(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】クラウド型ストレージにおける医療画像及びデータの精密検索及び抽出
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220810BHJP
【FI】
G16H10/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018041863
(22)【出願日】2018-03-08
【審査請求日】2020-09-28
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518032971
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ヘルスケア アメリカズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 孝夫
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-539411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内におけるヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間で医療画像及びデータを検索、抽出及び表示する方法であって、前記複数の医療サーバが、データ統合コントローラを介して接続され、ローカル医療サーバ及び2つ以上の遠隔医療サーバを含み、前記方法は、前記ローカル医療サーバに:
ユーザによる所定の患者に関連付けられた検索キーを含む
検索要求を、前記データ統合コントローラを介して前記遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成された医療情報を受信、表示させることと;
前記ユーザ選択可能なインターフェースから前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出す医療データ統合要求を、前記データ統合コントローラを介して、前記ユーザに選択された前記医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記医療データ統合要求に関連付けられた医療データを受信させることと;
前記受信された医療データを統合ビューとして表示させることと;
ユーザ
により入力
された後処理の条件に基づいて前記受信された医療データに対し後処理を実行させることと;
前
記後処理の条件を格納させることと;
同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信した医療データに、
同じ後処理の条件を適用させることと;
前記後の医療データ統合要求から受信した前記医療データを統合ビューとして表示させることと;
を含
み、
前記医療データ統合要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバにのみ送信され、
前記インターフェースは、前記ユーザが直ちに統合したい前記医療情報を選択するための選択肢と、同じ前記検索要求が次に送信される時に自動的に取得される前記医療情報を選択するための選択肢とを含む、方法。
【請求項2】
前記複数の医療サーバのそれぞれは、ローカルコンピュータに結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実行された後処理の条件は、前記ローカル医療サーバに含まれる情報付加コントローラの付加情報ストレージに格納され、前記付加情報ストレージに格納された情報は、統合履歴データとして統合データリポジトリに格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信された医療データに対し実行される前記後処理は、
前記統合ビューをキャンセルすることと、
前記統合ビューから前記受信された医療データを削除することと、
前記受信された医療データのうち前記統合ビュー内の選択された医療データを非表示にすることと、
前記所定の患者に関連付けられた前記統合ビュー内のすべての受信された医療データを非表示にすることと、
前記統合ビュー内の前記受信された医療データを編集することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記編集することが、前記受信された医療データの一部分を取り除くことを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記取り除かれた一部分は、前記受信された医療データに関連付けられた医療情報を含む前記受信された医療データのメタデータである、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記取り除くことが、前記一部分を網掛けすること又はマスキングで見えなくすることを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記メタデータとして格納された、前記受信された医療データに関連付けられた前記医療情報は、施設ID、前記所定の患者の患者ID、性別及び生年月日、前記所定の患者の最後の通院日、前記医療データに関連付けられた検査データ及び前記医療データに含まれる医療画像及び記録の数を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記医療
データ統合要求の送信が、ローカル医療サーバによって自動的に開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記医療
データ統合要求の送信が、前記ユーザによって手動で開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータに結合されたローカル医療サーバに、ネットワーク内のヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間の医療画像及びデータを検索、抽出、及び表示する動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)であって、前記複数の医療サーバは、データ統合コントローラを介して接続され、前記ローカル医療サーバ及び2つ以上の遠隔医療サーバを備え、前記動作は、前記ローカル医療サーバに:
ユーザによる所定の患者に関連付けられた検索キーを含む
検索要求を、前記データ統合コントローラを介して前記遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成された医療情報を受信、表示させることと;
前記ユーザ選択可能なインターフェースから前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出す医療データ統合要求を、前記データ統合コントローラを介して、前記ユーザに選択された前記医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記医療データ統合要求に関連付けられた医療データを受信させることと;
前記受信された医療データを統合ビューとしてユーザに表示させることと;
前記ユーザ
により入力
された後処理の条件に基づいて前記受信された医療データに対し後処理を実行させることと;
前
記後処理の条件を格納させることと;
同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信した医療データに、
同じ後処理の条件を適用させることと;
前記後の医療データ統合要求から受信した前記医療データを統合ビューとして表示させることと;
を含
み、
前記医療データ統合要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバにのみ送信され、
前記インターフェースは、前記ユーザが直ちに統合したい前記医療情報を選択するための選択肢と、同じ前記検索要求が次に送信される時に自動的に取得される前記医療情報を選択するための選択肢とを含む、
コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記複数の医療サーバのそれぞれは、ローカルコンピュータに結合される、請求項1
1に記載の
コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記実行された後処理の条件は、前記ローカル医療サーバに含まれる情報付加コントローラの付加情報ストレージに格納され、前記付加情報ストレージに格納された情報は、統合履歴データとして統合データリポジトリに格納される、請求項1
1に記載の
コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記受信された医療データに対し実行される前記後処理は、
前記統合ビューをキャンセルすることと、
前記統合ビューから前記受信された医療データを削除することと、
前記受信された医療データのうち前記統合ビュー内の選択された医療データを非表示にすることと、
前記所定の患者に関連付けられた前記統合ビュー内のすべての受信された医療データを非表示にすることと、
前記統合ビュー内の前記受信された医療データを編集することと、
を含む、請求項1
1に記載の
コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
ネットワークの一部をなすヘルスケア施設の医療サーバ間で医療データをやりとりするシステムであって、
データ処理装置と付加情報ストレージ装置とを持つ情報付加コントローラを含む、医療リポジトリを持つローカル医療サーバと、
それぞれ医療リポジトリを持つ2つ以上の遠隔医療サーバを前記ローカル医療サーバに接続する通信インターフェース(I/F)回路を持つデータ統合コントローラと、を備え、
前記ローカル医療サーバが:
ユーザによる所定の患者に関連付けられた検索キーを含む
検索要求を、前記データ統合コントローラを介して前記遠隔医療サーバに送信し;
前記遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成された医療情報を受信、表示し;
前記ユーザ選択可能なインターフェースから前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出す医療データ統合要求を、前記データ統合コントローラを介して、前記ユーザに選択された前記医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバに送信し;
前記遠隔医療サーバからの前記医療データ統合要求に関連付けられた医療データを受信し;
前記受信された医療データを統合ビューとしてユーザに表示し;
前記ユーザ
により入力
された後処理の条件に基づいて前記受信された医療データに対し後処理を実行し;
前
記後処理の条件を格納し;
同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信した医療データに、
同じ後処理の条件を適用し;
前記後の医療データ統合要求から受信した前記医療データを統合ビューとして表示する、システム
であって、
前記医療データ統合要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバにのみ送信され、
前記インターフェースは、前記ユーザが直ちに統合したい前記医療情報を選択するための選択肢と、同じ前記検索要求が次に送信される時に自動的に取得される前記医療情報を選択するための選択肢とを含む、システム。
【請求項16】
前記ローカル医療サーバは、ローカルコンピュータに結合され、
前記実行された後処理の条件は、前記ローカル医療サーバに含まれる情報付加コントローラの付加情報ストレージに格納され、前記付加情報ストレージに格納された情報は、統合履歴データとして統合データリポジトリに格納される、請求項1
5に記載のシステム。
【請求項17】
前記受信された医療データに対し実行される前記後処理は、
前記統合ビューをキャンセルすることと、
前記統合ビューから前記受信された医療データを削除することと、
前記受信された医療データのうち前記統合ビュー内の選択された医療データを非表示にすることと、
前記所定の患者に関連付けられた前記統合ビュー内のすべての受信された医療データを非表示にすることと、
前記統合ビュー内の前記受信された医療データを編集することと、
を含む、請求項1
