(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】電気フォームステンシル印刷を使用するLEDパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20220809BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20220809BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/60
(21)【出願番号】P 2019535939
(86)(22)【出願日】2017-12-28
(86)【国際出願番号】 US2017068678
(87)【国際公開番号】W WO2018125985
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-21
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バッカランカ,スリデーヴィ エー
(72)【発明者】
【氏名】ペッダーダ,エス.ラオ
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-515310(JP,A)
【文献】特開2001-177228(JP,A)
【文献】特表2010-541208(JP,A)
【文献】特開2004-228170(JP,A)
【文献】特開2013-076780(JP,A)
【文献】国際公開第2006/112695(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0300988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01L 21/60
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスを製造するための方法であって、
(i)キャビティを画定する反射器カップおよび(ii)該キャビティの底面に配置された複数の金属パッドを含む、パッケージ本体を提供するステップと、
前記反射器カップの前記キャビティの中へ置かれた3次元電気フォームステンシルのリザーバを使用して、前記金属パッドそれぞれの上にそれぞれの半田パターンをデポジットするためにリザーバステンシル印刷を実行するステップであり、該3次元電気フォームステンシル
のリップは、前記反射器カップの1つまたはそれ以上の
側面の上部と係合するように
置かれ、前記リザーバは、該リップから離れて
、前記キャビティの中へ延在
している、ステップと、
前記金属パッド上に形成された前記半田パターンの上にLEDダイを配置するステップであり、かつ、前記金属パッドに対して該LEDダイを取り付けるために半田リフローを使用する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記リザーバは、第1開口部グループおよび第2開口部グループを含み、
前記第1開口部グループは、前記リザーバの底面の第1位置に形成されており、かつ、前記第2開口部グループは、前記リザーバの底面の第2位置に形成されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反射器カップは、反射性シリコーン成形コンパウンド(SMC)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記キャビティは、4mm以下の深さを有している、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記キャビティは、上部開口部を含み、該上部開口部は、前記LEDダイのフットプリントよりも30%以下だけ大きい、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リザーバステンシル印刷を実行するステップ
は、
前記3次元電気フォームステンシルの前記リザーバを半田ペーストで充填するステップと、
前記リザーバの底面に形成されている1つまたはそれ以上の開口部を通して前記半田ペーストを押し出すステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記半田ペーストは、金を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記キャビティの形状に一致するマンドレルを使用して、前記3次元電気フォームステンシルを形成するステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記金属パッドの上面が、前記キャビティの前記底面の中央部分に配置されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記3次元電気フォームステンシルは、少なくとも部分的にニッケルで形成されている、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、発光ダイオード(LED)に関する。そして、より特定的には、電気フォームステンシル(electroform stencil printing)を使用するLEDパッケージに関する。
【0002】
