IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 暮らしの科学研究所株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-室内環境制御システム 図1
  • 特許-室内環境制御システム 図2
  • 特許-室内環境制御システム 図3
  • 特許-室内環境制御システム 図4
  • 特許-室内環境制御システム 図5
  • 特許-室内環境制御システム 図6
  • 特許-室内環境制御システム 図7
  • 特許-室内環境制御システム 図8
  • 特許-室内環境制御システム 図9
  • 特許-室内環境制御システム 図10
  • 特許-室内環境制御システム 図11
  • 特許-室内環境制御システム 図12
  • 特許-室内環境制御システム 図13
  • 特許-室内環境制御システム 図14
  • 特許-室内環境制御システム 図15
  • 特許-室内環境制御システム 図16
  • 特許-室内環境制御システム 図17
  • 特許-室内環境制御システム 図18
  • 特許-室内環境制御システム 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】室内環境制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20220810BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220810BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20220810BHJP
【FI】
A61L9/00 Z
F24F7/007 B
F24F8/80 145
F24F8/80 150
F24F8/80 155
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017206687
(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公開番号】P2019076525
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】511240357
【氏名又は名称】暮らしの科学研究所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】野崎 淳夫
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-145278(JP,A)
【文献】特開2014-110857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00- 9/22
F24F 7/007
F24F 8/00- 8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象となる室内空間の環境情報として少なくとも空気質及び温湿度を取得する環境情報取得手段と、
前記室内空間並びに当該室内空間に設置される環境機器及び前記環境機器以外の備品の構成情報を取得する構成情報取得手段と、
前記各情報取得手段から取得された環境情報及び構成情報に基づいて当該室内空間内で生成可能な気流パターンを解析する気流解析部を有し、前記気流解析部による解析結果に基づいて目標とする気流パターンが得られるように少なくとも前記環境機器の設置位置及び運転条件を制御する制御手段と、を備え、
前記環境機器は少なくとも清浄フィルタ及び室内空間の汚染物質に適した薬剤を供給する薬剤供給機構を有する空気清浄装置を含み、
前記制御手段は、前記空気清浄装置の仕様として、目標とする気流パターンが生成可能な位置及び運転制御プログラムの内容を決定することに加えて、前記清浄フィルタの仕様、前記薬剤供給機構の仕様をも決定する
ことを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項2】
請求項に記載の室内環境制御システムにおいて、
前記構成情報取得手段は、前記室内空間の構成情報として、室内空間の形状、容積及び使用建材の物理的化学的特性を含み、前記室内空間に設置される備品の構成情報としては、前記環境機器の位置及び性能情報を含み、前記環境機器以外の備品については位置及び占有領域情報を含むことを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の室内環境制御システムにおいて、
前記構成情報取得手段は、前記室内空間の形状、容積を取得する上で三次元撮影可能な撮像器具及び室内空間の基準面に設置される寸法特定のためのスケールを備えていることを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれかに記載の室内環境制御システムにおいて、
前記室内空間に相互に通信可能な複数の環境機器を備え、
前記制御手段は、複数の環境機器が連携する条件を予め決めておき、複数の環境機器を相互通信させながら連携稼動させることを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の室内環境制御システムにおいて、
前記室内空間に一若しくは複数の環境機器を備え、当該環境機器にはリアルタイムで環境情報が取得可能な前記環境情報取得手段を搭載させ、
前記制御手段は前記環境機器に搭載された環境情報取得手段からの環境情報の変化に基づいて前記環境機器の少なくとも運転条件をリアルタイムで制御することを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれかに記載の室内環境制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記環境情報取得手段及び前記構成情報取得手段から取得した各情報に基づいて前記気流解析部による解析を実行し、当該気流解析部による解析結果に基づいて前記環境機器の位置及び運転条件を決定する主制御装置と、前記主制御装置にて決定した前記環境機器の少なくとも設置位置及び運転条件を含む仕様情報を受け取り、これらの仕様情報に基づく運転制御プログラムを対応する環境機器にインストール可能な個別端末と、を備えたことを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項7】
請求項に記載の室内環境制御システムにおいて、
前記室内空間に一若しくは複数の環境機器を備え、当該環境機器にはリアルタイムで環境情報が取得可能な前記環境情報取得手段を搭載させ、
前記環境機器に搭載された環境情報取得手段からの環境情報の変化に基づいて前記環境機器にインストールされた運転制御プログラムが更新されることを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項8】
請求項6に記載の室内環境制御システムにおいて、
前記個別端末は、前記構成情報取得手段からの構成情報の変化に基づいて前記空気清浄装置の最適な位置を求めて表示することを特徴とする室内環境制御システム。
【請求項9】
請求項6に記載の室内環境制御システムにおいて、
