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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20220810BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
A47J37/06 321
A47J27/00 104A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018154637
(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公開番号】P2020028373
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】福井 勇仁
(72)【発明者】
【氏名】温 岩
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】鳥養 亮太
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-213067(JP,A)
【文献】実公昭40-010773(JP,Y1)
【文献】特開平08-191763(JP,A)
【文献】特開平11-273848(JP,A)
【文献】米国特許第06443052(US,B1)
【文献】特開平05-261024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部と、
前記加熱部の上に着脱可能に載置され、前記加熱部により加熱される被加熱容器と、
前記被加熱容器の熱を感知可能な感熱部と、
回転体および接点を有し、前記感熱部から流入する熱による温度変化に応じて接点を開閉すると共に前記回転体の回動操作により前記接点の開閉温度を設定可能な回転式温度調節器と、
前記回転体に連結される回動レバーと、を備え、
前記被加熱容器として、裏側に当接部を有する第1被加熱容器、及び、裏側に非当接部を有する第2被加熱容器のうちの何れかを選択可能であり、
前記加熱部の上に前記第1被加熱容器が載置された際には前記当接部に当接して移動するが、前記加熱部の上に前記第2被加熱容器が載置された際には前記非当接部とは当接せず移動しない移動部材と、
前記移動部材の移動に伴って前記回動レバーの回動範囲を制限する回動範囲制限部材と
を備える加熱調理器。
【請求項2】
前記回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含み、
前記回動レバーが前記第1回動範囲にあるとき、前記移動部材が特定位置まで移動可能となるが、前記回動レバーが前記第2回動範囲にあるとき、前記移動部材が前記特定位置まで移動不可能となり、前記第1被加熱容器が正常に載置されない状態となる請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記移動部材は、上下方向に移動可能であり、
前記移動部材を上方に向かって付勢する付勢部材をさらに備え、
前記回動範囲制限部材は、前記移動部材に取り付けられており、前記移動部材が上端位置に位置する際に前記回動レバーの上側に位置し、前記移動部材が下端位置に位置する際に前記回動レバーの側方に位置する請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含み、
前記回動レバーが前記第1回動範囲にあるとき、前記移動部材の移動に伴って前記回動範囲制限部材が前記回動レバーに接することなく特定状態に固定化され、前記回動レバーが前記第2回動範囲にあるとき、前記移動部材の移動に伴って前記回動範囲制限部材が前記特定状態に固定されるまでの間に前記回動範囲制限部材が前記回動レバーに当接して前記回動レバーを前記第1回動範囲まで移動させる請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記移動部材は、上下方向に移動可能であり、
前記回動範囲制限部材は、棒体であり、
前記回動範囲制限部材の先端部が上下方向に揺動することができるように前記回動範囲制限部材の基端部を軸支する軸支部をさらに備え、
前記回動範囲制限部材の前記先端部は、前記移動部材が下端位置に位置する際に特定状態に固定化される請求項1または4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含み、
前記回動レバーが前記第1回動範囲にあるとき、前記移動部材の移動に伴って前記回動範囲制限部材が前記回動レバーに接することなく特定位置まで移動し、前記回動レバーが前記第2回動範囲にあるとき、前記移動部材の移動に伴って前記回動範囲制限部材が前記特定位置まで移動する間に前記回動範囲制限部材が前記回動レバーに当接して前記回動レバーを前記第1回動範囲まで移動させる請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記回動レバーは、第1軸を中心として第1平面に沿って回動可能であり、
前記移動部材は、上下方向に移動可能であり、
前記回動範囲制限部材は、第2軸を中心として前記第1平面または前記第1平面と平行な平面である第2平面に沿って回動可能であり、
前記移動部材の上下方向の運動を、前記回動範囲制限部材の回動運動に変換する運動変換機構をさらに備える請求項1または6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記回動範囲制限部材は、前記第1平面を超える高さ又は深さを有する制限壁を有し、前記第2軸を中心として前記第2平面に沿って回動可能である請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記移動部材は、上下方向に移動可能であり、
前記回動レバーは、上側に突起部が設けられていると共に、斜め上方に向かって付勢されており、
前記回動レバーが回動する際の前記突起部の軌道の上側に設けられ、前記突起部を受け入れ可能である凹部が複数形成される円弧状の段階移動レール部をさらに備え、
前記回動範囲制限部材は、前記移動部材の先端に取り付けられており、前記移動部材が上端位置に位置する際に前記回動レバーの上側に位置し、前記移動部材が下端位置に位置する際に前記回動レバーの側方に位置する請求項1または6に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含み、
前記回動レバーが前記第2回動範囲にあるとき、前記移動部材の移動に伴って前記回動範囲制限部材が前記回動レバーを前記第1回動範囲まで移動させ、前記移動部材の移動が完了した後に、前記回動レバーが前記第2回動範囲に移動された際、前記回動範囲制限部材が前記回動レバーを前記第1回動範囲まで戻す状態となる請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記移動部材は、上下方向に移動可能であり、
前記回動範囲制限部材は、複数の凹部を有する直線状の爪受け部を有し、
前記移動部材を上方に向かって付勢する第1付勢部材と、
前記回動レバーの基端側から延びる当接レバーと、
前記複数の凹部が並ぶ方向に沿って前記回動範囲制限部材を直動可能にガイドするガイド部と、前記移動部材の下部に設けられ、前記移動部材が上端位置にあるとき、前記回動範囲制限部材の前記爪受け部の前記凹部に係合可能であるが、前記移動部材が下側に移動したとき、前記回動範囲制限部材の前記爪受け部の前記凹部に係合しなくなる爪部と、前記当接レバー側に向かって前記回動範囲制限部材を付勢する第2付勢部材とを有する押戻機構とをさらに備える請求項1または10に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル鍋やホットプレート等の加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器が、例えば、下記特許文献1に開示されている。同文献の加熱調理器は、加熱部と、加熱部の上に着脱可能に載置され、加熱部により加熱される被加熱容器と、被加熱容器の熱を感知可能な感熱部と、回転体および接点を有し、感熱部から流入する熱による温度変化に応じて接点を開閉すると共に回転体の回動操作により接点の開閉温度を設定可能な回転式温度調節器と、回転体に連結される回動レバーと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5703976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱調理器では、使用目的の違い等に応じて被加熱容器を使い分ける使用態様が増えてきている。例えば、加熱調理を行う場合には、加熱調理に適した被加熱容器が用いられ、保温を行う場合には、保温に適した被加熱容器が用いられる。
【0005】
しかし、上記従来の構造では、使用される被加熱容器の種類に関わらず、回動レバーで設定温度(開閉温度)を自在に変更可能となっている。このため、調理物の保温時に、誤操作等で回動レバーが高温域に移動されて、保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質(例えば、肉が硬くなる等)したりする可能性があった。
【0006】
上記実情に鑑み、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる加熱調理器が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1局面に係る加熱調理器は、加熱部、被加熱容器、感熱部、回転式温度調節器および回動レバーを備える。加熱部は、熱源であって、例えば、電気ヒータ等である。被加熱容器は、加熱部により加熱される対象であって、加熱部の上に着脱可能に載置される。なお、この被加熱容器には、鍋や、板(プレート)、皿(プレート)が含まれる。感熱部は、被加熱容器の熱を感知可能である。なお、この感熱部は、例えば、加熱部もしくは被加熱容器に接触するように又は加熱部もしくは被加熱容器の近傍に位置するように配設される。回転式温度調節器は、接点および回転体を有する。この回転式温度調節器は、感熱部から流入する熱による温度変化に応じて接点を開閉すると共に回転体の回動操作により接点の開閉温度を設定することができる。回動レバーは、使用者によって手動操作されるものであって、回転体に連結される。すなわち、回動レバーが回動することによって、回転体が回転することになる。そして、この加熱調理器では、被加熱容器として、裏側に当接部を有する第1被加熱容器、及び、裏側に非当接部を有する第2被加熱容器のうちの何れかを選択可能である。なお、ここで、当接部は例えば突起部であって、かかる場合、非当接部は例えば平面部である。また、当接部は例えば平面部であって、かかる場合、非当接部は例えば下側に開口する凹部である。ところで、この加熱調理器は、上記構成要素に加えて移動部材および回動範囲制限部材を備える。移動部材は、加熱部の上に第1被加熱容器が載置された際に当接部に当接して移動するが、加熱部の上に第2被加熱容器が載置された際に非当接部とは当接せず移動しない。なお、ここで、加熱部の上とは、加熱部の直上であってもよいし(被加熱容器が加熱部に接触してもよい)、加熱部の上方であってもよい(被加熱容器が加熱部に接触していなくてもよい)。回動範囲制限部材は、移動部材の移動に伴って回動レバーの回動範囲(延いては回転式温度調節器回転体の回転範囲)を制限する。なお、回動範囲制限部材としては、例えば、回動レバーが特定位置を超えないようにするもの、回動レバーが特定位置を超えた際に回動レバーを特定位置まで引き戻す・押し戻すもの等が挙げられる。
【0008】
上述の通り、この加熱調理器では、加熱部の上に第1被加熱容器が載置された際に移動部材が当接部に当接して移動するが、加熱部の上に第2被加熱容器が載置された際には移動部材は非当接部とは当接せず移動しない。そして、移動部材が移動すると、回動レバーの回動範囲が制限される。そして、ここで、保温プレートを第1被加熱容器とし、調理容器を第2被加熱容器とすれば、保温プレート載置時の回動レバーの回動範囲を低温域に制限することができる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0009】
本発明の第2局面に係る加熱調理器は第1局面に係る加熱調理器であって、回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含む。そして、この加熱調理器では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材が特定位置まで移動可能となるが、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材が特定位置まで移動不可能となり、第1被加熱容器が正常に載置されない状態となる。
【0010】