本出願は、2016年12月30日に出願された米国仮特許出願第62/440930号、2017年3月20日に出願された欧州特許出願第17161845.7号、および、2017年12月21日に出願された米国特許出願第15/851401号に係る優先権雄の利益を主張するものであり、これらは、ここにおいて完全に記述されているかのように参照によって組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(「LED」)は、様々なアプリケーションにおける光源として一般的に使用されている。LEDの主な機能部分は、相対する導電性タイプ(p型およびn型)の2つの注入層(injecting layer)、および、キャリア(carriers)の注入が行われる放射再結合(radiative recombination)のための発光活性層(light-emitting active layer)を含む半導体チップであり得る。半導体チップは、たいてい、振動、機械的な衝撃、およびオーバーヒートに対する保護に加えて、LEDチップと外界との間の電気的接続を提供するパッケージの中に置かれている。LEDのパッケージングによって提供される振動、機械的な衝撃、およびオーバーヒートに対する保護は、LEDベースの発光デバイスの信頼できるオペレーションに関して非常に重要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様に従って、発光デバイスを製造するための方法が開示される。本方法は、(i)キャビティを画定する反射器カップおよび(ii)キャビティの底面に配置された複数の金属パッドを含むパッケージ本体を提供するステップと、金属パッドそれぞれの上にそれぞれの半田パターンをデポジットするためにリザーバステンシル印刷を実行するステップであり、リザーバステンシル印刷は反射器カップの上に配置されている3次元電気フォームステンシルを使用して実行され、3次元電気フォームステンシルは反射器カップの1つまたはそれ以上の側壁と係合するように構成されたリップおよびリップから離れてキャビティの中へ延在するリザーバを含む、ステップと、金属パッド上に形成された半田パターンの上にLEDダイを配置するステップであり、かつ、金属パッドに対してLEDダイを取り付けるために半田リフローを使用するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下に説明される図面は、説明目的のためのだけのものである。図面は、本開示の範囲を限定するように意図されたものではない。図において示されている同様な参照符号は、様々な実施形態において同じ部分を示している。
【
図1A】
図1Aは、本開示の態様に従った、LEDパッケージ本体(body)の一つの例に係るトップダウン斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、本開示の態様に従った、
図1AのLEDパッケージ本体の一部である金属ベースの一つの例に係るトップダウン斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の態様に従った、
図1AのLEDパッケージ本体の断面側面図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の態様に従った、
図1AのLEDパッケージ本体のトップダウン図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の態様に従った、3次元(3D)電気フォームステンシルの一つの例に係る断面側面図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示の態様に従った、
図3Aの3次元電気フォームステンシルのトップダウン図である。
【
図4】
図4は、本開示の態様に従った、発光デバイスを製造するためのプロセスの一つの例に係るフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の態様に従った、
図4のプロセスにおけるステップの実行を説明する図である。
【
図6】
図6は、本開示の態様に従った、
図4のプロセスにおける別のステップの実行を説明する図である。
【
図7】
図7は、本開示の態様に従った、
図4のプロセスにおけるさらに別のステップの実行を説明する図である。
【
図8】
図8は、本開示の態様に従った、
図4のプロセスにおけるさらに別のステップの実行を説明する図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の態様に従った、
図4のプロセスを実行した結果として生成される発光デバイスの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の態様に従って、自動車照明アプリケーションにおける使用のために適している改善されたLEDパッケージが開示される。LEDパッケージは、普通より小さくされた(undersized)反射器カップ(reflector cup)、および、金-スズ半田(gold-tin solder)を用いてパッケージの接点に対して取り付けられたLEDダイを含んでよい。反射器カップは、LEDダイのフットプリントよりも最大で30%だけ大きい開口部(opening)を有し得るものであり、これにより、LEDパッケージは、制約のある空間に適合することができる。自動車ヘッドライトの内側に見られるようなものである。金-スズ半田の使用は、さらにLEDパッケージを自動車用アプリケーションにおける使用のために適したものにすることができる。金-スズ半田は、一般的に、高い融点を有するので、自動車ヘッドライトの内側で通常に存在する熱的条件にさらされる場合に、溶融するのを妨げることができるからである。
