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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】対象物支持機構
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20220810BHJP
   F16F 7/06 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
F16F15/02 L
F16F15/02 E
F16F15/02 N
F16F7/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018148187
(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2020023992
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】391039494
【氏名又は名称】株式会社エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】島田 裕樹
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-045566(JP,A)
【文献】特開2001-349092(JP,A)
【文献】特開2000-304087(JP,A)
【文献】特開2017-009013(JP,A)
【文献】実開昭54-071426(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/00- 15/36
F16F 7/00- 7/14
E04H 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を支持する対象物支持機構であって、
対象物を支持する上部支持機構と、
前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、
前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し
前記下部支持機構が支持構造体である下部支持構造体と該下部支持構造体と前記中間支持構造体との前記第一垂直軸の回りの回転に伴って摩擦力を発生する摩擦部材とを有する、
ことを特徴とする対象物支持機構
【請求項2】
対象物を支持する対象物支持機構であって、
対象物を支持する上部支持機構と、
前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、
前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し
前記案内面の前記軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、
上から見て前記第一垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する、
ことを特徴とする対象物支持機構。
【請求項3】
対象物を支持する対象物支持機構であって、
対象物を支持する上部支持機構と、
前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、
前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し
前記案内面の前記軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、
上から見て前記第一垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する、
ことを特徴とする対象物支持機構。
【請求項4】
対象物を支持する対象物支持機構であって、
対象物を支持する上部支持機構と、
前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、
前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される複数の被案内部材または複数の該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ複数の案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される複数の前記被案内部材または複数の前記案内部材のうちの他方とを有し、
上から見て複数の対になった被案内部材と案内部材とが前記第一垂直軸を内にして周囲に散らばる様に配される、
ことを特徴とする対象物支持機構。
【請求項5】
対象物を支持する対象物支持機構であって、
対象物を支持する上部支持機構と、
前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、
前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定され前記被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って案内する様に横から見て該X方向に沿って下方に凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材を有し、
対象物の重心が前記被案内部材の位置より下方に位置する様に、対象物が前記上部支持構造体に吊られる、
ことを特徴とする対象物支持機構。
【請求項6】
対象物を支持する対象物支持機構群であって、
対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を各々に有する複数の対象物支持機構と、
前記上部支持機構と対象物とを垂直軸である第二垂直軸のまわりに相対的に回転自在に案内する第二垂直軸回り回転機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し、
上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、
前記案内面の前記軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、
上から見て前記第二垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
ことを特徴とする対象物支持機構群。
【請求項7】
対象物を支持する対象物支持機構群であって、
対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を各々に有する複数の対象物支持機構と、
前記上部支持機構と対象物とを垂直軸である第二垂直軸のまわりに相対的に回転自在に案内する第二垂直軸回り回転機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し、
上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、
前記案内面の前記軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、
上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