この加熱調理器では、第1被加熱容器を保温プレートとし、第1回動範囲を低温域とし、第2回動範囲を中高温域とした場合において、回動レバーが低温域にあるときには保温プレート載置時に移動部材が特定位置まで移動することになる。そして、その結果、回動範囲制限部材が回動レバーの回動範囲を制限する。その一方、回動レバーが中高温域にあるときには移動部材が特定位置まで移動せず、保温プレートが正常に載置されない状態となると共に、回動範囲制限部材が回動レバーの回動範囲を制限することができない状態となる。このため、使用者は、回動レバーが中温域や高温域にある場合、回動レバーを低温域に移動させてから保温プレートを置きなおさなければならないことに気付くことができる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0011】
本発明の第3局面に係る加熱調理器は第1局面または第2局面に係る加熱調理器であって、移動部材は、上下方向に移動可能である。なお、かかる場合、回動レバーが水平面に沿って回動することが好ましい。また、この加熱調理器は付勢部材をさらに備える。付勢部材は、移動部材を上方に向かって付勢する。また、回動範囲制限部材は、移動部材に取り付けられている。そして、この回動範囲制限部材は、移動部材が上端位置に位置する際に回動レバーの上側に位置し、移動部材が下端位置に位置する際に回動レバーの側方(回動軌道上の側方)に位置する。なお、ここで、回動範囲制限部材が回動レバーの直上に位置する場合(すなわち、回動レバーの位置が回動範囲制限部材の真下にある場合)、移動部材は中間位置から下端位置に移動することができなくなる。また、第2局面に係る加熱調理器との関係では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、回動範囲制限部材が回動レバーの側方位置まで移動可能になるが、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、回動範囲制限部材が回動レバーに当接して特定位置まで移動不可能となり、第1被加熱容器が正常に載置されない状態となる。
【0012】
上述の通り、この加熱調理器では、移動部材に回動範囲制限部材が取り付けられており、移動部材が付勢部材によって上方に向かって付勢されている。そして、移動部材が上端位置に位置する際に回動範囲制限部材が回動レバーの上側に位置し、移動部材が下端位置に位置する際に回動範囲制限部材が回動レバーの回動軌道上の側方に位置する。このため、この加熱調理器では、比較的少ない部品点数で本発明の課題を解決することができる。
【0013】
本発明の第4局面に係る加熱調理器は第1局面に係る加熱調理器であって、回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含む。そして、この加熱調理器では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーに接することなく特定状態に固定化され、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が特定状態に固定されるまでの間に回動範囲制限部材が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。なお、かかる場合、回動範囲制限部材が特定状態に固定された後、回動レバーは第2回動範囲に移動できなくなる。
【0014】
この加熱調理器では、第1被加熱容器を保温プレートとし、第1回動範囲を低温域とし、第2回動範囲を中高温域とした場合において、回動レバーが低温域にあるときに保温プレートが加熱部の上に載置されると、移動部材が移動し、その移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーに接することなく特定状態に固定化される。その一方、回動レバーが中高温域にあるときに保温プレートが加熱部の上に載置されると、移動部材が移動し、その移動に伴って回動範囲制限部材が特定状態に固定されるまでの間に回動範囲制限部材が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。このため、この加熱調理器では、保温プレートの載置時において、回動レバーの位置に関わらず、回動レバーを低温域に位置させると共に、回動範囲制限部材により回動レバーが中高温域へ移動することを防ぐことができる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0015】
本発明の第5局面に係る加熱調理器は第1局面または第4局面に係る加熱調理器であって、移動部材は、上下方向に移動可能である。なお、かかる場合、回動レバーが水平面に沿って回動することが好ましい。また、回動範囲制限部材は、棒体である。なお、ここで、回動範囲制限部材は、平面視において接点の開閉温度が中高温域または高温域に設定されている状態の回動レバーと交差することが好ましい。また、この加熱調理器は軸支部をさらに備える。軸支部は、回動範囲制限部材の先端部が上下方向に揺動することができるように回動範囲制限部材の基端部を軸支する。なお、軸支部は、接点の開閉温度が低い側の位置(通電オフ状態の位置でもよい。)に配設されていることが好ましい。また、軸支部は、回動範囲制限部材が斜め下方向に沿う姿勢をとるように一定の高さを有していることが好ましい。そして、この加熱調理器では、回動範囲制限部材の先端部は、移動部材が下端位置に位置する際に特定状態に固定化される。なお、回動範囲制限部材の先端部は上方に向かって付勢されていてもよいが、被加熱容器が載置されていない場合、回動レバーの回動により移動部材が上下に移動し得るため、基本的には付勢部材はなくても差し支えない。なお、第4局面に係る加熱調理器との関係では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材が下端位置まで移動した際に回動範囲制限部材が特定状態に固定化されることになるが、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が特定状態に固定化されるまでの間に回動範囲制限部材が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。
【0016】
上述の通り、この加熱調理器では、第2被加熱容器が加熱部の上に載置されて移動部材が上端位置に位置する際に(すなわち、移動部材が下方に移動しない際に)回動範囲制限部材の先端部が上下方向に揺動可能であり、第1被加熱容器が加熱部の上に載置されて移動部材が下端位置に位置する際に(すなわち、第1被加熱容器により移動部材が下端位置まで押し下げられた際に)特定状態に固定化される。すなわち、第2被加熱容器が加熱部の上に載置される際に回動レバーが回動可能となり、第1被加熱容器が加熱部の上に載置される際に回動レバーの回動範囲が制限されることになる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0017】
本発明の第6局面に係る加熱調理器は第1局面に係る加熱調理器であって、回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含む。そして、この加熱調理器では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーに接することなく特定位置まで移動し、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が特定位置まで移動する間に回動範囲制限部材が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。なお、かかる場合、回動範囲制限部材が特定位置まで移動した後、回動レバーは回動範囲制限部材により第2回動範囲に移動できなくなる。
【0018】
この加熱調理器では、第1被加熱容器を保温プレートとし、第1回動範囲を低温域とし、第2回動範囲を中高温域とした場合において、回動レバーが低温域にあるときに保温プレートが加熱部の上に載置されると、移動部材が移動し、その移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーに接することなく特定位置まで移動する。その一方、回動レバーが中高温域にあるときに保温プレートが加熱部の上に載置されると、移動部材が移動し、その移動に伴って回動範囲制限部材が特定位置まで移動する間に回動範囲制限部材が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。このため、この加熱調理器では、保温プレートの載置時において、回動レバーの位置に関わらず、回動レバーを低温域に位置させると共に、回動範囲制限部材により回動レバーが中高温域へ移動することを防ぐことができる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0019】
本発明の第7局面に係る加熱調理器は第1局面または第6局面に係る加熱調理器であって、回動レバーは、第1軸を中心として第1平面に沿って回動可能である。移動部材は、上下方向に移動可能である。回動範囲制限部材は、第2軸を中心として第1平面、または、第1平面と平行な平面である第2平面に沿って回動可能である。なお、第2平面は、第1平面の上側にあってもよいし、下側にあってもよい。また、この加熱調理器は、運動変換機構をさらに備える。運動変換機構は、移動部材の上下方向の運動を、回動範囲制限部材の回動運動に変換する。また、第6局面に係る加熱調理器との関係では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーに接することなく回動レバーの側方の特定位置まで移動可能になるが、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーの側方の特定位置まで移動する間に回動範囲制限部材が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。
【0020】
この加熱調理器では、移動部材の移動に伴って、回動範囲制限部材が回動レバーの回動範囲を制限する。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0021】
本発明の第8局面に係る加熱調理器は第7局面に係る加熱調理器であって、回動範囲制限部材は、制限壁を有する。制限壁は、第1平面を超える高さ又は深さを有する。そして、回動範囲制限部材は、第2軸を中心として第2平面に沿って回動可能である。なお、ここで、第1軸回転軸と、第2軸は同一線上にあることが好ましいが、両軸が近傍に位置していてもよい。また、第2平面は、第1平面の上側にあってもよいし、下側にあってもよい。また、第6局面に係る加熱調理器との関係では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材の制限壁が回動レバーに接することなく回動レバーの側方の特定位置まで移動可能になるが、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材の制限壁が回動レバーの側方の特定位置まで移動する間に回動範囲制限部材の制限壁が回動レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲まで移動させる。
【0022】
この加熱調理器では、移動部材の移動に伴って、回動範囲制限部材の制限壁が回動レバーの回動範囲を制限する。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0023】
本発明の第9局面に係る加熱調理器は第1局面または第6局面に係る加熱調理器であって、移動部材は、上下方向に移動可能である。回動レバーは、上側に突起部が設けられている。そして、この回動レバーは、斜め上方に向かって付勢されている。また、この加熱調理器は、円弧状の段階移動レール部をさらに備える。段階移動レール部には、回動レバーが回動する際の突起部の軌道の上側に設けられる。そして、この段階移動レール部には、突起部を受け入れ可能である凹部が複数形成される。また、回動範囲制限部材は、移動部材の先端に取り付けられている。そして、この回動範囲制限部材は、移動部材が上端位置に位置する際に回動レバーの上側に位置し、移動部材が下端位置に位置する際に回動レバーの側方に位置する。また、第6局面に係る加熱調理器との関係では、回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーに接することなく回動レバーの側方の特定位置まで移動可能になるが、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーを下側に押して、凹部から突起部を外させて付勢力によって回動レバーを第1回動範囲まで引き戻すと共に、回動範囲制限部材が回動レバーの側方の特定位置まで移動可能となる。
【0024】
上述の通り、この加熱調理器では、回動範囲制限部材が移動部材の先端に取り付けられており、移動部材が上端位置に位置する際に回動範囲制限部材が回動レバーの上側に位置し、移動部材が下端位置に位置する際に回動範囲制限部材が回動レバーの回動軌道上の側方に位置する。すなわち、この加熱調理器では、移動部材が下端位置に位置する際に回動範囲制限部材が回動レバーの回動範囲を制限する。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0025】
