(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/62 20180101AFI20220810BHJP
F24F 3/044 20060101ALI20220810BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20220810BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20220810BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20220810BHJP
F24F 11/75 20180101ALI20220810BHJP
F24F 11/76 20180101ALI20220810BHJP
F24F 11/85 20180101ALI20220810BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220810BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20220810BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
F24F11/62
F24F3/044
F24F11/46
F24F11/70
F24F11/74
F24F11/75
F24F11/76
F24F11/85
F24F7/06 B
G06F1/20 B
G06F1/20 D
G06F1/20 C
H05K7/20 G
H05K7/20 U
(21)【出願番号】P 2017115296
(22)【出願日】2017-06-12
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】山崎 元明
(72)【発明者】
【氏名】笠井 一徳
(72)【発明者】
【氏名】林 隆浩
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-078218(JP,A)
【文献】特開2014-185825(JP,A)
【文献】特表2016-533501(JP,A)
【文献】特開2012-145276(JP,A)
【文献】特開2009-257730(JP,A)
【文献】特表2008-511814(JP,A)
【文献】特開2011-080726(JP,A)
【文献】特表2015-524910(JP,A)
【文献】特開2012-087967(JP,A)
【文献】特開2010-139119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/75
F24F 3/044
F24F 11/62
F24F 11/46
F24F 11/70
F24F 11/74
F24F 11/75
F24F 11/76
F24F 11/85
F24F 7/06
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ室内に収容されたサーバを冷却すべく、冷却空気
を給気する空調機と、
前記
空調機から前記冷却空気が供給される給気ゾーンの温度を計測し
、計測値
に応じた無線信号を出力する温度センサと、
前記温度センサの計測値の変化量に基づい
て前記空調機
の制御を行う制御部と、
を備え、
前記サーバ室内の温度をモニタリングするため、前記温度センサの計測値を蓄
積する温度監視部
をさらに有し、
前記温度センサから発せられた同一の無線信号を前記制御部と前記温度監視部で受信することを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記
サーバは複数のラックに格納され、各ラックは同じ向きに一列に配置され、
隣接するラック列において、吸気口側と吸気口側とを、および排気口側と排気口側とを向かい合わせに配置することでコールドアイルおよびホットアイルが形成され、
前記空調機は、前記
サーバ内で熱せられた排気が前記ホットアイルを介して吸引され、吸引される排気
を操作量だけ冷却し、冷却した空気を、前記コールドアイルを介して前記
サーバへ給気することを特徴とする請求項1に記載
のシステム。
【請求項3】
前記温度センサは複数台設置される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備管理システムおよび設備管理システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデータセンター・電算センター(以下DCとする)のサーバ室(電算室)の空調を行う空調システム(設備管理システム)では、コールドアイルと呼ばれるサーバへの冷気供給経路に有線接続の温度センサを本設工事にて設置し、温度環境をモニタリングし、空調制御に反映することで、空調温度を維持している(例えば、特許文献1参照)。
また最近では、サーバ室の運用状況(温度環境)を詳細に把握したいというDC事業者のニーズもでてきて、本設の設備とは別に、温度モニタリングシステムを別途持込んで、サーバ室の冷房状況を詳細に把握しようとする事例が増えている。
【0003】
図2は、従来の設備管理システムの構成例を示す図である。
図2に示す設備管理システム9は、空調システム900と、温度監視(モニタリング)部97(温度モニタリングシステム)とにより構成される。また、
