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特許7121255ゲームプログラム、方法、および記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、方法、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/52 20140101AFI20220810BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20220810BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220810BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220810BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/822
A63F13/55
A63F13/53
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018015757
(22)【出願日】2018-01-31
(65)【公開番号】P2019130105
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】山中 拓也
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-042370(JP,A)
【文献】特開2010-213846(JP,A)
【文献】特開2008-043589(JP,A)
【文献】特開2005-322108(JP,A)
【文献】特開2002-366965(JP,A)
【文献】「Vジャンプブックスゲームシリーズ ファイナルファンタジータクティクス」,第1刷,日本,株式会社 集英社,1997年09月12日,pp.40-43,ISBN:4-08-108052-6
【文献】Writing team VERSUS,「ディスガイアD2 ザ・コンプリートガイド」,初版,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年04月26日,p.037,ISBN:978-4-04-891542-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06T 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
オブジェクトが配置されて成るゲームフィールドを表示装置に表示させると共に、該ゲームフィールド内にキャラクタを表示させる通常表示ステップと、
イベントの発生に応じて、上記オブジェクトのうち、上記キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外は表示させた状態を維持しつつ、所定範囲内は少なくとも一部を非表示とするイベント表示ステップと、を上記コンピュータに実行させ
上記イベントの発生中は、非表示とした上記オブジェクトが表示されていた位置を上記キャラクタが移動可能とすることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
上記イベントの発生前に上記ゲームフィールドで行動していた他のキャラクタを、上記所定範囲外では当該イベントの発生中も継続して行動させることを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
上記通常表示ステップでは、複数のキャラクタを表示させ、
上記イベント表示ステップにおける上記所定範囲は、複数の上記キャラクタを含む範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
上記イベントは、上記キャラクタと対象キャラクタとが上記ゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
上記イベントは、上記キャラクタと上記対象キャラクタとが上記ゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生する、上記キャラクタと上記対象キャラクタとの戦闘イベントであることを特徴とする請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
上記ゲームフィールドには位置毎に高さが設定されており、
上記イベントの発生条件には、上記キャラクタの位置に設定された高さと、上記対象キャラクタの位置に設定された高さとが同じであるという条件が含まれており、
上記イベントの発生中には、高さが一定の仮想平面上で上記キャラクタおよび上記対象キャラクタを行動させることを特徴とする請求項4または5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
上記イベントで所定の入力操作を受け付けた場合に上記キャラクタに行わせる行動と該行動の結果を、上記所定範囲内にシミュレーション表示するシミュレーション表示ステップを上記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項4または5に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
上記イベント表示ステップでは、上記イベントの進行に伴って上記ゲームフィールドから消失するオブジェクト、およびプレイヤの入力操作によって上記ゲームフィールドから消失させることが可能なオブジェクトは、非表示としないことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
上記イベント表示ステップでは、上記イベントが発生したときの状況に応じて、上記所定範囲の広さ、形状、および位置の少なくとも何れかを決定することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
コンピュータによりゲームを進行させる方法であって、
オブジェクトが配置されて成るゲームフィールドを表示装置に表示させると共に、該ゲームフィールド内にキャラクタを表示させる通常表示ステップと、
イベントの発生に応じて、上記オブジェクトのうち、上記キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外は表示させた状態を維持しつつ、所定範囲内は少なくとも一部を非表示とするイベント表示ステップと、を含み、
上記イベントの発生中は、非表示とした上記オブジェクトが表示されていた位置を上記キャラクタが移動可能とすることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載のゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲームには、プレイヤキャラクタがマップフィールドで敵キャラクタに遭遇すると、マップフィールドの画面から戦闘画面への切り替えを行い、この戦闘画面で敵キャラクタとの戦闘を行うものがあった(例えば下記の特許文献1)。
【0003】
また、従来のゲームには、ゲームフィールドでプレイヤキャラクタと敵キャラクタが遭遇したときに、画面を切り替えることなく、そのゲームフィールドで敵キャラクタと戦闘するものもあった。これについて、図12に基づいて説明する。図12は、従来のゲームにおける敵キャラクタとの遭遇時の画面例を示す図である。
【0004】
図12の(a)の画面例におけるゲームフィールドは、建物の内部であり、このゲームフィールドでは、壁面201に入り口202が配置されており、その奥側に部屋が配置されている。そして、このゲームフィールドにおける入り口202の付近にプレイヤキャラクタ203が配置され、入り口202の奥の室内に敵キャラクタ204が配置されている。図12の(a)の画面例では、プレイヤキャラクタ203が敵キャラクタ204と遭遇している。この遭遇を契機として、同図の(b)に示すような戦闘画面が表示される。この戦闘画面では、戦闘におけるプレイヤキャラクタ203の行動の選択肢205が表示されている。この戦闘画面において、プレイヤが選択肢205の中から所望の行動を選択することによって戦闘が進行する。