本発明の第10局面に係る加熱調理器は第1局面に係る加熱調理器であって、回動範囲は、第1回動範囲および第2回動範囲を含む。そして、この加熱調理器では、回動レバーが第2回動範囲にあるとき、移動部材の移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーを第1回動範囲まで移動させ、移動部材の移動が完了した後に、回動レバーが第2回動範囲に移動された際、回動範囲制限部材が回動レバーを第1回動範囲まで戻す状態となる。
【0026】
上述の通り、この加熱調理器では、第1被加熱容器を保温プレートとし、第1回動範囲を低温域とし、第2回動範囲を中高温域とした場合において、回動レバーが低温域にあるときに保温プレートが加熱部の上に載置されると、移動部材が移動し、その移動に伴って回動範囲制限部材が回動レバーを第1回動範囲まで移動させ、移動部材の移動が完了した後に、回動レバーが第2回動範囲に移動された際、回動範囲制限部材が回動レバーを第1回動範囲まで戻す状態となる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【0027】
本発明の第11局面に係る加熱調理器は第1局面または第10局面に係る加熱調理器であって、移動部材は、上下方向に移動可能である。回動範囲制限部材は、直線状の爪受け部を有する。爪受け部は、複数の凹部を有する。また、この加熱調理器は、第1付勢部材、当接レバーおよび押戻機構をさらに備える。第1付勢部材は、移動部材を上方に向かって付勢する。当接レバーは、回動レバーの基端側から延びる。押戻機構は、ガイド部、爪部および第2付勢部材を有する。ガイド部は、複数の凹部が並ぶ方向に沿って回動範囲制限部材を直動可能にガイドする。爪部は、移動部材の下部に設けられる。そして、この爪部は、移動部材が上端位置にあるとき、回動範囲制限部材の爪受け部の凹部に係合可能であるが、移動部材が下側に移動したとき、回動範囲制限部材の爪受け部の凹部に係合しなくなる。第2付勢部材は、当接レバー側に向かって回動範囲制限部材を付勢する。また、第9局面に係る加熱調理器との関係では、移動部材が上端位置にあると共に回動レバーが第1回動範囲にあるとき、移動部材が下方向に移動しても回動範囲制限部材が当接レバーに当接せず、回動レバーの位置が変わらないが、移動部材が上端位置にあると共に回動レバーが第2回動範囲にあるとき、当接レバーによって回動範囲制限部材が付勢部材の付勢方向とは逆方向に移動された状態となっており、移動部材の下方へ移動されると、回動範囲制限部材の爪受け部の凹部から爪部が外れ、回動範囲制限部材が第2付勢部材によって付勢方向に向かって飛び出して当接レバーに当接して回動レバーを第1回動範囲に押し戻す。また、移動部材が下端位置まで押し下げられた状態では、回動範囲制限部材の爪受け部の凹部に爪部がかかっていない状態となり、回動レバーが第2回動範囲に移動しても、当接レバーが、第2付勢部材により付勢された回動範囲制限部材により押し戻されることにより、回動レバーが第1回動範囲にまで戻される。
【0028】
上述の通り、この加熱調理器では、移動部材は、第1付勢部材によって上方に向かって付勢されており、上下方向に移動可能である。また、回動範囲制限部材は、ガイド部により複数の凹部が並ぶ方向に沿って直動可能にガイドされており、第2付勢部材によって当接レバー側に向かって付勢されている。そして、この加熱調理器では、移動部材が上端位置にあるとき、この移動部材に取り付けられている爪部が回動範囲制限部材の爪受け部の凹部に係合可能であるが、移動部材が下側に移動したとき、その爪部が回動範囲制限部材の爪受け部の凹部に係合しなくなる。すなわち、この加熱調理器では、移動部材が上端位置にあるとき、回動範囲制限部材が当接レバー側にもその反対側にも移動可能な状態となる結果、回動レバーの回動範囲に制限がかからない状態となるが、その状態から移動部材が下側に移動すると、回動範囲制限部材が常時、第2付勢部材によって当接レバー側に付勢された状態となり、その結果、回動レバーの回動範囲が制限されることになる。すなわち、この加熱調理器では、使用される被加熱容器の種類に応じて回動レバーによる温度設定を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において本体に深鍋を設置した際の外観斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において本体に深鍋を設置した際の正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋に付属する保温プレートの外観斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋の本体の平面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6図4のA’-A’断面図である。
図7図4のB-B断面図である。
図8図5のサーモスタットの拡大斜視図である。
図9図8のサーモスタットの側面図である。
図10図5の操作機構の拡大斜視図である。
図11】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において本体に保温プレートを設置した際の部分断面図である。
図12】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において本体に深鍋を設置した際の部分断面図である。
図13】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋に付属する保温プレートの底面図である。
図14】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において本体の本体ガードの底壁部の一部分および2つの脚部を外した際の底面図である。なお、本図では操作機構の回動レバーが中温域に位置している。
図15】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において本体の本体ガードの底壁部の一部分および2つの脚部を外した際の底面図である。なお、本図では操作機構の回動レバーが高温域に位置している。
図16】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において正常に保温プレートが本体に載置された際の回動レバーとストッパとの位置関係を示す部分正面図である。
図17】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において正常に保温プレートが本体に載置された際の回動レバーとストッパとの位置関係を示す部分側面図である。
図18】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において正常に保温プレートが本体に載置されなかった際の回動レバーとストッパとの位置関係を示す部分正面図である。
図19】本発明の第1実施形態に係るグリル鍋において正常に保温プレートが本体に載置されなかった際の回動レバーとストッパとの位置関係を示す部分側面図である。
図20】本発明の第2実施形態に係るグリル鍋において保温プレート以外の容器が本体に載置された際の回動レバーと揺動棒との位置関係を示す正面側部分断面図である。
図21】本発明の第2実施形態に係るグリル鍋において保温プレート以外の容器が本体に載置された際の回動レバーと揺動棒との位置関係を示す側面側部分断面図である。
図22】本発明の第2実施形態に係るグリル鍋において保温プレートが本体に載置された際の回動レバーと揺動棒との位置関係を示す正面側部分断面図である。
図23】本発明の第2実施形態に係るグリル鍋において保温プレートが本体に載置された際の回動レバーと揺動棒との位置関係を示す側面側部分断面図である。
図24】本発明の第3実施形態に係るグリル鍋において深鍋が本体に載置された際の回動レバーとかさ歯車付き制限レバーとの位置関係を示す右側面図である。なお、本図ではガード本体は取り外されている。
図25】本発明の第3実施形態に係るグリル鍋において深鍋が本体に載置された際の回動レバーとかさ歯車付き制限レバーとの位置関係を示す左側面図である。なお、本図ではガード本体は取り外されている。
図26】本発明の第3実施形態に係るグリル鍋において深鍋が本体に載置された際の回動レバーとかさ歯車付き制限レバーとの位置関係を示す底面図である。なお、本図ではガード本体は取り外されている。
図27図26のC-C断面図である。
図28】本発明の第3実施形態に係るグリル鍋において保温プレートが本体に載置された際の回動レバーとかさ歯車付き制限レバーとの位置関係を示す右側面図である。なお、本図ではガード本体は取り外されている。
図29】本発明の第3実施形態に係るグリル鍋において保温プレートが本体に載置された際の回動レバーとかさ歯車付き制限レバーとの位置関係を示す左側面図である。なお、本図ではガード本体は取り外されている。
図30】本発明の第3実施形態に係るグリル鍋において保温プレートが本体に載置された際の回動レバーとかさ歯車付き制限レバーとの位置関係を示す底面図である。なお、本図ではガード本体は取り外されている。
図31図26のD-D断面図である。
図32】本発明の第4実施形態に係るグリル鍋において本体の本体ガードの底壁部の一部分および2つの脚部を外した際の底面図である。なお、本図では操作機構の回動レバーが中温域に位置している。
図33図32の温度設定範囲制限機構付近の部分拡大図である。
図34】本発明の第4実施形態に係るグリル鍋の本体の温度設定範囲制限機構の斜視図である。
図35】本発明の第4実施形態に係るグリル鍋の本体の温度設定範囲制限機構の断面図である。なお、本図では、爪部が爪受け部に係止されている状態が示されている。
図36】本発明の第4実施形態に係るグリル鍋の本体の温度設定範囲制限機構の断面図である。なお、本図では、爪部が爪受け部から外れた状態が示されている。
図37】本発明の第4実施形態に係るグリル鍋において本体の本体ガードの底壁部の一部分および2つの脚部を外した際の底面図である。なお、本図では、回動レバーが高温域に位置している。
図38】本発明の第5実施形態に係るグリル鍋において本体の本体ガードの底壁部を外した際の底面図である。なお、本図では操作機構の回動レバーが中温域に位置している。
図39】本発明の第5実施形態に係るグリル鍋の温度設定範囲制限機構の正面図である。
図40】本発明の第6実施形態に係るグリル鍋において本体の本体ガードの底壁部を外した際の底面図である。なお、本図では操作機構の回動レバーが高温域に位置している。
図41】本発明の第6実施形態に係るグリル鍋の温度設定範囲制限機構のリンク構造の正面図である。なお、本図中、実線で示された温度設定範囲制限機構の状態は固定ピンが上端位置にあるときの状態であり、破線で示された温度設定範囲制限機構の状態は固定ピンが下端位置にあるときの状態である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
-第1実施形態-
【0031】
本発明の実施の形態に係るグリル鍋100は、図1および図2に示されるように、主に、本体200および深鍋410から構成されている。なお、図示しないが、深鍋410には蓋が付属している。また、このグリル鍋100の本体200には、深鍋410の交換容器として、保温プレート420(図3参照)、野菜ゾーン付波形プレート(図示せず)、たこ焼きプレート(図示せず)および蒸し台(図示せず)も付属している。すなわち、本体200上には、深鍋410に代えて保温プレート420、野菜ゾーン付波形プレート、たこ焼きプレートおよび蒸し台も設置することができる。以下、これらの構成部材および付属品について詳述する。
【0032】
<グリル鍋の構成部品>
1.本体
本体200は、図4~6に示されるように、主に、本体ガード210、熱板220、サーモスタット230、感熱板290、遮熱板240、操作機構250、温度設定範囲制限機構260、電源コード接続端子270および電源コード(図示せず)から構成される。以下、これらの構成部品について詳述する。
【0033】
(1)本体ガード
本体ガード210は、図4~6に示されるように、主に、ガード本体211および端子収容箱214から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0034】
ガード本体211は、図4~6に示されるように、主に、外筒壁部211a、肩部211b、底壁部211dおよび4つの脚部211eから形成されている。なお、この外筒壁部211aおよび底壁部211dは、樹脂の一体成形品である。また、肩部211bは、外筒壁部211aの内側の上側に嵌め込まれている。外筒壁部211aは、図2および図5に示されるように略逆切頭円錐筒形状を呈している。なお、この外筒壁部211aの正面側の下部には、ガイドレール部(図示せず)が設けられている。なお、このガイドレール部の役割については後述する。底壁部211dは、図5に示されるように外筒壁部211aの下側の開口を覆っている。脚部211eは、図2および図5に示されるように底壁部211dの下面から下方に向かって延びている。
