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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】HAMR用のVCSELアレイ
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/31 20060101AFI20220809BHJP
   G11B 5/02 20060101ALI20220809BHJP
   H01S 5/183 20060101ALI20220809BHJP
   H01S 5/0239 20210101ALI20220809BHJP
【FI】
G11B5/31 A
G11B5/02 T
H01S5/183
H01S5/0239
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021097062
(22)【出願日】2021-06-10
(65)【公開番号】P2022002161
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】16/908,270
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バリー・ストライプ
(72)【発明者】
【氏名】タクヤ・マツモト
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ・ソチャヴァ
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0340051(US,A1)
【文献】米国特許第09053716(US,B1)
【文献】特開2011-086362(JP,A)
【文献】特開2011-060982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0097765(US,A1)
【文献】特開2001-168475(JP,A)
【文献】特開2012-069235(JP,A)
【文献】特開2013-140671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/31 - 5/325
G11B 5/00 - 5/024
H01S 5/183
H01S 5/0239
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録ヘッドアセンブリであって、
磁極と、
前記主磁極の近くに配置される近接場トランスデューサ(NFT)と、
前記NFTに結合された導波路構造体であって、
前記NFTに連結された第1の導波路と、
第1の端部で前記第1の導波路に結合されたマルチモーダル干渉(MMI)装置と、
前記MMI装置の前記第1の端部の反対側の第2の端部に結合された複数の第2の導波路であって、前記MMI装置から前記ヘッドアセンブリの上面まで延在し、前記ヘッドアセンブリの前記上面が、媒体に面する表面の反対側にある、前記複数の第2の導波路と、
を含む、前記導波路構造体と、
前記上面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、
を備え、
前記VCSEL装置の出力は、位相コヒーレントである、磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項2】
前記ヘッドアセンブリは、さらに、リーディングシールドを備え、
前記NFTは、前記主磁極とリーディングシールドとの間に結合される、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項3】
数のレーザ開口部が、近接場において前記複数の第2の導波路と位置合わせされる、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項4】
数のレーザ開口部が、約1マイクロメートル~約20マイクロメートルの第1の距離だけ前記上面から離間している、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の第2の導波路が、2~16個の第2の導波路を含む、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の導波路は、前記複数の第2の導波路からの複数の入力レーザの合成パワーを含むレーザ光を前記MMI装置から射出する、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリを備える、磁気媒体ドライブ。
【請求項7】
前記VCSEL装置は、前記複数の第2の導波路と位置合わせされる複数のレーザ開口部を備え、
前記複数の第2の導波路は、前記MMI装置への複数の入力と位置合わせされ、
前記MMI装置の入力は、位相コヒーレントである、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリを備える、磁気媒体ドライブ。
【請求項9】
前記VCSEL装置は、前記複数の第2の導波路と位置合わせされる複数のレーザ開口部を備える、請求項1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のレーザ開口部は、約2マイクロメートル~約5マイクロメートルのピッチだけ互いに離間している、請求項9に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項11】
磁気記録ヘッドアセンブリであって、
主磁極と、
前記主磁極の近くに配置される近接場トランスデューサ(NFT)と、
前記NFTに結合された導波路構造体であって、
前記NFTに連結された第1の導波路と、
第1の端部で前記第1の導波路に結合されたマルチモーダル干渉(MMI)装置と、