【0005】
また、戦闘中にキャラクタがゲームフィールド内で移動することが可能なゲームでは、同図の(c)に示すように、敵キャラクタ204が壁面201に隠れる位置に移動することもあり得る。また、戦闘中にキャラクタがゲームフィールド内で移動可能でなくとも、戦闘開始時のプレイヤキャラクタ203と敵キャラクタ204の配置によっては、図12の(c)の例のように、敵キャラクタ204が見えにくい状態となることもあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-233098公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の技術では、戦闘時にマップフィールドの画面から戦闘画面に表示が切り替わるため、マップフィールドと戦闘画面の空間的な連続性が失われてしまい、戦闘画面がマップフィールドから切り離された印象を与えてしまうという問題があった。
【0008】
一方、図12の例では、上記のような問題は生じないが、同図の(c)に示すように、壁面201などのオブジェクトが存在することによってキャラクタの表示が遮られて見えにくくなる場合があるという問題があった。なお、オブジェクトに遮られて見えにくくなるのは敵キャラクタに限られず、プレイヤキャラクタ等の戦闘に関連する任意のキャラクタや戦闘における演出の表示等も見えにくくなる場合がある。また、このような問題点は、オブジェクトが配置されて成るゲームフィールドにキャラクタを配置したシーンを表示するゲームにおける任意のイベントの発生時に共通して生じる問題点である。
【0009】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲームフィールドのシーンとイベントのシーンとの連続性を保ちつつ、イベントの表示の視認性を確保することができるゲームプログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。すなわち、本発明の一側面に係るゲームプログラムは、コンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、オブジェクトが配置されて成るゲームフィールドを表示装置に表示させると共に、該ゲームフィールド内にキャラクタを表示させる通常表示ステップと、イベントの発生に応じて、上記オブジェクトのうち、上記キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外は表示させた状態を維持しつつ、所定範囲内は少なくとも一部を非表示とするイベント表示ステップと、を上記コンピュータに実行させる。
【0011】
上記の構成によれば、キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外はオブジェクトが表示された状態が維持される。よって、イベントの発生後もキャラクタが同じゲームフィールドの同じ場所に居続けていることをプレイヤに認識させることができる。また、上記の構成によれば、キャラクタが表示される位置を含む所定範囲内は、オブジェクトの少なくとも一部が非表示とされる。よって、プレイヤは、ゲームフィールド中のオブジェクトに視界を妨げられることなく、イベントに関するキャラクタやそのイベントに関する表示を視認することができる。つまり、上記の構成によれば、ゲームフィールドのシーンとイベントのシーンとの連続性を保ちつつ、イベントの表示の視認性を確保することができる。
【0012】
なお、上記所定範囲は、ゲーム空間内で設定された範囲であり、そのゲーム空間の一部を占める領域である。また、ゲームフィールドに配置される上記オブジェクトは1つであってもよいし、複数であってもよい。また、上記所定範囲内のオブジェクトとは、一部分が上記所定範囲に含まれるオブジェクトであってもよいし、全体が上記所定範囲に含まれるオブジェクトであってもよく、それらの両方であってもよい。そして、上記所定範囲内のオブジェクトが複数ある場合、非表示とするオブジェクトは、当該複数のオブジェクトのうちのいくつかであってもよいし、全部であってもよい。なお、オブジェクトをイベントの発生前と全く同じ画像として表示させ続ける構成の他、プレイヤが同一のオブジェクトであると認識できる程度に変更した画像として表示させる構成も、オブジェクトを「表示させた状態を維持」する構成に含まれる。例えば、オブジェクトをイベントの発生前とは異なる色で表示する構成についても、オブジェクトを「表示させた状態を維持」する構成に含まれる。このように、オブジェクトを「表示させた状態を維持」するという表示は、上記所定範囲外にオブジェクトが存在し続けていることをプレイヤに認識させることができる表示であればよい。
【0013】
上記ゲームプログラムは、上記イベントの発生中は、非表示とした上記オブジェクトが表示されていた位置を上記キャラクタが移動可能としてもよい。この構成によれば、プレイヤはオブジェクトに妨げられることなく、所定範囲内でキャラクタを移動させることができる。つまり、上記の構成によれば、イベント発生中におけるキャラクタの移動の自由度を高めることができる。
【0014】
上記ゲームプログラムは、上記イベントの発生前に上記ゲームフィールドで行動していた他のキャラクタを、上記所定範囲外では当該イベントの発生中も継続して行動させてもよい。この構成によれば、所定範囲外では他のキャラクタを継続して行動させるので、イベントが発生してもゲームフィールドではそれまでと同じようにゲームが進行していることをプレイヤに認識させることができる。また、この構成によれば、所定範囲内ではイベントを進行させ、所定範囲外の他のキャラクタの行動はイベント発生前後で継続させるという対照的な表示を行うため、イベントの印象を強めることも可能になる。
【0015】
なお、上記行動は、キャラクタが移動するといった外観から認識できる行動であってもよいし、キャラクタが発話するといった外観からは認識できない行動であってもよい。また、キャラクタの発話という行動は、例えば、発話音声をスピーカ等の音声出力装置から出力することで表現してもよいし、発話内容を吹出しで表示させることで表現してもよく、発話している口の動き等をアニメーションで表示させることで表現してもよい。また、これらの組み合わせにより、キャラクタが発話行動を行っていることを表現してもよい。
【0016】
上記ゲームプログラムは、上記通常表示ステップでは、複数のキャラクタを表示させてもよく、上記イベント表示ステップにおける上記所定範囲は、複数の上記キャラクタを含む範囲であってもよい。この構成によれば、イベント中における複数のキャラクタの視認性を確保することができる。
【0017】
上記イベントは、上記キャラクタと対象キャラクタとが上記ゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生するものであってもよい。従来技術では、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとがゲームフィールド内で遭遇したことを契機として戦闘イベントが発生した場合、遭遇位置によってはゲームフィールド中のオブジェクトが各キャラクタの視認を妨げることがあった。これに対し、上記の構成によれば、遭遇位置によらず、オブジェクトが各キャラクタの視認を妨げることを完全にまたは部分的に防ぐことができる。よって、イベントをプレイするプレイヤの快適性や興趣性を高めることができる。
【0018】
上記イベントは、上記キャラクタと上記対象キャラクタとが上記ゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生する、上記キャラクタと上記対象キャラクタとの戦闘イベントであってもよい。この構成によれば、ゲームフィールド中におけるキャラクタと対象キャラクタとの遭遇位置によらず、その遭遇によって発生する戦闘イベントについて、プレイヤの快適性や興趣性を高めることができる。
