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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】遊技機用装飾装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018152347
(22)【出願日】2018-08-13
(65)【公開番号】P2020025752
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】320002913
【氏名又は名称】株式会社イチネン製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 陽介
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-047184(JP,A)
【文献】特開2009-082590(JP,A)
【文献】特開2005-143687(JP,A)
【文献】特開2004-057728(JP,A)
【文献】特開2008-012219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に対面配置され、前記遊技者とは反対側の面に入射した光の一部を遊技者側の面へ透過させるとともに、前記遊技者とは反対側の面に入射した光のうち前記遊技者側の面へ透過した光を除く一部を前記遊技者側とは反対側へ反射させる第1ミラーと、
前記第1ミラーから見て遊技者とは反対側にて、前記第1ミラーに対して平行に配置され、前記遊技者側の面に入射した光を前記遊技者側へ反射させる第2ミラーと、
前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に設けられた同一形状を呈する第1の発光体及び第2の発光体と、
前記第1の発光体と前記第2の発光体との間に設けられ、前記第2ミラーへの前記第1の発光体からの直接光の入射を規制するとともに、前記第1ミラーへの前記第2の発光体からの直接光の入射を規制する規制部材と、
を備えた、遊技機用表示装置であって、
前記第1の発光体及び前記第2の発光体が方向性を有する形状を呈し、それらが反対方向へ向けられていて、
前記第1の発光体と前記第2の発光体が同時に発光する、遊技機用表示装置。
【請求項2】
遊技者に対面配置され、前記遊技者とは反対側の面に入射した光の一部を遊技者側の面へ透過させるとともに、前記遊技者とは反対側の面に入射した光のうち前記遊技者側の面へ透過した光を除く一部を前記遊技者側とは反対側へ反射させる第1ミラーと、
前記第1ミラーから見て遊技者とは反対側にて、前記第1ミラーに対して平行に配置され、前記遊技者側の面に入射した光を前記遊技者側へ反射させる第2ミラーと、
前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に設けられた同一形状を呈する第1の発光体及び第2の発光体と、
前記第1の発光体と前記第2の発光体との間に設けられ、前記第2ミラーへの前記第1の発光体からの直接光の入射を規制するとともに、前記第1ミラーへの前記第2の発光体からの直接光の入射を規制する規制部材と、
を備えた、遊技機用表示装置であって、
前記第1の発光体及び前記第2の発光体が方向性を有する形状を呈し、それらが同一方向へ向けられていて、
前記第1の発光体と前記第2の発光体が交互に発光する、遊技機用表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機用表示装置において、
前記規制部材は、前記第1ミラー及び前記第2ミラーに対して平行な板状部である、遊技機用表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の遊技機用表示装置において、
前記発光体が発光ダイオード、及び前記発光ダイオードから出射された光を拡散して面状に発光させるカバーを含む、遊技機用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の装飾装置に関する。とくに、遊技機の奥行き方向の立体感を表現可能な装飾装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、奥行き方向(前後方向)の立体感を表現可能な装飾装置は知られている。特許文献1の装飾装置は、前後一対のミラーを備える。前側(遊技者側)に配置された第1ミラーは、ハーフミラーである。つまり、第1ミラーは、その後面に入射した光の一部を、前面へ透過させるとともに、前記後面に入射した光のうち、前記前面へ透過した光を除く一部を反射する。第1ミラーの後側に配置された第2ミラーは、通常のミラーであり、その前面に入射した光を反射する。これらの前後一対のミラーは枠部材に嵌め込まれている。枠部材の内周面には、複数の発光体(電球)が配置されている。これらの発光体から出射された光は、前後一対のミラーの間で反射を繰り返す。ただし、上記のように、第1ミラーの後面に入射した光の一部は第1ミラーを透過して遊技者の視点に達する。このように構成された特許文献1の装飾装置の前方からは、複数の光の点列が、あたかも後方へ無限に並んでいるように見える。つまり、第2ミラーよりも後方へ空間が広がっているように見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5405376号公報
【発明の概要】
【0004】
例えば、発光ダイオードと面発光型のカバー(レンズ)を用いて、特定の形状(例えば矢印状)の発光体を形成することができる。このような発光体を特許文献1の装飾装置に適用すれば、前記特定の形状の発光体の像が奥行き方向に無限に並んでいるように見える。ただし、この場合、図12に示すように、前方へ向けられた像と後方へ向けられた像とが交互に並んでいるように見える。つまり、全ての発光体の像の向きが同一であるように設定することができない。
