(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】陰圧創傷療法システムの冗長制御
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
A61M27/00
(21)【出願番号】P 2019561979
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(86)【国際出願番号】 EP2018061476
(87)【国際公開番号】W WO2018206420
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-27
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・クラレンス・キンタナル
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-198577(JP,A)
【文献】実開昭61-070333(JP,U)
【文献】特表2009-506878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に陰圧を適用する装置であって、
流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成される陰圧源と、
ユーザ入力に応答して第一の対の電気接点の状態と第二の対の電気接点の状態とを切り替えるように構成されたアクチュエータを備えるスイッチであって、当該スイッチが前記ユーザ入力を当該スイッチの押下として受信するように構成されている、スイッチと、
制御回路であって、
電気接続状態にある前記第一の対の電気接点および電気接続状態にある前記第二の対の電気接点に応答して、前記陰圧源で陰圧を供給し、
電気接続状態にない前記第一の対の電気接点および電気接続状態にない前記第二の対の電気接点に応答して、前記陰圧源で陰圧を供給することを無効化
し、
前記電気接続状態にある前記第一の対の電気接点および前記電気接続状態にない前記第二の対の電気接点に応答して、前記陰圧源で陰圧を供給することを無効化するように構成される制御回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記ユーザ入力に応答して、前記第一の対の電気接点の前記状態と前記第二の対の電気接点の前記状態とを同時に切り替えるように構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路が、前記スイッチへの前記ユーザ入力以外のユーザ入力がないことに応答して、前記陰圧源で陰圧を供給するように構成される、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項4】
アクチュエータが故障し、前記第一の対の電気接点の前記状態または前記第二の対の電気接点の前記状態を切り替えることができなくなると、前記制御回路が、前記陰圧源で陰圧を供給しなくなるようにさらに構成される、請求項1~
3のいずれか
一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路が、前記第二の対の電気接点の前記状態の切り替えに続く閾値期間内に切り替わらない前記第一の対の電気接点の前記状態に応答して、スイッチ故障を検出するようにさらに構成される、任意で、前記閾値期間が、0.5秒、1秒、2秒、3秒、または5秒である、請求項1~
4のいずれか
一項に記載の装置。
【請求項6】
前記制御回路が、前記スイッチ故障の検出に応答して、スイッチ故障表示を出力するようにさらに構成される、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記第一の対の電気接点が、複数の第一のトレースを含み、前記第二の対の電気接点が、複数の第二のトレースを含み、前記アクチュエータが、前記ユーザ入力に応答して、前記複数の第一のトレースを互いに短絡させ、前記複数の第二のトレースを互いに短絡させるように構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記陰圧源が、前記創傷被覆材上またはその中に配置される、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御回路が、前記陰圧源の動作の停止、前記流体流路内に位置付けられたベントの開放、または前記流体流路内に位置付けられた弁の閉鎖によって、前記陰圧源での陰圧の供給を無効化するように構成される、請求項1~
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成される陰圧源と、ユーザ入力に応答して第一の対の電気接点の状態と第二の対の電気接点の状態とを切り替えるように構成されたアクチュエータを備えるスイッチであって、当該スイッチが前記ユーザ入力を当該スイッチの押下として受信するように構成されている、スイッチと、制御回路と、を備える、創傷に陰圧を適用する装置の動作方法であって、前記
動作方法が、
電気接続状態にある前記第一の対の電気接点および電気接続状態にある前記第二の対の電気接点に応答して、前記制御回路が前記陰圧源で陰圧を供給するステップと、
電気接続状態にない前記第一の対の電気接点および電気接続状態にない前記第二の対の電気接点に応答して、前記制御回路が前記陰圧源で陰圧を供給することを無効化するステップと、
前記電気接続状態にある前記第一の対の電気接点および前記電気接続状態にない前記第二の対の電気接点に応答して、前記制御回路が前記陰圧源で陰圧を供給することを無効化するステップと、
を含
む、方法。
【請求項11】
前記陰圧を供給することを無効化するステップが、前記陰圧源の停止を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記陰圧を供給するステップが、前記陰圧を供給することを無効化するステップによって終了される、請求項
10または
11に記載の方法。
【請求項13】
前記
第一の対の電気接点と前記第二の対の電気接点とを切り替えることが、
前記第一の対の電気接点と前記第二の対の電気接点とを同時に切り替えることを含む、請求項
10~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第二の対の
電気接点の前記状態の切り替えに続く閾値期間内で切り替わらない前記第一の対の
電気接点の前記状態に応答して、
前記制御回路がスイッチ故障を検出する
ステップをさらに含み、任意で、前記閾値期間が0.5秒~5秒である、請求項
10~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記
スイッチ故障を検出する
ステップに応答して、
前記制御回路がユーザへの呈示のためにスイッチ故障表示を出力する
ステップをさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記
陰圧を供給することを無効化する
ステップが、
前記制御回路が、前記流体流路内に位置付けられたベント
を開放
させる、または前記流体流路内に位置付けられた弁
を閉鎖
させるステップを含む、請求項
10~