【0019】
上記ゲームフィールドには位置毎に高さが設定されていてもよく、上記イベントの発生条件には、上記キャラクタの位置に設定された高さと、上記対象キャラクタの位置に設定された高さとが同じであるという条件が含まれていてもよく、上記ゲームプログラムは、上記イベントの発生中には、高さが一定の仮想平面上で上記キャラクタおよび上記対象キャラクタを行動させてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、イベントの発生条件には、キャラクタの位置に設定された高さと、対象キャラクタの位置に設定された高さとが同じであるという条件が含まれている。このため、プレイヤは、イベントを発生させようとした場合、あるいはイベントを回避しようとした場合に、高さを考慮してキャラクタを操作する。一方、上記イベントの発生中には、キャラクタは高さが一定の仮想平面上で行動するので、プレイヤは高さを考慮する必要はない。つまり、上記の構成によれば、ゲームフィールドでは高さを考慮したプレイ戦術を可能としつつ、高さの設定によってイベントの難易度が上がったりイベントが複雑となったりすることを防ぐことができる。
【0021】
上記ゲームプログラムは、上記イベントで所定の入力操作を受け付けた場合に上記キャラクタに行わせる行動と該行動の結果を、上記所定範囲内にシミュレーション表示するシミュレーション表示ステップを上記コンピュータに実行させてもよい。この構成によれば、プレイヤが所定の入力操作を行った場合にキャラクタが行う行動と該行動の結果をシミュレーション表示するので、プレイヤはシミュレーション表示の内容を考慮して、最終的にどのような入力操作を行うかを決定することができる。また、シミュレーション表示は、オブジェクトが非表示とされる所定範囲内で行われるため、キャラクタの行動とその結果を、オブジェクトに妨げられることなくプレイヤに視認させることができる。
【0022】
上記ゲームプログラムは、上記イベント表示ステップでは、上記イベントの進行に伴って上記ゲームフィールドから消失するオブジェクト、およびプレイヤの入力操作によって上記ゲームフィールドから消失させることが可能なオブジェクトは、非表示としない構成であってもよい。この構成によれば、一時的にオブジェクトがプレイヤの視界を妨げる状態となり得るが、その後、そのオブジェクトを消失させることが可能であるから、障害が消えるという解放感や爽快感をプレイヤに与えることができる。
【0023】
上記ゲームプログラムは、上記イベント表示ステップでは、上記イベントが発生したときの状況に応じて、上記所定範囲の広さ、形状、および位置の少なくとも何れかを決定してもよい。この構成によれば、所定範囲の広さ、形状、および位置の少なくとも何れかを、イベントが発生したときの状況に応じたものとすることができる。例えば、複数のキャラクタが集まっている状況でイベントが発生した場合には、キャラクタが一人のみの状況でイベントが発生した場合よりも所定範囲を広くして、複数のキャラクタのそれぞれを見やすい配置とすること等も可能となる。
【0024】
コンピュータによりゲームを進行させる方法であって、オブジェクトが配置されて成るゲームフィールドを表示装置に表示させると共に、該ゲームフィールド内にキャラクタを表示させる通常表示ステップと、イベントの発生に応じて、上記オブジェクトのうち、上記キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外は表示させた状態を維持しつつ、所定範囲内は少なくとも一部を非表示とするイベント表示ステップと、を含む方法であれば、上記ゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0025】
上記ゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、上記ゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、ゲームフィールドのシーンとイベントのシーンとの連続性を保ちつつ、イベントの表示の視認性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るゲームプログラムが表示させる表示画面の一例を示す図である。
図2図1の(b)においてオブジェクトが非表示となった領域を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
図4】プレイヤキャラクタと敵キャラクタの位置関係に応じた戦闘の発生条件の例を示している。
図5】プレイヤキャラクタと敵キャラクタの位置関係に応じた戦闘の発生条件の例を示す図である。
図6】プレイヤキャラクタと敵キャラクタの位置に応じた戦闘フィールドとする範囲の決定方法の例を示す図である。
図7】戦闘フィールドの設定例を示す図である。
図8】ゲーム装置の一動作例を示すフローチャートである。
図9】戦闘フィールドを屋内のみに設定する場合の戦闘シーンの画面例を示す図である。
図10】複数のノンプレイヤキャラクタが配置された通常フィールドにおける一表示例を示す図である。
図11図10の通常フィールドにおける戦闘シーンの例を示す図である。
図12】従来のゲームにおける敵キャラクタとの遭遇時の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態を、図1から図8に基づいて説明する。
【0029】
〔画面例〕
図1は、本実施形態に係るゲームプログラムが表示させる表示画面の一例を示す図である。本実施形態に係るゲームプログラムは、後述するゲーム装置(コンピュータ)1によって実行されるプログラムである。本実施形態に係るゲームでは、プレイヤは、建物の壁や扉などのオブジェクトが配置されて成るゲームフィールド(以下、通常フィールドと呼ぶ)内でプレイヤキャラクタを移動させる。通常フィールドには、敵キャラクタが配置されており、プレイヤキャラクタと敵キャラクタが遭遇すると戦闘イベント(以下、単に戦闘と記載)が発生し、戦闘中は通常フィールドとは異なる表示が行われる。
【0030】
図1の(a)は、通常フィールドの一表示例である。図示の通常フィールドは、建物の内部(より詳細には廊下)であり、この通常フィールド内にプレイヤキャラクタC1~C4が表示されている。プレイヤは、ゲーム装置1に対して入力操作を行うことにより、プレイヤキャラクタC1~C4を通常フィールド内で移動させることができる。ただし、プレイヤキャラクタC1~C4は、壁などのオブジェクトを通り抜けることはできない。
【0031】
また、この通常フィールドには、プレイヤが操作できないノンプレイヤキャラクタC11、C12、C21、C22も表示されている。このうちC11およびC12は敵キャラクタである。そして、図1の(a)の例では、プレイヤキャラクタC1~C4と敵キャラクタC11およびC12が遭遇したことを示す情報(ENCOUNTER)が表示されている。プレイヤキャラクタC1~C4と敵キャラクタC11およびC12との遭遇により、これらのキャラクタが参加する戦闘シーンに移行する。
【0032】
図1の(b)は、戦闘シーンにおける一表示例である。戦闘中にはプレイヤキャラクタC1~C4および敵キャラクタC11、C12の周囲に戦闘フィールドBF1が設定され、各キャラクタは戦闘フィールドBF1内で戦う。また、図1の(b)の例では、戦闘フィールドBF1の外縁に境界線B1が表示されている。
【0033】
図1の(a)と(b)を比較すると分かるように、戦闘シーンにおいては、通常フィールドで表示されていたオブジェクトのうち、戦闘フィールドBF1の内側が非表示となっている。これにより、例えばプレイヤキャラクタC1~C4の右側の壁および扉の奥側にあったオブジェクトOB1の全体が明瞭に視認できるようになっている。なお、通常フィールドでは視認できなかった領域については、通常フィールドでも視認できた領域と識別できるように色分けする等した表示態様としてもよい。
【0034】
