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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/50 20060101AFI20220810BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20220810BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20220810BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20220810BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20220810BHJP
   H01M 8/043 20160101ALI20220810BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20220810BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220810BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220810BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220810BHJP
   B60Q 5/00 20060101ALI20220810BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20220810BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
B60L50/70
B60L3/00 S
H01M8/00 Z
H01M8/00 A
H01M8/04537
H01M8/043
H01M8/04228
H01M8/04 Z
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
B60Q5/00 610Z
B60Q5/00 640Z
B60Q5/00 660Z
B60Q5/00 620Z
H01M8/10 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018179408
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020050041
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】平光 雄介
(72)【発明者】
【氏名】星川 淳
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-511903(JP,A)
【文献】特開2004-187385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0267117(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
B60L 50/40
B60L 3/00
H01M 8/00
H01M 8/04537
H01M 8/043
H01M 8/04228
H01M 8/04
H01M 10/48
H01M 10/44
B60Q 5/00
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス及び酸化ガスが供給されて発電する燃料電池を備えた電動車両であって、
前記燃料電池が発電した電力を充電する二次電池と、
前記二次電池の充電状態を車外に表示する表示手段と、
前記電動車両の停車中に、前記燃料電池に発電させ、前記二次電池の充電状態を前記表示手段に表示させる制御装置と、を備え
前記表示手段は、車外に向けて光を発する複数の光源を備え、
前記制御装置は、前記二次電池の充電率に応じた個数の前記光源を点灯させ、前記燃料電池の出力に応じて点滅の間隔を変えて、前記光源を点滅させる
ことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
請求項に記載の電動車両において、
前記制御装置は、前記二次電池が満充電になったら、前記燃料電池を停止させるとともに前記光源を全て点灯させる
ことを特徴とする電動車両。
【請求項3】
請求項に記載の電動車両において、
前記制御装置は、前記光源を全て点灯させてから所定時間を経過した後に前記光源を全て消灯させる
ことを特徴とする電動車両。
【請求項4】
請求項から請求項の何れか一項に記載の電動車両において、
前記制御装置は、前記二次電池の充電量を複数の前記光源を備えた方向指示器により表示させ、前記二次電池が満充電になったことを車幅灯の点灯により表示させる
ことを特徴とする電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を備えた電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラグインハイブリッド車などの電動車両には、インストルメントパネルに充電量を表示するための計器や表示装置が設けられている。このような表示装置は、車内の搭乗者に向けて充電量を表示するものであるが、車外に向けて充電量を表示するものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような表示装置により、停車中に、充電プラグを車体の充電口に接続して外部電源から二次電池に充電するときなどに、電池残量を車外から把握することができる。
【0004】