前記MMI装置の前記第1の端部の反対側の第2の端部に結合された複数の第2の導波路であって、前記複数の第2の導波路は、前記MMI装置から前記ヘッドアセンブリの上面まで延在し、前記ヘッドアセンブリの前記上面が、媒体に面する表面の反対側にあり、前記第1の導波路は、前記複数の第2の導波路からの複数の入力レーザの合成パワーを含むレーザ光を前記MMI装置から射出する、前記複数の第2の導波路と、
を含む、前記導波路構造体と、
前記上面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、
を備える、磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項12】
前記ヘッドアセンブリは、さらに、リーディングシールドを備え、
前記NFTは、前記主磁極とリーディングシールドとの間に結合される、請求項11に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項13】
複数のレーザ開口部が、近接場において前記複数の第2の導波路と位置合わせされる、請求項11に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項14】
複数のレーザ開口部が、約1マイクロメートル~約20マイクロメートルの第1の距離だけ前記上面から離間している、請求項11に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ
【請求項15】
前記複数の第2の導波路は、2~16個の第2の導波路を含む、請求項11に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項16】
前記VCSEL装置は、前記複数の第2の導波路と位置合わせされる複数のレーザ開口部を備える、請求項11に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項17】
前記複数のレーザ開口部は、約2マイクロメートル~約5マイクロメートルのピッチだけ互いに離間している、請求項16に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項18】
前記VCSEL装置は、1つ以上の接点を介して、前記上面に結合されている、請求項11に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ
【請求項19】
前記1つ以上の接点のそれぞれは、1つ以上の電極を備える、請求項18に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【請求項20】
前記1つ以上の電極は、前記上面上に配置される第1の電極と、前記VCSEL上に配置される第2の電極と、を含む、請求項19に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、磁気媒体ドライブ用の磁気記録ヘッドに関する。
&#8206;
【背景技術】
【0002】
コンピュータの機能及び能力の本質は、磁気媒体ドライブ(例えば、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD))などのデータ記憶装置へのデータの記憶及び書込みである。コンピュータによって処理されるデータの量は、急速に増加している。コンピュータの機能及び能力を高めるために、磁気記録媒体のより高い記録密度が必要とされている。
【0003】
磁気記録媒体の2 Tbit/inを超える記録密度などの、より高い記録密度を達成するために、書込みトラックの幅及びピッチが狭小化され、したがって、各書込みトラック内に符号化された対応する磁気記録ビットが狭小化される。書込みトラックの幅及びピッチを狭める上での1つの課題は、記録媒体の媒体に面する表面における磁気記録書込みヘッドの主磁極の表面積を減少させることである。主磁極が小さくなると、記録フィールドも小さくなり、磁気記録書込みヘッドの有効性を制限する。
【0004】
熱アシスト磁気記録(Heat-assisted magnetic recording、HAMR)及びマイクロ波アシスト磁気記録(microwave assisted magnetic recording、MAMR)は、磁気記録媒体の記録密度を向上させるための2種類のエネルギーアシスト記録技術である。HAMRでは、レーザ源は、熱を生成するために、例えば、近距離トランスデューサ(near-field transducer、NFT)を励起して磁気記録媒体の書込み位置で熱を生成するために、書込み素子の隣に又はその近くに位置する。
【0005】
HAMRは、典型的には、光源として端面発光レーザダイオード(edge emitting laser diode、EELD)を利用する。コストを増加させるサブマウントをスライダに実装する必要性、記録パワーを急激に変化させ、HAMR HDD容量を低減し得るモードホップ、位置合わせ公差がほとんどないような小径の出力ビーム、信頼性を低下させ得るファセット面における強力な光学モード、コストを増加させる製造中のバーンインの必要性、及びディスク間の間隔を増大させるスライダ上の高いプロファイルなど、EELDには多くの問題がある。
【0006】
したがって、当該技術分野において、改善されたHAMR磁気媒体ドライブが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、磁気媒体ドライブ用の磁気記録ヘッドを前処理することに関する。熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドの場合、光源は、ドライブが動作するのに必要な熱を提供する。垂直共振器型面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser、VCSEL)は、スライダの上面に実装される。複数のレーザビームが、VCSELの底面から射出され、HAMRヘッド内の対応する数の導波路構造体に向けられる。導波路構造体は、マルチモード干渉(multimode interference、MMI)装置に供給し、これは次いで近接場トランスデューサ(NFT)に集束するための単一導波路にレーザを誘導する。VCSELレーザは、位相コヒーレントであり、モードホッピングを有しない。