図2は、図1の(b)においてオブジェクトが非表示となった領域を示す図である。図2に示すように、図1の(b)の戦闘シーンでは、領域A1およびA2に壁のオブジェクトが表示されていない。このように、戦闘フィールドBF1の内側のオブジェクトを非表示とすることにより、プレイヤは、オブジェクトに視界を妨げられることなく、各キャラクタや戦闘に関する表示を視認することができ、快適に戦闘シーンを楽しむことができる。
【0035】
また、本実施形態では、オブジェクトを非表示とした領域を、キャラクタが移動できるようにしている。これにより、プレイヤは、通常フィールドでは移動させることができなかった位置にプレイヤキャラクタC1~C4を移動させることができる。例えば、プレイヤは、壁が表示されていた位置やその壁の奥側の位置に、プレイヤキャラクタC1~C4を移動させることもできる。また、敵キャラクタであるキャラクタC11およびC12もオブジェクトを非表示とした領域を移動できるため、戦闘フィールドBF1を広く使った迫力のある戦闘シーンを表現することも可能となっている。
【0036】
その一方で、戦闘シーンにおいても、戦闘フィールドBF1の外側では、通常フィールドで表示させていたオブジェクトが引き続き表示されている。例えば、図2の例では、領域A1およびA2よりも奥側の壁のオブジェクト、および戦闘フィールドBF1の外のキャラクタC21およびC22が、図1の(a)と同様に表示されている。これにより、戦闘開示後も、通常フィールドと戦闘フィールドの空間的な連続性が維持されるので、戦闘開始後も各キャラクタが同じゲームフィールドの同じ場所に居続けていることをプレイヤに認識させることができる。
【0037】
以上のように、本実施形態に係るゲームプログラムによれば、戦闘シーンが通常フィールドのシーンと空間的に切り離されないので、戦闘シーンが通常フィールド内で展開していることをプレイヤに認識させることができる。また、プレイヤは、オブジェクトに視界を妨げられることなく、戦闘シーンの表示を快適に楽しむことができる。
【0038】
なお、図1の(a)の例では、プレイヤキャラクタC1~C4の足下は廊下の床面であり、プレイヤキャラクタC1~C4の右側には壁を挟んで部屋があり、プレイヤキャラクタC1~C4の左側の壁の向こう側は屋外という設定である。図1の(b)の例では、戦闘フィールドBF1のうちキャラクタが移動可能な平面の表示態様につき、図1の(a)の通常フィールドにおける上記のような設定を反映させている。具体的には、室内のフィールドは廊下と同じ無地のパターンで表示し、屋外のフィールドは格子状のパターンで表示している。
【0039】
なお、図1の(b)の例では、プレイヤキャラクタC1~C4のうち、プレイヤキャラクタC1のみが表示されているが、これは図1の(b)が、プレイヤキャラクタC1の行動をプレイヤに選択させる画面の一例であるためである。この例では、行動の選択肢として、アクションA~Cが表示されており、プレイヤはこの中から所望の行動を選択する。また、プレイヤは、プレイヤキャラクタC1と同様にして、プレイヤキャラクタC2~C4の行動を選択する。そして、プレイヤキャラクタC1~C4は、プレイヤが選択した行動を戦闘フィールド内で行う。
【0040】
〔装置構成例〕
図3を用いて、本実施形態に係るゲーム装置1の構成の一例について説明する。図3は、本実施形態に係るゲーム装置1の構成例を示すブロック図である。図3の例に係るゲーム装置1は、制御部11、入力IF12、出力IF13、読出部14、および記憶部15を備えている。また、ゲーム装置1には、入力装置2および表示装置3が接続されていると共に、記録媒体4が装着されている。
【0041】
制御部11は、ゲーム装置1の各部を統括して制御するものである。制御部11は、例えば、プログラムの命令を実行するプロセッサであってもよい。プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。図3の例に係る制御部11には、通常フィールド処理部111、戦闘処理部112、およびシミュレーション処理部113が含まれている。
【0042】
通常フィールド処理部111は、通常フィールドの表示に関する各種処理を行う。例えば、通常フィールド処理部111は、オブジェクトが配置されて成る通常フィールドを表示装置に表示させると共に、該ゲームフィールド内にキャラクタを表示させる。以下では、通常フィールドの表示を通常表示と呼ぶ。
【0043】
戦闘処理部112は、戦闘に関する各種処理を行う。例えば、戦闘処理部112は、戦闘の発生に応じて、通常フィールドのオブジェクトのうち、キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外は表示させた状態を維持しつつ、所定範囲内は少なくとも一部を非表示とする。本実施形態における上記所定範囲は、戦闘フィールドによって規定される。つまり、戦闘フィールド内が上記所定範囲内であり、戦闘フィールド外が上記所定範囲外である。なお、通常フィールドに配置するオブジェクトは1つであってもよいし、複数であってもよい。また、戦闘フィールド内のオブジェクトとは、一部分が戦闘フィールド内に含まれるオブジェクトであってもよいし、全体が戦闘フィールド内に含まれるオブジェクトであってもよく、それらの両方であってもよい。そして、戦闘フィールド内のオブジェクトが複数ある場合、非表示とするオブジェクトは、当該複数のオブジェクトのうちのいくつかであってもよいし、全部であってもよい。なお、オブジェクトを戦闘前と全く同じ画像として表示させ続ける構成の他、プレイヤが同一のオブジェクトであると認識できる程度に変更した画像として表示させる構成も、オブジェクトを「表示させた状態を維持」する構成に含まれる。例えば、戦闘フィールド外のオブジェクトの一部分または全体を戦闘前とは異なる色で表示する構成についても、オブジェクトを「表示させた状態を維持」する構成に含まれる。この他にも、例えば、戦闘フィールド外のオブジェクトの一部を変形させるといった、通常フィールドへの戦闘の影響を表現する演出等を行う構成も、オブジェクトを「表示させた状態を維持」する構成に含まれる。
【0044】
シミュレーション処理部113は、戦闘中において、プレイヤの所定の入力操作を受け付けた場合に、プレイヤキャラクタに行わせる行動と該行動の結果をシミュレーション表示する。なお、シミュレーション表示は必須ではないため、シミュレーション処理部113によるシミュレーション表示については後記の〔変形例〕で説明する。
【0045】
入力IF12は、ゲーム装置1に対するプレイヤの入力操作を受け付けるインターフェースである。図3の例では、入力IF12は、入力装置2と接続されており、入力装置2に対するプレイヤの入力操作を受け付ける。入力IF12と入力装置2は、有線通信接続されていてもよいし、無線通信接続されていてもよい。
【0046】
出力IF13は、制御部11の制御に従って、画像、音声等の信号をゲーム装置1の外部に出力するインターフェースである。図3の例では、出力IF13は、表示装置3と接続されている。出力IF13から出力された画像信号は、表示装置3に受信され、表示装置はこの画像信号に基づいてゲームの画像を表示する。音声信号も同様である。出力IF13と表示装置3は、有線通信接続されていてもよいし、無線通信接続されていてもよい。また、音声については、表示装置3とは別の音声出力装置(例えばスピーカ)から出力させてもよい。
【0047】
読出部14は、ゲーム装置1に装着された記録媒体4からデータを読み出して、制御部11に提供する。読出部14は、記録媒体4の種類に応じたものとすればよく、例えば、記録媒体4が光ディスクであった場合、読出部14は光ディスクの読み取り装置とすればよい。
【0048】
記憶部15は、ゲーム装置1が使用する各種データを記憶する記憶装置である。記憶部15としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、ゲーム装置1は、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。制御部11が、記憶部15に記憶されているプログラムを読み取って実行することにより、ゲームが進行する。
【0049】
