(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】使用者の投与経験を改善するための水溶性単位用量物品の使用
(51)【国際特許分類】
B65D 65/46 20060101AFI20220809BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20220809BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B65D65/46
C11D3/37
C11D17/04
(21)【出願番号】P 2019517189
(86)(22)【出願日】2017-06-12
(86)【国際出願番号】 US2017037008
(87)【国際公開番号】W WO2017218412
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-06-12
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】サウター フィリップ フランク
(72)【発明者】
【氏名】ケーレールス ロビー レニルデ フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ラベック レジーヌ
(72)【発明者】
【氏名】クルシェ フロランス カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】レンマンス マルク レネ ベルト
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/061025(WO,A1)
【文献】特開平11-152347(JP,A)
【文献】特開平08-188697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0102278(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/46
C11D 3/37
C11D 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性フィルムとを含む、単位用量物品の使用であって、
使用者の投与経験を改善するために、前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが、互いに化学的に異なり、
前記単位用量物品が少なくとも1つの内部区画を含み、
前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが少なくとも1つの内部区画を画定するように互いに密封され、
前記第1の水溶性フィルムが、第1の伸び弾性率を有し、前記第2の水溶性フィルムが、第2の伸び弾性率を有し、前記第1の伸び弾性率が、前記第2の伸び弾性率よりも大きく、前記第1の伸び弾性率と前記第2の伸び弾性率との間の差異が、0.5MPa~10MPaであり、前記第1の伸び弾性率と前記第2の伸び弾性率が、e-弾性率試験に従って試験される、使用。
【請求項2】
前記単位用量物品内に組成物が含まれ、
前記組成物が、布地ケア組成物または家庭用ケア組成物であり、フィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー樹脂とアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂とのブレンドを含む場合、
前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方は、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂を含むブレンドを含み、かつ
前記組成物が、布地ケア組成物または家庭用ケア組成物であり、フィルムが、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む場合、
前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムの両方は、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー樹脂のブレンドを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記第1の伸び弾性率と前記第2の伸び弾性率との間の差異が、1MPa~8MPaである、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記第1の伸び弾性率が、1MPa~20MPaである、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記第2の伸び弾性率が、1MPa~15MPaである、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記第1の水溶性フィルムが、第1の引張破断歪みを有し、前記第2の水溶性フィルムが、第2の引張破断歪みを有し、前記第1の引張破断歪みが、前記第2の引張破断歪みより大きく、前記第1の引張破断歪みと前記第2の引張破断歪みとの間の差異が、引張歪み試験に従って10%~1000%であり、
前記第1の引張破断歪みが、引張歪み試験に従って300%~1600%であり、
前記第2の引張破断歪みが、引張歪み試験に従って300%~1200%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記第1の水溶性フィルムが、第1の水溶性樹脂を含み、前記第2の水溶性フィルムが、第2の水溶性樹脂を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記第1の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含み、前記ブレンドは、前記第1のフィルム中の前記第1の水溶性樹脂の総重量に基づいて、0%~70%の前記アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーと、30%~約100%の前記ポリビニルアルコールホモポリマーを含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記第2の水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含み、前記ブレンドが、前記第2のフィルム中の前記第2の水溶性樹脂の総重量に基づいて、0%~70%の前記アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーと、30%~100%の前記ポリビニルアルコールホモポリマーを含む、請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
前記第1の水溶性樹脂が、前記第1の水溶性樹脂の65重量%以上の前記アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーを含み、前記第2の水溶性樹脂が、前記第2の水溶性樹脂の65重量%以上の前記アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマー含む、請求項8または9に記載の使用。
【請求項11】
前記アニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、アルキルアクリレート、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マイレン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、シトラコン酸ジアルキル、無水シトラコン酸、メサコン酸、メサコン酸モノアルキル、メサコン酸ジアルキル、無水メサコン酸、グルタコン酸、グルタコン酸モノアルキル、グルタコン酸ジアルキル、無水グルタコン酸、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせに由来するアニオン性モノマーからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記第1の水溶性フィルムおよび前記第2の水溶性フィルムが独立して、前記単位用量物品への組み込みの前に、40ミクロン~100ミクロンの厚さを有し、前記単位用量物品への組み込みの前の、前記第1の水溶性フィルムと前記第2の水溶性フィルムとの間の厚さの差異が、50%未満である、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
保水量の測定方法に従って、前記第1の水溶性フィルムが、第1の保水量を有し、前記第2の水溶性フィルムが、第2の保水量を有し、前記第1の水溶性フィルムが、1%~10%の保水量を有し、前記第2の水溶性フィルムが、1.5%~12%の保水量を有し、前記第1の保水量が、前記第2の保水量より少なく、前記第1の水溶性フィルムの前記保水量と前記第2の水溶性フィルムの前記保水量との間の差異が、0.01%~1%である、請求項1~12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
使用者の投与経験が、前記使用者が保管容器から少なくとも1つの水溶性単位用量物品を移すことを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
使用者が少なくとも1つの水溶性単位用量物品を自動洗濯機のドラムへ移すことをさらに含む、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記改善された使用者の投与経験が、前記水溶性単位用量物品を前記保管容器から移している間に、使用者の手の中で前記水溶性単位用量物品が時期尚早に破裂する回数の減少を含む、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
前記単位用量物品が、非家庭用ケア組成物を含み、前記非家庭用ケア組成物が、農業用組成物、航空用組成物、食品および栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍用および準軍用組成物、事務用組成物、レクリエーション用および公園用組成物、ペット用組成物、ならびに水処理用組成物から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に基づく2016年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/349,611号の利益が本明細書よって主張され、その開示は本明細書に参照により本明細書によって組み込まれる。
