(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】直接金属レーザ溶融で用いられる高出力密度レーザを直接校正するためのセンサシステム
(51)【国際特許分類】
H01S 3/00 20060101AFI20220809BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20220809BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20220809BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20220809BHJP
【FI】
H01S3/00 B
H01S3/00 G
B23K26/00 M
B23K26/21 Z
B23K26/34
(21)【出願番号】P 2020500621
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(86)【国際出願番号】 US2018041543
(87)【国際公開番号】W WO2019014290
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-02-18
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】コエック,サム
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-531197(JP,A)
【文献】特開2012-096256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0027421(US,A1)
【文献】特開2015-155933(JP,A)
【文献】特表2003-509681(JP,A)
【文献】国際公開第2017/091505(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/027788(WO,A1)
【文献】特表2011-506145(JP,A)
【文献】特開平10-085969(JP,A)
【文献】特開昭62-024117(JP,A)
【文献】国際公開第2016/155690(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
B23K 26/00-26/70
H01L 31/00-31/02
H01L 31/08-31/10
H01L 31/18
H01S 5/00-5/50
B29C 64/00-64/40
B29C 67/00-67/08
B29C 67/24-69/02
B29C 73/00-73/34
B29D 1/00-29/10
B29D 33/00
B29D 99/00
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元プリントシステムであって、
光路に沿って少なくとも100ワットの光パワーを伝送するさまざまの直径のビームを照射するレーザシステムであって、レーザが、前記ビームが最小ビーム直径を有する焦点面においてまたはそれに近接して位置する結像面を有する、レーザシステム;
前記光路に沿って配置され、前記
レーザシステムから照射されたビームを受け取り、前記光パワーの大部分を透過し、残りの光パワーを反射する、ビームスプリッタ;
前記結像面において前記光路に沿って配置され、前記
ビームスプリッタにより反射されたビームを受け取る、ピンホール;
前記光路に沿って配置され、前記ピンホール
を通った前記ビームを受け取る、センサ;および
前記センサからの信号を分析し、前記
センサで受け取られたビームについて強度および他のパラメータを特定するよう構成される、コントローラ
を備え
、
前記ビームが前記レーザシステムと前記ビームスプリッタとの間で集束し、前記ビームスプリッタにおける前記ビーム直径が前記最小ビーム直径の少なくとも5倍であることを特徴とする
三次元プリントシステム。
【請求項2】
前記レーザシステムが、二次元走査システムを含み、これにより、前記ビームが、前記光路に垂直な2つの横軸に沿う前記ピンホールに沿って走査をすることを特徴とする、請求項1に記載の三次元プリントシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記
二次元走査システムを含む前記レーザシステムを制御することを特徴とする、請求項2に記載の三次元プリントシステム。
【請求項4】
前記ビームスプリッタが、前記
レーザシステムから照射されたビームの前記光パワーの25%未満を前記ピンホールに反射することを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載の三次元プリントシステム。
