(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】圧着端子及び圧着端子の接続構造
(51)【国際特許分類】
H01R 4/34 20060101AFI20220810BHJP
H01R 11/12 20060101ALI20220810BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20220810BHJP
H01R 9/00 20060101ALN20220810BHJP
【FI】
H01R4/34
H01R11/12 D
H01R4/18 A
H01R9/00 Z
(21)【出願番号】P 2018037463
(22)【出願日】2018-03-02
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100129137
【氏名又は名称】中山 ゆみ
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】百島 孝
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0038476(US,A1)
【文献】特開平09-050845(JP,A)
【文献】特開2009-302024(JP,A)
【文献】実開昭63-131073(JP,U)
【文献】実開昭61-007874(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
4/34
9/00
11/12
13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ側に延びるリード線圧着部を設けた2つの圧着端子が電気的に接続された接続構造であって、
前記2つの圧着端子のそれぞれは、板状の接続部を有し、
2つの前記接続部のそれぞれは、互いに対向する面に導電性のスペーサーが配置されており、
2つの前記スペーサーのそれぞれは、平面視で前記接続部の中心を通って前記圧着端子の長手方向に延びる直線により分離された2つの前記接続部の互いに対向する面の半分の領域のみに配置されており、
2つの前記接続部が互いに対向する面において、一方のスペーサー
が配置された
領域と他方のスペーサー
が配置されていない
領域とが互いに対向
して接触し、前記他方のスペーサーが配置された領域と前記一方のスペーサーが配置されていない領域とが互いに対向して接触することにより、前記2つの圧着端子が電気的に接続されていることを特徴とする圧着端子の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着端子及び圧着端子の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
圧着端子は、例えば、電線(配線)の先端、分岐接続部等に配置され、前記電線を電極等に取付けるために用いられる(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧着端子の設置面積を節減するために、1か所に複数の圧着端子を接続する場合がある。しかし、その場合、圧着端子どうしの接触面以外の箇所で前記圧着端子どうしが接触してしまい、逆に、前記接触面での接触が妨げられるおそれがある。そうなると、前記接触面での接触面積が小さくなって接触不良となり、前記圧着端子どうしの電気抵抗が十分に低下しないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、複数の圧着端子どうしの接触面積を大きくすることができ、電気抵抗を十分に低下させることが可能な圧着端子及び圧着端子の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の圧着端子は、
接続部を有し、
前記接続部が他の圧着端子と電気的に接続可能であり、
前記接続部の前記他の圧着端子と電気的に接続する側に、導電性のスペーサーが配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の圧着端子の接続構造は、前記本発明の圧着端子における前記接続部と、他の少なくとも一つの圧着端子とが、前記スペーサーを間に介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の圧着端子どうしの接触面積を大きくすることができ、電気抵抗を十分に低下させることが可能な圧着端子及び圧着端子の接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の圧着端子の一例の構成を示す図である。
図1(a)は、側面図である。
図1(b)は、平面図(上面図)である。
図1(c)は、正面図である。
【
図2】
図2は、
図1の圧着端子の製造方法の一例を示す工程図である。
図2(a)は、原料である板の構成を示す平面図である。
図2(b)は、
図2(a)の板を圧着端子の形状に変形した状態を示す平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の圧着端子の別の一例の構成を示す図である。
図3(a)は、側面図である。
図3(b)は、平面図(上面図)である。
図3(c)は、正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の圧着端子の接続構造における一例を示す側面図である。
【
図5】
図5は、