【0035】
端子収容箱214は、電源コード接続端子270の収容箱であって、ガード本体211の外筒壁部211aに締結される。すなわち、この端子収容箱214は、電源コード接続端子270をガード本体211に固定する役目を担っている。
【0036】
(2)熱板
熱板220は、図4および図5に示されるように、略円盤形状を呈する発熱体であって遮熱板240の内側の上部に配置されている。この熱板220には、図5に示されるように、電気ヒータ221が埋設されている。また、この熱板220の下面には、電気ヒータ221の一対の端子(図示せず)が配設されている。一方の端子は配線(図示せず)を介して電源コード接続端子270に接続されており、他方の端子は配線を介してサーモスタット230に接続されている。
【0037】
(3)サーモスタット
サーモスタット230は、図8および図9に示されるように、主に、固定接点板231、固定接点端子238、可動接点板232、可動接点端子239、バイメタル板233、連接棒236、絶縁材234および可動接点圧接力調整機構235から構成されている。なお、このサーモスタット230では、図8および図9に示されるように、固定接点板231、可動接点板232、バイメタル板233、可動接点圧接力調整機構235の支持板235aの間に絶縁材234が挿入されており、それらの部材がボルトおよびナット237によって接合されている。以下、これらの構成部品について詳述する。
【0038】
(3-1)固定接点板
固定接点板231は、金属製の板材であって、図8および図9に示されるように、長手方向片側部分において絶縁材234を介して可動接点板232およびバイメタル板233に接合されている。また、この固定接点板231の自由端側部分には、図9に示されるように、下方に向かって突起する接点231aが設けられている。
【0039】
(3-2)固定接点端子
固定接点端子238は、導電性を有する金属板であって、図8に示されるように、固定接点板231と最上位置の絶縁材234との間に挟み込まれている。すなわち、固定接点端子238は、固定接点板231と接触している。この固定接点端子238には、端子接続孔238aが形成されている。そして、この端子接続孔238aには、配線を介して電源コード接続端子が接続される。
【0040】
(3-3)可動接点板
可動接点板232は、図8および図9に示されるように、接点232a、下板部232b、上板部232cおよび接合部232dから形成されており、側面視において略コの字状を呈している。なお、この可動接点板232は、金属製の一体成形物である。
【0041】
下板部232bは、長手方向片側部分において絶縁材234を介して固定接点板231および可動接点圧接力調整機構235の支持板235aに接合されている。また、この可動接点板232は、長手方向のもう片側の端部が接合部232dを介して上板部232cの端部と連結されている。
【0042】
上板部232cは、接合部232dから絶縁材側に向かって延びている。そして、この上板部232cの自由端側部分には、図9に示されるように、上方に向かって突起する接点232aが設けられている。なお、この接点232aは、固定接点板231の接点231aと対向するように上板部232c上に配置されている。また、接合部側部分には、板厚方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔には、図9に示されるように、連接棒236の下端部が挿入されている。
【0043】
(3-3)可動接点端子
可動接点端子239は、金属板であって、図8に示されるように、可動接点板232と最下位置の絶縁材234との間に挟み込まれている。すなわち、可動接点端子239は、可動接点板232と接触している。この可動接点端子239には、端子接続孔239aが形成されている。そして、この端子接続孔239aには、配線を介して熱板220の電気ヒータ221が接続される。
【0044】
(3-4)バイメタル板
バイメタル板233は、熱膨張率が異なる2種の金属板を張り合わせた金属板であって、図8および図9に示されるように、長手方向片側部分において絶縁材234を介して固定接点板231に接合されている。また、このバイメタル板233の自由端側部分には、板厚方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔には、図9に示されるように、連接棒236の上端部が挿入されている。そして、このバイメタル板233は、熱を吸収して温度が上昇すると、自由端側部分が下方に向かうように変形する。すなわち、バイメタル板233の温度が上昇すると、バイメタル板233が連接棒236を介して可動接点板232を押し下げ、可動接点板232の接点232aを、固定接点板231の接点231aから離間させる。つまり、このとき、熱板220の電気ヒータ221への通電が遮断され、電気ヒータ221による発熱が停止される。その一方、バイメタル板233が、熱を放出して温度が下降すると、自由端側部分が上方に向かうように変形する。すなわち、バイメタル板233の温度が下降すると、バイメタル板233が連接棒236を介して可動接点板232を押し上げ、可動接点板232の接点232aを、固定接点板231の接点231aに接触させる。つまり、このとき、熱板220の電気ヒータ221への通電が再開され、電気ヒータ221による発熱が再開される。
【0045】
(3-5)絶縁材
絶縁材234は、上述の通り、固定接点板231、可動接点板232、バイメタル板233、可動接点圧接力調整機構235の支持板235aの間に挿入されており、上記部材間を絶縁している。
【0046】
(3-6)可動接点圧接力調整機構
可動接点圧接力調整機構235は、図8および図9に示されるように、支持板235a、回転軸235b、ストッパ235c、搖動板235dおよび搖動棒235eから構成されている。
【0047】
支持板235aは、図8および図9に示されるように、長手方向片側部分において絶縁材234を介して可動接点板232に接合されている。また、この支持板235aの自由端側部分には、板厚方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔の内壁には、雌ネジが形成されている。
【0048】
回転軸235bは、図8および図9に示されるように、上下方向に延びる棒材であって、略中央部分に雄ネジ(図示せず)が形成されている。そして、回転軸235bは、雄ネジ部分が支持板235aの雌ネジ部分に螺合されることによって、支持板235aにおいて軸周りに回転することができると共に上下方向に移動することができる。回転軸235bが右回りに回転させられると、回転軸235bが上方向に移動して、固定接点板231に対する可動接点板232の圧接力が強められる。一方、回転軸235bが左回りに回転させられると、回転軸235bが下方向に移動して、固定接点板231に対する可動接点板232の圧接力が弱められる。可動接点圧接力調整機構235は、このように固定接点板231に対する可動接点板232の圧接力を調節することによって、接点の開閉温度を設定することができる。
【0049】
ストッパ235cは、支持板235aの自由端側の端部から下方に向かって延びており、搖動板235dの搖動角を規制している。
【0050】
搖動板235dは、回転軸235bの下端部に固定されており、図8および図9に示されるように、回転軸235bから絶縁材側に向かって水平方向に沿って延びている。
【0051】
搖動棒235eは、棒材であって、搖動板235dの回転軸固定側の反対側の部分から下方に向かって延びている。なお、この搖動棒235eは、後述する回動レバー251の開口OP1(図10参照)に挿通される。そして、この搖動棒235eが回転軸235bを中心として右回りに搖動させられると回転軸235bが右回りに回転し、左回りに搖動させられると回転軸235bが左回りに回転する。すなわち、搖動棒235eが回転軸235bを中心として右回りに搖動させられると回転軸235bが上方向に移動して固定接点板231に対する可動接点板232の圧接力が強められ、左回りに搖動させられると回転軸235bが下方向に移動して、固定接点板231に対する可動接点板232の圧接力が弱められる。
【0052】
(4)感熱板
感熱板290は、熱伝導率が高い金属製の円盤部材であって、図5および図6に示されるように、熱板220の下面およびサーモスタット230の上面の両面に接触するように配置されている。この感熱板290は、熱板220で生じる熱を感知してサーモスタット230に伝達させる役目を担っている。
【0053】
(5)遮熱板
遮熱板240は、熱板220で生じる熱が電気部品や本体ガード210等に流入するのを防ぐと共に深鍋410、保温プレート420、野菜ゾーン付波形プレート、たこ焼きプレート430を効率的に加熱するために設けられる皿状の部材であって、熱板220の下に配置されている。図4~6、図11および図12に示されるように、この遮熱板240の上側の外縁には円環溝Gcが形成されている。この円環溝Gcの底壁には、開口が形成されている。そして、図4~6、図11および図12に示されるように、この開口には、温度設定範囲制限機構260の検知ピン261(後述)が挿通されている。
【0054】
(6)操作機構
操作機構250は、サーモスタット230の接点開閉温度を設定するためのものであって、図10に示されるように、主に、回動レバー251、軸252、コイルスプリング253およびツマミ部254から構成されている。
【0055】
回動レバー251は、図10に示されるように、段付きの長板部材であって、主に、低段部251aおよび高段部251bから形成されている。なお、ここで、図10に示されるように、低段部251aは、高段部251bよりも長くなるように設計されている。図10に示されるように、低段部251aの先端側の部位には、ツマミ部254が取り付けられる。また、低段部251aの基端側すなわち高段部側の部位には、図10に示されるように角丸長方形状の開口OP1が形成されている。この開口OP1には、サーモスタット230の搖動棒235eが挿通される(すなわち、回動レバー251は、搖動棒235eに連結されている)。このため、回動レバー251が搖動されると、それに連動してサーモスタット230の搖動棒235eも搖動する。このため、使用者は、回動レバー251を搖動することによって、固定接点板231に対する可動接点板232の圧接力を調節することができ、延いては接点231a,232aの開閉温度を設定することができる。図10に示される通り、高段部251bには、円形の開口OP2が形成されている。そして、この開口OP2には、図10に示されるように下方から軸252が挿通される。
【0056】
軸252は、図10に示されるように、主に、小径部252aおよび大径部252bから形成されており、上述の通り、高段部251bの開口OP2に下方から挿通されている。そして、この軸252の小径部252aが、熱板220の中央部から下方に延びる突起223(図5参照)に取り付けられている。また、図10に示されるように、大径部252bの外周にはコイルスプリング253が配置されており、軸252が下方に向かって付勢されている。
【0057】
コイルスプリング253は、上述の通り、軸252の大径部252bの外周に配置されており、軸252を下方に向かって付勢している。
【0058】
ツマミ部254は、使用者が実際に触れて回動レバー251の回動操作をすることができる部材であって、図10に示されるように、主に、本体部254aおよび接合部254bから形成されている。なお、このツマミ部254は、樹脂の一体成形品である。本体部254aは、図5に示されるようにガード本体211の外側に露出する部位であって、使用者に直接触れられる部位である。接合部254bは、ビスにより回動レバー251の低段部251aの先端側の部位に接合されている。また、図10に示されるように、このツマミ部254には、上側に開口する溝Gvが形成されている。この溝Gvは、上述の通り、本体ガード210の外筒壁部211aに設けられるガイドレール部に嵌め込まれる。この結果、このツマミ部254は、同ガイドレール部に沿って左右に揺動移動可能となる。
【0059】
(7)温度設定範囲制限機構