入力装置2は、プレイヤの入力操作を受け付けて、ゲーム装置1に出力する装置である。例えば、入力装置2は、ゲーム装置1用のコントローラであってもよい。表示装置3は、画像を表示する装置である。本実施形態の表示装置3は、ゲーム装置1が出力する画像信号に基づいてゲームの画像を表示する。なお、ゲーム装置1は、入力装置2および表示装置3を備えていてもよい。また、ゲーム装置1は、入力装置2と表示装置3が一体となったいわゆるタッチパネルのような表示入力装置を備えていてもよい。
【0050】
記録媒体4は、各種データが記録された媒体であり、本実施形態の記録媒体4にはゲームプログラム41とゲームデータ42が記録されている。
【0051】
ゲームプログラム41は、コンピュータであるゲーム装置1によって実行されるゲームプログラムである。このゲームプログラム41は、オブジェクトが配置されて成るゲームフィールドを表示装置に表示させると共に、該ゲームフィールド内にキャラクタを表示させる通常表示ステップをゲーム装置1に実行させる。さらに、このゲームプログラム41は、イベントの発生に応じて、上記オブジェクトのうち、上記キャラクタが表示される位置を含む所定範囲外は表示させた状態を維持しつつ、所定範囲内は少なくとも一部を非表示とするイベント表示ステップをゲーム装置1に実行させる。
【0052】
ゲームデータ42は、ゲームプログラム41により実現されるゲームを進行させるためのデータであり、各種ゲーム画像や音声等のデータの他、ゲームにおける各種設定を示すデータを含む。
【0053】
なお、ゲームプログラム41とゲームデータ42は、記録媒体4から読み出す以外にも、例えばゲーム装置1をインターネット等のネットワークと接続可能に構成し、該ネットワークを介してサーバからダウンロードする等の方法で取得してもよい。
【0054】
また、本開示に係るゲーム装置1は、ゲームを実行する以外の機能を備えた装置であってもよい。例えば、ゲーム装置1は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータであってもよい。また、ゲーム装置1の機能の少なくとも一部は、ゲーム装置1と通信可能なサーバによって実現してもよい。
【0055】
<戦闘発生条件の例>
図4および図5に基づいて、戦闘の発生条件の例を説明する。図4および図5は、プレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC11の位置関係に応じた戦闘の発生条件の例を示している。本実施形態の通常フィールドには、位置毎に高さが設定されており、本実施形態における戦闘の発生条件には、プレイヤキャラクタの位置に設定された高さと、敵キャラクタの位置に設定された高さとが同じであるという条件が含まれている。なお、通常フィールドの位置毎の高さを示すデータはゲームデータ42に含まれている。
【0056】
図4の例では、通常フィールドの同一平面内(高さが同じ位置)にプレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC11が存在している。この例では、戦闘処理部112は、ゲームデータ42に基づいて、プレイヤキャラクタC1の位置に設定された高さと、敵キャラクタC11の位置に設定された高さが一致していると判定する。そして、戦闘処理部112は、それらキャラクタが表示されている通常フィールド上の位置間の距離が所定距離以内であるか否かを判定し、所定距離以内であれば戦闘を発生させる。
【0057】
一方、図5の例では、階段状の通常フィールド内にプレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC11が存在している。戦闘処理部112は、図示のように、プレイヤキャラクタC1の位置に設定された高さと、敵キャラクタC11の位置に設定された高さが一致していなければ、キャラクタが表示されている通常フィールド上の位置間の距離が所定距離以内戦闘を発生させない。戦闘処理部112は、プレイヤキャラクタC1の位置に設定された高さと、敵キャラクタC11の位置に設定された高さが一致した状態となった場合に、距離に基づく上記判定を行い、その判定結果が所定距離以内であれば戦闘を発生させる。このように、高さが同じになった場合に戦闘シーンに移行させることにより、平坦な戦闘フィールドに自然に移行させることができる。
【0058】
なお、戦闘処理部112は、高さに変化がある通常フィールドに戦闘フィールドを設定する場合、高さが一定の仮想平面を規定して、その仮想平面上で各キャラクタを行動させるようにしてもよい。例えば、図5の例では、プレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC11が遭遇した段の高さに、所定の広さの仮想平面を規定してもよい。これにより、高さに変化がある通常フィールドで戦闘が行われる場合であっても、プレイヤは平坦な通常フィールドと同様に戦闘を進めることができる。
【0059】
<戦闘フィールドとする範囲の決定方法の例>
図6に基づいて、戦闘フィールドとする範囲の決定方法の例を説明する。図6は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタの位置に応じた戦闘フィールドとする範囲の決定方法の例を示している。図6の例では、プレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC11が戦闘の対象となるキャラクタである。
【0060】
図6の例では、戦闘処理部112は、プレイヤキャラクタC1の表示位置と敵キャラクタC11の表示位置の中間位置Pから所定の距離にある点(両キャラクタが位置する平面上の点)の集合である円を戦闘フィールドBF1の外縁としている。また、外縁を決定した戦闘処理部112は、その外縁を基準として戦闘フィールドBF1の範囲を決定する。例えば、戦闘処理部112は、当該外縁からゲーム空間における鉛直方向上方に延在する円柱状の範囲を戦闘フィールドBF1としてもよい。そして、戦闘処理部112は、上記外縁部分に通常フィールドと戦闘フィールドの境界線B1を表示させると共に、戦闘フィールドBF1内のオブジェクトを非表示とする。また、戦闘処理部112は、オブジェクトを非表示としたことによって表示されることになったフィールドが屋外であれば、そのフィールドの表示パターンを屋外に対応したパターンとしてもよい。図6の例では、屋外のフィールドに格子状のパターンを表示させている。
【0061】
戦闘フィールドBF1の広さは戦闘に関与するキャラクタの数によらず一定としてもよい。これについて、図7に基づいて説明する。図7は、戦闘フィールドBF1の設定例を示す図である。図7の(a)の例では、プレイヤキャラクタがC1~C3の3人、敵キャラクタがC11およびC12の2人であり、キャラクタ数は合計で5である。一方、図7の(b)の例では、プレイヤキャラクタがC1のみ、敵キャラクタがC11およびC12の2人であり、キャラクタ数は合計で3である。図7の例では、(a)(b)何れにおいても戦闘に関与する複数のキャラクタを含むように戦闘フィールドBF1を設定しているが、キャラクタ数の差異については考慮することなく、同じ広さの戦闘フィールドBF1を設定している。このように設定することによって、どのような場合でも一定の広さの戦闘フィールドで戦闘を行わせるので、プレイヤがこのフィールドでの戦闘になじみやすくすることができる。
【0062】
なお、上述の各例では、通常フィールドにおけるプレイヤキャラクタの足元の高さの平面上に円を規定し、その円からゲーム空間における上方に延在する円柱状の戦闘フィールドBF1を設定している。しかし、戦闘フィールドBF1をどのような形状とするかは任意であり、この例に限られない。例えば、上記円を楕円としてもよいし、円の一部または全体を変形させたような略円形の形状としてもよい。また、例えば、通常フィールドに矩形を規定し、その矩形を基準とした角柱状の戦闘フィールドBF1を設定してもよい。さらに、例えば、プレイヤキャラクタの足元の高さの平面上に規定した円(または他の図形)を通る半球型(ドーム型)の戦闘フィールドを設定してもよい。また、球状の戦闘フィールドを設定してもよい。
【0063】
