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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】ガラス粉砕装置
(51)【国際特許分類】
   B02C 13/08 20060101AFI20220810BHJP
   B02C 23/10 20060101ALI20220810BHJP
   B07B 7/04 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
B02C13/08 A ZAB
B02C23/10
B07B7/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020545821
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 JP2020005530
(87)【国際公開番号】W WO2021161445
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2020-08-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520331040
【氏名又は名称】株式会社あさひ
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】中村 典雄
(72)【発明者】
【氏名】猪子 兼行
(72)【発明者】
【氏名】卜部 智和
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 好信
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 聡一
【合議体】
【審判長】宮澤 尚之
【審判官】原 和秀
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-318172(JP,A)
【文献】特開平9-234380(JP,A)
【文献】特開2002-361179(JP,A)
【文献】特開2012-166168(JP,A)
【文献】特開平6-55053(JP,A)
【文献】米国特許第3700177(US,A)
【文献】登録実用新案第363631(JP,Z2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C13/02-13/13 B02C23/00-23/40 B07B7/04 B09B3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め破砕されたガラスのカレットを粉砕する粉砕用ロータが内蔵されたドラム部を有する粉砕機と、粉砕機から斜め上方に伸び、前記ドラム部内で粉砕されてなる砂状ガラス粉を誘導する略直線状の搬送用パイプと、搬送用パイプの上端が挿入された容器状のプレダスタとを備えており、該プレダスタが、前記搬送用パイプの上端と対向し、且つ搬送用パイプの上端から吐出する前記砂状ガラス粉をプレダスタ内へ誘導する反射板を有しており、前記粉砕機内で粉砕されてなる砂状ガラスが前記略直線状の搬送用パイプ内を搬送されて、前記反射板に直接的に衝突して前記プレダスタ内に収容されるようになされている、ガラス粉砕装置。
【請求項2】
更に、プレダスタ内の微粉状ガラス粉を捕集する捕集機を備えた、請求項1記載のガラス粉砕装置。
【請求項3】
粉砕機に対する搬送用パイプの傾斜角度が50°~70°である、請求項1または請求項2記載のガラス粉砕装置。
【請求項4】
ドラム部の内周面に耐摩耗性板からなるライナが装着されている、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置。
【請求項5】
プレダスタが、反射板と対向して設けられ、該反射板に衝突した後の砂状ガラス粉を受ける垂下受板を備え、捕集機は垂下受板における前記反射板と反対側に設けられ、前記垂下受板で受けた砂状ガラス粉がプレダスタの下方に落下すると共に砂状ガラス粉に混在しているパウダー状ガラス粉が前記捕集機に捕集されるようになされている、請求項2~請求項4のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置。
【請求項6】
プレダスタの下側にホッパが一体に形成されている、請求項1~請求項5のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置。
【請求項7】
粉砕用ロータが内蔵されたドラム部に、内蓋が装着され、更に内蓋の外側にヒンジを介して扉体が取り付けられ、該扉体によってドラム部が開閉自在となされている、請求項1~請求項6のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置。
