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特許7121438ゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】ゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20220810BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20220810BHJP
   A45F 3/00 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
A47G29/00 J
A45C11/00 H
A45F3/00 520
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022101771
(22)【出願日】2022-06-24
(62)【分割の表示】P 2021181923の分割
【原出願日】2021-11-08
【審査請求日】2022-07-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519414088
【氏名又は名称】合同会社Aqua
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠本 哲也
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-5657(JP,U)
【文献】実開昭50-72358(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/193559(US,A1)
【文献】実開平3-118775(JP,U)
【文献】登録実用新案第3119536(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00
A63B 57/20
A45C 11/00
A45F 3/00
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ用具を収容するゴルフ用具鞄類であって、
磁石を含むゴルフマーカを吸着するマーカ吸着部を備え、
前記マーカ吸着部は、一対の磁石と、前記磁石を支持する支持部とを備え、
前記マーカ吸着部において、一対の前記磁石は、隣り合うように配設され且つ前記ゴルフマーカを吸着する側に向く端面の磁極が互いに異なり、
前記ゴルフマーカは、一対の前記磁石のいずれか一方に吸着される
ことを特徴とするゴルフ用具鞄類。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフ用具鞄類であって、
前記マーカ吸着部は、一対の前記磁石を覆う補助支持部を備え、
一対の前記磁石は前記支持部と前記補助支持部の間に挟み込まれている
ことを特徴とするゴルフ用具鞄類。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゴルフ用具鞄類であって、
ゴルフ用具を収容する収容部と、前記収容部の入口を覆う蓋部とを備え、
前記マーカ吸着部は、前記蓋部に設けられ、
前記収容部に、磁性体及び磁石の少なくとも一方を有する留具が設けられ
前記マーカ吸着部と前記留具により、前記蓋部が前記収容部に留められる
ことを特徴とするゴルフ用具鞄類。
【請求項4】
請求項3に記載のゴルフ用具鞄類であって、
前記マーカ吸着部において、一対の前記磁石は、一方が他方よりも前記入口に近位になるように配設され、
前記留具は、前記マーカ吸着部を留める主体部が磁性体からなる
ことを特徴とするゴルフ用具鞄類。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のゴルフ用具鞄類であって、
前記ゴルフ用具鞄類は、ゴルフボールケース又はゴルフ距離計ケースである
ことを特徴とするゴルフ用具鞄類。
【請求項6】
磁石を含むゴルフマーカを吸着するゴルフマーカ吸着構造であって、
一対の磁石と、前記磁石を支持する支持部とを含み、
一対の前記磁石は、隣り合うように配設され且つ前記ゴルフマーカを吸着する側に向く端面の磁極が互いに異なり、
前記ゴルフマーカは、一対の前記磁石のいずれか一方に吸着される