【0008】
一実施形態では、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置は、スライダ上に実装するためのチップであって、スライダに面する第1の表面を有する、チップと、第1の表面に配設された複数のレーザ開口部であって、2マイクロメートル~10マイクロメートルのピッチだけ離間しており、VCSEL装置は、複数のレーザ開口部に対応する複数のレーザを射出することができ、複数のレーザは同じ周波数で動作し、複数のレーザ開口部は直線的に配置されている、複数のレーザ開口部と、を備える。
【0009】
別の実施形態では、磁気記録ヘッドアセンブリは、リーディングシールドと、主磁極と、リーディングシールドと主磁極との間に結合された近接場トランスデューサ(NFT)と、NFTに結合された導波路構造体であって、NFTに結合された第1の導波路と、第1の端部で第1の導波路に結合されたマルチモーダル干渉(MMI)装置と、MMI装置の第1の端部の反対側の第2の端部に結合された複数の第2の導波路であって、MMI装置からヘッドアセンブリの上面まで延在し、ヘッドアセンブリの上面が、媒体に面する表面の反対側にある、複数の第2の導波路と、を含む、導波路構造体と、上面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、を備える。
【0010】
別の実施形態では、磁気媒体ドライブは、磁気記録ヘッドであって、媒体に面する表面(media facing surface、MFS)における近接場トランスデューサ(NFT)と、NFTと、MFSの反対側の第1の表面との間に延在する導波路構造体と、第1の表面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置であって、第1の表面に面する第2の表面を含み、第2の表面を介して複数のレーザを射出することができる、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、を含む、磁気記録ヘッドと、MFSに面する磁気媒体と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、簡潔に上で要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによってなされてもよく、それらのいくつかが添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、本開示が他の同等に有効な実施形態を認め得ることに留意すべきである。
【0012】
図1】HAMR磁気書込みヘッドを含む磁気媒体ドライブの特定の実施形態の概略図である。
【0013】
図2】磁気ディスクに面するHAMR書込みヘッドの断面側面図の特定の実施形態の概略図である。
【0014】
図3A】一実施形態による、VCSELが実装されたスライダの概略図である。
図3B】一実施形態による、VCSELが実装されたスライダの概略図である。
【0015】
図4A】一実施形態による、VCSELの概略図である。
図4B】一実施形態による、VCSELの概略図である。
図4C】一実施形態による、VCSELの概略図である。
【0016】
図5】一実施形態によるHAMRヘッドの導波路構造体の概略図である。
【0017】
理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な限り、同一の参照番号を使用している。一実施形態で開示される要素は、特に断ることなく、他の実施形態に有益に利用され得ることが想到される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本開示の実施形態を参照する。しかしながら、本開示は、特定の記載された実施形態に限定されないことを理解されたい。代わりに、以下の特徴及び要素の任意の組み合わせは、異なる実施形態に関連するか否かにかかわらず、本開示を実行及び実施することが企図されている。更に、本開示の実施形態は、他の可能な解決策及び/又は従来技術を超える利点を達成することができるが、所与の実施形態によって特定の利点が達成されるか否かは、本開示を限定するものではない。したがって、以下の態様、特徴、実施形態、及び利点は、単なる例示であり、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除いて、添付の特許請求の範囲の要素又は限定とは見なされない。同様に、「本開示」への言及は、本明細書に開示された発明の主題の一般化として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除いて、添付の特許請求の範囲の要素又は限定と見なされるべきではない。
【0019】
本開示は、磁気媒体ドライブ用の磁気記録ヘッドを前処理することに関する。熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドの場合、光源は、ドライブが動作するのに必要な熱を提供する。垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)は、スライダの上面に実装される。複数のレーザビームが、VCSELの底面から射出され、HAMRヘッド内の対応する数の導波路構造体に向けられる。導波路構造体は、マルチモード干渉(MMI)装置に供給し、これは次いで近接場トランスデューサ(NFT)に集束するための単一導波路にレーザを誘導する。VCSELレーザは、位相コヒーレントであり、モードホッピングを有しない。