前記個別端末は、前記環境機器に搭載された前記環境情報取得手段からの環境情報を通信可能に受信し、室内空間の環境情報を表示することを特徴とする室内環境制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間に空気清浄機、空気調和機などの環境機器を設置する上で快適な室内環境を適切に提供する室内環境制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるこの種の室内環境制御システムとしては例えば特許文献1,2のものが既に知られている。
特許文献1には、清浄部材による清浄処理対象とは異なる捕捉対象として当該清浄処理前の空気に含まれて人体に影響するガス状又は浮遊粒子状の因子物質が許容範囲外に至る前段階から監視可能に捕捉される捕捉部材、を備え、捕捉部材は、清浄装置本体に取り外し自在に設けられ、清浄部材とは別に配置されてガス状又は浮遊粒子状の因子物質を累積的に捕集する捕集部材であり、清浄部材による清浄処理を施すことが可能な状態で、当該捕集部材に捕集されている因子物質を定性、定量するときに清浄装置本体から一時的に取り外される空気清浄装置と、捕捉部材にて捕捉した因子物質情報を管理し、管理した因子物質情報がどのような状態であるかを監視する情報監視装置と、を備えた空気清浄監視システムが開示されている。
特許文献2には、汚染物質を回収する回収器と、回収器外又は回収器内に生活空間に存在する汚染物質を処理するための処理剤が供給される処理剤供給手段と、処理剤供給手段にて処理剤が供給された状態で生活空間に対し回収器に向かう気流を形成し、供給された処理剤と汚染物質とが付着した状態で回収器に回収されるように気流に乗せて生活空間の汚染物質を回収器に搬送する気流形成手段と、気流形成手段により形成された気流に乗って回収器に回収された処理剤が付着した汚染物質を回収器外に廃棄する廃棄手段と、を備える汚染物質処理装置、並びに、これを用いた空気清浄維持システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5905850号公報(発明を実施するための形態,図1
【文献】特開2014-110857号公報(発明を実施するための形態,図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、室内空間に設置される環境機器を有効に利用し、快適な室内環境を適切に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の技術的特徴は、制御対象となる室内空間の環境情報として少なくとも空気質及び温湿度を取得する環境情報取得手段と、前記室内空間並びに当該室内空間に設置される環境機器及び前記環境機器以外の備品の構成情報を取得する構成情報取得手段と、前記各情報取得手段から取得された環境情報及び構成情報に基づいて当該室内空間内で生成可能な気流パターンを解析する気流解析部を有し、前記気流解析部による解析結果に基づいて目標とする気流パターンが得られるように少なくとも前記環境機器の設置位置及び運転条件を制御する制御手段と、を備え、前記環境機器は少なくとも清浄フィルタ及び室内空間の汚染物質に適した薬剤を供給する薬剤供給機構を有する空気清浄装置を含み、前記制御手段は、前記空気清浄装置の仕様として、目標とする気流パターンが生成可能な位置及び運転制御プログラムの内容を決定することに加えて、前記清浄フィルタの仕様、前記薬剤供給機構の仕様をも決定することを特徴とする室内環境制御システムである。
【0006】
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた室内環境制御システムにおいて、前記構成情報取得手段は、前記室内空間の構成情報として、室内空間の形状、容積及び使用建材の物理的化学的特性を含み、前記室内空間に設置される備品の構成情報としては、前記環境機器の位置及び性能情報を含み、前記環境機器以外の備品については位置及び占有領域情報を含むことを特徴とする室内環境制御システムである。
本発明の第の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた室内環境制御システムにおいて、前記構成情報取得手段は、前記室内空間の形状、容積を取得する上で三次元撮影可能な撮像器具及び室内空間の基準面に設置される寸法特定のためのスケールを備えていることを特徴とする室内環境制御システムである。
【0007】
本発明の第の技術的特徴は第1乃至第の技術的特徴のいずれかを備えた室内環境制御システムにおいて、前記室内空間に相互に通信可能な複数の環境機器を備え、前記制御手段は、複数の環境機器が連携する条件を予め決めておき、複数の環境機器を相互通信させながら連携稼動させることを特徴とする室内環境制御システムである。
本発明の第の技術的特徴は、第1乃至第4の技術的特徴のいずれかを備えた室内環境制御システムにおいて、前記室内空間に一若しくは複数の環境機器を備え、当該環境機器にはリアルタイムで環境情報が取得可能な前記環境情報取得手段を搭載させ、前記制御手段は前記環境機器に搭載された環境情報取得手段からの環境情報の変化に基づいて前記環境機器の少なくとも運転条件をリアルタイムで制御することを特徴とする室内環境制御システムである。
本発明の第の技術的特徴は、第1乃至第の技術的特徴のいずれかを備えた室内環境制御システムにおいて、前記制御手段は、前記環境情報取得手段及び前記構成情報取得手段から取得した各情報に基づいて前記気流解析部による解析を実行し、当該気流解析部による解析結果に基づいて前記環境機器の位置及び運転条件を決定する主制御装置と、前記主制御装置にて決定した前記環境機器の少なくとも設置位置及び運転条件を含む仕様情報を受け取り、これらの仕様情報に基づく運転制御プログラムを対応する環境機器にインストール可能な個別端末と、を備えたことを特徴とする室内環境制御システムである。
本発明の第の技術的特徴は、第の技術的特徴を備えた室内環境制御システムにおいて、前記室内空間に一若しくは複数の環境機器を備え、当該環境機器にはリアルタイムで環境情報が取得可能な前記環境情報取得手段を搭載させ、前記環境機器に搭載された環境情報取得手段からの環境情報の変化に基づいて前記環境機器にインストールされた運転制御プログラムが更新されることを特徴とする室内環境制御システムである。
本発明の第8の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えた室内環境制御システムにおいて、前記個別端末は、前記構成情報取得手段からの構成情報の変化に基づいて前記空気清浄装置の最適な位置を求めて表示することを特徴とする室内環境制御システムである。
本発明の第9の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えた室内環境制御システムにおいて、前記個別端末は、前記環境機器に搭載された前記環境情報取得手段からの環境情報を通信可能に受信し、室内空間の環境情報を表示することを特徴とする室内環境制御システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の技術的特徴によれば、室内空間に設置される環境機器を有効に利用し、快適な室内環境を適切に提供することができる。特に、室内空間に滞在する人にとって最適な室内環境を制御するに当たって、必要十分な環境情報及び室内空間の構成情報を得ることができる。