温度設定範囲制限機構260は、図6に示されるように、主に、検知ピン261、コイルバネ262、支持部263、アーム部264およびストッパ265から構成されている。検知ピン261は、長尺の丸棒体であって、支持部263により上下移動自在に支持されている。また、この検知ピン261には、図6および図7に示されるようにアーム部264が固定的に取り付けられている。支持部263は、上述の通り、検知ピン261を上下移動自在に支持している。また、この支持部263は、開口付きの座部263aを有している。そして、この座部263aの開口には検知ピン261が挿通されている。また、この座部263aの上には、コイルバネ262が設置されている。コイルバネ262には、図7に示されるように検知ピン261のうちアーム部264の平板部264aよりも下側に位置する部分が挿通されている。そして、このコイルバネ262は、アーム部264の平板部264aと支持部263の座部263aとの間に配設されており、アーム部264を上方に向かって付勢している。なお、上述の通り、アーム部264は検知ピン261に固定的に取り付けられているため、コイルバネ262は、アーム部264を介して検知ピン261を上方に付勢していることになる。アーム部264は、図7に示されるように平板部264aで検知ピン261に接合されている。また、このアーム部264の下端にはストッパ265が接合されている。このため、ストッパ265もコイルバネ262により上方に向かって付勢されていることになる。ストッパ265は、アーム部264を介して検知ピン261に固定的に取り付けられている。なお、このストッパ265は、検知ピン261が上端位置にあるとき、ツマミ部254の回動軌道の上方に位置している。
【0060】
そして、図7に示されるように本体200に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されていない場合、検知ピン261は、コイルバネ262の付勢力によって、図4~7、図11および図12に示されるように遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出している。しかし、図11に示されるように、本実施の形態に係るグリル鍋100において本体200に保温プレート420が載置されたとき、検知ピン261は、保温プレート420の裏側に設けられる円環状突起部422により下方に押し下げられる。このとき、アーム部264およびストッパ265も、検知ピン261と同時に下方に押し下げられる。一方、図12に示されるように本体200に深鍋410が載置されたとき、深鍋の裏側部位は検知ピン261に当接せず、検知ピン261を押し下げることはない(図12参照)。なお、野菜ゾーン付波形プレート(図示せず)およびたこ焼きプレート(図示せず)も、深鍋410と同様に、本体200に載置された際に検知ピン261を押し下げることはない。
【0061】
(8)電源コード接続端子
電源コード接続端子270は、図5に示されるように、端子収容箱214に収容されている。そして、この電源コード接続端子270は、電源コードのマグネット着脱式端子(図示せず)を受け入れ可能に形成されている。そして、電源コード接続端子270がマグネット着脱式端子を受け入れると、電源コード接続端子270とマグネット着脱式端子とが電気的に接続される。
【0062】
(9)電源コード
電源コードは、電源プラグ、電気コードおよびマグネット着脱式端子から構成されている。電源プラグは、外部電源に接続される。電気コードは、電源プラグとマグネット着脱式端子とを接続している。マグネット着脱式端子は、電源コード接続端子270に対して磁力で接続可能となっており、接続時に電源コード接続端子270に電気的に接続される。
【0063】
2.蓋体
蓋体は、主に、蓋本体および取っ手から構成されている。蓋本体は、ガラス製の円椀状の板材であって、平面視において中心箇所に貫通孔を有している。なお、この貫通孔は、取っ手をビスにより結合するために形成されている。すなわち、この貫通孔には、ビスが挿通される。取っ手は、円柱形状を呈している。この取っ手の内部には、軸に沿って下方に開口する雌ネジ(図示せず)が形成されている。なお、この雌ネジには、上記ビスが螺合される。そして、この取っ手は、当て板340やワッシャーを介して、ビス等の結合部材により蓋本体に取り付けられている。
【0064】
3.深鍋
深鍋410は、保温プレート420、野菜ゾーン付波形プレート、たこ焼きプレートと選択的に用いられるものであって、図1に示されるように、主に、なべ本体411および取っ手412から構成されている。なべ本体411は、有底円筒形状の容器体である。取っ手412は、ビスや、ナット、当て板等の結合部材413によりなべ本体411の両脇に取り付けられている。なお、この深鍋410には、保温プレート420の円環状突起部422に相当する突起部は設けられていない(すなわち、検知ピン261に対する非当接部を有していると言える。)。この深鍋410は、熱板220の上に着脱可能に載置され、熱板220によって加熱される。
【0065】
4.保温プレート
保温プレート420は、深鍋410、野菜ゾーン付波形プレート、たこ焼きプレートと選択的に用いられるものであって、図13に示されるように、主に、プレート本体421および円環状突起部422から構成されている。プレート本体421は、楕円形の浅皿である。円環状突起部422は、図13に示されるようにプレート本体421の裏側に設けられている。なお、この円環状突起部422は、上述の通り、温度設定範囲制限機構260の検知ピン261を下方に押し下げる役割を担っている。この保温プレート420は、熱板220の上に着脱可能に載置され、熱板220によって加熱される。
【0066】
5.野菜ゾーン付波形プレート
野菜ゾーン付波形プレートは、深鍋410、保温プレート420、たこ焼きプレートと選択的に用いられるものであって、焼肉調理ゾーンおよび野菜調理ゾーンから形成されている。なお、焼肉調理ゾーンは断面波形状を呈しており、野菜調理ゾーンは平板形状を呈している。なお、この野菜ゾーン付波形プレートには、保温プレート420の円環状突起部422に相当する突起部は設けられていない(すなわち、検知ピン261に対する非当接部を有していると言える。)。この野菜ゾーン付波形プレートは、熱板220の上に着脱可能に載置され、熱板220によって加熱される。
【0067】
6.たこ焼きプレート
たこ焼きプレートは、半球形の凹部が複数設けられるたこ焼き調理専用のプレートであって、深鍋410、保温プレート420、野菜ゾーン付波形プレートと選択的に用いられるものである。なお、このたこ焼きプレートには、保温プレート420の円環状突起部422に相当する突起部は設けられていない(すなわち、検知ピン261に対する非当接部を有していると言える。)。このたこ焼きプレートは、熱板220の上に着脱可能に載置され、熱板220によって加熱される。
【0068】
7.蒸し台
蒸し台は、深鍋使用時に使用可能な付属品であって、主に、穴開きプレート、4つの脚および摘み片から構成されている。穴開きプレートは、円盤形状を呈している。また、この穴開きプレートには、複数の小開口が形成されている。そして、この穴開きプレートは、調理食材の載置台として利用される。脚は、穴開きプレートの裏面に係合される。摘み片は、穴開きプレートの表面の中央部に搖動可能に取り付けられており、蒸し台を深鍋410から取り出すために使用される。
【0069】
<熱板の温度調節メカニズム>
本実施の形態の係るグリル鍋100では、熱板220の温度調節は、使用者が操作機構250のツマミ部254を操作することによって行われる。なお、本実施の形態に係るグリル鍋100では、ツマミ部254が最左端にあるとき、サーモスタット230の接点231a,232aが開状態とされ、電気ヒータ221に通電がなされない。そして、使用者がツマミ部254を右側に移動させると(図14参照)、回動レバー251が軸252を中心として右方向に回動されると同時にサーモスタット230の搖動棒235eが同方向に回動される。そうすると、サーモスタット230において回転軸235bが上方向に移動し、その結果、可動接点板232が固定接点板側に押し上げられる。そして、ある時点で、可動接点板232の接点232aが固定接点板231の接点231aに接触して(すなわち、接点231a,232aが閉状態となって)、電気ヒータ221に通電がなされるようになる。
【0070】
そして、ツマミ部254をさらに右方向に移動させるに従って(図15参照)、固定接点板231の接点231aに対する可動接点板232の接点232aの圧接力が強められ、その結果、接点231a,232aが開状態となる温度が上昇する。一方、ツマミ部254を少しだけ左側に移動させると、回動レバー251が軸252を中心として左方向に回動されると同時にサーモスタット230の搖動棒235eが同方向に回動される。そうすると、サーモスタット230において回転軸235bが下方向に移動し、その結果、可動接点板232が固定接点板側の反対方向に引き下げられる。このとき、固定接点板231の接点231aに対する可動接点板232の接点232aの圧接力が弱められ、その結果、接点231a,232aが開状態となる温度が低下する。
【0071】
なお、このグリル鍋100では、ツマミ部254が左端から右端まで移動されるとき、ツマミ部254が円弧軌道に沿って移動する。
【0072】
<保温プレート装着時の設定温度範囲制限>
本実施の形態に係るグリル鍋100では、本体200の上に保温プレート420が正常に載置されると、温度設定範囲制限機構260が動作して回動レバー251の操作領域が低温領域のみに制限される。なお、ここで、「本体200の上に保温プレート420が正常に載置される」状態とは、保温プレート420の円環状突起部422が、本体200の遮熱板240の円環溝Gcに完全に嵌まり込む状態をいう。
【0073】
以下、保温プレート装着時の設定温度範囲制限につき温度設定範囲制限機構260の動作を詳述する。
【0074】
本体200に保温プレート420が載置される前、コイルバネ262の付勢力によって、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から検知ピン261が突出した状態となっている(図4~7、図11および図12参照)。そして、本体200に保温プレート420が載置されると、保温プレート420の円環状突起部422が検知ピン261の上端に接触する。そして、このとき、本体200の回動レバー251が低温域に位置していると、検知ピン261が保温プレート420の重さによって下方に押し下げられ、それと連動してストッパ265も下方に移動し、ストッパ265がツマミ部254の側方に位置する状態になる(図16および図17参照)。ストッパ265がこの状態になると、このストッパ265により回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。一方、本体200の回動レバー251が中高温域に位置していると、図18および図19に示されるようにストッパ265がツマミ部254の上に乗った状態となり、検知ピン261が僅かしか移動せず、その結果、図19に示されるように保温プレート420が傾いたままの状態となる。保温プレート420がこの状態になると、使用者は、本体200の上から保温プレート420を取り外し、回動レバー251を低温域まで移動させてから、再び保温プレート420を本体200に載置する。すると、保温プレート420は上述の通り本体200に正常に載置される。
【0075】
<本発明の第1実施形態に係るグリル鍋の特徴>
(1)
本発明の第1実施形態に係るグリル鍋100では、本体200に保温プレート420が載置されたときのみ、温度設定範囲制限機構260が動作して回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。このため、このグリル鍋100では、保温プレート420の使用時に保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質してしまったりすることを防ぐことができる。
【0076】
(2)
本発明の第1実施形態に係るグリル鍋100では、本体200の回動レバー251が中高温域に位置している際に、本体200に保温プレート420が載置されると、ストッパ265がツマミ部254の上に乗った状態となり、検知ピン261が僅かしか移動せず、その結果、保温プレート420が傾いたままの状態となる。このため、使用者は、回動レバー251が中高温域に位置していることに気付くことができ、延いては使用者に対して、回動レバー251を低温域に移動させてから保温プレート420を本体200に載置させ直させることを促すことができる。
【0077】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係るグリル鍋100では遮熱板240の円環溝Gcの底壁に検知ピン挿通用の開口が形成されていたが、円環溝Gcを形成せずに遮熱板240の外縁の面位置を熱板220の面位置と合わせ、その外縁に検知ピン挿通用の開口を形成してもよい。かかる場合、保温プレート420の円環状突起部422を取り除き、保温プレート420の裏側を、遮熱板240の外縁の形状に沿う面形状とする。その一方、深鍋410や、野菜ゾーン付波形プレート、たこ焼きプレートの裏側には、下側に開口する環状溝を設けて、載置時に検知ピン261と接触しないようにする。
【0078】
(B)
先の実施の形態に係るグリル鍋100では、本体200に保温プレート420が正常に載置されている際、回動レバー251の操作領域が低温域に制限されたが、この際に回動レバー251の操作領域が中低温域に制限されてもよい。かかる場合、温度設定範囲制限機構260においてストッパ265の設置位置を調整するだけでよい。
【0079】
(C)
先の実施の形態に係るグリル鍋100では電気ヒータ埋設式の熱板220が採用されたが、これを電気ヒータのみとしてもかまわない。
【0080】
(D)
