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  • 特許-物干しハンガー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】物干しハンガー
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20220809BHJP
   A47G 25/40 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
D06F57/00 340
A47G25/40 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020206492
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022093810
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2020-12-18
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-24
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515311039
【氏名又は名称】東山 秀昭
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】東山 秀昭
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】柿崎 拓
【審判官】熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210300549(CN,U)
【文献】特開2010-178811(JP,A)
【文献】登録実用新案第3112096(JP,U)
【文献】特開2020-124310(JP,A)
【文献】特開2003-126596(JP,A)
【文献】特開2016-64109(JP,A)
【文献】実開平7-36851(JP,U)
【文献】特開2011-67577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/361054(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0419071(KR,Y1)
【文献】特開2011-50710(JP,A)
【文献】登録実用新案第3140496(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G25/14-25/52
D06F57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に肩かけ部を有する物干しハンガーであって、
左右の肩かけ部(10,10)を有するハンガー本体(10A)と、
このハンガー本体(10A)の左右端(11)においてそれぞれハンガー本体(10A)の内方(12)から外方(13)に向かって左右方向に回動可能で衣類の脇部(51)内に進入可能となる脇部支持位置(11)と、左右の肩かけ部(10,10)の前記左右端以外の部位(14)において、ハンガー後方上部(15)に向かって延出可能で衣類のフード(56)内に進入可能となるフード支持位置(14)とを選択的に取り得る、左右一対の物干し延長体(20)とを備え、
前記ハンガー本体(10A)は、その左右端(11)がそれぞれ上下方向に延びる軸部(11)を構成するとともに、前記左右の肩かけ部(10,10)は、それぞれ、少なくと前記脇部支持位置(11)から前記フード支持位置(14)までの範囲は、棒体からなるフレーム状であり、
前記左右一対の物干し延長体(20)は、前記棒体にスライド可能に嵌まり合う筒状の基部(21)と、この基部(21)から伸びていて、前記脇部支持位置(11)に位置するとき前記軸部(11)回りに回動して衣類の脇部(51)内に進入可能、かつ、前記フード支持位置(14)に位置するとき衣類のフード(56)内に進入可能な支持部(22)と、
を有し
記筒状の基部(21)には、軸線方向に伸びるスリット(21s)が設けられており、
前記左右の肩かけ部(10,10)の前記フード支持位置(14)には、前記スリット(21s)と係合することで、ハンガー後方上部(15)に向かって延出する物干し延長体(20)の延出方向角度(θ)を規定する突片状のストッパ(14s)が設けられ、
このストッパ(14s)は物干し延長体(20)のスライド方向に伸びるレール状であることを特徴とする物干しハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干しハンガーに関するものである。より詳しくは、衣類の脇の下、あるいはフードを干すのに適した物干しハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、ハンガーの肩かけ部を伸縮するようにし、肩かけ部を伸ばすことで、脇の下部が乾きやすくした伸縮式物干しハンガーが知られている。
【0003】
しかし、この伸縮式物干しハンガーは、フード付き衣類のフード部を乾燥させるのには適していない。
【0004】
また、従来、例えば特許文献2に見られるように、「フック1とハンガー部2を繋ぐロッド3を従来のものより長くし、そのロッド3の上部に横棒4を取り付け、複数の洗濯バサミ5を吊り下げることにより、フード付き衣類8のフード7の前頭部分を洗濯バサミで挟んで吊り上げて干すことが出来る」(同文献0010段落)ようにしたフード付き衣類用物干しハンガーが知られている。
【0005】
しかしこのフード付き衣類用物干しハンガーは、衣類の脇の下を乾燥させるのには適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平03-92488号公報
【文献】特開2003-245500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、衣類の脇の下、フードのどちらでも干すのに適した物干しハンガーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の物干しハンガーは、