【0005】
また、図13乃至図15に示すように、第1発光体、第2発光体及び第3発光体を順番に発光させることにより、光が奥行き方向に流れる様子(アニメーション)を表現しようとした場合には、次のような問題が生じる。ここで、第1発光体は、第1ミラーの後面に近接する位置から後方へ延設されている。第2発光体は、第1発光体の後端から右方へ延設されている。第3発光体は、第2発光体の右端から後方へ延設されている。第3発光体の後端は、第2ミラーの前面に近接している。この場合、第1発光体、第2発光体及び第3発光体がこの順に発光される。1つの発光体のみが発光され、他の2つの発光体は消灯している。これによれば、まず、図13に示すように、第1発光体の像が奥行き方向に並ぶ。つぎに、図14に示すように、第2発光体の像が奥行き方向に並び、つぎに、図15に示すように、第3発光体の像が奥行き方向に並ぶ。図13から図14への遷移において、各第1発光体の像(図13(B))の前端及び後端に繋がる全ての第2発光体の像(図14(B))が見える。したがって、第1発光体の像が前側の第2発光体の像へ移動したのか、後側の第2発光体の像へ移動したのかがわかり難い。また、図14から図15への遷移において、各第2発光体の像(図14(B))の右端に繋がる全ての第3発光体の像(図15(B))が見える。したがって、各第3発光体の像が、それらの前側の第2発光体の像から移動したものなのか、後側の第2発光体の像から移動したものなのかがわかり難い。つまり、光(像)の奥行き方向の流れ(移動)を適切に表現できない。
【0006】
上記のように、特許文献1の装飾装置は、表現力に欠ける。
【0007】
本発明の目的は、表現力を向上させた遊技機用装飾装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、遊技者に対面配置され、前記遊技者とは反対側の面に入射した光の一部を遊技者側の面へ透過させるとともに、前記遊技者とは反対側の面に入射した光のうち前記遊技者側の面へ透過した光を除く一部を前記遊技者側とは反対側へ反射させる第1ミラー(10)と、前記第1ミラーから見て遊技者とは反対側にて、前記第1ミラーに対して平行に配置され、前記遊技者側の面に入射した光を前記遊技者側へ反射させる第2ミラー(20)と、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に設けられた同一形状を呈する第1の発光体(S2)及び第2の発光体(S4)と、前記第1の発光体と前記第2の発光体との間に設けられ、前記第2ミラーへの前記第1の発光体からの直接光の入射を規制するとともに、前記第1ミラーへの前記第2の発光体からの直接光の入射を規制する規制部材(411,411a,411b)と、を備えた、遊技機用表示装置であって、前記第1の発光体及び前記第2の発光体が方向性を有する形状を呈し、それらが反対方向へ向けられていて、前記第1の発光体と前記第2の発光体が同時に発光する、遊技機用表示装置としたことにある。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の特徴は、遊技者に対面配置され、前記遊技者とは反対側の面に入射した光の一部を遊技者側の面へ透過させるとともに、前記遊技者とは反対側の面に入射した光のうち前記遊技者側の面へ透過した光を除く一部を前記遊技者側とは反対側へ反射させる第1ミラー(10)と、前記第1ミラーから見て遊技者とは反対側にて、前記第1ミラーに対して平行に配置され、前記遊技者側の面に入射した光を前記遊技者側へ反射させる第2ミラー(20)と、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に設けられた同一形状を呈する第1の発光体(S1)及び第2の発光体(S2)と、前記第1の発光体と前記第2の発光体との間に設けられ、前記第2ミラーへの前記第1の発光体からの直接光の入射を規制するとともに、前記第1ミラーへの前記第2の発光体からの直接光の入射を規制する規制部材(411,411a,411b)と、を備えた、遊技機用表示装置であって、前記第1の発光体及び前記第2の発光体が方向性を有する形状を呈し、それらが同一方向へ向けられていて、前記第1の発光体と前記第2の発光体が交互に発光する、遊技機用表示装置としたことにある。
【0010】
また、この場合、前記規制部材は、前記第1ミラー及び前記第2ミラーに対して平行な板状部であるとよい。
【0011】
また、この場合、前記発光体が前記遊技者側又は前記遊技者側とは反対側へ向けられた所定の模様を示すとよい。
【0012】
また、この場合、前記発光体が発光ダイオード(D2,D4)、及び前記発光ダイオードから出射された光を拡散して面状に発光させるカバー(C2,C4)を含むとよい。
【0013】