5に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療画像及び医療データは、患者の診断において重要な役割を果たす。ヘルスケア施設(例えば、病院)は、医療画像及び医療データを電子的に格納する利点を実感している。医療画像及びデータ(「医療データ」)のデジタル化は、医療従事者が医療画像及び医療データに容易にアクセスすることを可能にするだけでなく、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブのような物理的媒体の使用を介して、該画像及びデータが複数のヘルスケア施設間で容易に共有されることを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
最近では、クラウド型ストレージシステムが、情報の効率性とアクセシビリティを向上させるための方法として浮上している。一般的に、「クラウド」は、さまざまな場所にある複数のコンピュータ及びデバイスに、インターネットを介して、コンピュータリソース及びデータの遠隔オンデマンドアクセスを提供するオンラインストレージシステムとして理解できる。クラウド型ストレージは、医療画像のようなデータの格納のためのさまざまな場所に、遠隔又はオフサイトのデータセンタを使用するベンダによって提供され得る。クラウド型ストレージのベンダは、ヘルスケア施設が、単一の要求を通じて他のヘルスケア施設で取得又は格納された患者の医療データの完全なセットを取り出す(retrieve)ことを可能にする、共通のビューシステム(「ユニバーサルビューア」)を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
概して、一の態様では、本発明は、
ネットワーク内におけるヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間で医療画像及びデータを検索、抽出及び表示する方法であって、前記複数の医療サーバが、データ統合コントローラを介して接続され、ローカル医療サーバ及び2つ以上の遠隔医療サーバを含み、前記方法は、前記ローカル医療サーバに:
ユーザによる所定の患者に関連付けられた検索キーを含む検索要求を、前記データ統合コントローラを介して前記遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成された医療情報を受信、表示させることと;
前記ユーザ選択可能なインターフェースから前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出す医療データ統合要求を、前記データ統合コントローラを介して、前記ユーザに選択された前記医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記医療データ統合要求に関連付けられた医療データを受信させることと;
前記受信された医療データを統合ビューとして表示させることと;
ユーザにより入力された後処理の条件に基づいて前記受信された医療データに対し後処理を実行させることと;
前記後処理の条件を格納させることと;
同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信した医療データに、同じ後処理の条件を適用させることと;
前記後の医療データ統合要求から受信した前記医療データを統合ビューとして表示させることと;
を含み、
前記医療データ統合要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバにのみ送信され、
前記インターフェースは、前記ユーザが直ちに統合したい前記医療情報を選択するための選択肢と、同じ前記検索要求が次に送信される時に自動的に取得される前記医療情報を選択するための選択肢とを含む、方法に関する。
【0004】
概して、一の態様では、本発明は、
コンピュータに結合されたローカル医療サーバに、ネットワーク内のヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間の医療画像及びデータを検索、抽出、及び表示する動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)であって、前記複数の医療サーバは、データ統合コントローラを介して接続され、前記ローカル医療サーバ及び2つ以上の遠隔医療サーバを備え、前記動作は、前記ローカル医療サーバに:
ユーザによる所定の患者に関連付けられた検索キーを含む検索要求を、前記データ統合コントローラを介して前記遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成された医療情報を受信、表示させることと;
前記ユーザ選択可能なインターフェースから前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出す医療データ統合要求を、前記データ統合コントローラを介して、前記ユーザに選択された前記医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバに送信させることと;
前記遠隔医療サーバからの前記医療データ統合要求に関連付けられた医療データを受信させることと;
前記受信された医療データを統合ビューとしてユーザに表示させることと;
前記ユーザにより入力された後処理の条件に基づいて前記受信された医療データに対し後処理を実行させることと;
前記後処理の条件を格納させることと;
同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信した医療データに、同じ後処理の条件を適用させることと;
前記後の医療データ統合要求から受信した前記医療データを統合ビューとして表示させることと;
を含み、
前記医療データ統合要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバにのみ送信され、
前記インターフェースは、前記ユーザが直ちに統合したい前記医療情報を選択するための選択肢と、同じ前記検索要求が次に送信される時に自動的に取得される前記医療情報を選択するための選択肢とを含む、コンピュータ可読媒体に関する。
【0005】
概して、一の態様では、本発明は、
ネットワークの一部をなすヘルスケア施設の医療サーバ間で医療データをやりとりするシステムであって、
データ処理装置と付加情報ストレージ装置とを持つ情報付加コントローラを含む、医療リポジトリを持つローカル医療サーバと、
それぞれ医療リポジトリを持つ2つ以上の遠隔医療サーバを前記ローカル医療サーバに接続する通信インターフェース(I/F)回路を持つデータ統合コントローラと、を備え、
前記ローカル医療サーバが:
ユーザによる所定の患者に関連付けられた検索キーを含む検索要求を、前記データ統合コントローラを介して前記遠隔医療サーバに送信し;
前記遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成された医療情報を受信、表示し;
前記ユーザ選択可能なインターフェースから前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出す医療データ統合要求を、前記データ統合コントローラを介して、前記ユーザに選択された前記医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバに送信し;
前記遠隔医療サーバからの前記医療データ統合要求に関連付けられた医療データを受信し;
前記受信された医療データを統合ビューとしてユーザに表示し;
前記ユーザにより入力された後処理の条件に基づいて前記受信された医療データに対し後処理を実行し;
前記後処理の条件を格納し;
同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信した医療データに、同じ後処理の条件を適用し;
前記後の医療データ統合要求から受信した前記医療データを統合ビューとして表示する、システムであって、
前記医療データ統合要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバにのみ送信され、
前記インターフェースは、前記ユーザが直ちに統合したい前記医療情報を選択するための選択肢と、同じ前記検索要求が次に送信される時に自動的に取得される前記医療情報を選択するための選択肢とを含む、システムに関する。
【0006】
本発明の他の態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、1つ又は複数の実施形態に従うシステムを示す。
【
図1B】
図1Bは、1つ又は複数の実施形態に従うシステムを示す。
【
図2】
図2は、1つ又は複数の実施形態に従うシステムダイアグラムを示す。
【
図3】
図3は、1つ又は複数の実施形態に従うダイアグラムを示す。
【
図4A】
図4Aは、1つ又は複数の実施形態に従うユーザインターフェースを示す。
【
図4B】
図4Bは、1つ又は複数の実施形態に従うユーザインターフェースを示す。
【
図4C】
図4Cは、1つ又は複数の実施形態に従うユーザインターフェースを示す。
【
図5A】
図5Aは、1つ又は複数の実施形態に従うユーザインターフェースを示す。
【
図5B】
図5Bは、1つ又は複数の実施形態に従うユーザインターフェースを示す。
【
図6】
図6は、1つ又は複数の実施形態に従うダイアグラムを示す。
【
図7】
図7は、1つ又は複数の実施形態に従うダイアグラムを示す。
【
図8】
図8は、1つ又は複数の実施形態に従うダイアグラムを示す。
【
図9】
図9は、1つ又は複数の実施形態に従うコンピューティングシステムを示す。
【
図10】
図10は、1つ又は複数の実施形態に従うシステムダイアグラムを示す。
【
図13】
図13は、1つ又は複数の実施形態に従うフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して特定の実施形態を詳細に説明する。さまざまな図における同様の要素は、一貫性のため、同様の参照番号で示される。同様の要素は、簡潔にするために、すべての図に示されていない場合がある。
【0009】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明において、本開示のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、当業者にとって、これらの具体的な詳細なしに本開示が実施され得ることは明らかであろう。他の例では、周知の特徴は、説明を不必要に複雑にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0010】
出願全体を通して、序数(例えば、第1、第2、第3など)は、要素(すなわち、出願における任意の名詞)の形容詞として用いられ得る。序数の使用は、「前」、「後」、「単一」及び他のそのような用語の使用など、明示的に開示されていない限り、要素の特定の順番を暗示したり、与えたりすることはなく、或いは、あらゆる要素を単一の要素のみであると限定することはない。むしろ、序数の使用は要素を区別することである。一例として、第1の要素は第2の要素とは区別され、第1の要素は2以上の要素を包囲し、要素の順序で、第2の要素を後にする(又は先行させる)ことができる。
【0011】
単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことが理解されるべきである。したがって、例えば、「水平ビーム」への言及は、そのようなビームの1つ又は複数への言及を含む。
【0012】
「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」などのような語は、記載された特性、パラメータ、又は値が、正確に達成される必要はないが、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界及び当業者にとって既知の他の因子を含む偏差又は変動が、特性が提供しようとした効果を排除しない量で、生じ得る。
【0013】
フローチャートに示された1つ又は複数のステップは、省略したり、反復したり、及び/又は示された順番とは異なる順番で実行され得ることが理解されるべきである。したがって、発明の趣旨はフローチャートに示されたステップの特定の組み合わせに限定されると解釈されてはならない。
【0014】
多数従属請求項は導入されていないが、1つ又は複数の実施形態の従属請求項の発明主題は、他の従属請求項と組み合わせられ得ることは、当業者には明らかであろう。
【0015】
概して、本発明の1つ又は複数の実施形態は、ヘルスケア施設間の医療データ(すなわち、すべての医療画像、レポート、ファイルなどを含む患者の完全な医療記録)を検索し及び抽出するように構成された、方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、医療データを検索し抽出する及びシステムを提供する。
【0016】
