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特許7121397体温解析装置、体温解析プログラム及び体温解析方法
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  • 特許-体温解析装置、体温解析プログラム及び体温解析方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】体温解析装置、体温解析プログラム及び体温解析方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20220810BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
A61B10/00 305B
A61B5/01 ZDM
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019018929
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2020124391
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】村山 嘉延
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-175840(JP,A)
【文献】特開2013-230300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
A61B 5/01
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得部と、
前記第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出部と、
前記時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての前記体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の前記所定期間について算出し、前記分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出部と、
前記分布勾配の時間的な変化に基づいて前記被検体の生体周期を算出する生体周期算出部と、
前記生体周期算出部により算出された前記生体周期を出力する生体周期出力部と、
を備える体温解析装置。
【請求項2】
前記生体周期算出部は、前記分布勾配の時間的な変化の包絡線を算出し、前記包絡線に基づいて前記被検体の前記生体周期を算出する、
請求項1に記載の体温解析装置。
【請求項3】
前記生体周期出力部は、前記分布勾配算出部により算出された前記分布勾配の時間的な変化を前記被検体の前記生体周期以上の長さ出力する、
請求項1又は請求項2に記載の体温解析装置。
【請求項4】
前記生体周期算出部は、前記生体周期として前記被検体の月経周期を算出する、
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の体温解析装置。
【請求項5】
コンピュータに、
被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得機能と、
前記第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出機能と、
前記時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての前記体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の前記所定期間について算出し、前記分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出機能と、
前記分布勾配の時間的な変化に基づいて前記被検体の生体周期を算出する生体周期算出機能と、
前記生体周期算出機能により算出された前記生体周期を出力する生体周期出力機能と、
を実現させるための体温解析プログラム。
【請求項6】
被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得ステップと、
前記第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出ステップと、
前記時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての前記体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の前記所定期間について算出し、前記分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出ステップと、
前記分布勾配の時間的な変化に基づいて前記被検体の生体周期を算出する生体周期算出ステップと、
前記生体周期算出ステップにおいて算出された前記生体周期を出力する生体周期出力ステップと、
を含む体温解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体温解析装置、体温解析プログラム及び体温解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から毎朝目覚めた時に基礎体温を測定してグラフを作成し、当該グラフに現れる高温期及び低温期を含む二相性サイクルから排卵日及び月経が開始する時期を推定することが行われている。一般に、基礎体温は、小数点第二位まで測定可能な婦人体温計を使用して口腔内の温度を五分間以上測定することにより測定される。
【0003】
また、特許文献1には、情報入力手段と、情報記録手段と、基準算出手段と、判定手段と、表示手段とを備える健康状態判定装置が開示されている。情報入力手段は、同一個体から測定されたバイタル情報及び測定日時の情報の入力を受け付ける。情報記録手段は、入力されたバイタル情報及び測定日時の情報を記録させる。基準算出手段は、記録された複数のバイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σから選択される少なくとも一つを算出する。判定手段は、平均μ及び標準偏差σから選択される少なくとも1つに基づいて設定された所定の数値範囲を基準にして、入力された所定のバイタル情報が異常な値か否かを判定する。表示手段は、判定手段が判定した判定結果を表示する。この健康状態判定装置は、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-175840号公報
【0005】
しかし、一般的な基礎体温の測定方法及び特許文献1に開示されている健康状態判定装置では、被検体の体温を十分な精度で測定することが困難である。なぜなら、被検体の体温は、一日を通して不規則に変動しているために代表的な値を決定することが困難であり、婦人体温計を使用して測定しても必ずしも的確に測定されているとは限らないからである。また、高温期と低温期との体温の差は、一度未満であることが多い。このため、上述した基礎体温のグラフを作成しても二相性サイクルを見出すことが出来ず、当該グラフを見た者が不安を感じてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、体温を十分な精度で測定することが困難であっても被検体の生体周期を正確に推定することができる体温解析装置、体温解析プログラム及び体温解析方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得部と、前記第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出部と、前記時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての前記体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の前記所定期間について算出し、前記分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出部と、前記分布勾配の時間的な変化に基づいて前記被検体の生体周期を算出する生体周期算出部と、前記生体周期算出部により算出された前記生体周期を出力する生体周期出力部と、を備える体温解析装置である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピュータに、被