図4の圧着端子の接続構造において、圧着端子を端子台にねじで固定した状態を示す側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の圧着端子の接続構造の別の一例を示す側面図である。
【
図7】
図7は、本発明の圧着端子のさらに別の一例の構成を示す図である。
図7(a)は、側面図である。
図7(b)は、平面図(上面図)である。
図7(c)は、正面図である。
【
図8】
図8は、
図7の圧着端子の製造方法の一例を示す工程図である。
図8(a)は、原料である板の構成を示す平面図である。
図8(b)は、
図8(a)の板を圧着端子の形状に変形した状態を示す平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の圧着端子の接続構造における別の一例を示す図である。
図9(a)は、スペーサー配置面どうしを離した状態の側面図である。
図9(b)は、スペーサー配置面どうしを接触させた状態の側面図である。
図9(c)は、
図9(b)の状態の正面図である。
【
図10】
図10は、本発明の圧着端子のさらに別の一例の構成を示す図である。
図10(a)は、側面図である。
図10(b)は、平面図(上面図)である。
図10(c)は、正面図である。
【
図11】
図11は、
図10の圧着端子の製造方法の一例を示す工程図である。
図11(a)は、原料である板の構成を示す平面図である。
図11(b)は、
図11(a)の板を圧着端子の形状に変形した状態を示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の圧着端子の接続構造におけるさらに別の一例を示す図である。
図9(a)は、スペーサー配置面どうしを離した状態の側面図である。
図9(b)は、スペーサー配置面どうしを接触させた状態の側面図である。
図9(c)は、
図9(b)の状態の正面図である。
【
図13】
図13は、本発明の圧着端子の接続構造において、複数の圧着端子を積層した場合の例を示す模式図である。
図13(a)は、2個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(b)は、3個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(c)は、4個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(d)は、5個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(e)は、5個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造における別の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、接続部にスペーサーが配置されていない圧着端子の一例の構成を示す図である。
図14(a)は、側面図である。
図14(b)は、平面図(上面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0011】
本発明の圧着端子は、前述のとおり、接続部を有し、前記接続部が他の圧着端子と電気的に接続可能であり、前記接続部の前記他の圧着端子と電気的に接続する側に、導電性のスペーサーが配置されている。これ以外は、本発明の圧着端子は、特に限定されず、例えば、一般的な圧着端子と同様であってもよい。
【0012】
本発明の圧着端子は、例えば、
前記接続部が、板状であり、
前記接続部の一方の面が、スペーサー配置面であり、
前記スペーサー配置面の一部に前記スペーサーが配置され、
前記接続部が、前記スペーサー配置面において他の圧着端子と電気的に接続可能であってもよい。なお、このような本発明の圧着端子を、以下において「片面接続圧着端子」という場合がある。
【0013】
また、本発明の圧着端子は、例えば、
前記接続部が、板状であり、
前記接続部の一方の面及び他方の面の両面が、スペーサー配置面であり、
前記一方の面の一部及び前記他方の面の一部に前記スペーサーが配置され、
前記接続部が、前記両面において他の圧着端子と電気的に接続可能であってもよい。なお、このような本発明の圧着端子を、以下において「両面接続圧着端子」という場合がある。
【0014】
また、本発明の圧着端子の接続構造は、前述のとおり、前記本発明の圧着端子における前記接続部と、他の少なくとも一つの圧着端子とが、前記スペーサーを間に介して電気的に接続されていることを特徴とする。これ以外は、本発明の圧着端子の接続構造は、特に限定されず、例えば、一般的な圧着端子の接続構造と同様であってもよい。
【0015】
本発明の圧着端子の接続構造は、例えば、前記他の圧着端子のうち少なくとも一つが、前記本発明の圧着端子であってもよい。
【0016】
また、本発明の圧着端子の接続構造は、例えば、
少なくとも2つの圧着端子を含み、
前記2つの圧着端子が、前記片面接続圧着端子であり、
前記2つの圧着端子の前記スペーサー配置面どうしが互いに対向し、
前記2つのスペーサー配置面において、一方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置された部分と、他方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置されていない部分とが互いに対向することにより、前記2つの圧着端子が電気的に接続されていてもよい。
【0017】
また、本発明の圧着端子の接続構造は、例えば、
第1の圧着端子と、第2の圧着端子と、第3の圧着端子とを含み、
前記第1の圧着端子は、前記両面接続圧着端子であり、前記第2の圧着端子及び前記第3の圧着端子は、それぞれ、前記片面接続圧着端子であり、