【請求項5】
前記最小ビーム直径が、約35~300マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする、請求項1~
4のいずれか一項に記載の三次元プリントシステム。
【請求項6】
前記最小ビーム直径が、約50~150マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする、請求項1~
4のいずれか一項に記載の三次元プリントシステム。
【請求項7】
前記ピンホールが、前記最小ビーム直径の25%未満の直径を有することを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の三次元プリントシステム。
【請求項8】
前記ビームが前記ピンホールと前記センサとの間で発散し、前記センサにおける前記ビーム直径が前記最小ビーム直径の少なくとも5倍であることを特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載の三次元プリントシステム。
【請求項9】
高出力密度レーザシステムのためのレーザ校正システムであって、
光路を定めかつそれに沿って配置され、前記レーザシステムにより照射された少なくとも100ワットの光パワーの集束および発散ビームを受け取る、一連の光学部品
を備え、
前記レーザシステムが、前記光路に沿って結像面および焦点面を有し、該焦点面において前記ビームが最小
ビーム直径を有し、前記一連の光学部品が:
前記ビームが前記最小
ビーム直径の少なくとも5倍の直径を有する位置において前記集束ビームを受け取るビームスプリッタであって、前記ビームの入来光パワーの大部分を透過し、かつ、前記入来光パワーの小部分を反射する、ビームスプリッタ;
前記光路に沿った前記結像面に配置され、前記ビームスプリッタから前記反射
されたビームを受け取る、ピンホール;
前記
反射されたビームが前記最小
ビーム直径の少なくとも5倍の直径を有する位置において前記ピンホールから前記発散ビームを受け取るセンサ;および
前記センサからの信号を分析し、前記レーザについて強度および分布パラメータを特定するよう構成される、コントローラ
を備える、
レーザ校正システム。
【請求項10】
前記ビームスプリッタが、前記
集束ビームの前記光パワーの25%未満を前記ピンホールに反射することを特徴とする、請求項
9に記載のレーザ校正システム。
【請求項11】
前記最小ビーム直径が、約35~300マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする、請求項
9または
10に記載のレーザ校正システム。
【請求項12】
前記ピンホールが、前記最小ビーム直径の25%未満の直径を有することを特徴とする、請求項
9~
11のいずれか一項に記載のレーザ校正システム。
【請求項13】
三次元プリントシステムであって、
光路に沿って少なくとも100ワットの光パワーの光ビームを照射するレーザであって、前記レーザが、前記ビームが最小ビーム直径を有する位置において前記光路に沿って焦点位置を有し、前記ビームが、前記光路に沿って集束部分および次いで発散部分を有する、レーザ;
前記光路に垂直な二次元において前記レーザを走査するための走査システム;
前記ビームが前記最小
ビーム直径の少なくとも5倍の直径を有する位置において、前記光路に沿って集束ビームを受け取るよう配置されたビームスプリッタであって、前記ビームの入来光パワーの大部分を透過し、かつ、前記入来光パワーの小部分を反射する、ビームスプリッタ;
前記光路に沿って結像面に配置され、前記ビームスプリッタから
前記反射
されたビームを受け取る、ピンホール;
前記ピンホールからの発散ビームを受け取るよう配置されたセンサ;および
前記センサからの信号を分析し、前記レーザについて強度および分布パラメータを特定するよう構成される、コントローラ
を備える三次元プリントシステム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記レーザおよび前記走査システムを制御することを特徴とする、請求項
13に記載の三次元プリントシステム。
【請求項15】
前記ビームスプリッタが、前記
集束ビームの前記光パワーの25%未満を前記ピンホールに反射することを特徴とする、請求項
14に記載の三次元プリントシステム。
【請求項16】
前記最小ビーム直径が、約35~300マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする、請求項
14に記載の三次元プリントシステム。
【請求項17】
