(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】能動的に制御される光学画像装置のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20220809BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61B1/00 526
G01N21/17 630
(21)【出願番号】P 2019500337
(86)(22)【出願日】2017-07-05
(86)【国際出願番号】 US2017040701
(87)【国際公開番号】W WO2018009529
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-04-15
(32)【優先日】2016-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー ギジェルモ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シン カンワルパル
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0160486(US,A1)
【文献】米国特許第05237630(US,A)
【文献】特表2014-520655(JP,A)
【文献】特開2015-062639(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0101374(US,A1)
【文献】国際公開第2009/019847(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0044566(US,A1)
【文献】特表2010-529465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0331709(US,A1)
【文献】特開2008-096443(JP,A)
【文献】Jaehee Park et al.,Low Reflectance Internal Mirrors,Lasers and Electro-Optics Society, LEOS'96,1996年11月18日,pp. 178-179
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00-1/32
G01N 21/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および遠位端を有する光導波路と、
前記遠位端に結合されたレンズと、
前記光導波路と前記レンズとの間に配置された基準反射体と、
反射面と、
を備えた共通経路光導波路プローブであって、
前記基準反射体がガラスではなく、
前記導波路プローブは、前記基準反射体を通って前記レンズおよび前記反射面に向かって光を通過させることによって光を集束させるように構成されており、
光は前記反射面からサンプルに向かって反射され
、
前記基準反射体は、膜を含み、前記膜は、前記光導波路の屈折率とは異なる屈折率を有し、前記膜の屈折率は、予測可能な選択的反射を引き起こすように構成されている
ことを特徴とする共通経路光導波路プローブ。
【請求項2】
前記基準反射体の反射率が、前記基準反射体と空気との屈折率の差に基づかないことを特徴とする請求項1に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項3】
前記光導波路と前記レンズとの間に配置され、ビーム伝搬用に構成されたスペーサをさらに備える請求項1または2に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項4】
前記
膜が金属膜であることを特徴とする請求項
1に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項5】
前記金属膜は、1pmから1mmの間の厚さを有することを特徴とする請求項
4に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項6】
前記金属膜が、金、銀、アルミニウム、白金、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含むことを特徴とする請求項
4に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項7】
前記
膜が誘電体膜であることを特徴とする請求項
1に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項8】
前記誘電体膜は、1pmから1mmの間の厚さを有することを特徴とする請求項
7に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項9】
前記
膜が非金属非誘電体材料膜であることを特徴とする請求項
1に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項10】
前記非金属非誘電体材料膜が、1pmから1mmの間の厚さを有することを特徴とする請求項
9に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項11】
前記光導波路が光ファイバであることを特徴とする請求項1から
10のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項12】
前記光ファイバがシングルモード光ファイバであることを特徴とする請求項
11に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項13】
前記光ファイバがダブルクラッド光ファイバであることを特徴とする請求項
11に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項14】