更に、室内空間内に空気清浄装置を設置するに当たり、目標とする気流パターンのほか、室内空間の空気質の改善をより効果的に実現可能な室内環境を提供することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、室内空間内で目標とする気流パターンを選定する上で、必要十分な室内空間の構成情報及び室内空間に設置される備品の構成情報を取得することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、三次元撮像器具のみで撮影した場合に比べて、室内空間の形状、容積情報を精度良く取得することができる
本発明の第の技術的特徴によれば、室内空間内に複数の環境機器を設置した態様において、複数の環境機器を個々に制御する方式に比べて、複数の環境機器を連携させることで効率的な室内環境制御を実現することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、室内空間内で最適な環境機器の位置及び運転条件を設定した後、環境変化が生じたとしても、環境変化に応じて環境機器による室内環境制御をリアルタイムで実現することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、室内空間内の環境機器の位置及び運転条件を制御するに当たって、制御手段による処理を主制御装置と個別端末とで役割分担させることで、適切な室内環境を迅速に提供することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、室内空間内の環境機器に運転制御プログラムをインストールした後、室内空間内の環境が変化したとしても、これに対応して運転制御プログラムを更新することでき、環境の変化に応じた室内環境を簡単に構築することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、個別端末の表示部を見て、室内空間の形状や気流阻害要因等の情報から空気清浄装置の最適な位置を容易に把握することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、個別端末の表示部を見て、室内空間の環境情報を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明が適用された室内環境制御システムの実施の形態の概要を示す説明図である。
図2】実施の形態1に係る室内環境システムの全体構成を示す説明図である。
図3】実施の形態1で用いられる空気清浄機(空気清浄装置)の構成例を示す説明図である。
図4】実施の形態1で用いられる空気清浄機のフィルタ構成例を示す説明図である。
図5】(a)は実施の形態1で用いられる薬剤供給機構の構成例1を示す説明図、(b)は同薬剤供給機構の構成例2を示す説明図である。
図6】(a)は実施の形態1で用いられる室内空間の三次元撮影手法の一例を示す説明図、(b)はその要部を示す説明図である。
図7】(a)は実施の形態1で用いられる室内空間の空気質を計測する手法の一例を示す説明図、(b)は分析用カートリッジの取出し過程を示す説明図である。
図8】実施の形態1に係る室内環境制御システムの制御ステップ(1)を示す説明図である。
図9】(a)は図8に示す制御ステップ(1)における気流解析により、空気清浄機が室内空間の隅角部に設置された条件で得られる気流パターン例を示す説明図、(b)は同気流解析により、空気清浄機が室内空間の一側面の中央部に設置された条件で得られる気流パターン例を示す説明図である。
図10】実施の形態1に係る室内環境制御システムの制御ステップ(2)を示す説明図である。
図11】実施の形態1に係る室内環境制御システムの制御ステップ(3)を示す説明図である。
図12】(a)~(c)は実施の形態1で用いられる個別端末の各種機能例を示す説明図である。
図13】実施の形態2に係る室内環境制御システムの要部を示す説明図である。
図14】実施の形態3に係る室内環境制御システムの要部を示す説明図である。
図15】実施の形態4に係る室内環境制御システムの要部を示す説明図である。
図16】(a)は実施の形態4の変形の形態4-1において、室内空間に滞在する人の健康診断への利用例を示す説明図、(b)は室内空間に滞在する人がある疾病を患っている場合の生体情報の取得例を示す説明図である。
図17】(a)は実施の形態5に係る室内環境制御システムの構成例を示す説明図、(b)は(a)中B部分の拡大説明図、(c)は実施の形態5において、室内空間に空気清浄機及び補助ファンを適切に設置した状態を示す説明図である。
図18】(a)は実施例1に係る室内環境制御システムに対して行われた気流制御実験の概要図、(b)はその気流制御実験の結果を示す説明図、(c)は(b)の結果に対して速度ベクトル解析した気流パターン例を示す説明図である。
図19】(a)は実施例1に係る室内環境制御システムに対して行われた別の気流制御実験の概要図、(b)はその気流制御実験の結果を示す説明図、(c)は(b)の結果に対して速度ベクトル解析した気流パターン例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された室内環境制御システムの実施の形態の概要を示す。
同図において、室内環境制御システムは、制御対象となる室内空間Rの環境情報を取得する環境情報取得手段1と、室内空間R及び当該室内空間Rに設置される少なくとも環境機器3a又は3bを含む備品3の構成情報を取得する構成情報取得手段2と、各情報取得手段1,2から取得された環境情報及び構成情報に基づいて当該室内空間R内で生成可能な気流パターンを解析する気流解析部5を有し、気流解析部5による解析結果に基づいて目標とする気流パターンが得られるように少なくとも環境機器3a又は3bの設置位置及び運転条件を制御する制御手段4と、を備えたものである。
【0011】
このような技術的手段において、環境情報取得手段1は室内空間Rの環境情報(代表的には空気質、温湿度など)を取得するものであれば、センサで自動的に取得する態様や、あるいは、空気中に含まれる因子物質が捕捉可能な捕捉部材を取外し可能に設置し、捕捉部材で捕捉した因子物資を別の分析機器にて分析することにより取得するものでもよい。
また、構成情報取得手段2は室内空間R及び室内空間Rに設置される環境機器3a,3bの少なくとも一方の構成情報を取得するものであればよい。ここでいう「室内空間Rの構成情報」には、物理的な構成情報としての室内形状、室内容量に加えて室内空間を区画する使用建材(内装材)の材料特性等が含まれ、また、室内空間に設置される備品3の構成情報としては、環境機器3a,3b(例えば空気調和装置、空気清浄装置、加湿器、除湿器、換気装置)の構成情報として環境機器3a,3bの位置及び性能情報が含まれ、更に、環境機器以外の備品3c(ベッド、机、テーブル等)の位置及び占有領域情報が含まれる。
【0012】
更に、気流解析部5は制御手段4の一要素であり、気流解析部5としては、取得した環境情報及び構成情報に基づいて生成可能な気流パターンを解析するものであれば解析用ソフトウエアなど適宜選定して差し支えない。ここでいう気流パターンは環境機器3a,3bの位置や送風強度等の各種パラメータに依存して変化する。
また、制御手段4としては、目標とする気流パターンを得る上で少なくとも環境機器3a,3bの最適なレイアウト及び運転条件を制御するものであれば、これを実現する制御プログラムについては適宜選定して差し支えない。尚、環境機器以外の備品3cについて位置を可変にできるものがあればこれのレイアウトを制御するようにしてもよい。
【0013】
