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特許7121179複合型U字状補強桁橋デッキの建設のためのシステム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】複合型U字状補強桁橋デッキの建設のためのシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 1/00 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
E01D1/00 C
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021165053
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2019507910の分割
【原出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2022023107
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】201841013760
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519045479
【氏名又は名称】サバマニ パンディ,べライサミ
(73)【特許権者】
【識別番号】519045480
【氏名又は名称】ジェヤンシ ラニ,サバマニ パンディ
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】サバマニ パンディ, ベライサミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェヤンシ ラニ, サバマニ パンディ
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-169757(JP,A)
【文献】特開2000-008324(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02143843(EP,A2)
【文献】米国特許第04669143(US,A)
【文献】中国特許出願公開第1730858(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0043153(US,A1)
【文献】米国特許第06055693(US,A)
【文献】特開2001-254319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00-24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製の第1及び第2の主桁と、
横桁と、
前記第1及び第2の主桁と前記横桁上に設けられたU字状RCC(U字状鉄骨鉄筋コンクリート)桁と
を備え、
橋軸直角方向断面において、前記第1の主桁は左側の主桁であり、前記第2の主桁は右側の主桁であり、
前記U字状RCC桁は、前記橋軸直角方向断面において、
線路又は道路が配されるデッキスラブであり左右に延びた幅を有するコンクリートデッキと、
前記コンクリートデッキの左端に設けられたウェブである第1のコンクリートウェブと、
前記第1のコンクリートウェブの上部に設けられた水平のフランジである第1のコンクリートフランジと、
前記コンクリートデッキの右端に設けられたウェブである第2のコンクリートウェブと、
前記第2のコンクリートウェブの上部に設けられた水平のフランジである第2のコンクリートフランジと
で構成され、前記第1のコンクリートフランジ、前記第1のコンクリートウェブ、前記コンクリートデッキ、前記第2のコンクリートウェブ及び前記第2のコンクリートフランジはU字状を形成し、
前記第1の主桁は、第1のウェブと、前記第1のウェブの上部に設けられた水平のフランジである第1の上部フランジと、前記第1のウェブの下部に設けられた水平のフランジである第1の下部フランジとを備え、
前記第1の上部フランジは、前記第1のウェブの上部を中心に左右非対称であり、
前記第1の下部フランジは、前記第1のウェブの下部を中心に左右対称であり、
前記第2の主桁は、第2のウェブと、前記第2のウェブの上部に設けられた水平のフランジである第2の上部フランジと、前記第2のウェブの下部に設けられた水平のフランジである第2の下部フランジとを備え、
前記第2の上部フランジは、前記第2のウェブの上部を中心に左右非対称であり、
前記第2の下部フランジは、前記第2のウェブの下部を中心に左右対称であり、
前記第1の上部フランジの上部にのみ前記第1のコンクリートフランジが構築され、前記第1の上部フランジの右側部分が前記第1のコンクリートウェブ内に突出し、