これによれば、発光体から出射された光(直接光)が第1ミラー及び第2ミラーにて反射を繰り返す。そして、第1ミラーに入射した光の一部が第1ミラーを透過して、遊技者の視点に達する。これにより、複数の発光体の像が、後方へ並べられているように見える。本発明では、規制部材が設けられているため、発光体からの第1ミラー又は第2ミラーへ直接的に入射する光が存在しない。したがって、発光体から出射された光は、第1ミラーを透過して遊技者の視点に達するまでに、第1ミラー及び第2ミラーにて、奇数回又は偶数回だけ反射している。例えば、発光体から第2ミラーへの直接光の入射が規制されている場合には、発光体から出射された光は、第1ミラーを透過して遊技者の視点に達するまでの間に、第1ミラー及び第2ミラーにて、それぞれ偶数回だけ反射している。この場合、第1ミラー及び第2ミラーにて奇数回だけ反射して遊技者の視点に達する光は存在しない。よって、これらの光によって構成される複数の像の向きは、発光体の向きと同一である。一方、発光体から第1ミラーへの直接光の入射が規制されている場合には、発光体から出射された光は、第1ミラーを透過して遊技者の視点に達するまでの間に、第1ミラーと第2ミラーにて、奇数回だけ反射している。この場合、第1ミラー及び第2ミラーにて偶数回だけ反射して遊技者の視点に達する光は存在しない。よって、これらの光によって構成される複数の像の向きは、発光体の向きとは反対である。このように、本発明に係る遊技機用装飾装置によれば、発光体の像の向きを同一に設定できる。また、複数の発光体を備えた遊技機用装飾装置において、一部の発光体から第1ミラー又は第2ミラーへの直接光の入射が規制され、他の発光体から第1ミラー又は第2ミラーへの直接光の入射が許容されるように設定することにより、より高度な表現も可能である。例えば、遊技機の奥行き方向に光が流れるようなアニメーションを実現することもできる。このように、本発明によれば、表現力を向上させた遊技機用装飾装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機用装飾装置が適用されたパチンコ機の分解斜視図である。
図2】遊技機用装飾装置の分解斜視図である。
図3】電子回路基板の斜視図である。
図4】底壁部の断面を示す斜視図である。
図5】第1セグメントから出射された光の経路を示す側面図及び第1セグメントの複数の像を示す平面図である。
図6】第2セグメントから出射された光の経路を示す側面図及び第2セグメントの複数の像を示す平面図である。
図7】第3セグメントから出射された光の経路を示す側面図及び第3セグメントの複数の像を示す平面図である。
図8】第4セグメントから出射された光の経路を示す側面図及び第4セグメントの複数の像を示す平面図である。
図9】本発明の第1の変形例に係る遊技機用装飾装置の発光体から出射された光の経路を示す側面図、及び発光体の複数の像を示す平面図である。
図10】本発明の第2の変形例に係る遊技機用装飾装置の第1セグメントから出射された光の経路を示す側面図及び第1セグメントの複数の像を示す平面図である。
図11】本発明の第2の変形例に係る遊技機用装飾装置の第2セグメントから出射された光の経路を示す側面図及び第2セグメントの複数の像を示す平面図である。
図12】従来の遊技機用装飾装置の発光体から出射された光の経路を示す側面図及び発光体の複数の像を示す平面図である。
図13】従来の遊技機用装飾装置の第1発光体から出射された光の経路を示す側面図及び第1発光体の複数の像を示す平面図である。
図14】従来の遊技機用装飾装置の第2発光体から出射された光の経路を示す側面図及び第2発光体の複数の像を示す平面図である。
図15】従来の遊技機用装飾装置の第3発光体から出射された光の経路を示す側面図及び第3発光体の複数の像を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る遊技機用装飾装置1について説明する。まず、遊技機用装飾装置1が適用された遊技機としてのパチンコ機PMの概略について説明しておく。パチンコ機PMは、図1に示すように、鉛直方向に延びる略直方体状の装置である。以下の説明において、パチンコ機PMの高さ方向(鉛直方向)を上下方向と呼ぶ。また、パチンコ機PMの幅方向を左右方向と呼び、パチンコ機PMの奥行き方向を前後方向と呼ぶ。
【0016】
パチンコ機PMは、同図に示すように、遊技球発射装置BS、遊技盤PBなどを備える。遊技球発射装置BSは、図示しない遊技球を1球ずつ遊技盤PBへ向けて発射する。遊技盤PBは、遊技球発射装置BSの上方に配置されている。遊技盤PBは、上下方向に延びる略長方形の板状部材である。遊技盤PBは、遊技者に対向するように配置されている。すなわち、遊技盤PBの板厚方向が前後方向に一致している。
【0017】
例えば、遊技盤PBの前面の周縁部に、遊技機用装飾装置1が取り付けられる。以下、遊技盤PBの前面の下縁部に取り付けられた遊技機用装飾装置1について説明する。
【0018】
つぎに、遊技機用装飾装置1の構成について説明する。遊技機用装飾装置1は、図2に示すように、第1ミラー10、第2ミラー20、電子回路基板30及び基台40を備える。
【0019】
第1ミラー10は、長方形の板状部材であり、遊技盤PBに対して平行に配置されている。第1ミラー10は、ハーフミラーである。すなわち、第1ミラー10の後面10Rに入射した光の一部を前面10Fへ透過させ、後面10Rに入射した光のうち、前面10Fへ透過した光を除く一部を後方へ反射させる。
【0020】
第2ミラー20は、第1ミラー10と略同一形状を有する。第2ミラー20は、第1ミラーの後方に配置されている。第2ミラー20は、遊技盤PBに対して平行に配置されている。第2ミラー20は、通常のミラーであり、その前面20Fに入射した光を前方へ反射させる。
【0021】
電子回路基板30は、図3に示すように、プリント配線基板31と、左右一対の発光部LP,LPを備える。プリント配線基板31は、その板厚方向が上下方向に一致するように配置される。プリント配線基板31は、その平面視において、左右方向に延びる長方形を呈する。プリント配線基板31の上面及び下面には、銅箔によって配線パターンが形成されている。これらの配線パターンは、次に説明する発光部LP,LPへの電力供給ラインである。
【0022】
発光部LP,LPは、プリント配線基板31の上面に実装されている。左側の発光部LPは、プリント配線基板31の左半部に実装され、右側の発光部LPは、プリント配線基板31の右半部に実装されている。左側の発光部LPと右側の発光部LPの構成は同一であるので、以下、左側の発光部LPについて説明する。