次に、本実施の形態に係る室内環境制御システムの代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、環境情報取得手段1の好ましい態様としては、室内空間Rの環境情報として、少なくとも空気質及び空気の温湿度を含むものが挙げられる。本例は、環境情報として少なくとも空気質(汚染物質の有無)及び空気の温湿度を取得するものであればよく、対応するセンサにて検出するようにしてもよいし、また、空気質については空気サンプルあるいは内装材の一部を試験片として採取し、分析するようにしてもよい。
また、構成情報取得手段2の好ましい態様としては、室内空間Rの構成情報として、室内空間Rの形状、容積及び使用建材の物理的化学的特性を含み、室内空間Rに設置される備品3の構成情報としては、環境機器3a,3bの少なくともいずれかの位置及び性能情報を含み、環境機器以外の備品3cについては位置及び占有領域情報を含むものが挙げられる。本例は、室内空間Rの構成情報、室内空間Rに設置される備品3(少なくとも環境機器3a又は3bは必須)の構成情報としての好ましい態様を示す。
ここで、使用建材の物理的化学的特性は材料によってはシックハウス対策を要することから、目標とする気流パターンを決める上での考慮事項として利用される。また、環境機器3a,3bの構成情報としては、室内空間R内で気流の生成に主として影響する位置及び性能情報を用いることが好ましく、また、環境機器以外の備品3cの構成情報としては、室内空間内で気流の経路に主として影響する位置及び占有領域情報を用いることが好ましい。
更に、構成情報取得手段2の好ましい態様としては、室内空間Rの形状、容積を取得する上で三次元撮影可能な撮像器具(例えば三次元撮影可能なデジタルカメラ)及び室内空間Rの基準面に設置される寸法特定のためのスケールを備えている態様が挙げられる。
【0014】
また、室内環境制御システムの好ましい適用例としては、環境機器3a又は3bは少なくとも清浄フィルタ(図1では図示せず)及び室内空間Rの汚染物質に適した薬剤を供給する薬剤供給機構(図1では図示せず)を有する空気清浄装置を含み、制御手段4は、空気清浄装置の仕様として、目標とする気流パターンが生成可能な位置及び運転制御プログラムの内容を決定することに加えて、清浄フィルタの仕様、薬剤供給機構の仕様をも決定する態様が挙げられる。本例は、空気清浄装置に特化した室内環境制御の一例を示す。
更に、室内環境制御システムの好ましい別の適用例としては、室内空間Rに相互に通信可能な複数の環境機器3a,3bを備え、制御手段4は、複数の環境機器3a,3bが連携する条件を予め決めておき、複数の環境機器3a,3bを相互通信させながら連携稼動させる態様が挙げられる。本例は、室内空間R内に複数の環境機器3a,3bを有する態様で、公知の通信手段を用いて相互に通信可能に接続することで、環境機器3a,3bの連携による省エネルギ制御を実現するようにした態様である。
更にまた、室内環境制御システムの好ましい別の態様としては、室内空間Rに一若しくは複数の環境機器3a,3bを備え、当該環境機器3a,3bにはリアルタイムで環境情報が取得可能な環境情報取得手段1を搭載させ、制御手段4は環境機器3a,3bに搭載された環境情報取得手段1からの環境情報の変化に基づいて環境機器3a,3bの少なくとも運転条件をリアルタイムで制御する態様が挙げられる。本例は、室内空間R内に一若しくは複数の環境機器3a,3bを有する態様で、環境機器3a,3bによるリアルタイムでの室内環境制御を実施する態様である。
【0015】
また、制御手段4の好ましい態様としては、環境情報取得手段1及び構成情報取得手段2から取得した各情報に基づいて気流解析部5による解析を実行し、当該気流解析部5による解析結果に基づいて環境機器3a,3bの位置及び運転条件を決定する主制御装置と、主制御装置にて決定した環境機器3a,3bの少なくとも設置位置及び運転条件を含む仕様情報を受け取り、これらの仕様情報に基づく運転制御プログラムを対応する環境機器3a,3bにインストール可能な個別端末と、を備えた態様が挙げられる。本例は、主制御装置にて気流解析部5による解析処理及び解析に基づく各環境機器3a,3bの仕様(設置位置及び運転条件)を決定する処理を実行し、決定された仕様情報については個別端末に転送し、個別端末では仕様情報に基づく運転制御プログラムを対応する環境機器3a,3bにインストールするものである。ここで、運転制御プログラムは主制御装置から個別端末にダウンロードするようにしてもよいし、あるいは、個別端末内に搭載したAIプログラムで処理するようにしてもよい。
更に、運転制御プログラムの好ましい態様としては、室内空間Rに一若しくは複数の環境機器3a,3bを備え、当該環境機器3a,3bにはリアルタイムで環境情報が取得可能な環境情報取得手段1を搭載させ、環境機器3a,3bに搭載された環境情報取得手段1からの環境情報の変化に基づいて環境機器3a,3bにインストールされた運転制御プログラムが更新される態様が挙げられる。本例は、環境機器3a,3bにインストールされた運転制御プログラムが環境情報の変化に基づいて自動的に更新される態様である。
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
-室内環境制御システムの全体構成-
図2は実施の形態1に係る室内環境制御システムの全体構成を示す説明図である。
同図において、室内環境制御システムは、室内空間Rに環境機器としての空気清浄機(空気清浄装置)20を設置するに当たって、室内空間Rの環境情報として、室内空間Rの空気質及び空気の温湿度を取得し、また、室内空間Rの構成情報として、室内空間Rの三次元形状、容積(例えば中空直方体形状の室内空間であれば床面又は天面の互いに交差する二片の寸法x,yと高さ寸法zとに基づき演算可能)を取得すると共に、室内空間Rに設置される空気清浄機20の位置、性能情報を取得し、これらの取得情報を制御装置100に取り込んでと室内空間判別部101で室内空間Rの環境、構成を判別し、更に、制御装置100の気流解析部102にて室内空間Rに生成される気流パターンAPを解析すると共に、制御装置100の仕様決定部103にて空気清浄機20の仕様情報を決定するものである。
【0017】
-空気清浄機の構成-
本例では、空気清浄機20は、例えば図3に示すように、鉛直方向に対して縦長の略ボックス状の清浄筐体21を有し、この清浄筐体21のうち室内空間Rに向かう側部の下側に例えば略矩形状の取込口22を開設すると共に、清浄筐体21の頂部に例えば略矩形状の放出口23を開設し、清浄筐体21内には取込口22から放出口23に 連通する略L字状に屈曲した空気流通路24を形成したものである。
そして、清浄筐体21の取込口22に面した部位にはルーバ25が配設され、取込口22に面したルーバ25の内側には粉塵フィルタを始めとする複数のフィルタ基材(本例では室内空間Rに存在する各種汚染物質を除去処理するためのフィルタ基材)からなる清浄フィルタ40が着脱可能に配設されている。
【0018】
更に、清浄筐体21の放出口23に面した部位にはルーバ28が配設され、清浄筐体21の空気流通路24の途中には冷房や暖房のための熱交換ユニット29が配設されると共に、空気流通路24のうちルーバ28と熱交換ユニット29との間にはファン30が配設され、空気流通路24内で取込口22から放出口23に向かう気流Afを形成するようになっている。
更にまた、清浄筐体21のうち室内空間Rに向かう側の側部には室内空間Rに存在する汚染物質を判別する汚染物質判別センサ35が設けられており、空気流通路24内には気流Afの温度及び湿度を計測する環境センサ36が設けられている。