【請求項8】
粉砕用ロータが、中心に回転駆動軸の軸受を有する円形基板と、円形基板の一面に放射状に設けられた複数の粉砕板と、各粉砕板の端部を周回するように全粉砕板の端部に装着されたリング状板を備えている、請求項1~請求項7のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置。
【請求項9】
内蓋が、粉砕用ロータのリング状板と同形である、請求項8記載のガラス粉砕装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルガラス(カバーガラス)や自動車ガラス、或いは建築物の窓ガラス、瓶ガラス等といった各種ガラスを粒状粉砕化してリサイクルするためのガラス粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで大型の固体を粒状化したり、粉砕化する装置としては、例えばハウジング内に設けられた扁平円筒体の内部に所定の回転速度で回動するロータディスクを配設し、該ロータディスクの外周に一定間隔をあけてハンマー部材を取り付け、前記ハウジングの入口から投入された岩石等の鉱物を前記ロータディスク外周のハンマー部材で打撃粉砕する装置が知られている。
【0003】
また、扁平円筒状の本体ハウジング内に回転盤を配設し、該回転盤の外周に間隔をあけて衝撃板や分級羽根を取り付け、被粉砕物を前記本体ハウジングの原料供給口から投入して、被粉砕物を前記回転盤によって衝撃粉砕しつつ、遠心分級するようにした衝撃粉砕機も知られている。
【0004】
この他、複数の円弧形板からなる円形機函(ハウジング)の内周面に反撥凸、条と反撥凹条を交互に設け、前記円形機函内に配設した回転ディスクを回動させることで該回転ディスクの外周に取り付けられた打撃子が、前記円形機函内に投入された石等の被破砕物を前記反撥凸条と反撥凹条に叩き付けて、前記石等の被破砕物を砕くようにしたインパクトクラッシャも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭50-156061号公報
【文献】特開昭61-93841号公報
【文献】実開平5-9646号公報
【文献】特開平8-318172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来の粒状化粉砕化装置のうち、ハウジング内で回転するロータや回転盤等の外周に被破砕物を打撃するハンマー(打撃子)を備えたものは、破砕対象が岩石等の鉱物であるため、これを用いてガラスを破砕した場合には、その破砕されるガラスのサイズが一定化できず、また破砕されたガラスは不定形且つ鋭利な形状となるため、ガラスのリサイクルを行うにあたっての取り扱いが非常に困難となる等、種々の問題が想定されるものであった。
【0007】
一方、扁平円筒状の本体ハウジング内に回転盤を配設し、該回転盤の外周に間隔をあけて衝撃板や分級羽根を取り付けたものは、回転盤の回動に伴って分級羽根の外周に遠心力領域が形成され、そして、粉砕されたは前記分級羽根の外側へ向かう遠心力を受けると同時に微粉排出口から吸引される吸引風力に起因する向心力を受けることで粒子の分級を行うようにしたものであるが、このような構成は非常に複雑で製作精度が高くないと十分な分級効果が得られない上、被粉砕対象が炭酸カルシウム、黒鉛等などであり、ガラスの粉砕には物理的に不向きである等、種々の不都合があった。
【0008】
ガラスの破砕装置としては、全体が偏平円筒状で、接線方向かつ上方に向かう噴出口を持ち、円筒部中心に投入口を備えてなるケーシングと、ケーシング内部に回転自在に設けられ、ガラスを砕くための複数枚の破砕板が放射状に設けられたロータを有するものが知られている。そして、該破砕装置は、前記ケーシングの内部周壁に耐摩耗性材料からなるプロテクタが着脱自在に取り付けられ、前記ロータの回転によって前記投入口から入れられた廃ガラスが前記ロータの破砕板に打撃されると共に、前記プロテクタに叩き付けられ、またロータの遠心風力によって前記廃ガラスが巻き上げられることで、最終的に所定サイズのガラス粉粒を得られるものである。
【0009】
しかしながら、前述したガラス破砕装置では、破砕されたガラスの噴出口側において、強度的な脆弱性や破砕されたガラス粉粒のスムーズな流出が行えず、また得られるガラス片も比較的大粒であり、リサイクル用途が限られる等といった不都合もあった。
【0010】