1つ又は複数の実施形態に従うユニバーサルビューアにより、グループ又はネットワークの一部として一緒に機能するヘルスケア施設は、それらのヘルスケア施設の患者に対する幅広い領域のサービスを調整し、配信することができる。例えば、ネットワークは、特定の地域(例えば、地域の医療ネットワーク)内の同じ病院グループ又はヘルスケア施設の一部であるヘルスケア施設を含み得る。1つ又は複数の実施形態によれば、ネットワークの一部であるヘルスケア施設(「ネットワーク内ヘルスケア施設」)は、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つ又は複数を頻繁に使用する患者の医療データを取り出すために、より効果的にユニバーサルビューアを利用することができる。
【0017】
1つ又は複数の実施形態によれば、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、クラウド型ストレージシステム、画像アーカイブ通信システム(PACS)、若しくは同じベンダ又は異なるベンダによって提供されるクラウド型PACSの1つに関連付けられてもよい。具体的には、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、医療データを格納するために異なるシステムを利用してもよく、また、施設間通信のために固有のネットワークを利用してもよい。例えば、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、固有のセキュリティプロトコル、データ暗号化方法、並びにネットワークセーフィティ・アクセスプロトコルを有し得る。
【0018】
1つ又は複数の実施形態によれば、1つのネットワーク内ヘルスケア施設(「要求元施設」)からの検索要求に応答して、他のすべてのネットワーク内施設(「要求対象施設」)は、検索要求に含まれるユーザ入力の検索パラメータ(「検索キー」)と密接にマッチする医療情報(医療データに関連付けられた情報)を送信するだろう。検索キーは、外部物理的装置(例えば、生体スキャナ、カードスキャナなど)及び外部メディア(CD、DVD、USB、外付けハードドライブなど)を使用せずに、患者から口頭で、又は患者の身分証明書(ID)(例えば、運転免許証、パスポート、物理的な健康保険証、デジタル健康保険証など)から容易に取り出すことができる、所定の患者に関連付けられた簡単な情報を含む。
【0019】
1つ又は複数の実施形態によれば、医療情報は、実際の医療データではなく、医療データに関連付けられた情報を含む。要求対象施設の医療データリポジトリ又はデータベース(「医療リポジトリ」)に格納されている患者の医療データの完全なセットは、サイズ的に大きすぎるかもしれないし、すべてのデータがユーザによって要求されているわけではないので、ユーザは、必要な又は自身に興味のある医療データのみを取り出すことを選択し得る。例えば、ユーザは、古くなった医療データや、現在の診断には有用ではない、又は異なる患者に関係する診断に関係する、医療データを取り出したくないかもしれない。これは、要求を送信するヘルスケア施設における医療リポジトリの不必要な保管コストを防止するだけでなく、医療データを取り出すために必要な時間も減少させる。
【0020】
1つ又は複数の実施形態によれば、ユニバーサルビューアは、取り出された医療データにユーザが後処理を実行することができる画像レンダリングアプリケーションを含む。例えば、ユニバーサルビューアによって、ユーザは、所定の患者に関連付けられていない医療データ、古い医療データ、医療データのメタデータに埋め込まれた医療レポート中の不完全な医療情報を含む医療データ、再撮影を必要とする質の悪い医療画像を含む医療データ、ユーザが後の診断に必要としないであろう医療データなどについて、取り出された医療データをチェックすることができる。さらに、ユーザはユニバーサルビューアの後処理機能を用いて、関連医療データのみが表示されるよう取り出された医療データを精選してもよい。これにより、ユーザが必要としない医療データのための医療リポジトリにかかる不必要な保存コストを避けるだけでなく、現在及び未来の診断において必要となる関連医療データのみをユーザに提示することで、ユーザの診断効率を上げることができる。
【0021】
1つ又は複数の実施形態によれば、ユニバーサルビューアは、第1ローカル医療サーバのリポジトリと、統合履歴データとしてすべての医療データ統合要求を処理するデータ統合コントローラのリポジトリ(「統合データリポジトリ」)とにおける患者に関連付けられた統合医療データについてのユーザの後処理のプリファレンスを保存する。データ統合コントローラは統合データリポジトリに格納された統合履歴データを参照し、当該患者のその後の医療データ統合に対し保存された後処理のプリファレンスを自動的に適用する。これにより、ユーザは、関係すると前もって結論づけた医療データを常に見ることができるため、現在及びその後の診断においてより効果的な診断を行うことができる。
【0022】
1つ又は複数の実施形態によれば、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のいずれか1つで患者の医療データが更新された場合、ユニバーサルビューアは、該医療データを以前に取り出した他のすべてのネットワーク内ヘルスケア施設に通知するためのメッセージを表示する。ユニバーサルビューアは、続いて、更新されたデータを取り出し、参照(view)するためのオプションをユーザに提示する。例えば、施設Aのユーザが、施設Bのユーザによって以前に取り出された医療データを更新する場合、施設Bのユーザは、変更が自動的に通知され、施設Aからの更新されたデータを取り出し、参照するためのオプションが与えられる。これにより、ネットワーク内ヘルスケア施設の中のすべてのユーザには、直近かつ最新の医療データが提供されるようになる。
【0023】
図1A及び1Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るシステム100を示す。図示のように、システム100は、複数のクラウド101a、101bと、クラウド型遠隔医療リポジトリ102と、異なるネットワーク内ヘルスケア施設(施設A~D)に関連付けられた医療リポジトリ105a、105b、105cを有する複数の医療サーバ103a、103b、103c(例えば、アプリケーションプロキシサーバ(APS))と、データ統合コントローラ107と、複数の統合データリポジトリ108と、複数のゲートウェイデバイス109とを含む。医療サーバ103a、103b、103cはすべて、データ統合コントローラ107に結合され、データ統合コントローラ107と相互通信するように構成される。さらに、医療サーバ103a、103b、103cは、データ統合コントローラ107を介して、医療データを相互に交換し得る。ヘルスケア施設のそれぞれは、公立病院、私立病院、診療所、歯科医院などの医療を提供する任意の種類の施設であってよい。
【0024】
1つ又は複数の実施形態では、医療サーバ103a、103bのそれぞれは、各ネットワーク内ヘルスケア施設で医療従事者によって利用される複数のユーザコンピューティングデバイス(図示せず)(ここでは「ローカルコンピュータ」と呼ばれる)に結合される。各ローカルコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレットPC、スマートフォンなど)、サーバ、メインフレーム、キオスクなどに対応し得る。1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設のローカルコンピュータは、医療サーバ103aとして構成され得る。
【0025】
1つ又は複数の実施形態では、複数の医療サーバ103a、103b、103cは同じクラウド101aに結合されてもよいし、異なるクラウド101bに結合されてもよいし、或いはクラウドに結合されなくてもよい。具体的には、
図1Aに示す例では、施設A~Dの医療サーバ103a、103bは、各施設にローカルに配置され、直接的に又は間接的に同じベンダによって提供される共通のクラウド101a(以下、「共有クラウドサーバ」と呼ぶ。)を共有する。1つ又は複数の施設は、クラウド型PACSを提供する同じベンダ又はそのようなベンダと関連する他のサードパーティによって運用されるクラウド101a上の共有遠隔医療リポジトリ102を共有し得る。1つ又は複数の実施形態では、共有遠隔医療リポジトリ102はデータのオンラインリポジトリである。例えば、遠隔医療リポジトリはインターネットを介して遠隔でアクセスされる仮想データルーム(VDR)又はデータベース(又はデータベース群)であり得る。
【0026】
1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設は、中央医療サーバ103bを含んでよく、それは施設Bを例として示される。中央医療サーバ103bは施設Bのローカルサーバルームに配置されたサーバ群で構成されうる。中央医療サーバ103bは施設Bの各個の医療サーバ103aと関連付けられた医療リポジトリ105aに格納される医療データすべてを格納(すなわちバックアップ)する中央医療リポジトリ105bを含み得る。中央医療サーバ103bはハブやローカルエリアネットワーク(LAN)のようなゲートウェイデバイス109を通じて各個の医療サーバ103aに結合され、各個の医療サーバ103aがクラウド101aと通信可能にする主要中継点として構成される。
【0027】
1つ又は複数の実施形態では、施設全体におけるデータフローすべてを処理することが可能であるよう、中央医療リポジトリの技術仕様及び処理能力は各個の医療サーバ103aより高い。同様に、中央医療リポジトリ105bの容量(すなわちストレージサイズ)は各個の医療サーバ103aに関連付けられた各医療リポジトリ105aより大きい。
【0028】
1つ又は複数の実施形態では、施設Cの医療サーバ103aはクラウド101aとは異なるクラウド101b上に配置された遠隔医療サーバ103cと双方向的に通信する。1つ又は複数の実施形態では、クラウド101bはクラウド101aと双方向的に通信し得る。クラウド101bは施設A及びBに対してクラウドサーバを提供したベンダとは異なるベンダによって提供されるクラウド型PACSに関連付けられ得る。
【0029】
1つ又は複数の実施形態では、施設Cの遠隔医療サーバ103cは、クラウド型PACSを提供する同じベンダ又はそのようなベンダに関連付けられたサードパーティによって運用される遠隔医療リポジトリ105cを含む。1つ又は複数の実施形態では、遠隔医療サーバ103cは、アプリケーション及び情報処理を実行する物理的な及び/又は仮想的なコンピューティング・インフラストラクチャである。例えば、遠隔医療サーバ103cは、インターネットを介して遠隔でアクセスされる仮想サーバ又は物理サーバであり得る。1つ又は複数の実施形態では、遠隔医療リポジトリ105cは、データのオンラインリポジトリである。例えば、遠隔医療リポジトリは、インターネットを介して遠隔でアクセスされるVDR又はデータベース(又はデータベース群)であり得る。クラウド101b上に配置された遠隔医療サーバ103cに格納された医療データは施設Cにローカルに配置された医療サーバ103aに格納された医療データとは異なる。具体的には、施設Cの医療サーバ103aに格納された医療データのすべてのコピーがクラウド101bに配置された遠隔医療サーバ103cでバックアップされ利用可能である。
【0030】
施設Dの医療サーバ103aは、クラウド101aのベンダ及びクラウド101bのベンダと同じベンダ又は異なるベンダによって提供されたPACSと関連付けられた医療サーバであってよい。施設Dの医療サーバ103aは、ローカルに配置されたゲートウェイデバイス109を介してクラウド101aに間接的に結合されているが、それについては後述する。
【0031】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラ107は、システム内のクラウド101a、クラウド101b、又は別のクラウド(図示せず)上に配置され得る。データ統合コントローラ107はまた、各ネットワーク内ヘルスケア施設にローカルに提供され得る。データ統合コントローラ107は、医療サーバ103a、103bを相互接続し、医療サーバ103a、103b間で要求及び医療データを中継するためのハブとして構成される。さらに、データ統合コントローラ107は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ、関連するメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリなど)、1つ又は複数の記憶装置(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブのような光学ドライブ、フラッシュメモリスティック)、並びに他の多くの要素及び機能を含む、コンピューティングデバイスであり得る。
【0032】