しかしながら、停車中に、外部電源による充電ではなく、エンジンによりジェネレーターを駆動させ、ジェネレーターで発電された電力を充電する際には、上述したような表示装置を用いて充電状態を車外に表示することは困難である。停車中にエンジンを駆動させること(アイドリング運転)は、法規制により長時間続けられないからである。このように、停車中にエンジンを駆動させて充電させること自体が現実的でないため、そのときの充電状態を車外に表示することは考えられてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5632220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、停車中に燃料を消費して発電を行い二次電池に充電する際の充電状態を車外から把握することができる電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、燃料ガス及び酸化ガスが供給されて発電する燃料電池を備えた電動車両であって、前記燃料電池が発電した電力を充電する二次電池と、前記二次電池の充電状態を車外に表示する表示手段と、前記電動車両の停車中に、前記燃料電池に発電させ、前記二次電池の充電状態を前記表示手段に表示させる制御装置と、を備え、前記表示手段は、車外に向けて光を発する複数の光源を備え、前記制御装置は、前記二次電池の充電率に応じた個数の前記光源を点灯させ、前記燃料電池の出力に応じて点滅の間隔を変えて、前記光源を点滅させることを特徴とする電動車両にある。
【0008】
第1の態様では、停車中に、燃料電池を運転させて二次電池を充電させることができるとともに、二次電池の充電状態を表示手段により車外のユーザーに知らせることができる。これにより、ユーザーは、運転席に着席し、電動車両のイグニッションスイッチ等をオンにして、インストルメントパネルの計器類を確認する手間を省いて、燃料電池の発電状況、二次電池の充電状態を車外から一目で把握することができる。
また、第1の態様では、充電率に応じた個数の光源を点灯させることで、車外にいるユーザーに、燃料電池を運転して二次電池にどの程度充電されたかを視覚的に知らせることができる。
また、第1の態様では、点滅により燃料電池の出力の状況を把握できるので、例えば、燃料電池が最高効率運転をしているのか、又は最大出力運転をしているのかを把握することができ、その結果、ユーザーは、良好な燃費で二次電池に充電が行われている、又は急速に二次電池に充電が行われているかを知ることができる。
【0011】
本発明の第の態様は、第の態様に記載の電動車両において、前記制御装置は、前記二次電池が満充電になったら、前記燃料電池を停止させるとともに前記光源を全て点灯させることを特徴とする電動車両にある。
【0012】
の態様では、ユーザーは満充電になったことを容易に把握することができる。
【0013】
本発明の第の態様は、第の態様に記載の電動車両において、前記制御装置は、前記光源を全て点灯させてから所定時間を経過した後に前記光源を全て消灯させることを特徴とする電動車両にある。
【0014】
の態様では、満充電後に光源を点灯させ続けて電力を過剰に消費し続けることを防止できる。
【0017】
本発明の第の態様は、第から第の何れか一つの態様に記載の電動車両において、前記制御装置は、前記二次電池の充電量を複数の前記光源を備えた方向指示器により表示させ、前記二次電池が満充電になったことを車幅灯の点灯により表示させることを特徴とする電動車両にある。
【0018】
の態様では、既存の車幅灯や方向指示器を用いるので、表示手段を構成するためのコストを低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、停車中に燃料を消費して発電を行い二次電池に充電する際の充電状態を車外から把握することができる電動車両が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る電動車両の概略図である。
図2】実施形態に係る電動車両の制御装置の概略図である。
図3】二次電池の充電状態を表示するウィンカーを電動車両の後方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
【0022】
図1は本実施形態に係る電動車両の概略図であり、図2は本実施形態に係る電動車両の制御装置の概略図である。
【0023】
電動車両1は、燃料電池を搭載したプラグインハイブリッド電気自動車であり、車輪を駆動させるモーター2と、燃料電池3(図ではFCと略記している)と、二次電池4と、通信装置10と、制御装置20とを備えている。
【0024】
モーター2は、燃料電池3及び二次電池4からの電力によって、電動車両1の駆動輪を駆動するための駆動力(トルク)を発生する。また、モーター2は、減速時等には発電機として作動し回生力(トルク)を発生する。モーター2は、インバータ(図示せず)を介して燃料電池3及び二次電池4に接続されている。インバータは、燃料電池3で発電された直流電力や、二次電池4に充電された直流電力を交流電力に変換してモーター2に供給する。また、モーター2で発電された回生電力は、インバータにより直流電力に変換され二次電池4に充電される。
【0025】
燃料電池3は、燃料ガスとして水素と、酸化ガスとして空気が供給され、酸素と水素の電気化学反応によって発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池3の具体的な構成は特に限定はないが、ここでは、複数のセル(図示せず)が積層されたスタック構造を有する。各セルは、固体高分子電解質膜の両面にアノードとカソードとを配置した膜電極接合体と、膜電極接合体の外側に設けられたガス拡散層とを備えている。また、各セルのアノード及びカソードには、触媒として白金が含まれている。このようなセルがセパレータを介して複数積層されることでスタック構造の燃料電池3が形成されている。
【0026】