また、戦闘フィールドBF1は、通常フィールドにおけるプレイヤキャラクタの足元の高さよりも、ゲーム空間における下方にも延在させてもよい。例えば、戦闘に関与する各キャラクタを包含する球状の戦闘フィールドBF1としてもよい。この場合、プレイヤキャラクタの下方にある戦闘フィールドBF1内のオブジェクトも非表示となる。このような戦闘フィールドBF1は、例えば宇宙空間や空中での戦闘シーンのあるゲームでの適用が考えられる。
【0064】
なお、戦闘処理部112は、戦闘が発生したときの状況に応じて、戦闘フィールドBF1の広さ、形状、および位置の少なくとも何れかを決定してもよい。上記状況としては、例えば、戦闘に関与するキャラクタの数、配置、種類、サイズ、強さ、戦闘場所、戦闘の発生タイミング等が挙げられる。
【0065】
例えば、戦闘処理部112は、図7の(b)より(a)の場合に、より広い戦闘フィールドBF1を設定してもよい。また、例えば、戦闘処理部112は、戦闘が屋内のようなオブジェクトが入り組んだ場所で開始された場合より、屋外のような視界の開けた場所で開始された場合に、より広い戦闘フィールドBF1を設定してもよい。さらに、例えば、戦闘処理部112は、特定の敵キャラクタとの戦闘時に、通常の敵キャラクタとの戦闘時より広い戦闘フィールドBF1や、通常の敵キャラクタとの戦闘時とは形状の異なる戦闘フィールドBF1を設定してもよい。上記特定の敵キャラクタは、例えば特に強力な敵キャラクタであるボスキャラクタ等であってもよい。この他にも、例えばゲームにおいて、夜間である等により視界が悪い設定となっている通常フィールドでの戦闘時には、そのような設定となっていない場合よりも狭い戦闘フィールドBF1を設定する等も考えられる。戦闘フィールドBF1の位置についても、上述のような様々な状況に応じて異なるものとしてもよい。
【0066】
また、戦闘処理部112は、戦闘中において、ゲームフィールド中における戦闘フィールドの位置を移動させてもよい。例えば、戦闘処理部112は、戦闘中のキャラクタの位置を移動させた場合に、そのキャラクタの移動に追従するように戦闘フィールドの位置を移動させてもよい。このように、キャラクタの移動に伴って戦闘フィールドの位置を移動させることにより、キャラクタを中心とした見やすい戦闘シーンを実現することができる。
【0067】
〔処理の流れ〕
図8を用いて、ゲーム装置1の動作例(ゲームを進行させる方法)を説明する。図8は、ゲーム装置1の一動作例を示すフローチャートである。なお、図8の処理を開始する前に、ゲーム装置1は記録媒体4からゲームプログラム41とゲームデータ42を読み込んでおり、ゲームプログラム41に基づいて動作しているものとする。このように、ゲーム装置1の動作はゲームプログラム41に基づくから、図8はゲームプログラム41がゲーム装置(コンピュータ)1に実行させる処理を示しているとも言える。以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、発明の趣旨を変更しない範囲で各処理を変更してもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、処理の省略、置換、および追加が可能である。
【0068】
S1(通常表示ステップ)では、通常フィールド処理部111が通常表示を行う。具体的には、通常フィールド処理部111は、ゲームデータ42に基づいて通常フィールドを表示させると共に、通常フィールド内にプレイヤキャラクタを表示させる。また、通常フィールド処理部111は、必要に応じてノンプレイヤキャラクタ(敵キャラクタであってもよい)についても通常フィールド内に表示させる。通常フィールド処理部111は、ゲームの進行やプレイヤ操作に応じて表示させる通常フィールドを適宜更新してもよい。
【0069】
S2では、戦闘処理部112は、戦闘を開始するか否かを判定する。判定方法は、図4および図5に基づいて説明したとおりである。ここで戦闘処理部112が戦闘を開始しないと判定した場合(S2でNO)には、処理はS1に戻って通常表示が継続する。一方、戦闘処理部112が戦闘を開始すると判定した場合(S2でYES)には、S3の処理に進む。
【0070】
S3では、戦闘処理部112は、戦闘フィールドを設定する。設定方法は、図6および図7に基づいて説明したとおりである。そして、続くS4(イベント表示ステップ)では、戦闘処理部112は、S3で設定した戦闘フィールドに基づいて戦闘シーンの表示を開始する。図示は省略しているが、戦闘シーンの表示開始後、戦闘処理部112は、プレイヤの入力操作に基づいて戦闘を進行させる。また、戦闘処理部112は、戦闘中、非表示としたオブジェクトが表示されていた位置をキャラクタが移動可能とする。また、戦闘処理部112は、戦闘フィールド内であれば、非表示としたオブジェクトが表示されていた位置をまたいで移動させることも可能とする。つまり、戦闘処理部112は、戦闘中、戦闘フィールド内の任意の位置にキャラクタを移動させることができる。
【0071】
S5では、戦闘処理部112は、戦闘を終了させるか否かを判定する。戦闘の終了条件は、ゲームの内容に応じて適宜設定すればよく、例えばプレイヤが戦闘に勝利したことであってもよい。ここで戦闘処理部112が戦闘を終了させないと判定した場合(S5でNO)には、処理はS4に戻って戦闘表示が継続する。一方、戦闘処理部112が戦闘を終了させると判定した場合(S5でYES)には、処理はS1に戻り、通常フィールド処理部111が通常表示を行う。
【0072】
〔変形例〕
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0073】
<戦闘フィールドの範囲とオブジェクトの非表示について>
上記実施形態では、屋内での戦闘発生時に、屋外まで延在する戦闘フィールドを設定する例を示したが、屋内での戦闘発生時の戦闘フィールドは屋内のみに設定してもよい。これについて図9に基づいて説明する。
【0074】
図9は、戦闘フィールドを屋内のみに設定する場合の戦闘シーンの画面例を示す図である。図9の例においても、図1の例と同様に、プレイヤキャラクタC1と、敵キャラクタC11およびC12が戦闘に参加するキャラクタであり、これらのキャラクタを中心とした戦闘フィールドBF1が設定されている。また、戦闘フィールドBF1の外側には、ノンプレイヤキャラクタC21、C22が表示されている。ノンプレイヤキャラクタC21、C22は、戦闘フィールドBF1の外側に位置しているため、戦闘開始後も戦闘開始前の行動(例えば廊下を歩く等)を継続する。図1の例との相違点は、プレイヤキャラクタC1の左側の壁の向こう側が屋外の設定となっていることにより、この壁とその左方を戦闘フィールに設定しておらず、そのため当該壁を非表示とはしていない点である。なお、プレイヤキャラクタC1の右側の壁の奥側は屋内の設定となっているため、この壁の戦闘フィールドBF1内に位置する部分は図1と同様に非表示となっている。
【0075】
また、図9の例では、戦闘フィールドBF1にオブジェクトOB15が表示されている点も図1との相違点である。オブジェクトOB15は、通常フィールドに表示されていたオブジェクトであり、戦闘開始によりオブジェクトOB15が戦闘フィールドBF1内となった図9の状態においても、非表示とすることなく表示させている。このように、必ずしも戦闘フィールドBF1内の全てのオブジェクトを非表示とする必要はない。
【0076】
なお、オブジェクトOB15は、戦闘中に非表示とすることができるようにしてもよい。オブジェクトOB15を非表示とする条件は特に限定されず、例えばプレイヤキャラクタがオブジェクトOB15を攻撃した場合に、オブジェクトOB15が破壊されるシーンを描写した後で、非表示としてもよい。このように、演出上必要なオブジェクトは非表示とせずに残すことによって、通常フィールドの状態を戦闘シーンにも部分的に反映しつつ、キャラクタ表示や攻撃表示が見えにくくならないようにすることができる。
【0077】