前記第1のウェブの右側にのみ前記第1のコンクリートウェブが構築され、
前記第2の上部フランジの上部にのみ前記第2のコンクリートフランジが構築され、前記第2の上部フランジの左側部分が前記第2のコンクリートウェブ内に突出し、
前記第2のウェブの左側にのみ前記第2のコンクリートウェブが構築され、
前記横桁は、前記第1及び第2の主桁に接続される、
ことを特徴とする複合橋デッキ。
【請求項2】
前記横桁は、前記第1のウェブと前記第1の下部フランジの両方に接続され、且つ、前記第2のウェブと前記第2の下部フランジの両方に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合橋デッキ。
【請求項3】
複合橋デッキを構築する方法であって、下記(A)乃至(E)を含み、
(A)鋼製の第1及び第2の主桁を組み上げ、
(B)横桁を組み上げ、
(C)前記横桁に前記第1及び第2の主桁を接続し、
(D)U字状RCC(U字状鉄骨鉄筋コンクリート)桁を構築し、
(E)前記第1及び第2の主桁と前記横桁上に前記U字状RCC桁を設け、
橋軸直角方向断面において、前記第1の主桁は左側の主桁であり、前記第2の主桁は右側の主桁であり、
前記U字状RCC桁は、前記橋軸直角方向断面において、
線路又は道路が配されるデッキスラブであり左右に延びた幅を有するコンクリートデッキと、
前記コンクリートデッキの左端に設けられたウェブである第1のコンクリートウェブと、
前記第1のコンクリートウェブの上部に設けられた水平のフランジである第1のコンクリートフランジと、
前記コンクリートデッキの右端に設けられたウェブである第2のコンクリートウェブと、
前記第2のコンクリートウェブの上部に設けられた水平のフランジである第2のコンクリートフランジと
で構成され、前記第1のコンクリートフランジ、前記第1のコンクリートウェブ、前記コンクリートデッキ、前記第2のコンクリートウェブ及び前記第2のコンクリートフランジはU字状を形成し、
前記第1の主桁は、第1のウェブと、前記第1のウェブの上部に設けられた水平のフランジである第1の上部フランジと、前記第1のウェブの下部に設けられた水平のフランジである第1の下部フランジとを備え、
前記第1の上部フランジは、前記第1のウェブの上部を中心に左右非対称であり、
前記第1の下部フランジは、前記第1のウェブの下部を中心に左右対称であり、
前記第2の主桁は、第2のウェブと、前記第2のウェブの上部に設けられた水平のフランジである第2の上部フランジと、前記第2のウェブの下部に設けられた水平のフランジである第2の下部フランジとを備え、
前記第2の上部フランジは、前記第2のウェブの上部を中心に左右非対称であり、
前記第2の下部フランジは、前記第2のウェブの下部を中心に左右対称であり、
前記第1の上部フランジの上部にのみ前記第1のコンクリートフランジが構築され、前記第1の上部フランジの右側部分が前記第1のコンクリートウェブ内に突出し、
前記第1のウェブの右側にのみ前記第1のコンクリートウェブが構築され、
前記第2の上部フランジの上部にのみ前記第2のコンクリートフランジが構築され、前記第2の上部フランジの左側部分が前記第2のコンクリートウェブ内に突出し、
前記第2のウェブの左側にのみ前記第2のコンクリートウェブが構築される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁工学の分野、具体的には、経済的且つ迅速な軌道敷設のための鋼コンクリート複合橋デッキに関するものである。より具体的に、本発明は、鉄道、地下鉄、及び幹線道路の橋で使用するための、複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路橋の複合建設において、主桁は、デッキ幅を覆うように約2.5mの間隔で、通行方向に沿って配される。桁はそれぞれ、その路線設定で通過する活荷重を得るように設計される。建設の深度は、橋の設計とアプローチのコスト(cost of approach)において重要な役割を果たす。建設の深度(路面の上部から桁の下部まで)は、24mから45mの径間のために2mから3.5mである。中路式(Half through)鋼桁が建設され、その小さな慣性モーメントにより更に短い径間のために採用され得る。
【0003】