15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月9日出願の米国仮特許出願第62/503,697号の利益を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、陰圧療法もしくは減圧療法または局所陰圧(TNP)療法を用いて、創傷を被覆かつ治療するための方法及び装置に関する。具体的には、限定するものではないが、本明細書に開示された実施形態は、陰圧療法デバイス、TNPシステムの動作を制御するための方法、及びTNPシステムの使用方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
一部の実施形態では、創傷への陰圧を適用するための装置が開示される。装置は、流体流路を介して陰圧を創傷被覆材に提供するよう構成された陰圧源と、ユーザ入力に応答して第一の対の電気接点の状態と第二の対の電気接点の状態とを切り替えるように構成されたアクチュエータを含むスイッチと、電気接続状態にある第一の対の電気接点と電気接続状態にある第二の対の電気接点に応答して、陰圧源で陰圧を供給し、電気接続状態にない第一の対の電気接点または電気接続状態にない第二の対の電気接点に応答して、陰圧源で陰圧を供給することを無効化するように構成された制御回路と、を含み得る。
【0004】
上記の段落に記載の装置は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。制御回路は、電気接続状態にある第一の対の電気接点および電気接続状態にない第二の対の電気接点に応答して、陰圧源で陰圧を供給することを無効化にするように構成される。アクチュエータは、ユーザ入力に応答して、第一の対の電気接点の状態および第二の対の電気接点の状態を同時に切り替えるように構成される。制御回路は、スイッチへのユーザ入力以外のユーザ入力がないことに応答して、陰圧源で陰圧を供給するように構成される。アクチュエータが故障し、第一の対の電気接点の状態または第二の対の電気接点の状態を切り替えることができなくなると、制御回路は、陰圧源で陰圧を供給しなくなるようにさらに構成される。制御回路は、第二の対の電気接点の状態の切り替えに続く閾値期間内に切り替わらない第一の電気接点の状態に応答して、スイッチ故障を検出するようにさらに構成される。閾値期間は、0.5秒、1秒、2秒、3秒、または5秒である。制御回路は、スイッチ故障の検出に応答してスイッチ故障表示を出力するようにさらに構成される。第一の対の電気接点は、複数の第一のトレースを含み、第二の対の電気接点は、複数の第二のトレースを含み、アクチュエータは、ユーザ入力に応答して、複数の第一のトレースを互いに短絡させ、複数の第二のトレースを互いに短絡させるように構成される。陰圧源は、創傷被覆材上か、または創傷被覆材内に配置される。制御回路は、陰圧源の動作の停止、流体流路内に位置付けられたベントの開放、または流体流路内に位置付けられた弁の閉鎖によって、陰圧源での陰圧の供給を無効化するように構成される。スイッチは、ユーザ入力をスイッチの押下として受信するように構成される。
【0005】
一部の実施形態では、創傷への陰圧の適用を制御するための方法が開示される。方法は、スイッチのアクチュエータを使用することと、スイッチへのユーザ入力に応答して、第一の対の接点の状態と第二の対の接点の状態とを切り替えることと、第一の対の接点が第一の状態である状態と第二の対の接点が第二の状態である状態に応答して、流体流路を通じて陰圧源で陰圧を創傷被覆材に供給することと、第一の対の接点が第一の状態ではない状態または第二の対の接点が第二の状態ではない状態に応答して、陰圧源で陰圧を提供することを無効化することと、を含み、一回目は、第一の対の接点が第一の状態であり、第二の対の接点が第二の状態であり、二回目は、第一の対の接点の状態が第一の状態ではなく、第二の対の接点の状態が第二の状態ではない。
【0006】
上記の段落に記載の方法は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。第一および第二の状態は、電気接続の形成に対応する。三回目では、第一の対の接点の状態は第一の状態であり、第二の対の状態は第二の状態ではない。切り替えは、スイッチへのユーザ入力の受信に応答して、第一の対の接点の状態と第二の対の状態とを同時に切り替えることを含む。方法は、第二の対の接点の状態の切り替えに続く閾値期間内で切り替わらない第一の対の接点の状態に応答して、スイッチ故障を検出することをさらに含む。閾値期間は0.5秒~5秒である。方法は、検出に応答してユーザへの呈示のためにスイッチ故障表示を出力することをさらに含む。無効化することは、陰圧源の動作の停止、流体流路内に位置付けられたベントの開放、または流体流路内に位置付けられた弁の閉鎖によって、陰圧源での陰圧の供給を無効化することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の特徴および利点は、添付図面と共に下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、一部の実施形態による陰圧療法システムを示す。
【
図2A】
図2Aは、一部の実施形態による、
図1の陰圧療法システムなどの陰圧療法システムの側面図および上面図をそれぞれ示す。
【
図2B】
図2Bは、一部の実施形態による、
図1の陰圧療法システムなどの陰圧療法システムの側面図および上面図をそれぞれ示す。
【
図3A】
図3Aは、一部の実施形態による、
図1の陰圧療法システムなどの陰圧療法システムのスイッチのための回路図を示す。
【
図7】
図7は、一部の実施形態による、
図1の陰圧療法システムなどの陰圧療法システムにおける陰圧療法の送達を制御するために使用可能な療法制御プロセスを示す。
【
図8】
図8は、一部の実施形態による、
図1の陰圧療法システムなどの陰圧療法システムでのスイッチ故障を検出するために使用可能なスイッチ故障検出プロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、減圧療法または局所陰圧(TNP)療法を用いて、創傷を被覆かつ治療するための方法及び装置に関する。具体的には、限定するものではないが、本開示の実施形態は、陰圧療法装置、TNPシステムの動作を制御するための方法、およびTNPシステムの使用方法に関する。方法及び装置は、以下に説明する特徴の任意の組み合わせを組み込むか、または実装することができる。特定の実施形態では、本開示の特徴は、TNP装置を使用する時の患者の安全性を有利に向上させうる。
【0009】
様々な種類の創傷被覆材が、ヒトまたは動物の治癒過程を補助するものとして知られている。様々な種類の創傷被覆材には、様々な種類の材料及び層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。TNP療法は、真空補助閉鎖療法、陰圧創傷療法、または減圧創傷療法とも称されることがあり、創傷の治癒率を改善するための有益な機序になり得る。こうした療法は、切開創傷、開放創、及び腹部創などの広範な創傷に適用することができる。
【0010】