左右に肩かけ部を有する物干しハンガーであって、
左右の肩かけ部の左右端においてそれぞれハンガー内方から外方に向かって左右方向に回動可能、かつ、左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位において、ハンガー後方上部に向かって延出可能な、左右一対の物干し延長体を備えていることを特徴とする。
この物干しハンガーは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
衣類の脇の下の乾燥を促進させたい場合には、左右一対の物干し延長体を、左右の肩かけ部の左右端においてそれぞれハンガー内方から外方に向かって左右方向に回動させた状態とし、その左右一対の物干し延長体をそれぞれ、ハンガーに掛ける衣類の脇下部内に進入させる。
これにより、脇下部が左右に広がった状態となり、乾燥が促進される。
衣類のフードの乾燥を促進させたい場合には、左右一対の物干し延長体を、左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位において、ハンガー後方上部に向かって延出させ、その延長体の先端で、ハンガーに掛けられた衣類のフードを内方から上方に向かって支持する。
これにより、フードは上方に広がった状態となり、乾燥が促進される。
以上のように、本発明の物干しハンガーによれば、衣類の脇の下、フードのどちらでも干すのに適しているという効果が得られる。
【0009】
この物干しハンガーにおいては、
前記左右一対の物干し延長体は、
左右の肩かけ部の外周辺に沿ってスライド可能な基部と、
この基部から伸びていて、左右の肩かけ部の左右端に位置するとき衣類の脇部内に進入可能、かつ、左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位に位置するとき衣類のフード内に進入可能な支持部と、
を有している構成とすることができる。
このように構成すると、左右一対の物干し延長体の基部を、左右の肩かけ部の外周辺に沿ってスライドさせることで、左右の肩かけ部の左右端と、左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位とに、容易に選択的に位置させることができ、使い勝手が向上する。
【0010】
この物干しハンガーにおいては、
前記左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位には、ハンガー後方上部に向かって延出する物干し延長体の延出方向角度を規定するストッパが設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、ハンガー後方上部に向かって延出する物干し延長体を、フードを干すのに適した角度で延出させることができる。
【0011】
この物干しハンガーにおいては、
前記左右の肩かけ部は、少なくとも左右端から前記左右端以外の部位までの範囲は、棒体からなるフレーム状であり、
前記左右一対の物干し延長体は、前記棒体にスライド可能に嵌まり合う筒状の基部と、この基部から伸びていて、左右の肩かけ部の左右端に位置するとき衣類の脇部内に進入可能、かつ、左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位に位置するとき衣類のフード内に進入可能な支持部と、
を有している構成とすることができる。
このように構成すると、左右の肩かけ部の外周辺に沿わせた物干し延長体のスライド操作を容易に行うことができる。
【0012】
この物干しハンガーにおいては、
前記筒状の基部には、軸線方向に伸びるスリットが設けられており、
前記左右の肩かけ部の前記左右端以外の部位には、前記スリットと係合することで、ハンガー後方上部に向かって延出する物干し延長体の延出方向角度を規定する突片状のストッパが設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、左右一対の物干し延長体の基部を、左右の肩かけ部の外周辺に沿ってスライドさせ、基部のスリットを突片状のストッパに係合させることで、左右一対の物干し延長体を、フード支持に適した角度に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る物干しハンガーの実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)におけるb-b端面図。
図2】同じく使用状態を示す正面図。
図3】他の使用状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)におけるb-b断面図、(c)は図(b)の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る物干しハンガーの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0015】
図1に示すように、この実施の形態の物干しハンガー1は、
左右に肩かけ部10,10を有する物干しハンガーであって、
左右の肩かけ部10,10を有するハンガー本体(10A)の左右端(脇部支持位置)11,11においてそれぞれハンガー内方12から外方13に向かって左右方向に回動可能、かつ、左右の肩かけ部10,10の前記左右端以外の部位(フード支持位置)14,14において、ハンガー後方上部15(図3参照)に向かって延出可能な、左右一対の物干し延長体20,20を備えている。
【0016】
この物干しハンガー1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
例えば図2に示すように、衣類50の脇の下51の乾燥を促進させたい場合には、左右一対の物干し延長体20を、左右の肩かけ部10,10の左右端11,11においてそれぞれハンガー内方から外方に向かって左右方向に回動させた状態とし、その左右一対の物干し延長体20をそれぞれ、ハンガー1に掛ける衣類50の脇下部51内に進入させる。