前記最小ビーム直径が、約50~150マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする、請求項
14に記載の三次元プリントシステム。
【請求項18】
前記ピンホールが、前記最小ビーム直径の25%未満の直径を有することを特徴とする、請求項
14に記載の三次元プリントシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この非仮特許出願は、U.S.C.119(e)の下でここに参照することによって援用される、2017年7月12日出願のSam Coeckによる「SENSOR SYSTEM FOR DIRECTLY CALIBRATING HIGH POWER DENSITY LASERS IN DIRECT METAL LASER MELTING」と題された米国仮特許出願第62/531,384号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、積層付加製造装置に使用されるレーザシステムを校正することに関する。より詳細には、本開示は、直接金属レーザ溶融法で用いられる高出力密度レーザの直接校正を説明する。
【背景技術】
【0003】
三次元(3D)プリンタは、使用が急速に増加している。3Dプリンタの1つの分野は、層ごとの(layer-by-layer)態様で金属粉末を選択的に溶融および融合する直接金属レーザ溶融プリンタを含む。これらのプリンタは、ステンレス鋼、アルミニウム、およびチタンのような金属粉末を利用する。必要とされるレーザは、非常に高い出力密度を出力する。レーザビームは、さまざまの光学部品およびセンサを含むほとんどの校正装置を急速に劣化させるので、レーザを校正するための従来の方法および装置は概して実用的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような高出力密度レーザを校正するための精密かつ耐久力のあるシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様において、三次元プリントシステムは、レーザシステム、ビームスプリッタ、ピンホール、センサ、およびコントローラを含む。レーザシステムは、光路に沿って少なくとも100ワットの光パワーを伝送するさまざまの直径の光ビームを照射する。レーザは光路に沿って焦点面を有し、光ビームはここで最小直径を有する。ビームスプリッタは、光路に沿って配置され、ビームを受け取り、光パワーの大部分を透過し、残りの光パワーを反射する。ピンホールは、結像面で光路に沿って配置され、反射ビームを受け取る。結像面は、焦点面に一致または近接してもよい。コントローラは、センサからの信号を分析し、光ビームについて強度および分布パラメータを特定するよう構成される。
【0006】
1つの実装形態において、レーザシステムは、光路に垂直な2つの軸に沿うピンホールに沿ってビームを走査する二次元走査システムを含む。別の実装形態において、コントローラは、走査システムを含むレーザシステムを制御する。
【0007】
さらに別の実装形態において、ビームはレーザシステムとビームスプリッタとの間で集束し、ビームスプリッタにおけるビーム直径は最小ビーム直径の少なくとも3倍である。さまざまの他の実装形態において、ビームスプリッタにおけるビーム直径は、最小ビーム直径の少なくとも5倍または少なくとも10倍でもよい。
【0008】
さらなる実装形態において、ビームスプリッタは、光パワーの25パーセント未満をピンホールへ反射する。さらなる実装形態において、ビームスプリッタは、光パワーの20パーセント未満をピンホールへ反射する。別の実装形態において、ビームスプリッタは、光パワーの約5~20パーセントをピンホールへ反射する。さらに別の実装形態において、ビームスプリッタは、光パワーの約10パーセントをピンホールへ反射する。
【0009】
さらなる実装形態において、最小ビーム直径は、35~300マイクロメートルの範囲内である。さらなる実装形態において、最小ビーム直径は、約50~150マイクロメートルの範囲内である。追加の実装形態において、ビームは、少なくとも約400ワット、少なくとも約500ワット、または約1000ワットの出力パワーを伝送する。
【0010】
別の実装形態において、ピンホールは、最小ビーム直径の25%未満の直径を有する。
【0011】
さらに別の実装形態において、ビームはピンホールとセンサとの間で発散し、センサにおけるビーム直径は最小ビーム直径の少なくとも3倍である。さまざまの他の実装形態において、センサにおけるビーム直径は、最小ビーム直径の少なくとも5倍または少なくとも10倍でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】レーザ校正システムを有する三次元プリントシステム2の一部の概略ブロック図