前記第1の圧着端子における前記一方の面と、前記第2の圧着端子における前記スペーサー配置面とが互いに対向し、
前記第1の圧着端子における前記他方の面と、前記第3の圧着端子における前記スペーサー配置面とが互いに対向し、
前記互いに対向するスペーサー配置面どうしにおいて、一方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置された部分と、他方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置されていない部分とが互いに対向することにより、前記第1の圧着端子と前記第2の圧着端子とが電気的に接続され、かつ前記第1の圧着端子と前記第3の圧着端子とが電気的に接続されていてもよい。
【0018】
接続部にスペーサーが配置されていない圧着端子では、1か所に複数の圧着端子を接続する場合、前述のとおり、前記圧着端子の接触面での接触面積が小さくなって接触不良となり、前記圧着端子どうしの電気抵抗が十分に低下しないおそれがある。以下、具体的に説明する。
【0019】
図14は、接続部にスペーサーが配置されていない圧着端子の一例の構成を示す図である。
図14(a)は、側面図である。
図14(b)は、平面図(上面図)である。図示のとおり、この圧着端子100βは、接続部101aと、リード線圧着部102とを有する。接続部101a(
図14(a)及び(b)の紙面左側)は、板状であり、導電性材料により形成されている。また、接続部101aはリング状であり、中央の穴にねじ等を挿入することができる。リード線圧着部102(
図14(a)及び(b)の紙面右側)は、導電性材料により形成されている。また、リード線圧着部102は、棒状であり、その一端で、接続部101aと電気的に接続されている。
図1の圧着端子100βでは、接続部101aとリード線圧着部102とが一体に形成されている。リード線圧着部102は、導電性材料により形成された本体が、絶縁キャップ102aで覆われている。
【0020】
図15に、
図14の圧着端子を用いた圧着端子の接続構造の一例を示す。
図15は、
図14の圧着端子100βを2つ接続した接続構造の側面図(
図14(a)と同じ方向から見た図)である。図示のとおり、この接続構造1000βにおいては、
図14と同じ圧着端子100βが2つ重ねられて電気的に接続されている。より具体的には、図示のとおり、2つの圧着端子100βにおいて、接続部101aの一方の面どうしが接触することにより、電気的に接続されている。
【0021】
図15では、リード線圧着部102の厚みのために、絶縁キャップ102aどうしが互いに接触している。このために、接続部101aの接触面どうしでの接触が妨げられ、前記接触面での接触面積が小さくなって接触不良となるおそれがある。より具体的には、例えば、2つの圧着端子100βを端子台にねじで固定する場合、前記ねじを端子台メーカーの推奨値で締めつけても、正常に締めつけることができず、端子がぐらつくおそれがある。そのように接触不良になると、圧着端子100βどうしの電気抵抗が十分に低下しないおそれがある。
【0022】
これに対し、本発明の圧着端子及び圧着端子の接続構造では、複数の圧着端子どうしの接触面積を大きくすることができ、電気抵抗を十分に低下させることが可能である。具体的には、例えば、後述する実施例に記載のとおりである。
【0023】
なお、本発明において、「載置」、「配置」又は「設置」は、「固定」を含む。
【0024】
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて説明する。各図は、説明の便宜のため、適宜省略、誇張等をして模式的に描いている。
【実施例1】
【0025】
本実施例では、本発明の圧着端子の例及びそれを用いた本発明の圧着端子の接続構造の例について説明する。
【0026】
図1は、本実施例の圧着端子の構成を示す図である。
図1(a)は、側面図である。
図1(b)は、平面図(上面図)である。
図1(c)は、正面図である。
図1(c)は、より具体的には、接続部の先端側(紙面の左側)から見た図である。図示のとおり、この圧着端子100は、接続部101と、リード線圧着部(電線接続部)102とを有する。接続部101の本体部分(接続部本体)101a(
図1(a)及び(b)の紙面左側)は、板状であり、導電性材料により形成されている。接続部本体101aの一方の面は、スペーサー配置面になっている。前記スペーサー配置面には、図示のとおり、スペーサー103が固定(配置)されている。スペーサー103は、厚みのある板状であり、導電性材料により形成されている。そして、後述するように、接続部101は、前記スペーサー配置面において、スペーサー103を介して他の圧着端子と電気的に接続可能である。また、接続部本体101a及びスペーサー103はリング状であり、中央の穴にねじ等を挿入することができる。リード線圧着部102(
図1(a)及び(b)の紙面右側)は、導電性材料により形成されている。また、リード線圧着部102は、棒状であり、その一端で、接続部本体101aと電気的に接続されている。
図1の圧着端子100では、接続部本体101aとリード線圧着部102とが一体に形成されている。リード線圧着部102は、導電性材料により形成された本体が、絶縁キャップ102aで被覆されている。リード線圧着部102は、その本体に、リード線(電線と同義。配線、導線ともいう。)を接続することができる。
【0027】
図1の圧着端子100の製造方法は、特に限定されない。例えば、