本開示は、最終使用者の投与経験を改善するための、水溶性単位用量物品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性洗剤単位用量物品は、それらが使用のために組成物を投与する好都合な、効率的で清潔な方法であるため、使用者によって好まれる。水溶性単位用量形態は、使用者が用量自体を測定する必要もなく、また一部の使用者が厄介で不便であると見出す単位用量内容物の偶発的な漏出に悩まされないことを意味する。
【0003】
しかしながら、そのような水溶性単位用量物品は、扱い中に時期尚早な破裂を被る可能性がある。例えば、使用者が、水溶性単位用量物品を移す、またはそうでなければ扱う場合、例えば、洗剤単位用量を保管容器から自動洗濯機、例えば、自動洗濯機のドラムに移すことにおいて、水溶性フィルムが、裂けるか、または引き裂け、使用者の手に内容物の時期尚早な放出をもたらす可能性がある。これは、使用者が、操作が「厄介」および不便であると見出すため、投与の経験に悪影響を与える。
【0004】
さらに、そのような時期尚早な破裂は、輸送中に、袋またはタブ型などの保管容器内で生じ得る。これは、単位用量物品が破裂した物品からの組成物で汚染されているために、使用者にとって厄介で不便な投与/扱いの経験を再びもたらす。
【0005】
したがって、当該技術分野において、使用者の投与経験を改善する必要性がある。
【0006】
驚くべきことに、本発明による水溶性単位用量物品の使用は、この技術的問題を克服したことが見出された。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、少なくとも第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性フィルムと、任意に単位用量物品内の組成物とを含む単位用量物品を開示し、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムが、互いに化学的に異なり、それらの使用は、使用者の投与経験を改善するためであり、第1の水溶性フィルムが、第1の伸び弾性率を有し、第2の水溶性フィルムが、第2の伸び弾性率を有し、第1の伸び弾性率が、第2の伸び弾性率よりも大きく、第1の伸び弾性率と第2の伸び弾性率との間の差異が、0.5MPa~10MPaの範囲である。
本明細書の図は、本質的に例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】単位用量物品強度試験および密封不良試験の基本構成の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、単位用量物品に関し、ならびに少なくとも1つの第1の水溶性フィルム、第2の水溶性フィルム、および任意に単位用量物品内に含まれる組成物を含む単位用量物品の使用に関するものであり、使用者の投与経験を改善するために、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは、互いに化学的に異なる。
【0010】
単位用量物品、第1の水溶性フィルム、第2の水溶性フィルム、および任意の組成物は、以下により詳細に説明される。
【0011】
好ましくは、使用者の投与経験は、使用者が少なくとも1つの水溶性単位用量物品を移すか、そうでなければそれを扱うことを含み、例えば、使用のために保管容器から別のコンテナまたは場所に移すことを含む。1つ以上の水溶性単位用量物品は、例えば、水分調整用途のために、バルク水に直接添加され得るか、または基板、例えば、農薬単位用量物品の場合には土地に分散され得る。水溶性単位用量物品は、手によって扱われてもよい。水溶性単位用量物品は、機械装置、例えばコンベア、選別機などによって扱われてもよい。
【0012】
洗剤単位用量物品の使用者の投与経験は、使用者が少なくとも1つの水溶性単位用量物品を保管容器から自動洗濯機に、好ましくは自動洗濯機のドラムに移すことを含み得る。代替的には、水溶性単位用量物品は、自動洗濯機の引き出しに添加されてもよい。水溶性単位用量物品は、手によって洗濯機に添加されてもよい。水溶性単位用量物品は、手によってドラムに添加されてもよい。代替的には、保管容器から洗濯機、好ましくはドラムに分配されてもよい。当業者は、関連する保管容器を認識しているであろう。
【0013】
洗剤水溶性単位用量物品は、手によって洗濯機に添加されてもよい。洗剤水溶性単位用量物品は、手によってドラムに添加されてもよい。代替的には、保管容器から洗濯機、好ましくはドラムに分配されてもよい。当業者は、関連する保管容器を認識しているであろう。
【0014】
当業者は、好適な自動洗濯機を認識しているであろう。当業者は、自動洗濯機が、ドラムおよび引き出しを備え、当該ドラムまたは引き出しを位置付け、それに応じて布地および水溶性単位用量物品の両方をそこに追加することができることも認識しているであろう。
【0015】
当業者は、関連する保管容器を認識しているであろう。好ましくは、保管容器は、可撓性の、好ましくは再密封可能な袋、剛性の、好ましくは再閉鎖可能なタブ型容器、またはそれらの混合物であり、好ましくは、保管容器が、小児用安全封止を含む。当業者は、好適な小児用安全封止を認識するであろう。
【0016】
好ましくは、改善された使用者の投与経験は、例えば、移している間、例えば、使用するために水溶性単位用量物品を保管容器からコンテナ、例えば、洗浄ドラムへ移している間に、取り扱いを行う機械または使用者の手の中で、水溶性単位用量物品が時期尚早に破裂する回数の減少を含む。
【0017】
理論によって拘束されることを望むものではないが、驚くべきことに、本発明による特定の単位用量物品の使用が、使用者の投与経験を改善したことが見出された。2つの水溶性フィルムの特定の選択から作製されたそのような単位用量物品は、投与中または投与直前に時期尚早な破裂の回数の減少を示し、その結果、より厄介でない、より好都合な投与経験を提供した。
【0018】
水溶性単位用量物品
本発明による単位用量物品は、少なくとも第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性フィルムと、任意に単位用量物品内に含まれる組成物とを含み、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは、互いに化学的に異なる。
【0019】
水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって囲まれた少なくとも1つの内部区画を含むように成形された第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムを含む。水溶性フィルムは、内部区画を画定するように互いに密封され、保管中に組成物が区画から漏出しないように密封される。しかしながら、例えば、水への水溶性単位用量物品の添加など、十分な水と接触すると、水溶性フィルムは溶解して、内部区画の内容物を水(例えば、洗浄液)中に放出する。
【0020】
単位用量物品を製造する好ましい方法は、以下により詳細に説明される。
【0021】
区画は、例えば、洗剤または他の組成物を保持するフィルムによって形成される、単位用量物品内の閉鎖した内部空間を意味するとして理解されるべきである。製造中、本発明による第1の水溶性フィルムは、洗剤または他の組成物が添加される開口区画を含むように成形されてもよい。次いで、本発明による第2の水溶性フィルムは、区画の開口部を閉鎖するような方向で第1のフィルムの上に置かれる。次いで、第1および第2のフィルムは、密封領域に一緒に密封される。
【0022】
単位用量物品は、2つ以上の区画、さらに少なくとも2つの区画、さらに少なくとも3つの区画を含み得る。区画は、重ね合わされた方向、すなわち、一方が他方の上部に位置するように配置されてもよい。そのような方向では、単位用量物品は、上部、中間、および下部の3つのフィルムを含むことになる。好ましくは、中間フィルムは、本発明による第2の水溶性フィルムに対応し、上部および下部フィルムは、本発明による第1の水溶性フィルムに対応する。代替的には、区画は、横並びの方向、すなわち、一方が他方の隣に方向付けられて配置されてもよい。区画は、「タイヤとリム」の配置であってもよく、すなわち、第1の区画は第2の区画の隣に配置されるが、第1の区画は第2の区画を少なくとも部分的に囲むが、第2の区画は完全に囲まない。代替的には、一方の区画は、別の区画内に完全に囲まれ得る。そのような多区画の方向においては、本発明による第1の水溶性フィルムは、洗剤または他の組成物が添加される開口区画を含むように成形され得る。次いで、本発明による第2の水溶性フィルムは、区画の開口部を閉鎖するような方向で第1のフィルムの上に置かれる。
【0023】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む場合、区画のうちの1つは他の区画よりも小さくてもよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を備える場合、区画のうちの2つは第3の区画より小さくてもよく、好ましくはより小さな区画よりが大きな区画に重ね合わされる。重なり合った区画は、好ましくは横並びに方向付けられる。
【0024】
多区画の方向において、本発明の組成物は、区画のうちの少なくとも1つに含まれ得る。それは、例えば、1つのみの区画に含まれてもよく、または2つの区画に、またはさらに3つの区画に含まれ得る。
【0025】
多区画の方向において、本発明による洗剤組成物は、区画のうちの少なくとも1つに含まれ得る。それは、例えば、1つのみの区画に含まれてもよく、または2つの区画に、またはさらに3つの区画に含まれ得る。
【0026】
各区画は、同じまたは異なる組成物を含み得る。異なる組成物は、すべて同じ形態であってもよく、または異なる形態であってもよい。
【0027】
水溶性単位用量物品は、少なくとも2つの内部区画を含み得、液体組成物が、区画のうちの少なくとも1つに含まれ、好ましくは、単位用量物品が、少なくとも3つの区画を含み、液体組成物が、区画のうちの少なくとも1つに含まれる。
【0028】
