(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220810BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20220810BHJP
H04N 5/374 20110101ALI20220810BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N5/369
H04N5/374
(21)【出願番号】P 2017033802
(22)【出願日】2017-02-24
【審査請求日】2019-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】521182560
【氏名又は名称】ブリルニクス シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛 一也
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊介
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 琢真
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-016114(JP,A)
【文献】特開2011-159756(JP,A)
【文献】特開2013-149743(JP,A)
【文献】特開2013-084742(JP,A)
【文献】特開2016-092035(JP,A)
【文献】特開2016-111082(JP,A)
【文献】特開2017-092149(JP,A)
【文献】特開2010-118538(JP,A)
【文献】特開2015-153772(JP,A)
【文献】特開2008-047896(JP,A)
【文献】特開2016-178143(JP,A)
【文献】特開2016-219857(JP,A)
【文献】特開2009-038309(JP,A)
【文献】特開2014-204043(JP,A)
【文献】特開2017-004985(JP,A)
【文献】特開2005-332925(JP,A)
【文献】特開2014-165286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 5/369
H04N 5/374
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板と、
前記基板に対して埋め込むように形成された第1導電型半導体層を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に形成された第2導電型分離層と、
前記光電変換部に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部と、を有し、
前記光電変換部は、
前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を含み、
前記一つの電荷転送ゲート部は、
前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能であり、
前記第2導電型半導体層は、
前記第1導電型半導体層に局所的に形成され、かつ、前記基板の法線に直交する方向の端部まで形成され、周辺部および前記電荷転送ゲート部の少なくともいずれかに位置する端部領域では、他の領域よりイオン注入濃度が薄く形成さ
れ、
周辺部または読み出し部である前記電荷転送ゲート部において、前記第1導電型半導体層の外周から分離して形成されている
固体撮像装置。
【請求項2】
第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板と、
前記基板に対して埋め込むように形成された第1導電型半導体層を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に形成された第2導電型分離層と、
前記光電変換部に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部と、を有し、
前記光電変換部は、
前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を含み、
前記一つの電荷転送ゲート部は、
前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能であり、
前記第2導電型半導体層は、
前記第1導電型半導体層に局所的に形成され、かつ、前記基板の法線に直交する方向の端部まで形成され、周辺部および前記電荷転送ゲート部の少なくともいずれかに位置する端部領域では、他の領域よりイオン注入濃度が薄く形成され
、
前記第1導電型半導体層は、
第1導電型と逆極性の第2導電型の不純物を注入したカウンタイオン注入部を含み、
前記カウンタイオン注入部は、少なくとも前記第2導電型半導体層の縁部および前記電荷転送ゲート部の縁部と対向する縁部が、前記第2導電型半導体層の縁部および前記電荷転送ゲート部の縁部と平行となるように形成されている
固体撮像装置。
【請求項3】
前記カウンタイオン注入部は、前記光電変換部のポテンシャルが浅くなる位置に形成されている
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第2導電型半導体層は、
前記基板の法線に直交する方向に所定幅を有し、
前記基板の法線方向に、前記第1導電型半導体層の前記第2基板面側または前記第1基板面側の表面から前記第1基板面側または前記第2基板面側の表面に至らない深さを有する
請求項
1から3のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第2導電型半導体層は、
前記基板の法線に直交する方向に所定幅を有し、
前記基板の法線方向に、前記第1導電型半導体層の前記第2基板面側または前記第1基板面側の表面から前記第1基板面側または前記第2基板面側の表面に至る深さを有する
請求項1から
3のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第2導電型半導体層は、
前記基板の法線方向に所定幅を有し、
前記基板の法線に直交する方向に、前記第2導電型分離層との間で少なくとも一つの前記サブ領域を形成する長さを有する
請求項1から
3のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記第1導電型半導体層の前記第1基板面側の表面に第2の第2導電型半導体層が形成されている
請求項1から
6のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記第1導電型半導体層の前記第2基板面側の表面に第2の第1導電型半導体層が形成されている
請求項1から
7のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記第2の第1導電型半導体層の前記第2基板面側の表面に第3の第2導電型半導体層が形成されている
請求項
8記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記電荷転送ゲート部は、
前記光電変換部に蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンを形成する第3の第1導電型半導体層と、
積層された前記第2の第1導電型半導体層および前記第3の第2導電型半導体層の一方の端部と前記第3の第1導電型半導体層との間に形成された第4の第2導電型半導体層と、
少なくとも前記第4の第2導電型半導体層上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を含む
請求項
9記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記第2導電型半導体層は、
前記第1導電型半導体層に局所的に形成され、かつ、前記基板の法線に直交する方向の端部まで形成され、周辺部および前記電荷転送ゲート部の少なくともいずれかに位置する端部領域では、幅が他の領域より細く形成されている
請求項1から
10のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記第2導電型半導体層は、
前記第1導電型半導体層に局所的に形成され、周辺部または読み出し部である前記電荷転送ゲート部において、前記第1導電型半導体層の外周から分離して形成されている
請求項
2または3記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記電荷転送ゲート部を通じて前記光電変換部で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンを含む画素が配置された画素部を有し、
前記画素部は、
一つの前記フローティングディフュージョンを複数の前記光電変換部および前記電荷転送ゲート部で共有する画素共有構造を有する
請求項1から
12のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記固体撮像装置は、表面照射型または裏面照射型である
請求項1から
13のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板に対して埋め込むように第1導電型半導体層を形成して、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部を形成するステップと、
前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に第2導電型分離層を形成するステップと、
前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を形成するステップと、
前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部を形成するステップと、を有し、
前記第2導電型半導体層を形成するステップにおいては、
前記第2導電型半導体層を前記第1導電型半導体層に局所的に形成し、かつ、前記基板の法線に直交する方向の端部まで形成され、周辺部および前記電荷転送ゲート部の少なくともいずれかに位置する端部領域では、他の領域よりイオン注入濃度を薄く形成するステップを含
み、
前記光電変換部を形成するステップにおける前記第1導電型半導体層を形成するステップにおいては、
第1導電型と逆極性の第2導電型の不純物を注入したカウンタイオン注入部を形成するステップを含み、
前記カウンタイオン注入部を形成するステップにおいては、少なくとも前記第2導電型半導体層の縁部および前記電荷転送ゲート部の縁部と対向する縁部が、前記第2導電型半導体層の縁部および前記電荷転送ゲート部の縁部と平行となるように形成するステップを含む
固体撮像装置の製造方法。
【請求項16】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置は、
第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板と、
前記基板に対して埋め込むように形成された第1導電型半導体層を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に形成された第2導電型分離層と、
前記光電変換部に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部と、を有し、
前記光電変換部は、
前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を含み、
前記一つの電荷転送ゲート部は、
前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能であり、
前記第2導電型半導体層は、
前記第1導電型半導体層に局所的に形成され、かつ、前記基板の法線に直交する方向の端部まで形成され、周辺部および前記電荷転送ゲート部の少なくともいずれかに位置する端部領域では、他の領域よりイオン注入濃度が薄く形成さ
れ、
前記第1導電型半導体層は、
第1導電型と逆極性の第2導電型の不純物を注入したカウンタイオン注入部を含み、
前記カウンタイオン注入部は、少なくとも前記第2導電型半導体層の縁部および前記電荷転送ゲート部の縁部と対向する縁部が、前記第2導電型半導体層の縁部および前記電荷転送ゲート部の縁部と平行となるように形成されている
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光を検出して電荷を発生させる光電変換素子を用いた固体撮像装置(イメージセンサ)として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが実用に供されている。
CCDイメージセンサおよびCMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、医療用内視鏡、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)等の各種電子機器の一部として広く適用されている。
【0003】
CCDイメージセンサとCMOSイメージセンサは、フォトダイオードを光電変換素子に使用するが、光電変換された信号電荷の転送方式が異なる。
CCDイメージセンサでは、垂直転送部(垂直CCD、VCCD)と水平転送部(水平CCD、HCCD)により信号電荷を出力部に転送してから電気信号に変換して増幅する。
これに対して、CMOSイメージセンサでは、フォトダイオードを含む画素ごとに変換された電荷を増幅して読み出し信号として出力する。
【0004】
CMOSイメージセンサの各画素は、たとえば1個のフォトダイオードに対して、転送素子としての転送トランジスタ、リセット素子としてのリセットトランジスタ、ソースフォロワ素子(増幅素子)としてのソースフォロワトランジスタ、および選択素子としての選択トランジスタの4素子を能動素子として含んで構成される(たとえば特許文献1参照)。
また、各画素には、フォトダイオードの蓄積期間にフォトダイオードから溢れるオーバーフロー電荷を排出するためのオーバーフローゲート(オーバーフロートランジスタ)が設けられてもよい。
【0005】
転送トランジスタは、フォトダイオードと出力ノードとしての浮遊拡散層(FD:Floating Diffusion、フローティングディフュージョン)との間に接続されている。
転送トランジスタは、フォトダイオードの電荷蓄積期間には非導通状態に保持され、フォトダイオードの蓄積電荷をフローディングディフュージョンに転送する転送期間に、ゲートに制御信号が印加されて導通状態に保持され、フォトダイオードで光電変換された電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
【0006】
リセットトランジスタは、電源ラインとフローティングディフュージョンFDとの間に接続されている。
リセットトランジスタは、そのゲートにリセット用制御信号が与えられることで、フローティングディフュージョンFDの電位を電源ラインの電位にリセットする。
【0007】
フローティングディフュージョンFDには、ソースフォロワトランジスタのゲートが接続されている。ソースフォロワトランジスタは、選択トランジスタを介して垂直信号線に接続され、画素部外の負荷回路の定電流源とソースフォロアを構成している。
そして、制御信号(アドレス信号またはセレクト信号)が選択トランジスタのゲートに与えられ、選択トランジスタがオンする。
選択トランジスタがオンすると、ソースフォロワトランジスタはフローティングディフュージョンFDの電位を増幅してその電位に応じた電圧を垂直信号線に出力する。垂直信号線を通じて、各画素から出力された電圧は、画素信号読み出し回路としての列並列処理部に出力される。
【0008】