【0023】
発光部LPは、第1セグメントS1、第2セグメントS2、第3セグメントS3及び第4セグメントS4を備える。第1セグメントS1は、プリント配線基板31の左端部の前半部にて、前後方向に延設されている。第1セグメントS1は、発光ダイオードD1及びカバーC1を備える(図2参照)。発光ダイオードD1は、プリント配線基板31の上面の配線パターンに設けられた所定のランドに半田付けされている。カバーC1は、発光ダイオードD1に被せられている。カバーC1は、プリント配線基板31の前端から後方へ延設されている。カバーC1の後端は、プリント配線基板31の前後方向における中央部より少し前方に位置している。カバーC1の後端部を除く部分の幅(左右方向の寸法)は一定である。カバーC1の後端部は尖鋭状に形成されている。すなわち、カバーC1の後端部において、後方へ向かうに従って、その幅が徐々に減少している。
【0024】
第2セグメントS2は、第1セグメントS1から見て少し後方且つ右方にて、左右方向に延設されている。第2セグメントS2は、発光ダイオードD2及びカバーC2を備える。発光ダイオードD2は、プリント配線基板31の上面の配線パターンに設けられた所定のランドに半田付けされている。カバーC2は、発光ダイオードD2に被せられている。カバーC2は、プリント配線基板31の左半部の略中央部にて左右方向に延設されている。カバーC2の左右の端部を除く部分の幅(前後方向の寸法)は一定である。カバーC2の左右の端部は尖鋭状に形成されている。すなわち、カバーC2の左端部において、左方へ向かうに従って、その幅が徐々に減少している。また、カバーC2の右端部において、右方へ向かうに従って、その幅が徐々に減少している。
【0025】
第3セグメントS3は、第2セグメントS2の右端の後方にて、前後方向に延設されている。第3セグメントS3は、発光ダイオードD3及びカバーC3を備える。発光ダイオードD3は、プリント配線基板31の上面の配線パターンに設けられた所定のランドに半田付けされている。カバーC3は、発光ダイオードD3に被せられている。カバーC3は、プリント配線基板31の後端から前方へ延設されている。カバーC3の前端は、プリント配線基板31の前後方向における中央部より少し前方に位置している。カバーC3の前端部を除く部分の幅(左右方向の寸法)は一定である。カバーC3の前端部は尖鋭状に形成されている。すなわち、カバーC3の前端部において、前方へ向かうに従って、その幅が徐々に減少している。
【0026】
第4セグメントS4は、第2セグメントS2の後方にて、左右方向に延設されている。第4セグメントS4は、発光ダイオードD4及びカバーC4を備える。発光ダイオードD4は、プリント配線基板31の上面の配線パターンに設けられた所定のランドに半田付けされている。カバーC4は、発光ダイオードD4に被せられている。カバーC4は、カバーC2の後方にて左右方向に延設されている。カバーC4の左右の端部を除く部分の幅(前後方向の寸法)は一定である。カバーC4の左右の端部は尖鋭状に形成されている。すなわち、カバーC4の左端部において、左方へ向かうに従って、その幅が徐々に減少している。また、カバーC4の右端部において、右方へ向かうに従って、その幅が徐々に減少している。
【0027】
カバーC1は、発光ダイオードD1の光を拡散させて、点状の発光体を面状の発光体に変換する。つまり、発光ダイオードD1が発光すると、カバーC1が全体的に発光し、第1セグメントS1は、前後方向に延びる発光体のように見える。カバーC2,C3,C4もカバーC1と同一の機能を備える。なお、本実施形態では、カバーC1とカバーC4とが一体的に形成され、カバーC2とカバーC3とが一体的に形成されている。すなわち、カバーC1とカバーC4とが連結されている。また、カバーC2とカバーC3とが連結されている。ただし、カバーC1,C2,C3,C4が個別に形成されていても良いし、カバーC1,C2,C3,C4が一体的に形成されていても良い。
【0028】
基台40は、合成樹脂材を用いて一体的に形成されている。基台40は、底壁部41、右壁部42及び左壁部43を有する。底壁部41は、上下方向に垂直な壁部である。基台40の平面視において、底壁部41は、左右方向に延びる略長方形を呈する。電子回路基板30が底壁部41の下面に組み付けられる。底壁部41には、各発光部LPのカバーC1,C2,C3,C4をそれぞれ挿入可能な貫通孔TH1,TH2,TH3,TH4が形成されている。また、貫通孔TH1,TH2,TH3,TH4の周縁部に沿って延びる周壁部が形成されている。貫通孔TH1,TH2,TH3,TH4の形状は、カバーC1,C2,C3,C4の外形と略同一である。
【0029】
図4に示すように、貫通孔TH2と貫通孔TH4との間には、仕切り壁411が形成されている。仕切り壁411は、前後方向に垂直な薄板部である。仕切り壁411の上端は、隣接するカバーC2,C4の上面よりも少し上方に位置している。仕切り壁411の上端部には、カバーC2の後半部及びカバーC4の前半部の上方にそれぞれ迫り出した庇部411a,411bが形成されている。
【0030】
右壁部42及び左壁部43は、底壁部41の右端部及び左端部からそれぞれ上方へ延びる壁部である。右壁部42及び左壁部43は、対面している。右壁部42及び左壁部43の壁厚(左右方向の寸法)が、底壁部41の壁厚(上下方向の寸法)より大きく設定されている。右壁部42の内側面(左面)の前端部及び後端部には、上下方向にそれぞれ延びる溝部421,422が形成されている(図2参照)。また、左壁部43の内側面(右面)の前端部及び後端部には、上下方向にそれぞれ延びる溝部431,432が形成されている。溝部421及び溝部431に、第1ミラー10の左右の縁部の下端部がそれぞれ挿入されて支持されている。また、溝部422及び溝部432に、第2ミラー20の左右の縁部の下端部がそれぞれ挿入されて支持されている。