TNP療法は、組織浮腫を軽減し、血流を促し、肉芽組織の形成を促進させ、過剰な滲出物を除去し、細菌負荷つまり創傷への感染を低減することによって、創傷の閉鎖および治癒を支援することができる。その上、TNP療法は、創傷の外部障害を減らし、より迅速な治癒を促すことができる。
【0011】
本明細書で使用される場合、-XmmHgといった減圧または陰圧レベルは、通常、760mmHg(または、1気圧、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当する大気圧よりも低い圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、(760-X)mmHgの圧力といった、大気圧よりもXmmHg低い圧力を表している。さらに、-XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低くなる)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高くなる)。
【0012】
概要
一部のTNP装置のユーザインターフェースは、それを介してユーザがユーザ入力を提供できる限定的な要素を持ちうる。一部の例では、特定のユーザインターフェースは、陰圧の送達などのTNP装置の動作を停止および開始するためにユーザによって使用可能な単一要素を含み、ユーザは単一要素の機能性を別の要素の機能性で代用したりまたは入れ替えたりすることができない場合がある。これらの特定のユーザインターフェースは、多数の要素を有するより複雑なユーザインターフェースより構築して操作することがより簡単であることが望ましい場合がある。しかしながら、特定のユーザインターフェースは、単一要素がフォルト(例えば、故障など)を経験し、想定通り機能できなくなる場合に問題を呈しうる。特定のユーザインターフェースのユーザは、例えば、望ましくないが、陰圧がTNP装置によって提供される場合、陰圧の送達を一時停止または停止することができない場合がある。
【0013】
陰圧の送達を停止できないユーザの状況は、患者の創傷の治癒または患者の健康に対するリスクを追加的にもたらし得る。陰圧の送達中に患者が創傷被覆材から不快感を経験し、単一の要素がユーザ入力を受信するように機能できなくなった場合、患者は危険に拘らず陰圧療法の適用を継続するか、または創傷被覆材を除去するか余儀なくされ、管または内腔の一つを切断または断裂する(陰圧源が創傷被覆材に一体化されているときは不可能である)、TNP装置を破壊する(例えば、可能であれば電子機器を引き出すことにより)、電源を除去する(アクセス可能であれば)、またはそれらに似た方法で陰圧の送達を終了させる。これらのアクション(例えば、創傷被覆材の除去)は、患者の創傷を損傷する可能性があり、すでに進行していた任意の治癒軌道を妨げるほか、創傷被覆材からの保護の喪失に起因して創傷を外部汚染物質に曝露する可能性がある。
【0014】
ユーザが必要とするときに陰圧の送達を停止することができなくなる局面を防止するのに役立つように、陰圧の送達の停止および開始のためにユーザによって使用される単一要素を有するTNP装置は、単一要素内の冗長起動または停止制御または機構を含むことができる。一例では、単一要素は、第一の対の接点の状態と第二の対の接点の状態とを切り替えるように構成されたアクチュエータを含むスイッチであり得る。陰圧療法の送達中に第一または第二の対の接点のいずれかまたは両方の状態が切り替えられた場合、TNP装置は陰圧療法の送達を無効化する。したがって、アクチュエータが故障して第一と第二の対の接点の状態を切り替えることのみができる場合、アクチュエータは、それでもなおもTNP装置での陰圧の送達を停止するために使用可能であり得る。
【0015】
減圧療法システム及び方法
図1はTNP装置11および創傷14を含む陰圧療法システム100を示す。TNP装置11は創傷14を治療するために使用され得る。TNP装置11には、相互に電気的に通信するように構成された、制御回路12Aと、メモリ12Bと、陰圧源12Cと、ユーザインターフェース12Dと、電源12Eと、第一の圧力センサ12Fと、第二の圧力センサ12G(任意でありうる)と、皮膚検出器12Hとが含まれ得る。さらに、TNP装置11には創傷被覆材13が含まれ得る。電源12Eは、TNP装置11の一つまたは複数の構成要素に電力を供給することができる。
【0016】
制御回路12A、メモリデバイス12B、陰圧源12C、ユーザインターフェース12D、電源12E、第一の圧力センサ12F、第二の圧力センサ12G、および皮膚検出器12Hのうちの一つまたは複数が、創傷被覆材13と一体化され得るか、その被覆材13の一部として組み込まれ得るか、その被覆材13に付着され得るか、またはその被覆材13内に配置され得る。したがって、TNP装置11は、その制御エレクトロニクスを有し、創傷被覆材13から分離しているのではなく、創傷被覆材13を搭載してポンピングするとみなされ得る。
【0017】
制御回路12Aには、一つまたは複数のコントローラと、起動回路と、ブーストコンバータと、電流制限器と、フィードバック調整回路と、Hブリッジインバータとが含まれ得る。一つまたは複数のコントローラは、メモリデバイス12Bに格納された命令に少なくとも従って、TNP装置11の一つまたは複数の他の構成要素の動作を制御することができる。一つまたは複数のコントローラは、例えば、一つまたは複数のHブリッジインバータへの信号入力(例えば、信号のパルス幅変調)を介して陰圧源12Cの動作を制御することができ、これは電源12Eから陰圧源12Cへの電力を駆動する。
【0018】
陰圧源12Cには、限定されないが、ロータリーダイヤフラムポンプもしくは他のダイヤフラムポンプ、圧電ポンプ、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、ロータリーベーンポンプ、液封式ポンプ、スクロールポンプ、圧電変換器によって動作するポンプ、ボイスコイルポンプ、または他の任意の好適なポンプもしくはマイクロポンプ、あるいは上記のものの任意の組み合わせなどのポンプが含まれ得る。
【0019】
ユーザインターフェース12Dは、ユーザ入力を受信するか、またはユーザ出力を患者または介護者に提供する一つまたは複数の要素を含み得る。ユーザ入力を受信する一つまたは複数の要素は、ボタン、スイッチ、ダイヤル、またはタッチスクリーンなどを含んでもよく、ユーザ出力を提供する一つまたは複数の要素は、発光ダイオード(LED)の起動もしくはディスプレイの一つまたは複数のピクセルの起動、またはスピーカーの起動などを含んでもよい。一例では、ユーザインターフェース12Dは、第一のユーザ入力(例えば、陰圧の起動または作動停止の入力)を受信するためのスイッチと、TNP装置11の動作状態(例えば、正常に機能している状態、故障状態、またはユーザ入力を待っている状態)を示すための二つのLEDとを含んでもよい。
【0020】
第一の圧力センサ12Fは、陰圧源12Cと創傷14とに接続している流体流路の圧力、創傷14での圧力、または陰圧源12Cにおける圧力などの、創傷被覆材13の下の圧力を監視するために使用され得る。第二の圧力センサ12Gは、創傷被覆材13の外側の圧力を監視するために使用され得る。創傷被覆材の外側の圧力は大気圧であり得るが、大気圧は、例えば使用される高度、またはTNP装置11が使用され得る圧力調整された環境に応じて変動し得る。
【0021】