1つ又は複数の実施形態では、医療サーバ103a、103bのそれぞれは、異なるインターネットネットワーク(「ネットワーク」)上にあってもよく、それは、データ統合コントローラ107のネットワークとは異なるものであってもよい。医療サーバ103a、103bによって用いられるネットワークは、ネットワーク内ヘルスケア施設のストレージ及び施設間通信システムに関連付けられたベンダによって提供されるサービスに依存し得る。したがって、医療サーバは、施設Dのゲートウェイデバイス109のようなゲートウェイデバイスを介してデータ統合コントローラ107と通信する。ゲートウェイデバイスは、異なるネットワーク上に接続された2つの異なる装置間を接続し、データを渡す、単純なルータのような別個の装置であり得る。1つ又は複数の実施形態では、医療サーバは、ゲートウェイデバイスとして構成され得る。
【0033】
1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設のユーザ(例えば、医療従事者)は、クラウド及び/又はPACSサービスを提供したベンダ、又は別のサードパーティによって提供され得るユニバーサルビューアアプリケーション(「ユニバーサルビューア」)を介して、データ統合コントローラ107にアクセスし得る。ユニバーサルビューアは、すべての医療サーバ103a、103bに格納され、ユーザにユニバーサルビューアの操作を可能にさせる、グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)を備えたウェブブラウザアプリケーションのプラグインとしてローカルコンピュータにダウンロードされてもよい。あるいは、ユニバーサルビューアは、クラウド101aに格納され、ユニバーサルビューアに関連付けられたユニフォームリスロケータ(URL)(例えば、ウェブアドレス)をウェブブラウザの検索バーに入力することによってウェブページとしてアクセスされてもよい。
【0034】
1つ又は複数の実施形態では、クラウド101aは、データ統合コントローラ107を介して中継された医療データをコンパイルし後処理を実行し、ユニバーサルビューアによって表示されるデータを生成する画像レンダリングアプリケーションを備える。画像レンダリングアプリケーションは、ユニバーサルビューアアプリケーションの拡張として備えられ、ユニバーサルビューアアプリケーションと同じ場所に物理的に格納され得る。
【0035】
1つ又は複数の実施形態では、システム100はデータ統合コントローラ107、ユニバーサルビューア及び画像レンダリングアプリケーションによって処理された要求及び医療データの履歴及び構成のすべてを格納する複数の統合データリポジトリ108を含む。統合データリポジトリ108は、クラウド101a又は101b、医療サーバ103a又は103b、又はその両方に備えられ得る。統合データリポジトリ108がクラウド101a、101bに配置される1つ又は複数の実施形態では、統合データリポジトリ108はインターネットを介して遠隔的にアクセスされるデータのオンラインリポジトリ、VDR又はデータベース(又はデータベース群)であり得る。
【0036】
図1Bは、発明の1つ又は複数の実施形態に従う、
図1Aで説明されたシステムの詳細な実装を示す。
【0037】
図1Bに示す1つ又は複数の実施形態では、施設A及びBはクラウド101aに配置された遠隔医療リポジトリ102を共有し、施設C及びDは遠隔医療リポジトリ102を共有しない。1つ又は複数の実施形態では、施設A及びBの医療サーバ103a、103bに結合された医療リポジトリ105a、105bに格納されたすべての医療データのコピーがクラウド101aに配置された遠隔医療リポジトリ102にバックアップされ利用可能である。これにより、データ統合コントローラ107は、施設A及びBから医療データを取り出すことが要求された際に、共有医療リポジトリ102から医療データを直接取り出すことができる。
【0038】
図1Bに示す1つ又は複数の実施形態では、施設A(「元施設」)が所定の患者に関連付けられた医療情報の第1の取り出し要求(例えば、検索要求矢印によって表される)を送信する。1つ又は複数の実施形態では、第1の取り出し要求は患者の姓、名、性別、及び生年月日を含む検索基準を含み得る。検索をさらに細かく精選するために、利用可能であれば患者の社会保障番号のような他の基準が利用されてもよい。さらに、施設B、C及びD(「対象施設」)は、元施設によって送信された第1の取り出し要求に含まれた検索基準の大部分と合致する情報を持つ医療データを有し得る。データ統合コントローラ107を介して転送された元施設からの要求を受信すると、対象施設は、これらの医療データに関連付けられた医療情報をデータ統合コントローラ107に送信する。
【0039】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラ107は、対象施設から送信された医療情報を受信すると、受信した医療情報をリストに編成し、当該リストを元施設の医療サーバ103aに送信する。そうして、リストは、例えば、元施設のローカルコンピュータ上でウェブブラウザによってアクセスされるユニバーサルビューアを介してユーザに表示される。ユーザは、データ統合コントローラ107によってコンパイルされたリストを参照し、関連する医療データのみ又は関心のある医療データのみを選択することができる。
【0040】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザがリストから関心のある医療情報を選択すると、ユーザは、関心のある医療データを有する施設から医療データを取り出す(曲線状(U字型)の矢印を用いて示される)ために、データ統合コントローラ107に第2の取り出し要求を送信する。
図1Bに示す例では、ユーザは、すべての対象施設からの医療データに関心がある。したがって、データ統合コントローラ107は、選択した医療情報に関連付けられた医療データを取り出すよう、すべての対象施設の医療サーバ103a、103bに対して第2の取り出し要求を送信する。
【0041】
1つ又は複数の実施形態では、医療データを取り出すための第2の取り出し要求に応答して、対象施設の医療サーバ103a、103bは、元施設によって要求された医療データをデータ統合コントローラ107に送信する。データ統合コントローラ107は、対象施設から医療データを受信し、新しく作成した共通の患者ID(「共通PID」)の下で、受信した医療データの医療情報を統合データリポジトリ108に格納するためのデータテーブル(図示せず)を作成する。医療データはクラウド101aの画像レンダリングアプリケーションによってユニバーサルビューアを通して表示可能なフォーマットへと処理される。医療データは、続いて、当該医療データを元施設に予め存在する任意の関係する医療データと結合することができる元施設へと転送され、ウェブブラウザを介してアクセスされるユニバーサルビューアを用いてユーザに表示される。
【0042】
図1Bに示す本発明の1つ又は複数の実施形態では、施設Bがクラウド101aの共有遠隔医療リポジトリ102を共有するため、施設Bの医療サーバ103a、103bで利用可能な医療データのコピーは遠隔医療リポジトリ102で既にバックアップされ利用可能である。したがって、元施設からの第1と第2の取り出し要求はデータ統合コントローラ107によって施設Bの医療サーバ103a、103bに送信されない。その代わりに、データ統合コントローラ107が要求された医療情報と医療データを直接クラウド101aの共有遠隔医療リポジトリ102から取り出す。
【0043】
1つ又は複数の実施形態では、施設C及びDはクラウド101aの共有遠隔医療リポジトリ102を共有しないため、データ統合コントローラ107が、施設Cの共有医療リポジトリ105c及び施設Dの医療リポジトリ105aから施設C及びDに関連付けられる医療情報及び医療データを取り出す。
【0044】
1つ又は複数の実施形態では、第1の取り出し要求内の検索基準の情報と、第2の検索要求によって取り出された医療データの医療情報を保存するデータテーブルからの情報とが、統合データとして統合データリポジトリ108に保存される(すなわち、検索履歴)。1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラ107が、統合データリポジトリ108に格納された統合データに基づいて自動的に第2の取り出し要求を送信する。
【0045】
1つ又は複数の実施形態では、以前使用された検索基準に完全に合致する検索基準を持つ第1の取り出し要求をユーザが手動で送信すると、データ統合コントローラ107は、以前の同一の要求と同じ医療データを取り出したいのか異なる(すなわち、追加や縮小した)医療データを取り出したいのか否かを確認するメッセージを開かれたユニバーサルビューアのポップアップウィンドウを介して表示してもよい。同じ医療データを取り出すことをユーザが選択した場合、データ統合コントローラ107は、統合データリポジトリ108に格納された統合データを取り出し、医療データを取り出す第2の取り出し要求を自動的に送信する。
【0046】
図2は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るシステムダイアグラムを示す。
図2に示すように、1つ又は複数の実施形態に係るシステムは、
図1A及び
図1Bに記載されたような4つのネットワーク内ヘルスケア施設(施設A、施設B、施設C、施設D)を含む。各施設のストレージ201は、
図1Aに記載されたような各施設の医療リポジトリ105a、105b、105cにそれぞれ対応する。
【0047】
図2に示すような1つ又は複数の実施形態では、施設Aは、検索要求及び医療データ要求を残りの施設(「要求対象施設」)に送信する施設(「要求元施設」)である。要求元施設は、ユニバーサルビューアアプリケーションにログインするためのユーザのユーザID及び検索キーを構成する検索パラメータを入力するためのユーザID及び検索キー入力部202(例えば、キーボード、マウスなど)、ユーザに対し医療データを表示するための表示部203(すなわち、モニタやスクリーン)、及び要求対象施設から受信した医療データへの後処理指示を入力するための追加の情報入力部205(例えば、キーボード、マウスなど)を含むローカルコンピュータを備える。1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、要求元施設又は要求対象施設のいずれかであり得る。
【0048】
図2に示すような1つ又は複数の実施形態では、施設Aは、付加情報入力装置205によって受信した後処理指示を表示部203に表示される医療データに適用するプロセッサ209を含む情報付加コントローラ207をも含む。1つ又は複数の実施形態では、情報付加コントローラ207はさらに、医療データに実行される後処理についてのすべての情報を格納する付加情報ストレージ211を含む。1つ又は複数の実施形態では、情報付加コントローラ207は
図1A及び1Bに示すような画像レンダリングアプリケーションを含んでも良い。
【0049】
1つ又は複数の実施形態では、施設Aの情報付加コントローラ207は、施設Aのストレージと同じクラウド上に配置された統合データベースストレージ213に結合され得る。統合データベースストレージは、
図1A及び1Bを参照し上述した統合データリポジトリ108であり得る。1つ又は複数の実施形態では、統合データベースストレージ213は、データ統合コントローラ107、情報付加コントローラ207、ユニバーサルビューア及び画像レンダリングアプリケーションによって処理された要求と医療データのすべての履歴及び構成を格納する。1つ又は複数の実施形態では、情報付加コントローラの付加情報ストレージ211に格納された後処理情報も、統合データベースストレージ213に保存(つまり、バックアップ)される。
【0050】
1つ又は複数の実施形態では、各対象施設は独自の情報付加コントローラ207及び統合データベースストレージ213をも備え得る。あるいは、1つ又は複数の実施形態では、各対象施設は、クラウド101a上に配置された共有統合データベースストレージ213と結合した情報付加コントローラ207のみを備えても良い。あるいは、共有統合データベースストレージはクラウド101bに配置されるか、又は施設A~Dのうち1施設にローカルに配置されても良い。
【0051】
図2に示す1つ又は複数の実施形態では、情報付加コントローラ207が施設Aにローカルに配置されている一方で、統合データベースストレージ213は施設A及びBのストレージ201と同じクラウド101a上に配置されているが、発明の範囲はこの構成に限定されるものではない。例えば、1つ又は複数の実施形態では、情報付加コントローラ207は統合データベースストレージ213と同じクラウド101a上に配置され得る。あるいは、統合データベースストレージ213と情報付加コントローラ207はいずれも施設Aにローカルに配置され得る。