先の実施の形態に係るグリル鍋100では熱板220の下面およびサーモスタット230の上面の両面に接触するように感熱板290が配置されていたが、感熱板290は、熱板220の下面近傍に配置されてもかまわない。
【0081】
(E)
先の実施の形態では本発明をグリル鍋に適用した例が示されたが、本発明をホットプレートやフライヤー等、その他加熱調理器に適用してもよい。
【0082】
-第2実施形態-
本発明の第2実施形態に係るグリル鍋は、温度設定範囲制限機構の構造が異なること以外は第1実施形態に係るグリル鍋100と同じである。このため、本実施の形態に係るグリル鍋の説明において第1実施形態に係るグリル鍋100と同一の部材および部位等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0083】
<温度設定範囲制限機構の構造>
本実施の形態に係るグリル鍋の本体500の温度設定範囲制限機構560は、図20に示されるように、主に、固定ピン561、支持部(図示せず)、軸支部562および揺動棒563から構成されている。固定ピン561は、長尺の丸棒体であって、支持部により上下移動自在に支持されている。また、この固定ピン561は、図20~23に示されるように揺動棒563の先端部の上側に位置している。なお、ここで、固定ピン561は、コイルバネ等の付勢部材により上方に付勢されていない。支持部は、上述の通り、固定ピン561を上下移動自在に支持している。軸支部562は、図20および図21に示されるように回動レバー251の低温域の左端よりもさらに左側に配設されており、上端部において揺動棒563を軸支している。すなわち、揺動棒563は、軸支部562を中心として上下方向に揺動可能となっている。揺動棒563は、上述の通り、軸支部562によって基端側で軸支されている。なお、この揺動棒563は、回動レバー251が最高温度設定位置にあるときにでも、ツマミ部254に到達する長さとされている。
【0084】
そして、この温度設定範囲制限機構560では、本体500に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されていない場合、固定ピン561は、上下移動可能な状態となっている。このため、回動レバー251が中高温域で移動する際、ツマミ部254は、揺動棒563を押し上げながら移動することになる。なお、このとき、固定ピン561は、揺動棒563により上に持ち上げられて遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出する。一方、回動レバー251が中高温域から低温域へ移動させられる際、揺動棒563の先端部が下に落ちる状態となる。
【0085】
<保温プレート装着時の設定温度範囲制限>
本実施の形態に係るグリル鍋では、本体500の上に保温プレート420が正常に載置されると、固定ピン561が揺動棒563を下方に押し付けて揺動棒563を固定する状態となり、その結果、回動レバー251の操作領域が低温領域のみに制限される。なお、ここで、「本体500の上に保温プレート420が正常に載置される」状態とは、保温プレート420の円環状突起部422が、本体200の遮熱板240の円環溝Gcに完全に嵌まり込む状態をいう。
【0086】
以下、保温プレート装着時の設定温度範囲制限につき温度設定範囲制限機構260の機能を詳述する。
【0087】
本体500に保温プレート420が載置される前、固定ピン561は、上下移動可能な状態となっている。そして、本体500に保温プレート420が載置されると、保温プレート420の円環状突起部422が固定ピン561の上端に接触して固定ピン561の上昇を禁止する。なお、このとき、本体500の回動レバー251が低温域に位置していると、固定ピン561により揺動棒563の先端部が下方に向かって押し付けられ、揺動棒563が固定された状態となる(図22および図23参照)。揺動棒563がこの状態になると、この揺動棒563により回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。一方、本体500の回動レバー251が中高温域に位置していると、図20および図21に示されるように、保温プレート420の円環状突起部422が、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出している固定ピン561を押し下げる。このとき、揺動棒563が下方に向かって回動しながら回動レバー251を低温域へと移動させる。そして、回動レバー251が低温域に移動したとき、固定ピン561により揺動棒563が固定された状態となり、回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。
【0088】
<本発明の第2実施形態に係るグリル鍋の特徴>
(1)
本発明の第2実施形態に係るグリル鍋では、本体500に保温プレート420が載置されたときのみ、温度設定範囲制限機構560が機能して回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。このため、このグリル鍋では、保温プレート420の使用時に保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質してしまったりすることを防ぐことができる。
【0089】
(2)
本発明の第2実施形態に係るグリル鍋では、本体500の回動レバー251が中高温域に位置している際に、本体500に保温プレート420が載置されると、揺動棒563が下方に向かって回動しながらツマミ部254に当接して回動レバー251を低温域へと移動させる。このため、使用者は、本体500に保温プレート420を載置する際、ツマミ部254の位置を気にすることなく、回動レバー251の操作領域を低温域に制限することができる。
【0090】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係るグリル鍋では固定ピン561は上方に付勢されていなかったが、固定ピン561は、第1実施形態に係る検知ピン261と同様に上方に向かって付勢されてもかまわない。かかる場合、中高温域での回動レバー251の動きをよりスムースなものとすることができる。
【0091】
(B)
先の実施の形態に係るグリル鍋において揺動棒563は直棒状の部材であったが、揺動棒563はクランク形状を呈していてもよい。かかる場合、低温域と中高温域との境界に曲折部が位置するように形成されることが好ましい。
【0092】
(C)
先の実施の形態では特に言及されていなかったが、第2実施形態に係るグリル鍋に対して第1実施形態に係る変形例(A)~(E)が適用されてもよい。
【0093】
-第3実施形態-
本発明の第3実施形態に係るグリル鍋は、温度設定範囲制限機構の構造が異なること以外は第1実施形態に係るグリル鍋100と同じである。このため、本実施の形態に係るグリル鍋の説明において第1実施形態に係るグリル鍋100と同一の部材および部位等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
<温度設定範囲制限機構の構造>
本実施の形態に係るグリル鍋の本体の温度設定範囲制限機構660は、図24~27に示されるように、主に、固定ピン661、支持部662、連結板663、支点支持壁664、支点ピンPN、かさ歯車665、歯車軸支壁666およびかさ歯車付き制限レバー667から構成されている。固定ピン661は、長尺の丸棒体であって、支持部662により上下移動自在に支持されている。この固定ピン661の下端部には、図25に示されるように水平ピン661aが設けられている。水平ピン661aは、固定ピン661の下端部の外周面から固定ピン661の軸と直交する方向に向かって延びている。そして、この水平ピン661aは、連結板663の一方の端部に形成される端側横長孔Beに嵌め込まれている。なお、ここで、固定ピン661は、コイルバネ等の付勢部材により上方に付勢されていない。支持部662は、上述の通り、固定ピン661を上下移動自在に支持している。連結板663は、図24図25および図27に示されるように長板状の部材である。そして、この連結板663の一方の端部には端側横長孔Beが形成されており、他方の端部には端側丸孔Brが形成されており、中央部には中央横長孔Bcが形成されている。上述の通り、端側横長孔Beには、固定ピン661の水平ピン661aが嵌め込まれている。端側丸孔Brには、かさ歯車665の歯部の裏側に形成される連結ピン665bが嵌め込まれている。中央横長孔Bcには、支点ピンPNが嵌め込まれている。支点支持壁664は、図24図25および図27に示されるように遮熱板240の底壁部の下面から下方に向かって延びている。そして、この支点支持壁664には、支点ピンPNが固定的に取り付けられている。支点ピンPNは、上述の通り、支点支持壁664に固定的に取り付けられており、連結板663の中央横長孔Bcに嵌め込まれている。かさ歯車665は、回転軸が水平方向に沿うと共に、歯部がかさ歯車付き制限レバー667のかさ歯車部667bの歯部と噛み合う状態で、歯車軸支壁666に回転自在に軸支されている。また、上述の通り、このかさ歯車665の歯部の裏側には連結ピン665bが形成されており、この連結ピン665bは連結板663の端側丸孔Brに嵌め込まれている。歯車軸支壁666は、図24図25および図27に示されるように遮熱板240の底壁部の下面から下方に向かって延びており、上述の通り、かさ歯車665を回転自在に軸支している。かさ歯車付き制限レバー667は、図24図25および図27に示されるように、主に、円筒部667a、かさ歯車部667b、レバー部667cおよび制限壁部667dから形成されている。なお、このかさ歯車付き制限レバー667は、図24図25および図27に示されるように、回動レバー251の直下に配設されており、軸252によって回動レバー251と共に回転可能に軸支されている。すなわち、このかさ歯車付き制限レバー667は、回動レバー251の軌道面(平面)と平行な平面に沿って回動することができる。円筒部667aは、軸が回動レバー251の軸と一致しており、軸252によって回転可能に軸支されている。かさ歯車部667bは歯部を有し、その歯部はかさ歯車665の歯部と噛み合っている。レバー部667cは、略三角形状の板状部位であって、かさ歯車部667bの外周から半径方向に向かって延びている。制限壁部667dは、略長方形状の壁部であって、レバー部667cの側面から上方に向かって延びている。また、この制限壁部667dは、回動レバー251に対向する位置に位置している。そして、この制限壁部667dは、固定ピン661が上端位置に位置する際に最高温度設定位置に位置しており、固定ピン661が下端位置に位置する際に低温域と中温域の境界に位置する。
【0095】
そして、この温度設定範囲制限機構660では、本体に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されていない場合、固定ピン561は上下移動可能な状態となっている。固定ピン661が上端位置から下端位置まで押し下げられると、連結板663の端側横長孔Beの側の端部が降下すると同時に、連結板663の端側丸孔Brの側の端部が上昇する。この端側丸孔Brの側の端部の上昇に伴ってかさ歯車665が回転し、かさ歯車665の回転によりかさ歯車付き制限レバー667が回動移動する。この際、かさ歯車付き制限レバー667の制限壁部667dが、最高温度設定位置から低温域と中温域の境界にまで移動する。ところで、本体に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されておらず、固定ピン661が下端位置に位置している場合において、回動レバー251が最高温度設定位置まで移動させられると、回動レバー251がかさ歯車付き制限レバー667を上記とは逆の方向に回動させる。このかさ歯車付き制限レバー667の逆方向への回動に伴ってかさ歯車665が上記とは逆の方向に回転し、このかさ歯車665の逆回転によって連結板663の端側丸孔Brの側の端部が下降すると同時に、連結板663の端側横長孔Beの側の端部が上昇する。そして、この連結板663の端側横長孔Beの側の端部の上昇に伴って固定ピン661が上端位置まで上昇し、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出する。なお、このように固定ピン661が上端位置にある場合、回動レバー251は、最高温度設定位置に至るまでの間、制限壁部667dに当接せずに移動することになる。
【0096】
<保温プレート装着時の設定温度範囲制限>
本実施の形態に係るグリル鍋では、本体の上に保温プレート420が正常に載置されると、固定ピン661が下降してかさ歯車付き制限レバー667を固定する状態となり、その結果、回動レバー251の操作領域が低温領域のみに制限される。なお、ここで、「本体の上に保温プレート420が正常に載置される」状態とは、保温プレート420の円環状突起部422が、本体の遮熱板240の円環溝Gcに完全に嵌まり込む状態をいう。
【0097】
以下、保温プレート装着時の設定温度範囲制限につき温度設定範囲制限機構660の機能を詳述する。
【0098】