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得機能と、前記第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出機能と、前記時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての前記体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の前記所定期間について算出し、前記分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出機能と、前記分布勾配の時間的な変化に基づいて前記被検体の生体周期を算出する生体周期算出機能と、前記生体周期算出機能により算出された前記生体周期を出力する生体周期出力機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様は、被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得ステップと、前記第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出ステップと、前記時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての前記体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の前記所定期間について算出し、前記分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出ステップと、前記分布勾配の時間的な変化に基づいて前記被検体の生体周期を算出する生体周期算出ステップと、前記生体周期算出ステップにおいて算出された前記生体周期を出力する生体周期出力ステップと、を含む体温解析方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、体温を十分な精度で測定することが困難であっても被検体の生体周期を正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る体温解析装置の機能的な構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る体温の時系列データ及び体温勾配の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る体温勾配の分布の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る分布勾配の時間的な変化の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る体温解析装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1から図4を参照しながら、実施形態に係る体温解析装置の一例を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る体温解析装置の機能的な構成の一例を示す図である。図1に示すように、体温解析装置1は、データ取得部11と、体温勾配算出部12と、分布勾配算出部13と、生体周期算出部14と、生体周期出力部15とを備える。
【0013】
データ取得部11は、被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得する。ここで言う被検体は、ヒト又は動物である。また、動物の一例としてはマウスが挙げられる。体温勾配算出部12は、第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る体温の時系列データ及び体温勾配の一例を示す図である。図2は、第一時間間隔が一分であり、第二時間間隔が五分であり、第一時間間隔ごとに測定した被検体の体温の一例を示している。
【0015】
例えば、データ取得部11は、図1に示した体温計20から図2に示した点D1、点D2、点D3、点D4、点D5、点D6、点D7、点D8、点D9、点D10、点D11、点D12、点D13、…で表される被検体の体温の時系列データを取得する。これらの点は、それぞれ被検体の体温の測定が開始された時点から1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、…が経過した時点における被検体の体温の測定値又は当該測定値に種々の統計的な処理や補正を施した値である。また、体温計20は、第一時間間隔で一定期間の間、継続的に被検体の体温を測定することが可能な体温計であり、任意のハードウエア構成を採り得る。
【0016】
そして、体温勾配算出部12は、第二時間間隔の一例である5分間隔についての被検体の体温の変化の割合である体温勾配を算出する。例えば、体温勾配算出部12は、点D1と点D6とを結ぶ線分L1の勾配を五分間隔についての点D1で表されている体温の変化の体温勾配として算出する。ここで、点D6は、点D1の五分後に測定された体温を表している。また、体温勾配算出部12は、点D2と点D7とを結ぶ線分L2の勾配を五分間隔についての点D1で表されている体温の変化の体温勾配として算出する。同様に、体温勾配算出部12は、線分L3、線分L4、線分L5、線分L6、線分L7、線分L8、線分L9、線分L10、線分L11、線分L12、線分L13、…各々の勾配を五分間隔についての点D3、点D4、点D5、点D6、点D7、点D8、点D9、点D10、点D11、点D12、点D13、…で表されている体温の変化の体温勾配として算出する。
【0017】
分布勾配算出部13は、時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての体温勾配の分布を複数の所定期間について算出する。そして、分布勾配算出部13は、当該体温勾配の分布各々の所定度数における勾配である分布勾配を複数の所定期間各々について算出し、分布勾配の時間的な変化を算出する。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に係る体温勾配の分布の一例を示す図である。図3は、横軸が体温勾配を表しており、縦軸が体温勾配の最大値を0%とし体温勾配の最小値を100%とする累積度数分布を表している。
【0019】
例えば、分布勾配算出部13は、図2に示した時系列データに対して設定され、10分の長さを有する所定期間W内に測定された点D1、点D2、…、点D11で表される体温についての体温勾配の分布を算出する。当該体温勾配の分布は、例えば、図3に曲線C1で表される分布となる。そして、分布勾配算出部13は、体温勾配が所定度数の一例である「0」である点における曲線C1の勾配を分布勾配として算出する。
【0020】
次に、分布勾配算出部13は、図2に示した所定期間Wを1分右にずらし、点D2、点D3、…、点D12で表される体温についての体温勾配の分布を算出する。当該体温勾配の分布は、例えば、図3に曲線C2で表される分布となる。そして、分布勾配算出部13は、体温勾配が所定度数の一例である「0」である点における曲線C2の勾配を算出する。
【0021】
同様に、分布勾配算出部13は、図2に示した所定期間Wを順次1分ずつ右にずらし、図1に示した時系列データに含まれる連続する十個の点で表される体温についての体温勾配の分布を算出する。そして、分布勾配算出部13は、体温勾配が所定度数の一例である「0」である点における当該体温分布の勾配を示す曲線の勾配を分布勾配として算出する。
【0022】
図4は、本発明の実施形態に係る分布勾配の時間的な変化の一例を示す図である。図4に示した点F1は、体温勾配が所定度数の一例である「0」である点における曲線C1の勾配を表している。また、図4に示した点F2は、体温勾配が所定度数の一例である「0」である点における曲線C2の勾配を表している。同様に、点F3、点F4、点F5、点F6、点F7、点F8、点F9、点F10、点F11、点F12、点F13、…は、図2に示した所定期間Wを順次1分ずつ右にずらしてから算出した体温分布の勾配を示す曲線の体温勾配が「0」である点における勾配を表している。
【0023】
生体周期算出部14は、分布勾配の時間的な変化に基づいて被検体の生体周期を算出する。ここで言う生体周期は、例えば、被検体の月経周期である。例えば、生体周期算出部14は、図4に示した点F1、点F2、点F3、点F4、点F5、点F6、点F7、点F8、点F9、点F10、点F11、点F12、点F13、…のうち最大の分布勾配を示す点F7と、二番目に大きな分布勾配を示す点F12との時間差Tを月経周期として算出する。図4に示した時間差Tは、例えば、被検体がマウスである場合、マウスの月経周期である4日から6日となる。