また、壁などのオブジェクトについても、戦闘開始時には表示しておき、戦闘開始後に非表示としてもよい。例えば、戦闘中にキャラクタがオブジェクトの死角に入ったときにそのオブジェクトを非表示とする、あるいは、オブジェクトの死角にその少なくとも一部が入るような演出表示を行うときにそのオブジェクトを非表示とする等の態様としてもよい。これらの場合、キャラクタがオブジェクトの死角から出たタイミングや、演出表示が終了したタイミングで、非表示としたオブジェクトを再表示させてもよい。
【0078】
このように、戦闘処理部112は、戦闘の進行に伴ってゲームフィールドから消失するオブジェクト、およびプレイヤの入力操作によってゲームフィールドから消失させることが可能なオブジェクトは、非表示としない構成としてもよい。
【0079】
また、通常フィールドに表示されているオブジェクトのうち何れのオブジェクトを戦闘シーンにおいて非表示とするかは任意である。また、全ての戦闘シーンにおいてオブジェクトを非表示としてもよいし、一部の戦闘シーンでオブジェクトを非表示としてもよい。全ての戦闘シーンにおいてオブジェクトを非表示とした場合、プレイヤに戦闘シーンを快適に楽しんでもらい、戦闘の爽快感を与えることが可能である。
【0080】
一方、一部の戦闘シーンでオブジェクトを非表示とする場合、非表示とされる戦闘が特別なものであるとプレイヤに印象付けることができる。例えば、ボスキャラクタ等の特定の敵キャラクタとの戦闘シーンや、ゲームのシナリオ上重要な戦闘シーンでのみオブジェクトを非表示としてもよい。これにより、その戦闘が特別なものであることをプレイヤに印象付けることができる。また、ボスキャラクタとの戦闘における各種演出表示を、オブジェクトに遮られることなく戦闘フィールド全体で表現できるので、迫力ある演出表示により戦闘シーンを盛り上げることができる。
【0081】
なお、プレイヤによっては、オブジェクトを非表示としないことを好むことも考えられるため、戦闘シーンにおいてオブジェクトを非表示するか否かを、プレイヤが切り替えることができるようにしてもよい。この場合、戦闘処理部112は、オブジェクトを非表示するように設定されていることを条件として、オブジェクトを非表示とする前述の処理を行う。プレイヤの切り替えを受け付けるタイミングは特に限定されず、例えば、ゲーム開始前であってもよいし、ゲーム中であってもよいし、戦闘開始時であってもよい。
【0082】
この他にも、例えばオブジェクトが戦闘の邪魔になりにくいような状況ではオブジェクトを非表示とせず、邪魔になりやすいような状況でオブジェクトを非表示としてもよい。例えば、戦闘の対象となるキャラクタの数が所定数より少ない場合にはオブジェクトを非表示とせず、所定数以上である場合にオブジェクトを非表示としてもよい。
【0083】
なお、オブジェクトを非表示とする処理は、野外での戦闘に適用してもよい。例えば、霧などの演出で視界の悪い通常フィールドにおける戦闘シーンで、戦闘フィールド内に霧を表示させたままとすると、プレイヤの視界が悪く、プレイヤに意図しないストレスを与えることになる。そのため、戦闘シーンでは、戦闘フィールド内においては、霧というオブジェクトを非表示にしてもよい。これにより、戦闘シーンにおけるプレイヤの視界が悪くなることがなく、プレイヤにストレスなくゲームを進行させることができる。この他にも、例えば雨、靄、雪等のオブジェクトを非表示としてもよい。また、室内の戦闘においても、煙幕等のオブジェクトを非表示としてもよい。このように、非表示とするオブジェクトは壁などの定形的で静止しているものに限られず、不定形のオブジェクトや動きのあるオブジェクト等であってもよい。
【0084】
<戦闘フィールド外の表示>
上記実施形態における戦闘では、通常フィールドの一部が戦闘フィールドとなるため、戦闘時の画面には戦闘フィールドと通常フィールドの両方が描画される。このため、戦闘処理部112は、戦闘の発生前に通常フィールドで行動していたキャラクタを、戦闘フィールドの外側では戦闘中も継続して行動させてもよい。これについて図10および図11に基づいて説明する。
【0085】
図10は、複数のノンプレイヤキャラクタが配置された通常フィールドにおける一表示例を示す図である。図10の例では、プレイヤキャラクタC1の正面にノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタC15が表示されていると共に、階段上にノンプレイヤキャラクタであるキャラクタC25が表示されている。プレイヤは、プレイヤキャラクタC1を、この通常フィールド内で移動させることができる。また、ノンプレイヤキャラクタであるキャラクタC25については、通常フィールド処理部111が、当該キャラクタC25が階段を下りるように移動させている。
【0086】
この通常フィールドにおいて、プレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC15の距離が近接すると、戦闘処理部112はプレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC15の戦闘を開始する。
【0087】
図11は、図10の通常フィールドにおける戦闘シーンの例を示す図である。図11の(a)(b)の例では、プレイヤキャラクタC1と敵キャラクタC15を中心とした戦闘フィールドBF2が設定されており、この戦闘フィールドBF2内の壁や扉等のオブジェクトが非表示となっている。なお、同図における階段のオブジェクト(以下、単に階段と記載する)は、境界線B2の上方に位置しており、戦闘フィールドBF2の内部であるから非表示としてもよい。階段を非表示とした場合、階段上に配置されたキャラクタC25については、階段があるものとして移動を継続させてもよいし、階段と共に非表示としてもよい。また、階段については、表示を継続してもよい。このように、境界線B1の上方にあって、戦闘の表示の邪魔にならないオブジェクトは非表示の対象から外してもよい。
【0088】
図11の(a)において、プレイヤは、マーカM1により、プレイヤキャラクタC1の移動先を指定している。この移動先の位置は、図10の通常表示ではプレイヤキャラクタC1を移動させることができない位置であるが、図11では壁が非表示となったことに伴って移動させることができるようになっている。
【0089】
なお、戦闘処理部112は、プレイヤがプレイヤキャラクタC1の行動を選択するための期間(プレイヤが行動を選択できるようになった後、行動の選択を確定するまでの期間)は、ゲームにおける時間の進行を停止させてもよい。この場合、戦闘処理部112は、当該期間内は、何れのキャラクタも行動させない。例えば、戦闘処理部112は、この期間中、図10の表示例で階段を下りる行動を行っていたキャラクタC25を、階段上で静止させる。そして、プレイヤが行動の選択を確定させると、戦闘処理部112は、ゲームにおける時間の進行を再開する。
【0090】
例えば、図11の(b)では、戦闘処理部112は、プレイヤキャラクタC1をマーカM1で指定された位置に移動させている。なお、戦闘中にプレイヤキャラクタC1を移動させることができる点は必須ではない。プレイヤキャラクタC1を移動させることができない仕様とした場合であっても、戦闘における演出表示の見易さなどの観点から、戦闘フィールド内のオブジェクトを非表示とすることは有効である。
【0091】
また、図11の(b)では、戦闘処理部112は、キャラクタC25に階段を下りる行動を再開させる。これにより、同図の(b)においては、キャラクタC25の位置が同図の(a)よりも斜め下方に移動している。なお、戦闘処理部112は、プレイヤが行動を選択するための期間にもゲームにおける時間の進行を継続してもよい(例えばゲームがアクションゲームである場合等)。
【0092】
このように、戦闘時においても、通常フィールドの表示を継続し、戦闘の発生前に通常フィールドで行動していたキャラクタを、戦闘フィールドの外側では戦闘中も継続して行動させることにより、通常フィールドと空間的には連続しているものの特異な空間で戦闘が行われていることを演出することができる。なお、このような演出は、キャラクタC25の移動によるものに限られず、例えば戦闘開始前に通常フィールドで会話していたノンプレイヤキャラクタを、戦闘開始後も会話させ続ける等の演出としてもよい。なお、ノンプレイヤキャラクタの会話は、例えば、発話音声をスピーカ等の音声出力装置から出力することで表現してもよいし、発話内容を吹出しで表示させることで表現してもよく、発話している口の動き等をアニメーションで表示させることで表現してもよい。また、これらの組み合わせにより、キャラクタが発話行動を行っていることを表現してもよい。この他にも、例えば戦闘開始前に通常フィールドを移動していた車などのオブジェクトを、戦闘開始後も移動させ続ける等の演出としてもよい。