ことを特徴とする対象物支持機構群。
【請求項8】
対象物を支持する対象物支持機構群であって、
対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を各々に有する複数の対象物支持機構と、
前記上部支持機構と対象物とを垂直軸である第二垂直軸のまわりに相対的に回転自在に案内する第二垂直軸回り回転機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し、
上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、
前記案内面の前記軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、
上から見て前記第二垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
ことを特徴とする対象物支持機構群。
【請求項9】
対象物を支持する対象物支持機構群であって、
対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を各々に有する複数の対象物支持機構と、
前記上部支持機構と対象物とを垂直軸である第二垂直軸のまわりに相対的に回転自在に案内する第二垂直軸回り回転機構と、
を備え、
前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、
前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し、
上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、
前記案内面の前記軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、
上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
ことを特徴とする対象物支持機構群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を支持する対象物支持機構に係る。特に、地震等によって設置場所が水平に揺れた際に対象物を支持する構造に特徴のある対象物支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物を支持するのに支持機構が用いられる。
地震が発生すると、対象物が揺すられる。
対象物に作用する加速度を低減するために免震機能をもつ対象物支持機構が用いられる。
たとえば、対象物支持機構が、被案内部材と被案内部材をX方向に案内する案内部材とを組み合わせたものと被案内部材と被案内部材をY方向に案内する案内部材とを組み合わせたものをX方向とY方向とが上から見て直交する様に組み合わせたものがある。
たとえば、対象物支持機構が、車輪と車輪をX方向に案内するレールである案内レールとを組み合わせたものと車輪と車輪をY方向に案内する案内レールとを組み合わせたものをX方向とY方向とが上から見て直交する様に組み合わせたものがある。
例えば、車輪と車輪軸との隙間に摩擦部材を設けて、車輪が案内レールに案内されて転動するときに摩擦力を発生させ、地震による加速度を免震する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
市場では、より簡単な構造で簡易な免震性能を発揮する対象物支持機構も求められている。
【0004】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、より簡易な構造で免震機能を発揮する対象物を支持する対象物支持機構を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を支持する対象物支持機構を、対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を備え、前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有する、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、上部支持機構が、対象物を支持する。中間支持機構が、前記上部支持機構を支持する。下部支持機構が、前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する。被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方が前記上部支持機構の支持構造体である該上部支持構造体に固定される。前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方が、前記下部支持機構の支持構造体である中間支持構造体に固定される。
その結果、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を支持する対象物支持機構を、対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を備え、前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される複数の被案内部材または複数の該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ複数の案内部材のうちの一方とを有し、前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される複数の前記被案内部材または複数の前記案内部材のうちの他方とを有し、上から見て複数の対になった被案内部材と案内部材とが前記第一垂直軸を内にして周囲に散らばる様に配される、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、上部支持機構が、対象物を支持する。中間支持機構が、前記上部支持機構を支持する。下部支持機構が、前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する。複数の被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ複数の案内部材のうちの一方が前記上部支持機構の支持構造体である該上部支持構造体に固定される。複数の前記被案内部材または複数の前記案内部材のうちの他方が、前記下部支持機構の支持構造体である中間支持構造体に固定される。上から見て複数の対になった被案内部材と案内部材とが前記第一垂直軸を内にして周囲に散らばる様に配される。