図2(a)及び(b)の工程図に示すように、導電性の一枚の板を折り曲げて製造してもよい。
図2(a)は、原料である板の構成を示す平面図である。
図2(b)は、
図2(a)の板を圧着端子の形状に変形した状態を示す平面図である。
図2(a)に示すとおり、圧着端子100の原料は、導電性の一枚の板100xにより形成されている。板100は、スペーサー103を形成する部分と、接続部本体101aを形成する部分と、リード線圧着部102の本体を形成する部分102xとが、一体に形成されている。この状態から、
図2(b)に示すように、スペーサー103と接続部本体101aとの境界部分を折り曲げ、スペーサー103を接続部本体101aの一方の面に重ねることで、接続部101を形成する。このとき、スペーサー103は、接続部本体101aの一方の面に対し、単に接触させるのみでもよいが、例えば、溶接したり、導電性の接着剤で接着したりしてもよい。前記溶接、接着等によりスペーサー103を接続部本体101aの一方の面に固定すると、電気抵抗がより低くなりやすいため好ましい。一方、
図2(b)に示すとおり、リード線圧着部102の本体を形成する部分102xを折り曲げて棒状に丸め、リード線圧着部102の本体(リード線圧着部本体、又は電線接続部本体)102bを形成する。そして、
図2(b)の状態から、リード線圧着部本体102bを絶縁キャップ102a(
図2では図示せず)で被覆することで、
図1に示した圧着端子100を製造できる。
【0028】
なお、
図1の圧着端子100の製造方法は、前述のとおり特に限定されず、
図2に示した以外の任意の製造方法でもよい。具体的には、例えば、型抜き、鋳造等の方法を用いてもよいし、例えば、一般的な圧着端子の製造方法に準じてもよい。また、スペーサー103は、
図2の方法以外に、例えば、接続部本体101aと分離した別の板状部材として準備し、接続部本体101aの一方の面に溶接、接着等により固定してもよい。また、例えば、鋳造等により、スペーサー103と接続部本体101aとを一体形成してもよい。スペーサー103と接続部本体101aとを一体形成すると、電気抵抗がより低くなりやすいため好ましい。
【0029】
また、
図1及び2に示した圧着端子100の各部の材質は、特に限定されないが、例えば、一般的な圧着端子と同様又はそれに準じてもよい。また、各部の材質は、それぞれ、一種類のみ用いてもよく、複数種類を併用してもよい。また、各部の材質は、同一でもよいし異なっていてもよい。接続部本体101a及びリード線圧着部本体102bの材質としては、例えば、金属、導電性セラミック、導電性樹脂等が挙げられる。前記金属としては、例えば、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレス等が挙げられる。スペーサー103の材質は、導電性であれば特に限定されず、例えば、接続部本体101a及びリード線圧着部本体102bの材質と同様でもよい。絶縁キャップ102aの材質も特に限定されないが、例えば、樹脂等が挙げられる。前記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂等が挙げられる。前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン(商品名)等が挙げられる。
【0030】
なお、接続部及びスペーサーの形状は、
図1及び2ではリング状であるが、本発明の圧着端子において、接続部及びスペーサーの形状は、これに限定されない。前記接続部及びスペーサーの形状は、例えば、U字等であってもよく、例えば、一般的な圧着端子と同様又はそれに準じてもよい。
図3に、
図1及び2の圧着端子の変形例を示す。
図3(a)は、側面図である。
図3(b)は、平面図(上面図)である。
図3(c)は、正面図である。
図3(c)は、より具体的には、接続部の先端側(紙面の左側)から見た図である。
図3に示すとおり、この圧着端子100Aは、接続部101に代えて接続部101Aを有する。接続部101Aは、接続部本体101aに代えて接続部本体101axを有し、スペーサー103に代えてスペーサー103Aを有する。接続部本体101ax及びスペーサー103Aは、リング形状でなくU字形状であること以外は、それぞれ、接続部本体101a及びスペーサー103と同じである。それ以外は、
図3の圧着端子100Aは、
図1及び2の圧着端子100と同じである。
【0031】
つぎに、
図1の圧着端子100を用いた圧着端子の接続構造の例について説明する。
【0032】
図4の側面図に、
図1の圧着端子100を用いた圧着端子の接続構造における一例を示す。図示のとおり、この接続構造は、
図1の圧着端子100と、
図14の圧着端子100βとの接続構造である。圧着端子100と圧着端子100βとは、接続部において電気的に接続されている。具体的には、圧着端子100の接続部101におけるスペーサー103形成面と、圧着端子100βの接続部101aにおける一方の面とが互いに対向し、スペーサー103を間に介して電気的に接続されている。なお、
図4では、図示の便宜上、スペーサー103と、圧着端子100βの接続部101aにおける一方の面とを、離して図示している。しかし、実際の接続構造では、スペーサー103と、圧着端子100βの接続部101aにおける一方の面とを、接触させることにより、圧着端子100と圧着端子100βとが電気的に接続される。また、