ことを特徴とするゴルフマーカ吸着構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ用具鞄類として、例えば、「少なくとも2個のゴルフボールを収納可能であり、ゴルフボールを挿入する、開閉フラップ付きの挿入口を一端に有し、かつ他端に、ゴルフボールを受け止める受け止め部と、内方のゴルフボールを押し出すために指を差し入れる押し出し口を有するゴルフボールホルダー」が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3119536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴルフプレーの際には、ゴルフボールと同様に、ゴルフマーカも携帯する必要がある。上記ゴルフボールホルダーでは、ゴルフマーカを携帯するための取り付け部として、磁気吸着部或いは磁気吸着部を取り付けるためのスリットを有している(特許文献1の請求項2を参照)。
【0005】
しかしながら、ゴルフマーカには磁性体を用いるタイプ以外にも、磁石を用いるタイプがあり、この磁石が上記ゴルフボールホルダーの磁気吸着部と極性が合う場合は吸着するが、極性が合わない場合は吸着しない。
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、ゴルフマーカをタイプを問わず吸着できるゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、ゴルフ用具を収容するゴルフ用具鞄類であって、ゴルフマーカを吸着するマーカ吸着部を備え、前記マーカ吸着部は、一対の磁石と、前記磁石を支持する支持部とを備え、前記マーカ吸着部において、一対の前記磁石は、隣り合うように配設され且つゴルフマーカを吸着する側に向く磁極が互いに異なる。
【0008】
上記ゴルフ用具鞄類において、前記マーカ吸着部は、一対の前記磁石を覆う補助支持部を備え、一対の前記磁石は前記支持部と前記補助支持部の間に挟み込まれている。
【0009】
上記ゴルフ用具鞄類において、ゴルフ用具を収容する収容部と、前記収容部の入口を覆う蓋部とを備え、前記マーカ吸着部は、前記蓋部に設けられ、前記収容部に、磁性体及び磁石の少なくとも一方を有する留具が設けられている。
【0010】
上記ゴルフ用具鞄類において、前記マーカ吸着部において、一対の前記磁石は、一方が他方よりも前記入口に近位になるように配設され、前記留具は、前記マーカ吸着部を留める主体部が磁性体からなる。
【0011】
上記ゴルフ用具鞄類において、前記ゴルフ用具鞄類は、ゴルフボールケース又はゴルフ距離計ケースである。
【0012】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、ゴルフマーカを吸着するゴルフマーカ吸着構造であって、一対の磁石と、前記磁石を支持する支持部とを含み、一対の前記磁石は、隣り合うように配設され且つゴルフマーカを吸着する側に向く磁極が互いに異なる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ゴルフマーカをタイプを問わず吸着できるゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造を提供することができる。
【0014】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るゴルフ用具鞄類の一例を示す斜視図である。
図2図1のゴルフ用具鞄類の一例の、(a)正面図、(b)背面図である。
図3図1のゴルフ用具鞄類の一例の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
図4図1のゴルフ用具鞄類の一例の、(a)平面図、(b)底面図である。
図5】(a)図2(a)におけるAA’線断面図、(b)図3(b)におけるBB’線断面図である。
図6図1のゴルフ用具鞄類の一例の蓋を開けた状態の、(a)正面図、(b)平面図である。
図7】(a)図2(a)におけるCC’線断面図、(b)図2(a)におけるDD’線断面図である。
図8図7(a)におけるE部拡大図を用いてマーカ吸着部を説明する図である。
図9】本発明に係るゴルフマーカ吸着構造を示す概念図である。
図10】本発明に係るゴルフ用具鞄類の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態(及び変形例)において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0017】
図1は、本発明に係るゴルフ用具鞄類の一例を示す斜視図である。なお、Xは左右方向(横方向)(-Xが左方、+Xが右方)、Yは上下方向(縦方向)(-Yが下方、+Yが上方)、Zは前後方向(奥行方向)(-Zが後方、+Zが前方)を示す(以下各図において同じ)。
【0018】