その結果、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を支持する対象物支持機構を、対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を備え、前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材を有し、前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定され前記被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って案内する様に横から見て該X方向に沿って下方に凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材を有し、対象物の重心が前記被案内部材の位置より下方に位置する様に、対象物が前記上部支持構造体に吊られる、ものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、上部支持機構が、対象物を支持する。中間支持機構が、前記上部支持機構を支持する。下部支持機構が、前記中間支持機構を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する。被案内部材が前記上部支持機構の支持構造体である該上部支持構造体に固定される。被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材が、前記下部支持機構の支持構造体である中間支持構造体に固定される。対象物の重心が前記被案内部材の位置より下方に位置する様に、対象物が前記上部支持構造体に吊られる。
その結果、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を支持する対象物支持機構を、対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を各々に有する複数の対象物支持機構と、前記上部支持機構と対象物とを垂直軸である第二垂直軸のまわりに相対的に回転自在に案内する第二垂直軸回り回転機構と、を備え、前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有し、前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有し、上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定される、ものとした。
【0012】
上記本発明の構成により、複数の対象物支持機構が、対象物を支持する上部支持機構と、前記上部支持機構を支持する中間支持機構と、前記中間支持機構を垂直軸である第一垂直軸の回りに回転自在に支持する下部支持機構と、を各々に有する。第二垂直軸回り回転機構が、前記上部支持機構と対象物とを垂直軸である第二垂直軸のまわりに相対的に回転自在に案内する。前記上部支持機構が支持構造体である上部支持構造体と該上部支持構造体に固定される被案内部材または該被案内部材を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見て前記X方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ案内部材のうちの一方とを有する。前記中間支持機構が支持構造体である中間支持構造体と該中間支持構造体に固定される前記被案内部材または前記案内部材のうちの他方とを有する。上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定される。
その結果、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
【0013】
以下に、本発明の実施形態に係る対象物支持機構を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0014】
また、前記下部支持機構が支持構造体である下部支持構造体と該下部支持構造体と前記中間支持構造体との前記第一垂直軸の回りの回転に伴って摩擦力を発生する摩擦部材とを有する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、摩擦部材が、記下部支持機構の支持構造体である下部支持構造体と前記中間支持構造体との前記第一垂直軸の回りの回転に伴って摩擦力を発生する。
その結果、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに回転するのに応じて抵抗を生じる。
【0015】
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線の上に位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線の上に位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0016】
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線の上に位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線の上に位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0017】
上から見て前記第一垂直軸の位置が前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する、
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0018】
また、前記案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0019】
また、前記案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0020】
また、上から見て前記第一垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0021】
また、前記案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、上から見て前記第一垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0022】
また、前記案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、上から見て前記第一垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第一垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0023】
また、上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置する。
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0024】
また、前記案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、上から見て前記第二垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第二垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0025】
また、前記案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置と呼称するとき、上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