前記レンズがボールレンズである、請求項1から
13のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項15】
前記レンズが屈折率分布型ファイバレンズである、請求項1から
13のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項16】
前記レンズから出てくる光をターゲットに向けるように配置された反射体をさらに備える、請求項1から
15のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項17】
駆動軸をさらに備え、前記光導波路、前記レンズ、前記基準反射体、またはそれらの組み合わせが前記駆動軸に結合されていることを特徴とする請求項1から
16のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブ。
【請求項18】
請求項1から
17のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブと、
前記共通経路光導波路プローブを受け入れるように構成されたシースと、
を備えたカテーテル。
【請求項19】
OCT光源と、
OCT検出器と、
請求項1から
17のいずれか1項に記載の共通経路光導波路プローブまたは請求項
18に記載のカテーテルと、
前記OCT光源、前記OCT検出器、および前記共通経路光導波路プローブに結合され、前記OCT光源からの光を前記共通経路光導波路プローブへ、および共通経路光導波路プローブからの光をOCT検出器へ向けるように構成されたサーキュレータと、
前記OCT検出器に結合され、前記OCT検出器で測定されたOCT信号を表すOCT信号出力を提供するように構成されたOCTコントローラと、
を備えた光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システム。
【請求項20】
前記OCT光源は広帯域光源であることを特徴とする請求項
19に記載のOCTシステム。
【請求項21】
前記OCT検出器が、コリメータ、格子、分光計レンズ、および線形アレイカメラを含むOCT分光計であることを特徴とする請求項
19または
20に記載のOCTシステム。
【請求項22】
前記共通経路光導波路プローブの上流に配置された第1のビームスプリッタをさらに備え、前記OCT検出器はバランス型光検出器を含み、前記ビームスプリッタは前記OCT光源からの光の一部を前記バランス型光検出器へ方向付けるように構成される請求項
19または
20に記載のOCTシステム。
【請求項23】
第1の光導波路の第1の端部と第2の光導波路の第2の端部とを接合するステップと、
前記第1の光導波路の前記第1の端部とは反対側の端部にレンズを形成または取り付けるステップと、
前記レンズに関連する反射面を設けるステップと、
を備えた共通経路光導波路プローブの製造方法であって、
前記第1の端部と前記第2の端部の少なくとも一方は、接合を受ける表面に配置された基準反射体前駆体を有し、それによって前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に基準反射体を設け
、
前記基準反射体は、膜を含み、前記膜は、前記光導波路の屈折率とは異なる屈折率を有し、前記膜の屈折率は、予測可能な選択的反射を引き起こすように構成されていることを特徴とする製造方法。
【請求項24】
前記レンズは、前記第1の端部とは反対側の端部を加熱してボールレンズを形成することによって得られることを特徴とする請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
前記接合するステップがレーザー接合であることを特徴とする請求項
23または
24に記載の方法。
【請求項26】
前記レーザー接合の強度および/または持続時間が、前記基準反射体の所定の厚さまたは反射率を提供するように選択されることを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年7月5日出願の、表題「共通経路光コヒーレンストモグラフィのための装置および方法」である米国仮特許出願第62/358,525号明細書、および2017年6月8日出願の、同じく表題「共通経路光コヒーレンストモグラフィのための装置および方法」である米国仮特許出願第62/516,853号明細書に基づき、これに対する優先権を主張し、これを参照によって全体的に本明細書に組み込む。
【0002】
(政府の資金援助)
適用されない。
【0003】
本開示は撮像装置およびデバイスに関し、より具体的には光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像システムの例示的な実施形態に関する。
【背景技術】
【0004】
その最初の実証以来、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)および内視鏡光コヒーレンストモグラフィ(EOCT)のようなその応用は急速に進歩しており、医療用画像形成において広範な用途を見出している。EOCTは、冠状動脈、食道、鼻腔および前立腺において診断ツールとして現在使用されている。EOCTはまた、眼科および乳がんの手術指導にも使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