本発明に係るゴルフ用具鞄類は、ゴルフ用具を収容するもので、一例としてゴルフボールケースである。なお、ここでは、鞄類は、中に物を入れる携帯用具をいい、素材は問わない。本発明に係るゴルフ用具鞄類は、ゴルフマーカを吸着するマーカ吸着部を備える。以下では、ゴルフボールケースを例に説明する。
【0019】
まず、本発明の一例のゴルフボールケースの全体構成について説明する。図2図6は、その一例を示す図で、図2(a)は正面図、図2(b)は背面図、図3(a)は左側面図、図3(b)は右側面図、図4(a)は平面図、図4(b)は底面図、図5(a)は図2(a)におけるAA’線断面図、図5(b)は図3(b)におけるBB’線断面図、図6(a)は蓋を開けた状態の正面図、図6(b)は蓋を開けた状態の平面図である。
【0020】
ゴルフボールケース1は、各図において実線で示しているように、本体部分である本体部2を備える。本体部2は、ゴルフボールを収容する収容部21と、収容部21の入口を覆う蓋部22とを備える。
【0021】
ゴルフボールケース1は、各図(図1を除く)において破線で示しているように、さらに、プレーヤがゴルフボールケース1を取り付けて携帯するためのリング状の取付具51、クリップ状の取付具52、二以上のゴルフティーを収容できるティー収容部53及びグリーンフォークを収容するグリーンフォーク収容部54のうちの一又は二以上を備えてもよい。
【0022】
図示のように、一例として、ゴルフボールケース1は、収容部21が縦長である。ゴルフボールケース1は、入口から2つのゴルフボールを押し込んで上下に重ねて収容できる。収容部21は、正面部、背面部、左側面部、右側面部及び底面部からなり、上方に開口して入口になっている。
【0023】
収容部21は、正面部の下方寄りの部分から底面部の前方寄りの部分にかけて、ボールを押し出すための押出口211が設けられる。収容部21は、両側面部と底面部との間にそれぞれ側口212が設けられる。一例として、収容部21は、略T字状の一枚の生地により形成される。
【0024】
蓋部22は、基端側が収容部21の背面部と連なり、先端側が収容部21の正面部と前後重なる。詳細は後述するが、蓋部22は、この収容部21の正面部と重なる重なり部Fが支持部221と補助支持部222とを有して袋状になっており、マーカ吸着部3がこの重なり部Fに配置される(図7以下を参照)。すなわち、支持部221及び補助支持部222は、縁部同士が裏側の開放部を除いて縫合や接着等で接合されている。
【0025】
蓋部22は、図3及び図4に示すように、重なり部Fの表面及び裏面が左右側面視、平面視及び底面視において緩やかな凸状になっている。ゴルフマーカMは、詳細は後述するが、この重なり部Fに吸着される(図8を参照)。
【0026】
ゴルフボールケース1は、収容部21に蓋部22を吸着させて留めることもできる。図6(a)に示すように収容部21の正面部に磁性体及び磁石の少なくとも一方を有する留具4が設けられ、図3図4に示すように留具4に重なり部Fが接して留まり、閉状態が保たれる。
【0027】
このように、ゴルフボールケース1は、蓋部22の重なり部Fにマーカ吸着部3が設けられ、マーカ吸着部3はゴルフマーカMを吸着して保持する第1の役割と、収容部21に蓋部22を吸着させて留める第2の役割の2つの役割を有する。
【0028】
以下、マーカ吸着部3について詳細に説明する。図7(a)は図2(a)におけるCC’線断面図、図7(b)は図2(a)におけるDD’線断面図、図8図7(a)におけるE部拡大図を用いてマーカ吸着部を説明する図である。
【0029】
マーカ吸着部3は、第1磁石31及び第2磁石32の一対の磁石と、第1磁石31及び第2磁石32を支持する支持部221とを備える。言い換えれば、支持部221は、蓋部22の一部であるとともに、第1磁石31及び第2磁石32の支持部を兼ねている。一例として、第1磁石31及び第2磁石32は、裏面により支持部221に支持される。
【0030】
マーカ吸着部3は、好ましくは、さらに第1磁石31及び第2磁石32を覆う補助支持部222を備える。言い換えれば、補助支持部222は、蓋部22の一部であるとともに、第1磁石31及び第2磁石32の補助支持部を兼ねている。第1磁石31及び第2磁石32は、支持部221と補助支持部222の間に挟み込まれている。
【0031】
支持部221は、第1磁石31及び第2磁石32が脱落しない(位置がずれない)ようにこれらを保持する保持手段2211を有する。一例として、保持手段2211は、図示のように、本体部2の生地より薄い面状の生地を第1磁石31及び第2磁石32の外周を囲うように支持部221に縫合するものである。保持手段2211は、面状の生地を第1磁石31及び第2磁石32の外周を囲うように支持部221に接着するものでもよい。保持手段2211は、第1磁石31及び第2磁石32を直接支持部221に接着するものでもよい。