上記本発明に係る実施形態の構成により、上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する、
その結果、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明に係る 対象物支持機構は、その手順と構成により、以下の効果を有する。
上部支持構造体に固定される被案内部材または案内部材の一方と中間支持構造体に固定される被案内部材または案内部材の他方とが対応し、被案内部材が案内部材の案内面にX方向に案内され、中間支持機構が垂直軸まわりに回転自在に支持される様にしたので、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
上部支持構造体に固定される複数の被案内部材または複数の案内部材の一方と中間支持構造体に固定される複数の被案内部材または複数の案内部材の他方とが対応し、上から見て複数の対になった被案内部材と案内部材とが前記第一垂直軸を内にして周囲に散らばり、被案内部材が案内部材の案内面にX方向に案内され、中間支持機構が垂直軸まわりに回転自在に支持される様にしたので、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
上部支持構造体に固定される複数の被案内部材と中間支持構造体に固定される複数の案内部材の他方とが対応し、被案内部材が案内部材の案内面にX方向に案内され、対象物が前記上部支持構造体に吊られる、中間支持機構が垂直軸まわりに回転自在に支持される様ににしたので、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
上部支持構造体に固定される複数の被案内部材または複数の案内部材の一方と中間支持構造体に固定される複数の被案内部材または複数の案内部材の他方とが対応し、上から見て複数の対象物支持機構が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の前記上部支持構造体が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、被案内部材が案内部材の案内面にX方向に案内され、中間支持機構が垂直軸まわりに回転自在に支持される様にしたので、下部支持機構が水平方向に揺れると、上部支持機構と中間支持機構とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
上から見て前記第二垂直軸が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置するに様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
上から見て前記第二垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置するに様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、摩擦部材が、記下部支持機構の支持構造体である下部支持構造体と前記中間支持構造体との前記第一垂直軸の回りの回転に伴って摩擦力を発生する。
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て前記第一垂直軸が前記X方向に平行であり前記被案内部材と前記案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て第二垂直軸L2が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て第二垂直軸L2がX方向に平行であり被案内部材と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
従って、より簡易な構造で免震機能を発揮する対象物を支持する対象物支持機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第一の実施形態に係る対象物支持機構の概念図である。
図2】本発明の第二の実施形態に係る対象物支持機構の概念図である。
図3】本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構群の概念図である。
図4】本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構群の概念図その1である。
図5】本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構群の概念図その2である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
最初に、本発明の第一の実施形態に係る対象物支持機構を説明する
図1は、本発明の第一の実施形態に係る対象物支持機構100の概念図である。
【0030】
対象物支持機構100は、対象物50を支持する機構である。
対象物は、地震等による揺れから破損を免れさせたいものである。
例えば、対象物50は彫像、陶器、美術品、精密測定器、等である。
例えば、対象物50はサーバ、等である。
【0031】
対象物支持機構100は、上部支持機構110と中間支持機構120と下部支持機構130とで構成される。
対象物支持機構100は、上部支持機構110と中間支持機構120と下部支持機構130と第一垂直軸回り回転機構140とで構成されてもよい。
上部支持機構110は、対象物を支持する機構である。
中間支持機構120は、上部支持機構110を支持する機構である。
下部支持機構130は、中間支持機構120を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸L1の回りに回転自在に支持する機構である。
第一垂直軸回り回転機構140は、中間支持機構120と下部支持機構130とを第一垂直軸L1の回りに相対的に回転可能に案内する機構である。
【0032】
上部支持機構110が、上部支持構造体111と被案内部材112または案内部材122のうちの一方とで構成され、中間支持機構120が、中間支持構造体121と被案内部材112または案内部材122のうちの他方とで構成される。
例えば、上部支持機構110が上部支持構造体111と被案内部材112とで構成され、中間支持機構120が中間支持構造体121と案内部材122とで構成される。
例えば、上部支持機構110が上部支持構造体111と案内部材122とで構成され、中間支持機構120が中間支持構造体121と被案内部材112とで構成される。
【0033】
上部支持機構110が、上部支持構造体111と複数の被案内部材112または複数の案内部材122のうちの一方とで構成され、中間支持機構120が、中間支持構造体121と複数の被案内部材112または複数の案内部材122のうちの他方とで構成される。
例えば、上部支持機構110が上部支持構造体111と複数の被案内部材112とで構成され、中間支持機構120が中間支持構造体121と複数の案内部材122とで構成される。
例えば、上部支持機構110が上部支持構造体111と複数の案内部材122とで構成され、中間支持機構120が中間支持構造体121と複数の被案内部材112とで構成される。
図1は、上部支持機構110が上部支持構造体111と複数の被案内部材112である車輪とで構成され、中間支持機構120が中間支持構造体121と複数の案内部材122であるレールとで構成される様子が示される。