時間ドメイン光コヒーレンストモグラフィ、分光計ベースのフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ、および掃引源ベースのフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィなどの様々な形態のOCTが実証されている。これら全てのOCT技術の間で共通する1つのことは、基準軸信号がサンプルの軸方向構造を再生するために必要とされることである。標準的なOCTシステムでは、基準信号はマイケルソン干渉計に基づく構成を使用して生成され、ミラーは基準面として使用される。マイケルソン干渉計ベースの方式はベンチトップシステムでは通常使用されているが、EOCTにはいくつかの課題がある。第一に、内視鏡プローブの大部分は信号誘導のためにガラスベースの光ファイバを使用し、材料の分散を避けるために、サンプルおよび参照アームに使用される光ファイバの長さは厳密に一致させる必要がある。第二に、内視鏡プローブは外部回転装置を使用して組織の円周方向画像を取得し、そのようなファイバの動きは曲げおよび伸張と共にサンプル光の偏光状態を変化させる。サンプルの偏光状態と信号の偏光状態との不一致は、軸方向の点広がり関数(point spread function)の広がりをもたらし、したがって軸方向の分解能および信号対雑音比を低下させる。
【0006】
OCTにおける個別の基準アームに関する問題はよく知られており、基準およびサンプル信号が検出器に到達する前に同じ材料を伝わるように基準面をサンプルの近くに配置するために様々な設計が提案されてきた。そのようなプローブは、共通経路プローブと呼ばれる特別な種類のプローブを形成する。 劈開ガラス繊維空気界面からの反射が参照信号として使用される場合、正面視共通経路プローブがマイクロ切開ガイダンスにおいて使用されてきた。ファイバの側面が基準信号を生成する、シングルモードファイバベースの円周走査側面視共通経路プローブが実証されている。そのようなプローブは、プローブの先端からの作動距離または焦点距離を制御することができず、用途が限られている。焦点特性をよりよく制御するために、屈折率分布型(GRIN)ファイバベースのプローブが目的とされた。GRINファイバベースの共通経路プローブでは、シングルモードファイバがコアレスファイバに接合され、続いてGRINファイバが接合され、GRINファイバ空気界面からの反射が基準信号として使用される。そのようなプローブは焦点特性に対するより良い制御を提供するが、基準信号と焦点距離との逆結合は相互依存的であり、一方を変更すると他方に影響を与える。ボールレンズ表面から発生する反射が基準信号として使用される場合、同様のモノリシックボールレンズベースのプローブが実証されているが、それでもこの設計はGRINファイバベースのプローブと同じ問題を共有する。GRINファイバとボールレンズの共通経路プローブを使用すると、円周方向の結像のために別個の反射体も必要となり、これは設計をさらに複雑にする。ボールレンズ非共通経路プローブ設計は、全反射のためにサンプル信号が研磨面から反射するような角度でボールレンズを研磨することによって別個の反射体の必要性を排除する。したがって、周方向走査のために別個の反射体を必要とせず、基準パワーをプローブの集束特性に影響を及ぼすことなく独立して設定することができるプローブが必要とされている。さらに、基準信号と焦点距離とを互いに無関係に設定することができる共通経路OCTプローブのための比較的安価な設計に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本開示は、共通経路光導波路プローブを提供する。共通経路光導波路プローブは、光導波路、レンズ、および基準反射体を備える。光導波路は近位端および遠位端を含む。レンズは遠位端に結合されている。基準反射体は、光導波路とレンズとの間に配置されている。
【0008】
別の態様では、本開示はカテーテルを提供する。カテーテルは、共通経路光導波路プローブとシースとを含む。共通経路光導波路プローブは、本明細書のいずれかの態様に記載の通りである。シースは、共通経路光導波路プローブを受け入れるように構成されている。
【0009】
さらなる態様では、本開示は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システムを提供する。OCTシステムは、OCT光源、OCT検出器、共通経路光導波路プローブまたはカテーテル、サーキュレータ、およびOCTコントローラを含む。共通経路光導波路プローブまたはカテーテルは、本明細書のいずれかの態様に記載の通りである。サーキュレータは、OCT光源、OCT検出器、および共通経路光導波路プローブに結合されている。サーキュレータは、OCT光源からの光を共通経路光導波路プローブへ、そして共通経路光導波路プローブからの光をOCT検出器へ方向付けるように構成される。OCTコントローラは、OCT検出器に結合され、OCT検出器で測定されたOCT信号を表すOCT信号出力を供給するように構成される。
【0010】
さらに別の態様では、本開示は、共通経路光導波路プローブを製造する方法を提供する。この方法は、第1の光導波路の第1の端部と第2の光導波路の第2の端部とを接合するステップと、前記第1の光導波路の前記第1の端部とは反対側の端部にレンズを形成または取り付けるステップと、を備え、前記第1の端部と前記第2の端部の少なくとも一方は、接合を受ける表面に配置された基準反射体前駆体を有し、それによって前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に基準反射体を設けることを特徴とする。
【0011】
本発明の前述および他の態様および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。説明では、本明細書の一部を形成し、本発明の好ましい実施形態を例として示す添付の図面を参照する。そのような実施形態は必ずしも本発明の全範囲を表すものではなく、したがって本発明の範囲を解釈するために特許請求の範囲および本明細書を参照する。
【0012】
以下の本発明の詳細な説明を考慮すれば、本発明はよりよく理解され、上記以外の特徴、態様および利点が明らかになるであろう。そのような詳細な説明は、以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一態様に係るシステムの概略図である。
【
図2A】本開示の一態様に係るシステムの概略図である。
【
図2B】本開示の一態様に係るシステムの概略図である。
【
図2C】本開示の一態様に係るシステムの概略図である。
【