そして、清浄筐体21内には制御装置32が配設されており、この制御装置32は、図示外の操作スイッチと連動して熱交換ユニット29及びファン30を通常の空気清浄処理として駆動制御するようになっていると共に、汚染物質判別センサ35が汚染物質を検知すると、当該検知信号に基づいて、薬液供給機構50を制御することで汚染物質に合わせた処理剤としての薬液を選択供給すると共に、ファン30を汚染物質処理として駆動開始するようになっている。尚、汚染物質処理時に熱交換ユニット29を同時に作動させるようにしてもよいことは勿論である。
【0019】
<清浄フィルタ>
本例において、清浄フィルタ40は、図4に示すように、空気流通路24の取込口22から順に、プレフィルタ41、微生物除去フィルタ42、中性能フィルタ43、ガス除去フィルタ44、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)45を配設したものである。
本例では、各フィルタ41~45は空気流通路24に対していずれも着脱自在に装着されている。
(1)プレフィルタ41
これは、目の粗いメッシュ状のフィルタで、主として粗い粉塵などを捕獲するものであり、例えば金属メッシュや、金属繊維、炭素繊維などを用いて不織布状に成型したものである。
(2)微生物除去フィルタ42
これは、主として細菌、真菌、ウィルスなどの微生物粒子を捕獲するものであるが、微生物粒子と同様な花粉やダニ及びその糞などのアレルゲン粒子をも捕獲し得るものである。
(3)中性能フィルタ43
これは、プレフィルタ41よりも目の細かいメッシュ状のフィルタで、主として中程度の大きさの粉塵などを捕獲するものであり、例えば金属メッシュや、金属繊維、炭素繊維などを用いて不織布状に成型したものである。
(4)ガス除去フィルタ44
これは、臭気物質・化学物質のガス状汚染物質を除去するフィルタであり、臭気物質を吸着する活性炭、ゼオライト、セラミックスなどの吸着材を利用した構成が採用される。
(5)HEPAフィルタ45
これは、中性能フィルタ43よりも更に目の細かいメッシュ状のフィルタで、例えばガス除去フィルタ44で用いられる活性炭の微小粉体などを捕獲するものであり、例えば金属メッシュや、金属繊維、炭素繊維などを用いて不織布状に成型したものである。
【0020】
<薬液供給機構>
本例では、清浄フィルタ40は、例えば微生物除去フィルタ42及びガス除去フィルタ44に対して除去対象となる微生物粒子や臭気物質、化学物質(例えばVOC:Volatile Organic Compoundsの略)などのガス状汚染物質に対応する薬液(消臭剤などを含む)が供給可能な薬液供給機構50を備えている。
この薬液供給機構50は、図3及び図4に示すように、臭気物質、化学物質の除去に対応する薬液としての消臭剤(例えばアンモニアに対応する薬液Sa、メチルメルカプタンに対応する薬液Sm、あるいは、これらを含む複数の臭気物質・化学物質に対応する混合薬液Sxなど)と、インフルエンザウィルスなどの微生物の除去に対応する薬液Sw(例えば微生物の殺菌に対応する殺菌剤、微生物の増殖防止に対応する抗菌剤など)とを有している。
そして、これらの薬液は例えば夫々の対応する薬液ボトル51,52に分注され、図3及び図5(a)に示すように、各薬液ボトル51,52から薬液をポンプユニット53にて一定量吸い上げ、ノズル54から定期的に噴霧されるようになっている。
尚、薬液供給機構50による薬液の供給原理は、図5(b)に示すように、エアポンプ55から供給されるエアを流量調整バルブ56及び流量計57にて所定流量に絞り、フィルタ58を介して薬液ボトル51,52内の薬液に導き、ノズル54から定期的に噴霧される方式でも差し支えない。
【0021】
本実施の形態の清浄フィルタ40では、空気中の汚染物質として、粉塵A、花粉B、真菌C、細菌D、ウィルスE、化学物質F、臭気物質Gが存在する場合を想定すると、粉塵Aは主としてプレフィルタ41、中性能フィルタ43、HEPAフィルタ45にて捕獲され、真菌C、細菌D、ウィルスEは主として微生物除去フィルタ42にて捕獲され、更に、化学物質F、臭気物質Gは主としてガス除去フィルタ44にて捕獲される。尚、花粉Bは微生物除去フィルタ42や中性能フィルタ43にて捕獲される。
ここで、本実施の形態に係る室内環境制御システムにおいて、薬液供給機構50の作用についてより具体的な例に基づいて説明すると、以下のようである。
室内空間R(図2参照)において、例えばインフルエンザウィルスの感染者が空気清浄機20の近くに存在すると、空気清浄機20の汚染物質判別センサ35が汚染物質としてインフルエンザウィルスからなる微生物粒子を検知する。すると、空気清浄機20内では、薬液供給機構50が微生物除去フィルタ42に対しインフルエンザウィルスに対応する薬液Swを供給する。
この状態において、空気清浄機20を作動させると、空気清浄機20内のファン30の吸引作用によって、室内空間Rでは、図3に示すように、矢印で示す気流Afが形成される。このとき、空気清浄機20の近くでは、インフルエンザウィルスの感染者からインフルエンザウィルスが空気中に飛散するが、このインフルエンザウィルスは前述した気流Afに乗って空気清浄機20の取込口22から空気流通路24内に吸い込まれる。すると、吸い込まれたインフルエンザウィルスは、薬液が含浸した微生物除去フィルタ42に捕獲される。このため、空気清浄機20からは清浄された状態の空気が放出されることになり、室内空間Rからはインフルエンザウィルスが除去され、清浄な空気が行き渡る。
このように、本実施の形態では、空気清浄機20が汚染物質回収機能を兼用しており、室内空間Rに所望の気流Afを形成することで、室内空間Rに存在する汚染物質を効率的に除去処理することが可能である。
【0022】
-室内空間の三次元計測例-
本例では、室内空間Rの形状、容積情報を取得するために、室内空間Rを三次元計測する手法が採用される。
この計測手法は、図6(a)に示すように、計測対象である室内空間Rの床面の略中央付近に、鉛直方向に対して鋭角の角度以て屈曲した断面円形状の支持パイプ71を設置すると共に、この支持パイプ71を挟んだ床面には基準定規となるスケール75を一対設置し、更に、図6(a)(b)に示すように、支持パイプ71には床面近傍から上方に向かって異なる高さ寸法の数カ所の計測点P(具体的にはP1…Pn)を設定し、各計測点Pにおいては外周3点にターゲット72を設置し、三次元撮像器具としてのデジタルカメラ73を各ターゲット72に位置決めして各ターゲット72から室内空間Rを撮影するようにしたものである。
この結果、支持パイプ71の各ターゲット72に位置決めされたデジタルカメラ73により室内空間Rの全域の映像が様々な位置、方向から分割された状態で複数の写真として得られる。
【0023】
-空気質の分析-
本例においては、室内空間Rの空気質の分析については、例えば図7(a)に示すように、清浄フィルタ40のうち、微生物除去フィルタ42又は中性能フィルタ43のろ材の一部に粒子状物質Wrが捕獲される分析用カートリッジ81を着脱可能に設置すると共に、脱臭フィルタとして機能するガス除去フィルタ44の一部にはガス状物質Wgが捕獲される分析用カートリッジ82を着脱可能に設置し、各分析用カートリッジ81,82を設置してから所定の時間が経過した後、図7(b)に示すように、微生物除去フィルタ42又は中性能フィルタ43から分析用カートリッジ81を、また、ガス除去フィルタ44から分析カートリッジ82を夫々取り外し、各分析用カートリッジ81,82に捕獲された粒子状物質Wr、ガス状物質Wgを公知の分析法にて分析し、室内空間Rの空気質として含まれる汚染物質を診断するようにすればよい。