【0093】
<シミュレーション表示>
戦闘では、プレイヤがどのような入力操作を行ったか、すなわちプレイヤキャラクタにどのような行動を行わせたかによって、その戦闘の結果が変わる。一般的なゲームでは、プレイヤキャラクタに行わせる行動をプレイヤが決定した後は、プレイヤキャラクタによってその行動が実際に行われるまで、その結果は分からない。なお、一般にプレイヤキャラクタの行動はアニメーションで表現されるから、プレイヤは、行動を決定するまで、プレイヤキャラクタについてどのようなアニメーションが表示されるかが分からないとも言える。また、プレイヤキャラクタの当該行動により、敵キャラクタ等の他のキャラクタが受ける影響(他のキャラクタについてどのようなアニメーションが表示されることになるか)も分からない。
【0094】
これに対し、シミュレーション処理部113は、戦闘において所定の入力操作を受け付けた場合にキャラクタに行わせる行動と該行動の結果を、戦闘フィールド内でシミュレーション表示するシミュレーション表示ステップをゲーム装置1に実行させる。シミュレーション表示は、アニメーションによる表示とすることが好ましい。これにより、キャラクタが行う行動を視覚的に分かりやすくプレイヤに認識させることができる。具体的には、シミュレーション表示では、プレイヤキャラクタが上記行動を行うアニメーションを表示すると共に、その行動に応じた他のキャラクタの反応を示すアニメーションを表示してもよい。例えば、敵キャラクタを宙に浮かせるというプレイヤキャラクタの行動をシミュレーション表示する場合、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを宙に浮かせるシーンをアニメーションで表示してもよい。これにより、プレイヤは、上記の行動により、敵キャラクタが宙に浮いた状態となることを視覚的に確認することができる。
【0095】
また、このように、プレイヤキャラクタの行動によって敵キャラクタの状態がどのようになるかを表示することにより、プレイヤは、上記行動後の敵キャラクタの状態に応じた、さらに次の行動選択を行うことも可能になる。例えば、敵キャラクタの攻撃を挟むことなく複数のプレイヤキャラクタに連続攻撃(コンボ攻撃)を行わせることが可能である場合に、プレイヤは、コンボ攻撃を組み立てるにあたり、相性のよい行動の組み合わせを確認することも可能になる。例えば、プレイヤは、シミュレーション表示のアニメーションを参考にして、敵キャラクタを宙に浮かせた後、宙に浮いた敵キャラクタに攻撃する、といった効果的なコンボ攻撃を組み立てることもできる。
【0096】
所定の入力操作は、例えば複数の行動の選択肢からプレイヤキャラクタに実行させる行動を選ぶ操作である。行動の結果には、上述のようなアニメーションの他にも、例えば敵キャラクタに与えるダメージ等が含まれていてもよい。ダメージはキャラクタが行った行動に関連するパラメータ(例えばキャラクタや行動(攻撃の行動)に設定された攻撃力、敵キャラクタに設定された防御力など)を用いて算出可能である。
【0097】
これにより、プレイヤはシミュレーション表示の内容を考慮して、最終的にどのような入力操作を行うかを決定することができる。また、入力操作の確定前に行われるのは、あくまでシミュレーション表示であり、実際にその入力操作を行った結果とシミュレーション結果とは相違する場合があるから、戦闘におけるユーザの興趣性が損なわれることはない。
【0098】
また、例えば図1の例のように、複数のプレイヤキャラクタが戦闘の対象となっている場合には、上述のようにコンボ攻撃を発動させてもよい。上記実施形態における戦闘フィールド内のオブジェクトを非表示とする構成によれば、複数のプレイヤキャラクタによるコンボ攻撃を、オブジェクトに邪魔されることなくユーザに閲覧させることができる。
【0099】
また、戦闘処理部112は、複数のプレイヤキャラクタについて、プレイヤが選択した行動の組み合わせに応じて、発動させるコンボ攻撃の種類や効果を異ならせてもよい。そして、シミュレーション処理部113は、そのような種類や効果についても、プレイヤキャラクタの行動を選択する入力操作の確定前にシミュレーション表示してもよい。これにより、プレイヤは、複数のプレイヤキャラクタの行動選択を戦略的に行うことができる。例えば、攻撃効果が高いコンボ攻撃となるように様々な行動を組み合わせたり、敵キャラクタに避けられにくいコンボ攻撃となるように様々な行動を組み合わせたりした上で、最終的な行動を決定することもできる。また、シミュレーション表示もオブジェクトに邪魔されることなくユーザに閲覧させることができる。
【0100】
<イベントについて>
上記実施形態では、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが通常フィールド内で遭遇したことを契機として発生する戦闘イベントにおいて、オブジェクトを非表示とする領域(範囲)である戦闘フィールドを設定する例を説明した。しかしながら、この例に限られず、キャラクタと対象キャラクタとがゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生する任意のイベントにおいて、オブジェクトを非表示とする領域を設定してもよい。
【0101】
例えば、プレイヤキャラクタと他のキャラクタがゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生する会話イベントにおいて、それらのキャラクタの周囲にオブジェクトを非表示とする領域を設定してもよい。これにより、プレイヤは、ゲームフィールドのどのような位置で会話イベントが発生した場合であっても、その会話イベントにおける表示を、オブジェクトに遮られることなく閲覧することができる。
【0102】
また、キャラクタと対象キャラクタとがゲームフィールド内で遭遇したことを契機として発生するイベント以外のイベントの発生時にも、オブジェクトを非表示とする領域を設定してもよい。例えば、ゲームフィールド内のキャラクタが、ゲームフィールド内で所定の行動(例えば発話等)を行うというイベントの発生時に、そのキャラクタの周囲にオブジェクトを非表示とする領域を設定してもよい。なお、この場合のキャラクタは、プレイヤキャラクタであってもよいし、ノンプレイヤキャラクタであってもよい。
【0103】
<適用対象ゲーム>
上述のように、オブジェクトを非表示とする領域を設定するのは、戦闘イベント時に限られないので、本発明は戦闘シーンのないゲームにも適用可能である。また、オブジェクトを非表示とする領域を設定するゲーム画面は、三次元表示であってもよいし、二次元表示であってもよい。また、二次元表示のゲームフィールド内でイベントが発生し、オブジェクトを非表示とする領域を設定した場合に、その領域内を三次元表示として、二次元表示と三次元表示を混在させた表示としてもよい。
【0104】
<付記事項>
本発明は上述した実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態および各変形例に開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、当該各技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0105】
1…ゲーム装置
111…通常フィールド処理部
112…戦闘処理部
113…シミュレーション処理部
2…入力装置
3…表示装置
4…記録媒体
41…ゲームプログラム
42…ゲームデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12