【0032】
第1磁石31及び第2磁石32は、表面で支持部221に保持されてもよい。すなわち、第1磁石31及び第2磁石32を保持し支持する支持部221がゴルフマーカMを吸着する側である表側に、補助支持部222がその反対側である裏側に配置されてもよい。
【0033】
マーカ吸着部3において、第1磁石31及び第2磁石32は、支持部221に以下の態様で支持される。すなわち、第1磁石31及び第2磁石32は、隣り合うように配設され且つゴルフマーカMを吸着する側に向く磁極が互いに異なる。言い換えれば、第1磁石31のN極がゴルフマーカMを吸着する側に向いている場合は、第2磁石32はS極がゴルフマーカMを吸着する側に向いている。逆に、第1磁石31のS極がゴルフマーカMを吸着する側に向いている場合は、第2磁石32はN極がゴルフマーカMを吸着する側に向いている。
【0034】
第1磁石31及び第2磁石32は、一例として、互いに接して(表面及び裏面以外の面である側面が一部接して)隣り合うように配設される。第1磁石31及び第2磁石32は、一例として、互いに所定間隔を空けて隣り合うように配設される。この場合、第1磁石31及び第2磁石32は、好ましくは、保持手段2211により所定の間隔を保てるように支持部221に保持される。
【0035】
ここで、マーカ吸着部3の第1の役割について詳述すると、携行のための取付けに磁力を利用するゴルフマーカMには、吸引に磁性体を用いるタイプと、磁石を用いるタイプがあり、磁石を用いるタイプは更に極性により異なるタイプに分かれる。本発明のマーカ吸着部3は、どのタイプのゴルフマーカMもいずれかの磁石により吸着できる。また、いずれかの磁石に吸着すればよいので、素早く吸着できる。
【0036】
図8(a)に示すように、マーカ吸着部3は、ゴルフマーカMが磁石を用いるタイプの場合は、どの極性であっても対応でき、第1磁石31及び第2磁石32のうちの極性が合う一方で吸着して保持できる。図8(b)に示すように、マーカ吸着部3は、ゴルフマーカMが磁性体を用いるタイプの場合は、第1磁石31及び第2磁石32のうちの一方または双方により吸着して保持できる。この場合は、図示のHのように、吸着可能な範囲が広範囲となるので、素早く吸着できる。
【0037】
このように、マーカ吸着部3は、ゴルフマーカMをタイプを問わず吸着できるため、プレーヤは、ゴルフマーカMのタイプを意識せず購入して携行することができるので、非常に便利である。
【0038】
続いて、マーカ吸着部3の第2の役割について詳述すると、一般的に、蓋部22の入口の開閉にマグネット留具を用いる場合、メス側(磁石)は収容部21に配置され、オス側(磁性体)は蓋部22に配置される。そのため、蓋部22を吸着して留めることはできるものの、ゴルフマーカMを吸着して保持することはできない。
【0039】
これに対して、ゴルフボールケース1は、収容部21に磁性体及び磁石の少なくとも一方を有する留具4が設けられ、蓋部22にマーカ吸着部3が設けられる。このように構成することで、蓋部22を吸着して留めることができるとともに、ゴルフマーカMを吸着して保持することもできる。
【0040】
留具4は、マーカ吸着部3を留める主体部41が磁石である場合は、第1磁石31及び第2磁石32のうちの一方により留めることができる。一方、マーカ吸着部3を留める主体部41が磁性体からなる場合は、第1磁石31及び第2磁石32のうちの一方または双方により留めることができる。
【0041】
とりわけ、後者の場合は、図示のように、マーカ吸着部3において、第1磁石31及び第2磁石32が、一方が他方よりも入口に近位になるように配設される場合、より好ましくは、図示のように第1磁石31及び第2磁石32が上下して一列に並ぶように配設される場合は、蓋部22の留具4に接して留まる範囲が上下に広がるため、プレーヤは蓋部22の閉じ位置を気にせず被せるだけでよいので、蓋部22を簡単に素早く閉じられる。
【0042】
なお、図示の留具4は、主体部41が正面部の表面に配置され、主体部41の両足部を正面部及び補助留具42を貫通させ、折り曲げて正面部の裏面に係止させているが、これは一例に過ぎず、留具4の取付構造は特に限定されない。主体部41の足部や補助留具42にゴルフボールが引っ掛からないように、被覆部401を設けて覆うようにしてもよい。
【0043】
図9は、本発明に係るゴルフマーカ吸着構造を示す概念図である。
【0044】