本発明の目的は、ガラスを角のない所定の粒度に安定的に粉砕することができるガラス粉砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明は、予め破砕されたガラスのカレットを粉砕する粉砕用ロータが内蔵されたドラム部を有する粉砕機と、粉砕機から斜め上方に伸び、前記ドラム部内で粉砕されてなる砂状ガラス粉を誘導する略直線状の搬送用パイプと、搬送用パイプの上端が挿入された容器状のプレダスタとを備えており、該プレダスタが、前記搬送用パイプの上端と対向し、且つ搬送用パイプの上端から吐出する前記砂状ガラス粉をプレダスタ内へ誘導する反射板を有しており、前記粉砕機内で粉砕されてなる砂状ガラスが前記略直線状の搬送用パイプ内を搬送されて、前記反射板に直接的に衝突して前記プレダスタ内に収容されるようになされているガラス粉砕装置である。
【0012】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載のガラス粉砕装置について、更に、プレダスタ内の微粉状ガラス粉を捕集する捕集機を備えたものである。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項1または請求項2記載のガラス粉砕装置について、粉砕機に対する搬送用パイプの傾斜角度が50°~70°であることを特徴とし、より好ましくは約60°である。
【0014】
請求項4記載の本発明は、前記請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置について、ドラム部の内周面に耐摩耗性板からなるライナが装着されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置について、プレダスタが、反射板と対向して設けられ、該反射板に衝突した後の砂状ガラス粉を受ける垂下受板を備え、捕集機は垂下受板における前記反射板と反対側に設けられ、前記垂下受板で受けた砂状ガラス粉がプレダスタの下方に落下すると共に砂状ガラス粉に混在しているパウダー状ガラス粉が前記捕集機に捕集されるようになされている、請求項2~請求項4のうちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置。
【0016】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1~請求項5うちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置について、プレダスタの下側にホッパが一体に形成されているものである。
【0017】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1~請求項6うちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置について、粉砕用ロータが内蔵されたドラム部に、内蓋が装着され、更に内蓋の外側にヒンジを介して扉体が取り付けられ、該扉体によってドラム部が開閉自在となされていることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の本発明は、前記請求項1~請求項7うちのいずれか一項記載のガラス粉砕装置について、粉砕用ロータが、中心に回転駆動軸の軸受を有する円形基板と、円形基板の一面に放射状に設けられた複数の粉砕板と、各粉砕板の端部を周回するように全粉砕板の端部に装着されたリング状板を備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の本発明は、前記請求項8記載のガラス粉砕装置について、内蓋が、粉砕用ロータのリング状板と同形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の本発明に係るガラス粉砕装置は、予め破砕されたガラスのカレットを粉砕する粉砕用ロータが内蔵されたドラム部を有する粉砕機と、粉砕機から斜め上方に伸び、前記ドラム部内で粉砕された砂状ガラス粉を誘導する略直線状の搬送用パイプと、搬送用パイプの上端が挿入された容器状のプレダスタとを備えている構成であるため、粉砕機のドラム部内では、投入されたガラスカレットが粉砕用ロータと衝突して粉砕され、粉砕された細かな砂状のガラス粉は回転する粉砕用ロータの旋回空気渦流によってドラム部内で巻き上げられて搬送用パイプへ誘導され、該搬送用パイプを介して前記粉砕された細かな砂状のガラス粉はプレダスタへ移送される。
【0021】
更に、プレダスタ内の微粉状ガラス粉を捕集する捕集機を備えた請求項2記載の本発明に係るガラス粉砕装置によれば、砂状のガラス粉だけでなく、プレダスタ内の微粉状ガラス粉も得られるため、リサイクル性が更に向上する。
【0022】
また、粉砕機に対する搬送用パイプの傾斜角度が50°~70°(より好ましくは約60°)とした請求項3記載の本発明に係るガラス粉砕装置によれば、前述した搬送用パイプによる砂状ガラス粉の誘導移送がよりスムーズに行える。
【0023】