【0031】
上記のように構成された遊技機用装飾装置1の電子回路基板30と図示しない制御装置とがケーブル(ワイヤーハーネス)を介して接続される。この制御装置は、遊技盤PBの後面又は遊技盤PBの後方に配置されたケースなどに取り付けられる。制御装置は、演算装置、メモリ、タイマーなどからなるコンピュータ装置を備える。また、制御装置は、発光ダイオードD1~発光ダイオードD4に供給する電力を制御する電源回路を備える。この電源回路がコンピュータ装置によって制御され、ケーブルを介して、発光ダイオードD1~発光ダイオードD4へ電力が供給される。これにより、発光ダイオードD1~発光ダイオードD4の点灯及び消灯がそれぞれ制御される。
【0032】
例えば、制御装置は、図5に示すように、まず、発光ダイオードD1を点灯させ、発光ダイオードD2~発光ダイオードD4を消灯させる。この状態に設定して所定の時間(例えば0.2秒)が経過すると、制御装置は、発光ダイオードD2を点灯させ(図6参照)、発光ダイオードD1、発光ダイオードD3及び発光ダイオードD4を消灯させる。この状態に設定して所定の時間(例えば0.2秒)が経過すると、制御装置は、発光ダイオードD3を点灯させ(図7参照)、発光ダイオードD1、発光ダイオードD2及び発光ダイオードD4を消灯させる。この状態に設定して所定の時間(例えば0.2秒)が経過すると、制御装置は、発光ダイオードD4を点灯させ(図8参照)、発光ダイオードD1、発光ダイオードD2及び発光ダイオードD3を消灯させる。このように、制御装置は、第1セグメントS1、第2セグメントS2、第3セグメントS3、第4セグメントS4を、この順に発光させる。制御装置は、この一連の発光制御を繰り返し実行する。つまり、制御装置は、第1セグメントS1、第2セグメントS2、第3セグメントS3、第4セグメントS4を循環的に発光させる。
【0033】
つぎに、第1セグメントS1から出射された光の経路について説明する。図5に示すように、第1セグメントS1から出射された光(直接光)は、第1ミラー10及び第2ミラー20にて反射を繰り返す。なお、第1ミラー10に入射した光の一部が第1ミラー10を透過し遊技者の視点に達する。第2ミラー20への直接光の入射角度に応じて、遊技者の視点に達するまでに第2ミラー20及び第1ミラー10にて反射する回数が異なる。
【0034】
例えば、図5(A)における直接光R1S1は、第2ミラー20の前面にて反射し、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、第2ミラー20よりも後方から出射されたように見える。つまり、第1セグメントS1が第2ミラー20よりも後方に存在するように見える。この第1セグメントS1の像M1S1は、直接光R1S1が第2ミラー20にて1度反射した像である。そのため、第1セグメントS1(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。つまり、図5(B)に示すように、尖鋭部が前方へ向けられているように見える。
【0035】
また、例えば、図5(A)における直接光R3S1は、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M1S1よりも後方から出射されたように見える。つまり、第1セグメントS1が像M1S1よりも後方に存在するように見える。この第1セグメントS1の像M3S1は、直接光R3S1が第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に3度反射した像である。そのため、第1セグメントS1(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。つまり、尖鋭部が前方へ向けられているように見える。
【0036】
また、例えば、図5(A)における直接光R5S1は、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M3S1よりも後方から出射されたように見える。つまり、第1セグメントS1が像M3S1よりも後方に存在するように見える。この第1セグメントS1の像M5S1は、直接光R3S1が第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に5度反射した像である。そのため、第1セグメントS1(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。つまり、尖鋭部が前方へ向けられているように見える。
【0037】
上記のように、第1ミラー10及び第2ミラー20にて奇数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する光により、像M1S1,M3S1,M5S1,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M1S1,M3S1,M5S1,・・・の向きは、第1セグメントS1(実像)とは反対である。
【0038】
また、例えば、図5(A)における直接光R2S1は、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、第2ミラー20よりも後方から出射されたように見える。つまり、第1セグメントS1が第2ミラー20よりも後方に存在するように見える。この第1セグメントS1の像M2S1は、直接光R2S1が第1ミラー10及び第2ミラー20にて、この順に2度反射した像である。そのため、第1セグメントS1(実像)と前後方向の向きが同一であるように見える。つまり、尖鋭部が後方へ向けられているように見える。