本体に保温プレート420が載置される前、固定ピン661は、上下移動可能な状態となっている。そして、本体に保温プレート420が載置されると、保温プレート420の円環状突起部422が固定ピン661の上端に接触して固定ピン661の上昇を禁止する。なお、このとき、本体の回動レバー251が低温域に位置していると、かさ歯車付き制限レバー667が固定された状態となり、制限壁部667dが低温域と中温域の境界に位置することになる。かさ歯車付き制限レバー667がこの状態になると、この制限壁部667dにより回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。一方、本体の回動レバー251が中高温域に位置していると、保温プレート420の円環状突起部422が、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出している固定ピン661を押し下げる。このとき、かさ歯車付き制限レバー667が低温域に向かって回動しながら制限壁部667dにより回動レバー251を低温域へと移動させる。そして、回動レバー251が低温域に移動したとき、かさ歯車付き制限レバー667が固定された状態となり、回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。
【0099】
<本発明の第3実施形態に係るグリル鍋の特徴>
(1)
本発明の第3実施形態に係るグリル鍋では、本体に保温プレート420が載置されたときのみ、温度設定範囲制限機構660が作動して回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。このため、このグリル鍋では、保温プレート420の使用時に保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質してしまったりすることを防ぐことができる。
【0100】
(2)
本発明の第3実施形態に係るグリル鍋では、本体の回動レバー251が中高温域に位置している際に、本体に保温プレート420が載置されると、かさ歯車付き制限レバー667が低温域に向かって回動しながら制限壁部667dにより回動レバー251を低温域へと移動させる。このため、使用者は、本体に保温プレート420を載置する際、ツマミ部254の位置を気にすることなく、回動レバー251の操作領域を低温域に制限することができる。
【0101】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係るグリル鍋では固定ピン661は上方に付勢されていなかったが、固定ピン661は、第1実施形態に係る検知ピン261と同様に上方に向かって付勢されてもかまわない。かかる場合、中高温域での回動レバー251の動きをよりスムースなものとすることができる。
【0102】
(B)
先の実施の形態に係るグリル鍋では、かさ歯車付き制限レバー667が回動レバー251の直下に配設されており、制限壁部667dが、レバー部667cの側面から上方に向かって延びていたが、かさ歯付き制限レバー667が回動レバー251の上側に配設されており、制限壁部667dが、レバー部667cの側面から下方に向かって延びていてもよい。
【0103】
(C)
先の実施の形態では特に言及されていなかったが、第3実施形態に係るグリル鍋に対して第1実施形態に係る変形例(A)~(E)が適用されてもよい。
【0104】
-第4実施形態-
本発明の第4実施形態に係るグリル鍋は、a)温度設定範囲制限機構の構造が異なること、および、b)回動レバー251の基端側から当接レバーが延びていること以外は第1実施形態に係るグリル鍋100と同じである。このため、本実施の形態に係るグリル鍋の説明において第1実施形態に係るグリル鍋100と同一の部材および部位等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0105】
<温度設定範囲制限機構の構造>
本実施の形態に係るグリル鍋の本体の温度設定範囲制限機構760は、図32図37に示されるように、主に、検知ピン761、支持部762、爪部763、ピストン764、上側ガイド部765A、下側ガイド部765B、第1コイルバネ766、第2コイルバネ767、第3コイルバネ768から構成されている。検知ピン761は、図35および図36に示されるように、長尺の丸棒体であって、支持部762、および、ガード本体211の底壁部211dから上方に向かって延びる突起部PRによって上下移動自在および軸回転自在に支持されている。また、この検知ピン761の下端部には、図35および図36に示されるように爪部763が固定的に取り付けられている。爪部763は、図35および図36に示されるように検知ピン761の下端部の外周面から検知ピン761の軸と直交する方向に向かって延びている。そして、この爪部763は、図35に示されるように、検知ピン761が上端位置にあるとき、ピストン764に設けられる爪受け部764bと係合可能な状態(爪受け部764bと対向する状態)となっている。一方、この爪部763は、図36に示されるように、検知ピン761が上端位置から下方に移動させられたとき、ピストン764の爪受け部764bから外れる。ピストン764は、図32図36に示されように、上側ガイド部765Aおよび下側ガイド部765Bにより、上側ガイド部765Aおよび下側ガイド部765Bの後側において前後方向に沿って出没可能に挟持されている。また、図32および図35に示されるように、このピストン764には、爪受け部764bが形成されている。なお、この爪受け部764bでは、図32に示されるように、爪部763を受容するための複数の凹部が前後方向に沿って直線状に配列されている。上側ガイド部765Aは、ピストン764の上側に配設される案内部位であって、上述の通りピストン764が前後方向に沿って移動可能となるようにピストン764を支持している。下側ガイド部765Bは、ピストン764の下側に配設されるモノレール状の案内部位であって、上述の通りピストン764が前後方向に沿って移動可能となるようにピストン764を支持している。第1コイルバネ766は、図35に示されるように爪部763とガード本体211の底壁部211dとの間において突起部PRを囲むように配設されており、爪部763を介して検知ピン761を上方に向かって付勢している。第2コイルバネ767は、図32図34に示されるように支持部762と爪部763とに架け渡されており、爪部763を左斜め後方に向かって付勢している。第3コイルバネ768は、図32に示されるように上側ガイド部765Aおよび下側ガイド部765Bの前側に位置するコイルバネ支持部SSと、ピストン764の前壁との間に配設されており、ピストン764を後方に向かって付勢している。
【0106】
そして、この温度設定範囲制限機構760では、本体に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されていない場合、検知ピン761は、第1コイルバネ766の付勢力によって、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出した状態となっている(図35参照)。この状態では、上述の通り、爪部763が、ピストン764の爪受け部764bに係止可能となっている。ここで、回動レバー251が高温域側に移動されると、回動レバー251に固定的に取り付けられている当接レバー790がピストン764の後端に当接し、そこからさらに回動レバー251を高温域側に移動させると、当接レバー790によってピストン764が前方に向かって押し込まれていく(図37参照)。なお、この際、ピストン760は、第3コイルバネ768の付勢力に抗して移動することになる。この際、ピストン764の爪受け部764bに爪部763が係止される。このため、ある時点で回動レバー251が低温域に移動されても、ピストン764は上側ガイド部側に押し込まれた状態で維持される。そして、回動レバー251が高温域に位置している場合において検知ピン761が下方に向かって押し込まれると、爪部763がピストン764の爪受け部764bから外れて、ピストン764が、第3コイルバネ768によって後方に押し出され、当接レバー790に当接して回動レバー251を低温域に移動させる。
【0107】
<保温プレート装着時の設定温度範囲制限>
本実施の形態に係るグリル鍋では、本体700の上に保温プレート420が正常に載置されると、検知ピン761が下降して爪部763がピストン764の爪受け部764bに係止されることがない状態となる。その結果、回動レバー251が中高温域まで移動されても、付勢されたピストン760によって回動レバー251が低温域まで押し戻される状態となる。なお、ここで、「本体の上に保温プレート420が正常に載置される」状態とは、保温プレート420の円環状突起部422が、本体の遮熱板240の円環溝Gcに完全に嵌まり込む状態をいう。
【0108】
以下、保温プレート装着時の設定温度範囲制限につき温度設定範囲制限機構760の機能を詳述する。
【0109】
本体700に保温プレート420が載置される前、検知ピン761は、第1コイルバネ766の付勢力によって、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から検知ピン761が突出した状態となっている(図35参照)。そして、本体700に保温プレート420が載置されると、保温プレート420の円環状突起部422が検知ピン761の上端に接触して検知ピン761を下方に押し下げる。この結果、爪部763がピストン764の爪受け部764bが係止されない状態となる(図36参照)。なお、爪部763がこの状態となる前において、爪部763がピストン764の爪受け部764bに係止されていた場合、その爪受け部764bに対する爪部763の係止が解除され、第3コイルバネ768によりピストン764が後方に押し出される。そして、そのとき、回動レバー251が中高温域に位置していると、ピストン764の後端が当接レバー790に当接して回動レバー251を低温域に移動させる。なお、この後、回動レバー251が中高温域に移動されても、第3コイルバネ768により付勢されたピストン764により回動レバー251が低温域に押し戻される。一方、爪部763が上記の状態となる前において、爪部763がピストン764の爪受け部764bに係止されていなかった場合、回動レバー251が中高温域に移動されても、第3コイルバネ768により付勢されたピストン764により回動レバー251が低温域に押し戻される状態となる。
【0110】
<本発明の第4実施形態に係るグリル鍋の特徴>
(1)
本発明の第4実施形態に係るグリル鍋では、本体700に保温プレート420が載置されたときのみ、温度設定範囲制限機構760が動作し、回動レバー251が中高温域へ移動されても、第3コイルバネ768により付勢されたピストン764により回動レバー251が低温域に押し戻される。このため、このグリル鍋では、保温プレート420の使用時に保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質してしまったりすることを防ぐことができる。
【0111】
(2)
本発明の第4実施形態に係るグリル鍋では、本体700の回動レバー251が中高温域に位置している際に、本体700に保温プレート420が載置されると、ピストン764の後端が当接レバー790に当接して回動レバー251を低温域に移動させる。このため、使用者は、本体700に保温プレート420を載置する際、ツマミ部254の位置を気にすることなく、回動レバー251の操作領域を低温域に制限することができる。
【0112】
<変形例>
先の実施の形態では特に言及されていなかったが、第4実施形態に係るグリル鍋に対して第1実施形態に係る変形例(A)~(E)が適用されてもよい。
【0113】
-第5実施形態-
本発明の第5実施形態に係るグリル鍋は、a)温度設定範囲制限機構の構造が異なること、および、b)ツマミ部254の上側に係止片が設けられていること、c)ツマミ部254が第2コイルバネで低温設定側に付勢されていること以外は第1実施形態に係るグリル鍋100と同じである。このため、本実施の形態に係るグリル鍋の説明において第1実施形態に係るグリル鍋100と同一の部材および部位等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0114】
<温度設定範囲制限機構の構造>
本実施の形態に係るグリル鍋の本体の温度設定範囲制限機構860は、図38および図39に示されるように、主に、検知ピン261、コイルバネ262、支持部263、アーム部264、ストッパ265、上側係止壁865およびツマミ部付勢用コイルバネ866から構成されている。検知ピン、コイルバネ262、支持部263、アーム部264およびストッパ265は第1実施形態に係るものと同一物であるため、ここでは、その説明を省略する。上側係止壁865は、平面視において円弧状を呈する壁であって、図38および図39に示されるようにツマミ部254の上側に配設されている。そして、図39に示されるように、この上側係止壁865の下側には爪受け部865aが形成されている。なお、この爪受け部865aでは、図39に示されるようにツマミ部254の上側に突起する爪部254cを受容するための複数の凹部が配列されている。ツマミ部付勢用コイルバネ866は、図38および図39に示されるようにツマミ部254を低温域側および上側(すなわち、斜め上方)に向かって付勢している。