図2に示す空調システム900は、サーバ室4、二重床5、空調室6、制御部96を含んで構成される。また、本設工事にて設置される空調システム900とは別に、サーバ室の詳細温度の監視を目的として温度監視(モニタリング)部97が持ち込まれる場合もある。
図2に示すように、空調システム900は、サーバ(
図2において不図示)を収容したサーバラックが設置されたサーバ室4を対象とする空調システムである。サーバ室4は、二重床5の上に複数のサーバラック(
図2におけるサーバラックR1、R2)が設置されている。また、サーバ室4の隣には、空調室6が設置され、空調室6には、サーバ室4の二重床5の内部に冷気A1を供給可能な空調機7が設置されている。
【0004】
サーバ室4においては、サーバ等の機器がラックR1、R2に格納され、その各ラックが同じ向きに横一列に配置される。この時、隣接するラック列で、吸気口側と吸気口側とを、および排気口側と排気口側、または排気口側とサーバ室4の壁とを向かい合わせに配置することで、サーバを冷却するための冷気A1が通過するCOLDアイル(コールドアイル)としての給気ゾーン11、およびサーバを冷却した後の暖気A2が通過するHOTアイル(ホットアイル)としての還気ゾーン12が形成される。このような給気ゾーン11および還気ゾーン12が形成されることで、サーバ(機器)の排気と吸気とが混ざらないようにすることができ、冷却効率が向上する。
【0005】
給気ゾーン11は、下方の二重床5にグレーチングなどの孔あきパネルが設けられていて、孔あきパネルを通して二重床5の内部から給気ゾーン11に冷気A1が供給されている。還気ゾーン12の暖気A2は、空調室6に移動して、空調機7に吸引されるように構成されている。
また、給気ゾーン11には、給気ゾーン11の空気温度を測定する温度センサTy1、Ty2、Ty3が設けられている。
【0006】
このうち、温度センサTy1、Ty2は、空調機7を制御する制御部96(本設の設備)と有線方式により接続されている。そして、制御部96は、温度センサTy1、Ty2で検知された温度を基に空調機7が有する給気ファンを制御し、空調機7から吹き出される冷気A1の量を調整している。
また、温度センサTy3は、温度センサTy3で検知された温度を蓄積、分析する温度監視部97(温度モニタリングシステム)と有線方式により接続されている。
【0007】
しかし、稼働中のサーバ室に、温度監視部97を構成する温度監視装置97aおよび温度センサTy3を持込むに当たっては、以下のような問題点があった。
(1)サーバ室4内への入室は限られた関係者に限定されており、稼働中のサーバ室への持ち込んだ温度センサTy3の関係者以外による設置工事が難しい。
(2)持ち込み型の温度監視部97において、温度センサTy3の購入費用および温度センサTy3を温度監視部97に有線接続するための設置工事費用が比較的高価となるため、温度センサTy3の設置箇所、設置台数が限定される、或いはモニタリングが実施できない、というケースがあった。
(3)制御部96の温度センサTy1、Ty2と、後から持ち込んだ温度センサTy3との、性能や配置が異なるため、蓄積された温度センサTy3によるセンシングデータと温度センサTy1、Ty2によるセンシングデータとの比較が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、制御部の温度センサと、運用時の温度監視部の温度センサとを併用可能にできる設備管理システムおよび設備管理システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明の一態様は、サーバ室内に収容されたサーバを冷却すべく、冷却空気を給気する空調機と、前記空調機から前記冷却空気が供給される給気ゾーンの温度を計測し、計測値に応じた無線信号を出力する温度センサと、前記温度センサの計測値の変化量に基づいて前記空調機の制御を行う制御部と、を備え、前記サーバ室内の温度をモニタリングするため、前記温度センサの計測値を蓄積する温度監視部をさらに有し、前記温度センサから発せられた同一の無線信号を前記制御部と前記温度監視部で受信することを特徴とする、システムである。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記システムであって、前記サーバは複数のラックに格納され、各ラックは同じ向きに一列に配置され、隣接するラック列において、吸気口側と吸気口側とを、および排気口側と排気口側とを向かい合わせに配置することでコールドアイルおよびホットアイルが形成され、前記空調機は、前記サーバ内で熱せられた排気が前記ホットアイルを介して吸引され、吸引される排気を操作量だけ冷却し、冷却した空気を、前記コールドアイルを介して前記サーバへ給気することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記システムであって、前記温度センサは複数台設置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無線方式によりセンシングデータ(計測値)を出力する温度センサを有するため、制御部の温度センサと、運用時の温度監視部の温度センサとを、併用可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の設備管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】従来の設備管理システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の設備管理システムの構成例を示す図である。
