(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】減衰器用マルチモード光ファイバー
(51)【国際特許分類】
G02B 6/028 20060101AFI20220809BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20220809BHJP
G02B 6/036 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G02B6/028
G02B6/02 436
G02B6/036
(21)【出願番号】P 2019542564
(86)(22)【出願日】2018-02-02
(86)【国際出願番号】 US2018016575
(87)【国際公開番号】W WO2018148114
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-02-02
(32)【優先日】2017-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,ケヴィン ウォレス
(72)【発明者】
【氏名】ビッカム,スコット ロバートソン
(72)【発明者】
【氏名】ブックバインダー,ダナ クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ノールトン,ロバート アーノルド
(72)【発明者】
【氏名】リー,ミン-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】タンドン,プシュカル
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-311221(JP,A)
【文献】特表2012-516457(JP,A)
【文献】特開昭63-313102(JP,A)
【文献】米国特許第04447124(US,A)
【文献】米国特許第07903918(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02-6/036
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーであって、
半径r
C、中心線C
L、0.15以上かつ0.25以下の開口数NA、最大相対屈折率ΔC
maxおよび1以上かつ3以下のα値を有する徐々に変化する相対屈折率プロファイルを有するコア部であって、該コア部は、
アップドーパントであって、前記コア部における該アップドーパントの濃度は、該アップドーパントの該濃度が前記半径r
Cにおいて最も低く、該半径r
Cから前記コア部の前記中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する、アップドーパント、および
減衰ドーパントであって、前記コア部における該減衰ドーパントの濃度が、前記コア部の前記中心線C
Lから前記コア部の前記半径r
Cまで一定である、減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできている、コア部と、
前記コア部を囲繞し、相対屈折率Δ
OCを有するクラッド部であって、該クラッド部は、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできており、前記クラッド部における該減衰ドーパントの前記濃度は、前記クラッド部の径方向の厚さをとおして一定であるか、またはわずかに減少し、
ΔC
max>Δ
OCであり、
前記光ファイバーは、約800nmから約1000nmの範囲内の光の波長に対してマルチモードであり、
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの減衰は、0.5dB/m以上である、クラッド部と、を含む、光ファイバー。
【請求項2】
前記アップドーパントが、GeO
2である、請求項1記載の光ファイバー。
【請求項3】
GeO
2の最高濃度が、7重量%以上かつ20重量%以下である、請求項2記載の光ファイバー。
【請求項4】
前記減衰ドーパントがTiO
2である、請求項1から3のいずれか1項記載の光ファイバー。
【請求項5】
TiO
2の最高濃度が、0.5重量%以上かつ15重量%以下である、請求項4記載の光ファイバー。
【請求項6】
前記クラッド部が、低屈折率トレンチおよび外側クラッドをさらに含み、該低屈折率トレンチは、前記コア部と該外側クラッドの間に位置づけられており、該低屈折率トレンチは、相対屈折率Δ
Tを有し、該外側クラッドは、前記相対屈折率Δ
OCを有し、ΔC
max>Δ
OC>Δ
Tである、請求項1から5のいずれか1項記載の光ファイバー。
【請求項7】
前記低屈折率トレンチが、前記減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできている、請求項6記載の光ファイバー。
【請求項8】
前記クラッド部が、前記コア部と前記低屈折率トレンチの間に位置づけられた内側クラッドをさらに含み、該内側クラッドが、相対屈折率Δ
ICを有し、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできている、請求項6または7記載の光ファイバー。
【請求項9】
前記光ファイバーが、15mmのマンドレルに2周巻回させたときに、850nmの波長で、1dB未満の曲げ損失を有する、請求項1から8のいずれか1項記載の光ファイバー。
【請求項10】
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの前記減衰は、8.0dB/m以上である、請求項1から9のいずれか1項記載の光ファイバー。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本開示は、米国特許法第119条(e)の定めにより、2017年2月7日出願の米国仮出願第62/455,737号の優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が参照に依拠し、かつ参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、概してマルチモード光ファイバーに関し、より具体的には、減衰器用マルチモード光ファイバーに関する。
【背景技術】
【0003】
光ネットワークは、単一光ファイバーを通じて膨大な量の情報を伝える。かかるネットワークは、典型的に、平衡出力性能を生み出すために、光信号の各波長成分の光信号電力レベルを監視し、調節する必要がある。光信号電力の自動電力制御は、通常、光クロスコネクトまたは他のネットワークノードにある減衰器によって行われる。固定光減衰器の例としては、レセプタクル型減衰器およびループバック型減衰器が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
減衰特性が改善され、曲げ損失が少ない固定光減衰器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、光ファイバーは、半径rC、中心線CL、0.15以上かつ0.25以下の開口数NA、最大相対屈折率ΔCmaxおよび1以上かつ3以下のα値を有する徐々に変化する相対屈折率プロファイルを備えるコア部を含み得る。コア部は、アップドーパントの濃度が半径rCにおいて最も低く、半径rCからコア部の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するような徐々に変化する濃度で、アップドーパントを含み得る。コア部は、コア部の中心線CLからコア部の半径rCまで一定の濃度で、減衰ドーパントも含み得る。クラッド部が、コア部を囲繞し、相対屈折率ΔOCを有していてもよく、ここで、ΔCmax>ΔOCである。クラッド部は、クラッド部の径方向の厚さをとおして一定の濃度で減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできていてもよい。この光ファイバーは、800nmから1000nmの範囲内の光の波長に対してマルチモードであり、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する光ファイバーの減衰は、0.5dB/m以上である。
【0006】
他の実施形態によれば、光ファイバーは、半径rC、中心線CL、0.15以上かつ0.25以下の開口数NA、最大相対屈折率ΔCmaxおよび1以上かつ3以下のα値を有する徐々に変化する相対屈折率プロファイルを備えるコア部を含み得る。コア部は、アップドーパントを含むシリカ系ガラスでできていてもよく、コア部におけるアップドーパントの濃度は、アップドーパントの濃度が半径rCにおいて最も低く、半径rCからコア部の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する。コア部は、減衰ドーパントをさらに含んでいてもよく、コア部における減衰ドーパントの濃度は、減衰ドーパントの濃度が、半径rCにおいて最も低く、半径rCから、コア部の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する。クラッド部が、コア部を囲繞し、相対屈折率ΔOCを有していてもよく、ここで、ΔCmax>ΔOCである。この光ファイバーは、約800nmから約1350nmの範囲内の光の波長に対してマルチモードであり、800nmと1350nmの間の少なくとも1つの波長に対する光ファイバーの減衰は、0.5dB/m以上である。
【0007】
実施形態では、クラッド部は、低屈折率トレンチおよび外側クラッドを含んでいてもよく、低屈折率トレンチは、コア部と外側クラッドの間に配設されている。かかる実施形態では、クラッド部は、コア部と低屈折率トレンチの間に配設された内側クラッドをさらに含み得る。
【0008】
本明細書に記載される光ファイバーの追加の特徴および利点は、後述の発明を実施するための形態に記載しており、これらの追加の特徴および利点は、その説明から当業者には容易に部分的に明らかになるか、または後述の発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実践することにより認識されるであろう。
【0009】
前述の概説と後述の発明を実施するための形態は共に、様々な実施形態を描写し、特許請求される主題の性質および特性を理解するための要旨および枠組みを提供することを目的とすることを理解されたい。添付図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含めるものであり、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本明細書に記載される様々な実施形態を例示するものであり、説明と一緒になって、特許請求される主題の原理および作用を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーの径方向断面を図式的に描写したものである。
【
図2】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図1の光ファイバーの相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図3】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーの径方向断面を図式的に描写したものである。
【
図4】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3の光ファイバーの相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図5】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3の光ファイバーの相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図6】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーの径方向断面を図式的に描写したものである。
【
図7】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図6の光ファイバーの相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図8】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図6の光ファイバーの相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図9】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図8の光ファイバーの相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図10】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図1および
図2による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図11】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図1および
図2による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図12】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図4による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図13】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図5による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図14】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図6および
図7による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図15】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図8による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図16】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図8による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図17】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図8による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図18】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図8による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図19】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図8による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図20】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図9による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図21】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図3および
図9による光ファイバー設計のモデル化した相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図22】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図10による光ファイバー設計に従って形成した光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図23】
図10の光ファイバー設計に従って形成し、
図22の測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの測定した減衰をグラフで描写したものである。
【
図24】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図12による光ファイバー設計に従って形成した光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図25】
図12の光ファイバー設計に従って形成し、
図24の測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの測定した減衰をグラフで描写したものである。
【
図26】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図12による光ファイバー設計に従って形成した光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【
図27】
図12の光ファイバー設計に従って形成し、
図26の測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの測定した減衰をグラフで描写したものである。
【
図28】
図12の光ファイバー設計に従って形成し、
図26の測定相対屈折率プロファイルを有し、直径10mmのマンドレルに5周巻きつけた光ファイバーの測定した減衰をグラフで描写したものである。
【
図29】本光ファイバーのガラス部の半径Rの関数としての、
図12による光ファイバー設計に従って形成した光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これより、光ファイバー減衰器とともに使用するためのマルチモード光ファイバーの種々の実施形態を詳細に参照し、これらの実施例は、添付の図面に図式的に描写する。可能な限り、図面全体をとおして同じまたは類似した部品を参照するのに、同じ符号を使用している。マルチモード光ファイバーのある実施形態の径方向断面および相対屈折率プロファイルを、
図1および
図2にそれぞれ図式的に描写している。本光ファイバーは、外半径r
Cおよび純粋シリカガラスに対する最大相対屈折率Δ
Cmaxを含むコア部を含み得る。クラッド部は、コア部を囲繞し、コア部と接触していてもよい。コア部は、アップドーパントおよび減衰ドーパントを含み得る。アップドーパントの濃度は、アップドーパントの濃度が半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する。減衰ドーパントの濃度は、コア部の中心線C
Lからコア部の半径r
Cまで一定である。アップドーパントの徐々に変化する濃度および減衰ドーパントの一定の濃度によって、コア部に、アルファ(α)値が1以上かつ3以下の徐々に変化する相対屈折率がもたらされる。コア部を囲繞しているクラッド部は、相対屈折率Δ
OCを有していてもよく、減衰ドーパントを含有するシリカガラスから形成されていてもよい。クラッド部における減衰ドーパントの濃度は、クラッドの径方向の厚さをとおして一定であってもよい。コア部の最大相対屈折率Δ
Cmaxは、クラッド部の相対屈折率Δ
OCよりも大きくてもよい。この光ファイバーは、800ナノメートル(nm)から1000nmの範囲内の光波長用のマルチモードであり得、0.15以上かつ0.25以下の開口数を有し得、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対して、1メートルあたり0.5デシベル(dB/m)以上の減衰量を有し得る。いくつかの実施形態では、この光ファイバーのクラッド部は、低屈折率トレンチおよび外側クラッドをさらに含んでいてもよく、低屈折率トレンチは、コア部と外側クラッドの間に配設されている。かかる実施形態では、クラッド部は、コア部と低屈折率トレンチの間に配設された内側クラッドをさらに含み得る。
【0012】
コア部がアップドーパントおよび減衰ドーパントを含むマルチモード光ファイバー減衰器の種々の実施形態を、添付の図面を具体的に参照しながら、本明細書に記載することとする。
【0013】
以下の用語を、本明細書に記載される光ファイバーと関連して用いる。
【0014】
用語「屈折率プロファイル」または「相対屈折率プロファイル」は、本明細書で使用する場合、屈折率または相対屈折率と、本ファイバーの半径Rとの関係である。
【0015】
用語「相対屈折率」は、本明細書で使用する場合、
【0016】
【0017】
と定義され、
式中、n(r)は、特に指定のない限り、光ファイバーの半径rにおける屈折率であり、r=0は、ファイバーの中心線に対応する。相対屈折率は、特に指定のない限り、850nmで定義される。本明細書に記載される実施形態では、基準屈折率nREFは、純粋シリカガラスの屈折率である(すなわち、850nmの波長でnREF=1.4525)。本明細書で使用する場合、相対屈折率は、Δで表され、その値は、特に指定のない限り、「%」の単位で示される。ある領域の屈折率が基準屈折率nREFよりも小さい場合、相対屈折率のパーセントは負になり、下落領域または下落屈折率を有すると見なされ、最小相対屈折率は、特に指定のない限り、相対屈折率が最も低い点で計算される。ある領域の屈折率が基準屈折率nREFよりも大きい場合、相対屈折率パーセントは正になり、この領域は、高くなっている、すなわち正の屈折率を有すると言われ得る。
【0018】
用語「純粋シリカ」または「純粋SiO2」は、本明細書で使用する場合、ドーパントを実質的に含まないシリカガラスを指し、ここで、このドーパントの濃度は0.5重量%未満であり、シリカガラスの屈折率は、850nmで1.4525である。
【0019】
用語「アップドーパント」は、本明細書で使用する場合、純粋SiO2と比較してガラスの屈折率を増加させるドーパントを指す。用語「ダウンドーパント」は、本明細書で使用する場合、純粋SiO2と比較してガラスの屈折率を下げる傾向を有するドーパントである。アップドーパントは、アップドーパントではない1種以上の他のドーパントを伴う場合に負の相対屈折率を有する光ファイバーの領域に存在してもよい。同様に、アップドーパントではない1種以上の他のドーパントは、正の相対屈折率を有する光ファイバーの領域に存在してもよい。ダウンドーパントは、ダウンドーパントではない1種以上の他のドーパントを伴う場合に正の相対屈折率を有する光ファイバーの領域に存在してもよい。同様に、ダウンドーパントではない1種以上の他のドーパントは、負の相対屈折率を有する光ファイバーの領域に存在してもよい。
【0020】
用語「減衰ドーパント」は、本明細書で使用する場合、ドープしていないSiO2と比較して、光ファイバーをとおって伝搬する光信号を減衰させるドーパントを指す。
【0021】
光ファイバーの開口数(NA)は、本明細書で使用する場合、「Measurement Methods and Test Procedures:Numerical Aperture」という表題のIEC-60793-1-43(TIA SP3-2839-URV2 FOTP-177)に記載されている方法を使用して測定される開口数を意味する。
【0022】
用語「α-プロファイル」または「アルファプロファイル」は、本明細書で使用する場合、「%」の単位でのΔによって表される、コア部の相対屈折率プロファイルを指し、ここで、rは半径であり、
【0023】
【0024】
の等式に従い、式中、ΔCmaxは、コア部の最大相対屈折率であり、rCは、コア部の半径であり、rは、ri≦r≦rfの範囲であり、Δは上に定義するとおりであり、riは、α-プロファイルの開始点であり、rfは、α-プロファイルの終了点であり、αは、実数の指数である。徐々に変化する屈折率プロファイルに関しては、アルファ値は、10未満である。用語「放物線状」は、本明細書で使用する場合、コア内の1つ以上の点における2.0のα値から最大20%変化し得る実質的に放物線状の屈折率プロファイル、ならびにわずかな変化および/または中心線の低下を有するプロファイルを含む。
【0025】