【
図2】レーザ出力を分析するための三次元プリントシステム2の例示的動作を示すフローチャート
【
図3】横軸XおよびYに沿ったピンホールに亘るビームの走査を示す図
【
図4】ピンホールに亘って横方向に走査するビームについての走査信号を示す図
【
図5】ビーム強度対光軸からのラジアル距離のプロファイルプロットを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、三次元(3D)プリントシステム2の一部の簡略化した(正確な縮尺ではない)概略ブロック図である。三次元(3D)プリントシステム2の説明において、相互に垂直な軸X、Y、およびSを用いて、位置、方向、および動作を説明する。開示の目的で、変数Sは、光ビーム8がその上を横断する光路6に沿ったレーザ4からの距離である。ベクトル方向Sは、光ビーム8の方向であり、光路6に沿って変化する傾向がある。軸XおよびYは、光路6に対して横方向であり、したがって、光路6に沿った方向で変化する。軸XおよびYは「横軸」と称され、軸Sは「ビーム軸」と称される。光路6は、レーザシステム4、ビームスプリッタ10、ピンホール12、およびセンサ14を含む多くの光学部品によって定められ、それらの間を光ビーム8が横断する。光ビーム8は、直径(D)が変化し、光路6に沿って集束および発散する。
【0014】
レーザシステム4は、レーザおよび走査システムを含む。レーザシステム4は、ピンホール12に到達する前に光路6に沿って集束するビーム8を照射する。ピンホール12は、レーザシステム4の「結像面」にある。結像面は、ビーム直径が最小となる焦点面に一致または近接する。焦点面において、最小ビーム直径(DMIN)は、35~300マイクロメートルまたは50~150マイクロメートルの範囲内、または約60マイクロメートルである。ビーム8は、少なくとも100ワットの光パワーを伝送する。いくつかの実施形態において、ビーム8は、少なくとも400ワットまたは約500ワットまたは約1000ワットの光パワーを伝送しうる。例示的な実施形態において、三次元(3D)プリントシステム2を用いて、そのような高い出力密度を必要とする、ステンレス鋼またはチタンのような金属粉末の層を選択的に溶融する。最小ビーム直径におけるレーザシステム4の全出力密度は、経時で光学部品を劣化および損傷しうる。レーザシステム4はまた、横軸XおよびYに沿ってビーム8を制御可能に走査する。
【0015】
ビーム8がビームスプリッタ10に達する際、ビームスプリッタ10の劣化を防ぐために、最小ビーム直径DMINの少なくとも3倍である直径Dを有する。他の実施形態において、ビームスプリッタ10におけるビーム直径Dは、最小ビーム直径DMINの少なくとも5倍または少なくとも10倍である。ビームスプリッタ10は、光ビーム8を反射部分8Rおよび透過部分8Tに分ける。光ビーム8の反射部分8Rは、レーザシステム4から照射された光パワーの半分未満を伝送する。より詳細な実施形態において、反射部分は、レーザシステム4から照射された光パワーの25%未満、20%未満、または約10%を伝送する。特定の実施形態において、レーザシステムは500ワットの光パワーを照射する。次いで、光ビーム8の反射部分8Rは、ピンホール12に向かって50ワットの光パワーを伝送する。より低いパワーレベルによって、ピンホール12の劣化およびセンサ14への損傷が防止される。
【0016】
光ビーム8は、ピンホール12の前で集束し、ピンホール12とセンサ14との間で発散する。したがって、光ビーム8は、光ビーム8についての結像面に位置するピンホール12においてまたはそれに近接して最小直径DMINを有する。ピンホール12は、光ビーム8についての最小直径DMINの25%未満の直径を有する。より詳細な実施形態において、ピンホールは、光ビーム8についての最小直径DMINの20%以下の直径を有する。
【0017】
光ビーム8(反射部分8R)がセンサ14に到達する際、ビーム直径Dは、最小直径DMINの少なくとも3倍である。他の実施形態において、センサ14におけるビーム直径Dは、最小直径DMINの少なくとも5倍または少なくとも10倍である。ある実施形態において、ビームスプリッタ10とピンホール12との間の光路長は、ピンホール12からセンサ14までの光路長にほぼ等しい。より詳細な実施形態において、ビームスプリッタ10からピンホール12までの距離は約15センチメートルであり、ピンホール12からセンサ14までの距離は約15センチメートルである。ピンホール12からセンサ14までのビームの拡大によって、センサ14への損傷が防止される。例示的な実施形態において、センサ14はフォトダイオードである。
【0018】