【0034】
上部支持構造体111は、支持構造体である。
上部支持構造体111は、対象物を乗せる支持構造体である。
【0035】
例えば、被案内部材112は、上部支持構造体111に固定される。
被案内部材112は、回転自在に固定される車輪であってもよい。
【0036】
例えば、案内部材122は、上部支持構造体111に固定される。
案内部材122は、被案内部材112を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見てX方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ。
案内部材122は、被案内部材112である車輪を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って転動させて移動自在に案内する様に横から見てX方向に沿って下方に中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面である転動面を持ってもよい。
【0037】
中間支持構造体121は、支持構造体である。
中間支持構造体121は、上部支持構造体を支持する支持構造体である。
中間支持構造体121は、対になった複数の被案内部材112と複数の案内部材122とを介して上部支持構造体を支持する支持構造体である。
【0038】
例えば、被案内部材112は、中間支持構造体121に固定される。
被案内部材112は、回転自在に固定される車輪であってもよい。
【0039】
例えば、案内部材122は、中間支持構造体121に固定される。
案内部材122は、被案内部材112を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見てX方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ。
案内部材122は、被案内部材112である車輪を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って転動させて移動自在に案内する様に横から見てX方向に沿って下方に中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面である転動面を持ってもよい。
【0040】
X方向は、上部支持構造体111または中間支持構造体121に固着した座標系での水平方向の向きである。
X方向は、上部支持構造体111と中間支持構造体121との第一垂直軸L1の回りの回転に伴って水平面内で向きを変える。
【0041】
上から見て、複数の対になった被案内部材112と案内部材122とが第一垂直軸L1を内にして周囲に散らばる様に配される。
例えば、上から見て、複数の対になった被案内部材112である車輪と案内部材122とが第一垂直軸L1を内にして周囲に散らばる様に配される。
複数の対になった被案内部材112と案内部材122とのX方向は一致する。
図1に、4つの対になった被案内部材112である車輪と案内部材122とが第一垂直軸L1を内にして周囲に散らばる様に配される様子が示される。
【0042】
下部支持機構130は、下部支持構造体131で構成される。
下部支持機構130は、下部支持構造体131と摩擦部材132とで構成されてもよい。
【0043】
下部支持構造体131は、支持構造体である。
下部支持構造体131は、中間支持機構120を支持する支持構造体である。
摩擦部材132は、下部支持構造体131と中間支持構造体121との第一垂直軸L1の回りの回転に伴って摩擦力を発生する部材である。
例えば、摩擦部材132は、下部支持構造体131と中間支持構造体121との間に挟まれて、下部支持構造体131と中間支持構造体121との第一垂直軸L1の回りの回転に伴って摩擦力を発生する板状の部材である。
例えば、摩擦部材132は、下部支持構造体131に固定される第一垂直回転体に抑えられる座金と中間支持構造体121との間に挟まれて、下部支持構造体131と中間支持構造体121との第一垂直軸L1の回りの回転に伴って摩擦力を発生する板状の部材である。
【0044】
第一垂直軸回り回転機構140は、下部支持構造体131と中間支持構造体121とを第一垂直軸L1の回りに相対的な回転自在に案内する機構である。
例えば、第一垂直軸回り回転機構140は、下部支持構造体131を基礎として中間支持構造体121を第一垂直軸L1の回りに回転自在に案内する機構である。
例えば、第一垂直軸回り回転機構140は、中間支持構造体121を基礎として下部支持構造体131を第一垂直軸L1の回りに回転自在に案内する機構である。
第一垂直軸回り回転機構140は、 第一垂直回転体141で構成されてもよい。
例えば、第一垂直回転体141は、下部支持構造体131に固定される軸体と中間支持構造体121を第一垂直軸L1の回りに回転自在に案内する軸受けとで構成される。
【0045】
以下では、説明の便宜上、案内部材122の案内面の被案内部材112を案内する軌跡が最も凹んだ位置を最下位置Wと呼称する。
【0046】
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造体111の重心Gの位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置してもよい。
【0047】
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造体111と対象物50の全体の重心Gの位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置してもよい。
【0048】
上から見て、第一垂直軸L1の位置が重心Gの位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0049】
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置Wに接するときの上部支持構造体111の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心Gの位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0050】
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置Wに接するときの上部支持構造体111と対象物50との全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心Gの位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0051】
次に、本発明の第二の実施形態に係る対象物支持機構を、図を基に、説明する。
図2は、本発明の第二の実施形態に係る対象物支持機構の概念図である。
【0052】
対象物支持機構100は、対象物50を支持する機構である。
対象物は、地震等による揺れから破損を免れさせたいものである。
例えば、対象物50は、吊るすものである。
例えば、対象物50は彫像、陶器、美術品、シャンデリア等である。
例えば、対象物支持機構100は、天井に設けられる。
例えば、対象物支持機構100は、空間の上部に設けられる。
【0053】
