上側混合空間R4に排出する隙間開口K2として機能する。
【0026】
また、上側通路仕切板2cと外殻壁2aとは水平方向にて離間されている。つまり、上側通路仕切板2cと、外殻壁2aの内壁面との間には、隙間が設けられている。この隙間は、後述するフット開口Kcが閉じられかつ上下接続開口K1が開放されている場合に、案内通路R3を通過した空気を上側混合空間R4に還流可能とする還流開口K3として機能する。
【0027】
ヒータコア上端支持壁2dはヒータコア4の上端部を支持している。また、ヒータコア上端支持壁2dは、上側通路R1に配置されており、ヒータコア4が配置されるヒータ設置通路R5とヒータコア4が配置されていないヒータバイパス通路R6とに上側通路R1を区画している。上側通路R1においては、図1に示すように、ヒータ設置通路R5が下方、ヒータバイパス通路R6が上方に配置されている。ヒータ設置通路R5は、下流側にて案内通路R3と上側混合空間R4とに接続されている。
【0028】
ヒータコア下端支持壁2eはヒータコア4の下端部を支持している。また、ヒータコア下端支持壁2eは、下側通路に配置されており、ヒータコア4が配置されるヒータ設置通路R7とヒータコア4が設置されていないヒータバイパス通路R8とに下側通路を区画している。下側通路においては、図1に示すように、ヒータ設置通路R7が上方、ヒータバイパス通路R8が下方に配置されている。
【0029】
下側通路のヒータコア下端支持壁2eの下流側の空間は、ヒータコア4によって加熱された空気と、ヒータコア4をバイパスした冷たい空気とが混合される下側混合空間R9とされている。ヒータ設置通路R7は、下流側にて下側混合空間R9と接続されている。
【0030】
また、図1に示すように、外殻壁2aには、上側混合空間R4に連通されて車両の窓ガラス等に向けて供給する調和空気を吐出するデフロスタ開口Kaと、上側混合空間R4に連通されて乗員の顔付近に向けて供給する調和空気を吐出するフェイス開口Kbと、下側混合空間R9に連通されて乗員の足元に向けて供給する調和空気を吐出するフット開口Kcとが設けられている。つまり、空調ケース2は、内部から外部に調和空気を吐出する吐出開口とし、デフロスタ開口Kaと、フェイス開口Kb及びフット開口Kcを備えている。
【0031】
デフロスタ開口Kaは、外殻壁2aの上部に設けられており、上側通路R1に設けられた上側混合空間R4に接続されている。このデフロスタ開口Kaは、デフロスタ開口開閉機構7によって開閉可能とされており、開放された状態にて上側混合空間R4の調和空気を外殻壁2aの外部に吐出する。
【0032】
フェイス開口Kbは、デフロスタ開口Kaと隣接して外殻壁2aの上部に設けられており、上側通路R1に設けられた上側混合空間R4に接続されている。このフェイス開口Kbは、フェイス開口開閉機構8によって開閉可能とされており、開放された状態にて上側混合空間R4の調和空気を外殻壁2aの外部に吐出する。
【0033】
フット開口Kcは、外殻壁2aの下部に設けられており、下側通路に設けられた下側混合空間R9に接続されている。このフット開口Kcは、フット開口開閉機構9によって開閉可能とされており、開放された状態にて下側混合空間R9の調和空気を外殻壁2aの外部に吐出する。
【0034】
エバポレータ3は、外部から供給される冷媒と、空調ケース2の内部に供給される空気とを熱交換することによって空気を冷却する熱交換器である。このエバポレータ3は、図1に示すように上側通路R1と下側通路とに跨って設けられており、空気の流れ方向から見て、上側通路R1と下側通路との全域を埋めるように配置されている。
【0035】
ヒータコア4は、エバポレータ3の下流側に配置されており、エバポレータ3で冷却された空気を加熱する熱交換器である。なお、ヒータコア4として電熱式のヒータを用いることも可能である。このヒータコア4は、図1に示すように上側通路R1と下側通路とに跨って設けられており、空気の流れ方向から見て、上側通路R1のヒータ設置通路R5と下側通路のヒータ設置通路R7との全域を埋めるように配置されている。
【0036】
上側エアミックスドア機構5は、上側通路R1にて、エバポレータ3とヒータコア4との間に配置されている。この上側エアミックスドア機構5は、上側通路R1の高さ寸法の半分程度の長さ寸法を有すると共に上下方向にスライド可能とされたスライドドア5aと、スライドドア5aに噛合されてスライドドア5aを上下方向に移動させる駆動ギア5bとを有している。このような上側エアミックスドア機構5は、外部から伝達される動力によって、スライドドア5aの上下方向の位置を調整することによって、上側通路R1におけるヒータ設置通路R5とヒータバイパス通路R6との開口割合を調整する。
【0037】