制御回路12Aは、陰圧源12Cによる陰圧の供給を、第一の圧力センサ12Fにより監視される圧力と第二の圧力センサ12Gにより監視される圧力とを少なくとも比較することによって、制御することができる。制御回路12Aは、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどのコントローラを含み得る。
【0022】
皮膚検出器12Hは、創傷被覆材13が創傷14の上に配置されているかどうかを判定するために使用できる。皮膚検出器12Hは、例えば、患者の皮膚を検出することができる。皮膚検出器12Hによる検出は、創傷被覆材13が、創傷14の横の患者の皮膚に結合されているかどうかを確認できる。皮膚が検出されると、これにより、TNP装置11の起動は、非意図的ではなく意図的であり、TNP装置11の輸送または製造の間など、TNP装置11の非意図的な起動、またはTNP装置11の寿命末期のタイマを防止するために使用できることを示し得る。一実施例では、皮膚検出器12Hが皮膚を検出したことを制御回路12Aに示す場合、制御回路12Aは、陰圧源12Cを起動して、ユーザインターフェース12Dを介して起動入力の受信に応答して陰圧を供給することができる。一方、皮膚検出器12Hが、皮膚が検出されないと制御回路12Aに示す場合、制御回路12Aは、陰圧源12Cを起動してユーザインターフェース12Dを介して起動入力の受信に応答して陰圧を供給できない。皮膚検出器12Hは、容量センサ、インピーダンスセンサ、光学センサ、ピエゾ抵抗センサ、圧電センサ、エラスト抵抗センサ、および電気化学センサのうち一つまたは複数を含み得る。
【0023】
創傷被覆材13は、創傷接触層と、スペーサ層と、吸収層とを具備し得る。創傷接触層は、創傷14に接触していてもよい。創傷接触層は、被覆材を創傷14の周囲の皮膚に固定するために、患者に対向する側に接着剤を具備し得るか、または、創傷接触層を創傷被覆材13のカバー層もしくは他の層に固定するために、上側に接着剤を具備し得る。動作時に、創傷接触層は、滲出物が創傷14に戻るのを阻止または実質的に防止しつつ、創傷から滲出物を取り除きやすくするように一方向流をもたらすことができる。スペーサ層は、創傷部位の上に陰圧を分配するよう促し、創傷滲出物及び流体を創傷被覆材13内に輸送しやすくするよう促すことができる。さらに、吸収層は創傷14から吸引された滲出物を吸収し、保持することができる。
【0024】
制御回路12Aは、一部の場合、陰圧源12Cでの陰圧の供給を防止することができる。例えば、制御回路12Aは、陰圧源の動作を停止することによって陰圧の供給を防ぎ、流体流路内に位置付けられたベントを開くことおよび流体流路内に位置付けられた弁を閉じることを防止することができる。
【0025】
陰圧源12Cによる陰圧の供給は、一部の場合には無効化することができる。例えば、陰圧の供給は、陰圧源12Cまたは制御回路12Aの動作を停止すること、流体流路内に位置付けられたベントを開くこと、および流体流路内に位置付けられた弁を閉じることによって無効化することができる。一部の実装では、陰圧源12Cまたは制御回路12Aの動作の停止は、陰圧源12Cもしくは制御回路12Aへの電力の切断、または陰圧源12Cもしくは制御回路12Aに供給されるイネーブル信号の取り消しによって実施され得る。
【0026】
制御回路12Aは、陰圧源12Cのデューティサイクルを監視できる。本明細書で使用される場合、「デューティサイクル」とは、陰圧源12Cが作動中であるか、またはある期間にわたって稼働している時間量を表し得るものである。言い換えると、デューティサイクルは、陰圧源12Cが作動状態である時間を、対象となる総時間の割合として表し得るものである。デューティサイクルの測定値は、陰圧源12Cの働きのレベルを表し得る。例えば、デューティサイクルは、陰圧源12Cが正常に動作している、よく稼働している、極めてよく稼働しているなどを示すことができる。さらに、周期的なデューティサイクル測定値といったデューティサイクルの測定値は、漏出の存在もしくは漏出の程度、または創傷から吸引される流体(例えば、空気、液体、または固体の滲出物など)の流量などの様々な動作状態を表すことができる。測定したデューティサイクルと一連の閾値(例えば、較正時に算出される)とを比較することなどによって、デューティサイクルの測定値に基づいて、コントローラは、システムの動作を制御するアルゴリズムまたはロジックを実施することができるか、または実施するようにプログラムされ得る。例えば、デューティサイクルの測定値は、大きな漏出があることを示すことができ、制御回路12Aは、この状態をユーザ(例えば、患者、介護者、または医師など)に示すようにプログラムされ得るか、または節電のために陰圧源の動作を一時的に中断もしくは一時停止するようにプログラムされ得る。
【0027】
TNP装置11が創傷14を治療するのに用いられ得る場合には、創傷被覆材13は、創傷13の周囲及び創傷被覆材13の下に実質的に密閉された空間または閉鎖された空間を作ることができ、第一の圧力センサ12Fがこの空間の圧力レベルを周期的または連続的に測定または監視することができる。制御回路12Aは、この空間の圧力レベルを、第一の陰圧設定値限界と少なくとも第二の陰圧設定値限界との間で制御することができる。一部の例では、第一の設定値限界は約-70mmHgであるか、または約-60mmHg以下~約-80mmHg以上であり得る。一部の例では、第二の設定値限界は約-90mmHgであるか、または約-80mmHg以下~約-100mmHg以上であり得る。
【0028】
図2Aは陰圧療法システム200の側面図を示し、
図2Bは陰圧療法システム200の上面図を示している。陰圧療法システム200は、陰圧療法システム100の実装例となり得る。
【0029】
陰圧療法システム200では、TNP装置11の創傷被覆材13は創傷14に付着しているように示されている。創傷被覆材13を通る空気の流れと、創傷14からの創傷滲出物の流れとを矢印で示している。TNP装置11には、空気排出部26と、制御回路12A、メモリデバイス12B、陰圧源12C、ユーザインターフェース12D、電源12E、第一の圧力センサ12F、第二の圧力センサ12G、おおび皮膚検出器12Hのうちの一つまたは複数などのTNP装置11の構成要素のための構成要素のハウジングまたは構成要素の収納領域などの構成要素領域25とが含まれ得る。
【0030】
陰圧療法システム200のユーザインターフェース12Dには、スイッチ21と、第一の表示器23(第一のLEDなど)と、第二の表示器24(第二のLEDなど)とが含まれ得る。スイッチ21は、陰圧の起動または停止のユーザ入力を受信すること(例えば、スイッチ21を押し下げることに応答して、起動または停止のユーザ入力を受信することなど)ができる。第一の表示器23と第二の表示器24は、正常に機能している状態、故障状態、またはユーザ入力を待っている状態などの動作状態を示すことができる。一部の実装では、スイッチ21は、陰圧源12Cもしくは制御回路12Aの電源接続部(制御回路12Aのコントローラなど)、または陰圧源12Cもしくは制御回路12Aのイネーブル信号部と連結して、陰圧の供給を起動もしくは停止するか、または陰圧の供給を無効化することができる。さらに、制御回路12Aは、スイッチ21、第一の表示器23、または第二の表示器24などのユーザインターフェース12Dを監視して、故障のような問題を検出し、故障検出に応答して、ユーザインターフェース12Dを介して故障表示を出力するか、または陰圧の供給を起動または無効化することができる。特定の実施形態では、制御回路12Aは、スイッチ21へのユーザ入力以外のユーザ入力がないことに応答して、陰圧源12Cで陰圧を供給し得る。