【0020】
図1は、HAMR磁気書込みヘッドを含む磁気媒体ドライブの特定の実施形態の概略図である。このような磁気媒体ドライブは、単一のドライブ/装置であってもよく、又は複数のドライブ/装置を備えてもよい。説明を容易にするために、一実施形態によれば、単一のディスクドライブ100が示されている。ディスクドライブ100は、スピンドル114上に支持され、ドライブモータ118によって回転される、少なくとも1つの回転可能な磁気記録媒体112(しばしば磁気ディスク112と呼ばれる)を含む。各磁気ディスク112上の磁気記録は、磁気ディスク112上の同心データトラック(図示せず)の環状パターンなどの、任意の好適なパターンのデータトラックの形態である。
【0021】
少なくとも1つのスライダ113が磁気ディスク112の近くに配置される。各スライダ113は、1つ以上の読取りヘッドと、HAMR書込みヘッドなどの1つ以上の書込みヘッドとを含むヘッドアセンブリ121を支持する。磁気ディスク112が回転すると、スライダ113はディスク表面122の内外に放射状に移動し、その結果、ヘッドアセンブリ121は、所望のデータが書き込まれる磁気ディスク112の異なるトラックにアクセスすることができる。各スライダ113は、サスペンション115を介してアクチュエータアーム119に取り付けられている。サスペンション115は、スライダ113をディスク表面122に向かって付勢するわずかなばね力を提供する。各アクチュエータアーム119は、アクチュエータ127に取り付けられている。図1に示すアクチュエータ127は、ボイスコイルモータ(voice coil motor、VCM)であってもよい。VCMは、固定磁場内で移動可能なコイルを含み、コイル移動の方向及び速度は、制御ユニット129によって供給されるモータ電流信号によって制御される。
【0022】
ディスクドライブ100の動作中、磁気ディスク112の回転は、スライダ113とディスク表面122との間に空気軸受を生成し、上向きの力又はリフトをスライダ113に及ぼす。したがって、空気軸受は、サスペンション115のわずかなばね力を釣り合わせ、通常動作中、スライダ113をディスク表面122から離れてかつそのディスク表面のわずかに上方に、小さな実質的に一定の間隔で支持する。
【0023】
ディスクドライブ100の様々な構成要素は、アクセス制御信号及び内部クロック信号などの制御ユニット129によって生成される制御信号によって動作中に制御される。典型的には、制御ユニット129は、論理制御回路、記憶手段、及びマイクロプロセッサを備える。制御ユニット129は制御信号を生成し、ライン123上のドライブモータ制御信号及びヘッド位置などの様々なシステム動作を制御し、ライン128上で制御信号をシークする。ライン128上の制御信号は、スライダ113を磁気ディスク112上の所望のデータトラックに最適に移動及び位置決めするための所望の電流プロファイルを提供する。書込み信号及び読取り信号は、記録チャネル125を介してヘッドアセンブリ121との間で通信される。図1の磁気媒体ドライブの特定の実施形態は、複数の媒体、又はディスク、複数のアクチュエータ、及び/又は複数のスライダを更に含むことができる。
【0024】
図2は、磁気ディスク112に面するHAMR書込みヘッド230の断面側面図の特定の実施形態の概略図である。HAMR書込みヘッド230は、図1で説明した読取り/記録ヘッドアセンブリ121の一部、又は他の磁気媒体ドライブで使用される記録ヘッドに対応することができる。HAMR書込みヘッド230は、ディスク112に面する空気軸受面(air bearing surface、ABS)又はガス軸受面(gas bearing surface、GBS)などの媒体に面する表面(MFS)を含む。図2に示すように、磁気ディスク112とHAMR書込みヘッド230とは、矢印282に示す方向に相対移動する(向きを変える必要がある)。
【0025】
HAMR書込みヘッド230は、リーディング戻り磁極234とトレーリング戻り磁極238との間に配設された主磁極236を含む。主磁極236は、MFSに主磁極先端部237を含むことができる。主磁極先端部237は、リーディングテーパ及び/又はトレーリングテーパを含んでいても、又は含んでいなくてもよい。主磁極236の周りのコイル260は、主磁極先端部237を励起して、回転可能な磁気ディスク112の磁気媒体に影響を及ぼすための書込み磁場を生成する。コイル260は、螺旋構造体であってもよいし、又は一組以上のパンケーキ構造体であってもよい。リーディングシールド234及び/又はトレーリングシールド238は、主磁極236の戻り磁極として機能することができる。
【0026】
磁気ディスク112は、HAMR書込みヘッド230に隣接して又はその下方に配置される。コイル260内の電流によって生成された磁場は、磁気ディスク112内のビットの磁化の方向を制御するために使用される。
【0027】
HAMR書込みヘッド230は、主磁極先端部237が書込み磁場を記憶媒体に印加する場所に近接して磁気ディスク112を加熱するための構造体を含む。導波路242は、主磁極236とリーディングシールド234との間に配置される。導波路242は、コア層と、コア層を取り囲むクラッド層とを含むことができる。導波路242は、例えば紫外光、赤外光、又は可視光であり得る、電磁放射の光源278からの光を伝導する。光源278は、例えば、レーザダイオード、又は導波路242に向けて光ビームを方向付けるための他の好適なレーザ光源であってもよい。光源278を導波路242に結合することで知られている様々な技術を使用することができる。例えば、光源278は、光ビームを導波路242に導くために光ファイバ及び外部光学系と組み合わせて機能することができる。あるいは、光源278は、導波路242に実装されてもよく、光ビームは、外部光学構成を必要とせずに導波路242に直接結合されてもよい。光ビームが導波路242に結合されると、光は導波路を伝搬し、矢印282によって示されるように媒体がHAMR書込みヘッド230に対して移動するときに媒体の一部分を加熱する。