更に、ドラム部の内周面に耐摩耗性板からなるライナが装着されている請求項4記載の本発明に係るガラス粉砕装置では、ガラスカレットは前記粉砕用ロータと衝突して粉砕されるだけでなく、前記衝突の反動でガラスカレットは硬質の前記耐摩耗性板製のライナにも衝突することで更に粉砕される。
【0024】
また、前記プレダスタが、搬送用パイプの上端と対向し、且つ搬送用パイプの上端から吐出する砂状ガラス粉をプレダスタ内へ誘導する反射板を備えた請求項5記載の本発明に係るガラス粉砕装置では、粉砕された砂状のガラス粉がプレダスタに進入する際に前記反射板と衝突するため、砂状のガラス粉の更なる粉砕と鋭利性除去が促進される。
【0025】
更に、プレダスタが、反射板に衝突した後の砂状ガラス粉を受ける垂下受板を備えている請求項6記載の本発明に係るガラス粉砕装置によれば、反射板に衝突した後の砂状ガラス粉は、垂下受板に受け止められて下方にスムーズに落下する。
【0026】
この他、プレダスタの下側にホッパが一体に形成された請求項7載の本発明に係るガラス粉砕装置によれば、最終的にプレダスタ内で粉砕された砂状のガラス粉はホッパを介して次の篩機にスムーズに投入され得る。
【0027】
また、粉砕用ロータが内蔵されたドラム部に、内蓋が装着され、更に内蓋の外側にヒンジを介して扉体が取り付けられ、該扉体によってドラム部が開閉自在となされた請求項8載の本発明に係るガラス粉砕装置によれば、前記扉体を開けてドラム部内の状態、特に前記ライナの摩耗状態やロータの摩耗状態を容易に確認することができ、また前記内蓋はドラム部内での粉砕用ロータの安定的な回転と、内蓋の取り外しによるロータ自体の交換作業の容易性が確保され得る。
【0028】
更にロータが、中心に回転駆動軸の軸受を有する円形基板と、円形基板の一面に放射状に設けられた複数の粉砕板と、各粉砕板の端部を周回するように全粉砕板の端部に装着されたリング状板を備えている請求項9載の本発明に係るガラス粉砕装置によれば、ガラスカレットは、回転するロータにおける複数の粉砕板によって、その衝突頻度が高くなり、またこれに伴ってガラスカレットがドラム部内の硬質の前記ライナと衝突する頻度も高くなるため、ガラスカレットの粉砕効率が大幅に高められ得る。
【0029】
この他、内蓋が、ロータのリング状板と同形である請求項10記載のガラス粉砕装置によれば、前述したドラム部内の点検目視が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係るガラス粉砕装置の正面図である。
図2】同実施形態に係るガラス粉砕装置における粉砕機の垂直断面図である。
図3】同実施形態におけるプレダスタおよびホッパの垂直断面図である。
図4】同実施形態に係るガラス粉砕装置における粉砕機の斜視図である。
図5】同実施形態に係るガラス粉砕装置における粉砕機の内部構造を示す斜視図である。
図6】同実施形態に係るガラス粉砕装置における粉砕機でのロータ取付け状態を示す要部拡大斜視図である。
図7】ドラム部と内蓋との関係を示す斜視図である。
図8図7の内蓋取付け後における扉体の開閉要領を示す斜視図である。
図9】粉砕機の駆動回転軸と電動モータとの連動構造を示す斜視図である。
図10】粉砕機における駆動回転軸の軸受状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0032】
図1図4に示すように、本実施形態に係るガラス粉砕装置1は、予め破砕されたガラスカレットを粉砕する粉砕用ロータ6が内蔵されたドラム部3を有する粉砕機2と、粉砕機2から斜め上方に伸び、前記ドラム部3内で粉砕されたガラスを誘導する略直線状の搬送用パイプ10と、搬送用パイプ10の上端が挿入された容器状のプレダスタ4と、プレダスタ4の下部に一体的に設けられたホッパ5を有している。なお、図中20は、粉砕対象である前記破砕されたガラスカレットの投入口を示す。また、前記ドラム部3の内周面にはライナ7として複数の円弧状耐摩耗性鋼板がボルト8およびナット9で固定されている。
【0033】
なお、本実施形態において、粉砕機2に対する搬送用パイプ10の傾斜角度αは約60°である。
【0034】
前記プレダスタ4は、前記搬送用パイプ10の上端10aと対向し、且つ搬送用パイプ10の軸線に対して所定角度傾斜した反射板11を有しており、搬送用パイプ10から吐出した砂状ガラス粉は前記反射板11に衝突してプレダスタ4内へ投入され、更に反射板11に衝突した後の砂状ガラス粉はプレダスタ4内の垂下受板41に受け止められてスムーズに落下し、前記ホッパ5内に投入される。また、プレダスタ4内に充満しているパウダー状ガラス粉はプレダスタ4の上部に連結されている捕集機42のダクト44が接続されたチャンバー45から吸引されてダクト44の途中に設けられているバタフライダンパー43を経由して前記捕集機42内に捕集される(図1図2参照)。本実施形態において、捕集機42はバグフィルタ等を有する集塵機能を有するものであり、当該捕集機42に捕集されたパウダー状のガラス粉は、ホッパ5に集積される砂状ガラス粉と同様、資材としてリサイクルされるものである。