本明細書に記載する光ファイバーの屈曲性能の評価は、マクロベンド性能である。マクロベンド性能は、FOTP-62(JEC-60793-1-47)に従って、光ファイバーを一定の直径、例えば10mm、15mm、20mm、および/または30mmの直径を有するマンドレルに規定の回数巻きつけて、エンサークルドフラックス(EF)発射(encircled flux launch)条件を使用して、屈曲による減衰の増加を測定することにより決定する。エンサークルドフラックスは、直径25mmのマンドレルの中間点付近に1周させて配置した、長さ2メートルのInfiniCor(登録商標)50マイクロメートルコア光ファイバーの入力端にオーバーフィルドパルスを発射することによって測定する。「InfiniCor」50マイクロメートルコア光ファイバーの出力端を、試験用ファイバーに接合し、dBでの測定曲げ損失は、屈曲させていない減衰に対する、規定の屈曲条件下での減衰の比である。特に指定のない限り、屈曲性能は、850nmで測定する。
【0026】
発射条件および測定値は、直径10mm、15mm、20mm、および/または30mmのマンドレルへの規定の巻きつけ数に関する平均損失または総損失に関して、先に規定したとおりである。
【0027】
本明細書に記載される光ファイバーの減衰は、光学時間領域反射率計(OTDR)を使用して決定してもよい。
【0028】
用語「マイクロメートル」および「μm」は、本明細書では同じ意味で使用される。用語「ナノメートル」および「nm」は、本明細書では同じ意味で使用される。
【0029】
図1は、単位長さあたり比較的高い減衰を有する、減衰器、例えば、固定減衰器と一緒に使用するための光ファイバー10のある実施形態の径方向断面を図式的に描写したものである。本明細書に記載される光ファイバーは、マルチモード光ファイバーであり、これは、これらのファイバーが800nmと1350nmの間の波長における複数の電磁放射モードの伝搬に対応していることを意味する。実施形態では、本明細書に記載される光ファイバーは、800nmと1000nmの間の波長における複数の電磁放射モードの伝搬、例えば、800nmと900nmの間の波長における複数の電磁放射モードの伝搬に対応している。他の実施形態では、本明細書に記載される光ファイバーは、1250nmと1350nmの間の波長における複数の電磁放射モードの伝搬に対応している。これらの光ファイバーは、概して、コア部102およびコア部102を囲繞しているクラッド部103を含む。実施形態では、クラッド部103は、コア部102に直接接触している。本明細書に記載される実施形態では、光ファイバー10の種々の部分(すなわち、コア部102およびクラッド部103)は、所望の光学特性を達成するために1種以上のドーパントがドープされている場合がある、シリカ系ガラスなどのガラスでできている。光ファイバーの構造および組成、ならびに光ファイバーの特性を、これよりさらに詳細に記載する。
【0030】
図1および
図2を参照すると、光ファイバー10のある実施形態の径方向断面(
図1)および光ファイバー10の対応する相対屈折率プロファイル(
図2)が描写されている。光ファイバー10の相対屈折率は、光ファイバー10の軸中心線C
Lからの半径Rの関数としてプロットされている。光ファイバー10は概して、本明細書に記載されるように、コア部102およびクラッド部103を含む。本明細書に記載される実施形態では、コア部102は、クラッド部103の内側に位置づけられ、最大相対屈折率Δ
Cmax(純粋シリカガラスに対する)を有する。コア部102とクラッド部103は、光ファイバー10の断面が、コア部102の中心に対して略円形対称であるように、同心である。本明細書に記載される実施形態では、外側クラッド103は、コア部102と直接接触している。クラッド部103は、相対屈折率Δ
OC(純粋シリカガラスに対する)を有する。
図1および
図2に描写される実施形態では、Δ
Cmax>Δ
OCである。本明細書に記載される実施形態では、コア部102および外側クラッド103は、シリカ、具体的にはシリカガラスでできている。
【0031】
図1および
図2では、コア部102およびクラッド部103のみが描写されているが、他の実施形態では、本明細書でさらに詳細に記載されるように、クラッド部103は低屈折率トレンチおよび外側クラッドを任意で含み得ることを理解されたい。さらに他の実施形態では、本明細書にさらに詳細に記載されるように、クラッド部103は、任意で内側クラッド、低屈折率トレンチ、および外側クラッドを含み得る。光ファイバーが低屈折率トレンチまたは内側クラッドを含まない実施形態では、クラッド部103は、外側クラッドと称される場合がある。
【0032】
依然として
図1および
図2を参照すると、コア部102は、半径r
Cを有し、クラッド部103は、半径r
OCを有している。クラッド部103は、外側クラッド103が径方向の厚さT
OC=r
OC-r
Cを有するように、半径r
Cから半径r
OCまで延在している。クラッド103は、コア部102を囲繞している。したがって、光ファイバー10のガラス部(すなわち、コア部102およびクラッド部103)は、2r
OCの直径を有し得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー10のガラス部の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー10のガラス部の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー10のガラス部の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0033】
光ファイバー10のコア部102の半径r
Cは、最小半径と定義され、ここで、コア部102の相対屈折率プロファイル(すなわち、
図2)の接線は、ゼロデルタ線(Δ
0)と交差する。
図1および
図2に描写される光ファイバーの実施形態では、コア部102の半径r
Cは、22マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の半径r
Cは、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、例えば、23.5マイクロメートル以上かつ27.5マイクロメートル以下である。
【0034】
実施形態では、光ファイバー10のコア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.6%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.4%以下、さらには0.8%以上かつ1.2%以下である。いくつかの実施形態では、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.9%以上かつ1.1%以下である。
【0035】
0.8%を超える最大相対屈折率Δ
Cmax値を得るために、光ファイバー10のコア部102に、1種以上の減衰ドーパントの代わりに、または1種以上の減衰ドーパントに加えて、シリカガラスの屈折率を増加させる1種以上のアップドーパントを、屈折率が増加するようにドープしてもよい。好適なアップドーパントとしては、GeO
2、Al
2O
3、P
2O
5、TiO
2、ClおよびBrなどが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、コア部102のシリカガラスに16.4重量%のGeO
2を、屈折率が増加するようにドープすることは、コア部102のシリカガラスの相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102に、7重量%以上かつ20重量%以下を最高濃度とするGeO
2を、屈折率が増加するようにドープする。コア部102におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。好適な減衰ドーパントとしては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、タングステン、またはタンタルを含む遷移金属の酸化物などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの減衰ドーパントの酸化数は、1以上、例えばTi(+4および/または+3)、V(+5および/または+4および/または+3および/または+2)、Cr(+6および/または+3および/または+2)、Mn(+7および/または+6および/または+4および/または+3および/または+2)、Fe(+3および/または+2)、Co(+3および/または+2)、Ni(+3および/または+2)、Cu(+2および/または+1)などであり得る。例えば、コア部102に6.0重量%のTiO
2をドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102には、0.5重量%以上かつ15重量%以下を最高濃度としてTiO
2をドープする。
図1および
図2に描写される実施形態では、コア部102における減衰ドーパントの濃度がコア部102の中心線C
Lからコア部102の半径r
Cまで略一定であるように、コア部102に減衰ドーパントがドープされている。
【0036】
光ファイバー10を含む光減衰器は、主に光ファイバー10のコア部102をとおして光信号を伝搬させることが理解されよう。したがって、減衰ドーパントは光ファイバー10のコア部102にドープされ、それによって光信号が減衰され、光減衰器から平衡光信号出力が提供されるようになる。
【0037】
実施形態では、光ファイバー10のコア部102は、0.15以上かつ0.25以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー10のコア部102は、0.16以上かつ0.24以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー10のコア部102は、0.18以上かつ0.22以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー10のコア部102は、0.185以上かつ0.215以下の開口数NAを有する。
【0038】
図1および
図2に描写される光ファイバー10の実施形態では、光ファイバー10のコア部102は、1以上かつ3以下のコアアルファ(α)で徐々に変化する相対屈折率プロファイル(Δ
C)を有する。いくつかの実施形態では、コア部102のαは、1.5以上かつ2.5以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102のαは、1.9以上かつ2.3以下である。コア部102の徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cは、アップドーパントの相対屈折率プロファイル(Δ
C1)と、減衰ドーパント(Δ
C2)の相対屈折率プロファイルの累積であり得る。つまり、コア部102におけるアップドーパントの濃度によって、
図2に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C1がもたらされ、コア部102における減衰ドーパントの濃度によって、
図2に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C2がもたらされ、コア部102の相対屈折率プロファイルΔ
Cは、Δ
C1とΔ
C2の累積である。例えば、実施形態では、Δ
C=Δ
C1+Δ
C2である。
【0039】
依然として
図1および
図2を参照すると、光ファイバー10のクラッド部103は、コア部102に直接隣接し、直接接触している。クラッド部103の内半径は、コア部の半径r
Cに等しい。
【0040】
図1および
図2に描写される光ファイバー10の実施形態では、クラッド部103の相対屈折率Δ
OCは、純粋シリカに対して、0%以上かつ0.8%以下である。実施形態では、クラッド部103の相対屈折率Δ
OCは、0.1%超かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、クラッド部103の相対屈折率Δ
OCは、0.2%以上かつ0.7%以下、例えば、0.2%以上かつ0.4%以下、または0.5%以上かつ0.7%以下である。
【0041】
実施形態では、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxとクラッド部103の相対屈折率ΔOCの差(すなわち、ΔCmax-ΔOC)は、0.6%以上かつ1.5%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、ΔCmax-ΔOCは、0.8%以上かつ1.4%以下、さらには0.9%以上かつ1.2%以下である。
【0042】
依然として
図1および
図2を参照すると、クラッド部103は、純粋シリカガラスの相対屈折率Δ
0よりも大きい相対屈折率Δ
OCを有し、それにより、Δ
0と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。この屈折率の差異を達成するために、クラッド部103は、クラッド部103のシリカガラスの屈折率を増加させるのに十分な量の減衰ドーパントを含むシリカガラスから形成されている。実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、クラッド部103の径方向の厚さに沿って一定である。他の実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、クラッド部103の径方向の厚さに沿ってわずかに減少する。本明細書で使用する場合、用語「わずかに減少する」は、35マイクロメートル以上かつ55マイクロメートル以下の半径に対応する、クラッド部103に沿った半径方向距離を横切って0.1%以下のΔ
OCの減少を指す。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、クラッド部103中の減衰ドーパントは、光ファイバー10のコア部102中に存在する減衰ドーパントと同じであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、コア部102およびクラッド部103中の減衰ドーパントは、TiO
2である。
【0043】
クラッド部103中の減衰ドーパントがTiO2を含む実施形態では、クラッド部103におけるTiO2の濃度は、0.2重量%以上である。いくつかの実施形態では、クラッド部103におけるTiO2の濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには2.0重量%以上である。さらに他の実施形態では、クラッド部103におけるTiO2の濃度は、3.0重量%以上、さらには4.0重量%以上である。
【0044】
本明細書に記載される実施形態では、クラッド部103における減衰ドーパントの濃度は、クラッド部103の相対屈折率ΔOCが0.1%以上かつ1.0%以下になるように、クラッド部103のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、クラッド部103の相対屈折率ΔOCは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、クラッド部103の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、クラッド部103の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、クラッド部103の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、クラッド部103の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.5%以下である。
【0045】
実施形態では、光ファイバー10は、850nmの波長でマルチモードである。実施形態では、光ファイバー10は、850nmで0.5dB/m以上の減衰を有する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、光ファイバー10は、850nmで1.0dB/m以上の減衰を有する。例えば、いくつかの実施形態では、850nmでの減衰は、5dB/m以上、さらには7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、850nmでの減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0046】
実施形態では、光ファイバー10は、800nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードであり、例えば、光ファイバー10は、800nmと1000nmの間、または800nmと900nmの間の波長に対してマルチモードであり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバー10は、1250nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードである。光ファイバー10は、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対して、0.5dB/m以上の減衰を有し得る。実施形態では、光ファイバー10は、800nmと1000nmの間の波長に対して、0.5dB/m以上、例えば1.0dB/m以上の減衰を有する。いくつかの実施形態では、減衰は、5dB/m以上、さらには、7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0047】
依然として
図1および
図2を参照して、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の直径30mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径30mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB未満、例えば0.4dB以下、0.3dB以下、またはさらには0.2dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の20mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径20mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB以下であり、1300nmにおける20mm曲げ損失は、1.0dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の直径15mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径15mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、1.0dB未満、例えば0.8dB以下、0.6dB以下、さらには0.4dB以下である。例えば、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の直径15mmの曲げ損失は、0.3dB以下であり、1300nmにおける直径15mmの曲げ損失は、0.8dB以下である。
【0048】
図1および
図2では、クラッド部103のみがコア部102の周囲に位置づけられた光ファイバー10が描写されているが、
図3および
図4に関してさらに詳細に記載されるように、クラッド部は、コア部102とクラッド部103の間に配設された低屈折率トレンチと、外側クラッドと、を含み得ることを理解されたい。
【0049】
図3および
図4を参照すると、減衰器とともに使用するための光ファイバー11の実施形態の径方向断面(
図3)および相対屈折率プロファイル(
図4)が、図式的に描写されている。光ファイバー11は概して、
図1および
図2に関して本明細書に記載されるコア部102およびクラッド部103を含む。しかしながら、光ファイバー11のこの実施形態では、クラッド部103は、低屈折率トレンチ106および外側クラッド108をさらに含む。光ファイバー11のこれらの実施形態では、コア部102は、クラッド部103によって囲繞されており、最大相対屈折率Δ
Cmax(純粋シリカガラスに対する)を有する。コア部102とクラッド部103は、光ファイバー11の断面が、コア部102の中心に対して略円形対称であるように、同心である。低屈折率トレンチ106は、コア部102を囲繞し、かつコア部102に直接接触しており、相対屈折率Δ
T(純粋シリカガラスに対する)を有する。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞し、かつ低屈折率トレンチ106に直接接触しており、相対屈折率Δ
OC(純粋シリカガラスに対する)を有する。つまり、低屈折率トレンチ106および外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106がコア部102と外側クラッド108の間に配設されるように配置されている。用語「低屈折率トレンチ」は、本明細書で使用する場合、径方向断面において、相対的により高い屈折率を有する領域によって囲繞された光ファイバーの領域を指す。つまり、
図3および
図4に描写される光ファイバー11の実施形態では、Δ
Cmax>Δ
OC>Δ
Tである。
【0050】
依然として
図3および
図4を参照すると、コア部102は、半径r
Cを有している。低屈折率トレンチ106は、コア部102を囲繞し、低屈折率トレンチが径方向の厚さT
T=r
T-r
Cを有するように、半径r
Cから半径r
Tまで延在している。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞し、外側クラッド108がT
OC=r
OC-r
Tの径方向の厚さを有するように、半径r
Tから半径r
OCまで延在している。したがって、光ファイバー11のガラス部(例えば、コア部102、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108)は、2r
OCの直径を有し得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11のガラス部の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11のガラス部の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11のガラス部の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0051】
図3および
図4に描写される光ファイバー11のコア部102の半径r
Cは、最小半径と定義され、ここで、コア部102の相対屈折率プロファイル(すなわち、
図4のΔ
C)の接線は、ゼロデルタ線(Δ
0)と交差する。
図3および
図4に描写される光ファイバー11の実施形態では、コア部102の半径r
Cは、22マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の半径r
Cは、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、例えば、23.5マイクロメートル以上かつ27.5マイクロメートル以下である。
【0052】
実施形態では、光ファイバー11のコア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.6%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.4%以下、さらには0.8%以上かつ1.2%以下である。いくつかの実施形態では、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.9%以上かつ1.1%以下である。
【0053】
コア部102において0.8%を超える最大相対屈折率ΔCmax値を得るために、光ファイバー11のコア部102に、1種以上の減衰ドーパントの代わりに、または1種以上の減衰ドーパントに加えて、シリカガラスの屈折率を増加させる1種以上のアップドーパントを、屈折率が増加するようにドープしてもよい。好適なアップドーパントとしては、GeO2、Al2O3、P2O5、TiO2、ClおよびBrなどが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、コア部102に16.4重量%のGeO2を、屈折率が増加するようにドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102に、7重量%以上かつ20重量%以下のGeO2を最高濃度としてGeO2を、屈折率が増加するようにドープする。コア部102におけるGeO2の濃度は、GeO2の濃度が半径rCにおいて最も低く、半径rCからコア部102の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。好適な減衰ドーパントとしては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、タングステン、またはタンタルを含む遷移金属の酸化物などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの減衰ドーパントの酸化数は、1以上、例えばTi(+4および/または+3)、V(+5および/または+4および/または+3および/または+2)、Cr(+6および/または+3および/または+2)、Mn(+7および/または+6および/または+4および/または+3および/または+2)、Fe(+3および/または+2)、Co(+3および/または+2)、Ni(+3および/または+2)、Cu(+2および/または+1)などであり得る。例えば、コア部102に6.0重量%のTiO2をドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102には、0.5重量%以上かつ15重量%以下を最高濃度として、TiO2をドープする。実施形態では、コア部102における減衰ドーパントの濃度がコア部102の中心線CLからコア部102の半径rCまで略一定であるように、コア部102に減衰ドーパントがドープされている。