図4の接続構造を実際に使用する際には、圧着端子100の接続部101と、圧着端子100βの接続部101aとを固定することが好ましい。前記固定するための機構及び方法は、特に限定されず、例えば、ねじ止め、溶接、プレスによる一体形成、導電性接着剤による接着、導電性テープによる接着(粘着)等であってもよく、例えば、一般的な圧着端子の接続構造と同様又はそれに準じてもよい。また、例えば、スペーサー103自体が導電性テープで形成されていてもよい。その場合、スペーサー103の粘着力で、圧着端子100の接続部101と、圧着端子100βの接続部101aとを固定してもよい。前記導電性テープは、特に限定されず、例えば、一般的な導電性テープと同様又はそれに準じてもよい。前記導電性テープとしては、例えば、基材の一方の面又は両面に接着剤層又は粘着剤層が形成され、前記基材が導電性材料(例えば、アルミ、銅等)で形成され、前記接着剤層又は粘接着剤層に導電性材料(例えば導電性樹脂)を含有させた導電性テープであってもよい。また、以下の全ての実施形態においても、同様に、スペーサー自体が前記導電性テープで形成されていてもよい。
【0033】
図5の側面図に、
図4の圧着端子の接続構造において、圧着端子を端子台にねじで固定した状態を示す。図示のとおり、端子台200に、圧着端子100の接続部101と、圧着端子100βの接続部101aとが、ねじ300により固定されている。ねじ300は、圧着端子100の接続部101と、圧着端子100βの接続部101aとにおける中央の穴に挿入されている。また、スペーサー103と、圧着端子100βの接続部101aにおける一方の面とが、接触した状態で、ねじ300により固定されていることで、圧着端子100と圧着端子100βとが電気的に接続されている。なお、圧着端子100及び圧着端子100βのそれぞれにおいて、リード線圧着部102の本体には、リード線(図示せず)を接続することができる。
【0034】
本発明の圧着端子の接続構造によれば、例えば、
図5のように、端子台の1つの電極に複数の圧着端子を固定することで、端子台と端子台との設置面積を節減することができる。また、本発明の圧着端子の接続構造によれば、例えば、
図5のように端子台の1つの電極に複数の圧着端子を接続させても、少なくとも、圧着端子どうし又は端子台と圧着端子との一方を安定して取り付けることができる。
【0035】
本発明の圧着端子の接続構造は、前記本発明の圧着端子における前記接続部と、他の少なくとも一つの圧着端子とが、前記スペーサーを間に介して電気的に接続されている。このため、複数の圧着端子どうしの接触面積を大きくすることができ、電気抵抗を十分に低下させることが可能である。より具体的には、例えば、
図5に示すように、2つの圧着端子がスペーサー103を間に介して電気的に接続されていることで、絶縁キャップ102aどうしの接触を防止できる。これにより、例えば、ねじで締めつける際のトルク管理が容易で、前記ねじによる締め具合を、目的とする締め具合に保つことができ、前記2つの圧着端子を正常に締めつけることが可能である。したがって、前記2つの圧着端子どうしの接触面積を大きくすることができ、電気抵抗を十分に低下させることが可能である。
【0036】
なお、
図5では、端子台の1つの電極に複数の圧着端子を固定した例を示した。しかし、本発明の圧着端子の接続構造は、これに限定されない。例えば、複数の圧着端子を固定する対象は、端子台又は端子台の電極に限定されず、ブレーカーの電極、若しくはその他の任意の電極等であってもよく、又は、一般的な圧着端子の接続構造と同様であってもよい。また、本発明の圧着端子の接続構造は、複数の圧着端子を固定する対象が存在せず、単に前記複数の圧着端子が電気的に接続されていてもよい。
【0037】
また、
図6に、本実施例の圧着端子及び圧着端子の接続構造の変形例を示す。同図は、圧着端子100αを2つ接続した圧着端子の接続構造1000αを示す側面図である。図示のとおり、圧着端子100αは、
図1の圧着端子100の接続部101に代えて、接続部101αを有する。接続部101αは、接続部本体101aは接続部101と同じであるが、スペーサー103に代えて、厚みがスペーサー103の半分であるスペーサー103αを有する。すなわち、圧着端子100αは、スペーサーの厚みが
図1の圧着端子100の半分である。それ以外は、圧着端子100αは、
図1の圧着端子100と同じである。
【0038】
図6の圧着端子の接続構造1000αにおいては、2つの圧着端子100αにおけるスペーサー103α形成面どうしが対向し、2つのスペーサー103αを間に介して電気的に接続されている。なお、
図6では、図示の便宜上、2つのスペーサー103αを離して図示している。しかし、実際の接続構造では、2つのスペーサー103αを接触させることにより、2つの圧着端子100αが電気的に接続される。これ以外は、
図6の圧着端子の接続構造1000αは、
図4及び5に示した圧着端子の接続構造と同様でよい。例えば、
図6の圧着端子の接続構造1000αは、
図5と同様に、ねじで固定してもよいし、溶接等により固定してもよい。また、
図6の圧着端子の接続構造1000αは、
図5と同様に、端子台の電極に固定してもよいし、また、前述のとおり、その他の任意の対象に固定してもよいし、複数の圧着端子を固定する対象が存在せず、単に前記複数の圧着端子が電気的に接続されていてもよい。
【0039】
図4及び5における圧着端子の接続構造では、2種類の圧着端子を用いるが、
図6の圧着端子の接続構造1000αにおいては、1種類の圧着端子のみを用いる。このように、1種類の圧着端子のみを用いることで、例えば、圧着端子の種類の取り違えによる接続ミスを防止できるという利点がある。
【実施例2】
【0040】
つぎに、本発明の別の実施例について説明する。
【0041】