【0007】
本開示の態様に従って、金-スズ半田をデポジット(deposit)するために3次元(3D)電気フォームが使用されている、改善されたLEDパッケージを製造するための方法が開示される。3次元電気フォームステンシルが使用されるときは、3次元電気フォームステンシルのリザーバ(reservoir)が反射器カップの中へ挿入され、そして、半田ペーストで充填され得る。その後で、反射器カップの内部底面において露出されている複数の金属パッドそれぞれの上に半田パターンをそれぞれデポジットするために、半田ペーストが、3次元電気フォームステンシルの底部の開口部を通して流され(driven)得る。いくつかの態様において、半田パターン間のブリッジを防止するために金-スズ半田が使用される場合に、3次元電気フォームステンシルの使用が必要となることがある。
【0008】
一方の半田パターンを形成するために使用される半田ペーストが他方の半田パターンの中へ流れて短絡(short circuit)が生じるときに、2つの半田パターン間におけるブリッジング(bridging)が発生し得る。上述の3次元電気フォームステンシルを使用することは、金-スズ半田ペーストが、十分な量で、かつ、ブリッジングを防止するように十分な精度でデポジットできることを確保し得る。さらに、上述の3次元電気フォームステンシルを使用することは、改善されたLEDパッケージの反射器カップの中へ金-スズ半田ペーストを直接的にディスペンスする(dispensing)ことについて、より好ましくあり得る。金-スズ半田ペーストの物理的特性が、直接的なディスペンスが使用される場合にブリッジングし易くさせ得るからである。
【0009】
本開示の態様に従って、発光装置が開示される。本発光装置は、キャビティを画定するようにベースに結合された反射器カップであり、ベースは、キャビティの底面において露出された複数の金属パッドを含み、そして、ベースは、さらに、ベースの周辺の周りに配置されており、かつ、反射器カップの1つまたはそれ以上の側壁の中に配置された複数の突起(protrusions)をさらに含む、反射器カップ、および、キャビティの底面の上に配置されたLEDダイであり、LEDダイは、金-スズ半田を用いて金属パッドに結合されており、LEDダイは、キャビティの上部開口部の面積よりも最大で30%だけ小さいフットプリントを有する、LEDダイを含んでいる。
【0010】
LEDパッケージの実施例およびその製造方法は、添付の図面を参照して、以降に、より詳細に説明されている。これらの実施例は、相互に排他的なものではなく、そして、一つの実施例において見い出された特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施例において見い出された特徴と組み合わせることができ、追加の実装を達成する。従って、添付の図面において示される実施例は、説明目的のためだけに提供されるものであり、かつ、それらは決して本開示を限定するように意図されたものではないことが理解されるだろう。同じ参照符号は、全体を通して同じ要素を指すものである。
【0011】
様々な要素を記述するために、ここにおいては、第1(first)、第2(second)等の用語が使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるだろう。これらの用語は、1つの要素を別のものから区別するため使用されているだけである。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1要素を第2要素と称することができ、そして、同様に、第2要素を第1要素と称することができるだろう。ここにおいて使用される際に、用語「及び/又は(and/or)」は、関連する列挙されたアイテムの1つまたはそれ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0012】
層(layer)、領域(region)、または基板(substrate)といった要素が、別の要素の「上に(”on”)」に存在している、または、「上へ(”onto”)」延在しているものとして参照される場合に、それは、直接的に他の要素の上にあるか、または、直接的に他の要素の上へ延在することができ、もしくは、介在する要素(intervening elements)も、また存在し得ることが理解されるだろう。対照的に、ある要素が、別の要素の「直接的に上に(”directly on”)」存在している、または、「直接的に上へ(”directly onto”)」延在しているものとして参照される場合には、介在する要素が存在しない。要素が別の要素に「接続され(”connected”)」または「結合され(”coupled”)」ているものとして参照される場合にも、また、それは、他の要素に直接的に接続または結合することができるか、もしくは、介在する要素が存在してよいことが理解されるだろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接的に接続されている(”directly connected”)」または「直接的に結合されている(”directly coupled”)」ものとして参照される場合には、介在する要素が存在しない。これらの用語は、図において示される任意の方向に加えて、要素の異なる方向を包含するように意図されていることが理解されるだろう。