【0054】
光ファイバー11を含む光減衰器は、主に光ファイバー11のコア部102をとおして光信号を伝搬させることが理解されよう。したがって、減衰ドーパントは光ファイバー11のコア部102にドープされ、それによって光信号が減衰され、光減衰器から平衡光信号出力が提供されるようになる。
【0055】
実施形態では、
図3および
図4に描写される光ファイバー11のコア部102は、0.15以上かつ0.25以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー11のコア部102は、0.16以上かつ0.24以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー11のコア部102は、0.18以上かつ0.22以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー11のコア部102は、0.185以上かつ0.215以下の開口数NAを有する。
【0056】
図3および
図4に描写される光ファイバー11の実施形態では、光ファイバー11のコア部102は、コア部102の中心線C
LにおけるΔ
Cmaxから、コア部102の半径r
CにおけるΔ
C2までのびる、徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cを有する。また、Δ
C2は、Δ
0よりも大きく、中心線C
Lからr
Cまで一定である。徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cは、1以上かつ3以下のコアアルファ(α)を有する。いくつかの実施形態では、コア部102のαは、1.5以上かつ2.5以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102のαは、1.9以上かつ2.3以下である。コア部102の徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cは、アップドーパント(Δ
C1)の相対屈折率プロファイルと、減衰ドーパント(Δ
C2)の相対屈折率プロファイルの累積であり得る。つまり、コア部102におけるアップドーパントの濃度によって、
図4に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C1がもたらされ、コア部102における減衰ドーパントの濃度によって、
図4に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C2がもたらされ、コア部102の相対屈折率プロファイルΔ
Cは、Δ
C1とΔ
C2の累積である。例えば、実施形態では、Δ
C=Δ
C1+Δ
C2である。
【0057】
依然として
図3および
図4を参照すると、低屈折率トレンチ106は、コア部102に直接隣接し、直接接触している。低屈折率トレンチの内半径は、コア部102の半径r
Cに等しく、低屈折率トレンチ106の外半径(すなわち、低屈折率トレンチ106の半径r
T)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径の低屈折率トレンチの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図4)の接線が、ゼロデルタ線(Δ
0)と交差する、径方向の最も外側にある点と定義される。
【0058】
図3に描写される実施形態では、低屈折率トレンチ106の半径r
Tは、25マイクロメートル以上であり、これによって、光ファイバー11の屈曲性能が改善される。実施形態では、半径r
Tは、26マイクロメートル以上かつ35マイクロメートル以下などの、26マイクロメートル以上かつ40マイクロメートル以下である。
【0059】
実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、1マイクロメートル以上かつ15マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、2マイクロメートル以上かつ10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、2マイクロメートル以上かつ8マイクロメートル以下、さらには2マイクロメートル以上かつ7マイクロメートル以下である。
【0060】
本明細書に述べられるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、コア部102の最大相対屈折率Δ
Cmaxより小さく、かつ外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCより小さい。本明細書に記載される実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、一般的に、純粋シリカガラスに対して0.6%以下かつ-0.6%以上である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0.3%以下かつ-0.3%以上、0.1%以下かつ-0.1%以上、さらに0.05%以下かつ-0.05%以上である。例えば、いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106は、純粋シリカガラスでできており、
図4に描写されるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0%である。他の実施形態では、低屈折率トレンチ106は、
図5に描写されるように、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.01%以上かつ1.0%以下になるように減衰ドーパント、例えば、TiO
2がドープされたシリカガラスでできている。例えば、低屈折率トレンチ106は、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.05%以上かつ0.5%以下になるように減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできていてもよい。代わりに、またはこれに加えて、低屈折率トレンチ106に、ダウンドーパント、例えば、これに限定されることはないが、フッ素をドープしてもよい。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、本質的に平坦である。すなわち、低屈折率トレンチ106内の任意の2つの半径における相対屈折率Δ
T間の差は、0.1%未満、さらには0.05%未満である。他の実施形態では低屈折率トレンチ106は、小さいプロファイル設計または工程ばらつきの結果として、相対屈折率Δ
Tに小さい変動を有し得る。
【0061】
光ファイバーの特定のガラス部の径方向厚さは、その特定のガラス部の相対屈折率と相互関係を持ち得る。具体的には、相対屈折率Δi%(外側クラッドに対して)、内半径Rinおよび外半径Routを有するガラス部iは、
【0062】
【0063】
と定義されるトレンチ体積Viを有し得、
これは、長方形のトレンチの場合、
【0064】
【0065】
と書くことができる。
したがって、低屈折率トレンチ106は、
【0066】
【0067】
のトレンチ体積VTを有し得る。
【0068】
良好な屈曲性能を達成するためには、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、20%Δ-マイクロメートル2よりも大きいことが好ましい。実施形態では、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上、さらには40%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、50%Δ-マイクロメートル2以上、さらには60%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチの体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上かつ120%Δ-マイクロメートル2以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチの体積|VT|は、40%Δ-マイクロメートル2以上かつ100%Δ-マイクロメートル2以下である。
【0069】
依然として
図3および
図4を参照すると、外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106に直接隣接し、直接接触している。つまり、外側クラッド108の内半径は、低屈折率トレンチ106の半径r
Tに等しく、外側クラッド108の外半径(すなわち、外側クラッド108の半径r
OC)は、光ファイバーのガラス部の外半径として定義される。
図3に描写される実施形態では、外側クラッド108の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11の外側クラッド108の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11の外側クラッド108の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0070】
図3および
図4に描写される光ファイバー11の外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きい相対屈折率Δ
OCを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。
図1および
図2に描写される光ファイバー10のクラッド部103に関して本明細書に記載されるように、外側クラッド108には、減衰ドーパント、例えば、TiO
2を、屈折率が増加するようにドープしてもよい。
【0071】
外側クラッド108中の減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、0.2重量%以上である。いくつかの実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108におけるTiO2の濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。
【0072】
本明細書に記載される実施形態では、外側クラッド108における減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCが0.1%以上かつ1.0%以下になるように、外側クラッド108のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.5%以下である。
【0073】
実施形態では、光ファイバー11は、850nmの波長でマルチモードである。実施形態では、光ファイバー10は、850nmで0.5dB/m以上の減衰を有する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、光ファイバー11は、850nmで1.0dB/m以上の減衰を有する。例えば、いくつかの実施形態では、850nmでの減衰は、5dB/m以上、さらには7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、850nmでの減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0074】
実施形態では、光ファイバー11は、800nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードであり、例えば、光ファイバー11は、800nmと1000nmの間、または800nmと900nmの間の波長に対してマルチモードであり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバー11は、1250nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードである。光ファイバー11は、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対して、0.5dB/m以上の減衰を有し得る。実施形態では、光ファイバー11は、800nmと1000nmの間の波長に対して、0.5dB/m以上、例えば1.0dB/m以上の減衰を有する。いくつかの実施形態では、減衰は、5dB/m以上、さらには、7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0075】
依然として
図3および
図4を参照して、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー11の直径30mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径30mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB未満、例えば0.4dB以下、0.3dB以下、またはさらには0.2dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の20mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径20mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB以下であり、1300nmにおける20mm曲げ損失は、1.0dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー11の直径15mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径15mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、1.0dB未満、例えば0.8dB以下、0.6dB以下、さらには0.4dB以下である。例えば、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー11の直径15mmの曲げ損失は、0.3dB以下であり、1300nmにおける直径15mmの曲げ損失は、0.8dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の直径5×10mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを、直径10mmのマンドレルに5周巻いたとき)は、2.0dB未満、例えば1.8dB以下であり、いくつかの実施形態では、1.6dB以下、さらには1.4dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー11の2×10mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径10mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.8dB以下であり、1300nmにおける10mmの2周曲げ損失は、1.5dB以下である。
【0076】
図3および
図4では、クラッド部103が、コア部の周囲に位置づけられた低屈折率トレンチおよび外側クラッドを含む光ファイバー11が描写されているが、クラッド部は、低屈折率トレンチとコア部の間に配設された内側クラッドをさらに含み得ることを理解されたい。例えば、
図6は、コア部と低屈折率トレンチの間に配設された内側クラッドを含む光ファイバー12の軸方向断面を図式的に描写したものである。
図7は、軸方向中心線C
Lからの光ファイバーの半径Rの関数としての、
図6の光ファイバー12の相対屈折率プロファイルをグラフで描写したものである。
【0077】
図6および
図7を参照すると、光ファイバー12は、先に記載したように、概してコア部102およびクラッド部103を含む。この実施形態では、クラッド部103は、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108を含む。コア部102は、クラッド部103の内側に位置づけられ、最大相対屈折率Δ
Cmax(純粋(すなわち、ドープされていない)シリカガラスに対する)を有する。コア部102とクラッド部103は、光ファイバー12の断面が、コア部102の中心に対して略円形対称であるように、同心である。内側クラッド104は、コア部102を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
IC(純粋シリカガラスに対する)を有する。低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
T(純粋シリカガラスに対する)を有する。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
OC(純粋シリカガラスに対する)を有する。つまり、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108は、内側クラッド104がコア部102と低屈折率トレンチ106の間に配設され、低屈折率トレンチ106が内側クラッド104と外側クラッド108の間に配設されるように配置されている。
図6および
図7に描写される光ファイバー12の実施形態では、Δ
Cmax>Δ
ICであり、Δ
Cmax>Δ
OCであり、Δ
IC>Δ
Tであり、Δ
Cmax>Δ
IC>Δ
Tであり、Δ
Cmax>Δ
OC>Δ
Tである。
【0078】
依然として
図6および
図7を参照すると、コア部102は、半径r
Cを有している。内側クラッド104は、コア部102を囲繞し、内側クラッド104が径方向の厚さT
IC=r
IC-r
Cを有するように、半径r
Cから半径r
ICまで延在している。低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104を囲繞し、低屈折率トレンチが径方向の厚さT
T=r
T-r
ICを有するように、半径r
ICから半径r
Tまで延在している。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞していてもよく、外側クラッド108がT
OC=r
OC-r
Tの径方向の厚さを有するように、半径r
Tから半径r
OCまで延在していてもよい。したがって、光ファイバー12のガラス部(例えば、コア部102、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108)は、2r
OCの直径を有し得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12のガラス部の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12のガラス部の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12のガラス部の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0079】
図6および
図7に描写される光ファイバー12のコア部102の半径r
Cは、最小半径と定義され、ここで、コア部102の相対屈折率プロファイル(すなわち、
図7のΔ
C)の接線は、
図7に描写されるΔ
IC線と交差する。
図6および
図7に描写される光ファイバー12の実施形態では、コア部102の半径r
Cは、22マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の半径r
Cは、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、例えば、23.5マイクロメートル以上かつ27.5マイクロメートル以下である。
【0080】
実施形態では、光ファイバー12のコア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.6%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.4%以下、さらには0.8%以上かつ1.2%以下である。いくつかの実施形態では、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.9%以上かつ1.1%以下である。
【0081】
コア部102において0.1%を超える最大相対屈折率ΔCmax値を得るために、光ファイバー12のコア部102に、1種以上の減衰ドーパントの代わりに、または1種以上の減衰ドーパントに加えて、シリカガラスの屈折率を増加させる1種以上のアップドーパントを、屈折率が増加するようにドープしてもよい。好適なアップドーパントとしては、GeO2、Al2O3、P2O5、TiO2、ClおよびBrなどが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、コア部102に16.4重量%のGeO2を、屈折率が増加するようにドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102に、7重量%以上かつ20重量%以下のGeO2を最高濃度としてGeO2を、屈折率が増加するようにドープする。コア部102におけるGeO2の濃度は、GeO2の濃度が半径rCにおいて最も低く、半径rCからコア部102の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。好適な減衰ドーパントとしては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、タングステン、またはタンタルを含む遷移金属の酸化物などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの減衰ドーパントの酸化数は、1以上、例えばTi(+4および/または+3)、V(+5および/または+4および/または+3および/または+2)、Cr(+6および/または+3および/または+2)、Mn(+7および/または+6および/または+4および/または+3および/または+2)、Fe(+3および/または+2)、Co(+3および/または+2)、Ni(+3および/または+2)、Cu(+2および/または+1)などであり得る。例えば、コア部102に6.0重量%のTiO2をドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102には、0.5重量%以上かつ15重量%以下を最高濃度として、TiO2をドープする。実施形態では、コア部102における減衰ドーパントの濃度がコア部102の中心線CLからコア部102の半径rCまで略一定であるように、コア部102に減衰ドーパントがドープされている。
【0082】
光ファイバー12を含む光減衰器は、主に光ファイバー12のコア部102をとおして光信号を伝搬させることが理解されよう。したがって、減衰ドーパントは光ファイバー12のコア部102にドープされ、それによって光信号が減衰され、光減衰器から平衡光信号出力が提供されるようになる。
【0083】
実施形態では、
図6および
図7に描写される光ファイバー12のコア部102は、0.15以上かつ0.25以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.16以上かつ0.24以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.18以上かつ0.22以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.185以上かつ0.215以下の開口数NAを有する。
【0084】
図6および