本実施例では、本発明の圧着端子の例及びそれを用いた本発明の圧着端子の接続構造の、実施例1とは別の例について説明する。
【0042】
図7は、本実施例の圧着端子の構成を示す図である。
図7(a)は、側面図である。
図7(b)は、平面図(上面図)である。
図7(c)は、正面図である。
図7(c)は、より具体的には、接続部の先端側(紙面の左側)から見た図である。図示のとおり、この圧着端子100Bは、
図1の圧着端子100の接続部101に代えて、接続部101Bを有する。接続部101Bは、接続部本体101aは接続部101と同じであるが、スペーサー103に代えて、スペーサー103Bを有する。スペーサー103Bは、スペーサー配置面(接続部本体101aの一方の面)において、接続部の先端側(紙面の左側)から見て左半分にのみ設けられていること以外は、スペーサー103と同じである。すなわち、
図7の圧着端子100Bは、スペーサーが、スペーサー配置面の左半分にのみ設けられていること以外は、
図1の圧着端子100と同じである。そして、
図7の圧着端子は、前記「片面接続圧着端子」に該当する。
【0043】
図7の圧着端子100Bの製造方法は、特に限定されない。例えば、
図8(a)及び(b)の工程図に示すように、導電性の一枚の板を折り曲げて製造してもよい。
図8(a)は、原料である板の構成を示す平面図である。
図8(b)は、
図8(a)の板を圧着端子の形状に変形した状態を示す平面図である。
図8(a)に示すとおり、圧着端子100Bの原料は、導電性の一枚の板100Bxにより形成されている。板100Bは、スペーサー103を形成する部分に代えてスペーサー103Bを有すること以外は、
図2(a)の板100xと同様である。この状態から、
図2と同様にして板100Bを折り曲げ、
図8(b)に示すように、スペーサー103Bとリード線圧着部本体102bとを形成する。
図8(b)の状態は、スペーサー103に代えてスペーサー103Bを有すること以外は、
図2(b)と同様である。そして、
図8(b)の状態から、リード線圧着部本体102bを絶縁キャップ102a(
図8では図示せず)で被覆することで、
図7に示した圧着端子100Bを製造できる。
【0044】
また、
図7の圧着端子100Bの製造方法は、
図8に示した方法に限定されず、任意である。具体的には、例えば、
図1の圧着端子100について説明した方法と同様でもよい。
図7の圧着端子100Bにおいて、各部の材質、接続部及びスペーサーの形状等も特に限定されず、例えば、
図1の圧着端子100と同様でもよい。
【0045】
つぎに、
図7の圧着端子100Bを用いた圧着端子の接続構造の例について説明する。
【0046】
図9は、
図7の圧着端子100Bを用いた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図9(a)は、スペーサー配置面どうしを離した状態の側面図である。
図9(b)は、スペーサー配置面どうしを接触させた状態の側面図である。
図9(c)は、
図9(b)の状態の正面図である。
図9に示すとおり、この圧着端子の接続構造1000Bは、圧着端子100Bを2つ含む。
図9(a)に示すとおり、2つの圧着端子100Bのスペーサー配置面どうしが互いに対向している。そして、2つの圧着端子100Bのスペーサー配置面において、一方のスペーサー配置面のスペーサー103Bが配置された部分と、他方のスペーサー配置面のスペーサー103Bが配置されていない部分とが互いに対向している。
図9(a)は、図示の便宜上、2つの圧着端子100Bのスペーサー配置面どうしを離して描いている。しかし、実際には、
図9(b)及び(c)に示すとおり、2つの圧着端子100Bのスペーサー配置面どうしが接触している。より具体的には、図示のとおり、2つの圧着端子100Bのスペーサー配置面において、一方のスペーサー配置面のスペーサー103Bが配置された部分と、他方のスペーサー配置面のスペーサー103Bが配置されていない部分とが互いに接触している。これにより、2つの圧着端子100Bが電気的に接続されている。なお、前記2つの圧着端子100Bのスペーサー配置面どうしは、直接接触させてもよいが、例えば、溶接したり、導電性の接着剤で接着したりして電気的に接続してもよい。
【0047】
図9に示す圧着端子の接続構造1000Bは、例えば、
図5と同様に、ねじで固定してもよいし、溶接等により固定してもよい。また、
図9の圧着端子の接続構造1000Bは、
図5と同様に、端子台の電極に固定してもよいし、また、前述のとおり、その他の任意の対象に固定してもよいし、複数の圧着端子を固定する対象が存在せず、単に前記複数の圧着端子が電気的に接続されていてもよい。
【0048】
図9における圧着端子の接続構造1000Bでは、1種類の圧着端子のみを用いる。このように、1種類の圧着端子のみを用いることで、
図6の接続構造1000αと同様に、例えば、圧着端子の種類の取り違えによる接続ミスを防止できるという利点がある。また、
図9における圧着端子の接続構造1000Bでは、スペーサー103Bが、スペーサー配置面の半分にのみ配置されている。これにより、スペーサー配置面を取り違えて反対側の面で圧着端子を接続してしまうミスを、抑制又は防止できる。さらに、スペーサー103Bが、スペーサー配置面の半分にのみ配置されていることで、スペーサー配置面どうしの接続の位置ずれを抑制又は防止できる。すなわち、圧着端子どうしを正確な位置で接続可能である。
【実施例3】
【0049】
つぎに、本発明のさらに別の実施例について説明する。
【0050】
本実施例では、本発明の圧着端子の例及びそれを用いた本発明の圧着端子の接続構造の、さらに別の例について説明する。