水溶性単位用量洗剤物品は、少なくとも2つの内部区画を含み得、液体洗濯洗剤組成物が、区画のうちの少なくとも1つに含まれ、好ましくは、単位用量物品が、少なくとも3つの区画を含み、洗剤組成物が、区画のうちの少なくとも1つに含まれる。
【0029】
第1および第2の水溶性フィルム
【0030】
水溶性単位用量物品は、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムを含み、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは、互いに化学的に異なる。
【0031】
本発明の文脈において、本明細書における「化学的に異なる」とは、「バージンフィルム」、すなわち、供給業者/製造業者から受け取られ、単位用量物品製造ユニットに巻き戻される前のフィルムであって、本明細書に説明される試験方法毎に、第1のフィルム組成物を第2のフィルムと区別し、少なくとも保水量に影響するフィルム組成物のうちの少なくとも1つに存在する少なくとも1つの物質を有し、これを少なくとも1つの物理的フィルム特性を第1のフィルムと第2のフィルムとの間で異なるものにする。天然の製造プロセス、すなわちバッチ間の変動に起因するフィルムの様々な化学組成物は、この発明の範囲内の化学的に異なるフィルムとはみなされない。
【0032】
化学的に区別する物質の非限定的な例は、異なるポリマー標的樹脂およびもしくは含有量、異なる可塑剤組成およびもしくは含有量、または異なる界面活性剤およびもしくは含有量の使用を含む。フィルムの厚さのみが異なるフィルムのように、物理的性質が異なるが同じ物質含有量を有するフィルムを含む水溶性単位用量物品は、本発明の範囲外であると考えられる。コーティング層の存在対不在によってのみ区別されるフィルムから作製された単位用量物品もまた、本発明の範囲外であるとみなされる。
【0033】
第1水溶性フィルムは、第1の伸び弾性率を有し、第2水溶性フィルムは、第2の伸び弾性率を有し、第1の伸び弾性率は、第2の伸び弾性率よりも大きく、第1の伸び弾性率と第2の伸び弾性率との間の差異は、0.5MPa~10MPa、好ましくは1MPa~8MPa、より好ましくは2MPa~7MPaである。
【0034】
「差異」とは、本明細書において、第1の伸び弾性率の値および第2の伸び弾性率の値の間の差異を意味する。「伸び弾性率」とは、本明細書において、応力が印加されたときにフィルムが伸長する能力を意味する。伸び弾性率を測定する方法は、以下により詳細に説明される。
【0035】
好ましくは、第1の伸び弾性率は、1MPa~20MPa、より好ましくは3MPa~20MPaである。
【0036】
好ましくは、第2の伸び弾性率は、1MPa~15MPa、より好ましくは3MPa~15MPaである。
【0037】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、第1の引張破断歪みを有し、第2の水溶性フィルムは、第2の引張破断歪みを有し、第1の引張破断歪みは、第2の引張破断歪みよりも大きい。「引張破断歪みの差異」とは、本明細書において、第1の引張破断歪みの値および第2の引張破断歪みの値の差異を意味する。引張破断歪みを測定する方法は、以下により詳細に説明される。
【0038】
好ましくは、第1の引張破断歪みおよび第2の引張破断歪みの間の差異は、10%~1000%、好ましくは100%~750%、より好ましくは200%~500%である。「引張破断歪みの差異」とは、本明細書において、第1の引張破断歪みの値および第2の引張破断歪みの値の差異を意味する。
【0039】
好ましくは、第1の引張破断歪みは、300%~1600%、より好ましくは400%~1200%、最も好ましくは700%~1200%である。
【0040】
好ましくは、第2の引張破断歪みは、300%~1200%、より好ましくは500%~1000%である。
【0041】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形される。「熱成形」とは、本明細書において、例えば、赤外線ランプの下でフィルムを通過させることによってフィルムを加熱する前にフィルムを加熱することを意味し、変形ステップは、好ましくは、水溶性フィルムをキャビティに敷設し、フィルムの下の空洞の内側にある。第2の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形され得る。代替的には、第2の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形されていなくてもよい。好ましくは、第1の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形され、第2の水溶性フィルムは、単位用量物品の製造中に熱成形されない。
【0042】
第1の水溶性フィルム、第2の水溶性フィルム、またはそれらの混合物は独立して、単位用量物品への組み込みの前に、40ミクロン~100ミクロン、好ましくは60ミクロン~90ミクロン、より好ましくは70ミクロン~80ミクロンの厚さを有し得る。
【0043】
好ましくは、単位用量物品への組み込みの前の第1の水溶性フィルムと第2の水溶性フィルムとの間の厚さの差異は、50%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、さらにより好ましくは10%未満であるか、または厚さが等しくてもよい。
【0044】
本発明による第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは、好ましくは単層フィルムであり、より好ましくは溶液流延を介して製造される。
【0045】
水溶性フィルムは、カールフィッシャー滴定によって測定される、少なくとも4重量%、好ましくは約4~約10重量%の範囲の残留水分含有量をさらに有することができる。
【0046】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、第1の保水量を有し、第2の水溶性フィルムは、第2の保水量を有し、第1の保水量は、第2の保水量より少なく、第1の水溶性フィルムと第2の水溶性フィルムの保水量との間の差異は、0.01%~1%、好ましくは0.03%~0.5%、より好ましくは0.05%~0.3%である。「差異」とは、本明細書において、第1の保水量の値および第2の保水量の値の間の差異を意味する。「保水量」とは、本明細書において、試験されるフィルムの質量増加として測定される特定の相対湿度で一定期間にわたって水を吸収するフィルムの能力を意味する。保水量を測定する方法は、以下でより詳細に説明される。
【0047】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、1%~10%、より好ましくは2%~8%、最も好ましくは3%~6%の保水量を有し、第2の水溶性フィルムは、1.5%~12%、好ましくは2.5%~10%、より好ましくは3.5%~8%の保水量を有する。
【0048】
好ましくは、第1の水溶性フィルムは、第1の水溶性樹脂を含み、第2の水溶性フィルムは、第2の水溶性樹脂を含む。好ましくは、第1の水溶性樹脂は、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、もしくは少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらのブレンドを含み、第2の水溶性樹脂は、少なくとも1つのポリビニルアルコールホモポリマー、もしくは少なくとも1つのポリビニルアルコールコポリマー、またはそのブレンドを含む。
【0049】
第1の水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールホモポリマーと、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含み得、任意に、ブレンドは、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーの第1の水溶性樹脂の0重量%~70重量%、およびポリビニルアルコールホモポリマーの第1の水溶性樹脂の30重量%~約100重量%を含む。ブレンドは、第1の水溶性樹脂の総重量に基づいて、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーの10%~70%、または15%~約65%、または20%~50%、または30%~40%を含み得る。別の種類の実施形態において、ブレンドは、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、または65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0050】
ポリビニルアルコールホモポリマーとは、ポリビニルアルコール単位、および任意であるが好ましくはポリ酢酸ビニル単位を含むポリビニルアルコールを意味する。ポリビニルアルコールコポリマーとは、ポリビニルアルコール単位、任意であるが好ましくはポリ酢酸ビニル単位、およびアニオン修飾ポリビニルアルコール単位を含むポリマーを意味する。
【0051】
第2の水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールホモポリマーとアニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含み得、任意に、ブレンドは、フィルム中の第2の水溶性樹脂の総重量に基づいて、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーを0%~70%、ポリビニルアルコールホモポリマーを30%~100%含む。ブレンドは、フィルム中の第2の水溶性樹脂の総重量に基づいて、アニオン性モノマー単位を含むポリビニルアルコールコポリマーの10%~70%、または15%~65%、または20%~50%、または30%~40%を含み得る。別の種類の実施形態において、ブレンドは、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、または65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0052】