図3】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの概略図である。
【
図4A】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の概略図である。
【
図4B】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の概略図である。
【
図5A】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の概略図である。
【
図5B】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の概略図である。
【
図6】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の画像である。
【
図7】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の画像である。
【
図8】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の概略図である。
【
図9】本開示の一態様に係る共通経路光導波路プローブの遠位先端の概略図である。
【
図10】本開示の一態様に係る基準反射体の反射率を測定するためのシステムの概略図である。
【
図11】実施例1に記載されているように、共通経路光導波路プローブの遠位先端を保持している指の画像である。
【
図12】実施例2に記載されるように、本明細書に記載されるシステムによって取得された死体冠状動脈の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明をさらに詳細に説明する前に、本発明は説明した特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないこともまた理解されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるであろう。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないと指示しない限り、複数の実施形態を含む。
【0015】
当業者には明らかなように、本発明の概念から逸脱することなく、既に説明したもの以外にも多くの追加の修正が可能である。この開示を解釈する際に、全ての用語は文脈と矛盾しない最も広い方法で解釈されるべきである。「含む」、「含む」、または「有する」という用語の変形は、非排他的に要素、構成要素、またはステップを指すものとして解釈されるべきであり、そのため、参照される要素、構成要素、またはステップは明示的に参照されていない他の要素、構成要素、またはステップと組み合わせることができる。特定の要素を「含む」、「含む」、または「有する」として参照される実施形態は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、それらの要素から「本質的になる」および「からなる」とも考えられる。システムに関して説明される本開示の態様は、文脈が明示的にそうでないと指示しない限り、方法に適用可能であり、逆もまた同様であることを理解されたい。
【0016】
本明細書に開示される数値範囲はそれらの終点を含む。たとえば、1から10までの数値範囲には、1及び10の値が含まれる。所与の値について一連の数値範囲が開示されている場合、本開示はそれらの範囲の上限および下限のすべての組み合わせを含む範囲を明示的に企図している。例えば、1から10まで、または2から9までの数値範囲は、1から9まで、および2から10までの数値範囲を含むことを意図している。
【0017】
本明細書に記載された長さおよび距離は、文脈が明らかにそうではないと示さない限り、光路長の長さおよび距離に関して記載される。したがって、コイル状の光ファイバに沿って進む光は、光ファイバの入力と出力との間の物理的な距離ではなく、巻かれていない光ファイバの長さに等しい距離を進む。
【0018】
図1を参照すると、スペクトル領域OCTシステム110の例示的概略図が示されている。このシステム110は、本明細書の他の箇所で説明されている共通経路光導波路プローブ305と共に使用することができる。広帯域光源101によって放射された光はシングルモードファイバ102に結合され、続いてサーキュレータ103を使用して回転接合部104に向けて方向付けられる。回転接合部104は、光をプローブ105に結合する。基準光およびサンプル光は、プローブ105から回転接合部104およびサーキュレータ103を通って分光計に進み、分光計は、この場合、コリメータ106、格子107、分光計レンズ108、および線形アレイカメラ109からなる。
【0019】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、掃引光源OCTまたは光周波数領域撮像(OFDI)システム210の2つの例示的な概略図が示されている。これらのシステム210は、本明細書の他の箇所に記載されている共通経路光導波路プローブ305と共に使用することができる。広帯域掃引光源レーザー201によって放射された光は、シングルモードファイバ202に結合され、続いてサーキュレータ203を使用して回転接合部204に向けられる。回転接合部204は光をプローブ205に結合する。基準光およびサンプル光は、プローブ205から回転接合部204およびサーキュレータ203を通ってバランス型光検出器211の1つのチャネルに進む。
図2Aにおいて、シングルモードファイバ202に沿って通過する光は、光の一部を分割し、その部分を基準光ファイバ213に沿ってバランス型光検出器211の他のチャネルに伝送するファイバカプラ212(他の場所ではビームスプリッタと総称される)に出合う。
図2Bでは、ファイバカプラ212および基準光ファイバ213が省略されており、バランス型光検出器211の1つのチャネルのみが使用されている。バランス型光検出器を使用すると、コモンモードノイズを減らすことができ、2つのチャネルの信号を差し引いた後にDCスペクトルオフセットをキャンセルすることができる。