【0052】
1つまたは複数の実施形態では、各施設のストレージ201はそれぞれのヘルスケア施設にローカルに配置されるか、又はクラウド101a、101b上に遠隔に配置される。
図2に示された例では、施設A及びBのストレージは同じクラウド101a上に配置され、施設Cのストレージは異なるクラウド101b上に配置され、施設Dのストレージは施設Dにローカルに配置されている。同じクラウド101a、101b上に配置されたストレージ201は同じネットワークを共有し得るが、各ストレージ201は異なるネットワークに関連付けられて良い。さらに、上記のとおり
図1A及び1Bに示すように、施設A及びBのストレージ201は同じストレージ201であり得る。
【0053】
図2に示すような1つ又は複数の実施形態では、
図1Aを参照し説明したデータ統合コントローラ107は、施設A及びBのストレージ201と同じクラウド101aに配置される。あるいは、データ統合コントローラ107は、施設A及びCのストレージ201をホストするクラウド101a、101bとは異なるクラウド上に配置され得る。
【0054】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラ107は、検索要求を処理する(すなわち、異なるストレージ間で検索要求、医療データ要求、医療情報及び医療データを中継する)プロセッサ209’と、すべてのストレージ201をデータ統合コントローラ107に関連付けられたネットワークに接続するメインハブとして構成された通信I/F215(通信インターフェース)部を含む。各ストレージは、ストレージ201のそれぞれをデータ統合コントローラ107の通信I/F部215に接続する
図1A及び1Bに示すようなローカルゲートウェイ109を介して、データ統合コントローラと通信する。4つのネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれのローカルゲートウェイ109は、ストレージ201が配置されている医療サーバ103a、103b、103cであってもよいし、別個のデバイスであってもよい。
【0055】
図3は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係る通信ダイアグラムを示す。この通信ダイアグラムは、
図2に示すようなシステムによって実行される1つ又は複数の実施形態の通信方法を示す。通信ダイアグラムは、医療データを取り出すための、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つからの要求(「データ統合要求」)に応答して送信される信号の経路を示す。
【0056】
図3に示す1つ又は複数の実施形態では、データ統合要求は、ソースのヘルスケア施設のローカルコンピュータ(
図2に記載されているような要求元施設)から発信される。データ統合要求は、要求元施設の医療サーバに結合されたローカルコンピュータからデータ統合コントローラに、患者情報検索要求(「検索要求」)として最初に送信される。検索要求は、所定の患者に関連付けられた患者情報のストリングで構成される検索キーを含む。患者情報は、患者の名前、性別、生年月日、患者に関連付けられたヘルスケア施設の施設識別(ID)患者の診断に使用されるモダリティのタイプなどを含み得る。
【0057】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラは、検索要求を受信し、データ統合要求先の医療サーバ(
図2記載されているような要求対象施設)に検索要求を中継する。要求対象施設の医療サーバは、医療サーバに結合されたローカルゲートウェイデバイスを介して検索要求を受信し得る。1つ又は複数の実施形態では、医療サーバは、ローカルゲートウェイとして構成され得る。
【0058】
1つ又は複数の実施形態では、要求対象施設の医療サーバは、受信した検索要求を処理し、検索要求に一致する医療情報をデータ統合コントローラに送信する。データ統合制御部は、要求対象施設から医療情報を受信し、該医療情報をリスト化して、要求元施設のローカルコンピュータに送信する。
【0059】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルコンピュータは、受信した医療情報のリストをユーザに表示する。ユーザは、統合(すなわち、取り出し)したい受信した医療情報に関連付けられた医療データを選択する。ユーザが統合されるべき医療データを確認すると、ローカルコンピュータは、医療データ取り出し要求(「取り出し要求」)をデータ統合コントローラに送信する。データ統合コントローラは、取り出し要求を処理し、該取り出し要求を要求データに関連付けられた選択された要求対象施設の医療サーバに送信する(すなわち、要求は、要求された医療データを有する対象施設にのみ送信される)。
【0060】
1つ又は複数の実施形態では、選択された対象施設は、取り出し要求を受信して処理し、要求された医療データをデータ統合コントローラに送信する。データ統合コントローラは、選択された要求対象施設から要求された医療データを受信し、該医療データを要求元施設の医療サーバに転送する。要求元施設は、データ統合コントローラから医療データを受信し、受信した該医療データを保存し、該受信したデータを単一のファイルに統合し、統合された医療データをローカルコンピュータ上に表示する。
【0061】
図4A、4B及び4Cは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るユーザインターフェースを示す。
図4A~4Cに示すように、ユーザは、ウェブブラウザ401を介してユニバーサルビューアにアクセスし得る。本例のユニバーサルビューアは、ユーザによって選択されると、ユーザに対する患者データ統合検索画面(「検索インターフェース」)403を開く検索オプションを含む。
【0062】
1又は複数の実施形態では、
図4Aに示すように、ユニバーサルビューアの初スタートアップページは、ウェブブラウザ401のタブに表示され得る。ユニバーサルビューアのユーザは、ウェブブラウザ401の検索バーにユニバーサルビューアに関連付けられたウェブアドレスを入力することによって、スタートアップページにアクセスし得る。
【0063】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、指定されたユーザIDと、ユーザがユニバーサルビューアにアクセス権限を有することを示すユーザ設定パスワードとを含むアクセス情報を入力するように促され得る。ウェブブラウザ401がユーザによって最後に閉じられた後、ユニバーサルビューアが最初に開かれた場合には、ユーザは、アクセス情報を入力するよう促されるのみでもよい。1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、ユーザがユニバーサルビューアを開くたびにアクセス情報を入力するように促されてもよい。
【0064】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザはまた、複数のタブを開いて、開いているすべてのタブを通してユニバーサルビューアにアクセスし得る。ウェブブラウザ401の各タブで開かれたユニバーサルビューアのそれぞれは、互いに独立している。例えば、あるタブのユニバーサルビューアに対してユーザが行った変更は、別のタブで開かれたユニバーサルビューアには適用されないだろう。
【0065】
1つ又は複数の実施形態では、
図4Aに示すような検索インターフェース403は、ユーザの検索要求に含まれる検索キーを構成する検索パラメータを含む。検索インターフェース403は、患者ID、通常のアルファベット表記の患者名、ASCII形式の患者名を入力するためのパラメータ、患者の性別、患者の生年月日を選択するためのパラメータを含む。検索インターフェース403はさらに、検索リクエストをキャンセル(キャンセル)する(すなわち、検索インターフェースを閉じる)か、又は検索要求(検索)をサブミットするための2つのユーザ選択可能タブを含む。1つ又は複数の実施形態では、検索パラメータは、検索インターフェース403のユーザによって手動で入力され得る。あるいは、関心のある患者の情報が既にウェブブラウザ401にロードされているときにユーザが検索インターフェースを開く場合、検索インターフェース403のパラメータは、ウェブブラウザ401にロードされた患者情報に基づいて、自動的に完了する(すなわち、ユニバーサルブラウザによって自動的に埋められる)。
【0066】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが検索をサブミットするために、検索インターフェース403におけるパラメータのすべてをユーザが完了させる必要はない。例えば、ユーザは、患者の生年月日のみ又は患者名と患者の性別との組み合わせのみで、検索要求をサブミットすることができる。当業者は、検索インターフェース403におけるより多くのパラメータが埋められると、より洗練された検索がユニバーサルビューアアプリケーションによって実行されることを理解するであろう。
【0067】
図4Bに示すような1つ以上の実施形態では、検索インターフェース403はまた、検索要求を受信する対象ネットワーク内ヘルスケア施設(「要求対象施設」)を選択するためのパラメータや医療データを取得したモダリティを選択するためのパラメータのようなより高度な検索パラメータを含み得る。
図4Bに示すように、病院B、病院C、及び診療所Fが、検索要求を受信する対象施設として選択され、該検索要求は、CT、MRI及びMGモダリティに関連付けられた医療データに向けられる。当業者は、特に示されていない様々な他の検索パラメータ、例えば患者の血液型が使用され得ることを理解するであろう。
【0068】
図1に示すような1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、ユニバーサルビューアアプリケーションを介していつでも検索インターフェース403にアクセスすることができる。
図4Cの例では、ウェブブラウザ401は、ユーザが現在参照している複数の医療データを含む患者診断タブを表示している。
【0069】
図5A及び5Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るデータ統合コントローラ107によってコンパイルされた医療情報のリストを含むユーザインターフェース501を示す。
図5Aに示すように、ユーザインターフェース501は、検索要求に入力された所定の患者の情報(例えば、患者の名前、患者の性別、患者の生年月日)(「検索要求」)を含む。ユーザインターフェース501はさらに、医療情報のリストを表示し、施設、患者名、性別、生年月日(「DOB」)によって医療情報を分類する。加えて、ユーザインターフェース501は、ユーザがリスト(すなわち統合列)から関心のある医療情報のすべてを選択するためのオプションを含む。ユーザが関心のある医療情報をすべて選択すると、ユーザは、検索要求(検索)をサブミットするか、又は検索要求をキャンセル(キャンセル)する(すなわち、検索インターフェースを閉じる)。
【0070】
図5Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るユーザインターフェース501の一例を示す。
図5Bに示すようなユーザインターフェース501は、患者の最後の訪問日、検査データに関する情報、及びび医療データ内の画像/レポートの数といった追加の情報を表示する。1つ又は複数の実施形態では、検査データ列のアイコンをクリックすると、医療情報に関係する診断についての詳細情報を表示するポップアップウィンドウが開く。さらに、この例のユーザインターフェースは、ユーザが直ちに取り出したい医療情報を選択するための選択肢(即時統合)と、同じ取り出し要求が次に送信される時に自動的に検索される医療情報を選択するためのオプションとを含む(自動次回統合)。
【0071】
図5A及び5Bに示すような1つ又は複数の実施形態では、ユーザインターフェース501に表示された医療情報は、対応する医療データのメタデータとして保存される。
【0072】
図6は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るダイアグラムを示し、該ダイアグラムは、ユーザが表示された統合医療データに後処理を実行する場合の事象を示している。
【0073】
図6に示すような1つ又は複数の実施形態では、ブラウザ601のタブに開かれたユニバーサルビューアが、特定の検索キーを用いたユーザの医療データ統合要求に基づいて取り出された3つの医療データ603の統合ビューを表示している。ユーザは、表示された統合医療データに後処理を実行する必要があるか否かを決定するため、各医療データ603を検討してもよい。
【0074】