第1の樹脂のポリビニルアルコールコポリマー、第2の樹脂のポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらの混合物中に存在するアニオン性モノマー単位は独立して、ビニル酢酸、アルキルアクリレート、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マイレン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、シトラコン酸ジアルキル、無水シトラコン酸、メサコン酸、メサコン酸モノアルキル、メサコン酸ジアルキル、無水メサコン酸、グルタコン酸、グルタコン酸モノアルキル、グルタコン酸ジアルキル、無水グルタコン酸、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせに由来するアニオン性モノマーからなる群から選択され、好ましくは、アニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせに由来する15個のアニオン性モノマーからなる群から選択され、より好ましくは、アニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、それらのアルカリ金属塩、それらのエステル、およびそれらの組み合わせに由来するアニオン性モノマーからなる群から選択され得る。
【0053】
好ましくは、第1および第2のポリビニルアルコールコポリマーは独立して、存在する前ポリビニルアルコールコポリマーに関して、1モル%~8モル%、より好ましくは2モル%~5モル%、最も好ましくは3モル%~4モル%のアニオン性モノマー単位を含む。
【0054】
好ましくは、第1のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第2のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第1のポリビニルアルコールコポリマーおよび第2のポリビニルアルコールコポリマーは独立して、80%~99%、好ましくは85%~95%、より好ましくは86%~93%の加水分解の程度を有する。
【0055】
好ましくは、第1のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第2のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第1のポリビニルアルコールコポリマーおよび第2のポリビニルアルコールコポリマーは独立して、4cP~40cP、好ましくは10cP~30cP、より好ましくは12cP~25cPの範囲で、25℃での脱塩水中で4%溶液粘度を有する。
【0056】
好ましくは、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムは独立して、フィルムの30重量%~90重量%、より好ましくは40重量%~80重量%、さらにより好ましくは50重量%~75重量%、最も好ましくは60重量%~70重量%の水溶性樹脂含量を有する。
【0057】
第1のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第2のポリビニルアルコールホモポリマーおよび第1のポリビニルアルコールコポリマーおよび第2のポリビニルアルコールコポリマーに加えて、使用のための他の水溶性ポリマーは、これらに限定されないが、ビニルアルコール-ビニルアセテートコポリマー(時に、PVOHホモポリマーと称される)、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、これらに限定されないが、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、およびデンプンを含む水溶性天然ポリマー、これらに限定されないが、加工デンプン、エトキシル化デンプン、およびヒドロキシプロピル化デンプンを含む水溶性ポリマー誘導体、上記のコポリマー、ならびに上記のうちの任意の組み合わせを含み得る。さらに他の水溶性ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、およびそれらの塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸、およびそれらの塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、および上記のうちの任意の組み合わせが挙げられる。このような水溶性ポリマーは、PVOHか否かにかかわらず、様々な供給業者から市販されている。
【0058】
好ましくは、水溶性単位用量物品は、以下に説明される単位用量物品用量物品機械洗浄溶解試験方法に従って、6.2未満、好ましくは6未満、より好ましくは5.8未満の溶解プロフィールを示す。
【0059】
第1およびまたは第2のフィルムは独立して、不透明、透明または半透明であり得る。第1およびまたは第2のフィルムは独立して、印刷された領域を含み得る。印刷された領域は、フィルムの表面の10~80%、または区画の内部空間と接触しているフィルムの表面の10~80%、またはフィルムの表面の10~80%、および区画の表面の10~80%を覆い得る。
【0060】
印刷領域は、フィルムの中断されていない部分を覆っていてもよく、またはその部分を覆っていてもよく、すなわち、より小さい印刷領域を含み、その合計は、フィルムの表面または接触したフィルムの表面の10~80%区画の内部空間またはその両方を有する。
【0061】
印刷の領域は、インク、顔料、染料、青色剤、またはこれらの混合物を含み得る。印刷領域は、不透明、半透明または透明であり得る。印刷領域は、単一色を含むことができ、または複数色、さらには3色を含み得る。印刷領域は、白色、黒色、青色、赤色、またはそれらの混合物を含み得る。印刷は、フィルムの表面上の層として存在してもよく、フィルムに少なくとも部分的に浸透してもよい。フィルムは、第1の面および第2の面を含む。印刷領域は、フィルムのいずれかの面に存在してもよく、またはフィルムの両方の面に存在してもよい。代替的には、印刷領域は、フィルム自体の内部に少なくとも部分的に含まれていてもよい。
【0062】
印刷の領域は、フレキソ印刷またはインクジェット印刷のような、標準的な技術を使用して達成され得る。好ましくは、印刷領域は、フィルムが印刷された後、開口区画の形状に成形されるフレキソ印刷によって達成される。次いで、この区画は、洗剤または非洗剤組成物で満たされ、第2のフィルムは、区画の上に配置され、第1のフィルムに密封される。印刷の領域は、フィルムの片面または両面上にあり得る。
【0063】
代替的には、フィルムの全部または少なくとも一部が着色されるように、フィルムの製造中にインクまたは顔料を添加してもよい。
【0064】
第1およびまたは第2のフィルムは独立して、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロースオクタアセテート、塩酸キニン、安息香酸デナトニウム、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適なレベルの忌避剤をフィルムに使用することができる。好適なレベルは、これらに限定されないが、1~5000ppm、またはさらには100~2500ppm、またはさらには250~2000ppmを含む。
【0065】
第1およびまたは第2のフィルムはまた、これらに限定されないが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、抗酸化剤、脱粘着剤、消泡剤、層状シリケート型ナノクレイ(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)のようなナノ粒子、漂白剤(例えば、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、等)、苦味剤(例えば、安息香酸デナトニウム、デナトニウムサッカライド、および塩化デナトニウムのようなデナトニウム塩、オクタアセチルスクロース、キニーネ、ケルセチンおよびナリンゲンのようなフラボノイド、ならびにクアシンおよびブルシンのようなクアシノイド)、ならびに辛味(例えば、カプサイシン、ピペリン、イソチオシアン酸アリル、およびレシンフェラトキシン)のような嫌悪剤、ならびに他の機能的成分などの当業者によって典型的には既知である他の副成分を、これらの意図される目的に適した量で含み得る。可塑剤を含む実施形態が好ましい。このような薬剤の量は、個別または集合的に、最大約50重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、4重量%、および/または少なくとも0.01重量%、0.1重量%、1重量%、もしくは5重量%であり得る。
【0066】
可塑剤としては、これらに限定されないが、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、最大400MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPDiol(登録商標))、エタノールアミン、およびこれらの混合物を挙げることができる。好ましい可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、またはこれらの組み合わせである。可塑剤の合計量は、合計フィルム重量に基づき、約10重量%~約45重量%、または15重量%~約35重量%、または約20重量%~約30重量%、または約20重量%~約45重量%の範囲、例えば、約25重量%であり得る。実施形態において、水溶性フィルム中の可塑剤の量は、水溶性フィルム中の全水溶性ポリマー(PHR)100部当たりの部分で表され、例えば少なくとも30PHR、または少なくとも35PHRで存在する。可塑剤の総量は、例えば、最大40PHRまたは45PHRまたは50PHRであり得る。可塑剤の総量は、例えば、30~50PHR、約32.5PH~約42.5PHR、または35~45PHR、または35~40PHRの範囲内、または30PHR超および45PHR未満、または40PHR~50PHRであり得る。可塑剤の総量は、34または37.5PHRであり得る。
【0067】