複数桁のシステムにおいて、各桁は、その一片において荷重を得るように設計される。建設の深度(主桁の下部から路面まで)は深い。使用される鋼の重量は重い。ブレーシングとダイアフラムの配置は重みを加え、建設時間を増やす。建設は現場で行なわれるものである。架台梁及び複数の柱が、デッキを支えるために必要とされる。精巧な型枠が必要とされる。交差路は閉鎖型である必要があり、交通に干渉するため、早期着工の建設に適していない。ラダーデッキシステムでの鋼の使用は少ないが、建設の深度はより深いものであり、アプローチのコストの増加をもたらしてしまう。露出される面積が多くなると、雨や耐候剤に対し脆弱となる。中路式鋼構造主桁の鋼特性のみが使用される。桁の更なる深度と鋼の量子が必要とされ、これは短い径間に採用可能なものある。露出される面積が多くなると、雨や耐候剤に対して脆弱となる。PSC U桁は単線の鉄道橋にのみ使用される。鋳造は、最大18mの短い径間のために建設され且つ多線の道路/鉄道橋には適していない、精巧な形成作業を必要とする現場で行われる。
【0004】
桁が約2.5m間隔である、複数の桁の複合型桁道路橋が建設される。対の桁のラダーデッキが建設され、横桁は上部フランジ面にある。中路式鋼桁は、主桁の鋼特性のみが使用される場合に建設される。U字状PSC桁は、短い径間にわたる単線の鉄道橋のために建設される。U字状RCC桁及び鋼桁複合型の橋は、単線道路のためにチェンナイ付近のLoco Works Railwayの駅で建設されており、対称的な部分の主なI桁は平らな下部横桁と上部横桁である。U桁のウェブは、主桁の対称的なフランジにより破断されている(broken)。コンクリート製の上部フランジ幅は不均等であり、主桁の複合特性は完全に使用されない。
【0005】
先行技術の1つであるKR101654657は、側梁とスラブ部分とを用いた架橋工事方法を開示している。下路橋は、横断方向で間隔をおいて配置される2つ以上の側梁であって、端部の下部は、下側土台を形成する長手方向で互いに間隔をおかれる両当接ユニットの上面に支持される、側梁;側梁の上面に直接支持される両端部フランジ;及び、両端部フランジ間に形成されたU字状床板ユニットを含むU字状スラブ部分であって、U字状床板ユニットは、互いに隣接する側梁の内面に接しており、且つU字状床板ユニットが側梁の上面で直接支持された両端部フランジに接していると横断方向で両側梁の内側側部を支持する、U字状スラブ部分を備えている。上記発明の欠点:スラブは当接部上で支持される主桁間に及び、デッキ幅は少なく、これにより多線の道路/レール及びより長い径間に適切ではない。既存の交通は、主桁と精巧な型枠配置を支持する当接部により妨害されている。
【0006】
別の先行技術であるKR101476290は、鋼複合型PSC波形鋼板U桁を開示しており:コンクリート層(12)と長手方向でコンクリート層(12)の内側に設けられる多くのPS鋼鉄材(11)とを含む下側フランジ(10);下側フランジ(10)の両側にそれぞれ接続される1対の複合部(20)であって、複合部間の距離における下側距離よりも長い上側距離に設けられる、1対の複合部(20);及び、コンクリートで形成され、且つ1対の複合部(20)の上側側部にそれぞれ接続される1対の上側フランジ(30)であって、そこでは複合部(20)は、波形鋼板(24)、波形鋼板(24)を下側フランジ(10)のコンクリート(12)に結合するように構成される下側結合部材(22)、及び、波形鋼板(24)を上側フランジ(30)のコンクリート(12)に結合するように構成される上側結合部材(26)を含む、1対の上側フランジ(30)が備わっている。上述の発明の波形板は、1対の複合部とは独立したウェブを形成するが、より広い/複数の線の道路/鉄道橋には適していない。
【0007】
また別の先行技術であるKR100881921「Opening steel composite U girder construction method」は、部分的プレストレスでの、上側フランジの正のモーメント領域と負のモーメント領域における高強度のコンクリートを備えた台形状開口型鋼桁を開示する。
【0008】
上述の記載から、以前の建設法は、多線の道路/レールには適しておらず且つ交通が妨害されることが観察されていたと、理解される。2つの桁が、荷重と力を得るために複数の桁の適所にあることが適切である。鋼桁橋を備えたU字状RCC桁は、横桁配置が最下面にあるように建設されている。新たな力伝達システムを設ける方法による、複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設が必要とされており、U字状RCC桁、主桁、及び横桁の複合相互作用は、主桁/横桁における径間の中心に偏向及びモーメントの実質的な減少をもたらし、且つより長い径間に適切となる。
【0009】
発明の目的
従って、本発明の主な目的は、複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のシステムと方法を提供することである。
【0010】
1.本発明の主な目的は、鋼製の主桁と横桁の上に、U字状RCC桁を格子状に設けることである。
【0011】