下側エアミックスドア機構6は、下側通路にて、エバポレータ3とヒータコア4との間に配置されている。この下側エアミックスドア機構6は、下側通路の高さ寸法の半分程度の長さ寸法を有すると共に上下方向にスライド可能とされたスライドドア6aと、スライドドア6aに噛合されてスライドドア6aを上下方向に移動させる駆動ギア6bとを有している。このような下側エアミックスドア機構6は、外部から伝達される動力によって、スライドドア6aの上下方向の位置を調整することによって、下側通路におけるヒータ設置通路R7とヒータバイパス通路R8との開口割合を調整する。
【0038】
デフロスタ開口開閉機構7は、外部から動力が伝達されることにより回動されるバタフライダンパ7aを有している。このバタフライダンパ7aは、デフロスタ開口Kaの開閉を行う。フェイス開口開閉機構8は、外部から動力が伝達されることにより回動されるバタフライダンパ8aを有している。このバタフライダンパ8aは、フェイス開口Kbの開閉を行う。フット開口開閉機構9は、外部から動力が伝達されることにより回動されるバタフライダンパ9aを有している。このバタフライダンパ9aは、フット開口Kcの開閉を行う。なお、バタフライダンパ7a、バタフライダンパ8a及びバタフライダンパ9aに換えて、ロータリダンパ、ドアダンパあるいはスライドダンパを備えることも可能である。
【0039】
案内通路開閉機構10は、外殻壁2aに対して軸支された軸部10aと、根本が軸部10aに固定された上下接続開口開閉ドア10b(第1シール部)と、上下接続開口開閉ドア10bの先端部に接続された案内通路開閉ドア10c(第2シール部)とを備えている。
【0040】
軸部10aは、上下接続開口開閉ドア10bの根本が固定されており、外部から伝達される回転動力を上下接続開口開閉ドア10b及び案内通路開閉ドア10cに伝達する。上下接続開口開閉ドア10bは、上下接続開口K1を開閉可能とされたドア状のシール部である。この上下接続開口開閉ドア10bは、軸部10aを中心として回動されることにより、上下接続開口K1を閉鎖する第1姿勢(図1及び図2に示す姿勢)と、還流開口K3を閉鎖する第2姿勢(後述する図3に示す姿勢)と、上下接続開口K1及び還流開口K3を開放する第3姿勢(後述する図4に示す姿勢)とに姿勢変更可能とされている。
【0041】
案内通路開閉ドア10cは、図1及び図2に示すように、上下接続開口開閉ドア10bが第1姿勢である状態で、案内通路R3の出口開口R32を閉鎖するドア状のシール部である。つまり、案内通路開閉ドア10cは、上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1を閉鎖する場合に案内通路R3の出口開口R32を閉じる角度にて上下接続開口開閉ドア10bに接続されている。
【0042】
このように、案内通路開閉機構10は、軸部10aを中心として姿勢変更可能とされた上下接続開口開閉ドア10b及び案内通路開閉ドア10cを有しており、上下接続開口K1が閉鎖された状態にて案内通路R3も閉鎖する。
【0043】
続いて、このように構成された本実施形態の車両用空調装置1の動作について、図1及び図2に加えて、図3及び図4を参照して説明する。なお、図1図4においては、空気の流れを矢印にて図示している。
【0044】
図1は、上述のように案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1を閉鎖する第1姿勢である状態を示している。また、図3は、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bが還流開口K3を閉鎖する第2姿勢である状態を示す車両用空調装置1の概略構成を模式的に示す縦断面図である。また、図3は、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1及び還流開口K3を開放する第3姿勢である状態を示す車両用空調装置1の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【0045】
例えば図1に示すように、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bを第1姿勢とし、フット開口開閉機構9によってフット開口Kcが開放された状態とする。この状態で、上側通路R1と下側通路とに空気を供給する。
【0046】
上側通路R1に供給された空気(例えば外気)は、エバポレータ3を通過した後に、上側エアミックスドア機構5によって、ヒータ設置通路R5とヒータバイパス通路R6とに分配される。ヒータ設置通路R5に分配された空気は、ヒータコア4によって加熱された後、一部が案内通路R3に流入しようとする。ここで、上下接続開口開閉ドア10bが第1姿勢であり、案内通路開閉ドア10cによって案内通路R3が閉鎖されていると、案内通路R3に空気が流入することができず、案内通路R3に流入しようとした空気は、隙間開口K2を通じて上側混合空間R4に流入する。つまり、案内通路開閉ドア10cによって案内通路R3が閉鎖されていると、ヒータ設置通路R5を通過した空気の全量が案内通路R3を通過することなく、上側混合空間R4に供給される。