コントローラ16は、レーザシステム4およびセンサ14に接続される。コントローラ16は、レーザシステム4を制御する。コントローラ16は、光ビーム8の走査中にセンサ14から情報を受け取り、この情報を判断してビーム形状プロファイルおよび光パワーレベルを特定する。コントローラ16は、プロセッサ(図示せず)および情報記憶装置(図示せず)を含んでいる。情報記憶装置は、プロセッサにおいて実行される際に、センサから情報を受け取り、システム2の部分を制御し、計算を行い、結果を伝達する、命令を記憶する。これには、
図2に関して説明される方法20が含まれる。コントローラ16は、単一のプリント回路基板または基材上に配置されてもよいし、複数のプリント回路基板および/または基材上に分散されてもよい。コントローラ16は、1つの同じ位置に配置されてもよいし、複数の空間的および/または地理的位置に亘って分散されてもよい。1つの実施形態において、コントローラ16は、三次元プリントシステム2を制御するためのコントローラおよびレーザシステム4を校正するための別個のコントローラを含む。
【0019】
図2は、レーザシステム4を分析するための方法を示す。方法20のステップは、コントローラ16の制御下で行われる。ステップ22に従って、レーザシステム4は、横軸XおよびYに沿って光ビーム8を走査する。1つの実施形態に従って、パターンは、1つの軸に沿った増分前進および別の軸に沿った回帰を組み合わせて、ボックス、円、または楕円をカバーする。
【0020】
ステップ24に従って、センサ14からの信号が観察される。信号は、反射ビーム8Rからのセンサ14によって受け取られる光パワーを示す。パワーレベルは、回帰および走査パターンによって変化する。
【0021】
ステップ26に従って、パワーレベル対時間が分析される。この分析から、ビーム形状および光パワーレベルを含むビームパラメータが光ビーム8について特定される。通常、光ビーム8は、強度対光軸Sからのラジアル距離についてのガウス分布プロファイルを有する。ビーム直径は円柱面によって定められ、ここにおいて強度は2標準偏差だけビームの中心から減少する。
【0022】
図3-6は、
図2の方法を説明する。これらの図面を議論する前に、いくつかの変数の定義が検討される。変数Dは、光路6に沿った任意の点でビーム直径に等しいものとして定められる。Dは、光路6に沿った距離Sと共に変化し、レーザシステム4とピンホール12との間で減少し、次いで、ピンホール12とセンサ14との間で増加する。変数D
MINは、最小ビーム直径として定められる。したがって、ピンホール12においてまたはそれに近接して、D=D
MINである。Dを定める際に、軸Sを、ビーム強度が最大であるビームの中心に取る。典型的な円形ビームについて、軸Sから離れるラジアル距離の二乗に比例して強度が増加する。ビーム直径Dは、Sから離れた2標準偏差に含まれるものとして定められる。
【0023】
図3は、
図2のステップ22に従った光ビームの走査を示す非常に簡略化した(正確な縮尺ではない)図である。ビームは、Yに沿って増分しながら回帰(retrace)パターンでXに沿って走査できる(
図3の左側)。あるいは、ビームは、Xに沿って増分しながら回帰パターンでYに沿って走査する(
図3の右側)。例えば
図4に関して説明されるようないくつかの実施形態において、走査方向はXおよびYの両方に沿った成分を有する。
【0024】
図4の上および中央のグラフは、Xに関して45度である方向に沿った走査および回帰パターンを示す。上のプロットはX対時間であり、中央のプロットはY対時間である。下のプロットは、ビーム形状の指標を含む測定強度対時間を示す。これは
図5にさらに説明される。
【0025】
図5は、1つの軸に沿ったビーム8についての強度レベル対ラジアル位置のプロットを示す。このプロットは、XおよびY軸に沿って得られる。典型的なビームについて、プロットはXおよびYにおいて対称であり、これは、ビームが円形断面を有することを示す。プロットの中心(ピーク値)は、光軸Sに対応する。プロットはガウス分布に適合されてもよく、ここからシグマについての空間値(1標準偏差)が計算できる。4倍シグマは、ピンホール12においてまたはそれに近接してD
MINと等しい直径Dとして定められる。
【0026】
図6は、ビーム8の部分についてのビーム強度対位置を示す画像である。これは定性的プロットであり、プリントシステム2のユーザが、ビーム一様性の定性的理解を素早く得ることを可能にする。
【0027】
上記で説明した具体的な実施形態およびそのアプリケーションは、専ら説明目的のためのものであり、特許請求の範囲に包含される変更形態およびバリエーションを除外するものではない。
【符号の説明】
【0028】
2 三次元プリントシステム
4 レーザシステム
6 光路
8 光ビーム
10 ヘッドユニット
12 ピンホール
14 センサ
16 コントローラ