【0013】
「下(”below”)」、または「上(”above”)」、または「上方(”upper”)」、または「下方(”lower”)」、または「水平(”horizontal”)」、または「垂直(”vertical”)」といった相対的な用語は、ここにおいて、図に示されるように、ある要素、層、または領域の別の要素、層、または領域に対する関係を記述するために使用され得る。これらの用語は、図に示される方向に加えて、装置の異なる方向を包含するように意図されていることが理解されるだろう。
【0014】
図1Aは、本開示の態様に従った、発光ダイオード(LED)パッケージ本体100の一つの例に係る斜視図である。LEDパッケージ本体100は、示されるように、金属ベース120の上に成形(molded)された反射器カップ110を含み得る。いくつかの実施態様において、反射器カップ110は、エポキシ成形コンパウンド(epoxy molding compound、EMC)で形成されてよい。追加的または代替的に、いくつかの実施において、反射器カップ110は、反射性(reflective)シリコーン成形コンパウンド(silicone molding compound、SMC)で形成されてよい。SMCは、より高い処理温度に耐えることができ、そして、EMCよりも反射性であるからである。本実施例において、反射器カップ110は、SMCまたはEMCのいずれかで形成されているが、別の材料が使用される代替的な実施形態が可能である。本開示は、従って、反射器カップ110を形成するためのあらゆる特定の材料に限定されるものではない。
【0015】
図1Aに示されるように、反射器カップ110は、キャビティ112を画定するように配置された1つまたはそれ以上の側壁111を含み得る。キャビティ112は、上部開口部113(破線の長方形で示されている)、および、少なくとも部分的にベース120によって画定される底面を有し得る。さらに、反射器カップ110は、キャビティ112の底部を横切って延在するブリッジ部材115を含み得る。いくつかの実施態様において、ブリッジ部材115は、誘電体材料で形成され、そして、金属パッド123と124とを互いに電気的に絶縁するために、ベース120の金属パッド123と124との間に配置され得る。金属パッド123および124それぞれは、反射器カップ110のキャビティ112の内部底面上に少なくとも部分的に露出されてよく、そうして、金属パッド123および124と、反射器カップ110の中へその後に挿入されるLEDダイの電極との間に電気的接続を形成することができる。
【0016】
図1Bは、本開示の態様に従った、ベース120のトップダウン斜視図である。示されるように、ベース120は、部分121および部分122を含み得る。部分121は、金属パッド123、および、金属パッド123の外側エッジ126上に配置されている複数の突起125を含み得る。部分122は、金属パッド124、および、金属パッド124の外側エッジ126上に配置されている別の複数の突起125を含み得る。いくつかの実施形態では、示されるように、突起125が外側エッジ126をオーバーハングしてよい。反射器カップ110がベース120の上に成形されるとき、突起125は、反射器カップ110を作成するために使用される成形コンパウンドによって飲み込まれて(engulfed)よく、それによって、ベース120上での成形コンパウンドの強力なグリップを確保している。さらに、
図1Aに示されるように、突起125の外側面127は、反射器カップ110の側壁111において露出されてよい。
【0017】
図2Aは、本開示の態様に従った、LEDパッケージ本体100の断面側面図であり、そして、
図2Bは、LEDパッケージ本体100のトップダウン図である。
図2A-
図2Bに示されるように、反射器カップ110のキャビティ112は、台形断面を有し得る。キャビティ112の底面は、幅A1および長さA2を有し、そして、キャビティ112の上部開口部113は、幅A3および長さA4を有し得る。さらに、いくつかの実施において、キャビティ112は、4mm以下の深さA5を有し得る。
【0018】
本実施例において、反射器カップ110のキャビティ112は台形断面を有している。しかしながら、キャビティ112が矩形断面を有している代替的な実施が可能である。本実施例においては、キャビティ112の底面の幅A1がキャビティ112の上部開口部113の幅A3よりも小さいが、キャビティ112の底面の幅A1がキャビティ112の上部開口部113の上部の幅A3よりも大きいか等しい代替的な実施が可能である。さらに、本実施例においては、キャビティ112の底面の長さA2が、キャビティ112の上部開口部113の長さA4よりも短いが、キャビティ112の底面の長さA2がキャビティ112の上部開口部113の長さA4よりも長いか等しい代替的な実施が可能である。簡潔に言うと、本開示は、反射器カップ110のキャビティ112について、寸法及び/又は形状のあらゆる特定のセットに限定されるものではない。