対象物支持機構100は、上部支持機構110と中間支持機構120と下部支持機構130とで構成される。
対象物支持機構100は、上部支持機構110と中間支持機構120と下部支持機構130と第一垂直軸回り回転機構140で構成されてもよい。
上部支持機構110は、対象物を支持する機構である。
中間支持機構120は、上部支持機構110を支持する機構である。
下部支持機構130は、中間支持機構120を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸L1の回りに回転自在に支持する機構である。
第一垂直軸回り回転機構140は、中間支持機構120と下部支持機構130とを第一垂直軸L1の回りに相対的に回転自在に案内する機構である。
【0054】
上部支持機構110が、上部支持構造体111と被案内部材112とで構成される。
図2は、上部支持機構110が上部支持構造体111と被案内部材112である車輪とで構成される様子を示される。
【0055】
上部支持構造体111は、支持構造体である。
上部支持構造体111は、対象物を乗せる支持構造体である。
【0056】
例えば、被案内部材112は、上部支持構造体111に固定される。
被案内部材112は、上部支持構造体111に固定されX方向に沿って回転動自在に固定される車輪であってもよい。
【0057】
中間支持機構120が、中間支持構造体121と案内部材122とで構成される。
図2は、中間支持機構120が中間支持構造体121と案内部材122であるレールとで構成される様子が示される。
【0058】
中間支持構造体121は、支持構造体である。
中間支持構造体121は、上部支持構造体を支持する構造体である。
中間支持構造体121は、対になった被案内部材112と案内部材122とを介して上部支持構造体111を支持する支持構造体である。
【0059】
案内部材122は、中間支持構造体121に固定される。
案内部材122は、被案内部材112を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って移動自在に案内する様に横から見てX方向に沿って中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面を持つ。
案内部材122は、被案内部材112である車輪を水平方向の一つの方向であるX方向に沿って転動させて移動自在に案内する様に横から見てX方向に沿って下方に中間部が凹んだ軌跡を持つ面である案内面である転動面を持ってもよい。
図2は、案内部材122が、中間支持構造体121の一部を構成する様子が示される。
【0060】
対象物の重心Gが被案内部材112の位置より下方に位置する様に、対象物が上部支持構造体に吊られる。
対象物の重心Gが被案内部材112の位置の真下に位置する様に、対象物が上部支持構造体に吊られてもよい。
対象物の重心Gが被案内部材112である車輪の車輪軸の位置より下方に位置する様に、対象物が上部支持構造体に吊られてもよい。
例えば、対象物の重心Gが被案内部材112である車輪の車輪軸の位置の真下に位置する様に、対象物が上部支持構造体に吊られてもよい。
【0061】
下部支持機構130は、下部支持構造体131で構成される。
下部支持機構130は、下部支持構造体131と摩擦部材132とで構成されてもよい。
【0062】
下部支持構造体131は、支持構造体である。
摩擦部材132は、下部支持構造体131と中間支持構造体121との第一垂直軸L1の回りの回転に伴って摩擦力を発生する部材である。
【0063】
第一垂直軸回り回転機構140は、下部支持構造体131を基礎として中間支持構造体121を第一垂直軸L1の回りに回転自在に案内する回転機構である。
第一垂直軸回り回転機構140は、 第一垂直回転軸受142で構成される。
例えば、第一垂直回転軸受142は、外輪を下部支持構造体131に固定され内輪を中間支持構造体121に固定される軸受けある。
例えば、摩擦部材132は第一垂直軸回り回転機構140の第一垂直回転軸受142に充填される高粘度グリースである。
【0064】
以下では、説明の便宜上、案内部材122の案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置Wと呼称する。
【0065】
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造体111の重心Gの位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置してもよい。
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造体111と対象物50の全体の重心Gの位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置してもよい。
【0066】
上から見て、第一垂直軸L1の位置が重心Gの位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0067】
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置Wに接するときの上部支持構造体111の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心Gの位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置Wに接するときの上部支持構造体111と対象物50との全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心Gの位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0068】
上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上に位置してもよい。
上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112である車輪と案内面である転動面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上に位置してもよい。
【0069】
上から見て、第一垂直軸L1が最下位置WからX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0070】
上から見て、第一垂直軸L1が、X方向に平行であり被案内部材と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で、最下位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
上から見て、第一垂直軸L1が、X方向に平行であり被案内部材である車輪と案内面である転動面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で、最下位置WからX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0071】
次に、本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構群を、図を基に、説明する。