【0115】
そして、この温度設定範囲制限機構860では、本体に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されていない場合、検知ピン761は、第1コイルバネ766の付勢力によって、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出している。しかし、本実施の形態に係るグリル鍋において本体に保温プレート420が載置されたとき、検知ピン261は、保温プレート420の裏側に設けられる円環状突起部422により下方に押し下げられる。このとき、アーム部264およびストッパ265も、検知ピン261と同時に下方に押し下げられる。一方、本体に深鍋410が載置されたとき、深鍋の裏側部位は検知ピン261に当接せず、検知ピン261を押し下げることはない。なお、野菜ゾーン付波形プレート(図示せず)およびたこ焼きプレート(図示せず)も、深鍋410と同様に、本体に載置された際に検知ピン261を押し下げることはない。
【0116】
<保温プレート装着時の設定温度範囲制限>
本実施の形態に係るグリル鍋では、本体の上に保温プレート420が正常に載置されると、温度設定範囲制限機構860が動作して回動レバー251の操作領域が低温領域のみに制限される。なお、ここで、「本体の上に保温プレート420が正常に載置される」状態とは、保温プレート420の円環状突起部422が、本体の遮熱板240の円環溝Gcに完全に嵌まり込む状態をいう。
【0117】
以下、保温プレート装着時の設定温度範囲制限につき温度設定範囲制限機構860の動作を詳述する。
【0118】
本体に保温プレート420が載置される前、コイルバネ262の付勢力によって、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から検知ピン261が突出した状態となっている。そして、本体に保温プレート420が載置されると、保温プレート420の円環状突起部422が検知ピン261の上端に接触する。そして、このとき、本体の回動レバー251が低温域に位置していると、検知ピン261が保温プレート420の重さによって下方に押し下げられ、それと連動してストッパ265も下方に移動し、ストッパ265がツマミ部254の側方に位置する状態になる。ストッパ265がこの状態になると、このストッパ265により回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。一方、本体の回動レバー251が中高温域に位置していると、ストッパ265がツマミ部254を下方に押し下げる。この際、爪受け部865aに対する爪部254cの係止が解除されると共に、ツマミ部付勢用コイルバネ866によってツマミ部254すなわち回動レバー251が最低温度設定位置(通電オフ位置でもよい。)まで引き戻され、さらにその後、ストッパ265がツマミ部254の側方に位置する状態になる。ストッパ265がこの状態になると、このストッパ265により回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。
【0119】
<本発明の第5実施形態に係るグリル鍋の特徴>
(1)
本発明の第5実施形態に係るグリル鍋では、本体に保温プレート420が載置されたときのみ、温度設定範囲制限機構860が動作して回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。このため、このグリル鍋では、保温プレート420の使用時に保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質してしまったりすることを防ぐことができる。
【0120】
(2)
本発明の第5実施形態に係るグリル鍋では、本体の回動レバー251が中高温域に位置している際に、本体に保温プレート420が載置されると、ストッパ265がツマミ部254を下方に押し下げる。そして、この際、爪受け部865aに対する爪部254cの係止が解除されると共に、ツマミ部付勢用コイルバネ866によってツマミ部254すなわち回動レバー251が最低温度設定位置(通電オフ位置でもよい。)まで引き戻され、さらにその後、ストッパ265がツマミ部254の側方に位置する状態になる。このため、使用者は、本体500に保温プレート420を載置する際、ツマミ部254の位置を気にすることなく、回動レバー251の操作領域を低温域に制限することができる。
【0121】
<変形例>
先の実施の形態では特に言及されていなかったが、第5実施形態に係るグリル鍋に対して第1実施形態に係る変形例(A)~(E)が適用されてもよい。
【0122】
-第6実施形態-
本発明の第6実施形態に係るグリル鍋は、a)温度設定範囲制限機構の構造が異なること、および、b)回動レバー251の基端側から当接レバーが延びていること以外は第1実施形態に係るグリル鍋100と同じである。このため、本実施の形態に係るグリル鍋の説明において第1実施形態に係るグリル鍋100と同一の部材および部位等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0123】
<温度設定範囲制限機構の構造>
本実施の形態に係るグリル鍋の本体900の温度設定範囲制限機構960は、図40および図41に示されるように、主に、固定ピン961、支持部962、連結棒963および制限レバー964から構成されている。なお、本実施の形態に係るグリル鍋において、これらの構成部材961,962,963,964はリンク機構を構成している。固定ピン961は、図40および図41に示されるように、長尺の丸棒体であって、支持部962によって上下移動自在に支持されている。また、この固定ピン961の下端部には、図41に示されるように連結棒963が取り付けられている。なお、ここで、固定ピン961は、コイルバネ等の付勢部材により上方に付勢されていない。連結棒963は、図40および図41に示されるように固定ピン961の下端部および制限レバー964の後端部に取り付けられている。制限レバー964は、長尺の長板であって、当接レバー990を高温域から低温域に押し戻すのに必要な長さを有している。そして、この制限レバー964は、図40に示されるように支点軸964aにより回動自在に軸支されている。なお、この制限レバー964の軌道面(平面)は、制限レバー964が当接レバーに当接可能であることを前提として、当接レバーの軌道面(平面)と同一平面上にあってもよいし、当接レバーの軌道面と平行な平面上にあってもよい。
【0124】
そして、この温度設定範囲制限機構960では、本体に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されていない場合、固定ピン961は、上下移動可能な状態となっている。固定ピン961が上端位置から下端位置まで押し下げられると、図41に示されるように連結棒963の固定ピン側の端部が下方に移動すると共に、図40および図41に示されるように制限レバー964が底面視において右側に回動する。ところで、本体900に深鍋410や保温プレート420等の容器が載置されておらず、固定ピン661が下端位置に位置している場合において、回動レバー251が最高温度設定位置まで移動させられると、回動レバー251が制限レバー964を上記とは逆の方向すなわち左側に回動させる。この制限レバー964の逆方向への回動に伴って固定ピン961が上端位置まで上昇し、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出する。なお、このように固定ピン961が上端位置にある場合、回動レバー251は、最高温度設定位置に至るまでの間、制限レバー964に当接せずに移動することになる。
【0125】
<保温プレート装着時の設定温度範囲制限>
本実施の形態に係るグリル鍋では、本体900の上に保温プレート420が正常に載置されると、固定ピン961が下降して制限レバー964を固定する状態となり、その結果、回動レバー251の操作領域が低温領域のみに制限される。なお、ここで、「本体900の上に保温プレート420が正常に載置される」状態とは、保温プレート420の円環状突起部422が、本体の遮熱板240の円環溝Gcに完全に嵌まり込む状態をいう。
【0126】
以下、保温プレート装着時の設定温度範囲制限につき温度設定範囲制限機構960の機能を詳述する。
【0127】
本体900に保温プレート420が載置される前、固定ピン961は、上下移動可能な状態となっている。そして、本体900に保温プレート420が載置されると、保温プレート420の円環状突起部422が固定ピン961の上端に接触して固定ピン961の上昇を禁止する。なお、このとき、本体900の回動レバー251が低温域に位置していると、制限レバー964が固定された状態となり、制限レバー964が低温域と中温域の境界に位置することになる。制限レバー964がこの状態になると、この制限レバー964により回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。一方、本体900の回動レバー251が中高温域に位置していると、保温プレート420の円環状突起部422が、遮熱板240の円環溝Gcの底壁の開口から突出している固定ピン961を押し下げる。このとき、制限レバー964が底面視における右側に向かって回動しながら回動レバー251を低温域へと移動させる。そして、回動レバー251が低温域に移動したとき、制限レバー964が固定された状態となり、回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。
【0128】
<本発明の第6実施形態に係るグリル鍋の特徴>
(1)
本発明の第6実施形態に係るグリル鍋では、本体900に保温プレート420が載置されたときのみ、温度設定範囲制限機構960が作動して回動レバー251の中高温域への移動が禁止される。このため、このグリル鍋では、保温プレート420の使用時に保温対象の調理物が焦げ付いたり、急速に変質してしまったりすることを防ぐことができる。
【0129】
(2)
本発明の第6実施形態に係るグリル鍋では、本体900の回動レバー251が中高温域に位置している際に、本体900に保温プレート420が載置されると、制限レバー964が底面視における右側に向かって回動しながら回動レバー251を低温域へと移動させる。このため、使用者は、本体に保温プレート420を載置する際、ツマミ部254の位置を気にすることなく、回動レバー251の操作領域を低温域に制限することができる。
【0130】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係るグリル鍋では検知ピン961は上方に付勢されていなかったが、検知ピン961は、第1実施形態に係る検知ピン261と同様に上方に向かって付勢されてもかまわない。かかる場合、中高温域での回動レバー251の動きをよりスムースなものとすることができる。
【0131】
(B)
先の実施の形態では特に言及されていなかったが、第6実施形態に係るグリル鍋に対して第1実施形態に係る変形例(A)~(E)が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0132】
100 グリル鍋(加熱調理器)
220 熱板(加熱部)
230 サーモスタット(回転式温度調節器)
231a 接点
235b 回転軸(回転体)
251 回動レバー
252 軸(第1軸,第2軸)
254c 爪部(突起部)
261 検知ピン(移動部材)
262 コイルバネ(付勢部材)
265 ストッパ(回動範囲制限部材)
290 感熱板(感熱部)
410 深鍋(第2被加熱容器)
420 保温プレート(第1被加熱容器)
422 円環状突起部(当接部)
562 軸支部
563 揺動棒(回動範囲制限部材)
660 温度設定範囲制限機構(運動変換機構)
667 かさ歯車付き制限レバー(回動範囲制限部材)
667d 制限壁部(制限壁)
760 温度設定範囲制限機構(押戻機構)
763 爪部
764 ピストン(回動範囲制限部材)
764b 爪受け部
765A 上側ガイド部(ガイド部)
765B 下側ガイド部(ガイド部)
766 第1コイルバネ(第1付勢部材)
768 第3コイルバネ(第2付勢部材)
790 当接レバー
865a 爪受け部(段階移動レール部)
960 温度設定範囲制限機構(運動変換機構)
964 制限レバー(回動範囲制限部材)
964a 支点軸(第2軸)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図20
図21
図22
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図30
図31
図32
図33
図34
図35
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図39
図40
図41