【0019】
図3Aは、金属パッド123および124の上に半田パターンを印刷するために使用することができる、3次元電気フォームステンシル(3D electroform stencil)310の断面側面図である。3次元電気フォームステンシル310は、リップ311およびリザーバ312を含み得る。リザーバ312は、第1複数の開口部315、および、リザーバ312の底面上に形成された第2複数の開口部316を含み得る。以下でさらに説明されるように、開口部315および316は、リザーバ312から金属パッド123および124の上へと半田を放出する(releasing)ために使用され得る。この点について、開口部315は、金属パッド123に対応するリザーバ312の底面上の第1位置において形成されてよい。同様に、開口部316は、金属パッド124に対応するリザーバ312の底面上の第2位置において形成されてよい。本開示の態様に従って、リザーバ312の底面上の位置は、3次元電気フォームステンシル310が反射器カップ110に挿入されたときにその位置が金属パッドの真上(directly above)上に置かれている場合にだけ、反射器カップ110の底面内部表面の上に配置された金属パッドに対応している。
【0020】
3次元電気フォームステンシル310は、ニッケル、及び/又は、平滑(smooth)な側壁、十分なステンシル分解能、および十分な半田ペースト放出を伴う、付加的な半田ペーストのデポジションを可能にする、あらゆる他の適切な材料で形成されてよい。いくつかの実施態様において、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312は、反射器カップ110のキャビティ112の形状に適合するように機械加工されたマンドレル(mandrel)から成長され得る。その結果として、リザーバ312は、キャビティ112の形状に一致する形状を有し得る。本開示の態様に従って、リザーバ312の形状が、第1複数の開口部315が金属パッド123の真上に配置され、一方で、第2複数の開口部316が金属パッド124の真上に配置されるようにするやり方で、リザーバ312がキャビティ112に挿入されることを可能にする場合に、リザーバ312の形状は、キャビティ112の形状に一致すると言われる。追加的または代替的に、
図3A-
図3Bに示されていないが、いくつかの実施において、リザーバ312の底面は、反射器カップ110の底面の形状に一致するレリーフ(relief)を有してよい。
【0021】
図3Aは、台形断面を有するようにリザーバ312を描いているが、リザーバ312は、任意の適切な形状を有し得ることが理解されるだろう。
図3A-
図3Bに示されるように、リザーバ312の底面は、幅B1および長さB2を有し得る。さらに、リザーバ312の上部開口部313(破線の長方形で示されるもの)は、幅B3および長さB4を有し得る。本実施例において、リザーバ312の上部開口部313の幅B3は、リザーバ312の底面の幅B1よりも大きい。しかしながら、リザーバ312の底面の幅B1が、リザーバ312の上部開口部313の幅B3より大きいか等しい、代替的な実施が可能である。さらに、本実施例において、リザーバ312の上部開口部313の長さB4は、リザーバ312の底面の長さB2よりも大きい。しかしながら、リザーバ312の底面の長さB2が、リザーバ312の上部開口部313の長さB4より大きいか等しい、代替的な実施が可能である。簡潔に言うと、本開示は、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312について、寸法及び/又は形状のあらゆるセットに限定されるものではない。
【0022】
図2A-
図2Bおよび
図3A-
図3Bの実施例において、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312は、反射器カップ110のキャビティ112の形状と共形な(conformal)形状を有しているが、この描写は、説明目的のためだけに提供されたものである。容易に理解できるように、リザーバ312がキャビティ112の形状と共形でない形状を有する、代替的な実施が可能である。例えば、キャビティ112が未だに台形断面を有し、一方で、リザーバ312がU字形断面を有している、代替的な実施が可能である。
【0023】
図2A-
図2Bおよび
図3A-
図3Bの実施例に従って、反射器カップ110のキャビティ112の深さA5は、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312の深さB5に等しい。しかしながら、リザーバ312の深さB5がキャビティ112の深さA5よりも小さい、代替的な実施が可能である。そうしたインスタンスでは、リザーバ312がキャビティ112に挿入されるとき、リザーバ312の底面は、キャビティ112の底面と直接的な接触をすることなく、キャビティ112の底面の上に座る(sit)ことができる。さらに、いくつかの実施において、リザーバ312の長さB5は、キャビティ112の長さA5よりもわずかに大きくてよい。簡潔に言うと、本開示は、反射器カップ110のキャビティ112の深さA5と3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312の深さB5との間の特定の関係に限定されるものではない。