1つ又は複数の実施形態では、マウスカーソル(図示せず)が医療データ603のエリア上に置かれている時にマウス605を用いてユーザがクリックを行った場合、選択ボックス607が医療データ603の上に現れ、選択された医療データ603をハイライトする。ユーザがマウス605を用いて左クリックを行った場合、選択ボックス607の色は青になり得る。ユーザがマウス605を用いて右クリックを行った場合、選択ボックス607の色は赤になり、選択された医療データ603が後処理待ちであることを示唆し、ポップアップウィンドウ609がマウスカーソルのごく近くに現れ得る(マウスが左利きユーザ用にプログラムされている場合、マウス605の右クリックによって選択ボックスが青になり、左クリックによって選択ボックスが赤になりポップアップウィンドウ609が表示される)。1つ又は複数の実施形態では、マウス605は、複数の入力機能(例えば、左クリックと右クリック)を備えて構成されたタッチパッド、スタイラス、キーボードなどのような他の任意の入力装置であっても良い。
【0075】
1つ又は複数の実施形態では、ポップアップウィンドウ609は、選択された医療データ603に対してユーザが実行することのできる後処理のオプションを含む。ポップアップウィンドウ609に表示された後処理のオプションは統合キャンセル、データ削除、次の統合‐非表示、対象患者データ‐非表示、データ編集、を含み得る。
【0076】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが統合キャンセルのオプションを選択すると、ユニバーサルビューアタブに表示されたすべての医療データ603が取り除かれる(すなわち、医療データの統合がユーザによってキャンセルされる)。
【0077】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザがデータ削除のオプションを選択すると、選択された医療データ603がユニバーサルビューアタブ内の統合ビューから削除される。
【0078】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが次の統合‐非表示のオプションを選択すると、選択された医療データ603は現在の医療データ統合要求と同じ検索キーに関連付けられる後の医療データ統合要求によって生成される統合ビュー内に表示されない(すなわち、非表示、不可視)。
【0079】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが対象患者データ‐非表示を選択すると、選択された医療データ603と同じ患者と関連付けられた統合ビュー内のすべての医療データ603が統合ビュー内で非表示になり、ユーザに見えなくなる。
【0080】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザがデータ編集のオプションを選択すると、選択された医療データ603と関連付けられたメタデータをユーザが編集することを可能にするGUI(図示せず)を表示する新しいポップアップウィンドウが表示される。
【0081】
図7は、発明の1つ又は複数の実施形態に従うダイアグラムを示し、該ダイアグラムはユーザが
図6に示されるような可能な後処理のオプションの1つを選択した場合の事象を示している。
【0082】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザがマウス605を用いてポップアップメニュー609内に示された後処理のオプションの1つを選択すると、警告メッセージを表示するポップアップウィンドウ701a~dが表示される。ポップアップウィンドウ701a~dは、ユーザによって選択されたオプションに関連付けられたアクションの説明、現在の医療データ統合要求と同じ検索キーに関連する後の医療データ統合要求へのアクションの影響、及びユーザが選択されたオプションを続けることを望むか否かを確認するユーザへの質問を含む警告を表示し得る。
【0083】
例えば、
図7に示すような1つ又は複数の実施形態では、ユーザが統合キャンセルのオプションを選択すると、ユーザにユーザが統合ビューをキャンセルしようとしていること、すべての統合データ(すなわち医療データ)がキャンセルされること、及び現在の医療データ統合要求と同じ検索キーに関連する後の医療データ統合要求から生成された統合ビュー内には同じ統合ビューが再び表示されないことを、ユーザに警告するポップアップウィンドウ701aが現れる。同様に、データ消去のオプション、次の統合‐非表示のオプション、及び対象患者データ‐非表示のオプションの警告の例がポップアップウィンドウ701b~dにそれぞれ示される。
【0084】
データ編集のオプションへの警告の例が、メタデータを編集するためのGUIを持つポップアップウィンドウをユーザに提示する前に、ユーザが選択された医療データのメタデータを編集することを望むか否かを確認する最初のメッセージ、及びかユーザがメタデータを編集し終えた後に、選択された医療データへ編集を適用したいか否かを確認するその後の警告メッセージであることは、当業者にとって明らかであろう。
【0085】
図8は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るダイアグラムを示し、該ダイアグラムは、ネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つが医療データを更新するか、又はネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つ又は複数の異なる施設によって医療データが取り出された患者に関連付けられた医療データを追加する場合の事象を示している。
【0086】
1つ又は複数の実施形態では、医療データが以前に取り出された患者に関連付けられた検索パラメータの情報は、保存され、ユーザがユニバーサルビューアにログインするときに、ユニバーサルビューアは、保存された検索パラメータを用いて、自動的にバックグラウンドで検索を実行する。ユニバーサルビューアは、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つが既存の医療データを更新したか、又は以前に検索された患者に関連付けられた新しい医療データを追加したと判断する場合、ユニバーサルビューアは、以前に検索された患者に関連付けられた医療データが変更されたことを示すように、ユーザにポップアップ表示801を表示する。1つ又は複数の実施形態において、バックグラウンドで行われる自動検索は、ユニバーサルビューアが開かれているときのユーザのプリファレンスに基づいて、所定の間隔でユニバーサルビューアによって実行されてもよい。
【0087】
図8に示すような1つ又は複数の実施形態では、ユニバーサルビューアは、患者(例えば、2016年12月22日生まれのジョン・ドー(Jon Doe))に関連付けられた医療データを取り出した1つ又は複数のネットワーク内ヘルスケア施設で、ポップアップ表示メッセージ801をユーザに表示する。ポップアップ表示メッセージ801は、施設Bが同じ患者に関連付けられた医療データを更新(すなわち、医療データを追加又は医療データを修正)したことを示す。ポップアップ表示メッセージ801は、ユーザが施設Bからの更新された医療データを統合(すなわち取り出し)したいか否かを、ユーザに質問する。ユーザはまた、ユニバーサルビューアが、同じ患者に対して、将来、そのようなメッセージを再び表示するのを止めさせるためのオプションを提示される。
【0088】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが更新された医療データを統合することを選択した場合、ユニバーサルビューアは、更新された医療データを施設Bから取り出して、更新された医療データをヘルスケア施設の医療リポジトリに保存し、さらに、ユーザインターフェース803を介して、更新された医療データが患者に利用可能であることを示す。次いで、ユーザは、どのような新しい医療データが利用可能であるかを確認するために、ユーザインターフェース803により患者を選択し得る。
図6に示すように、利用可能な医療データのタイプは、医療画像のサムネイル版によって表現される。次いで、ユーザは、ユニバーサルビューアを開いてタブに統合医療データを表示するウェブブラウザ805において更新された医療データを見るために、更新された医療データを開くべきか否かを決定し得る。
【0089】
本発明の実施形態は、使用されているプラットフォームにかかわらず、事実上あらゆるタイプのコンピューティングシステム上に実装され得る。例えば、コンピューティングシステムは、本発明の1つ又は複数の実施形態を実施するための、最少処理能力(minimum processing power)、メモリ、及び入出力デバイスを少なくとも含む、1つ若しくは複数のモバイルデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、又は他のモバイルデバイス)、デスクトップコンピュータ、サーバ、サーバシャーシ内のブレード、又は他のあらゆるタイプの1つ又は複数のコンピューティングデバイスである。例えば、
図9に示すように、コンピューティングシステム900は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ902、関連メモリ904(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリなど)、1つ又は複数のストレージデバイス906(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブといった光学ドライブ、フラッシュメモリスティックなど)、並びに他の多くの要素及び機能を含み得る。コンピュータプロセッサ902は、命令を処理するための集積回路であり得る。例えば、コンピュータプロセッサは、1つ又は複数のコア、又はプロセッサのマイクロコアであり得る。コンピューティングシステム900はまた、タッチスクリーン、キーボード、マウス、マイクロフォン、タッチパッド、電子ペン、又は任意の他のタイプの入力デバイスといった1つ又は複数の入力デバイス910を含み得る。さらに、コンピュータシステム900は、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、陰極線管(CRT)モニタ、プロジェクタ、又は他のディスプレイデバイス)、プリンタ、外部ストレージ、又は任意の他の出力デバイスといった1つ又は複数の出力デバイス908を含み得る。出力デバイスのうちの1つ又は複数は、入力デバイスと同じであってもよいし、異なっていてもよい。コンピューティングシステム900は、ネットワークインターフェイス接続(図示せず)を介して、ネットワーク912(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、モバイルネットワーク、又は任意の他のタイプのネットワーク)に接続され得る。入力及び出力デバイスは、ローカルに又はリモートに(例えば、ネットワーク912を介して)、コンピュータプロセッサ902、メモリ904、及びストレージデバイス906に接続され得る。多くの異なるタイプのコンピューティングシステムが存在し、前述の入力及び出力デバイスは、他の形態をとり得る。
【0090】
本発明の実施形態を実施するためのコンピュータ可読プログラムコードの形式のソフトウェア命令は、CD、DVD、ストレージデバイス、ディスケット、テープ、フラッシュメモリ、物理メモリ、又は任意の他のコンピュータ可読記憶媒体といった非一時的なコンピュータ可読媒体上に、全体的又は部分的に、一時的又は永続的に、記憶され得る。具体的には、ソフトウェア命令は、プロセッサによって実行されると、本発明の実施形態を実施するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードに対応し得る。
【0091】
さらに、前述のコンピューティングシステム900の1つ又は複数の要素は、遠隔地に配置され、ネットワーク912を介して他の要素に接続され得る。さらに、本発明の1つ又は複数の実施形態は、複数のノードを有する分散システム上で実施することができ、本発明の各部分は、分散システム内の異なるノード上に配置され得る。本発明の一実施形態では、ノードは、別個のコンピューティングデバイスに対応する。あるいは、ノードは、関連する物理メモリを有するコンピュータプロセッサに対応し得る。あるいは、ノードは、共有メモリ及び/又はリソースを有するコンピュータプロセッサ又はそのマイクロコアに対応し得る。
【0092】