【0028】
HAMR書込みヘッド230は、導波路242の端部付近に熱を集中させるために近接場トランスデューサ(NFT)284を含むことができる。NFT 284は、MFSの近く又はMFSにおいて導波路242の中又はそれに隣接して配置される。導波路242からの光は、NFT 284によって吸収され、NFT 284の外側に沿ってMFSに向かって移動する表面プラズモンを励起して、NFT 284の先端部に電荷を集中させ、次に磁気ディスクに容量結合し、ジュール加熱によって磁気ディスク112の正確な領域を加熱する。HAMR書込みヘッドのための1つの可能なNFT 284は、ディスク部分と、ディスクとMFSとの間に延びるペグとを有するロリポップ型設計のものである。NFT 284は、主磁極236に近接して配置され得る。NFT284は、比較的熱的に絶縁されており、共振している間にレーザパワーのかなりの部分を吸収する。
【0029】
図3A及び図3Bは、一実施形態による、VCSEL304が実装されたスライダ302の概略図である。VCSEL304は、図3Bに示すように、第1の位置にある第1の接点308a及び第2の接点308bを介してスライダ302に実装されている。一実施形態では、レーザの端面発光ファセット面をスライダの上部に直接接合することは困難であるため、通常は最初にサブマウントに実装する必要がある端面発光レーザダイオード(EELD)とは異なり、VCSEL304はスライダ302の上部に実装される。VCSEL304は、VCSEL304の寸法がHAMR書込みヘッドの全体サイズを減少させることができるように、最小設計構造体を有することができる。VCSEL304は、スライダ302に面するVCSEL304の底面にメサ306を含み、メサ306は、VCSEL304とスライダ302との間に位置する。図3Bでは、VCSEL304は、スライダ302の上面上の電極321により良好な視認性を提供するために仮想線で示されている。電極321は、導電性はんだ材料を介して、VCSEL304の電極に電気的接続を提供する。電極321、はんだ材料、及びVCSEL304の電極は、まとめて第1の接点308a及び第2の接点308bを形成する。電極321は、スライダ302の上方に約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの距離だけ延在する。
【0030】
VCSEL304は、メサ306の複数のレーザ開口部に対応する複数のレーザを射出することができ、複数のレーザの各々は、メサ306の複数のレーザ開口部(図4Cに示す)と位置合わせされる。更に、スライダ302は、VCSEL304によって射出される入力レーザの位置及び数に一致する複数のスポットサイズ変換器314a~314nを含む。スポットサイズ変換器314a~314nは、VCSEL304に面するスライダ302の上面から延在する。メサ306は、スライダ302の上面から、約1μm~約20μmの第1の距離318だけ離間している。メサ306は、約2個のレーザ開口部~約16個の開口部などの複数のレーザ開口部を含む。先に列挙した値は、限定することを意図するものではなく、実施形態の例を提供することを意図している。メサはVCSEL304チップの一部であり、開口部はメサ306の表面にある。メサ306は、VCSEL304の表面の任意のリリーフ構造体である。
【0031】
VCSEL304が射出することができる上述のレーザの数は、メサ306のレーザ開口部の数、及びスポットサイズ変換器314a~314nの数に一致する。各レーザ、したがって各スポットサイズ変換器314a~314nは、第2の距離だけ離間している。スポットサイズ変換器314a~314nの各々の間の第2の距離は、約2μm~約10μmである。更に、VCSEL304によって射出される複数のレーザの各々は、同じ周波数で動作し、位相コヒーレントである。例えば、隣接する開口部は、互いに同相又は異相であってもよい。VCSEL304によって射出される複数のレーザの各レーザは、約1mW~約10mWのパワーレベルを有する。先に列挙した値は、限定することを意図するものではなく、実施形態の例を提供することを意図している。複数のレーザの各々は、活性領域(例えば、レーザが電子を励起した領域)を有する。これらの活性領域は、結合及び位相コヒーレンスが生じることを可能にするのに十分に近接して離間している。
【0032】
スライダ302は、約2個の接合パッドスタッド~約32個の接合パッドスタッドなどの複数の接合パッドスタッド312a~312nを含む。接合パッドスタッド312a~312nは、約25μmの第1の幅320を有し、隣接する接合パッドスタッド312a~312n間の間隔は、約32μmである。先に列挙した値は、限定することを意図するものではなく、実施形態の例を提供することを意図している。複数のスポットサイズ変換器314a~314nは、隣接する接合パッドスタッド312a~312nの間に配設された位置に配設されている。図3Aに示す実施形態では、スポットサイズ変換器314a~314nは、接合パッドスタッド312cと312dとの間に配設されている。したがって、例示的な一実施形態では、スポットサイズ変換器314a~314nのすべてが、約32μmの直線距離内に収まる必要がある。更に、複数のレーザ、したがって複数のスポットサイズ変換器314a~314nは、直線的に配置されている。各スポットサイズ変換器314a~314nは、隣接するスポットサイズ変換器314a~314nから約2μm~約10μm離間している。
【0033】