【0024】
図4は、本開示の態様に従った、LEDパッケージ本体100および3次元電気フォームステンシル310を使用して発光デバイスを製造するためのプロセス400の一つの例に係るフローチャートである。
【0025】
ステップ410では、LEDパッケージ本体100が、ベース120の上に反射器カップ110を成形することによって形成される。上述のように、反射器カップ110がベース120の上に成形されるとき、突起125は、反射器カップ110を形成するために使用される成形コンパウンドによって少なくとも部分的に飲み込まれることになってよく、それによって、反射器カップ110とベース120との間の接続を強化している。さらに、反射器カップ110がベース120の上に成形されるとき、ブリッジ部材115が、金属パッド123と124との間に形成され得る。上述のように、ブリッジ部材115は、金属パッド123および124を互いに電気的に絶縁するために役立ち得る。
【0026】
ステップ420では、3次元電気フォームステンシル310が、反射器カップ110のキャビティ112に挿入される。3次元電気フォームステンシル310が反射器カップ110のキャビティ112に挿入されるとき、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312が、反射器カップ110のキャビティ112の内側に配置され、一方で、3次元電気フォームステンシル310のリップ311が、反射器カップ110の側壁111の上面と係合する。
図5は、反射器カップ110のキャビティ112に挿入された3次元電気フォームステンシル310を伴うLEDパッケージ本体100を示している図である。この実施例において、3次元電気フォームステンシル310がキャビティ112に挿入されるとき、リザーバ312の底面は、キャビティ112の底面と接触する。しかしながら、リザーバ312の底面がキャビティ112の底面と接触しない、代替的な実施が可能である。そうしたインスタンスでは、リザーバ312の底面が、キャビティ112の底面の上に吊されて(suspended)よい。
【0027】
さらに、本実施例において、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312の形状は、反射器カップ110のキャビティ112の形状と共形であるが、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312の形状が反射器カップ110のキャビティ112の形状と共形でない、代替的な実施が可能である。例えば、いくつかの実施において、リザーバ312は、U字形断面を有してよい。そうしたインスタンスでは、3次元電気フォームステンシル310が反射器カップ110に挿入されるとき、リザーバ312の側壁の底部がキャビティ112の側壁と接触し、一方で、リザーバ312の側壁の上部はキャビティ112の側壁から離れたままである。
【0028】
ステップ430では、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312が半田ペーストで充填される。
図6は、半田ペースト610が充填された後の3次元電気フォームステンシル310を示している図である。事前設定された実施例において、ステップ430では、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312が、半田ペースト610で完全に充填されるが、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312が部分的にだけ半田ペースト610で充填される代替的な実施が可能である。いくつかの実施において、半田ペースト610は、その高い融点、非クリープ、高引張応力、熱伝導性および電気伝導性のため、金-スズ半田ペーストを含み得る。しかしながら、あらゆる他の適切なタイプの半田ペーストが代わりに使用される、代替的な実施が可能である。
【0029】
ステップ440では、3次元電気フォームステンシル310のリザーバ312における少なくともいくらかの半田ペースト610は、リザーバ312の底部に存在する開口部315および316を通して流される(driven)。
図7に示されるように、少なくともいくらかの半田ペースト610は、スクイージー(squeegee)710を用いて半田ペースト610に圧力を適用することによって、開口部315および316を通じて流され得る。本実施例においては、リザーバ312の開口部315および316を通じて少なくともいくらかの半田ペースト610を流すためにスクイージーが使用されるが、別の技術が代わりに使用される、代替的な実施が可能である。簡潔に言うと、本開示は、リザーバ312の開口部315および316を通じて半田ペースト610を流すためのあらゆる特定の技術に限定されるものではない。
【0030】
ステップ450では、3次元電気フォームステンシル310が、LEDパッケージ本体100から除去される。