2.本発明の別の目的は、上部フランジ上でU字スラブを得るように主桁の上部フランジが非対称であり続けることを確実にすることである。
【0012】
3.本発明のまた別の目的は、主桁の下部フランジの5cm上に配される横桁、及び、主桁の下部フランジ上に配され且つベアリングに対する荷重のより優れた伝達のために主桁のウェブとフランジの両方に接続される端部桁を設けることである。
【0013】
4.本発明の更に別の目的は、主桁の下部フランジと合致するように下部フランジが湾曲される横桁を設けることである。
【0014】
5.本発明のまた別の目的は、車道にキャンバーを設けるように上部フランジが湾曲される横桁を設けることである。
【0015】
6.本発明の別の目的は、新たな力伝達システムを設けることであり、U字状RCC桁と主桁との複合相互作用が主桁における径間の中心での偏向とモーメントを実質的に減らし、長い径間に適切となる。
【0016】
7.本発明のまた別の目的は、型枠作用が結果として横桁におけるモーメントと偏向の実質的な減少をもたらす、U字状RCC桁を設けることである。
【0017】
8.本発明の更に別の目的は、交差路及びフレームワーク(from work)において架台梁/支持体が無いことから、障害物の無い且つ早期着工の橋の建設を提供することである。
【発明の概要】
【0018】
本開示に明確に例示されていない本開示の複数の可能な実施形態が存在するため、本開示は、記載される特定のシステム及び方法には限定されないことが、理解される。本明細書で使用される用語は、特定のバージョン又は実施形態のみを説明するためのものであり、本開示の範囲を制限するようには意図されていないことも、理解されたい。
【0019】
本発明の基本的な態様に従い、複合型U字状補強桁橋デッキの建設のシステムが提供され、該システムは、複数の主桁、端部横桁と中間横桁とを備える複数の横桁、U字状RCC桁、排出ダクト/インスペクションパス(inspection path)(鉄道/地下鉄)、ガードレール(幹線道路)、及び線路を備えている。(鋼製の)主桁には、非対称的な上部フランジ、ウェブ、及び対称的な下部フランジが設けられる。横桁は主桁の下部フランジ上に接続される。横桁は、前記主桁の下部フランジに合致するような方法で支持体付近にて湾曲される。端部横桁はRCC梁を覆うU字状であり、中間横桁はI桁である。横桁の均一な距離間隔は約2.5mである。U字状RCC桁には、上部フランジ、ウェブ、及びデッキスラブが設けられ、それにより、デッキスラブは、主桁の前記下部フランジの5cm上で前記ウェブに接続される横桁の上に構築れる。主桁の前記上部フランジ上のデッキスラブ、コンクリート製のウェブ、及びコンクリートは、U字状を形成する。1.5mの歩道(foot path)又は0.45mのサービス通路(service path)は、前記ガードレールとU字状RCC桁の前記ウェブとの間に設けられる。ケーブル/排出ダクト付きのインスペクションパスは鉄道/地下鉄橋の上に設けられる。
【0020】
更に、前記主桁の上部フランジは、上部フランジの上にU字状RCC桁を乗せるように非対称的である。前記主桁の上部フランジは、溶接のために3cmコンクリートの内側に突出される。主桁、横桁、及びU字桁の特性は、慣性モーメントを増大させるように修正される。補強材が主桁の外面上に設けられる。横桁の上部フランジは、幹線道路では最大4つのレーン、及び鉄道/地下鉄線路では最大3つレーンに使用される車道にキャンバーを設けるために湾曲される。システムの型枠作用は、主桁と横桁両方におけるモーメントと偏向を減らす。主桁と横桁の建設を経済的にするために、プレキャンバーが、死荷重と活荷重偏向の50%とを中和する(counteract)ために設けられる。半貫通鋼複合桁の配置は、E250/350等級の板桁では最大36mの径間、及びE410等級では45m以上の径間を設けることが可能である。45以上の径間のために、プレキャンバーは、L/600未満の偏向を含むように設けられる。Expanded Shale Clay and Slate製の密度1600kg/mの軽量コンクリートが、より長い径間で同じセクションに適用する際の建設コストを抑えるために使用され得る。
【0021】
本発明の別の態様に従い、複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のプレキャスト工法が提供され、該工法は、慣性モーメントを増強し、それにより死荷重と活荷重を運ぶために、上部スラブを備えた主桁をプレキャストする工程を含む。処理容量が利用可能(handling capacity)な場合、ウェブはプレキャストされ得る。型枠を避けるために、スラブを備えた主桁が上下逆さにプレキャストされるが、コンクリートの等級は、応力が許容範囲にあるようにデッキのコンクリート以上であり得る。2つ以上の横桁が、慣性モーメントを増強しそれにより死荷重と活荷重を運ぶために、上部スラブによりプレキャストされる。上部スラブを備えた主桁は適所に維持される。デッキを備えた横桁は主桁のウェブに接続され、コンクリート製ウェブは現場で鋳造され得る。