また、各画素において、フォトダイオード(PD)としては、埋め込み型フォトダイオード(Pinned Photo Diode;PPD)が広く用いられている。
フォトダイオード(PD)を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による表面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。
埋め込み型フォトダイオード(PPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減することが可能となる。
なお、フォトダイオード(PD)の感度は、たとえば露光時間を変えたりすることで変更できる。
【0009】
埋め込み型フォトダイオード(PPD)は、たとえばn型半導体領域を形成し、このn型半導体領域の表面、すなわち絶縁膜との界面近傍に、暗電流抑制のための浅く不純物濃度の濃いp型半導体領域を形成して構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の構成では、たとえば画素サイズが小さい場合には、埋め込み型フォトダイオード(PPD)部の画素分離p型領域と埋め込み型ダイオードの縦方向のジャンクションと直上に設置された表面p+領域画素との接合容量により、効率よく電荷を蓄積することが可能である。
【0012】
ところが、サイズが比較的大きく、縦横アスペクト比が比較的大きい、たとえば3μm□程度の画素の場合は、蓄積電荷は主としてフォトダイオード(PD)部の表面に近い場所での、横方向のpn接合容量(ジャンクション容量)に限られており、効率よく蓄積容量を増やすことは困難である。
【0013】
また、フォトダイオード(PD)部の光電変換部(層)を単純に複数、たとえば2つに分けた場合においては、転送ゲートが複数になってしまうため、電荷電圧変換部の容量が増えてしまい、変換効率が劣化し、結果としてノイズ特性が劣化するという不利益がある。
【0014】
本発明は、蓄積容量を増やしつつ、ノイズ低減、高感度化を図ることが可能な固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の観点の固体撮像装置は、第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板と、前記基板に対して埋め込むように形成された第1導電型半導体層を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部と、前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に形成された第2導電型分離層と、前記光電変換部に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部と、を有し、前記光電変換部は、前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を含み、前記一つの電荷転送ゲート部は、前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能である。
【0016】
本発明の第2の観点の固体撮像装置の製造方法は、第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板に対して埋め込むように第1導電型半導体層を形成して、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部を形成するステップと、前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に第2導電型分離層を形成するステップと、前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を形成するステップと、前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部を形成するステップとを有する
【0017】
本発明の第3の観点の電子機器は、固体撮像装置と、前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、前記固体撮像装置は、第1基板面側と、当該第1基板面側と対向する側の第2基板面側とを有する基板と、前記基板に対して埋め込むように形成された第1導電型半導体層を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部と、前記光電変換部の前記第1導電型半導体層の側部に形成された第2導電型分離層と、前記光電変換部に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部と、を有し、前記光電変換部は、前記第1導電型半導体層の少なくとも一部において、前記基板の法線に直交する方向に、少なくとも一つのサブ領域を形成し、かつ、前記第1導電型半導体層と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型半導体層を含み、前記一つの電荷転送ゲート部は、前記光電変換部の前記サブ領域に蓄積された電荷を転送可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、蓄積容量を増やしつつ、ノイズ低減、高感度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本第1の実施形態に係る画素の一例を示す回路図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を含む主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を含む主要部のレイアウト例を模式的に示す図である。
【
図6】本第1の実施形態の光電変換部のn層(第1導電型半導体層)においてp-層(第2導電型半導体層)を設けることにより、蓄積容量が増える理由について説明するための図である。
【
図7】本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)おけるpn接合容量について、比較例と比較して説明するための図である。
【
図8】
図7に示された破線によるカットラインa-a‘およびb-b’に沿った静電ポテンシャルプロファイルを示す図である。
【
図9】2つのサブ領域が異なるサイズ(1.1μmおよび1.4μm)の埋め込み型フォトダイオード(PPD)を使用して、2Dデバイス/プロセスシミュレーションを実施した結果を示す図である。
【
図10】本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)におけるn層の画素に加えるバイアス電圧に応じた空乏化の様子を、比較例と比較して説明するための図である。
【
図11】本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)におけるn層の画素に加えるバイアス電圧に応じた空乏化の様子を、比較例と比較して表として示す図である。
【
図12】本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)における画素性能特性について、比較例と比較して表として示す図である。
【
図13】本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)におけるスペクトル応答特性を示す図である。
【
図14】本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)における角度応答特性を示す図である。
【
図15】本実施形態における通常の画素読み出し動作時のシャッタースキャンおよび読み出しスキャンの動作タイミングを示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る固体撮像装置の画素部の列出力の読み出し系の構成例を説明するための図である。
【
図17】本発明の第1の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【
図18】本第1の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【
図21】本発明の第4の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【
図22】本発明の第5の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【
図23】本発明の第6の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図24】本発明の第7の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図25】本発明の第8の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図26】本発明の第9の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図27】本発明の第10の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図28】本発明の第11の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図29】本発明の第12の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図30】本発明の第13の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図31】本発明の第14の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図32】本発明の第15の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図33】本発明の第16の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図34】本発明の第17の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図35】本発明の第18の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図36】本発明の第19の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図37】本発明の第20の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図38】本発明の第21の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図39】本発明の第22の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【
図40】本発明の第23の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【
図41】本第23の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
【
図42】本発明の第24の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【
図43】本第24の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
【
図44】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が画素共有構造にも適用が可能であることを説明するための図である。
【
図45】
図44の2画素共有構造のレイアウト例を模式的に示す図である。
【
図46】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が、表面照射型イメージセンサと裏面照射型イメージセンサの両方に適用が可能であることを説明するための図である。
【
図47】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用される電子機器の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
本実施形態において、固体撮像装置10は、たとえばCMOSイメージセンサにより構成される。
【0022】
この固体撮像装置10は、
図1に示すように、撮像部としての画素部20、垂直走査回路(行走査回路)30、読み出し回路(カラム読み出し回路)40、水平走査回路(列走査回路)50、およびタイミング制御回路60を主構成要素として有している。
これらの構成要素のうち、たとえば垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50、およびタイミング制御回路60により画素信号の読み出し部70が構成される。
【0023】
本第1の実施形態において、固体撮像装置10は、後で詳述するように、画素部20に行列状に配列される画素(または画素部20)を光電変換素子として有し、かつその画素は埋め込み型フォトダイオード(PPD)により形成される。
本実施形態の埋め込み型ダイオード(PPD)は、光が照射される第1基板面側(たとえば裏面側)と第1基板面側と対向する側の第2基板面側(前面側)とを有する基板と、基板に対して埋め込むように形成された第1導電型(たとえば本実施形態においてはn型)半導体層(以下、n層という場合もある)を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部と、光電変換部の第1導電型半導体層(n層)の側部に形成された第2導電型(本実施形態においてはp型)分離層と、光電変換部に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部と、を有している。
そして、光電変換部は、第1導電型半導体層(n層)の少なくとも一部において、基板の法線に直交する方向(XまたはY方向)に少なくとも一つの(1または2以上)のサブ領域を形成し、かつ、第1導電型半導体層(n層)と接合容量成分を持つ少なくとも一つの第2導電型(本実施形態においてはp型)半導体層(以下、p層という場合もある)を含み、一つの電荷転送ゲート部は、光電変換部のサブ領域に蓄積された電荷を転送可能に構成されている。
このように、本実施形態の固体撮像装置10は、埋め込み型ダイオード(PPD)の光電変換部において、基板の法線に直交する方向(水平方向)のpn接合部(ジャンクション部)を画素内に複数設けて、蓄積された電荷を、一つの電荷転送部により、読み出し可能な構成とすることにより、蓄積容量をふやしつつノイズ低減、高感度化が可能となっている。
【0024】
また、本実施形態において、固体撮像装置10は、後で詳述するように、画素部20に行列状に配列される画素(または画素部20)は、フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部を含んで構成されている。
固体撮像装置10においては、一つの電荷の蓄積期間(露光期間)後の一つの読み出し期間内の所定期間に容量可変部によりフローティングディフュージョンの容量が変更されて、この読み出し期間内に変換利得が切り替えられる。
【0025】
本実施形態において、読み出し部70は、一つの読み出し期間に、容量可変部により設定される第1容量に応じた第1変換利得で画素信号の読み出しを行う第1変換利得モード読み出しと、容量可変部により設定される第2容量(第1容量と異なる)に応じた第2変換利得で画素信号の読み出しを行う第2変換利得モード読み出しと、を行うことが可能に構成されている。