【0020】
図2Cを参照すると、掃引光源OCTまたはOFDIシステム210の第3の例示的概略図が示されている。このシステム210は、本明細書の他の箇所で説明されている共通経路光導波路プローブ305と共に使用することができる。この機能は
図2Bに示すシステム210の機能と同様であるが、単一のサーキュレータ203の代わりに、
図2Bに示し説明したように配置され機能する第1のサーキュレータ203
1と、第1サーキュレータ203
1とバランス型光検出器211の間に配置される第2のサーキュレータ203
2とを含む。第2のサーキュレータ203
2は、第1のサーキュレータ203
1から受け取った信号を、ビームスプリッタ229、第1のミラー230、および第2のミラー231を含むマイケルソン干渉計に送る。第1のミラーおよび第2のミラーから反射された信号は、第2のサーキュレータ203
2に戻って結合され、結合された信号を検出器211に向ける。経路長のうちの1つ(図示の場合では、第2のミラー231の経路長)を変えることにより、画像ウィンドウにシフトをもたらすことができる。別々のサンプルアームと基準アームを有する従来のOCTシステムでは、経路長差は基準アームを長くするかまたは短くすることによって生じさせる(accounted for)ことができる。本システム210では、経路長差をゼロに設定することはできない。例えば、結像のために800μmの外径のシース内に配置された下記の設計では、サンプルと基準反射体との間の最小距離は780μmである。そのため、サンプル画像を結像深度範囲の最初の780μm以内に配置することはできない。結像深度が基準面とシースの外面との間の距離よりはるかに大きい場合、これは重要ではないが、バルーンまたはカプセルベースの胃腸画像用途のようないくつかのケースでは、サンプルはプローブの中心から数mm離れているので、これは適切ではない。
図2Cに示されるシステム210は、これらの場合において、マイケルソン干渉計の経路長のうちの1つを調整することによって結像深度を回復するために使用可能である。
図2Cに示されるシステム210は、本明細書に記載されるプローブを利用するものだけでなく、任意の一般的な光路長干渉法と共に使用され得ることが理解されるべきである。
【0021】
図1、
図2A、
図2B、および
図2Cの各図を参照すると、共通経路光導波路プローブ305内のインライン基準反射体318に関して以下に説明するように、向けられる信号は基準信号およびサンプル信号を含むことができる。
【0022】
システム110、210は、様々な光源および/または検出器を制御するように構成されたコントローラを含み得る。 場合によっては、コントローラは、信号を取得して本明細書に記載の方法を実行するようにプログラムされたコンピュータとすることができる。
【0023】
システム110、210は、周方向走査用のマイクロモータなどのモータを含むことができる。システム110、210は、プローブおよび/またはプローブ先端を並進させるための二次元並進ステージを含むことができる。
【0024】
システム110、210は、蛍光、自己蛍光、ラマン、または他の分光法などの第2の画像診断法を含むことができる。これらの場合、システム110、210は、第2の撮像モダリティ光源および第2の撮像モダリティ検出器を含み得る。
【0025】
システム110、210は、自由空間二次元走査用に構成することができる。これらの場合、システム110、210は、サンプルを横切って走査するようにビームを操縦するために使用される2つの検流計を含むことができる。
【0026】
図3を参照すると、共通経路光導波路プローブ305が示されている。プローブ305は、近位端315および遠位端316を有する光導波路314を含む。レンズ317が遠位端316に結合されている。基準反射体318は、光導波路314とレンズ317との間に配置されている。遠位端316は遠位先端319を含む。遠位先端319は、以下に示され、
図4A-6および
図10-11に示される任意の遠位先端の特徴を含み得る。プローブ305および/または遠位先端319は、駆動軸320をオプションで含むことができる。場合によっては、駆動軸320は単一の駆動軸であるが、非モノリシック駆動軸も考えられる。当業者には理解されるように、光導波路314、基準反射体318、およびレンズ317は、互いに直接結合することができ、あるいは介在する光学系または空間を有することができる。例えば、プローブ305は、光導波路314または基準反射体318とレンズ317との間に配置されたスペーサ(図示せず)を含むことができる。スペーサはビーム伝搬用に構成することができる。
【0027】
プローブ305は直線状として示されているが、プローブ305は湾曲していてもよい。場合によっては、プローブ305は可撓性であり得る。場合によっては、プローブ305は剛性であり得る。
【0028】
光導波路314は、1000m以下、10m以下、または1cm~5mの導波路長を有することができる。
【0029】
レンズ317は、そこから光が発する放出面321を含むことができる。基準反射体318と放射面321との間の基準反射体対放射面間距離は、1m以下、10cm以下、または1cm以下とすることができる。
【0030】
プローブ305は、少なくとも1000:1、少なくとも10,000:1、少なくとも100,000:1、または少なくとも1,000,000,000:1を含むがこれらに限定されない少なくとも100:1の導波路長と基準反射体対放出面間距離との比を有するように構成することができる。
【0031】
基準反射体318は、限定はされないが、光学材料とは異なる屈折率を有する金属、誘電材料、または非金属、非誘電材料を含む、予測可能な選択反射を生じさせるのに十分な量だけの光導波路の導波路屈折率を得るための制御可能な選択反射率を有することが知られている材料から構成することができる。金属は、金、銀、アルミニウム、白金、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の反射性金属とすることができる。誘電材料は、硫化亜鉛、二酸化チタン、フッ化マグネシウム、二酸化ケイ素、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、当業者に公知の誘電材料であり得る。