【0039】
また、例えば、図5(A)における直接光R4S1は、第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10.第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M2S1よりも後方から出射されたように見える。つまり、第1セグメントS1が像M1S1よりも後方に存在するように見える。この第1セグメントS1の像M4S1は、直接光R4S1が第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に4度反射した像である。そのため、第1セグメントS1(実像)と前後方向の向きが同一であるように見える。つまり、尖鋭部が後方へ向けられているように見える。
【0040】
上記のように、第1ミラー10及び第2ミラー20にて偶数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する光により、像M2S1,M4S1,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M2S1,M4S1,・・・の向きは、第1セグメントS1(実像)と同一である。
【0041】
ここで、第1セグメントS1の基端部(尖鋭部とは反対側の端部)は、第1ミラー10に接している。したがって、像M1S1の基端部と像M2S1の基端部とが連続した像M12S1が見える。また、像M3S1,・・・と、像M4S1,・・・とがそれぞれ連続した像M34S1,M56S1,・・・が見える。
【0042】
つぎに、第2セグメントS2から出射された光の経路について説明する。仕切り壁411及び庇部411aにより、第2セグメントS2から後方(第2ミラー20側)へ向かう光が遮られる。つまり、第2セグメントS2から第2ミラー20の前面に直接的に入射する光(直接光)は存在しない。
【0043】
一方、図6(A)に示すように、第2セグメントS2から出射されて前方へ向かう光(直接光)は、第1ミラー10及び第2ミラー20にて反射を繰り返す。なお、第1ミラー10に入射した光の一部が第1ミラー10を透過し、遊技者の視点に達する。第1ミラー20への直接光の入射角度に応じて、遊技者の視点に達するまでに第1ミラー10及び第2ミラー20にて反射する回数が異なる。
【0044】
例えば、図6(A)における直接光R2S2は、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、第2ミラー20よりも後方から出射されたように見える。つまり、第2セグメントS2が第2ミラー20よりも後方に存在するように見える。この第2セグメントS2の像M2S2は、直接光R2S2が第1ミラー10及び第2ミラー20にて、この順に2度反射した像である。そのため、図6(B)に示すように、第2セグメントS2(実像)と前後方向の向きが同一であるように見える。
【0045】
また、例えば、図6(A)における直接光R4S2は、第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M2S2よりも後方から出射されたように見える。つまり、第2セグメントS2が像M2S2よりも後方に存在するように見える。この第2セグメントS2の像M4S2は、直接光R4S2が第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に4度反射した像である。そのため、第2セグメントS2(実像)と前後方向の向きが同一であるように見える。
【0046】
直接光R2S2,R4S2と同様に、第1ミラー10及び第2ミラー20にて偶数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する光により、像M2S2,M4S2,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M2S2,M4S2,・・・は、像M12S1,M34S1,・・・の後端から右方に延びるように見える。なお、上記のように、第2セグメントS2から出射されて第2ミラー20に直接的に入射する光が存在しない。よって、像M12S1,M34S1,・・・の前端から右方に延びる像は存在しない。したがって、第1セグメントS1を発光させた後、第1セグメントS1を消光するとともに第2セグメントS2を発光させることにより、像M12S1,M34S1,・・・が像M2S2,M4S2,・・・にそれぞれ移動したように見える。
【0047】
つぎに、第3セグメントS3から出射された光の経路について説明する。図7に示すように、第3セグメントS3から出射された光(直接光)は、第1ミラー10及び第2ミラー20にて反射を繰り返す。なお、第1ミラー10に入射した光の一部が第1ミラー10を透過し、遊技者の視点に達する。第2ミラー20への直接光の入射角度に応じて、遊技者の視点に達するまでに第2ミラー20及び第1ミラー10にて反射する回数が異なる。
【0048】
例えば、図7(A)における直接光R1S3は、第2ミラー20の前面にて反射し、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、第2ミラー20よりも後方から出射されたように見える。つまり、第3セグメントS3が第2ミラー20よりも後方に存在するように見える。この第3セグメントS3の像M1S3は、直接光R1S3が第2ミラー20にて1度反射した像である。そのため、第3セグメントS3(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。つまり、図7(B)に示すように、尖鋭部が前方へ向けられているように見える。
【0049】