すなわち、本実施形態の固体撮像装置10は、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、一つの読み出し期間に、画素内部にて、第1変換利得(たとえば高変換利得)モードと第2変換利得(低変換利得)モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力するダイナミックレンジが広い固体撮像素子として提供される。
【0026】
本実施形態の読み出し部70は、基本的に、フォトダイオードおよびフローティングディフュージョンの電荷を排出するリセット期間に続く蓄積期間に第1変換利得モード読み出しと第2変換利得モード読み出しを行う。
また、本実施形態において、読み出し部70は、リセット期間に続く読み出し期間後に行われる少なくとも一つの転送期間後の読み出し期間において、第1変換利得モード読み出しと第2変換利得モード読み出しのうちの少なくともいずれかを行う。すなわち、転送期間後の読み出し期間において、第1変換利得モード読み出しと第2変換利得モード読み出しの両方を行う場合もある。
【0027】
通常の画素読み出し動作においては、読み出し部70による駆動により、シャッタースキャンが行われ、その後、読み出しスキャンが行われるが、第1変換利得モード読み出し(HCG)と第2変換利得モード読み出し(LCG)は、読み出しスキャン期間に行われる。
【0028】
以下、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要を説明した後、埋め込み型ダイオード(PPD)部の構成、並びに、容量可変部の構成、それに関連した読み出し処理等について詳述する。
【0029】
(画素部20および画素PXLの構成)
画素部20は、フォトダイオード(光電変換素子)と画素内アンプとを含む複数の画素がN行×M列の2次元の行列状(マトリクス状)に配列されている。
【0030】
図2は、本実施形態に係る画素の一例を示す回路図である。
【0031】
この画素PXLは、たとえば光電変換部(光電変換素子)であるフォトダイオード(PD)を有する。
このフォトダイオードPDに対して、電荷転送ゲート部(転送素子)としての転送トランジスタTG-Tr、リセット素子としてのリセットトランジスタRST-Tr、ソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF-Tr、および選択素子としての選択トランジスタSEL-Trをそれぞれ一つずつ有する。
【0032】
そして、画素PXLは、フローティングディフュージョンFD(Floating Diffusion;浮遊拡散層)に接続され、容量変更信号CSに応じてフローティングディフュージョンFDの容量を変更可能な容量可変部80を有している。
【0033】
フォトダイオードPDは、入射光量に応じた量の信号電荷(ここでは電子)を発生し、蓄積する。
以下、信号電荷は電子であり、各トランジスタがn型トランジスタである場合について説明するが、信号電荷がホールであったり、各トランジスタがp型トランジスタであっても構わない。
また、本実施形態は、複数のフォトダイオード間で、各トランジスタを共有している場合や、選択トランジスタを有していない3トランジスタ(3Tr)画素を採用している場合にも有効である。
【0034】
各画素PXLにおいて、フォトダイオード(PD)としては、埋め込み型フォトダイオード(PPD)が用いられる。
フォトダイオード(PD)を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による表面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。
埋め込み型フォトダイオード(PPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減することが可能となる。
【0035】
ただし、サイズが比較的大きく、縦横アスペクト比が比較的大きい、たとえば3μm□程度の画素の場合は、蓄積電荷は主としてフォトダイオード(PD)部(光電変換部)の表面に近い場所での、垂直方向(基板の法線方向:基板の深さ方向)のpn接合容量(ジャンクション容量)に限られており、効率よく蓄積容量を増やすことは困難である。
【0036】
そこで、本第1の実施形態の固体撮像装置10は、埋め込み型フォトダイオード(PPD)の光電変換部において、蓄積容量を増大させるために、基板の法線に直交する方向(水平方向)のpn接合部(ジャンクション部)が画素内に複数存在するように、光電変換層(たとえばn層)を区分けして複数のサブ領域が設けられている。
ただし、光電変換層を単純に複数、たとえば二つに分けた場合においては、転送ゲートが複数になってしまうため、電荷電圧変換部の容量が増えてしまい、変換効率が劣化し、結果としてノイズ特性が劣化する。
そのため、本第1の実施形態の固体撮像装置10では、サブ領域に蓄積された電荷を、一つの電荷転送ゲート部である転送トランジスタTG-Trにより、読み出し可能な構成が採用されている。
これにより、本第1の実施形態の固体撮像装置10は、蓄積容量をふやしつつノイズ低減、高感度化が可能となり、光学的特性を損なうことなくダイナミックレンジの拡大を図ることが可能となっている。
【0037】
(埋め込み型フォトダイオード(PPD)の具体的な構成例)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を含む主要部の構成例を示す簡略断面図である。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を含む主要部のレイアウト例を模式的に示す図である。
なお、ここでは、埋め込み型フォトダイオード(PPD)を符号200で表す。
【0038】
図3の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200は、光Lが照射される第1基板面211側(たとえば裏面側)と第1基板面211側と対向する側の第2基板面212側(前面側)とを有する半導体基板(以下、単に基板という)210を有する。
埋め込み型フォトダイオード200は、基板210に対して埋め込むように形成された第1導電型(本実施形態においてはn型)半導体層(n層)221を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部220と、光電変換部220のn層(第1導電型半導体層)221の側部に形成された第2導電型(本実施形態においてはp型)分離層230と、光電変換部220に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部240(
図4、
図5参照)と、を有している。
【0039】
図3および
図4の光電変換部220においては、n層(第1導電型半導体層)221が、基板210の法線方向(図中の直交座標系のZ方向)に2層構造を持つように構成されている。
本例では、第1基板面211側にn--層2211が形成され、このn--層2211の上層側(第2基板面212側)にn-層2212が形成されている。
この構成は一例であり、単層構造であってもよく、また、3層以上の積層構造であってもよい。
【0040】
そして、本第1の実施形態の光電変換部220は、n層(第1導電型半導体層)221において、基板の法線に直交する方向(図中の直交座標系のX方向)に少なくとも一つの(本例では2)のサブ領域SBA1,SBA2を形成し、かつ、n層(第1導電型半導体層)221と接合容量成分を持つ少なくとも一つ(本例では1)のp層(第2導電型半導体層、本例ではp-層)222を含んで構成されている。
【0041】
本第1の実施形態の光電変換部220において、p-層222は、基板210の法線に直交する方向Xに所定幅WPを有し、基板の法線方向Zに、n層(第1導電型半導体層)221の第2基板面212側の表面から第1基板面211側の表面に至らない深さDP1を有する。
【0042】
本第1の実施形態の光電変換部220において、n層(第1導電型半導体層)221およびp型分離層230の第1基板面211側の表面に第2のp層(第2導電型半導体層、本例ではp+層)223が形成されている。
【0043】
本第1の実施形態の光電変換部220において、n層(第1導電型半導体層)221およびp-層222の第2基板面212側の表面に第2のn層(第1導電型半導体層)224が形成されている。
【0044】
本第1の実施形態の光電変換部220において、第2のn層(第1導電型半導体層)224およびp型分離層230の第2基板面212側の表面に第3のp層(第2導電型半導体層、本例ではp+層)225が形成されている。
【0045】
一つの電荷転送ゲート部240は、転送トランジスタTG-Trにより構成される。
図4の電荷転送ゲート部240は、光電変換部220のサブ領域SBA1,SBA2等に形成される蓄積容量に蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンFDを形成する第3のn層(第1導電型半導体層、本例ではn+層)241と、光電変換部220の積層された第2のn層(第1導電型半導体層)224および第3のp+層(第2導電型半導体層)225の一方の端部と第3のn+層(第1導電型半導体層)241との間に形成された第4のp層(第2導電型半導体層)242と、少なくとも第4のp層242上に絶243縁膜を介して形成されたゲート電極(GT)244と、を含んで構成されている。
【0046】
この一つの電荷転送ゲート部240は、光電変換部220のサブ領域SBA1,SBA2に蓄積された電荷を転送可能に構成されている。
【0047】
電荷転送ゲート部240を構成する転送トランジスタTG-Trは、埋め込み型フォトダイオード(PPD)220とフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御信号TGを通じて制御される。
転送トランジスタTG-Trは、制御信号TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFDに転送する。
【0048】
このように、本第1の実施形態の固体撮像装置10は、埋め込み型ダイオード(PPD)の光電変換部220において、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成し、基板の法線に直交する方向(縦方向)Xのpn接合部(ジャンクション部)を増加させて画素内に複数設けて、蓄積された電荷を、一つの電荷転送部により、読み出し可能な構成とすることにより、蓄積容量をふやしつつノイズ低減、高感度化が可能となり、光学的特性を損なうことなくダイナミックレンジの拡大を図ることが可能となっている。
【0049】
ここで、本第1の実施形態の光電変換部220のn層(第1導電型半導体層)221において、基板の法線に直交する方向Xにサブ領域SBA1,SBA2を形成し、かつ、n層(第1導電型半導体層)221と接合容量成分を持つp-層(第2導電型半導体層)222を設けることにより、蓄積容量が増える理由について考察する。
【0050】
図6(A)および(B)は、本第1の実施形態の光電変換部220のn層(第1導電型半導体層)221においてp-層(第2導電型半導体層)222を設けることにより、蓄積容量が増える理由について説明するための図である。
図6(A)は画素ピッチが狭い埋め込み型ダイオード(PPD)の光電変換部220の構造を簡略化して示し、
図6(B)は画素ピッチが広い狭い埋め込み型ダイオード(PPD)の光電変換部220の構造を簡略化して示している。
【0051】
n層(第1導電型半導体層)221においてp-層(第2導電型半導体層)222を設けることにより、蓄積容量が増える理由について述べる。
【0052】
一般に、フォトダイオードのn領域(n層)は完全空乏化している必要がある。
空乏化ポテンシャル(電圧)φ「V」が完全電荷転送のために十分に低くある必要がある。
最大空乏化ポテンシャルは電荷転送ゲート部240の近傍である必要がある。
蓄積容量を最大化するために、空間電荷密度の上記条件を満たしたうえでn領域(n層)の濃度を最大化する必要がある。
ただし、n層221の不純物量を増やすとPDポテンシャルが深くなり、読み出し電圧が上昇してしまうため、n層221の濃度を濃くすることには限度ある。
【0053】
一般に、p+n接合モデルにおいて、以下のモデルが成り立つ。
【0054】
【0055】
このモデルにより、以下のことが導出できる。
図6(A)に示すように、狭い画素ピッチでは、基板210の法線に直交する方向Xの空乏層距離Wdが短いので、ドナー濃度Ndが同じ場合、空乏化電圧Vappがより低い。
図6(B)に示すように、画素ピッチが広くなると、空乏化電圧Vappが上昇し、低電圧での読み出し、空乏化が難しくなる。ドーパント濃度を下げると飽和電荷で低下する。
【0056】
そこで、光電変換部220のn層(第1導電型半導体層)221において、p-層(第2導電型半導体層)222を設けることにより、基板の法線に直交する方向Xに、画素ピッチより短い空乏層距離Wdを持つサブ領域SBA1,SBA2を形成することで、空乏化電圧Vappがより低いサブ領域SBA1,SBA2において蓄積容量を増やすことが可能となり、同一読み出し電圧時の飽和出力が向上する。
【0057】
ここで、
図3および
図4に示す本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200おけるpn接合容量に応じた蓄積容量等について考察する。
【0058】
図7(A)および(B)は、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200おけるpn接合容量について、比較例と比較して説明するための図である。
図7(A)が、基板210の法線に直交する方向X(水平方向)に2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成する本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200おけるpn接合容量について示す図である。
図7(B)が、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成しない比較例のpn接合容量について示す図である。
【0059】
図7(A)および(B)においては、基板210の法線方向Z(垂直方向)に設定した破線a-a‘上の接合容量C1、C3と、基板210の法線に直交する方向に設定した破線b-b’上の接合容量C2、C2‘を模式的に示している。
【0060】
図7(A)および(B)からわかるように、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200のように、p層(第2導電型半導体層、本例ではp-層)222により、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することより、サブ領域を形成しない比較例と比較して、基板210の法線に直交する方--向Xおけるpn接合部の数が2つから4つに増加し、これに伴い、pn接合容量C2‘の数も増えている。
このp-層222により基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することよりLFWC(Linear Full Well Capacity)がブーストされる。
このLFWCは、dφ
2/dx
2(φ:静電ポテンシャル、x:PPDにおける空乏層における空間的な配位)として表される空間電荷密度を得るために、水平に変調されたp-nドーピングプロファイルによって得られる。
【0061】
図8(A)および(B)は、
図7に示された破線によるカットラインa-a‘およびb-b’に沿った静電ポテンシャルプロファイルを示す図である。
図8(A)がカットラインa-a‘に沿った静電ポテンシャルプロファイルを示し、
図8(B)がカットラインb-b’に沿った静電ポテンシャルプロファイルを示している。
また、
図8(A)および(B)には、pn接合の概略図、pn接合付近の推定空間電荷密度および容量成分も示されている。