図7に描写される光ファイバー12のこれらの実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、コア部102の中心線C
LにおけるΔ
Cmaxから、コア部102の半径r
CにおけるΔ
C2までのびる、徐々に変化する相対屈折率プロファイル(Δ
C)を有する。また、Δ
C2は、Δ
0よりも大きく、中心線C
Lからr
Cまで一定である。実施形態では、コア部102は、1以上かつ3以下のコアアルファ(α)を有する。いくつかの実施形態では、コア部102のαは、1.5以上かつ2.5以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102のαは、1.9以上かつ2.3以下である。コア部102の徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cは、アップドーパント(Δ
C1)の相対屈折率プロファイルと、減衰ドーパント(Δ
C2)の相対屈折率プロファイルの累積であり得る。つまり、コア部102におけるアップドーパントの濃度によって、
図7に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C1がもたらされ、コア部102における減衰ドーパントの濃度によって、
図7に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C2がもたらされ、コア部102の相対屈折率プロファイルΔ
Cは、Δ
C1とΔ
C2の累積である。例えば、実施形態では、Δ
C=Δ
C1+Δ
C2である。他の実施形態では、Δ
C<Δ
C1+Δ
C2である。さらに他の実施形態では、Δ
C>Δ
C1+Δ
C2である。
【0085】
依然として
図6および
図7を参照すると、内側クラッド104は、コア部102に直接隣接し、直接接触している。内側クラッド104の内半径は、コア部102の半径r
Cに等しく、内側クラッド104の外半径(すなわち、内側クラッド104の半径r
IC)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径の低屈折率トレンチの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図7)の接線が、ゼロデルタ線(Δ
0)に交差する、径方向の最も内側にある点と定義される。
【0086】
図6に描写される実施形態では、内側クラッド104の半径r
ICは、23マイクロメートル以上である。実施形態では、半径r
ICは、24マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下などの、23マイクロメートル以上かつ30マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の半径r
ICは、25マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、さらには25マイクロメートル以上かつ27マイクロメートル以下である。
【0087】
実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、0.5マイクロメートル以上かつ5マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、1マイクロメートル以上かつ4マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、1マイクロメートル以上かつ3マイクロメートル以下である。
【0088】
図6および
図7に描写される光ファイバー12の内側クラッド104は、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きい相対屈折率Δ
ICを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。この実施形態では、
図1および
図2に描写される光ファイバー10のクラッド部103に関して本明細書に記載されるように、内側クラッド104には、減衰ドーパント、例えば、TiO
2を、屈折率が増加するようにドープしてもよい。
【0089】
減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、内側クラッド104におけるTiO2濃度は、0.2重量%以上である。いくつかの実施形態では、クラッド部103におけるTiO2の濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104におけるTiO2の濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、内側クラッド104におけるTiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。
【0090】
本明細書に記載される実施形態では、内側クラッド104における減衰ドーパントの濃度は、内側クラッド104の相対屈折率ΔICが0.1%以上かつ1.0%以下になるように、内側クラッド104のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、内側クラッド104の相対屈折率ΔICは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の相対屈折率ΔICは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、内側クラッド104の相対屈折率ΔICは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、内側クラッド104の相対屈折率ΔICは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、内側クラッド104の相対屈折率ΔICは、0.3%以上かつ0.5%以下である。
【0091】
依然として
図6および
図7を参照すると、低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104に直接隣接し、直接接触している。低屈折率トレンチ106の内半径は、内側クラッド104の半径r
ICに等しく、低屈折率トレンチ106の外半径(すなわち、低屈折率トレンチ106の半径r
T)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径の低屈折率トレンチの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図7)の接線が、ゼロデルタ線(Δ
0)に交差する、径方向の最も外側にある点と定義される。
【0092】
図6に描写される実施形態では、低屈折率トレンチ106の半径r
Tは、25マイクロメートル以上であり、これによって、光ファイバー11の屈曲性能が改善される。実施形態では、半径r
Tは、26マイクロメートル以上かつ35マイクロメートル以下などの、26マイクロメートル以上かつ40マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチ106の半径r
Tは、26マイクロメートル以上かつ33マイクロメートル以下、さらには26マイクロメートル以上かつ32マイクロメートル以下である。
【0093】
実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、1マイクロメートル以上かつ15マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、2マイクロメートル以上かつ10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、2マイクロメートル以上かつ8マイクロメートル以下、さらには2マイクロメートル以上かつ7マイクロメートル以下である。
【0094】
本明細書に述べられるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、コア部102の最大相対屈折率Δ
Cmax、内側クラッド104の相対屈折率Δ
IC、および外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCより小さい(すなわち、Δ
T<Δ
Cmaxであり、Δ
T<Δ
ICであり、Δ
T<Δ
OCである)。本明細書に記載される実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、一般的に、純粋シリカガラスに対して0.6%以下かつ-0.6%以上である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0.3%以下かつ-0.3%以上、0.1%以下かつ-0.1%以上、さらに0.05%以下かつ-0.05%以上である。例えば、いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106は、純粋シリカガラスでできており、
図7に描写されるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0%である。他の実施形態では、低屈折率トレンチ106は、
図5に関して上述されるように、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.01%以上かつ1.0%未満になるように減衰ドーパント、例えば、TiO
2がドープされたシリカガラスでできている。例えば、低屈折率トレンチ106は、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.05%以上かつ0.5%以下になるように減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできてい得る。代わりに、またはこれに加えて、低屈折率トレンチ106に、ダウンドーパント、例えば、これに限定されることはないが、フッ素をドープしてもよい。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、本質的に平坦である。すなわち、低屈折率トレンチ106内の任意の2つの半径における相対屈折率Δ
T間の差は、0.1%未満、さらには0.05%未満である。他の実施形態では低屈折率トレンチ106は、小さいプロファイル設計または工程ばらつきの結果として、相対屈折率Δ
Tに小さい変動を有し得る。
【0095】
良好な屈曲性能を達成するためには、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、20%Δ-マイクロメートル2よりも大きいことが好ましい。実施形態では、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上、さらには40%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、50%Δ-マイクロメートル2以上、さらには60%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチの体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上かつ120%Δ-マイクロメートル2以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチの体積|VT|は、40%Δ-マイクロメートル2以上かつ100%Δ-マイクロメートル2以下である。
【0096】
依然として
図6および
図7を参照すると、外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106に直接隣接し、直接接触している。つまり、外側クラッド108の内半径は、低屈折率トレンチ106の半径r
Tに等しく、外側クラッド108の外半径(すなわち、外側クラッド108の半径r
OC)は、光ファイバーのガラス部の外半径として定義される。
図6に描写される実施形態では、外側クラッド108の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0097】
図6および
図7に描写される光ファイバー12の外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きい相対屈折率Δ
OCを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の径方向の厚さに沿って一定である。他の実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の径方向の厚さに沿ってわずかに減少する。
図1および
図2に描写される光ファイバー10のクラッド部103に関して本明細書に記載されるように、外側クラッド108には、減衰ドーパント、例えば、TiO
2を、屈折率が増加するようにドープしてもよい。
【0098】
外側クラッド108中の減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、外側クラッド108中のTiO2濃度は、0.2重量%以上である。いくつかの実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108におけるTiO2の濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、内側クラッド104におけるTiO2濃度に略等しい。
【0099】
本明細書に記載される実施形態では、外側クラッド108における減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCが0.1%以上かつ1.0%以下になるように、外側クラッド108のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.5%以下である。いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、内側クラッド104における相対屈折率ΔICに略等しい。他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、全体的に、内側クラッド104における相対屈折率ΔICよりも低い。さらに他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、全体的に、内側クラッド104における相対屈折率ΔICよりも高い。
【0100】
実施形態では、光ファイバー12は、850nmの波長でマルチモードである。実施形態では、光ファイバー12は、850nmで0.5dB/m以上の減衰を有する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、光ファイバー12は、850nmで1.0dB/m以上の減衰を有する。例えば、いくつかの実施形態では、850nmでの減衰は、5dB/m以上、さらには7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、850nmでの減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0101】
実施形態では、光ファイバー12は、800nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードであり、例えば、光ファイバー12は、800nmと1000nmの間、または800nmと900nmの間の波長に対してマルチモードであり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバー12は、1250nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードである。光ファイバー12は、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対して、0.5dB/m以上の減衰を有し得る。実施形態では、光ファイバー12は、800nmと1000nmの間の波長に対して、0.5dB/m以上、例えば1.0dB/m以上の減衰を有する。いくつかの実施形態では、減衰は、5dB/m以上、さらには、7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0102】
依然として
図6および
図7を参照して、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径30mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径30mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB未満、例えば0.4dB以下、0.3dB以下、またはさらには0.2dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の20mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径20mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB以下であり、1300nmにおける20mm曲げ損失は、1.0dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径15mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径15mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、1.0dB未満、例えば0.8dB以下、0.6dB以下、さらには0.4dB以下である。例えば、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径15mmの曲げ損失は、0.3dB以下であり、1300nmにおける直径15mmの曲げ損失は、0.8dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー10の直径5×10mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを、直径10mmのマンドレルに5周巻いたとき)は、2.0dB未満、例えば1.8dB以下であり、いくつかの実施形態では、1.6dB以下、さらには1.4dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の2×10mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径10mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.8dB以下であり、1300nmにおける10mmの2周曲げ損失は、1.5dB以下である。
【0103】
図1から
図7には、コア部の中心線C
Lからコア部の半径r
Cまで一定の濃度で減衰ドーパントを含むコア部を有する光ファイバー10、光ファイバー11、および光ファイバー12が描写されているが、コア部は、コア部における減衰ドーパントの濃度が半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する濃度で減衰ドーパントを含み得ることを理解されたい。例えば、
図8には、コア部における減衰ドーパントの濃度が半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部の中心線に向かう方向に沿って上昇するコア部を含む、
図6に描写される光ファイバー12の相対屈折率プロファイルが図式的に描写されている。
【0104】
図6および
図8を参照すると、この実施形態の光ファイバー12は、先に記載したように、概してコア部102およびクラッド部103を含む。この実施形態では、クラッド部103は、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108を含む。コア部102は、クラッド部103の内側に位置づけられ、最大相対屈折率Δ
Cmax(純粋シリカガラスに対する)を有する。コア部102とクラッド部103は、光ファイバー12の断面が、コア部102の中心に対して略円形対称であるように、同心である。内側クラッド104は、コア部102を囲繞し、かつ直接接触しており、徐々に変化する相対屈折率Δ
IC(純粋シリカガラスに対する)を有する。低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
T(純粋シリカガラスに対する)を有する。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
OC(純粋シリカガラスに対する)を有する。つまり、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108は、内側クラッド104がコア部102と低屈折率トレンチ106の間に配設され、低屈折率トレンチ106が内側クラッド104と外側クラッド108の間に配設されるように配置されている。
図6および
図8に描写される光ファイバー12の実施形態では、Δ
Cmax>Δ
ICであり、Δ
Cmax>Δ
OCであり、Δ
IC≧Δ
Tであり、Δ
Cmax>Δ
IC≧Δ
Tであり、Δ
Cmax>Δ
OC>Δ
Tである。
【0105】
依然として
図6および
図8を参照すると、コア部102は、半径r
Cを有している。内側クラッド104は、コア部102を囲繞し、内側クラッド104が径方向の厚さT
IC=r
IC-r
Cを有するように、半径r
Cから半径r
ICまで延在している。低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104を囲繞し、低屈折率トレンチが径方向の厚さT
T=r
T-r
ICを有するように、半径r
ICから半径r
Tまで延在している。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞していてもよく、外側クラッドがT
OC=r
OC-r
Tの径方向の厚さを有するように、半径r
Tから半径r
OCまで延在していてもよい。したがって、光ファイバー11のガラス部(例えば、コア部102、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108)は、2r
OCの直径を有し得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11のガラス部の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11のガラス部の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー11のガラス部の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0106】
図6および
図8に描写される光ファイバー12のコア部102の半径r
Cは、最小半径と定義され、ここで、コア部102の相対屈折率プロファイル(すなわち、
図8のΔ
C)の接線が、半径r
OCにおける相対屈折率Δ
OCからコア部102の中心線C
Lに向かう方向にのびる傾斜のない線と交差する。
図6および
図8に描写される光ファイバーの実施形態では、コア部102の半径r
Cは、22マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の半径r
Cは、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、例えば、23.5マイクロメートル以上かつ27.5マイクロメートル以下である。
【0107】
実施形態では、光ファイバー12のコア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.6%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.4%以下、さらには0.8%以上かつ1.2%以下である。いくつかの実施形態では、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.9%以上かつ1.1%以下である。
【0108】