複数のスポットサイズ変換器314a~314nは、スライダ302内に配設されたマルチモード干渉(MMI)装置310に供給する。MMI装置310は、複数のスポットサイズ変換器314a~314nの出力から供給されたレーザ光を第1の端部で合波し、単一の出力導波路316を介して単一のレーザを射出する。単一導波路316は、MMI装置310によって受け入れられた複数のスポットサイズ変換器314a~314nからの複数の入力レーザの合成パワーを含むレーザ光をMMI装置310から射出する。単一出力モードは、光パワーを適切に集中させてNFTに結合するために必要である。MMIの適切な動作は、通常、入力間の安定した位相コヒーレンスを必要とする。
【0034】
図4Aは、様々な実施形態による、VCSEL400の側面図の概略図であり、図4Bは、VCSEL400の上面図の概略図であり、図4Cは、VCSEL400の底面図の概略図である。VCSEL400の側面402は、約75μm~約150μmの高さ及び約100μm~約250μmの長さを含む。VCSEL400の上面404及び底面406は同じ寸法を含む。上面404及び底面406の寸法は、約150μmの幅及び約150μmの長さを含み、上面404、底面406及び側面402の長さは等しい。VCSEL400は、図4Bに示されるように上面404上に複数の電極411を有することができ、これらは、接合前の能動的位置合わせ中にVCSELを付勢するために使用され得る。
【0035】
図4Cでは、複数のレーザ開口部408a~408nがVCSEL400の底面406に配設されている。レーザ開口部408a~408nの数は、図3Aのスポットサイズ変換器314a~314nなどのスライダのスポットサイズ変換器の数と一致する。各レーザ開口部408a~408nは、隣接するレーザ開口部408a~408nから約2μm~約10μmの距離412だけ離間している。更に、レーザ開口部408a~408nは、中心線の周りに位置合わせされ、複数のレーザ開口部408a~408nの各々は、対応する入力レーザに位置合わせされる。各入力レーザに位置合わせされることに加えて、レーザ開口部408a~408nは、図3のメサ306のレーザ開口部などの、メサの対応するレーザ開口部と位置合わせされる。
【0036】
図4Cに示すように、VCSEL400の底面406は、アノード及びカソードとして機能する複数の電極410を上に有し、はんだ材料を介してスライダ302の電極321と嵌合する。電極410は、VCSEL400の底面406からスライダに向かって約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの距離だけ延在する。したがって、一実施形態では、VCSEL400とスライダ302との間のギャップは、約2マイクロメートル~約6マイクロメートルである。更に、VCSEL400は、約100マイクロメートル~約200マイクロメートルの長さ428を有する。VCSEL400はまた、約100マイクロメートル~約200マイクロメートルの長さ426を有する。開口部408a~408nは各々、約1.5マイクロメートル~約8マイクロメートルの直径を有し、2マイクロメートル~10マイクロメートルピッチである。開口部408a~408nの中心は、約35マイクロメートル~約50マイクロメートルの距離422だけ側面402から離間している。開口部408a~408nの中心は、約75マイクロメートル~約90マイクロメートルの距離424だけ電極410から離間している。
【0037】
図5は、一実施形態によるHAMRヘッドの導波路構造体500の概略図である。図3のスライダ302などのスライダは、NFTからMMI装置502まで延在する第1のスポットサイズ変換器506を含む導波路構造体500を含む。導波路構造体500はまた、約2個の第2のスポットサイズ変換器~約8個の第2のスポットサイズ変換器などの複数の第2のスポットサイズ変換器504a~504nを含む。第2のスポットサイズ変換器504a~504nの数は、図4Cで説明したVCSEL400のレーザ開口部408a~408nの数、図3Aで説明したメサ306のレーザ開口部の数、及び図3Aで説明したスポットサイズ変換器314a~314nの数と一致する。
【0038】
複数の第2のスポットサイズ変換器504a~504nは、最も左側の第2のスポットサイズ変換器504aと最も右側の第2のスポットサイズ変換器504nとの間の距離が接合パッドスタッド間の約32μmの空間よりも小さくなるように、接合パッドスタッド312a~312nなどの接合パッドスタッド間の空間内に嵌合する。更に、図4Cに記載のVCSELの複数のレーザ開口部408a~408n、図3Aに記載のメサ306の複数のレーザ開口部、及び複数の射出されたレーザは、それぞれ、対応する第2のスポットサイズ変換器504a~504nと位置合わせされる。
【0039】
上述したように、導波路構造体500は、MMI装置502を更に含む。MMI装置502は、図3のMMI装置310と同じであってもよい。第1の端部における第1のスポットサイズ変換器506は、第1の端部でMMI装置502に結合され、第2の端部における複数の第2のスポットサイズ変換器504a~504nは、MMI装置502の第1の端部の反対側の第2の端部でMMI装置502に結合される。第1のスポットサイズ変換器506は、第2の端部において、図2のNFT284などのNFTに更に結合される。
【0040】
更に、第2のスポットサイズ変換器504a~504nのコア幅は、MMI装置502に向かう方向に沿って、約150nmから約600nmまで徐々に増加する。150nmでは、スポットサイズは数マイクロメートルの大きなVCSELモードサイズに一致する。600nmでは、導波路モードは、MMI装置502に入る前にわずか数百ナノメートルである。
【0041】