【0024】
或いは、生体周期算出部14は、図4に示した分布勾配の時間的な変化の包絡線Eを算出し、包絡線Eに基づいて被検体の生体周期を算出してもよい。この場合、例えば、生体周期算出部14は、包絡線Eが最大の分布勾配を示す点と、二番目に大きな分布勾配を示す点との時間差を月経周期として算出する。
【0025】
生体周期出力部15は、生体周期算出部14により算出された生体周期を出力する。また、生体周期出力部15は、分布勾配算出部13により算出された分布勾配の時間的な変化を被検体の生体周期以上の長さ出力してもよい。生体周期出力部15から出力された生体周期及び分布勾配の時間的な変化は、例えば、図1に示したディスプレイ30に表示される。ただし、生体周期出力部15から出力された生体周期及び分布勾配の時間的な変化が出力される態様は、特に限定されない。
【0026】
次に、図5を参照しながら実施形態に係る車載制御装置の動作の一例を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る体温解析装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0027】
ステップS10において、データ取得部11は、被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得する。
【0028】
ステップS20において、体温勾配算出部12は、第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する。
【0029】
ステップS30において、分布勾配算出部13は、時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の所定期間について算出し、分布勾配の時間的な変化を算出する。
【0030】
ステップS40において、生体周期算出部14は、分布勾配の時間的な変化に基づいて被検体の生体周期を算出する。
【0031】
ステップS50において、生体周期出力部15は、ステップS40で算出された生体周期を出力する。
【0032】
以上、実施形態に係る体温解析装置1について説明した。体温解析装置1は、被検体の体温を第一時間間隔で測定した時系列データを取得するデータ取得部11と、第一時間間隔よりも長い第二時間間隔についての体温の変化の割合である体温勾配を算出する体温勾配算出部12と、時系列データに対して設定され、一定の長さを有する所定期間内に測定された体温についての体温勾配の分布の所定度数における勾配である分布勾配を複数の所定期間について算出し、分布勾配の時間的な変化を算出する分布勾配算出部13と、分布勾配の時間的な変化に基づいて被検体の生体周期を算出する生体周期算出部14と、生体周期算出部により算出された生体周期を出力する生体周期出力部15と、を備える。
【0033】
したがって、体温解析装置1は、図1に示した時系列データに含まれる点が示す体温が十分な精度で測定されていない場合であっても、分布勾配の時間的な変化から図1に示した時系列データの傾向を抽出して被検体の生体周期を正確に推定することができる。
【0034】
体温解析装置1は、図4に示した分布勾配の時間的な変化の包絡線Eを算出し、包絡線Eに基づいて被検体の生体周期を算出する。これにより、体温解析装置1は、時系列データに含まれているノイズの影響が図4に示した分布勾配の時間的な変化に影響を及ぼしている場合であっても図4に示した分布勾配の時間的の傾向を把握し、被検体の生体周期を正確に推定することができる。
【0035】
体温解析装置1は、分布勾配算出部13により算出された分布勾配の時間的な変化を被検体の生体周期以上の長さ出力する。これにより、体温解析装置1は、被検体の生体周期を推定した根拠をユーザに通知し、ユーザに安心感を与えることができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、特に、時系列データに処理が施されていない場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。時系列データは、フーリエ近似等の処理が施されていてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、第一時間間隔が一定である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第一時間間隔は、第二時間間隔よりも短いという条件を満たしている限り、変動してもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、第二時間間隔が5分間隔である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、第二時間間隔は、5分間隔から30間隔の間の時間間隔であってもよい。また、第二時間間隔は、10分間隔又は15分間隔であることが好ましい。
【0039】
また、上述した実施形態では、図2に示した所定期間Wの長さが10分である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図2に示した所定期間Wの長さは、任意の長さ、例えば、240分であってもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、図3に示した通り、体温勾配の分布として累積度数分布が採用されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、体温勾配の分布としては、累積ではない通常の分布、標準偏差が採用されてもよい。
【0041】
なお、上述した体温解析装置1の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録させ、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することにより、上述した処理の少なくとも一部を実行してもよい。
【0042】
ここで言うコンピュータシステムとは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び周辺機器等のハードウエアの少なくとも一つを含む。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置、ネットワーク又は通信回線を介してプログラムが送信される場合におけるサーバ又はクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように一定時間プログラムを保持しているものも含む。
【0043】
また、上述したプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、又は、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する伝送媒体とは、インターネット等のネットワーク又は電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0044】
また、上述したプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるプログラム、いわゆる差分プログラムであってもよい。上述したプログラムは、例えば、コンピュータが備えるCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより読み出されて実行される。
【0045】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換及び設計変更の少なくとも一つを加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…体温解析装置、11…データ取得部、12…体温勾配算出部、13…分布勾配算出部、14…生体周期算出部、15…生体周期出力部、20…体温計、30…ディスプレイ、C1,C2…曲線、D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12,D13…点、E…包絡線、F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8,F9,F10,F11,F12,F13…点、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12,L13…線分、P…折線、T…時間差、W…所定期間、Z…点
図1
図2
図3
図4
図5