図8に示されるように、3次元電気フォームステンシル310が除去されるとき、金属パッド123および124の上に半田パターン810および820が取り残される。より特定的には、示されるように、半田パターン810が、金属パッド123上に形成され、そして、半田パターン820が、金属パッド124上に形成され得る。半田パターン810および820それぞれは、ドットまたは他の形状のアレイ(array)を含んでよい。加えて、いくつかの実施においては、半田層830および840が、ベース120の部分121および122の底面の上に配置され得る。ベース120が金属で形成されているので、半田層830は、金属パッド123に対して電気的に接続され、そして、半田層840は、金属パッド124に対して電気的に接続され得る。容易に理解されるように、半田層830および840は、パッケージ本体100に配置されるLEDダイを様々な電子回路に対して接続するために使用され得る。
【0031】
ステップ460では、LEDダイが、半田パターン810および820の上に配置され、そして、半田リフローを使用して金属パッド123および124に対して取り付けられる。より特定的には、
図9A-
図9Bに示されるように、LEDダイ910は、金属パッド123および124の上に配置されてよく、そうした、LEDダイ910の接点パッドそれぞれ(図示なし)が、半田パターン810および820のうち異なる1つの上に置かれる。いくつかの実施において、LEDダイは、第1導電層と第2導電層との間に挟まれた活性発光層を含んでよい。第1導電層および第2導電層は、LEDダイの異なる接点パッドに対して結合されてよい。さらに、第1導電層、第2導電層、および活性層は、例えば、GaAs材料またはGaNといった、任意の適切な材料で形成されてよい。本実施例において、LEDダイ910は、フリップチップ構成で配置されている。しかしながら、LEDダイ910が別の構成で配置されている代替的な実施が可能である。簡潔に言うと、本開示は、反射器カップ110のキャビティ112の内側に取り付けられている、あらゆる特定のタイプのLEDダイに限定されるものではない。
【0032】
図9A-
図9Bに示されるように、LEDダイ910は、幅C1および長さC2を有し得る。LEDダイ910の底面(または上面)の面積は、LEDダイ910のフットプリントとして参照されてよく、そして、幅C1と長さC2との積に等しくてよい。いくつかの実施態様において、キャビティ112の上部開口部113の面積は、LEDダイ910のフットプリントよりも30%以下だけ大きくてよい。例えば、キャビティ112の上部開口部113の面積は、20%以下、10%以下、または5%以下だけ、LEDダイ910のフットプリントよりも大きくてよい。比較すると、従来の反射器カップにおけるキャビティの開口部は、従来の反射器カップに設置されているLEDダイのフットプリントよりも約80%大きい。
【0033】
図1A-9Bは、一つの例としてだけ提供されている。上述の実施例において、3次元電気フォームステンシル310は1つのリザーバだけを含んでいるが、当業者であれば、直ちに、3次元電気フォームステンシル310が相互に離間して置かれた複数のリザーバを含む代替の実施が可能であることを理解するだろう。そうしたインスタンスでは、複数のLEDパッケージ本体における半田パターンを同時に印刷するために、3次元電気フォームステンシル310が使用され得る。より特定的には、3次元電気フォームステンシル310が、複数の統合されたパッケージ本体の上に置かれてよく、そうして、各リザーバがパッケージ本体のうち異なる1つの中に挿入される。次に、半田ペーストが各リザーバに配置されてよく、そして、パッケージ本体それぞれにおいて半田パターンを形成するために使用され得る。次に、それぞれのLEDダイは、3次元電気フォーム310を用いて印刷された半田パターンを使用することによって、各パッケージ本体に取り付けられ得る。そして、最後に、それぞれのLEDダイが各パッケージ本体に取り付けられた後で、パッケージ本体が、鋸(saw)及び/又は他の任意の適切な切断装置を使用することによって相互に分離され得る。
【0034】
ここにおいて開示されている概念のいくつかは、自動車用照明のコンテクスト(context)において提示されているが、上述のLEDパッケージは、任意のコンテクストにおいて使用され得ることが理解されるだろう。例えば、LEDパッケージは、屋内照明システム、街路照明システム、舞台照明システム、装飾的照明システム、および温室照明システムにおいて使用することができる。これらの図に関して説明された要素のうち少なくともいくつかは、異なる順序で配置され、組み合わされ、かつ/あるいは、全く省略することができる。ここにおいて説明された実施例の提供(provision)、並びに、「といった(”such as”)」、「例えば(”e.g.”)」、「いくつかの態様において(”in some aspects”)」、「いくつかの実施において(”in some implementations”)」、等と表現された節(clauses)は、開示された発明特定事項(subject matter)を特定の実施例に限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるだろう。
【0035】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本開示が与えられると、ここにおいて説明された本発明の概念の精神から逸脱することなく、本発明に対して変更を成し得ることが理解されるだろう。従って、本発明の範囲が、図示され、かつ、説明された特定の実施形態に限定されることは意図されていない。