また、破線で示す曲線CSは比較例の特性を示している。
【0062】
図8から、nドーパントの増加と垂直接合容量の結果として、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200の構造における垂直方向(基板210の法線方向Z)と水平方向(基板210の法線に直交する方向X)の両方向に対する有意な空間電荷増強を視覚化することができる。
換言すれば、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200によれば、
図8(A)に示すように、p-層222により、n層221の濃度を最適化しつつ、表層部のポテンシャルを最適化できる。
また、
図8(B)に示すように、p-層222により容量成分を付加することができる。
【0063】
上述した潜在的な変調を確認するために、2つのサブ領域が異なるサイズ(1.1μmおよび1.4μm)の埋め込み型フォトダイオード(PPD)を使用して、2Dデバイス/プロセスシミュレーションを実施した。
図9(A)および(B)は、2つのサブ領域が異なるサイズ(1.1μmおよび1.4μm)の埋め込み型フォトダイオード(PPD)を使用して、2Dデバイス/プロセスシミュレーションを実施した結果を示す図である。
図9(A)がシミュレーションによる静電ポテンシャルプロファイルを示し、
図9(B)がドーピングプロファイルモデルを示している。なお、ここでは、p-層222の深さは、p+層223に達する深さを有するデバイスをモデルに適用した。
【0064】
このシミュレーションは、電荷移動を困難にする読み出し電圧Vpinおよび潜在的なプロファイルシフトの両方を抑制するために、より大きな画素内に、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200のように、p層(第2導電型半導体層、本例ではp-層)222により、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することが必要であることを示唆している。
シミュレーションによると、空乏化電圧の上昇とピークポテンシャルがより深い方向にシフトすることが確認された。
すなわち、画素サイズが大きくなると、ポテンシャルピークが深くなる方向で転送特性を維持して、かつ表面n層を濃くして、容量を維持することが困難であるが、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200のように、p-層(第2導電型半導体層)222により、n層221において基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することにより、特性を維持することが可能となる。
【0065】
図10(A)および(B)は、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200におけるn層221の画素に加えるバイアス電圧に応じた空乏化の様子を、比較例と比較して説明するための図である。
図10(A)が、基板210の法線に直交する方向X(水平方向)に2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成する本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200におけるn層221の画素に加えるバイアス電圧に応じた空乏化の様子を示す図である。
図10(B)が、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成しない比較例のn層221の画素に加えるバイアス電圧に応じた空乏化の様子を示す図である。
図11は、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200におけるn層221の画素に加えるバイアス電圧に応じた空乏化の様子を、比較例と比較して表として示す図である。
【0066】
図10(A)および(B)、並びに
図11からわかるように、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200のように、p層(第2導電型半導体層、本例ではp-層)222により、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することより、サブ領域を形成しない比較例と比較して、低いバイアス電圧であっても、完全空乏化を実現することができる。
これに対して、比較例では、バイアス電圧が低、中、高のいずれのレベルであっても部分空乏化しか実現できず、完全空乏化は困難である。
【0067】
図12は、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200における画素性能特性について、比較例と比較して表として示す図である。
図12からわかるように、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200は、LFWCの性能、応答性およびダークノイズに関して、比較例と比較して、良好な特性を有している。特に、LFWCの性能に関しては、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200が比較例より格段に優れている。
【0068】
図13は、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200におけるスペクトル応答特性を示す図である。
図14は、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200における角度応答特性を示す図である。
【0069】
図13および
図14に示すように、埋め込み型フォトダイオード(PPD)200におけるp層222の形成にもかかわらず、量子効率や角度応答の均一性などの重要な光学性能の低下は見られなかった。
図13のスペクトル応答では波長520nmで77%のピーク量子効率が得られる。
図14は、ベイヤー配列における緑色画素の角度応答を示しており、水平方向と垂直方向の両方の角度応答は有意差はなく、両者ともに良好である。
【0070】
このように、本第1の実施形態の固体撮像装置10は、埋め込み型ダイオード(PPD)200の光電変換部220において、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成し、基板の法線に直交する方向(縦方向)Xのpn接合部(ジャンクション部)を増加させて画素内に複数設けて、蓄積された電荷を、一つの電荷転送部により、読み出し可能な構成とすることにより、蓄積容量をふやしつつノイズ低減、高感度化が可能となり、光学的特性を損なうことなくダイナミックレンジの拡大を図ることが可能となっている。
【0071】
以上、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200における構造、特性、効果について詳述した。
ここで、
図2の画素の説明に戻る。
【0072】
リセットトランジスタRST-Trは、電源線VRstとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御信号RSTを通じて制御される。
なお、リセットトランジスタRST-Trは、電源線VDDとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御信号RSTを通じて制御されるように構成してもよい。
リセットトランジスタRST-Trは、制御信号RSTがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDを電源線VRst(またはVDD)の電位にリセットする。
【0073】
なお、本第1の実施形態においては、後述するように、容量可変部80として用いられる第1ビンニングトランジスタ(81n,81n+1)がリセット素子としての機能を併せ持つように構成することも可能である。
そして、第1ビンニングトランジスタ(81n,81n+1)を介して接続される複数(本例では2)の画素の全画素で、リセット期間PRにフローティングディフュージョンFDの電荷を排出する第1ビンニングトランジスタ(81n+1)によるリセット素子を共有している構成を採用することも可能である。
【0074】
ソースフォロワトランジスタSF-Trと選択トランジスタSEL-Trは、電源線VDDと垂直信号線LSGNの間に直列に接続されている。
ソースフォロワトランジスタSF-TrのゲートにはフローティングディフュージョンFDが接続され、選択トランジスタSEL-Trは制御信号SELを通じて制御される。
選択トランジスタSEL-Trは、制御信号SELがHレベルの期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF-TrはフローティングディフュージョンFDの電荷を電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換した列出力の読み出し信号VSLを垂直信号線LSGNに出力する。
これらの動作は、たとえば転送トランジスタTG-Tr、リセットトランジスタRST-Tr、および選択トランジスタSEL-Trの各ゲートが行単位で接続されていることから、1行分の各画素について同時並列的に行われる。
【0075】
画素部20には、画素PXLがN行×M列配置されているので、各制御線LSEL、LRST、LTGはそれぞれN本、垂直信号線LSGNはM本ある。
図1においては、各制御線LSEL、LRST、LTGを1本の行走査制御線として表している。
【0076】
垂直走査回路30は、タイミング制御回路60の制御に応じてシャッター行および読み出し行において行走査制御線を通して画素の駆動を行う。
また、垂直走査回路30は、アドレス信号に従い、信号の読み出しを行うリード行と、フォトダイオードPDに蓄積された電荷をリセットするシャッター行の行アドレスの行選択信号を出力する。
【0077】
上述したように、通常の画素読み出し動作においては、読み出し部70の垂直走査回路30による駆動により、シャッタースキャンが行われ、その後、読み出しスキャンが行われる。
【0078】
図15は、本実施形態における通常の画素読み出し動作時のシャッタースキャンおよび読み出しスキャンの動作タイミングを示す図である。
【0079】
選択トランジスタSEL-Trのオン(導通)、オフ(非導通)を制御する制御信号SELは、シャッタースキャン期間PSHTにはLレベルに設定されて選択トランジスタSEL-Trが非導通状態に保持され、読み出しスキャン期間PRDOにはHレベルに設定されて選択トランジスタSEL-Trが導通状態に保持される。
そして、シャッタースキャン期間PSHTには、制御信号RSTがHレベルの期間に所定期間制御信号TGがHレベルに設定されて、リセットトランジスタRST-Trおよび転送トランジスタTG-Trを通じてフォトダイオードPDおよびフローティングディフュージョンFDがリセットされる。
【0080】
読み出しスキャン期間PRDOには、制御信号RSTがHレベルに設定されてリセットトランジスタRST-Trを通じてフローティングディフュージョンFDがリセットされ、このリセット期間PR後の読み出し期間PRD1にリセット状態の信号が読み出される。
読み出し期間PRD1後に、所定期間、制御信号TGがHレベルに設定されて転送トランジスタTG-Trを通じてフローティングディフュージョンFDにフォトダイオードPDの蓄積電荷が転送され、この転送期間PT後の読み出し期間PRD2に蓄積された電子(電荷)に応じた信号が読み出される。
【0081】
なお、本第1の実施形態の通常の画素読み出し動作において、蓄積期間(露光期間)EXPは、一例として
図15に示すように、シャッタースキャン期間PSHTでフォトダイオードPDおよびフローティングディフュージョンFDをリセットして制御信号TGをLレベルに切り替えてから、読み出しスキャン期間PRDOの転送期間PTを終了するために制御信号TGをLレベルに切り替えるまでの期間である。
【0082】
読み出し回路40は、画素部20の各列出力に対応して配置された複数の列信号処理回路(図示せず)を含み、複数の列信号処理回路で列並列処理が可能に構成されてもよい。
【0083】
読み出し回路40は、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)回路やADC(アナログデジタルコンバータ;AD変換器)、アンプ(AMP,増幅器)、サンプルホールド(S/H)回路等を含んで構成可能である。
【0084】
このように、読み出し回路40は、たとえば
図16(A)に示すように、画素部20の各列出力の読み出し信号VSLをデジタル信号に変換するADC41を含んで構成されてもよい。
あるいは、読み出し回路40は、たとえば
図16(B)に示すように、画素部20の各列出力の読み出し信号VSLを増幅するアンプ(AMP)42が配置されてもよい。
また、読み出し回路40は、たとえば
図16(C)に示すように、画素部20の各列出力の読み出し信号VSLをサンプル、ホールドするサンプルホールド(S/H)回路43が配置されてもよい。
【0085】
水平走査回路50は、読み出し回路40のADC等の複数の列信号処理回路で処理された信号を走査して水平方向に転送し、図示しない信号処理回路に出力する。
【0086】
タイミング制御回路60は、画素部20、垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50等の信号処理に必要なタイミング信号を生成する。
【0087】
以上、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要について説明した。
次に、本第1の実施形態に係る容量可変部80の構成、それに関連した読み出し処理等について詳述する。
【0088】
本第1の実施形態においては、容量可変部80が、ビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用して構成される。
【0089】
図17は、本発明の第1の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【0090】
本第1の実施形態においては、容量可変部80は、キャパシタではなく、列方向に隣接する2つの画素PCXLn,PXLn+1のフローティングディフュージョンFD間に形成される配線WRに接続(配置)された第1ビンニングスイッチ81n、および画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDと電源線VDDとの間に接続された第1ビンニングスイッチ81n+1により構成されている。
本第1の実施形態では、容量変更信号BINn,BINn+1により第1ビンニングスイッチ81n,81n+1をオン、オフすることにより、接続するフローティングディフュージョンFD数を1または複数に切り替えて、読み出し対象画素のフローティングディフュージョンFDの容量を変更し、読み出される画素PXLnまたはPXLn+1のフローティングディフュージョンFDの変換利得を切り替える。
【0091】
本第1の実施形態において、第1ビンニングスイッチ81(・・,n-1,n,n+1,・・)はたとえばnチャネルのMOS(NMOS)トランジスタにより形成されている。
以下の説明では、ビンニングスイッチをビンニングトランジスタと呼ぶ場合もある。
【0092】
本第1の実施形態においては、1列全画素・・PXLn-1,PXLn,PXLn+1・・でリセット素子が共有され、たとえば1列の一端側の画素PXL0(
図12には図示せず)のフローティングディフュージョンFDと1列の他端側の画素PXLN-1に近接して形成される電源線VDD(