【0032】
基準反射体318はフィルムとすることができる。基準反射体フィルムは、1μmから1mmの間、1μmから10μmの間、または1μmから1μmの間の厚さを有することができる。
【0033】
場合によっては、基準反射体318は金属膜である。場合によっては、基準反射体318は誘電体膜である。場合によっては、基準反射体318は、非金属、非誘電材料フィルムである。
【0034】
場合によっては、基準反射体318はガラスではない。場合によっては、基準反射体318の反射率は、基準反射体318と空気との屈折率の差には基づかない。基準反射体318は、カテーテルのシース(しばしばガラスであり得る)またはカプセルベースのプローブのためのカプセルではない。基準反射体318はレンズ317の表面ではない。
【0035】
基準反射体318は、0.00001%~1.0%の光、0.00005%~0.5%の光、0.0001%~0.1%の光、又は0.0005%~0.01%の光をを選択的に反射することを含むがこれらに限定されない0.000001%~2.0%の光を選択的に反射するように構成することができる。
【0036】
場合によっては、基準反射体318の反射率は、既知の光パワーを有する既知の光源に同調させることができ、それにより反射光の予測可能な光パワーを提供する。そのような場合、とりわけ熱雑音、ショット雑音、および相対強度雑音などの様々な雑音源を考慮に入れることによって、最大の感度を提供するように基準反射体を調整することができる。基準反射体318は、5μW~1mWの間、10μW~100μWの間、または20μW~40μWの間の予測反射光パワーを含むがこれに限定されない1μW~10mWの間の予測反射光パワーを提供するために既知の光パワーを有する既知の光源に調整することができる。
【0037】
基準反射体318の選択反射率は、光導波路314のみに調整することができ、その場合、強度測定は、光導波路314の近位端315において、またはシステム110、210全体に対して行われ、その場合、 強度測定がシステム110、210の分光計または検出器で行われる。基準反射体318の選択的反射率は、光源から放射される光強度、光導波路314の近位端315に導入される測定または推定光強度、または光導波路314内の基準反射体318に到達する測定されたまたは推定光強度に対して表現することができる。推定光強度は、光源の強度を測定し、同等の光学系からシステム110、210またはプローブ305内のものへの強度損失を測定することによって推定することができる。
【0038】
基準反射体318の選択的反射率および/または厚さは、様々な方法で調整することができる。一例として、金属被覆端面を含む光ファイバを端面が被覆されていない光ファイバに接合するとき、接合の作業パラメータを変えて得られる基準反射体318の選択反射率および/または厚さを変えることができる。接合の温度およびタイミングはこれらの特性を調整するために変えることができる。このプロセスは以下でさらに詳細に説明される。
【0039】
レンズ317は、ボールレンズ、球面レンズ、非球面レンズ、屈折率分布型(GRIN)ファイバレンズ、アキシコン、回折レンズ、メタレンズ、位相操作によるレンズ作用を利用する位相操作レンズを含む様々な形態をとることができる。
【0040】
図4Aを参照すると、例示的な遠位先端419が示されている。遠位先端419は、光導波路414の一部と、基準反射体418と、放射面421と反射面422とを有するレンズ417とを含むことができる。光423は、光導波路414から出て、基準反射体418を通過し、レンズ417を通過するにつれて発散し、反射面422で反射し、そして放射面421から出ていくように示されている。遠位先端419はオプションで駆動軸420を含み得る。この態様では、駆動軸420が存在するとき、遠位先端419の全ての構成要素が駆動軸420内に含まれる。駆動軸420は、光423が通過する窓(図示せず)を含むことができる。
【0041】
図4Bを参照すると、例示的な遠位先端419が示されている。各部品は
図4Aに示す態様と同様であるが、レンズ417上の反射面422の代わりに、遠位先端419は外部反射面424を含む。この例示された態様では、光423はレンズ417の放射面421から出て、外部反射面424で反射される。
【0042】
図5Aを参照すると、別の例示的な遠位先端519が示されている。遠位先端は、光導波路514の一部、基準反射体518、拡張領域525、およびレンズ517、外部反射面524、ならびにオプションの駆動軸520を含み得る。
図5に示すレンズ517は、屈折率分布型(GRIN)ファイバレンズとすることができる。拡張領域525は、コアレスファイバとすることができる。光523は、光導波路514から出て、基準反射体518を通過し、拡大領域525内で拡大し、通過してレンズによって集束され、そして外部反射面524で反射する。
【0043】
図5Bを参照すると、例示的な遠位先端519が示されている。各部分は、
図5Aに示す態様と類似しているが、外部反射面524の代わりに、プリズム526が光523をターゲットに向ける。レンズ517およびプリズム526は、別々の別個の構成要素であり得るか、またはモノリシックであり得る。
【0044】
図6を参照すると、
図4Aおよび
図5Aに示すものと同様の設計原理を有するプローブ605の遠位先端619の画像が示されている。遠位先端619は、シングルモード光ファイバの形態の光導波路614と、薄い金の層の形態の基準反射体618と、コアレス領域の形態の拡張領域625と、ボールレンズの形態のレンズ617とを含む。ボールレンズは反射面622を含むように研磨され、ボールレンズは放出面621を含む。
【0045】