【0022】
本発明の別の態様に従い、複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設の現場法が提供され、該現場法は、横桁が接続される位置に主桁を配する工程を含む。コンクリートによる凝固は1回で行うことができる。建設を経済的にするために、コンクリートによる凝固は、主桁の上部フランジ上のスラブ及びウェブ部分において最初に実行される。6mmの軟鋼製のデッキシートは、前記横桁の上部に広げることができ、3mmの隅肉溶接で溶接され得る。デッキ部分のコンクリートによる凝固は、主桁のフランジ及びウェブ部分のコンクリートによる凝固の14日後に、より優れた力の伝達と偏向の制御を確保するために行われる。ガードレール、表面被覆、ケーブルダクト付きドレナージ付きインスペクションパス、及び保護的な配置は、開通前に作られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の上述の説明及び他の特徴は、次の添付図面と組み合わせて読み取った時に、本発明の詳細な説明を確保する際により明白となる。
図1】本発明に係る、鉄道橋に実装される複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のシステムを表す模式図を図示する。
図2】本発明に係る、幹線道路橋に実装される複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のシステムを表す模式図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して説明する。しかし、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の単なる典型であることを理解されたい。以下の説明と図面は本発明を制限するものと解釈されるものではなく、多数の具体的な詳細が、請求項に基づいて、且つ本発明をどのように実施及び/又は使用するかを当業者に教示することに基づいて、本発明の徹底的な理解を提供するために説明される。しかし、特定の例において、周知又は従来の詳細は、詳細に本発明を不必要に不明瞭にしないためには記載されていない。
【0025】
図1を参照すると、本発明は、鉄道橋に実装される複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のシステムを表す模式図に適用されるように例示され、該システムは、複数の主桁、端部横桁と中間横桁とを備える複数の横桁(2)、U字状RCC桁、排出ダクト(4)、及び線路(5)を備えている。(鋼製の)主桁には、非対称的な上部フランジ(1a)、対称的な下部フランジ(1b)、及びウェブ(1c)が設けられる、横桁(2)は主桁に接続される。横桁は、前記主桁の下部フランジ(1b)に合致するような方法で支持体付近にて湾曲される。主桁と横桁の均一な距離間隔は2.5mである。端部横桁はRCC梁を覆うU字状であり、中間横桁はI桁である。U字状のRCC桁には、上部フランジ(3a)、ウェブ(3b)、及びデッキスラブ(3c)が設けられ、それにより、前記デッキスラブ(3c)及び前記ウェブ(3b)は横桁の上に、そしてフランジ(3)は主桁の非対称的な上部フランジ(1a)上に構築される。コンクリート製のデッキスラブ(3c)、ウェブ(3b)、及びコンクリート製の前記フランジ(3a)は、U字状を形成する。前記主桁の上部フランジ(1a)は、上部フランジ(1a)の上にU字状RCC桁を乗せるように非対称的である。前記主桁の上部フランジ(1a)は、溶接のために3cmコンクリートの内側に突出される。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、補強材が前記主桁の外面に設けられる。横桁(2)の上部フランジは、幹線道路では最大4つのレーン、及び鉄道/地下鉄線路では最大3つのレーンに使用される車道にキャンバーを設けるために湾曲される。U字状RCC桁、主桁、及び横桁の複合相互作用により新たな力伝達システムを設ける方法による、複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設は、結果として主桁及び横桁における径間の中心に偏向及びモーメントの実質的な減少をもたらし、且つより長い径間にわたり適用可能である。
【0027】