図17には図示せず)間が、配線WRに各画素に対応しつつ縦続接続するように形成される第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)・・81n-1,81n、81n+1・・を介して接続され、第1ビンニングスイッチ間の配線WR上のノード・・NDn-1,NDn,NDn+1・・と対応する画素・・PXLn-1,PXLn,PXLn+1・・のフローティングディフュージョンFDが接続されている。
第1の実施形態では、最も他端側となる図示しない第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)81N-1が共有のリセット素子として機能する。
【0093】
このような構成により、本第1の実施形態によれば、フローティングディフュージョンFDの接続数を柔軟に切り替えることが可能であり、ダイナミックレンジの拡張性に優れる。また、画素内のトランジスタ数が少ないため、PD開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
【0094】
また、上述したように、各画素PXLの埋め込み型フォトダイオード(PPD)200の光電変換部220において、蓄積容量を増大させるために、基板の法線に直交する方向(縦方向)のpn接合部(ジャンクション部)が画素内に複数存在するように、光電変換層であるn層221をp-層222により区分けして複数のサブ領域SBA1,SBA2が設けられている。
このように、各画素PXLの埋め込み型フォトダイオード(PPD)200は、p層(第2導電型半導体層、本例ではp-層)222により、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することより、低いバイアス電圧であっても、完全空乏化を実現することができる。
そして、本第1の実施形態の固体撮像装置10では、サブ領域に蓄積された電荷を、一つの電荷転送部である転送トランジスタTG-Trにより、読み出し可能となっている。 これにより、蓄積容量をふやしつつノイズ低減、高感度化がとなり、光学的特性を損なうことなくダイナミックレンジの拡大を図ることが可能となっている。
【0095】
次に、本第1の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作について
図18に関連付けて説明する。
【0096】
図18は、本第1の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0097】
本第1の実施形態においては、読み出し画素の列方向に両端の画素に対応する容量変更信号をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
たとえば、読み出し画素PXLnの列方向に両端の画素PXLn-1,PXLn+1に対応する容量変更信号BINn-1,BINn+1をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
またたとえば、読み出し画素PXLn+1の列方向に両端の画素PXLn,PXLn+2(図示せず)に対応する容量変更信号BINn,BINn+2(図示せず)をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
【0098】
ただし、これは一例であって、接続するフローティングディフュージョンの数を多くする場合には、真に隣接する画素に対応する容量変更信号BINをLレベルにせず、その接続態様に応じて複数(2またはそれ以上)行離れた画素に対応する容量変更信号BINをLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
【0099】
読み出しスキャン期間PRDOにおいては、
図18に示すように、画素アレイの中のある一行、たとえば第n行を選択するために、その選択された行の各画素PXLnに接続された制御信号SELがHレベルに設定されて画素PXLnの選択トランジスタSEL-Trが導通状態となる。
この選択状態において、リセット期間PR11に全ての第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n,81n+1が、容量変更信号BINn-1,BINn,BINn+1がリセット信号としてHレベルの期間に選択されて導通状態となり、各フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PR11が経過した後、容量変更信号BINn-1,BINn+1がLレベルに切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n+1が非導通状態に切り替えられる。
一方、容量変更信号BINnはHレベルのままに保持されて、第1ビンニングトランジスタ81nが導通状態に保持される。
第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n+1が非導通状態に切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ81nが導通状態に保持されることによりリセット期間PR11が終了し、画素PXLnのフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、転送期間PT11が開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD11となる。
【0100】
第1読み出し期間PRD11が開始された後の時刻t1に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG11が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG11)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0101】
第1読み出し期間PRD11において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG11が行われた後、容量変更信号BINnがL(ローレベル)に切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG11が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG11)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0102】
ここで、第1読み出し期間PRD11が終了し、第1転送期間PT11となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第1転送期間PT11が経過した後の略次の第2転送期間PT12が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT11に転送トランジスタTG-Trが、制御信号TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT11が経過した後(転送トランジスタTG-Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD12となる。
【0103】
第2読み出し期間PRD12が開始された後の時刻t3に、容量変更信号BINnがLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG12が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG12)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0104】
第2読み出し期間PRD12において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG12が行われた後、容量変更信号BINnがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT12となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第2転送期間PT12が経過した後もHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT12に転送トランジスタTG-Trが、制御信号TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT12が経過した後(転送トランジスタTG-Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD13となる。
【0105】
第3読み出し期間PRD13が開始された後の時刻t4に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG12が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG12)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0106】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG12の読み出し信号VSL(HCG12)と第1の高変換利得モード読み出しHCG11の読み出し信号VSL(HCG11)との差分{VSL(HCG12)-VSL(HCG11)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG12の読み出し信号VSL(LCG12)と第1の低変換利得モード読み出しLCG11の読み出し信号VSL(LCG11)との差分{VSL(LCG12)-VSL(LCG11)}がとられてCDS処理が行われる。
【0107】
次に、
図18に示すように、画素アレイの中の第n行の次の行、たとえば第n+1行を選択するために、第n行に代えて、その選択された第n+1行の各画素PXLn+1に接続された制御信号SELがHレベルに設定されて画素PXLnの選択トランジスタSEL-Trが導通状態となる。
このとき、容量変更信号BINnは第n行アクセス時のHレベルのままに保持されている。
そして、この選択状態において、リセット期間PR12に全ての第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n,81n+1が、容量変更信号BINn-1,BINn,BINn+1がリセット信号としてHレベルの期間に選択されて導通状態となり、各フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PR12が経過した後、容量変更信号BINnがLレベルに切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ81nが非導通状態に切り替えられる。
一方、容量変更信号BINn+1,BINn-1はHレベルのままに保持されて、第1ビンニングトランジスタ81n+1,81n-1が導通状態に保持される。
第1ビンニングトランジスタ81nが非導通状態に切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ81n+1,81n-1が導通状態に保持されることによりリセット期間PR12が終了し、画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、転送期間PT13が開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD14となる。
【0108】
第1読み出し期間PRD14が開始された後の時刻t1に、容量変更信号BINn+1がHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG13が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG13)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0109】
第1読み出し期間PRD14において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG13が行われた後、容量変更信号BINn+1がL(ローレベル)に切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG13が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG13)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0110】
ここで、第1読み出し期間PRD14が終了し、第1転送期間PT13となる。なお、このとき、容量変更信号BINn+1は、第1転送期間PT13が経過した後の略次の第2転送期間PT14が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT13に転送トランジスタTG-Trが、制御信号TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT13が経過した後(転送トランジスタTG-Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD15となる。
【0111】
第2読み出し期間PRD15が開始された後の時刻t3に、容量変更信号BINn+1がLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG14が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG14)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0112】
第2読み出し期間PRD15において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG14が行われた後、容量変更信号BINn+1がHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加ように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT14となる。なお、このとき、容量変更信号BINn+1は、第2転送期間PT14が経過した後もHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT14に転送トランジスタTG-Trが、制御信号TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT14が経過した後(転送トランジスタTG-Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD16となる。
【0113】
第3読み出し期間PRD16が開始された後の時刻t4に、容量変更信号BINn+1がHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG14が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF-Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG14)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0114】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG14の読み出し信号VSL(HCG14)と第1の高変換利得モード読み出しHCG13の読み出し信号VSL(HCG13)との差分{VSL(HCG14)-VSL(HCG13)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG14の読み出し信号VSL(LCG14)と第1の低変換利得モード読み出しLCG13の読み出し信号VSL(LCG13)との差分{VSL(LCG14)-VSL(LCG13)}がとられてCDS処理が行われる。