これにより、脇下部51が左右に広がった状態となり、乾燥が促進される。
【0017】
例えば図3に示すように、衣類55のフード56の乾燥を促進させたい場合には、左右一対の物干し延長体20を、それぞれ左右の肩かけ部10,10の前記左右端以外の部位14において、ハンガー後方上部15に向かって延出させ、その延長体20の先端23で、ハンガー1に掛けられた衣類55のフード56を内方から上方に向かって支持する。
これにより、フード56は上方に広がった状態となり、乾燥が促進される。
【0018】
以上のように、この実施の形態の物干しハンガー1によれば、衣類の脇の下、フードのどちらでも干すのに適しているという効果が得られる。
【0019】
図1等において、19はハンガーの中央上部に回転可能に設けられたフックであり、図2図3(b)において60は、ハンガーか掛けられる物干し竿等の被掛け体である。
【0020】
左右一対の物干し延長体20は、
左右の肩かけ部10,10の外周辺10cに沿ってスライド可能な基部21と、
この基部21から伸びていて、左右の肩かけ部10,10の左右端11に位置するとき衣類の脇部51内に進入可能、かつ、左右の肩かけ部10,10の前記左右端以外の部位14に位置するとき衣類55のフード56内に進入可能な支持部22と、
を有している。
【0021】
このように構成すると、左右一対の物干し延長体20の基部21を、左右の肩かけ部10,10の外周辺10cに沿ってスライドさせることで、左右の肩かけ部10,10の左右端11と、左右の肩かけ部10,10の左右端以外の部位14とに、容易に選択的に位置させることができ、使い勝手が向上する。
【0022】
左右の肩かけ部10,10の左右端以外の部位14には、ハンガー後方上部に向かって延出する物干し延長体20の延出方向角度θ(図3(b)参照)を規定するストッパ14sが設けられている。
【0023】
このように構成すると、ハンガー後方上部15に向かって延出する物干し延長体20を、フード56を干すのに適した角度で延出させることができる。
【0024】
左右の肩かけ部10,10は、少なくとも左右端11から前記左右端以外の部位14までの範囲は、棒体からなるフレーム状であり、
左右一対の物干し延長体20は、棒体(10)にスライド可能に嵌まり合う筒状の基部21と、この基部21から伸びていて、左右の肩かけ部10,10の左右端11に位置するとき衣類の脇部51内に進入可能、かつ、左右の肩かけ部10,10の左右端以外の部位14に位置するとき衣類のフード56内に進入可能な支持部22と、
を有している。
【0025】
このように構成すると、左右の肩かけ部10,10の外周辺10cに沿わせた物干し延長体20のスライド操作を容易に行うことができる。
【0026】
図1(b)および図3(c)に示すように、筒状の基部21には、筒状体(21)の軸線方向に伸びるスリット21sが設けられており、
左右の肩かけ部10,10の左右端以外の部位14には、スリット21sと係合することで、ハンガー後方上部15に向かって延出する物干し延長体20の延出方向角度θを規定する突片状の前記ストッパ14sが設けられている。
【0027】
このように構成すると、左右一対の物干し延長体20の基部21を、左右の肩かけ部10,10の外周辺10cに沿ってスライドさせ、例えば図3に示すように基部21のスリット21sを突片状のストッパ14sに係合させることで、左右一対の物干し延長体20を、フード56支持に適した角度θに位置させることができる。
【0028】
この実施の形態のストッパ14sは突片状であり、かつ物干し延長体20のスライド方向に伸びるレール状であるので、物干し延長体20の基部21をストッパ14sに沿ってスライドさせることで、フード支持時の物干し延長体20同士の間隔をフード56に合わせて調整することができる。
【0029】
この実施の形態の物干しハンガー1の構成部品は、いずれも適宜の材料、例えば、合成樹脂や金属で構成することができる。
左右の肩かけ部10,10の形状は、その周縁部に沿って物干し延長体20,20をスライドさせることができる形状であれば適宜の形状を採用することができる。
この実施の形態の肩かけ部10は棒状体であるが、棒状体にはパイプ状のものも含まれる。
図1等において、16はランニングシャツ等の肩部を掛けるための蟻溝部であるが、この蟻溝部16は必ずしも必要なものではない。
【0030】
延長体20の支持部22は、この実施の形態では、板状であるが、棒状としても良い。
【0031】
フードを干す際の物干し延長体20の延出方向角度θは90度~210度の範囲で適宜設定することができる。望ましくは、120度~180度とする。図示のものは、135度としてある。
【0032】
図1(b)および図3(c)に示すように、筒状の基部21には、筒状体(21)の軸線方向に伸びる前記スリット21sが設けられており、
左右の肩かけ部10,10の左右端以外の部位14には、スリット21sと係合することで、ハンガー後方上部15に向かって延出する物干し延長体20の延出方向角度θを規定する突片状の前記ストッパ14sが設けられている。
【0033】
このように構成すると、左右一対の物干し延長体20の基部21を、左右の肩かけ部10,10の外周辺10cに沿ってスライドさせ、例えば図3に示すように基部21のスリット21sを突片状のストッパ14sに係合させることで、左右一対の物干し延長体20を、フード56支持に適した角度θに位置させることができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0035】
この実施の形態では、物干し延長体20は、左右の肩かけ部10の周縁部に沿ってスライドさせる構成としたが、肩かけ部10に対して着脱させる構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0036】
1: 物干しハンガー
10: 肩かけ部
10c: 外周辺
11: 左右端
14: 左右端以外の部位
14s: ストッパ
15: ハンガー後方上部
20: 物干し延長体
21: 基部
21s: スリット
51: 衣類の脇部
56: 衣類のフード
図1
図2
図3