ここで、公知の分析法としては、ガスクロマトグラフ、ガスクロマトグラフ質量分析器、高速液クロマトグラフ、イオンクロマトグラフなどが採用される。
【0024】
-制御装置の構成例-
本例では、制御装置100は、図2及び図8に示すように、専用の情報入力用PC(Personal Computer)110と、専用の小型端末120とを備えている。
<情報入力用PC>
本例では、ユーザは、専用の情報入用PC110に対し空気質診断結果に基づいて空気質診断情報及び空気清浄機20の環境センサ36からの温湿度情報を入力する。
また、ユーザは、専用の情報入用PC110に対し、室内空間Rの形状、容積情報として三次元計測して得られた写真データを取り込む。また、空気清浄機20については機種を入力することで空気清浄機20の性能情報が取り込まれる。
本例では、専用の情報入力用PC110は室内空間判別部101及び気流解析部102を有しており、室内空間判別部101には写真データ等の三次元情報の簡便な入力アプリケーション(例えば三次元CADソフトウエア)がインストールされており、この入力アプリケーションにより自動解析され、三次元CADデータとして保存される。これにより、室内空間Rの形状、容積、あるいは、気流阻害要因となる家具等の備品が設置されているような場合には、当該備品は室内空間の形状の一部として判別される。
【0025】
また、気流解析部102には気流解析アプリケーションがインストロールされており、室内空間Rの形状、容積の情報を踏まえ、空気清浄機20の任意の設置位置に対する気流パターンAPが解析される。ここで、気流パターンAPは空気清浄機20の送風強度や、放出口23からの送風方向によって変化し、また、気流阻害要因となる家具等の備品の設置位置によっても変化する。この結果、空気清浄機20の最適位置は室内空間Rの形状、容積の情報によって一律に定まるのではなく、空気清浄機の運転条件に依存して決定される。
図9(a)(b)は気流パターンAPの一例を示す。
いずれの図も、室内空間Rのサイズx×y×z:2700×3600×2400(mm)、機器風量:400m/h.気流速度:12.5m/s、温度:23℃、相対湿度:50%であって、(a)は空気清浄機20の設置位置が隅角部における気流分布を示し、(b)は空気清浄機20の設置位置が床面のy方向に沿う辺の中央部における気流分布を示す。
よって、気流パターンAPの解析に当たっては、室内空間Rの形状に変化を与える備品の有無や、空気清浄機20の運転条件の差異によって各種の気流パターンAPのデータが生成され、室内空間Rの形状条件、空気清浄機20の運転条件に応じて再現可能に保存される。
【0026】
<小型端末>
また、専用の小型端末120は仕様決定部103を有しており、この仕様決定部103には人口知能プログラム(AIプログラム)がインストールされており、図8に示すように、専用の情報入力用PC110との間で例えばBluetooth(登録商標)等の通信手段により通信可能になっている。ここで、AIプログラムは、情報入力用PC110に入力された情報、例えば空気質診断結果の情報や、空気清浄機20に設置されたセンサ(汚染物質判別センサ35、環境センサ36)、電力消費量などの情報、更に、情報入力用PC110の気流解析情報に基づき、空気清浄機20に適した集塵フィルタ、脱臭フィルタ等の仕様、薬液供給機構50における薬液の種別、供給量、供給間隔等、空気清浄機20のメンテナンス法等を決定し、ディスプレイ121(図11参照)上に表示する。
このように、専用の情報入力用PC110と専用の小型端末120とにより、空気清浄機20の仕様、運転条件、設置位置、管理内容が決定される。
【0027】
本例では、例えば図10に示すように、以下の項目が決定される。
(1)プレフィルタ仕様:空気質診断結果(繊維、タールなどの油成分)に基づくサランネット種別を決定する。
(2)集塵フィルタ(繊維タイプ)仕様:空気質診断結果(粒子径、環境アレルゲンの種別、酸性・塩基性ガス)に基づき、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)又は準HEPAの決定、繊維材料(ガラス、PRE、オレフィン、ナイロン…)の決定、静電フィルタ(エレクトレット)の適否を決定する。
(3)集塵フィルタ(電気集塵タイプ)仕様:空気質診断結果に基づき、繊維タイプとの比較による適否、荷電電圧、集塵電圧などを決定する。
(4)脱臭フィルタ仕様:空気質診断結果に基づき、活性炭の種類・使用量、ペレットサイズ、添着剤の種別、添着剤使用量、発塵防止処理の有無を決定する。
(5)薬液供給機構仕様:空気質診断結果に基づき、使用液剤(薬液)の選定(空気汚染物質に適した液剤)、供給量、供給時期、供給間隔…を決定する。
(6)運転制御プログラム内容:空気質診断結果に基づき、機器風量、吹出口角度などによる室内気流形成、連続・間欠運転、省エネ運転、低騒音運転、花粉など特定汚染物質対応運転の有無等について決定する。
(7)機器設置法:空気質診断結果、室形状(平面+断面)、家具などの気流阻害要因、換気経路、他の備品(環境機器、環境機器外の備品)の設置状況などに基づき、室内空間Rにおける理想的な空気清浄機の設置位置を気流解析とAIプログラムとにより判断し、決定する。
(8)機器メンテナンス法:空気質診断結果に基づき、プレフィルタ、集塵フィルタ、脱臭フィルタ、あるいは薬液供給機構のメンテナンス内容を決定する。
【0028】
特に、本実施の形態では、(7)機器設置法は非常に高度で大容量のアプリケーションを必要とし、処理に時間を要する傾向にある。そこで、本例では、専用の情報入力用PC110で室内空間の形状等の入力と気流解析を行い、その結果を専用の小型端末120に表示する方式を採用した。
これに対し、(1)~(6),(8)の項目については、専用の小型端末120内のAIプログラムで処理して表示する方式を採用した。
【0029】
<小型端末での表示例>
また、小型端末120のディスプレイ121への表示例としては例えば図11に示すものが挙げられる。
これは、小型端末120内のAIプログラム(AI機能)が、
・脱臭フィルタ
・使用液剤の種類・量・噴霧タイミング
・運転制御プログラム
・メンテナンス法
の最適解を導出し、ディスプレイ121上に表示する。
【0030】
次に、専用の小型端末120は、図11に示すように、対応する空気清浄機20との間でBluetooth(登録商標)等の通信手段にて通信を行い、空気質診断結果、室内空間Rの形状等から導かれた検討結果を空気清浄機20に送信され、空気清浄機20に新たな運転制御プログラムがインストールされる。これにより、室内環境に応じた最適な空気清浄機20の運転が開始される。
更に、本例では、空気清浄機20に搭載された各種のセンサ情報により、運転制御プログラムはその都度更新されるようになっている。
【0031】
<小型端末のその他の役割>
(a)空気清浄機の最適位置の決定と表示機能
本例では、前述したように、小型端末120は、空気清浄機20の最適な仕様を決定し、ディスプレイ121に表示するようにしているが、更に、本例では、図12(a)にUで示すように、室内空間Rの形状や気流阻害要因等の情報から空気清浄機20の最適な位置を求め、ディスプレイ121上に表示する。
(b)空気質情報の表示機構