【0115】
以上説明したように、本第1の実施形態の固体撮像装置10では、埋め込み型フォトダイオード(PPD)200は、光Lが照射される第1基板面211側(たとえば裏面側)と第1基板面211側と対向する側の第2基板面212側(前面側)とを有する基板210と、基板210に対して埋め込むように形成された第1導電型のn層221を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有する光電変換部220と、光電変換部220の第1導電型半導体層であるn層221の側部に形成された第2導電型であるp型分離層230と、光電変換部220に蓄積された電荷を転送可能な一つの電荷転送ゲート部240と、を有している。
そして、本第1の実施形態の固体撮像装置10は、埋め込み型フォトダイオード(PPD)200の光電変換部220において、蓄積容量を増大させるために、基板の法線に直交する方向(XまたはY方向)のpn接合部(ジャンクション部)が画素内に複数存在するように、光電変換層であるn層221をp-層222により区分けして複数のサブ領域SBA1,SBA2が設けられている。
【0116】
このように、本第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200は、p層(第2導電型半導体層、本例ではp-層)222により、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2を形成することより、サブ領域を形成しない比較例と比較して、低いバイアス電圧であっても、完全空乏化を実現することができる。
ただし、光電変換層を単純に複数、たとえば二つに分けた場合においては、転送ゲートが複数になってしまうため、電荷電圧変換部の容量が増えてしまい、変換効率が劣化し、結果としてノイズ特性が劣化する。
そこで、本第1の実施形態の固体撮像装置10では、サブ領域に蓄積された電荷を、一つの電荷転送ゲート部である転送トランジスタTG-Trにより、読み出し可能な構成が採用されている。
これにより、本第1の実施形態の固体撮像装置10によれば、蓄積容量をふやしつつノイズ低減、高感度化が可能となり、光学的特性を損なうことなくダイナミックレンジの拡大を図ることが可能となる。
【0117】
また、本第1の実施形態によれば、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得モードと低変換利得モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力することができ、高変換利得モードおよび低変換利得モード時のリセットノイズがキャンセルでき、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができるという効果を得ることができる。
【0118】
さらに、本第1の実施形態によれば、フローティングディフュージョンFDの接続数を柔軟に切り替えることが可能であり、ダイナミックレンジの拡張性に優れる。また、画素内のトランジスタ数が少ないため、PD開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
【0119】
(第2の実施形態)
図19は、本発明の第2の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【0120】
本第2の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Aが、第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200(
図3)と異なる点は次の通りである。
【0121】
第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200の光電変換部220において、第2導電型のp層(
図3の例ではp-層)222は、基板210の法線に直交する方向Xに所定幅WPを有し、基板の法線方向Zに、n層(第1導電型半導体層)221の第2基板面212側の表面から第1基板面211側の表面に至らない深さDP1を有する。
【0122】
これに対して、本第2の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Aの光電変換部220Aにおいて、第2導電型のp層(
図3の例では)p-層222Aは、基板210の法線に直交する方向Xに所定幅WPを有し、基板の法線方向Zに、n層(第1導電型半導体層)221の第2基板面212側の表面から第1基板面211側の表面に至る深さDP2を有する。
したがって、光電変換部220Aにおいて、n層221のサブ領域SBA1,SBA2がp層222により2つの領域に区分けされている。
なお、
図19の例においては、n層221は、n-層の単層構造として示されている。
【0123】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
(第3の実施形態)
図20は、本発明の第3の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【0125】
本第3の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Bが、第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200(
図3)と異なる点は次の通りである。
【0126】
第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200の光電変換部220において、第2導電型のp層(
図3の例ではp-層)222は、基板210の法線に直交する方向Xに所定幅WPを有し、基板の法線方向Zに、n層(第1導電型半導体層)221の第2基板面212側の表面から第1基板面211側の表面に至らない深さDP1を有する。
【0127】
これに対して、本第3の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Bの光電変換部220Bにおいて、第2導電型のp層(
図3の例ではp-層)222Bは、基板210の法線に直交する方向Xに所定幅WPを有し、基板の法線方向Zに、n層(第1導電型半導体層)221の第2基板面212側の表面から第1基板面211側の表面に至らない、DP1より浅い深さDP3(<DP1)を有する。
なお、
図20の例においては、n層221は、n-層の単層構造として示されている。
【0128】
本第3の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0129】
(第4の実施形態)
図21は、本発明の第4の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の電荷転送ゲート部を除く主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【0130】
本第4の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Cが、第2の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200A(
図19)と異なる点は次の通りである。
【0131】
第2の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Aの光電変換部220Aでは、n層(第1導電型半導体層)221において、一つのp層222により、基板の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2が形成されている。
【0132】
これに対して、本第4の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Cの光電変換部220Cでは、n層(第1導電型半導体層)221において、2つのp層222-1,222-2により、基板の法線に直交する方向Xに3つのサブ領域SBA1,SBA2、SBA3が形成されている。
【0133】
本第4の実施形態によれば、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0134】
(第5の実施形態)
図22は、本発明の第5の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す簡略断面図である。
【0135】
本第5の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Dが、第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200(
図3)と異なる点は次の通りである。
【0136】
第1の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200の光電変換部220において、第2導電型のp層(
図3の例ではp-層)222は、基板210の法線に直交する方向Xに所定幅WPを有し、基板の法線方向Zに、n層(第1導電型半導体層)221の第2基板面212側の表面から第1基板面211側の表面に至らない深さDP1を有する。
そして、n層(第1導電型半導体層)221において、p層222により、基板の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2が形成されている。
【0137】
これに対して、本第5の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Dの光電変換部220Dにおいて、第2導電型のp層(
図3の例ではp-層)222Dは、基板210の法線方向Zに所定幅WP2を有し、基板の法線に直交する方向Xに、p型分離層230との間で、一つのサブ領域SBA4を形成する長さLP1を有する。
なお、
図22の例においては、n層221は、n-層の単層構造として示されている。
【0138】
本第5の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0139】
(第6の実施形態)
図23(A)~(C)は、本発明の第6の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
図23(A)が平面的なレイアウトを模式的に示す図であり、
図23(B)が主要部の簡略断面図であり、
図23(C)がフォトダイオードのポテンシャルのプロファイルを示す図である。
【0140】
本第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Eが、第2の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200A(
図19)と異なる点は次の通りである。
【0141】
本第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Eの光電変換部220Eにおいては、n層221内に、平面視して矩形状のp層222Eが局所的に形成されており、p層222Eは周辺部または読み出し部である電荷転送ゲート部240Eでは分離して形成されている。
図23の例では、n層221内に、矩形状のp層222Eが局所的に形成されることにより、基板210の法線に直交する方向Xに2つのサブ領域SBA1,SBA2が形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yに一つのサブ領域SBA5が形成されている。
また、電荷転送ゲート部240Eは、ゲート電極の形状が、平面視して、電荷転送方向(電荷読み出し方向)に向かって徐々に広がる台形状に形成されている。
【0142】
本第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Eの光電変換部220Eにおいても、光電変換部220E内にp層222Eが形成されており、光電変換部2220E内でpn接合部が3次元的に形成されている。また、分割され縮小した画素ピッチに起因してフォトダイオードのポテンシャルピークが浅くなる。
この構造により、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力が向上する。
【0143】
このように、本第6の実施形態によれば、上述した第1~第5の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0144】
(第7の実施形態)
図24(A)~(C)は、本発明の第7の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
図24(A)が平面的なレイアウトを模式的に示す図であり、
図24(B)が主要部の簡略断面図であり、
図24(C)がフォトダイオードのポテンシャルのプロファイルを示す図である。
【0145】
本第7の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Fが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0146】
本第7の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Fの光電変換部220Fでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタイオン注入(インプランテーション、以下カウンタインプラという)部226F(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Fは、基板210の法線方向Zにおいて、n層221とn層224と境界部で、かつ、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Eの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域に形成されている。
【0147】
カウンタインプラ部226Fは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222の縁部e1,e2、電荷転送ゲート部240Fの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0148】
このカウンタインプラ部226Fにより、フォトダイオードの光電変換部220Fの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0149】
このように、本第7の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0150】
(第8の実施形態)
図25は、本発明の第8の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0151】
本第8の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Gが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0152】
本第8の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Gの光電変換部220Gでは、n層221内に、矩形状のp層222Gが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Gは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(p層222Gの周辺部または読み出し部である電荷転送ゲート部240Gの領域)TA1,TA2ではイオン注入濃度が薄く形成れている。
【0153】