図3は、本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構群の概念図である。
【0072】
本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構群は、複数の対象物支持機構100と複数の第二垂直軸回り回転機構150とで構成される。
【0073】
対象物支持機構100は、上部支持機構110と中間支持機構120と下部支持機構130と第一垂直軸回り回転機構140と第二垂直軸回り回転機構150とで構成される。
上部支持機構110は、対象物を支持する機構である。
中間支持機構120は、上部支持機構110を支持する機構である。
下部支持機構130は、中間支持機構120を上下方向に延びる垂直軸である第一垂直軸L1の回りに回転自在に支持する機構である。
【0074】
上部支持機構110と中間支持機構120と下部支持機構130と第一垂直軸回り回転機構140の構成は、第一の実施形態にかかるものと同じなので説明を省略する。
【0075】
第二垂直軸回り回転機構150は、上部支持機構110と対象物50とを垂直軸である第二垂直軸L2のまわりに相対的に回転自在に案内する機構である。
第二垂直軸回り回転機構150は、第二垂直回転体152で構成されてもよい。
第二垂直回転体152は、上部支持機構110と対象物50とに一方に固定され他方を第二垂直軸L2の回りに回転自在に案内する回転体である。
第二垂直回転体152は、上部支持機構110と対象物支持構造体51とに一方に固定され他方を第二垂直軸L2の回りに回転自在に案内する回転体である。
対象物支持構造体51は、対象物50を支持する支持構造体である。
摩擦部材52が、対象物支持構造体51と上部支持構造体111との間にはまされてもよい。
【0076】
上から見て、複数の対象物支持機構100が対象物50の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の上部支持構造体111が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸L2の回りに回転自在に各々に固定される。
上から見て、複数の対象物支持機構100と複数の第二垂直軸回り回転機構150とが対象物50の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の上部支持構造体111が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸L2の回りに回転自在に各々に固定される。
【0077】
以下では、説明の便宜上、案内部材122が被案内部材112を案内する案内面の軌跡が最も凹んだ位置を最下位置Wと呼称する。
【0078】
上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置してもよい。
上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112である車輪と案内面である転動面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置してもよい。
【0079】
上から見て、第一垂直軸L1が最下位置WからX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0080】
上から見て、第一垂直軸L1が、X方向に平行であり被案内部材と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で、最下位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
上から見て、第一垂直軸L1が、X方向に平行であり被案内部材である車輪と案内面である転動面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で、最下位置WからX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置してもよい。
【0081】
上から見て、第二垂直軸L2がX方向に平行であり被案内部材と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置してもよい。
上から見て、第二垂直軸L2がX方向に平行であり被案内部材である車輪と案内面である転動面の接点を含む仮想の線である第二仮想線の上に位置してもよい。
【0082】
上から見て、第二垂直軸L2が最下位置WからX方向に沿って一方の方向に所定距離D2だけ偏心して位置してもよい。
【0083】
上から見て、第二垂直軸L2が、X方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で、最下位置WからX方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置してもよい。
【0084】
以下に、対になった被案内部材112と案内部材122の構造の2つの例を、図を基に、説明する。
図4は、本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構の概念図その1である。
被案内部材112は、水平軸の回りに回転自在になり、案内面に接する箇所が球面になった車輪である。
案内部材122は、被案内部材112の球面をX方向に転動自在に案内する案内面がX方向に延びるU字状の溝に形成される。
案内部材122は、被案内部材112の球面をX方向に転動自在に案内する案内面がX方向に延びる一定の曲率をもつ半円字状の溝に形成される。
【0085】
図5は、本発明の第三の実施形態に係る対象物支持機構の概念図その2である。
被案内部材112は、水平軸の回りに回転自在になり、案内面に接する箇所が柱状の面をもち両側に鍔をもつ車輪である。
案内部材122は、被案内部材112の柱状の面をX方向に転動自在に案内する案内面がX方向に延び鍔に挟まれるレールを形成される。
【0086】
上述の実施形態に係る対象物支持機構を用いれば、以下の効果を発揮する。
上部支持構造体111に固定される被案内部材112または案内部材122の一方と中間支持構造体に固定される被案内部材112または案内部材122の他方とが対応し、被案内部材112が案内部材122の案内面にX方向に案内され、中間支持機構120が垂直軸まわりに回転自在に支持される様にしたので、下部支持機構130が水平方向に揺れると、上部支持機構110と中間支持機構120とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
【0087】
上述の第一の実施形態に係る対象物支持機構100を用いれば、以下の効果を発揮する。
上部支持構造体111に固定される複数の被案内部材112または複数の案内部材122の一方と中間支持構造体に固定される複数の被案内部材112または複数の案内部材122の他方とが対応し、上から見て、複数の対になった被案内部材112と案内部材122とが第一垂直軸を内にして周囲に散らばり、被案内部材112が案内部材122の案内面にX方向に案内され、中間支持機構120が垂直軸まわりに回転自在に支持される様にしたので、下部支持機構130が水平方向に揺れると、上部支持機構110と中間支持機構120とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