【0031】
陰圧療法システム200の創傷被覆材13の構成要素部が、エアロック層27と、吸収層28と、接触層29とを含むように示されている。エアロック層27は、空気が流れるようにすることができる。吸収層28は、創傷滲出物を吸収することができる。接触層29は柔軟性があり、シリコンを含んでいてもよく、TNP装置11を患者につなげるために使用することができる。
【0032】
図3Aは、一部の実施形態による、スイッチ21のようなスイッチの回路
図300を示す。スイッチは、二極、単投スイッチとすることができ、スイッチの押下などのユーザ入力に応答して、複数の接点のセット(例えば、二つ、三つ、四つ、またはそれ以上の接点のセット)の状態を切り替えるアクチュエータを含む。アクチュエータは同時にまたは互い違いに、複数の接点のセットの状態を切り替えることができる。
図3Aに示すように、複数の接点のセットは、接点302および304(集合的に、SW1と称される第一のスイッチを形成する第一の接触パッドを有する)および接点306および308を含む第二の接点と(集合的に、SW2と称される第二のスイッチを形成する第一の接触パッドを有する)を含む。SW1およびSW2は冗長スイッチとして機能できる。概略
図300は、二対の接点を示すが、本明細書に記載のスイッチのいずれも二対以上の接点を含みうる。
【0033】
接点302および304は開放して示され、接点306および308は開放して示されている。SW1の接触パッドは、接点302と304とを電気接続、または短絡させないため、接点302および304は開いていてもよい。接点302および304が開いている場合、SW1も開いていると考えられうる。同様に、SW2の接触パッドは、接点306と308とを電気接続、または短絡させないため、接点306および308は開いていてもよい。接点306および308が開いている場合、SW2も開いていると考えられうる。
【0034】
SW1の接触パッドが接点302と304とを電気接続、または短絡させる場合、接点302および304は閉じていてもよい。接点302および304が閉じている場合、SW1も閉じていると考えられうる。SW2の接触パッドが接点306と308とを電気接続、または短絡させる場合、接点306および308は閉じていてもよい。接点306および308が閉じている場合、SW2も閉じていると考えられうる。
【0035】
スイッチはさらに、入力Aおよび出力Bを含み得る。例えば、入力Aは電源(例えば、電源12E)、またはTNP装置11の接地に電気接続されてもよく、出力BはTNP装置の制御操作に電気接続されてもよい(またはその逆であってもよい)。スイッチが閉じている時、電力または接地への電気接続が形成され、それによってTNP装置11が動作または機能して療法を提供できるようになる。例えば、スイッチが閉じている場合、信号が制御回路12Aに供給されるか、または生成されて、陰圧源12Cを起動するか、または電源12EによるTNP装置11の他の構成要素への電力供給を有効化することができる。
【0036】
一部の実装では、スイッチが正常に機能している場合、複数の接点のセットの状態は、スイッチへのユーザ入力に応答してのみ、切り替えられ得る。ただし、スイッチが故障すると、アクチュエータは複数の接点のセットのうちの一つまたは複数を切り替えることができなくなり、スイッチは、ユーザ入力に応答して複数の接点のセットのすべての状態を切り替えることができない。したがって、アクチュエータが複数の接点のセットを切り替えることができなくなった場合、制御回路12Aは、陰圧源12Cで陰圧を供給するように構成されなくなり得る。
【0037】
図3Bは、回路
図300の論理真理値表310である。論理真理値表310から理解できるように、入力Aから出力Bへの電気経路は、SW1およびSW2の両方が閉じられている場合、形成されるかまたは「オン」になると考えられ、入力Aから出力Bへの電気経路は、SW1またはSW2のうちの少なくとも一つが開いている場合、形成されないかまたは「オフ」になると考えられ得る。
【0038】
その他の実装では、スイッチは、回路
図300とは異なるように設計でき、論理真理値表310とは異なる代替的な論理真理値表に従って機能することができる。代替的な論理真理値表には、複数の可能な構成を含めることができ、各構成は入力Aから出力Bへの電気経路をオンまたはオフにする。代替的な論理真理値表の複数の可能な構成の一つまたは複数により、入力Aから出力Bへの電気経路がオンになり、代替的な論理真理値表の複数の構成の他の一つまたは複数により、入力Aから出力Bへの電気経路をオフにすることができる。特定の実施形態において、入力Aから出力Bへの電気経路をオンにする複数の構成の総数は、入力Aから出力Bへの電気経路をオフにする複数の構成の総数より少なくし得る。これにより、スイッチが適切に機能しない限り、入力Aから出力Bへの電気経路がオフになるバイアスを有利にもたらし得る。結果として、スイッチは、スイッチが適切に機能していない場合ではなく、スイッチが適切に機能している場合、陰圧源12Cを知的に動作させ得る。
【0039】
図4Aおよび
図4Bは、一部の実施形態による、回路
図300の実装を示す。接点402、404、406、408はそれぞれ、接点302、304、306、308の実装であり得る。SW1接触パッド410は、
図3AのSW1の接触パッドの実装とすることができ、SW2接触パッド412は、
図3AのSW2の接触パッドの実装とすることができる。
【0040】
図示したように、接点402、404、406、408の少なくとも一部は、一次トレースから延びる一次トレースおよび複数の二次トレースをそれぞれ含むことができる。複数の二次トレースはそれぞれ、それがそこから延びる一次トレースに対して垂直に延び得る。一次トレースは、接点402および408に関連して示されるように湾曲、または接点404および406に関連して示されるように直線とすることができる。接点402、404、406、408の一次および二次トレースは、例えば、回路基板上に印刷できる。
【0041】
図4Aでは、接点402および404は開放して示され、接点406および408は開放して示されている。
図4Bでは、接点402および404は、SW1接触パッド410の接点402および404との接触によって閉じた状態で示され、接点406および408は、SW2接触パッド412の接点406および408との接触によって閉じた状態で示される。電気経路は、入力Aから出力Bに、例えば、接点402、接触パッド410、接点404、接点406、接触パッド412、および接点408を通して形成される。SW1接触パッド410およびSW2接触パッド412は、導電板であり得る。接触パッド410および412は、一つのアクチュエータ(または複数のアクチュエータ)によって接点402、404、406、408と接触するようにされ得、これにより、機械的に、空気圧によって、電気的に、またはスイッチの押下などのユーザ入力によって作動し得る。