また、例えば、図7(A)における直接光R3S3は、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M1S3よりも後方から出射されたように見える。つまり、第3セグメントS3が像M1S3よりも後方に存在するように見える。この第3セグメントS3の像M3S3は、直接光R3S3が第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に3度反射した像である。そのため、第3セグメントS3(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。つまり、尖鋭部が後方へ向けられているように見える。
【0050】
直接光R1S3,R3S3と同様に、第1ミラー10及び第2ミラー20にて奇数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する光により、像M1S3,M3S3,M5S3,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M1S3,M3S3,M5S3,・・・の向きは、第1セグメントS1(実像)とは反対である。
【0051】
また、例えば、図7(A)における直接光R2S1は、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、第2ミラー20よりも後方から出射されたように見える。つまり、第3セグメントS3が第2ミラー20よりも後方に存在するように見える。この第3セグメントS3の像M2S3は、直接光R2S3が第1ミラー10及び第2ミラー20にて、この順に2度反射した像である。そのため、第3セグメントS3(実像)と前後方向の向きが同一であるように見える。つまり、図7(B)に示すように、尖鋭部が前方へ向けられているように見える。
【0052】
また、例えば、図7(A)における直接光R4S3は、第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10.第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M2S3よりも後方から出射されたように見える。つまり、第3セグメントS3が像M2S3よりも後方に存在するように見える。この第3セグメントS3の像M4S3は、直接光R4S3が第1ミラー10、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に4度反射した像である。そのため、第3セグメントS3(実像)と前後方向の向きが同一であるように見える。つまり、尖鋭部が前方へ向けられているように見える。
【0053】
直接光R2S3,R4S3と同様に、第1ミラー10及び第2ミラー20にて偶数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する光により、像M2S3,M4S3,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M2S3,M4S3,・・・の向きは、第3セグメントS3(実像)と同一である。
【0054】
ここで、第3セグメントS3の基端部(尖鋭部とは反対側の端部)は、第2ミラー20に接している。したがって、像M2S3の基端部と像M3S3の基端部とが連続した像M23S3が見える。また、像M4S3の基端部と像M5S3の基端部とが連続した像M45S3が見える。これらの像M23S3,M45S3,・・・は、像M2S2,M4S2,・・・の右端から後方に延びるように見える。したがって、第2セグメントS2を発光させた後、第2セグメントS2を消光するとともに第3セグメントS3を発光させることにより、像M2S2,M4S2,・・・が像M23S3,M45S3,・・・にそれぞれ移動したように見える。
【0055】
つぎに、第4セグメントS4から出射された光の経路について説明する。仕切り壁411及び庇部411bにより、第4セグメントS4から、前方(第1ミラー10側)へ向かう光が遮られる。つまり、第4セグメントS4から第1ミラー10の後面に直接的に入射する光(直接光)は存在しない。
【0056】
一方、図8(A)に示すように、第4セグメントS4から出射されて後方へ向かう光(直接光)は、第1ミラー10及び第2ミラー20にて反射を繰り返す。なお、第1ミラー10に入射した光の一部が第1ミラー10を透過し、遊技者の視点に達する。第1ミラー10への直接光の入射角度に応じて、遊技者の視点に達するまでに第1ミラー10及び第2ミラー20にて反射する回数が異なる。
【0057】
例えば、図8(A)における直接光R1S4は、第2ミラー20にて反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、第2ミラー20よりも後方から出射されたように見える。つまり、第4セグメントS4が第2ミラー20よりも後方に存在するように見える。この第4セグメントS4の像M1S4は、直接光R1S4が第2ミラー20にて1度反射した像である。そのため、図8(B)に示すように、第4セグメントS4(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。
【0058】
また、例えば、図8(A)における直接光R3S4は、第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20の順に反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。この光は、像M1S4よりも後方から出射されたように見える。つまり、第4セグメントS4が像M1S4よりも後方に存在するように見える。この第4セグメントS4の像M3S4は、直接光R3S4が第2ミラー20、第1ミラー10、第2ミラー20にて、この順に3度反射した像である。そのため、第4セグメントS4(実像)とは前後方向の向きが逆であるように見える。