コア部102において0.8%を超える最大相対屈折率ΔCmax値を得るために、光ファイバー12のコア部102に、1種以上の減衰ドーパントの代わりに、または1種以上の減衰ドーパントに加えて、シリカガラスの屈折率を増加させる1種以上のアップドーパントを、屈折率が増加するようにドープしてもよい。好適なアップドーパントとしては、GeO2、Al2O3、P2O5、TiO2、Cl、およびBrなどが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、コア部102に16.4重量%のGeO2を、屈折率が増加するようにドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当する。実施形態では、コア部102に、7重量%以上かつ20重量%以下のGeO2を最高濃度として、GeO2を、屈折率が増加するようにドープする。コア部102におけるGeO2の濃度は、コア部102におけるGeO2の濃度が半径rCにおいて最も低く、半径rCからコア部102の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。好適な減衰ドーパントとしては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、タングステン、またはタンタルを含む遷移金属の酸化物などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの減衰ドーパントの酸化数は、1以上、例えばTi(+4および/または+3)、V(+5および/または+4および/または+3および/または+2)、Cr(+6および/または+3および/または+2)、Mn(+7および/または+6および/または+4および/または+3および/または+2)、Fe(+3および/または+2)、Co(+3および/または+2)、Ni(+3および/または+2)、Cu(+2および/または+1)などであり得る。例えば、コア部102に6.0重量%のTiO2をドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当し、コア部102には、0.5重量%以上かつ15重量%以下のTiO2を最高濃度として、TiO2をドープしてもよい。実施形態では、コア部102における減衰ドーパントの濃度が徐々に変化し、コア部102における減衰ドーパントの濃度が、半径rCにおいて最も低く、半径rCからコア部102の中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように、コア部102に減衰ドーパントがドープされている。
【0109】
図6および
図8に描写される光ファイバー12を含む光減衰器は、主に光ファイバー12のコア部102をとおして光信号を伝搬させることが理解されよう。したがって、減衰ドーパントは光ファイバー12のコア部102にドープされ、それによって光信号が減衰され、光減衰器から平衡光信号出力が提供されるようになる。
【0110】
実施形態では、
図6および
図8に描写される光ファイバー12のコア部102は、0.15以上かつ0.25以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.16以上かつ0.24以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.18以上かつ0.22以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.185以上かつ0.215以下の開口数NAを有する。
【0111】
図6および
図8に描写される光ファイバー12のこれらの実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、コア部102の中心線C
LにおけるΔ
Cmaxから、コア部102の半径r
CにおけるΔ
OCに等しい相対屈折率値までのびる、徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cを有する。実施形態では、徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cは、1以上かつ3以下のコアアルファ(α)を有する。いくつかの実施形態では、コア部102のαは、1.5以上かつ2.5以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102のαは、1.9以上かつ2.3以下である。コア部102の徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cは、アップドーパントΔ
C1の相対屈折率プロファイルと、減衰ドーパントΔ
C2の相対屈折率プロファイルの累積であり得る。つまり、コア部102におけるアップドーパントの濃度によって、
図8に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C1がもたらされ、コア部102における減衰ドーパントの濃度によって、
図8に描写される相対屈折率プロファイルΔ
C2がもたらされ、コア部102の相対屈折率プロファイルΔ
Cは、Δ
C1とΔ
C2の累積である。例えば、実施形態では、Δ
C=Δ
C1+Δ
C2である。
【0112】
図6および
図8に描写される光ファイバー12が、中心線C
LにおけるΔ
Cmaxからr
CにおけるΔ
OCまでのびる徐々に変化する相対屈折率プロファイルを有するコア部102を含むことを、理解されたい。その一方、かつ本明細書に述べられるように、
図3および
図4に描写される光ファイバー11は、コア部102の中心線C
LにおけるΔ
Cmaxから、コア部102の半径r
CにおけるΔ
C2までのびる、徐々に変化する相対屈折率プロファイルを有するコア部102を含む。また、
図3および
図4に描写される光ファイバー11に関しては、Δ
C2は、Δ
0よりも大きく、中心線C
Lからr
Cまで一定である。
【0113】
依然として
図6および
図8を参照すると、内側クラッド104は、コア部102に直接隣接し、直接接触している。内側クラッド104の内半径は、コア部102の半径r
Cに等しく、内側クラッド104の外半径(すなわち、内側クラッド104の半径r
IC)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径における内側クラッドの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図8)の接線が、Δ=Δ
Tであるトレンチの最も内側にある半径からコア部102の中心線C
Lに向かう方向にのびる傾斜のない線と交差する半径であると定義される。
【0114】
図6および
図8に描写される実施形態では、内側クラッド104の半径r
ICは、23マイクロメートル以上である。実施形態では、半径r
ICは、24マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下などの、23マイクロメートル以上かつ30マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の半径r
ICは、25マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、さらには25マイクロメートル以上かつ27マイクロメートル以下である。
【0115】
実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、0.5マイクロメートル以上かつ5マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、1マイクロメートル以上かつ4マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、1マイクロメートル以上かつ3マイクロメートル以下である。
【0116】
図6および
図8に描写される光ファイバー12の内側クラッド104は、r
ICよりも小さい内側クラッド104内の半径においては、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きく、半径r
ICにおいては、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tに等しい徐々に変化する相対屈折率Δ
ICを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。実施形態では、内側クラッド104の徐々に変化する相対屈折率Δ
ICは、コア部102の徐々に変化する相対屈折率Δ
Cにつながる。この実施形態では、内側クラッド104には、アップドーパント、例えば、GeO
2、および減衰ドーパント、例えば、TiO
2が、屈折率が増加するようにドープされている。内側クラッド104におけるアップドーパントの濃度は、アップドーパントの濃度が半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。内側クラッド104における減衰ドーパントの濃度も、減衰ドーパントの濃度が半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。
【0117】
減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、内側クラッド104におけるTiO2濃度は徐々に変化し、半径rCにおいて、0.2重量%以上の最高濃度となる。いくつかの実施形態では、内側クラッド104における最高TiO2濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104におけるTiO2の最高濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、内側クラッド104における最高TiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。
【0118】
本明細書に記載される実施形態では、内側クラッド104における減衰ドーパントの濃度は、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔIC(例えば、半径rCにおける)が0.1%以上かつ1.0%以下になるように、内側クラッド104のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.3%以上かつ0.5%以下である。
【0119】
依然として
図6および
図8を参照すると、低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104に直接隣接し、直接接触している。低屈折率トレンチ106の内半径は、内側クラッド104の半径r
ICに等しく、低屈折率トレンチ106の外半径(すなわち、低屈折率トレンチ106の半径r
T)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径の低屈折率トレンチの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図8)の接線が、ゼロデルタ線(Δ
0)に交差する、径方向の最も外側にある点と定義される。
【0120】
図6および
図8に描写される実施形態では、低屈折率トレンチ106の半径r
Tは、25マイクロメートル以上であり、これによって、光ファイバー12の屈曲性能が改善される。実施形態では、半径r
Tは、26マイクロメートル以上かつ35マイクロメートル以下などの、26マイクロメートル以上かつ40マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の半径r
Tは、26マイクロメートル以上かつ33マイクロメートル以下、さらには26マイクロメートル以上かつ32マイクロメートル以下である。
【0121】
実施形態では、
図6および
図8に描写される光ファイバー12に関しては、低屈折率トレンチ106の低屈折率トレンチ106の径方向の厚さT
Tは、1マイクロメートル以上かつ15マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さT
Tは、2マイクロメートル以上かつ10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さT
Tは、2マイクロメートル以上かつ8マイクロメートル以下、さらには2マイクロメートル以上かつ7マイクロメートル以下である。
【0122】
本明細書に述べられるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、コア部102の最大相対屈折率Δ
Cmaxおよび外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCより小さい。本明細書に記載される実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、一般的に、純粋シリカガラスに対して0.6%以下かつ-0.6%以上である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0.3%以下かつ-0.3%以上、0.1%以下かつ-0.1%以上、さらに0.05%以下かつ-0.05%以上である。例えば、いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106は、純粋シリカガラスでできており、
図8に描写されるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0%である。他の実施形態では、低屈折率トレンチ106は、
図5に関して上述されるように、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.01%超かつ1.0%未満になるように減衰ドーパント、例えば、TiO
2がドープされたシリカガラスでできている。例えば、低屈折率トレンチ106は、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.05%以上かつ0.5%以下になるように減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできてい得る。代わりに、またはこれに加えて、低屈折率トレンチ106に、ダウンドーパント、例えば、これに限定されることはないが、フッ素をドープしてもよい。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、本質的に平坦である。すなわち、低屈折率トレンチ106内の任意の2つの半径における相対屈折率Δ
T間の差は、0.1%未満、さらには0.05%未満である。他の実施形態では低屈折率トレンチ106は、小さいプロファイル設計または工程ばらつきの結果として、相対屈折率Δ
Tに小さい変動を有し得る。
【0123】
良好な屈曲性能を達成するためには、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、20%Δ-マイクロメートル2よりも大きいことが好ましい。実施形態では、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上、さらには40%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、50%Δ-マイクロメートル2以上、さらには60%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチの体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上かつ120%Δ-マイクロメートル2以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチの体積|VT|は、40%Δ-マイクロメートル2以上かつ100%Δ-マイクロメートル2以下である。
【0124】
依然として
図6および
図8を参照すると、外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106に直接隣接し、直接接触している。つまり、外側クラッド108の内半径は、低屈折率トレンチ106の半径r
Tに等しく、外側クラッド108の外半径(すなわち、外側クラッド108の半径r
OC)は、光ファイバーのガラス部の外半径として定義される。
図8に描写される実施形態では、外側クラッド108の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0125】
図6および
図8に描写される光ファイバー12の外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きい相対屈折率Δ
OCを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の径方向の厚さに沿って一定である。他の実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の径方向の厚さに沿ってわずかに減少する。
図1および
図2に描写される光ファイバー10のクラッド部103に関して本明細書に記載されるように、外側クラッド108には、減衰ドーパント、例えば、TiO
2を、屈折率が増加するようにドープしてもよい。
【0126】
外側クラッド108中の減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、外側クラッド108中のTiO2濃度は、0.2重量%以上である。いくつかの実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108におけるTiO2の濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。
【0127】
本明細書に記載される実施形態では、外側クラッド108における減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCが0.1%以上かつ1.0%以下になるように、外側クラッド108のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.5%以下である。いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、内側クラッド104における相対屈折率ΔICに略等しい。他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、全体的に、内側クラッド104における相対屈折率ΔICよりも低い。さらに他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、全体的に、内側クラッド104における相対屈折率ΔICよりも高い。
【0128】
実施形態では、
図6および
図8に描写される光ファイバー12は、850nmの波長でマルチモードである。実施形態では、光ファイバー12は、850nmで0.5dB/m以上の減衰を有する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、光ファイバー12は、850nmで1.0dB/m以上の減衰を有する。例えば、いくつかの実施形態では、850nmでの減衰は、5dB/m以上、さらには7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、850nmでの減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0129】
実施形態では、光ファイバー12は、800nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードであり、例えば、光ファイバー12は、800と1000nmの間、または800と900nmの間の波長に対してマルチモードであり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバー12は、1250nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードである。光ファイバー12は、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対して、0.5dB/m以上の減衰を有し得る。実施形態では、光ファイバー12は、800nmと1000nmの間の波長に対して、0.5dB/m以上、例えば1.0dB/m以上の減衰を有する。いくつかの実施形態では、減衰は、5dB/m以上、さらには、7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0130】
依然として
図6および
図8を参照して、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径30mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径30mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB未満、例えば0.4dB以下、0.3dB以下、またはさらには0.2dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の20mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径20mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB以下であり、1300nmにおける20mm曲げ損失は、1.0dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径15mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径15mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、1.0dB未満、例えば0.8dB以下、0.6dB以下、さらには0.4dB以下である。例えば、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径15mmの曲げ損失は、0.3dB以下であり、1300nmにおける直径15mmの曲げ損失は、0.8dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー11の直径5×10mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを、直径10mmのマンドレルに5周巻いたとき)は、2.0dB未満、例えば1.8dB以下であり、いくつかの実施形態では、1.6dB以下、さらには1.4dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の2×10mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径10mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.8dB以下であり、1300nmにおける10mmの2周曲げ損失は、1.5dB以下である。
【0131】
図6および
図8には、濃度が徐々に変化するアップドーパントおよび濃度が徐々に変化する減衰ドーパントを含むコア部および内側クラッドを有する光ファイバー12が描写されているが、コア部および内側クラッドは、濃度が徐々に変化する減衰ドーパントのみを含んでいてもよい(すなわち、アップドーパントは、コア部に存在しない)ことを理解されたい。かかる実施形態では、コア部における減衰ドーパントの濃度は、半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇し、内側クラッドにおける減衰ドーパントの濃度は、半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇する。例えば、
図9は、減衰ドーパントの濃度が半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部の中心線に向かう方向に沿って上昇するコア部、および半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇する内側クラッドにおける減衰ドーパントの濃度を含む、
図6に描写される光ファイバー12の軸方向断面を図式的に描写している。
【0132】
図6および
図9を参照して、光ファイバー12は概して、
図1および
図2に関して本明細書に記載されるコア部102およびクラッド部103を含む。光ファイバー12のこの実施形態では、クラッド部103は、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108をさらに含む。光ファイバー12のこれらに実施形態では、コア部102は、クラッド部103の内側に位置づけられ、最大相対屈折率Δ
Cmax(純粋(すなわち、ドープされていない)シリカガラスに対する)を有する。コア部102とクラッド部103は、光ファイバー12の断面が、コア部102の中心に対して略円形対称であるように、同心である。内側クラッド104は、コア部102を囲繞し、かつ直接接触しており、徐々に変化する相対屈折率Δ
IC(純粋シリカガラスに対する)を有する。低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