【0042】
図5Aおよび
図5Bは、一部の実施形態による、回路
図300の別の実装を示す。接点502、504、506、508はそれぞれ、接点302、304、306、308の実装であり得る。SW1接触パッド510は、
図3AのSW1の接触パッドの実装とすることができ、SW2接触パッド512は、
図3AのSW2の接触パッドの実装とすることができる。
【0043】
図示したように、接点502、504、506、508の少なくとも一部は、一次トレースと一次トレースから延びる複数の二次トレースをそれぞれ含み得る。複数の二次トレースはそれぞれ、それがそこから延びる一次トレースに対して垂直に延び得る。一次トレースは、図示した通り直線であり得る。接点502、504、506、508の一次および二次トレースは、例えば、回路基板上に印刷できる。
【0044】
図5Aでは、接点502および504は開放して示され、接点506および508は開放して示されている。
図5Bでは、接点502および504は、SW1接触パッド510の接点502および504との接触によって閉じた状態で示され、接点506および508は、SW2接触パッド512の接点506および508との接触によって閉じた状態で示される。電気経路は、入力Aから出力Bに、例えば、接点502、接触パッド510、接点504、接点506、接触パッド512、および接点508を通して形成される。SW1接触パッド510およびSW2接触パッド512は、導電板であり得る。接触パッド510および512は、一つのアクチュエータ(または複数のアクチュエータ)によって接点502、504、506、508と接触するようにされ得、これにより、機械的に、空気圧によって、電気的に、またはスイッチの押下などのユーザ入力によって作動し得る。
【0045】
図6Aおよび
図6Bは、一部の実施形態による、回路
図300の別の実装を示す。接点602、604、606、608はそれぞれ、接点302、304、306、308の実装であり得る。SW1接触パッド610は、
図3AのSW1の接触パッドの実装とすることができ、SW2接触パッド612は、
図3AのSW2の接触パッドの実装とすることができる。
【0046】
図示したように、接点602、604、606、608の少なくとも一部は、導電性領域の周りに延在する周縁トレースをそれぞれ含むことができる。接点602、604、606、608の周縁トレースおよび接触領域は、例えば、回路基板上に印刷できる。
【0047】
図6Aでは、接点602および604は開放して示され、接点606および608は開放して示されている。
図6Bでは、接点602および604は、SW1接触パッド610の接点602および604との接触によって閉じた状態で示され、接点606および608は、SW2接触パッド612の接点606および608との接触によって閉じた状態で示される。電気経路は、入力Aから出力Bに、例えば、接点602、接触パッド610、接点604、接点606、接触パッド612、および接点608を通して形成される。SW1接触パッド610およびSW2接触パッド612は、導電板であり得る。接触パッド610および612は、一つのアクチュエータ(または複数のアクチュエータ)によって接点602、604、606、608と接触するようにされ得、これにより、機械的に、空気圧によって、電気的に、またはスイッチの押下などのユーザ入力によって作動し得る。
【0048】
図7は、TNP装置11などの装置による陰圧療法の送達を制御するために使用可能な療法制御プロセス700を示す。便宜上、療法制御プロセス700がTNP装置11の文脈において説明されるが、代わりに、本明細書に記載の他のシステムで、または示されていない他のシステムによって実施される場合もある。療法制御プロセス700は、一部の例において、制御回路12A単独によって、またはTNP装置11のユーザインターフェース12Dとの組み合わせによって実施され得る。
【0049】
ブロック702で、療法制御プロセス700はユーザ入力を受信し得る。ユーザ入力は、例えば、スイッチ21の押下によって、ユーザインターフェース12Dを介して受信され得る。
【0050】
ブロック704で、療法制御プロセス700は、ユーザ入力に応答して、複数のセットの接点の状態を(例えば、接点を閉じるなどして)切り替えることを試みることができる。スイッチ21は、例えば、接点302および304ならびに接点306および308などの複数の対の接点の状態を切り替えることを試みることができる一つのアクチュエータ(または複数のアクチュエータ)を含み得る。スイッチ21が正常に機能している場合、スイッチ21は複数の対の接点の状態を切り替え得る。例えば、複数の対の接点の各々が閉じているように、複数の対の接点の状態はそれぞれ同時に(または実質的に同時に)または次々に切り替えられることができる。スイッチ21が正常に機能していない場合、スイッチ21は複数の対の接点の一つまたは複数の状態を切り替えることができない。
【0051】
ブロック706で、複数の接点のセットの状態が切り替えられなかった場合、療法制御プロセス700は終了することができる。一方で、複数の接点のセットの状態が切り替えられた場合、療法制御プロセス700はブロック708に移行して陰圧を供給することができる。陰圧の供給は制御回路12Aによって開始され、陰圧源12Cによって実施されることができ、流体流路を介して陰圧を創傷被覆材13に供給することができる。
【0052】
ブロック710で、複数の接点のセットの状態が変化しないままである場合、療法制御プロセス700は再びブロック708に移行し、陰圧の供給を継続することができる。一方、ブロック710で、複数の接点のセットのうちの少なくとも一つの状態が変化する(例えば、開かれた)場合、療法制御プロセス700はブロック712に移行できる。例えば、ユーザ入力は、スイッチ21の押下などによりユーザインターフェース12Dを介して受信することができ、複数の対の接点の一つまたは複数の状態を切り替えることができる。スイッチ21が正常に機能している場合、スイッチ21は複数の対の接点の状態を切り替え得る。例えば、複数の対の接点の各々が開いているように、複数の対の接点の状態はそれぞれ同時に(または実質的に同時に)または次々に切り替えられることができる。スイッチ21が正常に機能していない場合、スイッチ21は複数の対の接点の一つまたは複数の状態を切り替えることができない。
【0053】
ブロック712で、療法制御プロセス700は陰圧の供給を無効化することができる。陰圧の供給は、例えば、陰圧源12Cまたは制御回路12Aの動作の停止、流体流路内に位置付けられたベントの開放、流体流路内に位置付けられた弁の閉鎖によって無効化され得る。ブロック710で、複数の接点のセットの全てより少ないものを切り替える(例えば、開く)ことにより、療法制御プロセス700がブロック710からブロック712へと移行しうるため、療法制御プロセス700は有利には、特定の実施形態において、複数の接点のセットの全てを切り替えることに関与し得る陰圧の供給を無効化するために想定される表示を受信しないにも拘らず、陰圧の供給を無効化するいくつかの表示に応答して、陰圧の供給を無効化するか、または無効化するようにバイアスをかけられる。ブロック712の後、療法制御プロセス700は終了することができる。一部の実施形態では、ブロック710は、定期的に、または一つまたは複数の接点の状態の変化(例えば、一つまたは複数の接点の状態が切り替えられたときに生成される干渉の結果)に応答して実施され得る。特定の実装では、陰圧が供給される間にブロック710を実施し得る。