VCSELは、HAMRにおける光源として使用するためのいくつかの重要な利点を有する。今日使用されている端面発光レーザダイオード(EELD)は、レーザの端面発光ファセット面をスライダの上部に直接接合することが困難であるため、通常、サブマウントに実装される。次いで、このサブマウントがスライダに接合される。VCSELは、スライダの上面の対応する電極に一致する接合電極を面発光面に容易に有することができる。これらの電極は、レーザ支援はんだリフローによって互いに接合することができ、レーザを付勢するための電気接続として機能することもできる。サブマウントが不要となることで、光源コストを大幅に低減することができる。VCSELレーザファセットは、EELDと比較してコストを更に低減するウェハレベルプロセスで作製される。VCSEL出力ビームはまた、位置合わせ公差及びスライダスポットサイズ変換器への結合効率を高めるEELDのものよりも大きく、より円形である。VCSELは、より大きく、強度の低い光学モード及びウェハファセットプロセスのために、EELDよりも高い信頼性を有することが知られている。結果として、VCSELは製造中にバーンインを必要とせず、コストを更に低下させる。VCSELキャビティ長はEELDよりも短いため、またレーザはスライダの上部に実装されているため、全高がより低いことにより、ディスク間の間隔を小さくすることができ、潜在的により多くのディスクを設けることができ、かつHDD容量をより大きくすることができる。
【0042】
更に、VCSELは、1つの長手方向モード及びDBRミラー選択性を有する非常に短いキャビティ長に起因して、モードホップのない動作を有するが、一方、EELDはモードホップに悩まされる。モードホッピングは、記録プロセス中にレーザパワーの小さな(通常1~2%)変化を突然生じさせる可能性がある。トラック幅変化及びビットシフトの可能性を考慮しなければならず、これにより、HDDの容量が低下する。
【0043】
VCSELの主な技術的問題は、EELDと比較して出力パワーが比較的低いことである。マルチモードVCSELは、単一モードVCSELよりも大きい出力パワーを有することができるが、単一モード動作は、HAMRのディスク内の加熱スポットを作り出すために使用される導波路及びNFTによって必要とされる。単一モードVCSELは、典型的には、最大出力パワーが約2mWしかなく、HAMRに必要な10~20mWをはるかに下回る。波面間のデコヒーレンスに起因して、複数の別個のVCSELからの出力を組み合わせることによって出力を効率的に増加させることはできない。隣接するVCSELの活性領域が互いに非常に接近した場合、波動関数は、それらの出力間に結合及び位相コヒーレンスを生成するのに十分に重なり合う。正しいVCSEL設計及び光送達方式では、これらの出力は、HAMRのためにNFTによって必要とされる5~10mWの必要な単一モードパワーを有する単一導波路に結合され得る。
【0044】
一実施形態では、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置は、スライダ上に実装するためのチップであって、スライダに面する第1の表面を有する、チップと、第1の表面に配設された複数のレーザ開口部であって、約2マイクロメートル~約10マイクロメートルの距離だけ離間しており、VCSEL装置は、複数のレーザ開口部に対応する複数のレーザを射出することができ、複数のレーザは、同じ周波数で動作し、複数のレーザ開口部は直線的に配置されている、複数のレーザ開口部と、を備える。VCSEL装置は、位相コヒーレントである複数のレーザを射出することができる。複数のレーザ開口部は、2~8個のレーザ開口部を含む。VCSEL装置は、複数のレーザ開口部分に対応する複数のレーザを射出することができ、複数のレーザの各レーザが、約1mW~約10mWのパワーレベルを有する。第1の表面がメサを含み、複数のレーザ開口部がメサに配設され、複数のレーザ開口部が、約2マイクロメートル~約10マイクロメートルの距離だけ離間している。VCSEL装置は、第1の表面に結合された複数の電極を更に備える。電極は、第1の表面からスライダに向かって約10マイクロメートル、より好ましくは最大マイクロメートル延在する。VCSEL装置を備える磁気媒体ドライブも開示される。
【0045】
別の実施形態では、磁気記録ヘッドアセンブリは、リーディングシールドと、主磁極と、リーディングシールドと主磁極との間に結合された近接場トランスデューサ(NFT)と、NFTに結合された導波路構造体であって、NFTに連結された第1の導波路と、第1の端部で第1の導波路に結合されたマルチモーダル干渉(MMI)装置と、MMI装置の第1の端部の反対側の第2の端部に結合された複数の第2の導波路であって、MMI装置からヘッドアセンブリの上面まで延在し、ヘッドアセンブリの上面が、媒体に面する表面の反対側にある、複数の第2の導波路と、を含む、導波路構造体と、上面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、を備える。VCSELは、複数の第2の導波路と位置合わせされる複数のレーザ開口部を有する。複数のレーザ開口部は、近接場において複数の第2の導波路と位置合わせされる。複数のレーザ開口部は、約1マイクロメートル~約20マイクロメートルの第1の距離だけ上面から離間している。複数の第2の導波路は、2~16個の第2の導波路を含む。磁気記録ヘッドアセンブリを備える磁気媒体ドライブもまた開示される。
【0046】
別の実施形態では、磁気媒体ドライブは、磁気記録ヘッドであって、媒体に面する表面(MFS)における近接場トランスデューサ(NFT)と、NFTと、MFSの反対側の第1の表面との間に延在する導波路構造体と、第1の表面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置であって、第1の表面に面する第2の表面を含み、第2の表面を介して複数のレーザを射出することができる、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、を含む、磁気記録ヘッドと、MFSに面する磁気媒体とを備える。第2の表面は、第1の表面から約1マイクロメートル~約20マイクロメートル離間している。導波路構造体は、上に磁気記録ヘッドが配設されるスライダの隣接する電極間の幅よりも小さい幅を有する。VCSELは、位相コヒーレントである複数のレーザを射出することができる。導波路構造体は、NFTと第1の表面との間に配設されたマルチモーダル干渉(MMI)装置を備える。VCSELは複数のレーザを射出することができ、複数のレーザが、少なくとも部分的に重なり合う活性領域を有する。