T(純粋シリカガラスに対する)を有する。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞し、かつ直接接触しており、相対屈折率Δ
OC(純粋シリカガラスに対する)を有する。つまり、内側クラッド104、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108は、内側クラッド104がコア部102と低屈折率トレンチ106の間に配設され、低屈折率トレンチ106が内側クラッド104と外側クラッド108の間に配設されるように配置されている。
図6および
図9に描写される光ファイバー12の実施形態では、Δ
Cmax>Δ
ICであり、Δ
Cmax>Δ
OCであり、Δ
IC≧Δ
Tであり、Δ
Cmax>Δ
IC≧Δ
Tであり、Δ
Cmax>Δ
OC>Δ
Tである。
【0133】
依然として
図6および
図9を参照すると、コア部102は、半径r
Cを有している。内側クラッド104は、コア部102を囲繞し、内側クラッド104が径方向の厚さT
IC=r
IC-r
Cを有するように、半径r
Cから半径r
ICまで延在している。低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104を囲繞し、低屈折率トレンチが径方向の厚さT
T=r
T-r
ICを有するように、半径r
ICから半径r
Tまで延在している。外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106を囲繞していてもよく、外側クラッドがT
OC=r
OC-r
Tの径方向の厚さを有するように、半径r
Tから半径r
OCまで延在していてもよい。したがって、光ファイバー12のガラス部(例えば、コア部102、低屈折率トレンチ106、および外側クラッド108)は、2r
OCの直径を有し得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12のガラス部の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12のガラス部の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12のガラス部の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0134】
図6および
図9に描写される光ファイバー12のコア部102の半径r
Cは、最小半径と定義され、ここで、コア部102の相対屈折率プロファイル(すなわち、
図9のΔ
C)の接線が、半径r
OCにおける相対屈折率Δ
OCからコア部102の中心線C
Lに向かう方向にのびる傾斜のない線と交差する。
図6および
図9に描写される光ファイバー12の実施形態では、コア部102の半径r
Cは、22マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の半径r
Cは、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、例えば、23.5マイクロメートル以上かつ27.5マイクロメートル以下である。
【0135】
実施形態では、光ファイバー12のコア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.6%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.8%以上かつ1.4%以下、さらには0.8%以上かつ1.2%以下である。いくつかの実施形態では、コア部102の最大相対屈折率ΔCmaxは、0.9%以上かつ1.1%以下である。
【0136】
0.8%を超える最大相対屈折率Δ
Cmax値を得るために、
図6および
図9に描写される光ファイバー12のコア部102には、シリカガラスの屈折率を増加させる1種以上の減衰ドーパントをドープしている。好適な減衰ドーパントとしては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、タングステン、またはタンタルを含む遷移金属の酸化物などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの減衰ドーパントの酸化数は、1以上、例えばTi(+4および/または+3)、V(+5および/または+4および/または+3および/または+2)、Cr(+6および/または+3および/または+2)、Mn(+7および/または+6および/または+4および/または+3および/または+2)、Fe(+3および/または+2)、Co(+3および/または+2)、Ni(+3および/または+2)、Cu(+2および/または+1)などであり得る。例えば、コア部102に6.0重量%のTiO
2をドープすることは、コア部102の相対屈折率を1.0%増加させるのに相当し、コア部102には、0.5重量%以上かつ15重量%以下のTiO
2を最高濃度として、TiO
2をドープしてもよい。実施形態では、減衰ドーパントの濃度が半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、コア部102における減衰ドーパントの濃度が徐々に変化するように、コア部102に減衰ドーパントをドープしている。
【0137】
図6および
図9に描写される光ファイバー12を含む光減衰器は、主に光ファイバー12のコア部102をとおして光信号を伝搬させることが理解されよう。したがって、減衰ドーパントは光ファイバー12のコア部102にドープされ、それによって光信号が減衰され、光減衰器から平衡光信号出力が提供されるようになる。
【0138】
実施形態では、
図6および
図9に描写される光ファイバー12のコア部102は、0.15以上かつ0.25以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.16以上かつ0.24以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.18以上かつ0.22以下の開口数NAを有する。別の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、0.185以上かつ0.215以下の開口数NAを有する。
【0139】
図6および
図9に描写される光ファイバー12の実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、コア部102の中心線C
LにおけるΔ
Cmaxから、コア部102の半径r
CにおけるΔ
OC(低屈折率トレンチの半径r
Tにおける)に等しい相対屈折率値までのびる、徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cを有する。実施形態では、光ファイバー12のコア部102は、1以上かつ3以下のコアアルファ(α)で徐々に変化する相対屈折率プロファイルΔ
Cを有する。いくつかの実施形態では、コア部102のαは、1.5以上かつ2.5以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、コア部102のαは、1.9以上かつ2.3以下である。
【0140】
依然として
図6および
図9を参照すると、内側クラッド104は、コア部102に直接隣接し、直接接触している。内側クラッド104の内半径は、コア部102の半径r
Cに等しく、内側クラッド104の外半径(すなわち、内側クラッド104の半径r
IC)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径における内側クラッドの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図9)の接線が、Δ=Δ
Tであるトレンチの最も内側にある半径からコア部102の中心線C
Lに向かう方向にのびる傾斜のない線と交差する半径であると定義される。
【0141】
図6および
図9に描写される実施形態では、内側クラッド104の半径r
ICは、23マイクロメートル以上である。実施形態では、半径r
ICは、24マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下などの、23マイクロメートル以上かつ30マイクロメートル以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の半径r
ICは、25マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下、さらには25マイクロメートル以上かつ27マイクロメートル以下である。
【0142】
実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、0.5マイクロメートル以上かつ5マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、1マイクロメートル以上かつ4マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、内側クラッド104の径方向の厚さTICは、1マイクロメートル以上かつ3マイクロメートル以下である。
【0143】
図6および
図9に描写される光ファイバー12の内側クラッド104は、r
ICよりも小さい内側クラッド104内の半径においては、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きく、半径r
ICにおいては、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tに等しい徐々に変化する相対屈折率Δ
ICを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。この実施形態では、内側クラッド104には、減衰ドーパント、例えば、TiO
2が、屈折率が増加するようにドープされている。内側クラッド104における減衰ドーパントの濃度は、減衰ドーパントの濃度が半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させてもよい。
【0144】
減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、内側クラッド104におけるTiO2濃度は、半径rCにおいて0.2重量%以上の最高濃度を有し、徐々に変化する。いくつかの実施形態では、内側クラッド104における最高TiO2濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104におけるTiO2の最高濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、内側クラッド104における最高TiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。
【0145】
本明細書に記載される実施形態では、内側クラッド104における減衰ドーパントの濃度は、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔIC(例えば、半径rCにおける)が0.1%以上かつ1.0%以下になるように、内側クラッド104のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、内側クラッド104の最大相対屈折率ΔICは、0.3%以上かつ0.5%以下である。
【0146】
依然として
図6および
図9を参照すると、低屈折率トレンチ106は、内側クラッド104に直接隣接し、直接接触している。低屈折率トレンチ106の内半径は、内側クラッド104の半径r
ICに等しく、低屈折率トレンチ106の外半径(すなわち、低屈折率トレンチ106の半径r
T)は、Δ=0.5(Δ
OC-Δ
T)である半径の低屈折率トレンチの相対屈折率プロファイル(すなわち、
図9)の接線が、ゼロデルタ線(Δ
0)に交差する、径方向の最も外側にある点と定義される。
【0147】
図6および
図9に描写される実施形態では、低屈折率トレンチ106の半径r
Tは、25マイクロメートル以上であり、これによって、光ファイバー12の屈曲性能が改善される。実施形態では、半径r
Tは、26マイクロメートル以上かつ35マイクロメートル以下などの、26マイクロメートル以上かつ40マイクロメートル以下である。
【0148】
実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、1マイクロメートル以上かつ15マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、2マイクロメートル以上かつ10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の径方向の厚さTTは、2マイクロメートル以上かつ8マイクロメートル以下、さらには2マイクロメートル以上かつ7マイクロメートル以下である。
【0149】
本明細書に述べられるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、コア部102の最大相対屈折率Δ
Cmaxおよび外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCより小さい。本明細書に記載される実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、一般的に、純粋シリカガラスに対して0.6%以下かつ-0.6%以上である。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0.3%以下かつ-0.3%以上、0.1%以下かつ-0.1%以上、さらに0.05%以下かつ-0.05%以上である。例えば、いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106は、純粋シリカガラスでできており、
図9に描写されるように、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、0%である。他の実施形態では、低屈折率トレンチ106は、相対屈折率Δ
Tが純粋シリカガラスに対して0.01%以上かつ0.05%以下になるように減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできてい得る。代わりに、またはこれに加えて、低屈折率トレンチ106に、ダウンドーパント、例えば、これに限定されることはないが、フッ素をドープしてもよい。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tは、本質的に平坦である。すなわち、低屈折率トレンチ106内の任意の2つの半径における相対屈折率Δ
T間の差は、0.1%未満、さらには0.05%未満である。他の実施形態では低屈折率トレンチ106は、小さいプロファイル設計または工程ばらつきの結果として、相対屈折率Δ
Tに小さい変動を有し得る。
【0150】
良好な屈曲性能を達成するためには、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、20%Δ-マイクロメートル2よりも大きいことが好ましい。実施形態では、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上、さらには40%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチ106の体積|VT|は、50%Δ-マイクロメートル2以上、さらには60%Δ-マイクロメートル2以上であり得る。いくつかの実施形態では、低屈折率トレンチの体積|VT|は、30%Δ-マイクロメートル2以上かつ120%Δ-マイクロメートル2以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、低屈折率トレンチの体積|VT|は、40%Δ-マイクロメートル2以上かつ100%Δ-マイクロメートル2以下である。
【0151】
依然として
図6および
図9を参照すると、外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106に直接隣接し、直接接触している。つまり、外側クラッド108の内半径は、低屈折率トレンチ106の半径r
Tに等しく、外側クラッド108の外半径(すなわち、外側クラッド108の半径r
OC)は、光ファイバーのガラス部の外半径として定義される。
図6および
図9に描写される実施形態では、外側クラッド108の半径r
OCは、65マイクロメートル未満である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、62.5マイクロメートルである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、光ファイバー12の外側クラッド108の半径r
OCは、40マイクロメートル以上かつ62.5マイクロメートル以下である。
【0152】
図6および
図9に描写される光ファイバー12の外側クラッド108は、低屈折率トレンチ106の相対屈折率Δ
Tよりも大きい相対屈折率Δ
OCを有し、それにより、低屈折率トレンチ106と比較して「屈折率が増加するようにドープされた」領域が形成されている。実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の径方向の厚さに沿って一定である。他の実施形態では、減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の径方向の厚さに沿ってわずかに減少する。
図1および
図2に描写される光ファイバー10のクラッド部103に関して本明細書に記載されるように、外側クラッド108には、減衰ドーパント、例えば、TiO
2を、屈折率が増加するようにドープしてもよい。
【0153】
外側クラッド中の減衰ドーパントがTiO2である実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、0.2重量%以上である。いくつかの実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、0.5重量%以上、例えば1.0重量%以上、さらには1.5重量%以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108におけるTiO2の濃度は、2.0重量%以上、さらには2.5重量%以上である。さらに他の実施形態では、外側クラッド108におけるTiO2濃度は、3.0重量%以上、さらには3.5重量%以上である。
【0154】
本明細書に記載される実施形態では、外側クラッド108における減衰ドーパントの濃度は、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCが0.1%以上かつ1.0%以下になるように、外側クラッド108のシリカガラスの相対屈折率を増加させるのに十分なものである。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.15%以上、さらには0.2%以上かつ0.8%以下である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.6%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.7%以下である。例えば、いくつかの実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.2%以上かつ0.5%以下である。いくつかの他の実施形態では、外側クラッド108の相対屈折率ΔOCは、0.3%以上かつ0.5%以下である。
【0155】
実施形態では、光ファイバー12は、850nmの波長でマルチモードである。実施形態では、光ファイバー12は、850nmで0.5dB/m以上の減衰を有する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、光ファイバー12は、850nmで1.0dB/m以上の減衰を有する。例えば、いくつかの実施形態では、850nmでの減衰は、5dB/m以上、さらには7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、850nmでの減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0156】
実施形態では、光ファイバー12は、800nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードであり、例えば、光ファイバー12は、800と1000nmの間、または800と900nmの間の波長に対してマルチモードであり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバー12は、1250nmと1350nmの間の波長に対してマルチモードである。光ファイバー12は、800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対して、0.5dB/m以上の減衰を有し得る。実施形態では、光ファイバー12は、800nmと1000nmの間の波長に対して、0.5dB/m以上、例えば1.0dB/m以上の減衰を有する。いくつかの実施形態では、減衰は、5dB/m以上、さらには、7dB/m以上である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、減衰は、12dB/m以上、さらには18dB/m以上である。
【0157】
依然として
図6および
図9を参照して、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径30mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径30mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB未満、例えば0.4dB以下、0.3dB以下、またはさらには0.2dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の20mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径20mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.5dB以下であり、1300nmにおける20mm曲げ損失は、1.0dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径15mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径15mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、1.0dB未満、例えば0.8dB以下、0.6dB以下、さらには0.4dB以下である。例えば、いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径15mmの曲げ損失は、0.3dB以下であり、1300nmにおける直径15mmの曲げ損失は、0.8dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の直径5×10mmの曲げ損失(すなわち、光ファイバーを、直径10mmのマンドレルに5周巻いたとき)は、2.0dB未満、例えば1.8dB以下であり、いくつかの実施形態では、1.6dB以下、さらには1.4dB以下である。いくつかの実施形態では、850nmにおける光ファイバー12の2×10mm曲げ損失(すなわち、光ファイバーを直径10mmのマンドレルに2周巻いたとき)は、0.8dB以下であり、1300nmにおける10mmの2周曲げ損失は、1.5dB以下である。
【0158】