上記のゴルフボールケース1のマーカ吸着部3の例のように、本発明に係るゴルフマーカ吸着構造Gは、ゴルフマーカMを吸着する構造であって、第1磁石31及び第2磁石32の一対の磁石と、第1磁石31及び第2磁石32を支持する支持部J1とを含む。ゴルフマーカ吸着構造Gにおいて、第1磁石31及び第2磁石32は、隣り合うように配設され且つゴルフマーカMを吸着する側に向く磁極が互いに異なる。
【0045】
第1磁石31及び第2磁石32は、支持部J1から脱落しないように任意の保持手段J11により支持部J1に保持される。図9(a)に示すように、第1磁石31及び第2磁石32は、支持部J1の表側に配設されてもよいし、図9(b)に示すように、支持部J1の裏側に配設されてもよい。図9(a)に示すように、ゴルフマーカ吸着構造Gは、さらに、補助支持部J2を含んで、支持部J1との間で第1磁石31及び第2磁石32を挟み込んでもよい。
【0046】
ゴルフマーカ吸着構造Gによれば、ゴルフマーカMをタイプを問わず吸着できる。また、図9(a)に示すように、ゴルフマーカ吸着構造Gが適用される物体が収容部K1と蓋部K2を備える場合は、蓋部K2に適用することで、さらに蓋部K2を収容部K1に留める留具を兼ねることができる。このように、ゴルフマーカ吸着構造Gは、簡易な構造であるにもかかわらず、優れた効果を奏する。
【0047】
なお、ゴルフマーカ吸着構造Gの適用される物体が収容部K1と蓋部K2を備える場合であっても、蓋部K2を収容部K1に留める留具に面ファスナや従来のマグネット留具等が用いられ、ゴルフマーカ吸着構造Gは、収容部K1や、留具と重ならない蓋部K2の他の部分に適用されてもよいことは言うまでもない。このような場合は、ゴルフマーカ吸着構造Gは、裏側において予備のゴルフマーカMを吸着することができ、タイプを問わず予備のゴルフマーカMを吸着できる。
【0048】
このように、ゴルフマーカ吸着構造Gは、表側だけでなく、裏側においてもタイプを問わずゴルフマーカMを吸着でき、簡易な構造であるにもかかわらず、優れた効果を奏する。
【0049】
以上、本発明の好適な例を説明したが、本発明にはさらに様々な変形例が含まれ得る。以下その一例を説明する。
【0050】
図10は、本発明に係るゴルフ用具鞄類の他の例を示す図である。図示のゴルフボールケース1aは、収容部21と、プレーヤのベルト等に取り付けるための取付部55とを備え、蓋部は備えていない。上記ゴルフマーカ吸着構造Gは、図10(a)に示すように収容部21に適用されてもよいし、図10(b)に示すように取付部55に適用されてもよい。言い換えれば、ゴルフマーカ吸着構造Gは、ゴルフボールケース1aの任意の位置に設けることができる。
【0051】
また、ゴルフマーカ吸着構造Gにおいて、第1磁石31及び第2磁石32は、隣り合うように配設されればよく、図10(a)に示すように横一列に隣り合うように配設されてもよいし、図10(b)に示すように互いに斜め隣となるように配設されてもよい。
【0052】
また、ゴルフマーカ吸着構造Gは、上記のようなゴルフボールを収容する鞄類だけでなく、ゴルフ距離計を収容するゴルフ距離計ケース、クラブケース、キャディバッグ等、ゴルフボール以外のゴルフ用具を収容する鞄類に適用されてもよい。とりわけ、ゴルフ距離計ケースは、ゴルフボールケースと似たような形状のものも多く、上記ゴルフボールケース1及びゴルフボールケース1aと同様に適用できる。また、ゴルフ用具を収容する鞄類だけでなく、ゴルフプレーヤが身に着けるゴルフキャップやゴルフウェア等に適用されてもよい。
【0053】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,1a…ゴルフボールケース、2…本体部、21…収容部、22…蓋部、221…支持部、222…補助支持部、3…マーカ吸着部、31…第1磁石、32…第2磁石、4…留具、41…主体部、G…マーカ吸着構造、J1…支持部、J2…補助支持部。
【要約】
【課題】 ゴルフマーカをタイプを問わず吸着できるゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造を提供する。
【解決手段】 ゴルフ用具を収容するゴルフ用具鞄類であって、ゴルフマーカを吸着するマーカ吸着部を備え、前記マーカ吸着部は、一対の磁石と、前記磁石を支持する支持部とを備え、前記マーカ吸着部において、一対の前記磁石は、隣り合うように配設され且つゴルフマーカを吸着する側に向く磁極が互いに異なる、ゴルフ用具鞄類。
【選択図】 図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10