【0047】
ヒータ設置通路R5を通過した空気は、ヒータバイパス通路R6を通じて上側混合空間R4に供給された空気と混合される。この結果、上側混合空間R4にて所定の湿度及び温度に調節された調和空気が生成される。このようにして上側混合空間R4で生成された調和空気は、開放されたデフロスタ開口Kaあるいはフェイス開口Kbから車両用空調装置1の外部に吐出される。図1では、デフロスタ開口開閉機構7によってデフロスタ開口Kaが閉鎖され、フェイス開口開閉機構8によってフェイス開口Kbが開放されている。このため、図1に示す状態では、上側混合空間R4で生成された調和空気は、フェイス開口Kbから吐出される。
【0048】
下側通路に供給された空気(例えば内気)は、エバポレータ3を通過した後に、下側エアミックスドア機構6によって、ヒータ設置通路R7とヒータバイパス通路R8とに分配される。ヒータ設置通路R7に分配された空気は、ヒータコア4によって加熱された後に下側混合空間R9に供給される。
【0049】
ヒータ設置通路R7を通過した空気は、ヒータバイパス通路R8を通じて下側混合空間R9に供給された空気と混合される。この結果、下側混合空間R9にて所定の湿度及び温度に調節された調和空気が生成される。このようにして下側混合空間R9で生成された調和空気は、フット開口開閉機構9によって開放されたフット開口Kcから車両用空調装置1の外部に吐出される。
【0050】
また、例えば図3に示すように、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bを第2姿勢とし、フット開口開閉機構9によってフット開口Kcが開放された状態とする。この状態で、上側通路R1と下側通路とに空気を供給する。この場合、案内通路開閉機構10によって案内通路R3が開放されると共に還流開口K3が閉鎖された状態とされる。このため、案内通路R3に流入した空気は、上下接続開口K1を通じて下側混合空間R9へと案内され、フット開口Kcから外部に吐出される。
【0051】
また、例えば図4に示すように、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bを第3姿勢とし、フット開口開閉機構9によってフット開口Kcが閉鎖された状態とする。この状態で、上側通路R1と下側通路とに空気を供給する。この場合、上下接続開口K1と還流開口K3とが開放されているため、案内通路R3に供給された空気は、下側通路R2から上下接続開口K1を通過した空気と共に、上側混合空間R4に還流され、開放されたデフロスタ開口Kaあるいはフェイス開口Kbから車両用空調装置1の外部に吐出される。
【0052】
このような本実施形態の車両用空調装置1によれば、上側通路R1と下側通路R2とを接続する上下接続開口K1が閉鎖された状態では、上下接続開口K1に向けて空気の一部を案内する案内通路R3が案内通路開閉機構10によって閉鎖される。このため、上下接続開口K1が閉鎖された状態で案内通路R3へ空気が流れ込むことを防止し、上側通路R1を流れる空気が案内通路R3及び還流開口K3を介することなく、上側通路仕切板2cの上方空間に流れる。このため、本実施形態の車両用空調装置1によれば、上側通路R1と下側通路R2とを接続する上下接続開口K1が閉じられた場合における空調ケース2内部の圧力損失を低減することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の車両用空調装置1においては、案内通路開閉機構10が、上下接続開口K1を開閉可能な上下接続開口開閉ドア10bと、案内通路R3の出口開口R32を開閉可能であると共に上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1を閉鎖する状態にて出口開口R32を閉鎖する案内通路開閉ドア10cとを有している。このため、上下接続開口開閉ドア10bの姿勢変更を行うことで、上下接続開口K1と案内通路R3とを同時に閉鎖することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態の車両用空調装置1においては、上側通路仕切板2c(下流側仕切板2b3)は、案内通路R3の出口端部にて、上下接続開口K1に向けて延在されている。