【0051】
図10は、本実施例の圧着端子の構成を示す図である。
図10(a)は、側面図である。
図10(b)は、平面図(上面図)である。
図10(c)は、正面図である。
図10(c)は、より具体的には、接続部の先端側(紙面の左側)から見た図である。図示のとおり、この圧着端子100Cは、
図7の圧着端子100Bの接続部101Bに代えて、接続部101Cを有する。接続部101Cは、接続部本体101aは接続部101と同じであるが、スペーサー103Bに代えて、スペーサー103Cを有する。また、
図10の接続部本体101aは、その一方の面及び他方の面の両面が、スペーサー配置面である。そして、接続部本体101aは、前記一方の面の一部及び前記他方の面の一部にスペーサー103Cが配置されている。スペーサー103Cは、前記一方の面(
図10において、上側の面)においては、
図7のスペーサー103Bと同様、接続部本体101aの先端側(紙面の左側)から見て左半分にのみ設けられている。一方、前記他方の面(
図10において、下側の面)においては、スペーサー10Cは、接続部本体101aの先端側(紙面の左側)から見て右半分にのみ設けられている。すなわち、
図10の圧着端子100Cは、スペーサーが、接続部本体101aの他方の面の右半分にも設けられていること以外は、
図7の圧着端子100Bと同じである。そして、
図10の圧着端子100Cは、接続部101Cが、前記両面において他の圧着端子と電気的に接続可能である。
図10の圧着端子は、前記「両面接続圧着端子」に該当する。
【0052】
図10の圧着端子100Cの製造方法は、特に限定されない。例えば、
図11(a)及び(b)の工程図に示すように、導電性の一枚の板を折り曲げて製造してもよい。
図11(a)は、原料である板の構成を示す平面図である。
図11(b)は、
図11(a)の板を圧着端子の形状に変形した状態を示す平面図である。
図11(a)に示すとおり、圧着端子100Cの原料は、導電性の一枚の板100Cxにより形成されている。板100Cは、スペーサー103Bを形成する部分に代えてスペーサー103Cを有すること以外は、
図8(a)の板100Bxと同様である。この状態から、板100Cを折り曲げ、
図11(b)に示すように、スペーサー103Cとリード線圧着部本体102bとを形成する。板100Cを折り曲げる方法は、一方のスペーサー103Cを接続部本体101aにおける前記一方の面の方向に、他方のスペーサー103Cを接続部本体101aにおける前記他方の面の方向に折り曲げる以外は、
図8と同様とする。
図11(b)の状態は、スペーサー103Bに代えてスペーサー103Cを有すること以外は、
図8(b)と同様である。そして、
図11(b)の状態から、リード線圧着部本体102bを絶縁キャップ102a(
図11では図示せず)で被覆することで、
図10に示した圧着端子100Cを製造できる。
【0053】
また、
図10の圧着端子100Cの製造方法は、
図11に示した方法に限定されず、任意である。具体的には、例えば、
図1の圧着端子100について説明した方法と同様でもよい。
図10の圧着端子100Cにおいて、各部の材質、接続部及びスペーサーの形状等も特に限定されず、例えば、
図1の圧着端子100と同様でもよい。
【0054】
つぎに、
図10の圧着端子100Cを用いた圧着端子の接続構造の例について説明する。
【0055】
図12は、
図10の圧着端子100Cを用いた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図12(a)は、スペーサー配置面どうしを離した状態の側面図である。
図12(b)は、スペーサー配置面どうしを接触させた状態の側面図である。
図12(c)は、
図12(b)の状態の正面図である。
図12に示すとおり、この圧着端子の接続構造1000Cは、圧着端子を3つ含む。第1の圧着端子は、
図10に示した圧着端子100Cである。第2の圧着端子及び第3の圧着端子は、それぞれ、
図7に示した圧着端子100Bである。
図12(a)に示すとおり、圧着端子100C(第1の圧着端子)の接続部101Cにおける一方の面と、一方の圧着端子100B(第2の圧着端子)におけるスペーサー103B配置面とが互いに対向している。また、圧着端子100C(第1の圧着端子)の接続部101Cにおける他方の面と、他方の圧着端子100B(第3の圧着端子)におけるスペーサー103B配置面とが互いに対向している。そして、前記互いに対向するスペーサー配置面どうしにおいて、一方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置された部分と、他方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置されていない部分とが互いに対向している。また、
図12(a)は、図示の便宜上、2つの圧着端子100Cのスペーサー配置面どうしを離して描いている。しかし、実際には、
図12(b)及び(c)に示すとおり、前記互いに対向するスペーサー配置面どうしが接触している。より具体的には、図示のとおり、前記互いに対向するスペーサー配置面どうしにおいて、一方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置された部分と、他方のスペーサー配置面の前記スペーサーが配置されていない部分とが互いに接触している。これにより、圧着端子100C(第1の圧着端子)と一方の圧着端子100B(第2の圧着端子)とが電気的に接続され、かつ圧着端子100C(第1の圧着端子)と他方の圧着端子100B(第3の圧着端子)とが電気的に接続されている。なお、前記互いに対向するスペーサー配置面どうしは、直接接触させてもよいが、例えば、溶接したり、導電性の接着剤で接着したりして電気的に接続してもよい。