また、摩擦部材が、記下部支持機構の支持構造体である下部支持構造体と中間支持構造体との第一垂直軸の回りの回転に伴って摩擦力を発生する。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置に接するときの上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心の位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置に接するときの上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心の位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て前記第一垂直軸の位置が前記X方向に平行であり前記被案内部材が前記最下位置に接するときの前記上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線の上の前記重心の位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構と中間支持機構とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0088】
上述の第二の実施形態に係る対象物支持機構100を用いれば、以下の効果を発揮する。
上部支持構造体111に固定される複数の被案内部材112と中間支持構造体に固定される複数の案内部材122の他方とが対応し、被案内部材112が案内部材122の案内面にX方向に案内され、対象物が上部支持構造体111に吊り下げられる。中間支持機構120が垂直軸まわりに回転自在に支持される様ににしたので、下部支持機構130が水平方向に揺れると、上部支持機構110と中間支持機構120とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
また、摩擦部材が、記下部支持機構の支持構造体である下部支持構造体と中間支持構造体との第一垂直軸の回りの回転に伴って摩擦力を発生する。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である第一仮想線M1の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置に接するときの上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心の位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置に接するときの上部支持構造の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心の位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1の位置がX方向に平行であり被案内部材112が最下位置に接するときの上部支持構造と対象物の全体の重心の位置を含む仮想の線である仮想線である第一仮想線M1の上の重心の位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て第二垂直軸L2が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120と一体となって垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で最下位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが一体となって垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0089】
上述の第三の実施形態に係る対象物支持機構100を用いれば、以下の効果を発揮する。
上部支持構造体111に固定される複数の被案内部材112または複数の案内部材122の一方と中間支持構造体に固定される複数の被案内部材112または複数の案内部材122の他方とが対応し、上から見て、複数の対象物支持機構100が対象物の中心を内にして周囲に散らばる様に配され、各々の上部支持構造体111が対象物に垂直軸である複数の第二垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、被案内部材112が案内部材122の案内面にX方向に案内され、中間支持機構120が垂直軸まわりに回転自在に支持される様にしたので、下部支持機構130が水平方向に揺れると、上部支持機構110と中間支持機構120とが相対移動する方向が揺れる方向に向く様に回転しつつ水平方向に相対移動して、免震機能を発揮する。
また、上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上に位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1が最下位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
また、上から見て、第一垂直軸L1がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で最下位置からX方向に沿って一方の方向に所定距離Dだけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
上から見て、第二垂直軸L2がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上に位置する様にしたので、
X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
上から見て、第二垂直軸L2が前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
上から見て、第二垂直軸L2がX方向に平行であり被案内部材112と案内面の接点を含む仮想の線である第二仮想線M2の上で前記最下位置から前記X方向に沿って一方の方向に所定距離D0だけ偏心して位置する様にしたので、X方向に交差する向きに加速度が生じたとき、上部支持機構110と中間支持機構120とが垂直軸の回りに一体となって回転しようとする。
【0090】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
D 所定距離
D0 所定距離
G 重心
L1 第一垂直軸
L2 第二垂直軸
W 最下位置
M1 第一仮想線
M2 第二仮想線
50 対象物
51 対象物支持構造体
52 摩擦部材
100 対象物支持機構
110 上部支持機構
111 上部支持構造体
112 被案内部材
120 中間支持機構
121 中間支持構造体
122 案内部材
130 下部支持機構
131 下部支持構造体
132 摩擦部材
140 第一垂直軸回り回転機構
141 第一垂直回転体
142 第一垂直回転軸受
150 第二垂直軸回り回転機構
152 第二垂直回転体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【文献】特開2001-349092号
【文献】特開2000-304087号
【文献】特開2001-303590号
図1
図2
図3
図4
図5