図1に示す設備管理システム1は、空調システム100と、温度監視(モニタリング)部17(温度モニタリングシステム)とにより構成される。また、
図1に示す空調システム100は、サーバ室4、二重床5、空調室6、制御部16を含んで構成される。また本設工事にて設置される空調システム100とは別に、サーバ室の詳細温度の監視を目的として温度監視(モニタリング)部17が持ち込まれる場合もある。
図1に示すように、空調システム100は、サーバ(
図1において不図示)を収容したサーバラックが設置されたサーバ室4を対象とする空調システムである。サーバ室4は、二重床5の上に複数のサーバラック(
図1におけるサーバラックR1、R2)が設置されている。また、サーバ室4の隣には、空調室6が設置され、空調室6には、サーバ室4の二重床5の内部に冷気A1を供給可能な空調機7が設置されている。なお、
図1においては、ラックとして、ラックR1、R2の2台を示しているが、これは例示であって、ラックの台数は3台以上であってもよい。
【0017】
サーバ室4においては、サーバ等の機器がラックR1、R2に格納され、その各ラックが同じ向きに横一列に配置される。この時、隣接するラック列で、吸気口側と吸気口側とを、および排気口側と排気口側、または排気口側とサーバ室4の壁とを向かい合わせに配置することで、サーバを冷却するための冷気A1が通過するCOLDアイル(コールドアイル)としての給気ゾーン11、およびサーバを冷却した後の暖気A2(熱せられた排気)が通過するHOTアイル(ホットアイル)としての還気ゾーン12が形成される。このような給気ゾーン11および還気ゾーン12が形成されることで、サーバ(機器)の排気と吸気とが混ざらないようにすることができ、冷却効率が向上する。なお、ラック列における吸気口側を、
図1においては、給気ゾーン11とラックR1、R2との間を結ぶ矢印で示している。また、ラック列における排気口側を、
図1においては、ラックR1、R2と還気ゾーン12との間を結ぶ矢印で示している。
【0018】
また、給気ゾーン11は、下方の二重床5にグレーチング(鋼材を格子状に組んだ溝蓋)などの孔あきパネルが設けられていて、孔あきパネルを通して二重床5の内部から給気ゾーン11に冷気A1が供給されている。還気ゾーン12の暖気A2は、空調室6に移動して、空調機7に吸引されるように構成されている。
【0019】
すなわち、空調システム100では、空調機7から吹き出された冷気A1が、二重床5の内部に供給され、二重床5の孔あきパネルを通して床上の給気ゾーン11へ供給される。そして、この冷気A1は、給気ゾーン11からラックR1、R2に収容されたサーバ(機器)の周囲を通過して還気ゾーン12へ移動することにより、サーバを冷却している。そして、この冷気A1は、サーバ2の熱を帯びて暖気A2となっている。また、還気ゾーン12へ移動した暖気A2は、還気ゾーン12から空調室6に移動して、空調機7に吸引されている。
【0020】
また、給気ゾーン11には、給気ゾーン11付近の空気温度を計測し、無線方式により計測値(センシングデータ)を出力する温度センサTm1、Tm2が設けられている。
図1では温度センサTm1、Tm2の設置例として、温度センサTm1はラックR1付近に設置され、温度センサTm2はラックR2付近に設置されているが、温度センサTm1、Tm2の設置箇所・設置高さ・設置台数は任意に設定されてよい。一般的に複数台設置される温度センサTm1、Tm2は、給気ゾーン11の上部側の空気温度を測定できるように、給気ゾーン11の上部側に設置されている例が多いが、センサが無線であるので、例えば「ラック下側に設置された重要なサーバ付近の温度を測定する」などのように設置場所に自由度を与えることができる。
【0021】
制御部16(本設の設備)は、制御装置16aと無線アンテナ16bを含んで構成される。
すなわち、温度センサTm1、Tm2は、空調機7を制御する制御装置16aと無線アンテナ16bを介して、無線方式により接続されている。そして、制御装置16aは、温度センサTm1、Tm2で検知された温度(温度センシング)を基に空調機7が有する給気ファンを制御し、空調機7から吹き出される冷気A1の量を調整している。
実際には、制御装置16aは、給気ゾーン11の温度が上昇すると、空調機7から吹き出される冷気A1を給気ゾーン11の温度上昇に対応して徐々に増量させる。また、制御装置16aは、給気ゾーン11の温度が下降すると、空調機7から吹き出される冷気A1を徐々に減量させる。
すなわち、制御部16は、温度センサTm1、Tm2の計測値の変化量に基づいて操作量を算出し、算出した操作量(空調制御指示)を空調機7に対して出力する。そして、空調機7は、操作量に基づいて冷気A1(冷却空気)を、ラックR1、R2内に設置されるサーバ(機器)に対して、コールドアイルとしての給気ゾーン11を介して給気する。
【0022】
一方、温度監視部17(温度モニタリングシステム)は、温度監視装置17aと無線アンテナ17bを含んで構成される。
すなわち、温度センサTm1、Tm2は、温度監視装置17aと無線アンテナ17bを介して、無線方式により接続されている。なお、温度センサTm1、Tm2と温度監視部17における無線アンテナ17bとの無線センサの方式は、温度センサTm1、Tm2と制御部16における無線アンテナ16bとの無線センサの方式に合致したものとするのが好ましい。また、温度センサTm1、Tm2の無線プロトコルは、Wifi(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、EnOcean(登録商標)など比較的汎用的なものを採用するのが好ましい。