水溶性フィルムに使用するための界面活性剤は当該技術分野において周知である。任意に、界面活性剤は、流延時の樹脂溶液の分散を助けるために含まれる。好適な界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性、および双性イオン性クラスが挙げられ得る。好適な界面活性剤としては、これらに限定されないが、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、三級アセチレングリコール、およびアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、四級アンモニウム塩および四級化ポリオキシエチレン化アミン(カチオン性)、ならびにアミンオキシド、N-アルキルベタイン、およびスルホベタイン(双性イオン性)が挙げられる。他の好適な界面活性剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセロールおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチルエステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセロールおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステル、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。実施形態において、界面活性剤は、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第3級アセチレングリコールおよびアルカノールアミド、ポリオキシエチレン化アミン、第4級アンモニウム塩および4級化ポリオキシエチレン化アミンおよびアミンオキシド、N-アルキルベタイン、スルホベタインそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0068】
様々な実施形態において、水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、約0.1重量%~約8.0重量%、または約1.0重量%~約7.0重量%、または約3重量%~約7重量%、または約5重量%~約7重量%の量で存在する。実施形態において、水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、水溶性フィルム中の総水溶性ポリマー(phr)100部当たりの部数で表され、約0.5phr~約12phrの範囲で、約1.0約~11.0phr、約3.0phr~約10.5phr、または約1.0phr~約2.0phrの量で存在する。
【0069】
好適な潤滑剤/離型剤には、脂肪酸およびその塩、脂肪アルコール、脂肪エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート、ならびに脂肪アミドが含まれ得るが、これらに限定されない。好ましい潤滑剤/離型剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、および脂肪アミンアセテートである。ある種類の実施形態において、水溶性フィルム中の潤滑剤/離型剤の量は、約0.02重量%~約1.5重量%、任意で約0.1重量%~約1重量%の範囲である。
【0070】
好適な充填剤/増量剤/粘着防止剤/脱粘着剤としては、これらに限定されないが、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶性セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、ステアリン酸、およびそれらの金属塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムが挙げられる。好ましい物質は、デンプン、加工デンプン、およびシリカである。ある種類の実施形態において、水溶性フィルム中の充填剤/増量剤/粘着防止剤/脱粘着剤の量は、例えば、約1重量%~約6重量%、または約1重量%~約4重量%、または約2重量%~約4重量%、または約1PHR~約6PHR、または約1PHR~約4PHR、または約2PHR~約4PHRの範囲であり得る。
【0071】
粘着防止剤(例えばSiO2および/またはステアリン酸))は、本フィルム中に少なくとも0.1PHR、もしくは少なくとも0.5PHR、もしくは少なくとも1PHR、または約0.1~5.0PHR、もしくは約0.1~約3.0PHR、もしくは約0.4~1.0PHR、もしくは約0.5~約0.9PHR、もしくは約0.5~約2PHR、もしくは約0.5~約1.5PHR、もしくは0.1~1.2PHR、もしくは0.1~2.7PHRの範囲、例えば0.5PHR、0.6PHR、0.7PHR、0.8PHR、または0.9PHRの量で存在し得る。
【0072】
粘着防止に好適なメジアン粒径としては、約3、または約4ミクロン~約11ミクロン、もしくは約4~約8ミクロン、もしくは約5~約6ミクロンの範囲、例えば5、6、7、8、または8ミクロンのメジアン径が挙げられる。好適なSiO2は、水性系で使用するために設計された未処理の合成非結晶質シリカである。
【0073】
洗剤組成物
【0074】
洗剤組成物は、自由流動性粉末、液体、圧縮固体、ゲルまたはそれらの混合物の形態であり得る。
【0075】
洗剤組成物は、自由流動性粉末の形態であり得る。そのような自由流動性粉末は、100ミクロンと1500ミクロンの間、好ましくは100ミクロンと1000ミクロンとの間、より好ましくは100ミクロンと750ミクロンとの間の平均粒径を有することができる。当業者は、粒度を測定するための標準的技術を認識しているであろう。洗剤組成物は、自由流動洗濯洗剤組成物であってもよい。
【0076】
洗剤組成物は液体であってもよい。本発明の液体洗剤組成物に関して、用語「液体」は、分散液、ゲル、ペーストなどの形態を包含する。液体組成物はまた、好適に細分された形態のガスを含むことができる。しかしながら、液体組成物は、錠剤または顆粒のような全体的に非液体である形態を除外する。
【0077】
洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物であってもよい。「液体洗濯洗剤組成物」という用語は、家庭用洗濯機で布地を濡らして処理することができる20個の液体を含む任意の洗濯洗剤組成物を指す。
【0078】
洗濯洗剤組成物は、主洗浄プロセス中に使用されるが、前処理組成物または浸漬組成物としても使用され得る。
【0079】
洗濯洗剤組成物は、布地洗剤、布地柔軟剤、2in1洗剤および軟化剤、前処理組成物などを含む。
【0080】
洗濯洗剤組成物は、漂白剤、漂白触媒、染料、色相染料、光沢剤、アルコキシル化ポリアミンおよびポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、染料移動阻害剤、キレート剤、ビルダー、酵素、香料、封入香料、ポリカルボキシレート、レオロジー変性剤、構造化剤、ヒドロトロープ、顔料および染料、乳白剤、防腐剤、酸化防止剤、加工助剤、カチオンポリマーを含むコンディショニングポリマー、抗菌剤、水酸化物およびアルカノールアミンのようなpHトリミング剤、起泡抑制剤、ならびにそれらの混合物から選択される成分を含み得る。
【0081】
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、非イオン性、両性、またはそれらの混合物から選択することができる。好ましくは、布地ケア組成物は、アニオン性、非イオン性、またはそれらの混合物を含む。
【0082】
アニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシレートサルフェート、およびこれらの組み合わせから選択され得る。
【0083】
本明細書において有用である好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品に典型的に使用される任意の従来のアニオン性界面活性剤の種類を含み得る。これらは、アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ならびにアルコキシル化または非アルコキシル化アルキル硫酸塩材料を含む。非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレート、オキソ-10合成脂肪アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレート、またはそれらの混合物から選択され得る。本明細書で使用するのに適した非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤を含む。アルコールアルコキシレートは、一般式、R1(CmH2mO)nOHに対応する物質であり、式中、R1は、C8-C16アルキル基であり、mは、2~4であり、nは、約2~12の範囲である。一態様において、R1は、約9~15個の炭素原子または約10~14個の炭素原子を含む、第1級または第2級アルキル基である。
【0084】
一態様において、アルコキシル化脂肪アルコールはまた、分子当たり約2~12個のエチレンオキシド部分、または分子当たり約3~10個のエチレンオキシド部分を平均して含むエトキシル化物質である。
【0085】
本洗濯洗剤組成物に用いられるシェーディング染料は、ポリマー性または非ポリマー性の染料、顔料、またはそれらの混合物を含み得る。好ましくは、遮光染料は、発色団成分およびポリマー成分を含むポリマー染料を含む。発色団成分は、光に露光されると、青色、赤色、紫色、紫色、またはそれらの組み合わせの波長範囲の光を吸収することを特徴とする。一態様において、発色団成分は、水および/またはメタノール中で約520ナノメートル~約640ナノメートルの吸光度スペクトル最大値を示し、別の態様では、水および/またはメタノール中約560ナノメートル~約610ナノメートルの吸光度スペクトル最大値を示す。
【0086】
任意の発色団が使用され得るが、染料発色団は、好ましくは、ベンゾジフラン、メチン、トリフェニルメタン、ナフタルイミド、ピラゾール、ナフトキノン、アントラキノン、アゾ、オキサジン、アジン、キサンテン、トリフェノジオキサジン、およびフタロシアニン染料発色団から選択される。モノおよびジアゾ染料発色団が好ましい。
【0087】
染料は、有機合成経路の直接の結果である未精製混合物の形態で洗剤組成物に導入されてもよい。したがって、染料ポリマーに加えて、少量の未反応出発物質、副反応の生成物、および任意の重合ステップから生じると予想されるような反復単位の異なる鎖長を含む染料ポリマーの混合物もまた存在してもよい。
【0088】