本明細書に開示される光ファイバーは、例えば、米国特許第7,565,820号明細書、同第5,410,567号明細書、同第7,832,675号明細書、同第6,027,062号明細書に開示される、従来の製造技法を使用して作製された光ファイバー母材からファイバーを線引きするための既知の方法および装置を使用して線引きされてもよく、これらの明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、減衰ドーパント(例えば、TiO2)および/またはアップドーパント(例えば、GeO2)がドープされたコア部と、減衰ドーパントがドープされたクラッド部を有するシリカガラスの母材は、非酸化性条件下で焼結される。例えば、これに限定されることはないが、減衰ドーパントおよび/またはアップドーパントがドープされたコア部と、減衰ドーパントがドープされたクラッド部を有するシリカガラスの母材は、乾燥塩素(Cl2)ガス、ヘリウム(H)ガス、またはこれらの組み合わせなどの雰囲気中で焼結される。他の実施形態では、減衰ドーパントおよび/またはアップドーパントがドープされたコア部と、減衰ドーパントがドープされたクラッド部を有するシリカガラスの母材は、還元性条件下で焼結される。例えば、これに限定されることはないが、減衰ドーパントおよび/またはアップドーパントがドープされたコア部と、減衰ドーパントがドープされたクラッド部を有するシリカガラスの母材は、一酸化炭素(CO)、四塩化炭素(CCl4)、メタン(CH4)、水素(H2)、重水素(D2)、またはこれらの組み合わせなどの雰囲気中で焼結される。コア部を有するシリカガラスの母材に減衰ドーパントTiO2をドープする実施形態では、母材を非酸化性条件下または還元性条件下で焼結すると、母材においてTi3+イオンの増加が生じ、母材から線引きされる光ファイバー中にも存在するようになる。Ti3+イオンは800nmから1000nmの範囲内の光の波長を減衰させるため、光ファイバー中にTi3+イオンを増加させることによって、減衰光ファイバーを形成するための追加の工程手段がもたらされることを理解されたい。光ファイバー母材を作製するための工程には、外部蒸着(OVD)、内部蒸着(IVD)、軸蒸着(VAD)、化学蒸着(CVD)、修飾化学蒸着(modified chemical vapor deposition)(MCVD)、プラズマ強化化学蒸着(PCVD)などが含まれ得る。減衰ドーパントおよび/またはアップドーパントがドープされたコア部と、減衰ドーパントがドープされたクラッド部を有するシリカガラスの母材は、純粋シリカガラスの低屈折率トレンチ部を含み得るか、または代替例としては、ダウンドーパント(例えば、フッ素)がドープされたシリカガラスの低屈折率トレンチを含み得る。本明細書に記載される光ファイバーは、コア部に減衰ドーパントおよび/またはアップドーパントがドープされ、クラッド部に減衰ドーパントがドープされたシリカガラスの焼結母材から線引きされる。線引きされた光ファイバーは、本明細書に記載される光特性を有し、所望の長さに切断し、固定減衰器の部品として、例えば、レセプタクル型減衰器またはループバック型減衰器の減衰光ファイバーとして組み立ててもよい。
【実施例】
【0159】
本明細書に記載される実施形態を、以下の実施例により、さらに明確にする。
【0160】
実施例1
12個の光ファイバー設計(
図10から
図21)を数学的にモデル化し、3個の光ファイバー設計を製造し(
図22、
図24、
図26)、試験して、これらのファイバーの光学特性(
図23、
図25、
図27、
図28)を決定した。徐々に変化する濃度を有するアップドーパントおよび一定の濃度を有する減衰ドーパントがドープされたコア部を有する、光ファイバー設計のうちの5個(
図10から
図14)を、モデル化した。アップドーパントおよび減衰ドーパントがドープされたコア部を有する、光ファイバー設計のうちの5個(
図15から
図19)をモデル化した。これらのドーパントの双方共に、徐々に変化する濃度を有する。徐々に変化する濃度を有する減衰ドーパントのみがドープされたコア部を有する、光ファイバー設計のうちの2個(
図20および
図21)をモデル化した。光ファイバー設計のすべての半径r
OCは、62.5マイクロメートルでモデル化した。
【0161】
これより
図1、
図2、および
図10を参照して、GeO
2を徐々に変化する濃度でドープしたコア部102を有する光ファイバー10をモデル化し、このコア部にはTiO
2を一定の濃度でドープし、クラッド部103には、TiO
2を一定の濃度でドープした。コア部102は、25マイクロメートルの半径r
Cを有していた。
図10に描写される光ファイバー設計のコア部102におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が25マイクロメートルの半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて1.0%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図10に描写される光ファイバー設計のコア部102のTiO
2濃度は、コア部102の中心線C
Lからコア部102の半径r
Cまで一定であった。具体的には、
図10に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、コア部102の中心線C
Lから半径r
Cまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされた。GeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が一定であることによって、半径r
Cにおいて0.33%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。
図10に描写される光ファイバー設計のクラッド部103のTiO
2濃度は、コア部102の半径(すなわち、半径r
C)からクラッド部103の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Cから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含むクラッド部103がもたらされた。
【0162】
これより
図1、
図2、および
図11を参照して、
図10に描写される光ファイバー設計に類似したGeO
2をドープしたコア部102を有するが、より高い濃度のTiO
2をコア部102およびクラッド部103にドープした光ファイバー10をモデル化した。コア部102は、25マイクロメートルの半径r
Cを有していた。
図11に描写される光ファイバー設計のコア部102におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が25マイクロメートルの半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて1.0%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図11に描写される光ファイバー設計のコア部102のTiO
2濃度は、コア部102の中心線C
Lからコア部102の半径r
Cまで一定であった。具体的には、
図11に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、コア部102の中心線C
Lから半径r
Cまで、0.66%の一定の相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされた。GeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が一定であることによって、半径r
Cにおいて0.66%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.66%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。
図11に描写される光ファイバー設計のクラッド部103のTiO
2濃度は、コア部102の半径(すなわち、半径r
C)からクラッド部103の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Cから半径r
OCまで、0.66%の一定の相対屈折率Δ
OCを含むクラッド部103がもたらされた。
【0163】
これより
図3、
図4、および
図12を参照して、GeO
2を徐々に変化する濃度でドープし、TiO
2を一定の濃度でドープしたコア部102、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、25マイクロメートルの半径r
Cを有し、低屈折率トレンチは、6マイクロメートルの径方向の厚さT
T、および112.4%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図12に描写される光ファイバー設計のコア部102におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が25マイクロメートルの半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて1.0%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図12に描写される光ファイバー設計のコア部102のTiO
2濃度は、コア部102の中心線C
Lからコア部102の半径r
Cまで一定であった。具体的には、
図12に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、コア部102の中心線C
Lから半径r
Cまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされた。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が一定であることによって、半径r
Cにおいて0.33%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO
2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図12に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCは、コア部102の相対屈折率Δ
C2に略等しかったことが、
図12から理解される。
【0164】
これより
図3、
図5、および
図13を参照して、
図12に描写される光ファイバー設計に類似したGeO
2およびTiO
2をドープしたコア部102および低屈折率トレンチ106を有する光ファイバー11をモデル化しているが、低屈折率トレンチ106は、TiO
2をドープしたSiO
2を含むものをモデル化している。コア部は、24.5マイクロメートルの半径を有し、低屈折率トレンチは、7マイクロメートルの径方向の厚さT
T、0.05%の相対屈折率、106.8%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図13に描写される光ファイバー設計のコア部102におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が25マイクロメートルの半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて1.0%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図13に描写される光ファイバー設計のコア部102のTiO
2濃度は、コア部102の中心線C
Lからコア部102の半径r
Cまで一定であった。具体的には、
図13に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、コア部102の中心線C
Lから半径r
Cまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされた。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が一定であることによって、半径r
Cにおいて0.33%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。
図13に描写される光ファイバー設計の低屈折率トレンチ106のTiO
2濃度は、コア部102の半径r
Cから低屈折率トレンチ106の半径r
Tまで一定であった。具体的には、
図13に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、半径r
Cから半径r
Tまで、0.05%の一定の相対屈折率Δ
Tを含む低屈折率トレンチ106がもたらされた。
図13に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCは、コア部102の相対屈折率Δ
C2に略等しかったことが、
図15から理解される。
【0165】
これより
図6、
図7、および
図14を参照して、GeO
2を徐々に変化する濃度でドープし、TiO
2を一定の濃度でドープしたコア部102、TiO
2をドープした内側クラッド104、TiO
2をドープした低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー12をモデル化した。コア部102は、25マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、1.5マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、5.5マイクロメートルの径方向の厚さT
T、0.05%の相対屈折率、および90.5%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図14に描写される光ファイバー設計のコア部102におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が25マイクロメートルの半径r
Cにおいて最も低く、半径r
Cからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて1.0%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図14に描写される光ファイバー設計のコア部102のTiO
2濃度は、コア部102の中心線C
Lからコア部102の半径r
Cまで一定であった。具体的には、
図14に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、コア部102の中心線C
Lから半径r
Cまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされた。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が一定であることによって、半径r
Cにおいて0.33%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。内側クラッド104におけるTiO
2濃度は、内半径r
Cから半径r
ICまで一定であり、0.33%の一定の相対屈折率ICを含む内側クラッド104がもたらされた。内側クラッド104の一定の相対屈折率Δ
ICは、コア部102における一定の相対屈折率Δ
C2に等しかったことが、
図14から理解される。つまり、内側クラッド104におけるTiO
2の一定の濃度は、コア部102におけるTiO
2の一定の濃度に等しい。
図13に描写される光ファイバー設計の低屈折率トレンチ106のTiO
2濃度は、コア部102の半径r
Cから低屈折率トレンチ106の半径r
Tまで一定であった。具体的には、
図14に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、半径r
Cから半径r
Tまで、0.05%の一定の相対屈折率Δ
Tを含む低屈折率トレンチ106がもたらされた。
図14に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。外側クラッド108の相対屈折率Δ
OCは、コア部102の相対屈折率Δ
C2および内側クラッド104の相対屈折率Δ
ICに略等しいことが、
図14から理解される。
【0166】
これより
図6、
図8、および
図15を参照して、GeO
2およびTiO
2を徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部102は、23.5マイクロメートルの半径を有し、内側クラッドは、3.5マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、4.5マイクロメートルの径方向の厚さ、および120.7%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図15に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が27マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて1.0%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図15に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2濃度は、TiO
2の濃度が27マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率Δ
C1よりも全体的に小さい、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされ、すなわち、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2は、半径r
Cにおいて0%であり、Δ
C2は、コア部102の中心線C
Lにおいて0.33%であった。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図15に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。
【0167】
これより
図6、
図8、および
図16を参照して、GeO
2およびTiO
2を徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、23.5マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、3.5マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、5マイクロメートルの径方向の厚さT
T、および128.6%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図16に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が27マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて0.5%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図16に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2濃度は、TiO
2の濃度が27マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率Δ
C1よりも全体的に大きい、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされ、すなわち、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2は、半径r
Cにおいて0%であり、Δ
C2は、コア部102の中心線C
Lにおいて0.83%であった。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(Δ
Cmax)を有するコア部102がもたらされた。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図16に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。
【0168】
これより
図6、
図8、および
図17を参照して、GeO
2およびTiO
2を徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、24マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、4マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、3マイクロメートルの径方向の厚さT
T、および114.0%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図17に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が28マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて0.5%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図17に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2濃度は、TiO
2の濃度が28マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率Δ
C1よりも全体的に大きい、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされ、すなわち、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2は、半径r
Cにおいて0%であり、Δ
C2は、コア部102の中心線C
Lにおいて1.0%であった。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.5%(ΔC
max)を有するコア部102がもたらされた。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO
2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図16に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.4%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。
【0169】
これより
図6、
図8、および
図18を参照して、GeO
2およびTiO
2を徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、25.5マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、2.5マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、6マイクロメートルの径方向の厚さT
T、および85.2%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図18に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が28マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて0.5%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図18に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2濃度は、TiO
2の濃度が28マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率Δ
C1よりも全体的に大きい、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされ、すなわち、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2は、半径r
Cにおいて0%であり、コア部102の中心線C
Lにおいて0.7%であった。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.2%(ΔC
max)を有するコア部102がもたらされた。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO
2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図16に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.2%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。
【0170】
これより
図6、
図8、および
図19を参照して、GeO
2およびTiO
2を徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、24.5マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、3マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、3マイクロメートルの径方向の厚さT