【0023】
そして、温度監視装置17aは、温度センサTm1、Tm2で検知された温度(温度センシング)を蓄積し、分析する。ここで、温度監視装置17aにおける温度分析について述べる。制御装置16aは空調制御を目的として温度センシングを実施している。これに対して温度監視装置17aの温度センシングは、給気ゾーン11の空間的な温度性能保証の意味合いを含んでいる。温度監視装置17aの温度センシングによりサーバ室4の運用状況(温度環境)を詳細に把握することが可能となる。さらに温度監視装置17aでの温度分析結果と制御装置16aの制御状況を突き合わせることにより、空調運用の適正化(例えば、COLDアイルにおける温度が所定の温度に対して上下する期間が少なく、空調機7の吹き出す冷気A1の量が所定量に対して上下する期間が少なくなること)を検証できる。
【0024】
以上述べたように、本実施形態における空調システム100は、空調機7と、温度センサTm1,Tm2と、制御部16を備え、温度監視部17と併用することでその機能を発揮する。
空調機7は、操作量に基づいて冷却空気をサーバ(機器)に対して給気する。
温度センサTm1,Tm2は、空調機7と、サーバが冷却空気を吸入する吸気口の近傍に設置され、設置された位置の温度を計測し、無線方式により計測値(センシングデータ)を出力する。
制御部16は、温度センサTm1,Tm2の計測値の変化量に基づいて上記操作量を算出し、操作量を空調機7に対して出力する。
温度監視部17は、温度センサTm1,Tm2の計測値を蓄積し、分析する。
【0025】
また、空調システム100においては、サーバ(機器)は複数のラックR1、R2に格納され、各ラックは同じ向きに一列に配置され、隣接するラック列において、吸気口側と吸気口側とを、および排気口側と排気口側とを向かい合わせに配置することでコールドアイル(COLDアイル)およびホットアイル(HOTアイル)が形成される。そして、空調機7は、機器内で熱せられた排気がホットアイルを介して吸引され、吸引される排気を操作量だけ冷却し、冷却した空気を、コールドアイルを介して機器へ給気する。
【0026】
これにより、本実施形態における空調システム100と温度監視部17は、無線方式によりセンシングデータ(計測値)を出力する温度センサTm1,Tm2を有するため、制御部16の温度センサと、運用時の温度監視部17の温度センサとを、併用可能にすることができる。
【0027】
また、本実施形態における空調システム100と温度監視部17は、次のような効果を有する。
(1)サーバ室4稼働後の温度監視部17による温度モニタリング実施時の負担が軽減できる。すなわち、従来の空調システム900では、サーバ室内への入室は限られた関係者に限定されており、稼働中のサーバ室への持ち込んだ温度監視部97における温度センサTy3の関係者以外による設置工事が難しかった。これに対し、本実施形態の空調システム100では、温度監視部17における温度センサは不要となるため、温度センサの設置工事が不要となり、温度監視部17による温度モニタリング実施時の負担を軽減できる。(2)また、温度センサTm1,Tm2の制御部16と温度監視部17とによる共用化により、設備投資の無駄を削減することが可能となる。すなわち、温度監視部17による温度モニタリング実施時に用いる温度センサを、制御部16による空調制御に用いる温度センサと共用できるので、温度監視部17による温度モニタリング実施時に用いる温度センサ(従来の空調システム900における温度センサTy3)は不要となり、かかる温度センサの設置個所、設置台数が限定されることはなく、モニタリングが実施できないというケースはなくなる。
(3)また、温度モニタリング実施による、サーバ室4における空調運用の適正化を実現できる。すなわち、制御部16の温度センサと、温度監視部17の温度センサとを、性能や配置が同じ温度センサTm1、Tm2とできる。これにより、温度監視部17に入力されるセンシングデータと制御部16に入力されるセンシングデータとの比較を行う比較部を温度監視部17に設けるようにすることで、比較を精度よく行えることが可能となるため、上述したように、温度モニタリング実施による、サーバ室4における空調運用の適正化を実現できる。
【0028】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0029】
例えば、上述した実施形態における制御部16および温度監視部17をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
また建物用途はデータセンター・電算センターに限らず、一般のオフィスビル・工場・病院等のサーバ室であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1,9 設備管理システム
4 サーバ室
5 二重床
6 空調室
7 空調機
11 給気ゾーン
12 還気ゾーン
16,96 制御部
16a,96a 制御装置
16b,17b 無線アンテナ
17,97 温度監視部
17a,97a 温度監視装置
R1,R2 サーバラック
Tm1,Tm2,Ty1,Ty2,Ty3 温度センサ
A1 冷気
A2 暖気
100、900 空調システム