専用の小型端末120は、空気清浄機20とBluetooth(登録商標)等の通信手段を介して空気清浄機20のセンサ情報を受信できるようにしておけば、リアルタイムでこれらの情報を表示することが可能である。
ここで、空気清浄機20に搭載するセンサとして、例えば汚染物質判別センサ35や温湿度を計測する環境センサ36が例示されているが、これ以外に空気清浄度(におい、ほこり)に関するセンサを追加するようにすれば、図12(b)に示すように、小型端末120のディスプレイ121に温度、湿度情報に加えて、におい、ほこりに関する情報を表示させることが可能である。
このとき、小型端末120を例えば壁掛け式で部屋の壁面に設置するようにすれば、これにより、在室者は常時室内の空気質情報を把握することができる。このような表示機能を用いることにより、設置施設の来客者に対して空気環境に配慮した施設であることを強調することも可能になる。その他には、累積されたセンサ情報から、フィルタ等の消耗品の交換時期を判定し、これを表示することも可能である。
(c)リモコン機能
専用の小型端末120は、図12(c)に示すように、空気清浄機20のリモコン(Remote Controller)としての機能を備えている。このとき、小型端末120のディスプレイ121を見易い液晶タッチパネルにて構成すれば、リモコンとして簡単に操作することが可能である。
【0032】
◎実施の形態2
図13は実施の形態2に係る室内環境制御システムの要部を示す。
同図において、室内環境制御システムは、同一の室内空間Rに複数の環境機器130(例えば空気清浄機131、エアコン(エアコンディショナ/空気調和装置)132、清掃ロボット133、有用物質供給装置134など)が混在して設置されている態様である。
ここでいう有用物資供給装置134としては、例えば内装材やインテリア用品の表面若しくは内部に付着、含浸した汚染物質が拡散するのを防止するために、汚染物質が留まり、あるいは、汚染物質を分解する特性を持つ液状若しくはガス状の有用物質を供給するものや、室内空間Rの臭気物質を消臭するための有用物質である消臭剤を供給するもの、更には人の健康に良いとされる有用物質を供給するものが挙げられる。
一般に、複数の環境機器130が同一の室内空間Rに混在する場合には、各環境機器130の設置位置、運転方法、メンテナンス方法をどのようにすべきかの判断は極めて難しい。
そこで、本例では、実施の形態1と略同様に、室内空間Rの環境情報や、形状、容積等の構成情報、更には、各環境機器130の性能情報を取得し、これらの情報に基づいて、室内空間Rで生成される気流パターンAPを解析し、目標とする気流パターンAPが得られるように、各環境機器130の設置位置及び運転条件を制御するようにしたものである。
【0033】
具体的には、気流パターンAPに大きく影響する環境機器130である空気清浄機131、エアコン132の設置位置、運転条件を選定し、更に、移動型の清掃ロボット133については生成される気流パターンAPを考慮して清掃経路や清掃時期を予測するようにし、有用物質供給装置134については有用物質の種別、供給量、供給タイミング等を予測し、更にまた、各環境機器130(空気清浄機131~有用物質供給装置134)間についてはBluetooth(登録商標)等の通信手段を用いて相互に通信可能とし、例えば空気清浄機131に搭載した汚れセンサ141の検知情報に基づいて空気清浄機131の動作を自動的にオンオフするようにし、空気清浄機の動作開始に連携して各環境機器130を稼働させるようにし、あるいは、エアコン132に搭載した環境センサ142の検知情報に基づいてエアコン132の動作を自動的にオンオフするようにし、エアコン132の動作開始に連携して各環境機器130を稼働させるようにし、省エネルギによる室内環境制御を実現するようにしたものである。尚、清掃ロボット133にはホコリセンサ143や微生物センサ144を搭載し、これらの検知情報に基づいて清掃ロボット133の動作を自動的にオンオフするようにし、清掃ロボット133の動作開始に連携して各環境機器130を稼働させるようにしてもよい。
【0034】
◎実施の形態3
図14は実施の形態3に係る室内環境制御システムの要部を示す。
同図において、室内環境制御システムは、実施の形態2と略同様に、複数の環境機器130(本例では、空気清浄機131、エアコン132、清掃ロボット133、有用物質供給装置134、補助ファン135、扇風機136、加湿器137など)が混在した態様であり、更には、環境機器130以外の備品150(本例ではテーブル)が設置されている。
本例では、実施の形態2と略同様に、室内空間Rの環境情報や、形状、容積等の構成情報、更には、各環境機器130の性能情報及び備品150の位置、占有領域情報を取得し、これらの情報に基づいて、室内空間Rで生成される気流パターンAPを解析し、目標とする気流パターンAPが得られるように、各環境機器130の設置位置及び運転条件を制御するようにしたものである。
特に、本実施の形態では、空気清浄機131には汚れセンサ141が、エアコン132には環境センサ142が、清掃ロボット133にはホコリセンサ143や微生物センサ144が搭載されており、各環境機器130に搭載されている各センサ141~144からの環境情報の変化や、各環境機器130の電力消費量が時々刻々たる変化に基づいて、各環境機器130の運転条件をリアルタイムで制御するものである。
本実施の形態によれば、室内空間Rに複数の環境機器130が混在した態様において、室内空間Rの環境条件が経時的に変化しても、各環境機器130の運転条件を制御することで、室内空間Rにおける目標とする気流パターンAPを常に最適なものとして設定することが可能である。
【0035】
◎実施の形態4
図15は実施の形態4に係る室内環境制御システムの要部を示す。
同図において、室内環境制御システムは、例えば就寝空間として利用する室内空間Rを快適にするものであって、当該室内空間Rには埋め込み型の空気清浄機131を設置し、更に、室内空間Rのうち空気清浄機131から離れた部位には備品としてのベッド151を設置すると共に、当該ベッド151と空気清浄機131との間には環境機器130の一例として加湿器137を備品としてのテーブル152上に設置したものである。
特に、本例では、空気清浄機131の取込口161はベッド151、テーブル152の下方領域に対応して設けられ、また、空気清浄機131の放出口162はダクト163を介して室内空間Rの一側面の上方寄りに設けられている。
【0036】
本例においても、実施の形態1と略同様に、室内空間Rの環境情報や、形状、容積等の構成情報、更には、各環境機器130の性能情報及びベッド151,テーブル152の位置、占有領域情報を取得し、これらの情報に基づいて、室内空間Rで生成される気流パターンAPを解析し、目標とする気流パターンAPが得られるように、各環境機器130(空気清浄機131,加湿器137)の設置位置及び運転条件を制御するようにしたものである。
本例において、室内空間Rには粒子状物質W1、ウィルスW2、花粉W3、カビ・菌W4、化学物質W5、布団からの塵埃W6、布団にひそむノミ・ダニW7、人体の臭気物質W8などが存在する可能性があり、空気質の分析をすることで室内空間R中の汚染物質Wを特定することが可能である。
このような状況において、目標とする気流パターンAPは室内空間Rの空気が滞留せずに循環するのが好ましく、ベッド151及びテーブル152の下方空間を気流の通過領域として選定するのが好ましく、また、加湿器137の運転条件としては、就寝空間としての湿度条件を考慮して、加湿器137の動作時間や強度の仕様が選定されるのが好ましい。