T、および79.0%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図19に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるGeO
2の濃度は、GeO
2の濃度が27.5マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。GeO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の徐々に変化する相対屈折率Δ
C1、およびコア部102の中心線C
Lにおいて0.3%のΔ
C1を含むコア部102がもたらされた。
図19に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2濃度は、TiO
2の濃度が27.5マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率Δ
C1よりも全体的に大きい、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2を含むコア部102がもたらされ、すなわち、徐々に変化する相対屈折率Δ
C2は、半径r
Cにおいて0%であり、コア部102の中心線C
Lにおいて1.03%であった。コア部102のGeO
2の濃度が徐々に変化し、TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、半径r
Cにおいて0%の総相対屈折率または累積相対屈折率を有し、コア部102の中心線C
Lにおいて1.33%(ΔC
max)を有するコア部102がもたらされた。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO
2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図19に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.3%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。
【0171】
これより
図6、
図8、および
図20を参照して、TiO
2のみを徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、純粋SiO
2でできた低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、23.5マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、3.5マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、4.5マイクロメートルの径方向の厚さT
T、および118.1%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図20に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2の濃度は、TiO
2の濃度が27マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率を含むコア部102がもたらされ、相対屈折率は、半径r
Cにおいては0%であり、コア部102の中心線C
Lにおいては1.33%(ΔC
max)であった。低屈折率トレンチ106は、純粋SiO2でできており、0%のΔ
Tを有した。
図20に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、低屈折率トレンチ106の半径(すなわち、半径r
T)から、外側クラッド108の半径r
OCまで一定であった。具体的には、このTiO
2濃度によって、半径r
Tから半径r
OCまで、0.33%の一定の相対屈折率Δ
OCを含む外側クラッド108がもたらされた。
【0172】
これより
図6、
図8、および
図21を参照して、TiO
2のみを徐々に変化する濃度でドープしたコア部102および内側クラッド部104、TiO
2をドープした低屈折率トレンチ106、およびTiO
2をドープした外側クラッド108を有する光ファイバー11をモデル化した。コア部は、24.0マイクロメートルの半径r
Cを有し、内側クラッドは、3マイクロメートルの径方向の厚さT
ICを有し、低屈折率トレンチは、3.5マイクロメートルの径方向の厚さT
T、0.05%の相対屈折率、および91.8%Δ-マイクロメートル
2の体積|V
T|を有していた。
図21に描写される光ファイバー設計のコア部102および内側クラッド部104におけるTiO
2の濃度は、TiO
2の濃度が27.5マイクロメートルの半径r
ICにおいて最も低く、半径r
ICからコア部102の中心線C
Lに向かう方向に沿って上昇するように、徐々に変化させた。TiO
2の濃度が徐々に変化することによって、徐々に変化する相対屈折率を含むコア部102がもたらされ、相対屈折率は、半径r
Cにおいては0%であり、コア部102の中心線C
Lにおいては1.48%(ΔC
max)であった。
図21に描写される光ファイバー設計の低屈折率トレンチ106のTiO
2濃度は、コア部102の半径r
Cから低屈折率トレンチ106の半径r
Tまで一定であった。具体的には、
図21に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、半径r
Cから半径r
Tまで、0.05%の一定の相対屈折率Δ
Tを含む低屈折率トレンチ106がもたらされた。
図21に描写される光ファイバー設計の外側クラッド108のTiO
2濃度は、クラッド部103の内半径(すなわち、半径r
C)からクラッド部の半径r
OCまで一定であった。具体的には、
図21に描写される光ファイバー設計のTiO
2濃度によって、半径r
Cから半径r
OCまで、0.43%の一定の相対屈折率Δ
OCを含むクラッド部103がもたらされた。
【0173】
これより
図1、
図10、
図22、および
図23を参照して、
図1に描写される径方向断面を有し、
図10に描写される光ファイバー設計に従って形成されたマルチモード光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルを、
図22に示している。このマルチモード光ファイバーの測定減衰は、
図23に描写している。
図22に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーは、28マイクロメートルの半径を有するコア部、および62.5マイクロメートルの半径を有するクラッド部を有する。コア部は、1.2%の最大相対屈折率を有し、外側クラッドは、0.25%の平均相対屈折率を有していた。この光ファイバーの開口数は、0.21であり、コア部の相対屈折率プロファイルは、2.66のアルファを有していた。OM3マルチモード光ファイバーの2つの1500メートルセグメント間に接合された、
図22に描写される光ファイバーの10メートル部分のOTDR減衰を、
図23に示している。10メートル部分の減衰は、5dBであり、したがって、0.5dB/mの平均減衰に対応する。
【0174】
これより
図3、
図4,
図12、
図24、および
図25を参照して、
図3に描写される径方向断面を有し、
図12に描写される光ファイバー設計に従って形成されたマルチモード光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルを、
図24に示している。このマルチモード光ファイバーの測定減衰は、
図25に描写している。
図24に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーは、25.3マイクロメートルの半径を有するコア部、5.8マイクロメートルの径方向の厚さおよび41%Δ-μm
2の体積を有する低屈折率トレンチ、ならびに62.5マイクロメートルの半径を有するクラッド部を有する。コア部は、1.3%の最大相対屈折率を有し、低屈折率トレンチは、0%の平均相対屈折率を有し、外側クラッドは、0.27%の平均相対屈折率を有する。光ファイバーの開口数は、0.21であり、コア部の相対屈折率プロファイルは、2.18のアルファを有する。OM3マルチモード光ファイバーの2つの1500メートルセグメント間に接合された、
図24に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの2メートル部分における850nmでのOTDR減衰を、
図25に示している。光ファイバーの2メートル部分の減衰は、3dBであり、したがって、1.5dB/mの平均減衰に対応する。
【0175】
これより
図6、
図8、
図26、
図27、および
図28を参照して、
図3に描写される径方向断面を有し、
図8に描写される光ファイバー設計に従って形成されたマルチモード光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルを、
図26に示している。マルチモード光ファイバーの測定した減衰測定値は、
図27および
図28に描写している。
図26に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーは、22.1マイクロメートルの半径を有するコア部、25.5マイクロメートルの半径を有する内側クラッド、4.1マイクロメートルの径方向の厚さおよび92%-μm
2の体積を有する低屈折率トレンチ、ならびに62.5マイクロメートルの半径を有するクラッド部を有する。コア部は、1.31%の最大相対屈折率を有し、低屈折率トレンチは、0.05%の平均相対屈折率を有し、外側クラッドは、純粋シリカに対して0.4%の平均相対屈折率を有する。光ファイバーの開口数は、0.20であり、コア部の相対屈折率プロファイルは、1.83のアルファを有する。OM3マルチモード光ファイバーの2つの1500メートルセグメント間に接合された、
図26に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの0.5メートル部分における850nmでのOTDR減衰を、
図27に示している。光ファイバーの0.5メートル部分の減衰は、3.7dBであり、したがって、7.4dB/mの平均減衰に対応する。直径10mmのマンドレルに5周巻きつけたファイバーの850nmでの減衰は、
図28に描写している。直径10mmのマンドレルに5周巻きつけた光ファイバーの0.5メートル部分の減衰は、4.6dBであり、したがって、0.9dB(4.6dB-3.7dB)、すなわち0.18dB/周のマクロベンド損失に対応する。
【0176】
これより
図6、
図8、および
図29を参照して、
図3に描写される径方向断面を有し、
図8に描写される光ファイバー設計に従って形成されたマルチモード光ファイバーの測定相対屈折率プロファイルを、
図29に示している。この実施形態では、Δ
C=Δ
C1+Δ
C2であり、Δ
C1=Δ
C2/3である。
図29に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーは、23.4マイクロメートルの半径を有するコア部、25.2マイクロメートルの半径を有する内側クラッド、4.2マイクロメートルの径方向の厚さおよび119%-μm
2の体積を有する低屈折率トレンチ、ならびに62.5マイクロメートルの半径を有するクラッド部を有する。コア部は、1.36%の最大相対屈折率を有し、低屈折率トレンチは、0.05%の平均相対屈折率を有し、外側クラッドは、純粋シリカに対して0.6%の平均相対屈折率を有する。光ファイバーの開口数は、0.20であり、コア部の相対屈折率プロファイルは2.07のアルファを有する。
図29に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの0.2メートル部分における850nmでのOTDR減衰は、3.2dBであり、したがって、15.9dB/mの平均減衰に対応した。
図29に描写される測定相対屈折率プロファイルを有する光ファイバーの0.2メートル部分における1310nmでのOTDR減衰は、1.03dBであり、したがって、5.1dB/mの平均減衰に対応した。
【0177】
特許請求される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対する様々な変更形態および変形が作製され得ることが、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本明細書は、本明細書に記載される様々な実施形態の変更形態および変形に及ぶが、ただし、そのような変更形態および変形は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にあることが意図される。
【0178】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0179】
実施形態1
光ファイバーであって、
半径rC、中心線CL、0.15以上かつ0.25以下の開口数NA、最大相対屈折率ΔCmaxおよび1以上かつ3以下のα値を有する徐々に変化する相対屈折率プロファイルを有するコア部であって、該コア部は、
アップドーパントであって、前記コア部における該アップドーパントの濃度は、該アップドーパントの該濃度が前記半径rCにおいて最も低く、該半径rCから前記コア部の前記中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する、アップドーパント、および
減衰ドーパントであって、前記コア部における該減衰ドーパントの濃度が、前記コア部の前記中心線CLから前記コア部の前記半径rCまで一定である、減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできている、コア部と、
前記コア部を囲繞し、相対屈折率ΔOCを有するクラッド部であって、該クラッド部は、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできており、前記クラッド部における該減衰ドーパントの前記濃度は、前記クラッド部の径方向の厚さをとおして一定であるか、またはわずかに減少し、
ΔCmax>ΔOCであり、
前記光ファイバーは、約800nmから約1000nmの範囲内の光の波長に対してマルチモードであり、
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの減衰は、0.5dB/m以上である、クラッド部と、を含む、光ファイバー。
【0180】
実施形態2
前記アップドーパントが、GeO2である、実施形態1記載の光ファイバー。
【0181】
実施形態3
GeO2の最高濃度が、7重量%以上かつ20重量%以下である、実施形態2記載の光ファイバー。
【0182】
実施形態4
前記減衰ドーパントがTiO2である、実施形態1記載の光ファイバー。
【0183】
実施形態5
TiO2の最高濃度が、0.5重量%以上かつ15重量%以下である、実施形態4記載の光ファイバー。
【0184】
実施形態6
前記クラッド部が、低屈折率トレンチおよび外側クラッドをさらに含み、該低屈折率トレンチは、前記コア部と該外側クラッドの間に位置づけられており、該低屈折率トレンチは、相対屈折率ΔTを有し、該外側クラッドは、前記相対屈折率ΔOCを有し、ΔCmax>ΔOC>ΔTである、実施形態1から5のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0185】
実施形態7
前記低屈折率トレンチが、前記コア部および前記外側クラッドに直接接触している、実施形態6記載の光ファイバー。
【0186】
実施形態8
前記半径rCが、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下である、実施形態6記載の光ファイバー。
【0187】
実施形態9
前記低屈折率トレンチが、26マイクロメートル以上かつ40マイクロメートル以下の半径rTを有する、実施形態6記載の光ファイバー。
【0188】
実施形態10
前記低屈折率トレンチが、実質的に純粋なシリカガラスでできている、実施形態6記載の光ファイバー。
【0189】
実施形態11
前記低屈折率トレンチが、前記減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできている、実施形態6記載の光ファイバー。
【0190】
実施形態12
前記クラッド部が、前記コア部と前記低屈折率トレンチの間に位置づけられた内側クラッドをさらに含み、該内側クラッドが、相対屈折率ΔICを有し、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできている、実施形態6記載の光ファイバー。
【0191】
実施形態13
前記内側クラッドが、23マイクロメートル以上かつ30マイクロメートル以下の半径rICを有する、実施形態12記載の光ファイバー。
【0192】
実施形態14
前記光ファイバーが、30mmのマンドレルに2周巻回させたときに、850nmの波長で、0.5dB未満の曲げ損失を有する、実施形態1から13のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0193】
実施形態15
前記光ファイバーが、15mmのマンドレルに2周巻回させたときに、850nmの波長で、1dB未満の曲げ損失を有する、実施形態1から13のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0194】
実施形態16
前記光ファイバーが、10mmのマンドレルに2周巻回させたときに、850nmの波長で、2dB未満の曲げ損失を有する、実施形態1から13のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0195】
実施形態17
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの前記減衰は、8.0dB/m以上である、実施形態1から13のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0196】
実施形態18
前記減衰ドーパントが、外部蒸着(OVD)または内部蒸着(IVD)使用して、前記光ファイバーのコアに組み込まれている、実施形態1記載の光ファイバー。
【0197】
実施形態19
光ファイバーであって、
半径rC、中心線CL、0.15以上かつ0.25以下の開口数NA、最大相対屈折率ΔCmaxおよび1以上かつ3以下のα値を有する徐々に変化する相対屈折率プロファイルを有するコア部であって、該コア部は、
アップドーパントであって、前記コア部における該アップドーパントの濃度は、該アップドーパントの該濃度が前記半径rCにおいて最も低く、該半径rCから前記コア部の前記中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する、アップドーパント、および
減衰ドーパントであって、前記コア部における該減衰ドーパントの濃度は、該減衰ドーパントの該濃度が、前記半径rCにおいて最も低く、前記半径rCから、前記コア部の前記中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する、減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできている、コア部と、
前記コア部を囲繞し、相対屈折率ΔOCを有するクラッド部であって、該クラッド部は、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできており、
ΔCmax>ΔOCであり、
前記光ファイバーは、約800nmから約1000nmの範囲内の光の波長に対してマルチモードであり、
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの減衰は、0.5dB/m以上である、クラッド部と、を含む、光ファイバー。
【0198】
実施形態20
前記アップドーパントが、GeO2であり、GeO2の最高濃度が、7重量%以上かつ20重量%以下である、実施形態19記載の光ファイバー。
【0199】
実施形態21
前記減衰ドーパントが、TiO2であり、TiO2の最高濃度が、0.5重量%以上かつ15重量%以下である、実施形態19記載の光ファイバー。
【0200】
実施形態22
前記クラッド部が、低屈折率トレンチおよび外側クラッドをさらに含み、該低屈折率トレンチは、前記コア部と該外側クラッドの間に位置づけられており、該低屈折率トレンチは、相対屈折率ΔTを有し、該外側クラッドは、前記相対屈折率ΔOCを有し、ΔCmax>ΔOC>ΔTである、実施形態19記載の光ファイバー。
【0201】
実施形態23
前記半径rCが、23マイクロメートル以上かつ28マイクロメートル以下であり、前記低屈折率トレンチが、26マイクロメートル以上かつ40マイクロメートル以下の半径rTを有し、前記低屈折率トレンチが、前記コア部および前記外側クラッドに直接接触している、実施形態22記載の光ファイバー。
【0202】
実施形態24
前記低屈折率トレンチが、実質的に純粋なシリカガラスでできている、実施形態22記載の光ファイバー。
【0203】
実施形態25
前記低屈折率トレンチが、前記減衰ドーパントがドープされたシリカガラスでできている、実施形態22記載の光ファイバー。
【0204】
実施形態26
前記クラッド部が、前記コア部と前記低屈折率トレンチの間に位置づけられた内側クラッドをさらに含み、該内側クラッドは、23マイクロメートル以上かつ30マイクロメートル以下の半径rIC、相対屈折率ΔICを有し、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできている、実施形態22記載の光ファイバー。
【0205】
実施形態27
ΔIC=ΔOCである、実施形態26記載の光ファイバー。
【0206】
実施形態28
前記光ファイバーが、850nmの波長において、30mmのマンドレルに2周巻回させたときに、0.5dB未満の曲げ損失、15mmのマンドレルに2周巻回させたときに、1dB未満の曲げ損失、および10mmのマンドレルに2周巻回させたときに、2dB未満の曲げ損失のうちの少なくとも1つを有する、実施形態19から27のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0207】
実施形態29
前記クラッド部における前記減衰ドーパントの濃度は、前記クラッド部の径方向の厚さをとおして一定である、実施形態19記載の光ファイバー。
【0208】
実施形態30
前記クラッド部における前記減衰ドーパントの濃度は、前記クラッド部の径方向の厚さをとおしてわずかに減少する、実施形態19記載の光ファイバー。
【0209】
実施形態31
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの前記減衰は、8.0dB/m以上である、実施形態19から30のいずれか1項記載の光ファイバー。
【0210】
実施形態32
前記光ファイバーが、外部蒸着(OVD)によって形成された光ファイバーまたは内部蒸着(IVD)によって形成された光ファイバーである、実施形態19記載の光ファイバー。
【0211】
実施形態33
光ファイバーであって、
半径rC、中心線CL、0.15以上かつ0.25以下の開口数NA、最大相対屈折率ΔCmaxおよび1以上かつ3以下のα値を有する徐々に変化する相対屈折率プロファイルを有するコア部であって、該コア部は、減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできており、前記コア部における前記減衰ドーパントの濃度は、該減衰ドーパントの該濃度が前記半径rCにおいて最も低く、前記半径rCから前記コア部の前記中心線CLに向かう方向に沿って上昇するように徐々に変化する、コア部と、
前記コア部を囲繞し、相対屈折率ΔOCを有するクラッド部であって、該クラッド部は、前記減衰ドーパントを含むシリカ系ガラスでできており、
ΔCmax>ΔOCであり、
前記光ファイバーは、約800nmから約1000nmの範囲内の光の波長に対してマルチモードであり、
800nmと1000nmの間の少なくとも1つの波長に対する前記光ファイバーの減衰は、0.5dB/m以上である、クラッド部と、を含む、光ファイバー。
【0212】
実施形態34
前記クラッド部が、低屈折率トレンチおよび外側クラッドをさらに含み、該低屈折率トレンチは、前記コア部と該外側クラッドの間に位置づけられており、該低屈折率トレンチは、相対屈折率ΔTを有し、該外側クラッドは、前記相対屈折率ΔOCを有し、ΔCmax>ΔOC>ΔTである、実施形態33記載の光ファイバー。
【符号の説明】
【0213】
10、11、12 光ファイバー
102 コア部
103 外側クラッド、クラッド、クラッド部
104 内側クラッド、内側クラッド部
106 低屈折率トレンチ
108 外側クラッド