【0056】
図12に示す圧着端子の接続構造1000Cは、例えば、
図5と同様に、ねじで固定してもよいし、溶接等により固定してもよい。また、
図12の圧着端子の接続構造1000Cは、
図5と同様に、端子台の電極に固定してもよいし、また、前述のとおり、その他の任意の対象に固定してもよいし、複数の圧着端子を固定する対象が存在せず、単に前記複数の圧着端子が電気的に接続されていてもよい。
【0057】
本発明の圧着端子の接続構造では、例えば、
図12のように、前記「両面接続圧着端子」と前記「片面接続圧着端子」とを組合わせて用いることで、3つの圧着端子を電気的に接続することができる。また、例えば、
図12のように、スペーサー103B及びスペーサー103Cが、それぞれ、スペーサー配置面の半分にのみ配置されていることで、スペーサー配置面どうしの接続の位置ずれを抑制又は防止できる。すなわち、圧着端子どうしを正確な位置で接続可能である。
【0058】
また、本発明の圧着端子の接続構造では、圧着端子の個数は、2つ及び3つに限定されず、4つ以上の任意の個数であってもよい。例えば、偶数個の圧着端子を電気的に接続する場合は、前記「片面接続圧着端子」を用いてもよい。また、例えば、奇数個の圧着端子を電気的に接続する場合は、前記「両面接続圧着端子」と前記「片面接続圧着端子」とを組合わせて用いてもよい。
図13(a)~(e)に、その例を示す。同図は、本発明の圧着端子の接続構造において、複数の圧着端子を積層した場合の例を示す模式図である。なお、
図13(a)~(e)において、図示の便宜上、圧着端子及び圧着端子の接続構造は、簡略化して示している。
【0059】
図13(a)は、2個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(a)に示す圧着端子の接続構造は、
図9と同じ圧着端子の接続構造1000Bである。
図13(b)は、3個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(b)に示す圧着端子の接続構造は、
図12と同じ圧着端子の接続構造1000Cである。
図13(c)は、4個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(c)に示す圧着端子の接続構造は、圧着端子の接続構造1000Bを2つ積層させた圧着端子の接続構造である。前記2つの圧着端子の接続構造1000Bは、接続部101Bにおけるスペーサー配置面と反対側の面どうしが接触することで、電気的に接続されている。
図13(d)は、5個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造の一例を示す図である。
図13(d)に示す圧着端子の接続構造は、
図13(b)と同じ圧着端子の接続構造1000Cの上に、
図13(a)と同じ圧着端子の接続構造1000Bが積層され、電気的に接続されている。圧着端子の接続構造1000Bと、圧着端子の接続構造1000Cとは、接続部101Bにおけるスペーサー配置面と反対側の面どうしが接触することで、電気的に接続されている。
図13(e)は、5個の圧着端子を積層させた圧着端子の接続構造における別の一例を示す図である。
図13(e)に示す圧着端子の接続構造は、
図13(a)と同じ圧着端子の接続構造1000Bの上に、
図13(b)と同じ圧着端子の接続構造1000Cが積層され、電気的に接続されている。圧着端子の接続構造1000Bと、圧着端子の接続構造1000Cとは、接続部101Bにおけるスペーサー配置面と反対側の面どうしが接触することで、電気的に接続されている。
【0060】
図13(c)~(e)において、接続部101Bにおけるスペーサー配置面と反対側の面どうしは、直接接触させてもよいが、例えば、溶接したり、導電性の接着剤で接着したりして電気的に接続してもよい。また、
図13(c)~(e)に示す圧着端子の接続構造において、各圧着端子は、例えば、
図5と同様に、ねじで固定してもよいし、溶接等により固定してもよい。また、
図13(c)~(e)に示す圧着端子の接続構造は、
図5と同様に、端子台の電極に固定してもよいし、また、前述のとおり、その他の任意の対象に固定してもよいし、複数の圧着端子を固定する対象が存在せず、単に前記複数の圧着端子が電気的に接続されていてもよい。
【0061】
本発明の圧着端子及び圧着端子の接続構造の使用方法及び使用分野は、特に限定されない。例えば、本発明の圧着端子及び圧着端子の接続構造は、一般的な圧着端子又は圧着端子の接続構造と同様に、電気的接続が必要な任意の技術分野に使用可能である。
【0062】
さらに、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
【符号の説明】
【0063】
100、100A、100B、100C、100α、100β 圧着端子
100x、100Bx、100Cx、 板(圧着端子の原料)
101、101A、101B、101C、101α 接続部
101a、101ax 接続部本体
102 リード線圧着部(電線接続部)
102a 絶縁キャップ
102b リード線圧着部本体(電線接続部本体)
102x リード線圧着部本体(電線接続部本体)になる部分
103、103A、103B、103C、103α スペーサー
200 端子台
300 ねじ
1000、1000B、1000C、1000α、1000β 圧着端子の接続構造