洗濯洗剤組成物は、洗浄性能および/または布地ケア利益を提供する1つ以上の洗剤酵素を含み得る。好適な酵素の例としては、これらに限定されないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、およびアミラーゼ、またはそれらの混合物が挙げられる。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼおよび/またはセルラーゼのような従来の適用可能な酵素のアミラーゼと関連するカクテルである。
【0089】
本発明の洗濯用洗剤組成物は、1つ以上の漂白剤を含み得る。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0090】
洗剤組成物は、光沢剤を含み得る。好適な光沢剤は、光沢剤15のようなスチルベンである。他の好適な増白剤は、疎水性増白剤、および増白剤49である。光沢剤は、3~30マイクロメートル、または3マイクロメートル~20マイクロメートル、または3~10マイクロメートルの範囲の重量平均粒径を有する微粉化した粒状形態であってもよい。光沢剤は、アルファまたはベータ結晶形態であり得る。
【0091】
本明細書の洗剤組成物はまた、任意に、1つ以上の銅、鉄および/またはマンガンキレート剤を含み得る。キレート剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)およびその塩、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸およびその塩、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸およびその塩、ならびにそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0092】
本発明の組成物はまた、1つ以上の色素移動阻害剤を含むことができる。好適なポリマー色素移動阻害剤は、これらに限定されないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾール、またはそれらの混合物を含む。
【0093】
洗濯洗剤組成物は、1つ以上のポリマーを含み得る。好適なポリマーとしては、カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、テレフタレートポリマー、アミンポリマー、セルロースポリマー、染料移動阻害ポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマー、イミダゾールおよびエピクロロヒドリンの任意に1:4:1の比での縮合によって生成された縮合オリゴマーなどの染料ロックポリマー、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0094】
他の好適なセルロース系ポリマーは、DS+DBが少なくとも1.00であるかDB+2DS-DS2が少なくとも1.20であるような程度のブロック度(DB)、0.01~0.99の置換度(DS)を有してもよい。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.55の置換度(DS)を有することができる。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.35の程度のブロック性(DB)を有することができる。置換セルロース系ポリマーは、1.05~2.00のDS+DBを有することができる。好適な置換セルロースポリマーは、カルボキシメチルセルロースである。
【0095】
別の好適なセルロース系ポリマーは、カチオン修飾ヒドロキシエチルセルロースである。好適な香料としては、香料マイクロカプセル、シッフ塩基香料/ポリマー複合体を含むポリマー補助香料送達システム、デンプンカプセル化香料アコード、香料充填ゼオライト、ブルーミング香料アコード、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な香料マイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒドをベースとし、典型的にはメラミンホルムアルデヒドを含むシェルによってカプセル化された香料を含む。そのような香料マイクロカプセルには、ポリビニルホルムアミド(PVF)および/またはカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(catHEC)のようなシェル中にカチオンおよび/またはカチオン前駆物質を含むことが非常に好適であり得る。
【0096】
好適な泡抑制剤は、シリコーンおよび/またはステアリン酸などの脂肪酸を含む。
【0097】
洗濯用洗剤組成物は着色されていてもよい。液体洗濯洗剤組成物の色は、物品のフィルム上の任意の印刷された領域と同じであっても異なっていてもよい。単位用量物品の各区画は、異なる色を有してもよい。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、少なくとも16の平均アルコキシル化度を有する非実質的な染料を含む。
【0098】
他の組成物
【0099】
単位用量物品内で使用するための組成物は、非洗剤組成物および/または非家庭用ケア組成物であってもよい。布地または家庭用ケア組成物は、布地処理、硬質表面、エアーケア、カーケア、食器洗い、布地コンディショニングおよび軟化、洗濯洗剤、洗濯およびすすぎ添加剤および/またはケア、硬質表面洗浄および/または処理、ならびに消費者または業務用の使用のための他の洗浄を含む。非家庭用ケア組成物は、他の使用のためのものである。例えば、非家庭用ケア組成物は、農業用組成物、自動車用組成物、航空用組成物、食品および栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍事および準軍事用組成物、オフィス組成物、レクリエーション用および公園用組成物、ペット組成物、布地および家庭用ケア組成物を除くが任意のそのような用途に適用可能な洗浄組成物および洗剤組成物を含む水処理用組成物から選択され得る。
【0100】
ある種類の実施形態は、本明細書に説明されるように、布地ケア組成物または家庭用ケア組成物を含む密封区画、ポリビニルアルコールホモポリマーとアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含むフィルムを有する物品を含み、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムの両方は、65重量%以上のアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーを含むブレンドを含む。
【0101】
別の種類の実施形態は、布地ケア組成物または家庭用ケア組成物を含有する密閉区画、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含むフィルムを含み、第1の水溶性フィルムおよび第2の水溶性フィルムの両方は、少なくとも2つのアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含む。
【0102】
ある種類の実施形態において、組成物は、農薬、例えば1つ以上の殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、誘引剤、葉枯病剤、植物成長調節剤、肥料、殺菌剤、微量栄養素、および微量元素を含み得る。好適な農薬および二次薬剤は、米国特許第6,204,223号および第4,681,228号ならびに欧州特許第0989803A1号に記載されている。例えば、好適な除草剤は、パラコート塩(例えば、パラコートジクロライドまたはパラコートビス(メチルサルフェート)、ジクワット塩(例えば、ジクワットジブロミドまたはジクワットアルギン酸塩)、およびグリフォセートまたはその塩またはエステル(例えば、グリホセートイソプロピルアンモニウム、グリホセートセスキナトリウムまたはグリホサートトリメシウム、またスルホセートとしても既知である)。不適合な対の作物保護化学物質は、例えば米国特許第5,558,228号に記載されているように、別々のチャンバで使用され得る。使用され得る不適合な対の作物保護化学物質は、例えば、ベンシュフルロンメチルおよびモリネート;2,4-Dおよびチフェンスルフロンメチル;2,4-Dおよびメチル2-[[[[N-4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル]-N-メチルアミノ]カルボニル]アミノ]-スルホニル]ベンゾエート;2,4-Dおよびメトスルフロンメチル;manebまたはmancozebおよびベノミル;グリホサートおよびメトスルフロンメチル;トリロメスリンおよび任意の有機リン酸塩、例えばモノクロトホスまたはジメトエート;ブロモキシニルおよびN-[[4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル]-アミノ]カルボニル]-3-(エチルスルホニル)-2-ピリジン-スルホンアミド;ブロモキシニルおよびメチル2-[[[[(4-メチル-6-メトキシ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]-ベンゾエート;ブロモキシニルおよびメチル2-[[[[N-(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-N-メチルアミノ]カルボニル]アミノ]-スルホニル]ベンゾエートを含む。別の、関連する種類の実施形態において、組成物は、任意に土壌と一緒に、さらに任意に、例えば米国特許第8,333,033号に記載されている実施形態の種類を含む、マルチ、砂、ピートモス、ウォータージェリー結晶、および肥料から選択される1つ以上の追加の構成要素と一緒に1つ以上の種子を含み得る。
【0103】