【0035】
図2に示すように、より詳細には、砂状ガラス粉は自重でホッパ5内へ落下し、比重が非常に軽いパウダー状ガラスだけが捕集機42に吸引されることとなる。なお、図中12はプレダスタ4内を目視するための窓を示す。
【0036】
図2図5および図6に示すように、粉砕用ロータ6は、中心に回転駆動軸13の軸受14を有する円形基板16と、円形基板16の一面に放射状に設けられた複数の粉砕板17と、各粉砕板17の端部を周回するように全粉砕板17の端部に装着されたリング状板18を備えている。
【0037】
図5図10に示すように、前記ドラム部3の中央部分には前記回転駆動軸13が突出しており、回転駆動軸13に粉砕用ロータ6の軸受14が嵌め合わされて止めナット21によって固定されており、かかる構造によって、粉砕用ロータ6が回転自在に軸支されている。
【0038】
粉砕用ロータ6が内蔵されたドラム部3には、内蓋22が装着され、更に内蓋22の外側にヒンジ40を介して扉体23が取り付けられ、該扉体23によってドラム部3が開閉自在となされている。本実施形態では、内蓋22が粉砕用ロータ6のリング状板18と同形となされている。
【0039】
この他、図9および図10に示すように、本実施形態では、粉砕用ロータ6の回転駆動軸13は、一対のプーリ24A・24BとベルトB、軸受31を介して電動モータMによって回転する構造となされており、且つその回転は、粉砕用ロータ6で粉砕された砂状ガラス粉が搬送用パイプ10内へ誘導されるように回転となされている。また、前記ホッパ5の下部には篩機25が設置されている。
【0040】
次に、本実施形態に係るガラス粉砕装置1の使用方法について説明すると、電動モータMを作動させて粉砕用ロータ6を回転させた状態で、予め破砕機(図示せず)によって破砕されたガラスカレットを粉砕機2の投入口20から粉砕機2内に投入することで、該ガラスカレットが回転している粉砕用ロータ6の粉砕板17に衝突して粉砕され、また粉砕板17に衝突した後のガラスカレットは、粉砕用ロータ6を囲むようにドラム部3内周面に取り付けられている耐摩耗性のライナ7に衝突することで更に粉砕され、またこのような粉砕状態においてドラム部3内を飛び交うガラスカレット同士が衝突する等して、前記投入口20から投入される際には鋭利な角があったガラスカレットは、粉砕されると共に前記鋭利な角も磨耗によって無くなり、最終的に鋭利な角がとれた細かな砂状のガラス粉となる。
【0041】
また、前記粉砕用ロータ6の回転に伴ってドラム部3内にはガラスカレットを巻き上げる旋回空気渦流が発生しており、前述した粉砕によって、外形が数ミリ程度にまで粉砕された細かい砂状ガラス粉は前記巻き上げ空気渦流によって、搬送用パイプ10内を上昇してプレダスタ4へ誘導される。この際、搬送用パイプ10は、略直接状であるため、前記砂状ガラス粉は搬送途中に淀みなく、何らの抵抗もなく、スムーズにプレダスタ4内に進入する。そして、プレダスタ4内では、前記搬送用パイプ10の上端と対向して配設されている傾斜した反射板11に、進入してきた砂状ガラス粉が衝突し、更に反射板11に、衝突した後の砂状ガラス粉は、プレダスタ4内の垂下受板41に受け止められて下方に落下し、最終的にプレダスタ4下方のホッパ5に前記砂状ガラス粉が落下する。そして、砂状ガラス粉はホッパ5から前記篩機25へ流入する。
【0042】
一方、ドラム部3内で十分に粉砕されていないガラスカレットは、前記粉砕用ロータ6の回転に伴うドラム部3内の巻き上げ旋回空気渦流によって上昇せずに自重で落下すると共に再び粉砕用ロータ6の粉砕板17に衝突したり、その反動でライナ7に衝突し、また前記ガラスカレット同士の衝突によって更に粉砕化され、そして、このような粉砕化の繰り返しによって外形が数ミリ程度にまで粉砕された細かい砂状ガラス粉になった時に、前記粉砕用ロータ6の回転に伴うドラム部3内の巻き上げ旋回空気渦流によって上昇して搬送用パイプ10内へ導かれるのである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
前述した通り、本発明に係るガラス粉砕装置によれば、ガラスカレットを乾式で簡単且つ確実に細かな砂状のガラス粉にすることができるため、太陽光パネルガラスや自動ガラス、建築用ガラス、瓶ガラス等のガラスリサイクルの分野において幅広い需要が期待できる。
【符号の説明】
【0044】
1 ガラス粉砕装置
2 粉砕機
3 ドラム部
4 プレダスタ
5 ホッパ
6 粉砕用ロータ
7 耐摩耗性ライナ
10 搬送用パイプ
11 反射板
13 回転駆動軸
17 粉砕板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10