【0054】
図8は、TNP装置11などの陰圧創傷療法を送達するよう構成された装置内のスイッチ障害を検出するために使用可能なスイッチ故障検出プロセス800を示す。便宜上、スイッチ故障検出プロセス800がTNP装置11の文脈において説明されるが、代わりに、本明細書に記載の他のシステムで、または示されていない他のシステムによって実施される場合もある。スイッチ故障検出プロセス800は、例えば、制御回路12A単独によって、またはユーザインターフェース12Dと組み合わせて実施され得る。プロセス800は、ユーザインターフェース12Dの故障を検出するために使用され得る。スイッチ故障検出プロセス800は、一部の例では、陰圧源12Cをオフにして陰圧を提供しないようにし得る。
【0055】
ブロック802で、スイッチ故障検出プロセス800は、一つの接点のセットの状態において切り替えを検出できる。例えば、制御回路12Aは、
図3Aに示す接点302および304など、スイッチ21の接点の対のうちの一つの状態で切り替えを検出できる。切り替えは、例えば、スイッチ21の一対の接点の電気的特性(電圧または電流など)、機械的特性、圧力特性、または熱的特性の変化から検出することができ、センサを使用して検出することができる。
【0056】
ブロック804で、スイッチ故障検出プロセス800は、別の接点のセットの状態が切り替えられたか判定できる。例えば、制御回路12Aは、スイッチ21へのユーザ入力に応答して、
図3Aに示す接点306および308など、スイッチ21の接点の対のうちの別の状態で切り替えを検出できる。切り替えは、例えば、スイッチ21の接点の対の他方の電気的特性(電圧または電流など)、機械的特性、圧力特性、または熱的特性の変化から検出することができ、センサを使用して検出することができる。
【0057】
別の接点のセットの状態が切り替えられる場合、スイッチ故障検出プロセス800はブロック806に移行し、陰圧を供給することができる。陰圧の供給は制御回路12Aによって開始され、陰圧源12Cによって実施されることができ、流体流路を介して陰圧を創傷被覆材13に供給することができる。
【0058】
別の接点のセットの状態が切り替えられない場合、スイッチ故障検出プロセス800はブロック808に移行し、スイッチ故障表示を出力することができる。別の接点のセットの切り替えの失敗により、別の接点セットがユーザ入力から予期される切り替えに失敗したことが示唆され得る。例えば、制御回路12Aは、他の接点のセットが切り替えられないことからスイッチ故障を検出し、こうしてユーザインターフェース12D上の呈示などのスイッチ故障表示を出力する。ブロック804でのスイッチ故障検出プロセス800はさらに、ブロック808に移行する前に、0.5秒、1秒、2秒、3秒、5秒以上などの時間にわたり、接点の別のセットの切り替えを監視し、スイッチ故障表示を出力し得る。
【0059】
図7および
図8のプロセスは、陰圧の供給を可能または無効にするために一つまたは複数の接点を切り替えることについて記載するが、一つまたは複数の接点を切り替えることは、例えばTNP装置11の初期起動などのTNP装置11のその他の機能を制御するために使用され得る。
【0060】
他の変形
本開示におけるより一つまたは複数の例は、陰圧源、制御回路、または他の構成要素が創傷被覆材上などの統合ユニットの一部として記載するが、一つまたは複数の例は、こうした統合ユニットに開示の範囲を限定しない。冗長起動または無効化制御に関連する特徴は、例えば、創傷被覆材または任意の医療もしくは電子装置に一体化されていない、またはそれから分離されたTNP装置の一部として含まれ得る。
【0061】
本明細書で提供される閾値、限界値、期間などの値は、絶対的なものであることを意図するものではなく、したがっておおよそのものでありうる。さらに、本明細書で提供される任意の閾値、限界値、期間などは、自動的にまたはユーザによって、固定されるかまたは変えられうる。さらに、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の参照値を超えることは、参照値以上であることを包含することができる。その上、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値に関連した、下にある、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。また、種々のプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを判定することに関して説明されうるが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に解釈されうる。
【0062】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示される全ての特徴、または同様に開示される任意の方法もしくはプロセスの全てのステップは、こうした特徴またはステップのうち少なくともいくつかが相互に排他的となる組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0063】
特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。実施形態によっては、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なりうることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、図に示した様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装されてもよい。プロセッサ、ASIC、FPGA等のハードウェア構成要素には論理回路が含まれ得る。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
【0064】
本明細書で図示され、説明されるユーザインターフェーススクリーンには、追加の構成要素または代替の構成要素が含まれうる。これらの構成要素には、メニュー、リスト、ボタン、テキストボックス、ラベル、ラジオボタン、スクロールバー、スライダー、チェックボックス、コンボボックス、ステータスバー、ダイアログボックス、ウィンドウなどが含まれうる。ユーザインターフェーススクリーンには、追加の情報、または代替の情報が含まれうる。構成要素は、任意の好適な順番に配置され、グループ化され、標示されうる。
【0065】
本開示には、特定の実施形態、実施例、及び用途が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形及びその等価物にまで及び、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定されうる。