このため、案内通路R3を流れる空気を上下接続開口K1に向けて吐出することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態の車両用空調装置1においては、ヒータコア4と、上側通路仕切板2cの上流端との間に隙間開口K2が設けられている。このため、案内通路R3が閉鎖されている場合であっても、ヒータ設置通路R5で加熱された空気を円滑に上側混合空間R4に案内することができる。例えば、隙間開口K2を設けない構成を採用することも可能である。このような場合には、空気がヒータ設置通路R5から案内通路R3に全く流入することができず、空気は、ヒータコア4の内部あるいはヒータコア4の上流側にて上側混合空間R4側に偏って流れることになる。つまり、隙間開口K2が設けられていないと、実質的に、ヒータ設置通路R5の有効流路面積が減少することになる。これに対して、隙間開口K2を設けることによって、案内通路R3を閉鎖した場合であっても、効率的に空気をヒータ設置通路R5にて加熱することが可能となる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0057】
図5は、本実施形態の車両用空調装置1Aの概略構成を模式的に示す縦断面図である。この図に示すように、本実施形態の車両用空調装置1Aでは、上流端と下流端との間で上側通路仕切板2cに対して貫通開口K4が設けられている。この貫通開口K4は、案内通路R3と上側通路仕切板2cの上方空間(上側混合空間R4)とを接続する開口である。
【0058】
貫通開口K4を設けることによって、案内通路R3の出口開口R32を介せずに、案内通路R3に流入した空気を上側混合空間R4に案内することができる。このため、案内通路R3の出口開口R32が案内通路開閉機構10によって閉鎖された場合であっても、案内通路R3に流入した空気を上側混合空間R4に案内することができる。
【0059】
このような本実施形態の車両用空調装置1Aによれば、案内通路R3の出口開口R32が案内通路開閉機構10によって閉鎖された場合であっても、ヒータコア4を通過して案内通路R3に空気を流入させることができるため、効率的に空気をヒータ設置通路R5にて加熱することが可能となる。
【0060】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図6図9を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0061】
図6は、本実施形態の車両用空調装置1Bの概略構成を模式的に示す縦断面図である。この図に示すように、本実施形態の車両用空調装置1Bは、上記第1実施形態におけるフット開口開閉機構9を備えておらず、案内通路開閉機構10がフット開口Kcの開閉を行う。
【0062】
図7は、本実施形態の車両用空調装置1Bが備える案内通路開閉機構10の斜視図である。図6及び図7に示すように、本実施形態において案内通路開閉機構10は、上記第1実施形態における軸部10a及び上下接続開口開閉ドア10bの他、還流開口開閉ドア10d(第3シール部)と、接続部10eと、フット開口開閉ドア10f(第4シール部)とを備えている。
【0063】
還流開口開閉ドア10dは、還流開口K3を開閉可能なシール部であり、接続部10eを介して上下接続開口開閉ドア10bと接続されている。この還流開口開閉ドア10dは、上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1を閉鎖する状態にて還流開口K3を閉鎖する。また、還流開口開閉ドア10dは、上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1を開放する状態にて還流開口K3を開放する。
【0064】
接続部10eは、上下接続開口開閉ドア10bと還流開口開閉ドア10dとを接続する部位であり、上下接続開口開閉ドア10bと還流開口開閉ドア10dとに接続されると共に上下接続開口開閉ドア10bと還流開口開閉ドア10dとの隙間を密閉している。
【0065】
フット開口開閉ドア10fは、軸部10aに接続されており、軸部10aの回動によって、フット開口Kcを開放する開放姿勢とフット開口Kcを閉鎖する閉鎖姿勢とに姿勢変更可能とされている。本実施形態において、このフット開口開閉ドア10fは、上下接続開口K1が上下接続開口開閉ドア10bによって閉鎖された状態にてフット開口Kcを開放し、上下接続開口K1が上下接続開口開閉ドア10bによって開放された状態にてフット開口Kcを閉鎖する。
【0066】
このような構成の本実施形態の車両用空調装置1Bの動作について、図6に加えて図8及び図9を参照して説明する。
【0067】