図7を参照すると、
図4Aおよび
図5Aと同様の設計原理を有するプローブ705の遠位先端719の画像が示されている。遠位先端719は、遠位先端719の構造の大部分を覆っている駆動軸720を含む。コアレス領域の形態の拡張領域725およびボールレンズの形態のレンズ717は、駆動軸720から出て見えている。ボールレンズは反射面722を含むように研磨され、ボールレンズは放出面721を含む。
【0046】
図8を参照すると、場合によっては、2つの基準反射体818を有する例示の態様のように、プローブ805は2つ以上の基準反射体818を含む遠位先端819を有することができる。遠位先端部819は、
図5Aに関して上述したように、光導波路814の一部、レンズ817、放射面821、外部反射面824、およびオプションの駆動軸820を含む。
【0047】
図9を参照すると、場合によっては、プローブ905および遠位先端919は、ダブルクラッドファイバの形態の光導波路914を含むことができる。ダブルクラッドファイバは、コア927および内側クラッド928を含み得る。コア927は、OCT信号を送信するために使用され得る。内側クラッド928は、蛍光、自己蛍光、ラマン、または他の分光信号の送達および検出に使用することができる。この構成は、インラインファイバミラー共通経路プローブ905を用いたマルチモダリティイメージングを可能にすることができる。遠位先端919は、
図4Aに関して上述したように、基準反射体918、レンズ917、反射面922、放出面921、およびオプションの駆動軸920を含む。
【0048】
特定の場合には、システム110、210および/またはプローブ305は、10μmよりも良い、7.5μmよりも良い、5μmよりも良い、4μmよりも良い、3μmよりも良い、2μmよりも良い、または1μmより良い軸方向分解能を有するように構成することができる。
【0049】
特定の場合には、システム110、210および/またはプローブ205は、50μmを超える、40μmを超える、35μmを超える、32μmを超える、30μmを超える、または25μmを超える横方向分解能を有するように構成することができる。
【0050】
特定の場合には、システム110、210および/またはプローブ305は、80dBを超える、90dBを超える、100dBを超える、105dBを超える、110dBを超える、または115dBを超える感度を有するように構成することができる。
【0051】
システム110、210および/またはプローブ305は、1μmから1mの間の画像範囲を提供するように構成することができる。
【0052】
システム210がマイケルソン干渉計を含む場合、画像範囲は、10μmから100mm、100μmから50mm、1mmから25mm、または10mmから20mmを含むがこれらに限定されない1μmから1mの間で調整することができる。
【0053】
特定の場合において、ターゲット媒体は、血管、皮膚、胃腸組織、心血管組織、肺組織、脳組織、泌尿器組織、婦人科組織などの組織であり得る。
【0054】
一態様では、本開示はカテーテルを提供する。カテーテルは、本明細書に記載のような共通経路光導波路プローブと、プローブを受け入れるように構成されたシースとを含むことができる。カテーテルは内視鏡カテーテルであり得る。
【0055】
一態様では、本開示は、上述のものなどの共通経路光導波路プローブを製造する方法を提供する。方法は、第1の光導波路の第1の端部と第2の光導波路の第2の端部とを接合するステップと、第1の光導波路の第1の端部とは反対側の端部にレンズを形成または取り付けるステップと、を含むことができる。第1端部および第2端部の少なくとも一方は、接合を受ける表面に配置された基準反射体または基準反射体前駆体を有する。この方法は、光をターゲット媒体に向けるために反射面を形成または位置決めするステップをさらに含むことができる。
【0056】
接合は、レーザー接合を含むがこれに限定されない、当業者に知られている任意の接合方法であり得る。レーザー接合の強度および/または持続時間などの接合の1つまたは複数のパラメータは、基準反射体の所定の厚さまたは反射率を提供するように選択することができる。
【0057】
1つの具体的な例では、金で被覆された端面を有するコアレスファイバはシングルモードファイバと接合することができる。この接合は、シングルモードファイバとコアレスファイバの界面に金の表面を形成する。接合自体は、結果として得られる基準反射体の光学特性に影響を及ぼし得る。接合はレーザー接合とすることができ、そこではレーザー光の最初のパルスが各部を互いに接合するために使用される。後続のレーザー光のパルスを用いて基準反射体の光学特性を変えることができる。一般的には、金属基準反射体の場合、後続のパルスは反射率を低下させる。この選択的調整は、基準反射体に所望の光学特性を提供することができ、それによって上記の特性を有する基準ビームを与える。
【0058】
レンズを形成または取り付けるステップは、接合の前または後に行うことができ、当業者に知られている様々な方法で達成することができる。一例として、レンズを接合されたファイバの端部と光学的に接触させることができる。別の例として、ボールレンズは、コアレスファイバを加熱し、加熱したファイバをボールレンズに成形することによって形成することができる。
【0059】
反射面を形成または位置決めするステップは、接合するステップまたはレンズを形成または取り付けるステップの前後に行うことができ、当業者に知られているさまざまな方法で達成することができる。一例として、ミラーは、光をターゲットに反射するのに適した角度でレンズに隣接して位置決めすることができる。別の例として、ボールレンズまたは他のレンズが利用されるとき、レンズはそれ自体反射面を含むように研磨され得る。研磨された反射面は、光導波路に対して、そして光の全反射をもたらす光の入射角に対して、ある角度で位置決めすることができる。
【0060】