本第8の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0154】
(第9の実施形態)
図26は、本発明の第9の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0155】
本第9の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Hが、第8の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200G(
図25)と異なる点は次の通りである。
【0156】
本第9の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Hの光電変換部220Hでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226H(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Hは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Gの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域で、かつ、若干p層222Gの形成位置側によせて形成されている。
【0157】
カウンタインプラ部226Hは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Gの縁部e1,e2、電荷転送ゲート部240Gの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0158】
このカウンタインプラ部226Hにより、フォトダイオードの光電変換部220Hの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0159】
このように、本第9の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0160】
(第10の実施形態)
図27は、本発明の第10の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0161】
本第10の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Iが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0162】
本第10の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Iの光電変換部220Iでは、n層221内に、矩形状のp層222Iが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Iは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(p層222Iの周辺部または読み出し部である電荷転送ゲート部240Iの領域)TA1,TA2では幅が細く形成されている。
【0163】
本第10の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0164】
(第11の実施形態)
図28は、本発明の第11の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0165】
本第11の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Jが、第10の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200I(
図27)と異なる点は次の通りである。
【0166】
本第11の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Jの光電変換部220Jでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226J(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Jは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Iの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域で、かつ、若干p層222Iの形成位置側によせて形成されている。
【0167】
カウンタインプラ部226Jは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Iの縁部e1,e2、電荷転送ゲート部240Iの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0168】
このカウンタインプラ部226Jにより、フォトダイオードの光電変換部220Jの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0169】
このように、本第11の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0170】
(第12の実施形態)
図29は、本発明の第12の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0171】
本第12の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Kが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0172】
本第12の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Kの光電変換部220Kでは、n層221内に、矩形状のp層222Kが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Kは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(p層222Kの周辺部または読み出し部である電荷転送ゲート部240Kの領域)TA1,TA2に向かってテーパ状あるいは段階的に幅が細く形成されている。
【0173】
本第12の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0174】
(第13の実施形態)
図30は、本発明の第13の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0175】
本第13の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Lが、第10の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200K(
図29)と異なる点は次の通りである。
【0176】
本第13の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Lの光電変換部220Lでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226L(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Lは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Lの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域に形成されている。
【0177】
カウンタインプラ部226Lは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Kの縁部e1,e2,e3,e4、電荷転送ゲート部240Iの縁部e5,e6と対向する部分l1,l2,l3,l4、l5,l6は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0178】
このカウンタインプラ部226Lにより、フォトダイオードの光電変換部220Lの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0179】
このように、本第13の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0180】
(第14の実施形態)
図31は、本発明の第14の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0181】
本第14の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Mが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0182】
本第14の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Mの光電変換部220Mでは、n層221内に、矩形状のp層222Mが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Mは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(p層222Mの周辺部)TA1から読み出し部である電荷転送ゲート部240Iの端部領域TA2に向かってテーパ状あるいは段階的に幅が細く形成されている。
【0183】
本第14の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0184】
(第15の実施形態)
図32は、本発明の第15の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0185】
本第15の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Nが、第14の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200M(
図31)と異なる点は次の通りである。
【0186】
本第15の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Nの光電変換部220Nでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226N(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Nは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Mの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域に形成されている。
【0187】
カウンタインプラ部226Nは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Mの縁部e1,e2,電荷転送ゲート部240Iの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0188】
このカウンタインプラ部226Nにより、フォトダイオードの光電変換部220Nの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0189】
このように、本第15の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0190】
(第16の実施形態)
図33は、本発明の第16の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0191】
本第16の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Oが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0192】
本第16の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Oの光電変換部220Oでは、n層221内に、細長で矩形状のp層222Oが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Oは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(p層222Oの周辺部)TA1から形成され、読み出し部である電荷転送ゲート部240Iの端部領域TA2と分離するように幅が細く形成されている。
【0193】
本第16の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0194】
(第17の実施形態)
図34は、本発明の第17の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0195】
本第17の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Pが、第16の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200O(
図33)と異なる点は次の通りである。
【0196】
本第17の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Pの光電変換部220Pでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226P(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Pは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Oの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域に形成されている。
【0197】
カウンタインプラ部226Pは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Oの縁部e1,e2,電荷転送ゲート部240Iの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0198】
このカウンタインプラ部226Pにより、フォトダイオードの光電変換部220Pの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0199】
このように、本第17の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0200】
(第18の実施形態)
図35は、本発明の第18の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0201】
本第18の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Qが、第16の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200O(
図33)と異なる点は次の通りである。
【0202】
本第18の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Oの光電変換部220Qでは、n層221内に、細長で矩形状のp層222Qが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Qは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(p層222Qの周辺部)TA1から読み出し部である電荷転送ゲート部240Qの端部領域TA2まで幅が細く形成され、かつ、読み出し部である電荷転送ゲート部240Qの端部領域TA2ではイオン注入濃度が薄く形成れている。