なお、特に図示しないが、電動車両1には、燃料電池3に燃料ガス(例えば、水素ガス)及び酸化ガス(例えば、電動車両1の外部から取り込んだ空気)を供給する供給手段が備わっている。
【0027】
二次電池4は、例えばリチウムイオン電池であり、燃料電池3で発電された電力やモーター2で発電された回生電力を充電する。また、二次電池4は、充電した電力を主としてモーター2に供給する。さらに、二次電池4は、SOC検出部(図示せず)を有している。SOC検出部は、二次電池4の充電状態であるSOC(State of Charge)を検出し、制御装置20に送信する。また、二次電池4は、電動車両1の外部に設置された外部給電装置5から充電可能となっている。
【0028】
電動車両1には、前部に車幅灯6が設けられ、後部にウィンカー7(方向指示器)が設けられている。これらは、車両一般に設けられる車幅灯、ウィンカーと同等の装置であるが、後述するように二次電池4の充電状態を車外に表示することが可能な表示手段としても機能する。
【0029】
通信装置10は、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/nなど)や4G通信規格等を介して、電動車両1のユーザーが所有する携帯端末11と相互にデータの送受信が可能な装置である。通信装置10は、制御装置20から二次電池4の充電状態に関する情報を与えられ、その情報を通信規格に則って携帯端末11に送信可能となっている。また、携帯端末11は、一般的なスマートフォンやタブレットなどである。詳細は後述するが、携帯端末11は、二次電池4の充電状態を表示する表示手段としても機能する。
【0030】
制御装置20は、本実施形態では、車両ECU21、FC-ECU22、モーターECU23、バッテリECU24を総称したものである。これらの各ECU(Electronic Control Unit)は、中央処理装置と主記憶装置とを備えるマイクロコンピューターによって構成されており、各種機器を制御する。
【0031】
車両ECU21は、FC-ECU22、モーターECU23、バッテリECU24を統括管理する。FC-ECU22は、燃料電池3の状態取得や、起動、停止などの動作制御を行う。モーターECU23は、モーター2やインバータを制御する。バッテリECU24は、二次電池4の管理や制御を行う。
【0032】
このような制御装置20は、モーター2、燃料電池3及び二次電池4、その他の装置(アクセルペダルやブレーキなど)の状態を把握し、それに応じて、モーター2の駆動・停止や燃料電池3の起動・停止、二次電池4の充放電を制御する。
【0033】
そして、制御装置20(車両ECU21)は、このような電動車両1の運転に関する制御の他に、二次電池4の充電状態を車外に表示するための制御を実行する。
【0034】
具体的には、制御装置20は、まず、電動車両1の停車中に、燃料電池3に発電させ、発電した電力を二次電池4に充電させる。電動車両1が停車中であるか否かの判定は、車速計により検出された車速がゼロである、パーキングブレーキにより車輪を制動しているなどの条件が成立しているかにより行う。
【0035】
制御装置20は、電動車両1が停車中であれば、燃料電池3に発電させる。すなわち、水素及び空気を燃料電池3に供給することで発電させる。例えば、燃料電池3に最高効率で出力させてもよいし、最高出力で運転させてもよい。前者のような出力をさせる燃料電池3の運転を最高効率運転と称し、後者のような出力をさせる燃料電池3の運転を最大出力運転と称する。
【0036】
最高効率運転は、二次電池4の充電を急がず、水素の消費量を抑えるのに有用であり、最大出力運転は、二次電池4の充電を急ぐ場合に有用である。例えば、二次電池4のSOCが所定値未満であれば最大出力運転、所定値以上であれば最高効率運転にするといった運転態様が好ましい。もちろん、これらの最高効率運転及び最大出力運転に限らず、任意の出力で燃料電池3を運転させてもよい。また、制御装置20が出力を設定するのではなく、ユーザーが設定できるようにしてもよい。
【0037】
次に、制御装置20は、二次電池4の充電状態を得て、表示手段である車幅灯6、ウィンカー7及び携帯端末11に充電状態を表示する。
【0038】
本実施形態でいう二次電池4の充電状態とは、二次電池4のSOC、普通充電又は急速充電を行っているか、満充電までに要する時間、充電に要した燃料の消費量(当該消費量に係る費用でもよい)など、充電に関する情報である。
【0039】
二次電池4のSOCは、上述したSOC検出部により取得する。普通充電又は急速充電を行っているかは、燃料電池3の出力に応じて制御装置20が判断する。例えば、燃料電池3が最高出力運転していれば、制御装置20は急速充電を行っていると判断し、最高出力運転以外であれば制御装置20は普通充電を行っていると判断する。
【0040】
また、制御装置20は、現在のSOC及び単位時間あたりの二次電池4への充電量から、停車して充電を開始してから満充電までに要する時間(以下、充電時間)を計算する。さらに、制御装置20は、充電時間の間に消費した水素の消費量を、燃料電池3に水素を供給する装置に設けたセンサー等から取得する。この水素の消費量に水素の単価を掛けることで、消費した水素に要した費用も計算できる。
【0041】
制御装置20は、このようにして得た二次電池4の充電状態を表示手段に表示する。図3は、二次電池の充電状態を表示するウィンカーを電動車両の後方から見た平面図である。
【0042】
ウィンカー7は、電動車両1の幅方向に並設される複数の光源9(例えば、発光ダイオードなど)を備えている。複数の光源9は、制御装置20の制御により点灯又は消滅される。
【0043】