【0059】
直接光R143,R3S4と同様に、第1ミラー10及び第2ミラー20にて奇数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する光により、像M1S4,M3S4,M5S4,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M1S4,M3S4,M5S4,・・・の向きは、第4セグメントS4(実像)とは反対である。これらの像M1S4,M3S4,M5S4,・・・は、像M1S3,M23S3,M45S3,・・・の後端から左方に延びるように見える。なお、上記のように、第4セグメントS4から出射されて第1ミラー10に直接的に入射する光が存在しない。よって、像M23S3,M45S3,・・・の前端から左方に延びる像は存在しない。したがって、第3セグメントS3を発光させた後、第3セグメントS3を消光するとともに第4セグメントS4を発光させることにより、像M1S3,M23S3,M45S3,・・・が像M1S4,M3S4,M5S4,・・・にそれぞれ移動したように見える。
【0060】
上記のように、遊技機用装飾装置1によれば、第1セグメントS1乃至第4セグメントS4を循環的に発光させることにより、棒状の発光体が後方(パチンコ樹PMの奥側)へ流れていくようなアニメーションを表現できる。
【0061】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、上記実施形態における発光体の形状を、図9乃至図11に示すような矢印形状に変更しても良い。図9の例では、第1セグメントS1を前方へ向けられた矢印形状とし、第2セグメントS2を後方へ向けられた矢印形状としている。第1セグメントS1は、仕切り壁411の前側に配置され、第2セグメントS2は、仕切り壁411の後側に配置されている。これにより、第1セグメントS1からの直接光が第2ミラー20に入射することが規制されるとともに、第2セグメントS2からの直接光が第1ミラー10に入射することが規制される。
【0063】
図9(A)に示すように、直接光R2S1,R4S1,・・・は、第1ミラー10及び第2ミラー20にてそれぞれ偶数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。これにより、像M2S1,M4S1,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M2S1,M4S1,・・・の向きは、図9(B)に示すように、第1セグメントS1(実像)と同一である。
【0064】
また、直接光R1S2,R3S2,・・・は、第1ミラー10及び第2ミラー20にてそれぞれ奇数回だけ反射した後、第1ミラー10を透過して遊技者の視点に達する。これにより、像M1S2,M3S2,・・・が、後方へ並べられているように見える。これらの像M1S2,M3S2,・・・の向きは、第2セグメントS2(実像)とは反対である。上記のように、第1セグメントS1と第2セグメントS2との向きが反対方向に設定されている。したがって、同一である。像M1S2,M3S2,・・・の向きは、像M2S1,M4S1,・・・の向きと同一である。
【0065】
上記のように、本変形例では、第1セグメントS1及び第2セグメントS2を同時に発光させることにより、全ての像の向きを同一に設定できる。
【0066】
また、図10及び図11に示すように、第1セグメントS1を前方へ向けられた矢印形状とし、第2セグメントS2を前方へ向けられた矢印形状としてもよい。この場合も、第1セグメントS1は、仕切り壁411の前側に配置され、第2セグメントS2は、仕切り壁411の後側に配置されている。これにより、第1セグメントS1からの直接光が第2ミラー20に入射することが規制されるとともに、第2セグメントS2からの直接光が第1ミラー10に入射することが規制される。
【0067】
第1セグメントS1から出射された光の経路は、図10(A)に示すように、図9(A)の例と同一である。よって、図10(B)に示す像M2S1,M4S1,・・・も、図9(B)の例と同一である。一方、図11(A)に示す第2セグメントS2から出射された光の経路も、図9(A)に示す例と同一であるが、第2セグメントS2(実像)の向きが、図9の例とは反対であるため、図11(B)に示す像M1S2,M3S2,M5S2,・・・の向きは、図9(B)の例とは反対である。これによれば、第1セグメントS1のみを発光させた状態と第2セグメントS2のみを発光させた状態とを切り替えることにより、前方へ向かう矢印形状が並べられた状態と、後方へ向かう矢印形状が並べられた状態とを切り替えることができる。
【0068】
上記実施形態及びその変形例に示すように、本発明によれば、上記従来の遊技機用装飾装置に比べて、表現力を向上させた遊技機用装飾装置を実現できる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・遊技機用装飾装置、10・・・第1ミラー、20・・・第2ミラー、30・・・電子回路基板、411・・・仕切り壁、411a,411b・・・庇部、BS・・・遊技球発射装置、C1,C2,C3,C4・・・カバー、D1,D2,D3,D4・・・発光ダイオード、LP・・・発光部、PB・・・遊技盤、PM・・・パチンコ機、PM・・・遊技機、S1・・・第1セグメント、S2・・・第2セグメント、S3・・・第3セグメント、S4・・・第4セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15