【0066】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」等の用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、及び動作等を排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0067】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかでありうることを伝えるのに一般的に用いられる文脈と共に、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つとを含むことを必要とするという示唆を通常意図しない。
【0068】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、特定の実施形態において、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
【0069】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義されうる。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
創傷に陰圧を適用する装置であって、
流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成される陰圧源と、
ユーザ入力に応答して第一の対の電気接点の状態と第二の対の電気接点の状態とを切り替えるように構成されたアクチュエータを備えるスイッチと、
制御回路であって、
電気接続状態にある前記第一の対の電気接点および電気接続状態にある前記第二の対の電気接点に応答して、前記陰圧源で陰圧を供給し、
電気接続状態にない前記第一の対の電気接点および電気接続状態にない前記第二の対の電気接点に応答して、前記陰圧源で陰圧を供給することを無効化するように構成される制御回路と、を備える、装置。
[付記項2]
前記制御回路が、前記電気接続状態にある前記第一の対の電気接点および前記電気接続状態にない前記第二の対の電気接点に応答して、前記陰圧源で陰圧を供給することを無効化にするように構成される、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記アクチュエータが、前記ユーザ入力に応答して、前記第一の対の電気接点の前記状態と前記第二の対の電気接点の前記状態とを同時に切り替えるように構成される、付記項1または2に記載の装置。
[付記項4]
前記制御回路が、前記スイッチへの前記ユーザ入力以外のユーザ入力がないことに応答して、前記陰圧源で陰圧を供給するように構成される、付記項1~3のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項5]
アクチュエータが故障し、前記第一の対の電気接点の前記状態または前記第二の対の電気接点の前記状態を切り替えることができなくなると、前記制御回路が、前記陰圧源で陰圧を供給しなくなるようにさらに構成される、付記項1~4のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項6]
前記制御回路が、前記第二の対の電気接点の前記状態の切り替えに続く閾値期間内に切り替わらない前記第一の電気接点の前記状態に応答して、スイッチ故障を検出するようにさらに構成される、付記項1~5のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項7]
前記閾値期間が、0.5秒、1秒、2秒、3秒、または5秒である、付記項6に記載の装置。
[付記項8]
前記制御回路が、前記スイッチ故障の検出に応答して、スイッチ故障表示を出力するようにさらに構成される、付記項6または7に記載の装置。
[付記項9]
第一の対の電気接点が、複数の第一のトレースを含み、前記第二の対の電気接点が、複数の第二のトレースを含み、前記アクチュエータが、前記ユーザ入力に応答して、前記複数の第一のトレースを互いに短絡させ、前記複数の第二のトレースを互いに短絡させるように構成される、付記項1~8のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項10]
前記陰圧源が、前記創傷被覆材上またはその中に配置される、付記項1~9のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項11]
前記制御回路が、前記陰圧源の動作の停止、前記流体流路内に位置付けられたベントの開放、または前記流体流路内に位置付けられた弁の閉鎖によって、前記陰圧源での陰圧の供給を無効化するように構成される、付記項1~10のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項12]
前記スイッチが、前記スイッチの押下として前記ユーザ入力を受信するように構成される、付記項1~11のいずれか一つまたは複数に記載の装置。
[付記項13]
創傷への陰圧の適用を制御するための方法であって、前記方法が、
スイッチのアクチュエータを使用して、前記スイッチへのユーザ入力の受信に応答して、第一の対の接点の状態と第二の対の接点の状態とを切り替えることと、
前記第一の対の接点の前記状態が第一の状態であり、前記第二の対の前記状態が第二の状態であることに応答して、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧源で陰圧を供給することと、
前記第一の対の接点の前記状態が第一の状態にはなく、前記第二の対の接点の前記状態が第二の状態にはないことに応答して、前記陰圧源での陰圧の供給を無効化することと、を含み、
一回目では、前記第一の対の接点の前記状態が前記第一の状態であり、前記第二の対の接点の前記状態が前記第二の状態であり、二回目では、前記第一の対の接点の前記状態が前記第一の状態ではなく、前記第二の対の接点の前記状態が前記第二の状態ではない、方法。
[付記項14]
前記第一および前記第二の状態が、電気接続の形成に対応する、付記項13に記載の方法。
[付記項15]
三回目では、前記第一の対の接点の前記状態が前記第一の状態であり、前記第二の対の接点の前記状態が前記第二の状態ではない、付記項13または14に記載の方法。
[付記項16]
前記切り替えることが、前記スイッチへの前記ユーザ入力の受信に応答して、前記第一の対の接点の前記状態と前記第二の対の接点の前記状態とを同時に切り替えることを含む、付記項13~15のいずれか一つまたは複数に記載の方法。
[付記項17]
前記第二の対の接点の前記状態の切り替えに続く閾値期間内で切り替わらない前記第一の対の接点の前記状態に応答して、スイッチ故障を検出することをさらに含む、付記項13~16のいずれか一つまたは複数に記載の方法。
[付記項18]
前記閾値期間が0.5秒~5秒である、付記項17に記載の方法。
[付記項19]
前記検出することに応答して、ユーザへの呈示のためにスイッチ故障表示を出力することをさらに含む、付記項17または18に記載の方法。
[付記項20]
前記無効化することが、前記陰圧源の動作の停止、前記流体流路内に位置付けられたベントの開放、または前記流体流路内に位置付けられた弁の閉鎖によって、前記陰圧源での陰圧の供給を無効化することを含む、付記項13~19のいずれか一つまたは複数に記載の方法。