図9のコンピューティングシステムは、比較及び他の処理の結果といった未処理及び/又は処理済みデータを提示する機能を含み得る。例えば、データの提示は、様々な提示方法によって達成され得る。具体的には、データは、コンピューティングデバイスによって提供されるユーザインターフェースを介して提示され得る。ユーザインターフェースは、ハンドヘルドコンピュータデバイス上のコンピュータモニタ又はタッチスクリーンといったディスプレイデバイス上に情報を表示するGUIを含み得る。GUIは、どのデータが表示されるか、どのようにデータがユーザに提示されるかを編成する様々なGUIウィジェットを含み得る。さらに、GUIは、ユーザに直接的にデータを、例えばテキストを通して実際のデータ値として示されるデータ、又はコンピューティングデバイスによって、データモデルを視覚化するなどといった、データの視覚的表現にレンダリングされたデータを、提示し得る。
【0093】
例えば、GUIは、最初に、特定のデータオブジェクトがGUI内に提示されることを要求するソフトウェアアプリケーションからの通知を取得し得る。次に、GUIは、例えば、データオブジェクトタイプを識別するデータオブジェクト内のデータ属性からデータを取得することによって、特定のデータオブジェクトに関連付けられたデータオブジェクトタイプを決定し得る。次に、GUIは、そのデータオブジェクトタイプを表示するために指定された任意のルール、例えば、データオブジェクトクラスのソフトウェアフレームワークによって特定されるルール、又はそのデータオブジェクトタイプを提示するためのGUIによって定義される任意のローカルパラメータに従ったルール、を決定し得る。最後に、GUIは、特定のデータオブジェクトからデータ値を取得し、そのデータオブジェクトタイプに対する指定されたルールに従って、ディスプレイデバイス内のデータ値の視覚的表現をレンダリングし得る。
【0094】
図10は、1つ又は複数の実施形態に係るシステムの概略ブロックダイアグラムを示す。このシステムは、ネットワーク内におけるヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間で医療画像及びデータを検索、抽出、及び表示するように構成される。複数の医療サーバは、データ統合コントローラを介して接続され、ローカル医療サーバと2つ以上の遠隔医療サーバとを含む。
【0095】
図10に示すようなシステムは、例えば、(i)以下のステップを実行するように構成された命令を実行するように構成されたコンピュータプロセッサ1006を含む処理モジュール1004を含み得る。
【0096】
一の態様では、コンピュータプロセッサ1006は、(1)所定の患者に関連付けられた検索キーを有す医療データ統合要求をデータ統合コントローラを介して遠隔医療サーバに送信し、(2)遠隔医療サーバから医療データ統合要求と関連付けられた医療データを受信し、(3)受信された医療データを統合ビューとして表示し、(4)ユーザからの入力に基づいて受信した医療データに後処理を実行し、(5)実行された後処理の条件を格納し、(6)同じ検索キーに関連付けられた、後の医療データ統合要求から受信された医療データに同じ後処理条件を適用し、(7)後の医療データ統合要求から受信された医療データを統合ビューとして表示する、という命令を実行する。
【0097】
図10に示すようなシステムは、(ii)医療データをユーザに提示するように構成されたローカルサーバ1002をさらに備える。このシステムは、ベンダ提供のアプリケーションに関係するユニバーサルビューアアプリケーション情報(すなわちデータ)1010、患者関連情報1012、及び医療データ1014を格納するように構成されたリポジトリ1008をさらに含み得る。
【0098】
図11A及び11Bは、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図11A及び11Bに示すような方法は、コンピュータ実装の方法である。
図11A及び11Bに示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のシステムのみについて、以下にまとめて説明される。以下に説明する方法の各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかのシステムによって実行され得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0099】
ステップ1100において、患者情報検索要求(「検索要求」)が複数のネットワーク内ヘルスケア施設の1つにおける医療サーバ(「要求元」)からデータ統合コントローラに送信される。検索要求は、患者の名前、患者の性別、及び患者の生年月日を含む所定の患者に関連付けられた検索キーを含む。ユーザは、ウェブブラウザで開かれたユニバーサルビューアを介して検索情報に入力する。
【0100】
ステップ1105において、データ統合コントローラは、要求元から検索要求を受信し、データ統合コントローラに接続された他のネットワーク内ヘルスケア施設の他のすべての医療サーバ(「要求対象」)に検索要求を送信する。
【0101】
ステップ1110において、要求対象は、検索要求を受信し、各要求対象は、ステップ1115において、それぞれの医療サーバが、検索キーに含まれる患者情報と一致する医療情報を有する医療データを含むか否かを判定する。1つ又は複数の実施形態では、医療データは、その結果が、正確に一致する関心のある患者を識別するのに十分である限り、検索キーに含まれる任意の数の患者情報に一致する医療情報を有していなければならない。例えば、性別、及び姓若しくは名の一方といった少なくとも2つの一般的な検索パラメータと、患者の正式な法的名、生年月日、モダリティタイプ、又は施設IDといった他の1つ又は複数の特定のパラメータとの一致が要求され得る。当業者は、具体的に示されていない、様々な他の組み合わせ、例えば、特定のパラメータを有する2つ以上の一般的なパラメータ、2つの特定のパラメータを有する1つの一般的なパラメータ、2つの特定のパラメータのみといったものが用いられ得ることを理解するであろう。
【0102】
それぞれの要求対象について、ステップ1115におけるチェックの結果がNOである場合、要求対象はステップ1120Bにおいて何も送信しない。
【0103】
ステップ1115における判定結果がYESである場合、要求対象は、ステップ1120において検索要求に含まれる患者情報と一致する医療情報をデータ統合制御装置に送信する。1つ又は複数の実施形態では、医療情報は、実際の医療データを含まずに、むしろ、施設名、患者名、患者の性別、患者の生年月日、最後に訪問した日、検査データ、画像/レポートの数といった医療データに関する情報を含む。
【0104】
ステップ1125において、データ統合コントローラは、ステップ1115においてYESの結果を出したすべての要求対象から医療情報を受信する。データ統合コントローラによって受信されたすべての医療情報は、ステップ1130において、データ統合コントローラによってリストビューフォーマットにコンパイルされる。
【0105】
ステップ1135において、データ統合コントローラは、医療情報のコンパイルされたリストを要求元に送信する。要求元は、ステップ1140で、データ統合コントローラから受信したコンパイルされた医療情報のリストをローカルコンピュータのディスプレイ画面に表示する。
【0106】
ステップ1145において、ユーザは、受信した医療情報のリストを参照し、ユーザが要求対象から取り出したい医療データに関連付けられたすべての医療情報を選択する。1つ又は複数の実施形態では、医療情報のすべてを選択することはないかもしれない。具体的には、医療情報のすべてが関連性があるか、又はユーザにとって関心があるとは限らない。例えば、ユーザは、古くなった医療データ、現在の診断に有用ではない診断に関係する医療データ、又は情報が検索キーの一部と一致するであろう異なる患者に関係する医療データを取り出すことを望まないかもしれない。これは、要求を送信するヘルスケア施設における医療リポジトリ上の不必要な記憶コストを防止するだけでなく、医療データを取り出すのに必要な時間も減少させる。
【0107】
ステップ1150において、ユーザの選択は、要求元からデータ統合コントローラに医療データ取り出し要求(「取り出し要求」)で送信される。データ統合コントローラは、ステップ1155において、取り出し要求を受信し、ステップ1160において、要求された医療データを含む要求対象(「選択された要求対象」)のみに取り出し要求を中継する。
【0108】
ステップ1165において、選択された要求対象は、データ統合コントローラから取り出し要求を受信し、ステップ1170において、取り出し要求において医療データ情報と一致する医療データをデータ統合コントローラに送信する。
【0109】
ステップ1175において、データ統合コントローラは、選択された要求対象から送信された要求された医療データを受信する。1つ又は複数の実施形態では、要求された医療データのすべてを受信すると、データ統合コントローラは、新たに作成された共通の患者ID(「共通PID」)の下、受信した医療データの医療情報を格納するデータテーブルを作成する。データテーブルは、統合データリポジトリに格納される。
【0110】
ステップ1180において、データ統合コントローラは、選択された要求対象から受信した医療データを要求元に送信する。
【0111】
ステップ1185において、要求元は、データ統合コントローラから送信された医療データを受信し、ステップ1190において、医療データを単一ファイルとして統合して、医療サーバの医療リポジトリに保存し、さらに、ステップ1195において、受信した医療データをローカルコンピュータのディスプレイ上に表示する。1つ又は複数の実施形態では、医療データは、ウェブブラウザのタブを介してユニバーサルビューアによって表示される。
【0112】
図12は、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図12A及びBに示すような方法は、コンピュータ実装の方法である。
図12A及び12Bに示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のシステムのみについて、以下でまとめて説明される。以下に説明される方法の各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかのシステムによって実行できることは、当業者には明らかであろう。
【0113】
ステップ1205において、ウェブブラウザで開いたユニバーサルビューアプリケーションを有する複数のネットワーク内ヘルスケア施設の1つで医療サーバ(「ローカル医療サーバ」)と結合されたローカルコンピュータは、ユーザから指定されたユーザIDとユーザ設定パスワードを受信する。
【0114】
ステップ1210において、1つ又は複数の医療データが第1のローカルコンピュータ上のユニバーサルビューアを介し統合ビューとして提示される。1つ又は複数の実施形態では、統合ビュー内の医療データは所定の患者と関連付けられた医療データ統合要求(「統合要求」)から取り出された医療データに基づく。
【0115】
1つ又は複数の実施形態では、統合ビュー内の医療データは、ユーザがユニバーサルビューアにログインした際にユニバーサルビューアによってデータ統合コントローラに送信された自動統合要求に基づき取り出され得る。1つ又は複数の実施形態では、ユニバーサルビューアによって送信された自動統合要求はデータ統合コントローラに結合された統合データストレージに格納された以前の統合要求の情報(「統合履歴データ」)に基づいても良い。
【0116】
1つ又は複数の実施形態では、統合ビュー内の医療データは、ユニバーサルビューアを介しユーザによってサブミットされた手動統合要求に基づいて取り出され得る。この段階で、ユーザは統合ビュー内に提示されたすべての医療データを検討することができる。
【0117】
ステップ1215において、ローカル医療サーバはユーザの入力(すなわち、ユーザからの命令)がローカルコンピュータによって受信されたか否かを決定する。
【0118】
ステップ1220において、ローカル医療サーバは受信されたユーザの入力が統合をキャンセルする命令であるか否かを決定する。
【0119】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが統合ビュー内の医療データをチェックし、統合ビュー内に提示された任意の医療データが所定の患者とは異なる患者(「無関係の患者」)と関連付けられているか否かを決定する。統合ビューが無関係の患者と関連付けられた医療データを含む可能性は低いものの、1つ又は複数の実施形態では、そのような状況はそれでも起こり得る。この状況が起こった場合、無関係の患者と関連付けられたすべての医療データが取り出され、所定の患者の医療データと統合されてしまっているだろう。したがって、すべての無関係のデータを選択するのではなく、ユーザはその代わり、現在の統合ビューをキャンセルし、後の統合要求で送信される検索基準(すなわち、検索キー)を修正することができる。