【0047】
上記は本開示の実施形態を目的とするが、本開示の他の及び更なる実施形態が、その基本的範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
以下の項目は、出願時の特許請求の範囲に記載されていた事項である。
(項目1)
磁気記録ヘッドアセンブリであって、
リーディングシールドと、
主磁極と、
前記リーディングシールドと前記主磁極との間に結合された近接場トランスデューサ(NFT)と、
前記NFTに結合された導波路構造体であって、
前記NFTに連結された第1の導波路と、
第1の端部で前記第1の導波路に結合されたマルチモーダル干渉(MMI)装置と、
前記MMI装置の前記第1の端部の反対側の第2の端部に結合された複数の第2の導波路であって、前記MMI装置から前記ヘッドアセンブリの上面まで延在し、前記ヘッドアセンブリの前記上面が、媒体に面する表面の反対側にある、複数の第2の導波路と、
を含む、導波路構造体と、
前記上面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、
を備える、磁気記録ヘッドアセンブリ。
(項目2)
前記VCSELが、前記複数の第2の導波路と位置合わせされる複数のレーザ開口部を有する、項目1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
(項目3)
前記複数のレーザ開口部が、近接場において前記複数の第2の導波路と位置合わせされる、項目1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
(項目4)
前記複数のレーザ開口部が、約1マイクロメートル~約20マイクロメートルの第1の距離だけ前記上面から離間している、項目1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
(項目5)
前記複数の第2の導波路が、2~16個の第2の導波路を含む、項目1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリ。
(項目6)
項目1に記載の磁気記録ヘッドアセンブリを備える、磁気媒体ドライブ。
(項目7)
磁気媒体ドライブであって、
磁気記録ヘッドであって、
媒体に面する表面(MFS)における近接場トランスデューサ(NFT)と、
前記NFTと、前記MFSの反対側の第1の表面との間に延在する導波路構造体と、
前記第1の表面に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置であって、前記第1の表面に面する第2の表面を含み、前記第2の表面を介して複数のレーザを射出することができる、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置と、
を含む、磁気記録ヘッドと、
前記MFSに面する磁気媒体と、
を備える、磁気媒体ドライブ。
(項目8)
前記第2の表面が、前記第1の表面から約1マイクロメートル~約20マイクロメートル離間している、項目7に記載の磁気媒体ドライブ。
(項目9)
前記導波路構造体は、上に前記磁気記録ヘッドが配設されるスライダの隣接する電極間の幅よりも小さい幅を有する、項目7に記載の磁気媒体ドライブ。
(項目10)
前記VCSELが、位相コヒーレントである複数のレーザを射出することができる、項目7に記載の磁気媒体ドライブ。
(項目11)
前記導波路構造体が、前記NFTと前記第1の表面との間に配設されたマルチモーダル干渉(MMI)装置を備える、項目7に記載の磁気媒体ドライブ。
(項目12)
前記VCSELが複数のレーザを射出することができ、前記複数のレーザが、少なくとも部分的に重なり合う活性領域を有する、項目7に記載の磁気媒体ドライブ。
(項目13)
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置であって、
スライダ上に実装するためのチップであって、前記スライダに面する第1の表面を有する、チップと、
前記第1の表面に配設された複数のレーザ開口部であって、約1マイクロメートル~約20マイクロメートルの距離だけ離間しており、前記VCSEL装置は、前記複数のレーザ開口部に対応する複数のレーザを射出することができ、前記複数のレーザは、同じ周波数で動作し、前記複数のレーザ開口部は直線的に配置されている、複数のレーザ開口部と、
を備える、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)装置。
(項目14)
前記VCSEL装置が、位相コヒーレントである複数のレーザを射出することができる、項目13に記載のVCSEL装置。
(項目15)
前記複数のレーザ開口部が、2~16個のレーザ開口部を含む、項目13に記載のVCSEL装置。
(項目16)
前記複数のレーザの各レーザが、約1mW~約10mWのパワーレベルを有する、項目13に記載のVCSEL装置。
(項目17)
前記第1の表面がメサを含み、前記複数のレーザ開口部が前記メサに配設され、前記複数のレーザ開口部が、約2マイクロメートル~約10マイクロメートルの距離だけ離間している、項目13に記載のVCSEL装置。
(項目18)
前記第1の表面に結合された複数の電極を更に備える、項目13に記載のVCSEL装置。
(項目19)
前記電極が、前記第1の表面から前記スライダに向かって最大2マイクロメートル延在する、項目18に記載のVCSEL装置。
(項目20)
項目13に記載のVCSEL装置を含む、磁気媒体ドライブ。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5