まず、ウィンカー7による左折・右折する際の動作について説明する。制御装置20は、運転席に設けられたウィンカー7を機能させるためのレバー等(図示せず)が操作されたとき、ウィンカー7を点灯・点滅させる。例えば、ユーザーが左折するためにレバーを操作したとき、左側のウィンカー7を構成する光源9を車幅方向の内側から外側に順次点滅させ、複数の光源9を流れるように点灯させる。ユーザーが右折するためのレバーを操作したときも右側のウィンカー7について同様に点灯させる。
【0044】
このようなウィンカー7を二次電池4の充電状態を表示するための動作について説明する。制御装置20は、二次電池4のSOCに応じた個数の光源9を点灯させる。図3に示した例では、左右のウィンカー7を構成する光源9は、合計10個ある。したがって、一個の光源9につき10%分の充電率を表すようにする。例えば、充電率が0以上10%未満であれば最も左の光源9を一つ点灯させる。充電率が10%以上20%未満であれば、最も左から2つの光源9を点灯させる。途中は省略するが、充電率が90%以上100%以下であれば全ての光源9を点灯させる。
【0045】
このように充電率に応じた個数の光源9を点灯させることで、車外にいるユーザーに、燃料電池3を運転して二次電池4にどの程度充電されたかを視覚的に知らせることができる。
【0046】
ウィンカー7の構成はこのような態様に限定されない。光源9の個数は上述した10個に限定されない。また、単一の光源9からなるウィンカー7であっても、適宜、充電率に応じて光源9を点灯させることで充電率を表示するようにしてもよい。例えば、左右二つのウィンカー7の光源9が点灯していれば、75%以上の充電率であることを表すようにしてもよい。一方が点灯・他方が消灯していれば、30%以上75%未満の充電率であることを表すようにしてもよい。何れも消灯していれば、30%未満の充電率であることを表すようにしてもよい。もちろん、これらの数値は一例にすぎない。
【0047】
制御装置20は、二次電池4が満充電になったら、燃料電池3を停止させるとともに、上述したように全ての光源9を点灯させる。または、車幅灯6を点灯させてもよい。これにより、ユーザーは、満充電になったことを車幅灯6により容易に把握することができる。
【0048】
また、制御装置20は、満充電を知らせるために光源9を全て点灯させ、又は車幅灯6を点灯させてから所定時間経過した後に、それらを全て消灯させる。これにより、満充電後に光源9や車幅灯6を点灯させ続けて電力を過剰に消費し続けることを防止できる。
【0049】
さらに、制御装置20は、燃料電池3の出力に応じて、点滅の間隔を変え、光源9を点滅させてもよい。例えば、最高効率運転をしているときは、光源9を相対的にゆっくり点滅させる。一方、最大出力運転をしているときは、光源9を相対的に早く点滅させる。これにより、充電が効率的に行われているのか、それとも、急速に行われているのかを車外のユーザーに知らせることができる。
【0050】
もちろん、最高効率運転及び最大出力運転のみを点滅により表示する場合に限定されない。例えば、燃料電池3の出力に比例するように点滅間隔を設定して光源9を点滅させてもよい。また、複数の色を発色できるウィンカー7であれば、最高効率運転又は最大出力運転のどちらで運転しているかに応じて異なる色を発色させることで、燃料電池の運転態様を車外のユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0051】
以上に説明したように、本実施形態に係る電動車両1によれば、停車中に、燃料電池3を運転させて二次電池4を充電させることができるとともに、二次電池4の充電状態を車幅灯6やウィンカー7により車外のユーザーに知らせることができる。これにより、ユーザーは、運転席に着席し、電動車両1のイグニッションスイッチ等をオンにして、インストルメントパネルの計器類を確認する手間を省いて、燃料電池3の発電状況、二次電池4の充電状態を車外から一目で把握することができる。
【0052】
また、既存の車幅灯6やウィンカー7を用いるので、表示手段を構成するためのコストを低減することができる。
【0053】
なお、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0054】
例えば、複数の色を発色できるウィンカー7であれば、充電率に応じて異なる色を発色させることで、充電率を車外のユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0055】
また、表示手段として画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示装置を採用してもよい。このような表示装置を車外から視認できるように車体(車体外部でもよいし車室内でもよい)に設け、この表示装置に充電状態を画像として表示させてもよい。
【0056】
さらに、制御装置20は、通信装置10を介して携帯端末11に充電状態を送信し、携帯端末11の表示部にその充電状態を表示するようにしてもよい。
【0057】
具体的には、制御装置20は、二次電池4のSOC、燃料電池3が普通充電又は急速充電を行っているか(最高効率運転又は最大出力運転を行っているか)、満充電までに要する時間、充電に要した燃料の消費量(当該消費量に係る費用)を表す情報を通信装置10を介して携帯端末11に送信する。そして、携帯端末11では、これらの情報を液晶ディスプレイなどの表示部に表示する。
【0058】
さらに、表示手段として車外に向けて音を発するスピーカーを用いてもよい。制御装置20は、上述した充電状態を音又は音声としてスピーカーから出力させる。これにより、車外のユーザーに、二次電池4の充電状態を知らせることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…電動車両、2…モーター、3…燃料電池、4…二次電池、6…車幅灯(表示手段)、7…ウィンカー(表示手段)、9…光源、10…通信装置、11…携帯端末(表示手段)、20…制御装置
図1
図2
図3