図6は、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1を閉鎖する第1姿勢である状態を示している。また、図8は、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bが還流開口K3を閉鎖する第2姿勢である状態を示す車両用空調装置1Bの概略構成を模式的に示す縦断面図である。また、図9は、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bが上下接続開口K1及び還流開口K3を開放する第3姿勢である状態を示す車両用空調装置1Bの概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【0068】
例えば図6に示すように、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bを第1姿勢とすると、還流開口開閉ドア10dが還流開口K3を閉鎖し、フット開口開閉ドア10fがフット開口Kcを開放する。
【0069】
この状態で、上側通路R1と下側通路とに空気を供給する。ここで、上下接続開口開閉ドア10bが第1姿勢であり、還流開口開閉ドア10dによって還流開口K3が閉鎖されていると、案内通路R3を空気が通過できなくなり、案内通路R3が閉鎖された状態となる。このため、案内通路R3に空気が流入することができず、案内通路R3に流入しようとした空気は、隙間開口K2を通じて上側混合空間R4に流入する。
【0070】
また、例えば図8に示すように、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bを第2姿勢とすると、還流開口開閉ドア10dが還流開口K3を開放するものの、上下接続開口開閉ドア10bが還流開口K3を閉鎖する。また、フット開口開閉ドア10fがフット開口Kcを開放する。この状態で、上側通路R1と下側通路とに空気を供給する。この場合、案内通路開閉機構10によって案内通路R3が開放されると共に還流開口K3が閉鎖された状態とされる。このため、案内通路R3に流入した空気は、上下接続開口K1を通じて下側混合空間R9へと案内され、フット開口Kcから外部に吐出される。
【0071】
また、例えば図9に示すように、案内通路開閉機構10の上下接続開口開閉ドア10bを第3姿勢とし、フット開口開閉ドア10fによってフット開口Kcが閉鎖された状態とする。この状態で、上側通路R1と下側通路とに空気を供給する。この場合、上下接続開口K1と還流開口K3とが開放されているため、案内通路R3に供給された空気は、下側通路R2から上下接続開口K1を通過した空気と共に、上側混合空間R4に還流され、開放されたデフロスタ開口Kaあるいはフェイス開口Kbから車両用空調装置1Bの外部に吐出される。
【0072】
このような本実施形態の車両用空調装置1Bによれば、案内通路開閉機構10がフット開口開閉ドア10fを備えるため、フット開口開閉機構9を別途設置する必要がなく、装置を簡素化することが可能となる。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態においては、案内通路開閉機構10によって上下接続開口K1を開閉する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。案内通路開閉機構10と別に上下接続開口K1を開閉する機構を設ける構成を採用することも可能である。
【0075】
また、例えば、車両の運転席側と助手席側とを独立して温度調整可能な車両用空調装置や、後部座席に調和空気を供給可能な車両用空調装置に本発明を適用することも可能である。
【0076】
また、上記第2実施形態においては、貫通開口K4が1つである構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数の貫通開口K4を備える構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0077】
1……車両用空調装置、1A……車両用空調装置、1B……車両用空調装置、2……空調ケース、2a……外殻壁、2b……上下仕切板、2c……上側通路仕切板、3……エバポレータ、4……ヒータコア(加熱部)、10……案内通路開閉機構、10a……軸部、10b……上下接続開口開閉ドア(第1シール部)、10c……案内通路開閉ドア(第2シール部)、10d……還流開口開閉ドア(第3シール部)、10e……接続部、10f……フット開口開閉ドア(第4シール部)、K1……上下接続開口、K2……隙間開口、K3……還流開口、K4……貫通開口、R1……上側通路、R2……下側通路、R3……案内通路
図1
図2
図3
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図5
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図9