図2を参照すると、本発明は、幹線道路橋に実装される複合型U字状鉄骨鉄筋コンクリート桁橋デッキの建設のシステムを表す模式図に適用されるように例示され、該システムは、複数の主桁、端部横桁と中間横桁とを備える複数の横桁(2)、U字状RCC桁、及びガードレール(4)を備えている。本発明の別の実施形態において、1.5mの歩道又は0.45mのサービス通路が、前記ガードレール(4)とU字状RCC桁のウェブ(3b)との間に設けられる。
【0028】
本発明の利点
1.本発明は、軽量且つ深度が小さいデッキにより、より軽量な基礎及び土台、更にはより短いアプローチ長さをもたらし、それに次いで土地取得を減らすことを、確実にする。それにより、橋及びアプローチのコストが減り、迅速な線路の建設が支援され、故にコストと時間の超過が削減される。主桁の複合作用は、構造物をより軽量なものにし、且つ、審美的な外観の改善と共に最大72mの径間のより長い径間に適用可能となる。
【0029】
2.既存の鉄道、地下鉄、及び幹線道路の橋について、架台梁のない軽量のデッキが、上下間隔の増加とは別の径間の増加、及び橋のコストの全体的な節約を伴う、迅速な線路の復興/再建に適切である。
【0030】
3.桁は工場で作られることで、結果としてより優れた品質と現場での作業削減をもたらし、迅速な線路建設の品質につなげることができる。
【0031】
4.上部にスラブを備えた主桁はプレキャストすることができ、デッキは、横桁と共にプレキャストして互いに接続することができ、これにより迅速な線路建設につながる。プレキャストされた一対の桁システムは、ウェブ部分上でのコンクリートによる凝固を最小限にして支持体上で立ち上げる(launched)ことができる。ブレーシングシステムのダイアフラムがなくなること、架台梁の接続柱/支持体、精巧な型枠の配置、及び交通に対する干渉が最小になることで、迅速な線路建設に適切なものになる。
【0032】
5.代替的に、主桁と横桁を立ち上げ、6mmの軟鋼製のデッキシートを広げて横桁に溶接し、現場での建設法でコンクリートにより凝固することができる。補強材を予め組み立てることができる。ブレーシングシステムのダイアフラムがなくなること、架台梁の接続柱/支持体、精巧な型枠、及び交通に対する干渉が最小になることで、迅速な線路建設に適切なものになる。
【0033】
6.デッキの一部又は全体は、桁の深度、重量、偏向、及び基礎構造と土台の重量を減らすように、前もって複合特性を持たせてプレキャストすることができる。橋の全体的なコストは1/3より多く削減できる。
【0034】
7.使用される鋼の重量は、鋼桁特性のみを持つ中路式鋼桁の適所で荷重を共有するために、U字状RCC桁を備えた2つの主桁を設計することによって減らされる。
【0035】
8.建設の深度は対の桁複合型ラダーデッキに比べて低く、一方で、建設の深度、即ち路の上部から横桁/主桁の下部までは、幹線道路では最大4つのレーン、及び鉄道又は地下鉄線路では最大3つのレーンに使用される車道について約1mである。路面でのメートル減少はアプローチの長さを60m減らす。
【0036】
9.橋の耐久性は、雨及び耐候剤への暴露が少ないことにより、対の桁のラダーデッキ及び中路式鋼桁と比較して優れている。
【0037】
本開示の概要は、読者が技術的開示の本質を迅速に確かめることを可能にする様に提供されることが、強調される。これは、特許請求の範囲又は意味を解釈或いは制限するためには使用されないという理解と共に提出される。加えて、前述の詳細な説明において、様々な特徴が、本開示を合理化する目的で単一の実施形態においてまとめてグループ分けされることが、確認され得る。本開示の方法は、請求された実施形態が各請求項に明白に列挙されるより多くの特徴を必要とする意図を反射するものとして、解釈することはできない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明性のある主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴には満たない。故に、以下の請求項はここで詳細な説明に組み込まれるものとし、各請求項はそれ自体で別個の実施形態になる。添付の請求項において、用語「含むこと(including)」及び「in which」はそれぞれ、用語「含むこと(comprising)」及び「ここで(wherein)」の単純な英語の同等物として使用される。更に、用語「第1」、「第2」、及び「第3」などは、単なる標識として使用され、それらの対象に数的な要件を課すようには意図されていない。
【0038】
更なる説明なしに、当業者は、前述の説明と例示的な実施例を用いて、本発明を作り出し且つ利用し、及び請求された方法を実施することができると、考えられる。前述の議論及び実施例は単に、好ましい実施形態の詳細な説明を示すものであることを理解されたい。様々な修正及び同等物が本発明の趣旨と範囲から逸脱することなくなされ得ることは、当業者に明白である。
図1
図2