図10を参照すると、反射基準電力を測定するためのシステム1000が示されている。このシステム1000は、基準反射体の反射率を選択的に調整するために使用することができる。システム1000は、サーキュレータ1002に結合されたレーザー1001を含み、サーキュレータ1002は、上述のような接合を受けているファイバに光を送る。レーザー接合機などの接合機1004は、接合を実行するために使用される。
【0061】
特定の態様では、本開示は、OCT画像を取得する方法を提供する。この方法は、本明細書に記載のシステムまたはプローブを使用することができる。この方法は、本明細書に記載のプローブを介してターゲット媒体中に光を透過させるステップ、ターゲット媒体を横切ってプローブを走査するステップ、サンプル信号および参照信号を検出するステップ、およびサンプル信号および参照信号から画像を生成するステップを含み得る。
【0062】
この方法は、広いスペクトルの光を放射する低コヒーレンス光源を使用し、スペクトルを一次元に拡散することによってスペクトルフリンジ信号を取得し、次いでライン走査カメラを通してAスキャン信号を収集し、続いてフレームグラバーを使用してアナログ信号をデジタル化する、スペクトル領域システムによって実行することができる。この方法は、一連の狭い線幅の光をプローブに送り、時間検出器を介して時間符号化フリンジ信号を受信し、次いでアナログ - デジタル変換器カードを介してその信号をデジタル化することにより掃引光源またはOFDIシステムで実行できる。バランス型検出を使用すると、コモンモードノイズを低減できる。偏光ダイバーシティ検出は、偏光モード分散の影響を低減するために使用することができる。本明細書に記載されているプローブは、前述のOCT撮像方式のすべておよび当業者に知られている他のものにおける使用に適している。
【0063】
本明細書に記載のシステム110、210、プローブ305、および方法は、可撓性カテーテルを含む、カテーテルを利用する任意のプロセスに使用することができる。そのようなプロセスは、生体内心臓病または胃腸管イメージングなどの生体内イメージングを含む。
【0064】
プローブ305は、分光計ベースのフーリエドメインまたはスペクトルドメインのOCT測定に使用することができる。
【0065】
(実施例)
以下の実施例は、光学系110、210および/または共通経路光導波路プローブ305を使用または実装することができる方法を詳細に説明し、当業者がその原理をより容易に理解することを可能にするであろう。以下の実施例は説明のために提示され、そして決して発明を限定することを意味しない。
【0066】
(実施例1)
上述の設計原理に従って設計されたOCTシステム110、210および共通経路光導波路プローブ305を使用して、プローブ305を保持している指先の画像を取得した。OCT源201は掃引源レーザーであった。走査速度は100kHz、中心波長は1310nm、走査範囲は140nm、出力電力は34mWであった。基準反射体は、30μWの基準信号電力を反射するように調整された。得られた画像を
図11に示す。皮膚の層は明確に識別可能であり、表皮および真皮として画像内で識別されている。汗腺も識別可能であり、矢印を使用して画像内で識別されている。
【0067】
(実施例2)
上述の設計原理に従って設計されたOCTシステム110、210、共通経路光導波路プローブ305、および遠位先端419を使用して死体冠状動脈の画像を取得した。OCT源201およびパラメータは実施例1と同じであった。使用したプローブは、
図6および7に示したものである。死体冠状動脈の得られた画像を
図12に示す。動脈の層は明確に識別可能であり、画像内では内膜、中膜、および外膜として識別されている。
【0068】
(実施例3)
図2Bに示すようなマイケルソン干渉計を備えていない1つのOCTシステム210と、
図2Cに示されているようなマイケルソン干渉計を有する1つのOCTシステム210と、上述の設計原理に従って設計された共通経路光導波路プローブと、遠位先端419とを用いて、基準反射体から20cmの距離に置かれた指の画像を取得した。OCT源201およびパラメータは実施例1と同じであった。
図2Bに示されるシステム210を使用した場合、サンプルと反射された基準との間の光路距離がシステムの撮像深度よりはるかに大きいため、画像は見られなかった。しかし、
図2Cのシステム210を使用し、第1の鏡と第2の鏡との間の光路長差を約19cmに設定すると、指の像が撮像窓に現れた。
【0069】
このように、本発明を特定の実施形態および実施例に関連して上述したが、本発明は必ずしもそのように限定されず、他の多数の実施形態、実施例、使用、変形および実施形態、実施例および使用からの逸脱が添付の請求項によって包含されることを意図する。実際、本開示の例示的な実施形態による構成、システム、および方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD-OCTシステム、生体内または新鮮な組織を撮像することができる他の撮像システムと共に使用および/または実施することができる。それは例えば2005年5月26日に国際特許公開番号WO2005 / 047813として公開された、2004年9月8日に出願された国際特許出願PCT / US2004 / 029148や、2006年5月4日に米国特許公開第2006/0093276号として公開された2005年11月2日に出願された米国特許出願第11 / 266,779号や、2005年1月27日に米国特許公開第2005/0018201号として公開された、2004年7月9日に出願された米国特許出願第10 / 501,276号や、2002年5月9日に公開された米国特許公開第2002/0122246号や、米国特許出願第61/649,546号、米国特許出願第11/625,135号、および米国特許出願第61/589,083号に記載され、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に引用された各特許および刊行物の全開示は、あたかもそのような各特許または刊行物が本明細書に個別に参照により組み込まれているかのようにして、参照により組み込まれる。