別のタイプの実施形態では、組成物は水処理剤である。そのような薬剤は、例えば米国特許出願公開第2014/0110301号および米国特許第8,728,593号に記載されているような積極的な酸化化学物質を含む。例えば、殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸リチウムなどの次亜塩素酸塩;ジクロロイソシアヌル酸(「ジクロル」またはジクロロ-s-トリアジントリオン、1,3-ジクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンとも称される)およびトリクロロイソシアヌル酸(「トリクロル」または1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンとも称される)などの塩素化イソシアヌレートを含み得る。殺菌性化合物の塩および水和物もまた意図される。例えば、ジクロロイソシアヌル酸は、とりわけ、ジクロロイソシアヌレート酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌレート酸二水和物として提供され得る。臭素含有浄化剤はまた、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、ジブロモシアノ酢酸アミド、1-ブロモ-3-クロロ-5,5-ジメチルヒダントイン、および2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオールなどが挙げられる。酸化剤は、米国特許第7,476,325号に記載されているもの、例えば水素ペルオキシモノ硫酸カリウムであり得る。組成物は、例えば、米国特許出願公開第2008/0185347号に記載されているようなpH調整化学物質であってもよく、例えば、組成物が、水と接触したときに発泡性であり、水のpHを調製するように酸性構成成分およびアルカリ構成成分を含み得る。好適な成分としては、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、水酸化カリウム、スルファミン酸、有機カルボン酸、スルホン酸、およびリン酸二水素カリウムが挙げられる。緩衝剤のブレンドは、例えば、ホウ酸、炭酸ナトリウム、グリコール酸、およびオキソンモノ過硫酸塩を含み得る。
【0104】
水処理剤は、例えば、米国特許出願公開第2014/0124454号に記載されているような凝集剤であり得、またはそれを含み得る。凝集剤としては、ポリマー凝集剤、例えば、ポリアクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)、3-メチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)、もしくはアクリル酸のアクリルアミドコポリマーなどのポリアクリルアミドコポリマー;カチオン性ポリアクリルアミド;アニオン性ポリアクリルアミド;中性ポリアクリルアミド;ポリアミン;ポリビニルアミン;ポリエチレンイミン;ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド;ポリオキシエチレン;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸;ポリリン酸;ポリスチレンスルホン酸;またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。凝集剤は、酢酸キトサン、乳酸キトサン、アジピン酸キトサン、グルタミン酸キトサン、コハク酸キトサン、リンゴ酸キトサン、クエン酸キトサン、フマル酸キトサン、塩酸キトサン、およびそれらの組み合わせから選択され得る。水処理用組成物は、リン酸塩除去物質、例えば、ジルコニウム化合物、希土類ランタニド塩、アルミニウム化合物、鉄化合物、またはそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上を含み得る。
【0105】
組成物は、例えば、米国特許出願第2006/0172910号に記載されているように、石灰スケール除去組成物、例えば、クエン酸もしくはマレイン酸またはその硫酸塩、もしくはそれらの任意の混合物であり得る。
【0106】
様々な他の種類の組成物は、本明細書に説明される単位用量物品における使用のために考慮され、これらには、粒子、例えば、例としてUS RE29059 Eに記載されているような羽毛;例えば米国特許出願公開第2004/0144682号および第2006/0173430号に記載されているような超吸収性ポリマー;例えば米国特許第3,580,390号および米国特許出願公開第2011/0054111号に記載されているような顔料ならびに染み剤;例えば米国特許第8,163,104号に記載されているようなろう付け用フラックス(例えば、アルカリ金属フルオロアルミネート、アルカリ金属フルオロシリケート、およびアルカリ金属フルオロ亜鉛酸塩);米国特許出願公開第2007/0003719号に記載されているような食品(例えば、コーヒー粉末または乾燥スープ);ならびに例えば米国特許第4,466,431号に記載されているような創傷被覆材が挙げられる。
【0107】
単位用量物品の少なくとも1つの区画は、固体を含み得る。存在する場合、固体は、単位用量物品の少なくとも5重量%の濃度で存在してもよい。
単位用量物品の製造方法
【0108】
当業者は、本発明の洗剤および非洗剤組成物を製造するためのプロセスを認識しているであろう。当業者は、洗剤および他の組成物を製造するための標準的なプロセスならびに装置を認識しているであろう。
【0109】
当業者は、本発明の任意の態様による単位用量物品を製造するための標準的な技術を認識しているであろう。これらに限定されないが、熱成形および真空成形技術を含む標準的な成形プロセスは、使用され得る。
【0110】
本発明による水溶性単位用量物品を製造する好ましい方法は、第1の水溶性フィルムを型内で成形して開口空洞を形成するステップと、空洞を洗剤または非洗剤組成物で満たすステップと、第2のフィルムを第1のフィルム上に置いて空洞を閉鎖するステップと、好ましくは水を含む溶媒の溶媒密封を通して第1および第2のフィルムを一緒に密封して水溶性単位用量物品を製造するステップとを含む。
【0111】
本明細書に記載されるすべての範囲は、すべての可能なサブセットの範囲およびそのようなサブセットの範囲の任意の組み合わせを含む。デフォルトでは、範囲は、特に記載しない限り、記載される終了点を含む。値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限との間の各々の間の値、およびその記載される範囲内の任意の他の記載される値または間にある値は、本開示内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は独立して、そのより小さな範囲内に含まれ得、また、記載される範囲内の任意の具体的に除外される限界値に従って、本開示内に包含される。記載される範囲が限界値のうちの1つまたは両方を含む場合、これらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を除く範囲もまた、本開示の一部であることが考慮される。
【0112】
例えば、記載される目的物のパラメータまたは記載される目的物に関連付けられた範囲の一部として、本明細書に記載される任意の数値の場合、説明の一部を形成する代替物は、特定の数値を取り囲む機能的に同等の範囲であることが明示的に考慮される(例えば、「40mm」として開示された寸法について、企図される別の実施形態は「約40mm」である)。
【0113】
試験プロトコル
単位用量物品機械洗浄溶解試験方法
この方法は、応力を受けた洗濯機条件下で洗濯用水溶性単位用量物品の相対溶解特性を評価するために設計されている。この方法のためにElectrolux
【0114】
プログラマブル洗濯機タイプW565H、調整されたEMPA221充填物(EMPA221ソース:Swissatest-SWISSatest試験材料、Movenstrasse 12 CH9015 St Gallen,Switzerland)およびDigieye画像撮影装置(VeriVide製のDigiye)を使用した。
【0115】
調整されたEMPA221充填物は、洗濯機で染色することを目的とする染色溶液(Dylon goldfish orange washing machine dye(N°55))を使用することによって充填物をオレンジに着色することによって調製した。充填物を着色するためには、40℃で標準的な綿のサイクルを採用する、任意の標準的な家庭用洗濯機が使用され得る。500gの塩と200gのDylon goldfish orange washing machine dyeを洗濯機のドラムに添加する。その結果、ドラムは塩および染料がそれ以上見えなくなるまで左右に移動した。その結果、25個のEMPA 221品目(50cm×50cmのサイズ、ほつれを防止するために縁をかがり縫いした)を、品目を折りたたむことなくドラム上に均等に分配させた。40℃での標準的な綿のサイクルを、15gpgの水硬度で行った。サイクルの完了後、50gのAriel感応性粉末をディスペンサーに添加し、40℃での通常の綿のサイクルを水硬度15gpgで行った。このサイクルの完了後、洗剤を含まない40℃での2回の追加の通常の綿のサイクルを、水硬度15gpgで行い、次いで品目をライン乾燥させた。注意:新品のEMPA221品目は、ドラム式Miele洗濯機に25個の品目を添加し、50gのAriel感受性粉末および15gpgの水硬度で2回の短縮綿サイクルを60℃で行い(およそ1時間30分の持続時間)、続いて洗剤を含まず、15gpgの水硬度で2回の短縮綿サイクルを60℃で行い(およそ1時間30分の持続時間)、次にタンブル乾燥させた。
【0116】
Electrolux W565プログラマブル洗濯機は、2つのプログラムでプログラムされていた。第1のプログラムを、充填物を均等に濡らすように設計した(プレウェットプログラム)。第2のプログラム(溶解プログラム)は、西ヨーロッパの応力印加サイクル設定の10分をシミュレートするために利用され、続いて水を汲み出し、1100rpmで3分の脱水を開始した。
【0117】
【0118】
50個の染色されたEMPA221布地(約2.45kg)からなる充填物を、Electrolux W565洗濯機に均一に導入し、プレウェットプログラムを開始した。プレウェットプログラムの後、6つの水溶性単位用量物品を濡れた充填物にわたって均一に分配し、その後溶解プログラムを開始した。全プログラムの最後に、濡れた充填物を格付け室(D65照明条件を備えられた)に移し、専門の評価者によって残留物を評価した。残存する界面活性剤または余分なPVAのために変色点を有する各々の布地を、画像解析のための充填物から選択した。
【0119】
この画像解析は、Digi-Eyeカメラを使用して、選択した布地の各面の画像を取得することによって行った(設定:「d90の散乱光、シャッター時間1/4、口径8」)。コントラストを高めるには、布地を灰色または黒色の背景に置く必要がある。この後、画像分析ソフトウェアにより画像を評価して、充填物で検出された残留物の総サイズ(ピクセル数)を計算した。このツールは、デルタE閾値(6のデルタE)を用いて、通常のバラストとは異なる色のスポットを特定することによって残留物を検出する。1つの機械および充填物について、残留物スコアは、充填物に存在する残留物の総面積を合計することによって算出される。総残留物面積の対数値を計算し、4つの外部反復、すなわち4つの異なる洗濯機の運転の平均値を報告した。