このような状況において、就寝空間として快適な室内環境制御が行われる。
更に、本例において、例えばダクト163の一部に人の健康に良いとされる有効成分(水分、高濃度酸素、アロマ、酵素など)を含む有効成分カートリッジ165を組み込み、室内空間Rに有効成分を放散させるようにすることも可能である。このようにすれば、使用者の体質や要望に合わせた有用成分を任意に選択でき、市販の小型酸素ボンベ、植物エッセンシャルオイル(ユーカリプタス、フィトンチッド…)等が適応でき、有効成分が呼吸器、皮膚等に働きかけ、人体の健常性に有効な成分が効率よく気流Afに乗って局所的に供給することが可能である。例えば、冬期の乾燥、肌荒れ、のどの痛み、風邪、インフルエンザ、コロナウイルスへの感染を予防する上で有効である。
【0037】
◎変形の形態4-1
実施の形態4では、就寝空間としての室内空間Rについて室内環境制御を行うようにした例が示されているが、これに限定されるものではなく、例えば個人の仕事部屋のように、特定の人Mが滞在する室内空間Rにおいて、滞在する人Mが疾病を患っている場合を想定すると、図16(a)の変形の形態4-1に示すように、滞在する人Mの疾病状態を把握することも可能である。
本例において、空気清浄機131は、室内空間Rに対して予め埋め込んで設置される埋め込み型の空気清浄機であり、室内空間Rと空気清浄機131との間を仕切る仕切り壁に面して空気清浄機131の空気の取込口161を開設する一方、空気清浄機131からダクト163を介して仕切り壁の上方から室内空間Rの略中央の天井面付近に清浄空気を放出する放出口162を設け、空気清浄機131内の空気流通路164には実施の形態1と同様な清浄フィルタ40、ファン30、更には熱交換ユニット29を搭載するようにしたものである。
特に、本例では、当該室内空間Rにおいて、空気質を分析するために、空気清浄機131の清浄フィルタ40のうち、微生物除去フィルタ42又は中性能フィルタ43のろ材の一部に粒子状物質Wrが捕捉される分析用カートリッジ81を着脱可能に設置すると共に、脱臭フィルタとして機能するガス除去フィルタ44の一部には疾病特有なガス状物質Wsが捕捉される分析用カートリッジ83を着脱可能に設置したものである。
本例においては、各分析用カートリッジ81,83を設置してから所定の時間が経過した後、図16(b)に示すように、微生物除去フィルタ42又は中性能フィルタ43から分析用カートリッジ81を、また、ガス除去フィルタ44から分析カートリッジ83を夫々取り外し、各分析用カートリッジ81,83に捕獲された粒子状物質Wr、ガス状物質Wsを公知の分析法にて分析し、室内空間Rの空気質として含まれる汚染物質を診断するようにすればよい。
このとき、空気質診断結果は、室内空間Rの室内環境制御を行う上で利用されるが、例えば疾病特有なガス状物質Wsの捕捉量が多いという場合には、当該室内空間Rに滞在する人Mが所定の疾病に患わされていることが判明し、これにより、生体情報を利用した健康診断を併せて行うことが可能になる。
尚、本例においても、ダクト163の一部に人の健康に良いとされる有効成分(水分、高濃度酸素、アロマ、酵素など)を含む有効成分カートリッジ165を組み込むようにしてもよいことは勿論である。
【0038】
◎実施の形態5
図17(a)は建築工事に伴い、室内空間Rの建材(内装材など)180の表面若しくは内部に付着、含浸した汚染物質が放散する懸念がある状態を示す説明図である。
現在では、建材の低ホルム化が進んでいるが、規制対象外のVOC等の化学物質やアセトアルデヒド、アンモニアといった臭気物質による室内空気汚染は依然として建築環境上の問題である。
新築やリフォーム工事などの建築工事において、合板などの建材、接着剤、塗料、ワックスなどから発生する化学物質の放散を短期間で終了させる技術が必要となっている。
先ず、図17(a)(b)に示すように、建材180の表面に対し例えば送風器190からの送風気流191を与えることで、建材180の表面若しくは内部に付着、含浸した化学物質又は臭気物質192の放散を促進させる。
そして、本実施の形態では、建築現場における室内空間Rにおいて気流解析を行い、図17(c)に示すように、送風器190に加えて、各室内空間Rに存在する化学物質や臭気物質を効率よく除去する空気清浄機200と補助ファン201,202について、その仕様と設置位置を選定し、室内空間Rにおいて循環する気流Afを生成し、工事期間中から養生過程を経て、実際の建物使用に至るまで、建材や施工材からの化学物質や臭気物質の放散速度を上昇させ、工事後できる限り短期間で安全に居住できる工事方法が提供される。
【0039】
(1)本例では、図17(c)に示すように、気流解析により工事現場に、送風器190、空気清浄機200を設置し、室内濃度を低減させ、建材180の汚染物質の放散速度を増大させ、放散物質を空気清浄機200で効率よく回収する。更に、補助ファン201,202を利用することで、適宜仕上げ面に対し、気流を当てる補助ファン201,202を利用する。
(2)また、(1)と同様に、加湿器あるいは除湿器を利用し、親水性、疎水性ガスにおける建材の放散速度を増大させ、工期を短縮する。
(3)更に、(1)又は(2)と同様に加熱器を使用し、汚染物質の揮発成分の放散速度を増大させるようにしてもよい。
尚、本実施の形態では、建材180の表面にイオン(活性種)191を与えるようにしているが、これを与えずに、空気清浄機200及び補助ファン201,202により生成される気流パターンAPによって、建材180に付着、含浸する汚染物質の放散速度を増大させて空気清浄機200に回収し、更には、加湿器、加熱器、加熱器を併せて使用するようにしてもよい。
【実施例
【0040】
◎実施例1
本実施例1は、実施の形態1に係る室内環境制御システムにおける気流解析を実証する実験を示し、室内空間で生成される気流パターンの解析例を得たものである。
本例において、気流制御実験1は、図18(a)に示すように、気流生成器210にて室内空間の床面の煙発生部から上方の吸込み部に向かって渦巻き状の気流Afが生成されている条件下で、これを上方から直下に向かって撮影した際に得られる気流パターンを示す。尚、図18(a)中、符号211は撮影用のカメラ、212は気流Afに対してシート状の光を照射するレーザである。
本実験1において、気流制御実験の結果を図18(b)に示し、更に、図18(b)を速度ベクトル解析した結果を図18(c)に示す。
また、気流制御実験2は、図19(a)に示すように、気流生成器210にて室内空間の床面の煙発生部から上方の吸込み部に向かって渦巻き状の気流Afが生成されている条件下で、これを側方から撮影した際に得られる気流パターンを示す。尚、図中、符号211はカメラ、212はレーザである。
本実験2において、気流制御実験の結果を図19(b)に示し、更に、図19(b)を速度ベクトル解析した結果を図19(c)に示す。
図18(c)、図19(c)の速度ベクトル解析の結果を見ると、いずれも渦巻き状の気流パターンが得られることから、実施の形態1で採用される気流解析は精度の良いものであることが理解される。
【符号の説明】
【0041】
1…環境情報取得手段,2…構成情報取得手段,3…備品,3a,3b…環境機器,3c…環境機器以外の備品,4…制御手段,5…気流解析部,R…室内空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19