【0203】
本第18の実施形態によれば、上述した第16の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0204】
(第19の実施形態)
図36は、本発明の第19の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0205】
本第19の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Rが、第18の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Q(
図35)と異なる点は次の通りである。
【0206】
本第19の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Rの光電変換部220Rでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226R(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Rは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Qの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域で、かつ、若干p層222Pの形成位置側によせて形成されている。
【0207】
カウンタインプラ部226Rは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Qの縁部e1,e2,電荷転送ゲート部240Qの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0208】
このカウンタインプラ部226Rにより、フォトダイオードの光電変換部220Rの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0209】
このように、本第19の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0210】
(第20の実施形態)
図37は、本発明の第20の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0211】
本第20の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Sが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0212】
本第20の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Sの光電変換部220Sでは、n層221内に、矩形状のp層222Sが局所的に形成され、かつ、基板210の法線に直交する方向Yの端部まで形成されている。
そして、p層222Sは、基板210の法線に直交する方向Yの端部領域(読み出し部である電荷転送ゲート部240Sの領域)TA2では幅が細く形成されている。
【0213】
本第20の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0214】
(第21の実施形態)
図38は、本発明の第21の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0215】
本第21の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Tが、第20の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200S(
図37)と異なる点は次の通りである。
【0216】
本第21の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Tの光電変換部220Tでは、n層221内において、さらにフォトダイオードのポテンシャルが最も浅くなる位置に、逆極性のボロン等の不純物を注入したカウンタインプラ部226T(-1,-2)が形成されている。
本例では、カウンタインプラ部226Tは、基板210の法線に直交する方向Xにおいて、p層222Sの形成位置とp型分離層230の形成位置との中間領域で、かつ、若干p層222Sの形成位置側によせて形成されている。
【0217】
カウンタインプラ部226Tは、基本的に平面視して矩形状であるが、p層222Sの縁部e1,e2,電荷転送ゲート部240Sの縁部e3,e4と対向する部分l1,l2,l3,l4は、これらの縁部と平行となるように形成されている。
【0218】
このカウンタインプラ部226Tにより、フォトダイオードの光電変換部220Tの底の部分の深さを均一に設定することで(周辺部のポテンシャルを深くすることで)、同一読み出し電圧(Vpin)時の飽和出力がさらに向上する。
【0219】
このように、本第21の実施形態によれば、n層221の飽和出力をさらに向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0220】
(第22の実施形態)
図39は、本発明の第22の実施形態に係る埋め込み型フォトダイオード(PPD)の主要部の構成例を示す図である。
【0221】
本第22の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Uが、第6の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200E(
図23)と異なる点は次の通りである。
【0222】
本第22の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Uの光電変換部220Uでは、n層221内に、矩形状のp層222U-1,222U-2,222U-3が局所的に形成されている。
ただし、p層222U-1,222U-2,222U-3は、読み出し部である電荷転送ゲート部240Iの領域TA2以外の領域に選択的に形成されている。
【0223】
本第22の実施形態によれば、上述した第6の実施形態と同様に、n層221の飽和出力を向上でき、空乏化電圧と混色の増加を抑制可能となる。
【0224】
(第23の実施形態)
図40は、本発明の第23の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【0225】
本第23の実施形態の容量可変部80Aが、第1の実施形態の容量可変部80と異なる点は次の通りである。
本第23の実施形態においては、配線WR上に縦続接続され各画素に対応するように形成された第1ビンニングトランジスタ(ビンニングスイッチ)81n-1,81n,81n+1に加えて、各画素PXLn-1,PXLn,PXLn+1のフローティングディフュージョンFDと配線WRのノードNDn-1,NDn,NDn+1との間に、たとえばNMOSトランジスタにより形成される第2ビンニングトランジスタ(ビンニングスイッチ)82n-1,82n,82n+1が接続されている。
【0226】
第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n,81n+1はそれぞれ第1容量変更信号BIN1n-1,BIN1n,BIN1n+1により選択的にオン、オフされ、第2ビンニングトランジスタ82n-1,82n,82n+1はそれぞれ第2容量変更信号BIN2n-1,BIN2n,BIN2n+1により選択的にオン、オフされる。
本実施形態においては、
図41に示すように、第1容量変更信号BIN1n-1,BIN1n,BIN1n+1と、第2容量変更信号BIN2n-1,BIN2n,BIN2n+1はペアを形成し、同じタイミングで(位相で)Hレベル、Lレベルに切り替えられる。
【0227】
このような構成において、第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n,81n+1は隣接するFD配線WRの接続および切断に用いられる。
第2ビンニングトランジスタ82n-1,82n,82n+1は、各画素PXLn-1,PXLn,PXLn+1の転送トランジスタTG-Trの近傍に配置され、高変換利得モードにおいて、フローティングディフュージョンFDノードの寄生容量を最小化するために用いられる。
【0228】
図41は、本第23の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
本第23の実施形態の動作は、基本的に、読み出し画素、たとえば画素PXLnの上側に隣接する画素PXLn+1の第1および第2の容量変更信号BIN1n+1,BIN2n+1を読み出し画素PXLnの第1および第2の容量変更信号BIN1n,BIN2nと同じタイミングで(位相で)Hレベル、Lレベルに切り替えられる以外は、前述した第1の実施形態と同様の動作が行われる。
したがって、第23の実施形態の動作の詳細は省略する。
【0229】
本第23の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本第23の実施形態によれば、高変換利得モードにおいて、フローティングディフュージョンFDノードの寄生容量を最小化することができる。
【0230】
(第24の実施形態)
図42は、本発明の第24の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
図43は、本第24の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
【0231】
本第24の実施形態の容量可変部80Bが、第23の実施形態の容量可変部80Aと異なる点は次の通りである。
本第24の実施形態においては、各画素PXLn-1,PXLn,PXLn+1の第1ビンニングトランジスタ81n-1,81n,81n+1の上側の隣接画素との接続部と電源線VDDとの間に、オーバーフロードレイン(OFD)ゲート83n-1,83n,83n+1が接続されている。
【0232】
OFDゲート83n-1,83n,83n+1は、高輝度時にフォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDに溢れだした電子(電荷)が隣接画素に漏れ出さないように、オーバーフロー電子を電源線(端子)に排出する。
【0233】
また、OFDゲート83n-1,83n,83n+1の電圧を第1容量変更信号BIN1n-1,BIN1n,BIN1n+1並びに第2容量変更信号BIN2n-1,BIN2n,BIN2n+1のLレベルの電圧より高く設定することにより、フォトダイオードPDからオーバーフローする電子(電荷)により、隣接画素のフローティングディフュージョンFDの電位が低下することを防止することができる。
【0234】
また、
図43に示すように、OFDゲート83n-1,83n,83n+1をリセットに用いても良い。リセット素子とビンニングスイッチを備える構成に対して、フローティングディフュージョンFDノードに接続される素子数が少ないため、高変換ゲイン時の特性に優れる。
【0235】
(応用例)
図44は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が画素共有構造にも適用が可能であることを説明するための図である。
図45は、
図44の2画素共有構造のレイアウト例を模式的に示す図である。
【0236】
上述した本実施形態の固体撮像装置10は、
図44および
図45に示すように、一つのフローティングディフュージョンFDを複数(本例では2)のフォトダイオードPDa,Pdbで共有する、画素共有構造にも適用が可能である。
【0237】
なお、
図45の例では、一例として。
図21の第4の実施形態の埋め込み型フォトダイオード(PPD)200Cの光電変換部220Cの構成が採用されている。すなわち、n層(第1導電型半導体層)221において、2つのp層222-1,222-2により、基板の法線に直交する方向Xに3つのサブ領域SBA1,SBA2、SBA3が形成されている。
【0238】
図46は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が、表面照射型イメージセンサと裏面照射型イメージセンサの両方に適用が可能であることを説明するための図である。
図46(A)が表面照射型イメージセンサの簡略構成を示し、
図46(B)が裏面照射型イメージセンサの簡略構成を示している。
【0239】
図46において、符号91がマイクロレンズアレイを、92がカラーフィルタ群を、93が配線層を、94がシリコン基板を、それぞれ示している。
【0240】
上述した本実施形態の固体撮像装置10は、
図46(A)および(B)に示すように、
表面照射型イメージセンサ(FSI)と裏面照射型イメージセンサ(BSI)の両方に適用可能である。
【0241】
以上説明した固体撮像装置10は、デジタルカメラやビデオカメラ、携帯端末、あるいは監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器に、撮像デバイスとして適用することができる。
【0242】
図47は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用されるカメラシステムを搭載した電子機器の構成の一例を示す図である。
【0243】
本電子機器100は、
図47に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置10が適用可能なCMOSイメージセンサ110を有する。
さらに、電子機器100は、このCMOSイメージセンサ110の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系(レンズ等)120を有する。
電子機器100は、CMOSイメージセンサ110の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)130を有する。
【0244】
信号処理回路130は、CMOSイメージセンサ110の出力信号に対して所定の信号処理を施す。
信号処理回路130で処理された画像信号は、液晶ディスプレイ等からなるモニタに動画として映し出し、あるいはプリンタに出力することも可能であり、またメモリカード等の記録媒体に直接記録する等、種々の態様が可能である。
【0245】
上述したように、CMOSイメージセンサ110として、前述した固体撮像装置10を搭載することで、高性能、小型、低コストのカメラシステムを提供することが可能となる。
そして、カメラの設置の要件に実装サイズ、接続可能ケーブル本数、ケーブル長さ、設置高さなどの制約がある用途に使われる、たとえば、監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器を実現することができる。
【符号の説明】
【0246】
10・・・固体撮像装置、20・・・画素部、200,200A~200U・・・
埋め込み型フォトダイオード(PPD)、210・・・基板、211・・・第1基板面、212・・・第2基板面、220・・・光電変換部、221・・・n層(第1導電型半導体層)、222・・・p層(第2導電型半導体層)、223・・・p+層、224・・・n層、225・・・p+層、226・・・カウンタイオン注入部、230・・・p型分離層、30・・・垂直走査回路、40・・・読み出し回路、50・・・水平走査回路、60・・・タイミング制御回路、70・・・読み出し部、80,80A~80C・・・容量可変部、81・・・第1ビンニングスイッチ、82・・・第2ビンニングスイッチ、83・・・オーバーフロードレイン(OFD)ゲート、91・・・マイクロレンズアレイ、92・・・カラーフィルタ群、93・・・配線層、94・・・シリコン基板、100・・・電子機器、110・・・CMOSイメージセンサ、120・・・光学系、130・・・信号処理回路(PRC)。