【0120】
単位用量物品強度試験方法
この試験方法は、最大100kN(キロニュートン)のロードセルを備えたInstron万能材料試験機(Instron Industrial Products,825 University Ave.,Norwood,MA 02062-2643)を用いて、単位用量物品強度を決定するための実践を記述する。単位用量物品の圧縮を介して、この方法は、フィルムおよび密封領域に圧力をかけることによって単位用量物品の全体的な強度(ニュートン単位)を決定する。単位用量物品強度(ニュートン単位)は、単位用量物品が壊れる前に支持できる最大充填物として定義される。250N未満の圧力で、密封領域で開口する単位用量物品は、密封不良として報告され、平均単位用量物品強度を決定する際には考慮されない。
【0121】
単位用量物品強度を、単位用量物品製造の1時間後すぐに測定し、フィルム/単位用量物品が変換後に硬化時間を有するようにした。この方法は、30%~40%の相対湿度(RH)および20%で23℃の室内環境で実施した。保管単位用量物品を、試験前に1時間試験室環境に再平衡させた。
【0122】
図1は、単位用量物品強度試験の基本構成の概略図を示す。単位用量物品強度を測定するために、単位用量物品510を、プラスチックの脱気された袋500(封止を有する150mm×124mm、60ミクロンの厚さ、例えばRajaグリップRGP6B)に封入して、単位用量物品の破裂時の作業環境の汚染を防止した。袋内に封入後、単位用量物品510を、器具の2つの圧縮板520、530の間の中央に位置させた。単位用量物品510を、幅密封寸法540(例えば、試験される実際の単位用量の物品では41mmである、密封領域をちょうど包囲する定義された長方形の平面内の最も小さな寸法)が、幅密封部上に応力が印加されるように圧縮板の間(x方向)にあるように、直立位置で配置した。圧縮のために、板520および530の間の距離を減少させる速度を、60mm/分に設定する。複製を、試験区間毎に10回行い、上記に定義される密封不良を除く平均単位用量物品強度データを報告する。
【0123】
引張歪み試験およびe-弾性率試験
引張歪み(TS)試験に従う引張歪みおよび弾性率(MOD)試験によるe-弾性率(引張弾性率または引張応力)によって特徴付けられるか、またはこれらについて試験される水溶性フィルムを、以下の通りに分析した。この手順は、ASTM D 882(「薄いプラスチックシートの引張特性のための標準試験方法」)に従った、引張歪みの決定およびe-弾性率の決定を含む。フィルムデータの収集には、INSTRON引張試験装置(5544型引張試験機または同等物-Instron Industrial Products,825 University Ave.,NorWood,MA 02062-2643)を使用した。寸法安定性および再現性を確実にするために、信頼できる切削工具(例えば、JDC精密試料カッター、1-10型、Thwing Albert Instrument Company,Philadelphia,PA U.S.A製)でそれぞれ切断した最低3つの試験片を、機械方向(MD)(適用可能な場合)、すなわち水溶性フィルムロール巻取り/巻き出し方向で各測定について試験した。水溶性フィルムを、環境条件を試験するために最低48時間事前調整した。試験を、23±2.0°Cおよび35±5%相対湿度の標準的な実験室雰囲気中で行った。引張歪みまたは弾性率決定のために、3.0±0.15mil(または76.2±3.8μm)の厚さを有する単一のフィルムシートの1インチ幅(2.54cm)の試料を用意する。e-弾性率試験のために、バージンフィルムを試験した。引張歪み試験のために、試験フィルムを、最初に試験洗剤中に下記のプロトコルに従って予め浸漬した。その後、試料をINSTRON引張試験機に移して試験を進めた。引張試験機を、製造業者の指示に従って用意し、500Nロードセルを備え、較正した。正しいグリップおよびフェースを取り付けた(ゴムコーティングされ、幅25mmである、型番号2702-032フェースを有するINSTRONグリップ、または同等物)。試料を引張試験機に取り付け、1N/分の速度で伸長させ、e-弾性率(すなわち、弾性変形領域における応力-歪み曲線の傾き)および引張破断歪み(すなわち、フィルム破断時に得られる伸び%、すなわち100%は開始長さを反映し、200%はフィルム破断時に2倍に延伸されたフィルムを反映する)を決定するように分析した。最低3つの試験片の平均を計算し、報告した。
【0124】
フィルム事前浸漬プロトコル
液体家庭用洗剤組成物を封入する密封区画を形成するために使用されることを意図した11cm×12cmのフィルム試料を両方のフィルムから調製した。試験フィルムを含む密封区画内に封入されることを意図した合計750mlの家庭用液体洗剤組成物が、各試験フィルムに必要であった。清潔な不活性ガラス受容器の底を薄い液体層で覆い、試験されるフィルムを液体上に広げて、フィルムの下に閉じ込められた気泡を静かに両側に押し込んだ。次いで、残りの液体を、フィルムが液体中に完全に浸漬されるような方法で、フィルムの上に静かに注いだ。フィルムにしわがなく、気泡がフィルムに触れないようにする必要がある。フィルムを液体と接触したままにして、密閉容器条件下で、35℃で6日間、その後21℃で一晩保管した。試験フィルム毎に、別々のガラスレシピエントを使用した。次いで、フィルムを保管容器から取り出し、余分な液体をフィルムから除去した。ベンチペーパーの上に置いたフィルムの上に一枚の紙を置き、次いで、フィルムを乾燥紙で完全に拭き取り乾燥させた。結果として、フィルムは、上記に説明される通り、引張歪み環境試験条件に事前調整された。密閉型家庭用洗剤組成物を封入しようとする場合、引張歪み試験のためにバージンフィルムを使用した。
【0125】
保水量の測定方法
保水量をDVS(Dynamic Vapor Sorption)機器で測定した。使用した20の機器は、ProUmid製のSPS-DVS(浸透性キットを備えたSPSx-1μ高負荷型)であった。DVSは、吸湿/脱着の測定に重量測定を使用し、完全に自動化されている。
【0126】
システムの精度は、RH(相対湿度)が0~98%の範囲では±0.6%、25℃の温度では±0.3℃である。温度は、+5~+60℃の範囲であり得る。この機器の微量天秤は、質量変化で0.1jtg分解することができる。各フィルムの2つの複製を測定し、平均保水量値を報告する。
【0127】
試験の特定の条件については、5枚のフィルムを同時に試験することが可能である6パンのカルーセル(1パンが微量天秤の基準として使用され、空のままである必要がある)を使用した。
【0128】
各パンは、フィルムを固定するように設計されたネジ付きアルミニウムリングを有する。フィルム片をパンの上に置き、穏やかに伸ばした後、リングを上に置き、フィルムをネジでしっかりと固定し、余分なフィルムを取り除いた。パン表面を覆うフィルムは、80mmの直径を有した。
【0129】
温度を20℃に固定した。相対湿度(RH)を、6時間35%に設定し、次いで、5分で50%に徐々に上昇させた。RHは、12時間50%のままであった。測定の合計持続時間は18時間であった。
【0130】
サイクル時間(=各パンを測定する間の時間)を、10分に設定し、DVSは、各重量結果を時間に対して記録し、自動的にDm%(相対重量変化対フィルムの開始重量、すなわち10%は、出発フィルム重量に対して10%のフィルム重量増加を反映する)を計算する。
【0131】
保水量を(または、20℃で12時間の一定時間中に50%のRHサイクルにわたって得られたDm%)を、50%のRHにおけるDm%の値(50%のRHで測定した最後の値)から35%のRHにおけるDm%(50%のRHまで上昇する前の最後の値)を差し引いた差異によって計算した。
【実施例】
【0132】
以下の単位用量物品を調製し、本明細書に記載されるプロトコル毎に単位用量物品強度について試験した。本発明の範囲外の比較の単位用量物品を、単一フィルム型から調製したが、本発明による実施例の単位用量物品は、本発明によるe-弾性率が異なる2つの異なるフィルムから調製した。
【0133】
41mm×43mmのフットプリント、20.1mmの空洞深さ、および25mlの空洞容積を有する多区画の水溶性単位用量物品を、熱/真空成形によって作製した。
【0134】
二重フィルムの実施例では、単位用量物品のフィルムAおよびCを、真空下で変形させ、一方で、フィルムBおよびDを、それぞれ閉鎖フィルムとして使用した。Fairy non-Bio 3-in-1水溶性単位用量物品製品の底部区画において、2016年1月に英国で市販されている標準的な洗剤組成物を、試験組成物としてこれらの単位用量物品内に封入した。
【0135】
以下の表1は、比較および例示的な単位用量物品を調製するために使用されるフィルム組成物の詳細を示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0136】
下記の表2は、実施例で使用した各フィルムの物理的特性を詳細に示す。
【表2】
【0137】
以下の表3から、本発明の範囲によるe-弾性率が異なる2つのフィルムからなる実施例の単位用量物品1および2が、劣っている単位用量物品強度を示す単一型フィルムから作られたそれぞれの比較実施例1および2と比較して、良好なパウチ強度の両方を提供することは明らかである。
【表3】
【0138】
いずれの相互参照または関連特許もしくは出願を含む、本明細書で引用されるすべての文献は、明示的に除外または限定されない限り、本明細書にその全体において参照により本明細書によって組み込まれる。任意の文書の引用は、本明細書に開示または請求された発明に関する先行技術であること、またはそれ単独で、または他の任意の参考文献との任意の組み合わせで、そのような発明を教示、示唆または開示することを認めるものではない。さらに、本明細書中の用語のいずれの意味または定義が、参照により組み込まれる文献中の同じ用語のいずれの意味または定義と矛盾する限りでは、本明細書中でその用語に割り当てられた意味または定義が適用される。
【0139】
本発明の特定の実施形態が例示され、説明されているが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更および修正を包含することが意図される。