【0120】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、チェックの結果を検討し、結果に基づいてローカルコンピュータに命令を入力することができる。
図11A及び11Bを参照して示されたステップ1130において説明されたように、医療データが医療情報としてリストビューで表示される際に、すべての医療データの実際の統合の前に、ユーザはチェックを実行しても良い。これにより、ユーザの時間とローカル医療サーバのリソースが確実にキャンセルされる統合に浪費されないよう、ユーザは統合キャンセルとなるであろう統合を防ぐことができる。
【0121】
ステップ1220の決定の結果がYESである場合、ローカル医療サーバは、ステップ1225において、ユニバーサルビューアに表示された統合ビューに対し後処理を実行して、統合ビューをキャンセルする。
【0122】
ステップ1230において、ローカル医療サーバは、ローカル医療サーバに結合されたローカル医療リポジトリ内に格納された統合ビューで提示されたすべての医療データと関連付けられたデータを削除することができる。
【0123】
ステップ1235において、ローカル医療サーバは、ローカル医療サーバに含まれる情報付加コントローラのストレージ内にキャンセルされた統合ビューの条件を保存する。1つ又は複数の実施形態では、ローカル医療サーバに保存された条件は、医療データ統合要求で送信された検索キーで所定の患者と関連付けられた情報及びキャンセルされた統合ビューに含まれたすべての医療データに関連付けられた情報を含む。1つ又は複数の実施形態では、追加ストレージユニットに格納された条件は、ローカル医療サーバによってデータ統合コントローラに送信され、統合履歴データとして統合データリポジトリに格納される。
【0124】
1つ又は複数の実施形態では、後の統合要求がローカル医療サーバによってデータ統合コントローラに送信される際、データ統合コントローラは後の統合要求に含まれる検索キーを統合データリポジトリに格納された統合履歴データと比較する。
【0125】
1つ又は複数の実施形態では、ローカル医療サーバは、後の自動統合要求のいずれにおいても統合ビューキャンセルとなるような統合要求の検索キーと同一の検索キーはそれ以上使用しない。
【0126】
1つ又は複数の実施形態では、新しい統合要求の検索キーが統合ビューキャンセルとなった統合要求の検索キーと同一であって、その統合要求がユーザによる手動要求であった場合、ユーザの統合要求が以前統合ビューキャンセルとなったことをユーザに知らせるポップアップウィンドウがユニバーサルビューアに現れる。すると、現在の統合要求の送信を続けるか、又は検索キーの情報を修正するかの選択がユーザに提示される。
【0127】
ステップ1220における決定の結果がNOであった場合、ローカル医療サーバは、ステップ1245において、受信されたユーザの入力が統合ビューに提示された特定の医療データを削除する命令であるか否かを決定する。
【0128】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、統合ビュー内の医療データをチェックし、不必要又は使用不可能な医療データが現行の検査のための統合ビュー中の医療データに含まれているか否かを決定することができる。1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、結果を検討してチェックの結果に基づいてローカルコンピュータに命令を入力することができる。例えば、現行の検査に不必要又は使用不可能なデータは、古いデータ、医療データのメタデータ内に埋め込まれた医療レポート中の不完全な医療情報を含む医療データ、及び再撮影を必要とする質の悪い医療画像を含む医療データを含み得る。医療データのメタデータ内に含まれる情報は
図5A及び5Bを参照して説明される。
【0129】
ステップ1245における決定の結果がYESである場合、ローカル医療サーバは、ステップ1250において、ユニバーサルビューアに表示された統合ビューに対し後処理を実行し、特定の医療データを削除する。1つ又は複数の実施形態では、統合ビューから削除されたすべての医療データに関連付けられたデータが永久にローカル医療サーバの医療リポジトリから削除される。
【0130】
ステップ1255において、ローカル医療サーバは、付加情報ストレージに統合ビューから削除された医療データの条件を保存する。1つ又は複数の実施形態では、ローカル医療サーバによって保存された条件は、削除された医療データのメタデータからの固有の情報に関連付けられた情報を含む。1つ又は複数の実施形態では、付加ストレージユニットに格納された条件は、ローカル医療サーバによってデータ統合コントローラへ送信され、統合履歴データとして統合データリポジトリに格納される。
【0131】
1つ又は複数の実施形態では、統合ビューが同じ所定の患者のために生成される際、データ統合コントローラは以前にユーザによって削除されていない医療データのみを統合する。これにより、同じ患者用の後に生成された統合ビューには古い医療データを含まず、不完全な医療情報を含まず、再撮影を必要とする質の悪い医療画像を含まない(すなわち、当該患者用の後に生成された統合ビューはユーザが以前不必要又は使用不可能と判断したデータは含まない)ことが保障され、そしてそれは、ユーザが調べる必要のあるデータの量を減らすことで、ユーザの利便性を高める。また、このことは、ユーザに必要とされる医療データのみが統合されることが保障され、そしてそれは、所定の患者に関連付けられたすべての医療データを統合するのに比べ、必要とするストレージのスペースの量を減少させる。
【0132】
ステップ1245における決定の結果がNOである場合、ローカル医療サーバはステップ1265において、受信されたユーザの入力が、後の統合の後処理に対する命令であるか否かを決定する。
【0133】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザは統合ビュー内の医療データをチェックし、後の統合(すなわち、患者の次の通院、検査又は診断)に不必要な医療データがあるか否かを決定する。1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、チェックを実行しチェックの結果に基づいてローカルコンピュータに命令を入力することができる。1つ又は複数の実施形態では、不必要なデータは、所定の患者の次の通院での診断を実行するのにもはや使用することもなければ有用でもないと結論付ける医療データを含み得る。例えば、所定の患者の統合ビューが同じ手首の骨折に関連付けられた5つの医療データを含む場合、ユーザは当該所定の患者の医療記録に1つ又は複数のみを残し、ユーザが必要ないと結論付けた残りを削除することを選択しても良い。
【0134】
ステップ1265における決定の結果がNOである場合、ローカル医療サーバは、ステップ1285において、ユーザから受信した、ユニバーサルビューアに含まれた画像レンダリングアプリケーションを用いて残りのデータの各部を編集する命令に従って、後処理を残りの医療データに実行する。1つ又は複数の実施形態では、残りのデータのメタデータは、編集され、現行の通院中に実行された診断に関係する新しい情報を含んでも良く、また、後の通院中に実行される診断に必要とされないとユーザが判断するメタデータの各部を隠したり又はマスクしたりするようデータを処理しても良い。
【0135】
ステップ1290において、統合ビュー内の残りの医療データの編集が完了すれば、ローカル医療サーバは付加情報ストレージユニット及び統合データリポジトリにプリファレンスを保存し(すなわち、編集)、現行の編集は同じ所定の患者用に統合された、後の統合ビューに反映される。残りのデータを編集する後処理を実行することによって、追加のメモが医療データ中に残され、必要のない情報が削除され、後の診断に関係のない医療情報が取り除かれることで、より効果的に後の診断が実行され得ることが保証される。これにより、さらに、離れた場所に格納されている編集についての追加のメモを、次回の診断の前にメモを失うリスクを回避するためにユーザが保持しておく必要がないことも保障される。
【0136】
ステップ1265における決定の結果がYESである場合、ローカル医療サーバは、ステップ1270において、受信されたユーザの入力が統合ビュー内のすべての残りの医療データが後の統合に不要であることを示しているか判断する。
【0137】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、統合ビュー内の残りの医療データをチェックし、統合ビュー内のすべての残りの医療データが後の統合に不必要であるか否かを決定する。1つ又は複数の実施形態では、チェックはユーザによって実行され、チェックの結果に基づいてユーザはローカルコンピュータに命令を入力する。
【0138】
ステップ1270における決定の結果がYESである場合、ステップ1275においてすべての残りの医療データは統合ビューから削除され、条件は付加情報ストレージユニットと統合データリポジトリに統合履歴データとして保存される。1つ又は複数の実施形態では、同じ所定の患者用に後の統合ビューが生成される際、利用可能な唯一の医療データはユーザが依然に不必要であると決定していない新しい医療データのみとなる。
【0139】
ステップ1270において決定の結果がNOである場合、ステップ1280において、後の統合に必要でない統合ビュー内の残りの医療データの条件は、ローカル医療サーバによって受信される。ローカル医療サーバは付加情報ストレージユニット及び統合データリポジトリに統合履歴データとして条件を保存し、当該方法はローカル医療サーバが残りの医療データに編集を実行するステップ1285へ進む。
【0140】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが後の診断に必要でないと結論付けた残りのデータの中からユーザは医療データを選択する。
【0141】
図13は1つ又は複数の実施形態に従う方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図13に示す方法はコンピュータに実装される方法である。
図13に示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のシステムのみについてまとめて後述される。後述される方法の各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設の任意のシステムによって実行できることは、当業者には明らかであろう。
【0142】
ステップ1305において、ローカルコンピュータのユーザは、異なるネットワーク内ヘルスケア施設のユーザが、現在のユーザが以前に検索を行った患者に関連付けられた医療データを追加又は変更(「更新」)した旨のポップアップ表示メッセージを介して、ローカルコンピュータに開かれたユニバーサルビューアによって通知される。
【0143】
ステップ1310において、ローカルコンピュータは、ユーザが更新された医療データを他のネットワーク内ヘルスケア施設から取り出したいか否かを示す入力をユーザから受信する。1つ又は複数の実施形態では、ローカルコンピュータは、同じ患者について、将来同じユーザが再び同じメッセージを受信したくないことを示す入力をユーザから同時に受信する。
【0144】
ステップ1310におけるチェックの結果がNOの場合、処理は終了する。ステップ1310におけるチェックの結果がYESである場合、ローカルコンピュータは、ステップ1315において、医療サーバを介して、データ統合コントローラに取り出し要求を送信する。1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラは、更新されたデータを含むその要求をネットワーク内ヘルスケア施設に転送する。
【0145】
ステップ1320において、ローカルコンピュータは、更新されたデータを含む要求されたデータをネットワーク内ヘルスケア施設から受信し、ステップ1325において、更新された医療データは、ユーザに表示される。
【0146】
本発明の1つ又は複数の実施形態は、以下の利点の1つ又は複数を有し得る:患者に関連付けられた単純な情報のみで患者の医療情報の検索を行う能力;各ヘルスケア施設が異なる医療データストレージシステムを実装し、異なるタイプのネットワークを利用しても、ネットワークの一部であるすべてのヘルスケア施設から医療データを取り出す能力;どの医療データを検索するか選択する機能を医療従事者に提供する能力;ユーザが必要としない医療データを取り出さないことにより、ネットワーク内ヘルスケア施設、医療サーバ、及び各ネットワーク内ヘルスケア施設の医療リポジトリの間の接続に大きな負担がかかるのを防止する能力;以前格納された統合履歴データに基づいて自動医療データ統合要求を送信することにより医療従事者に課せられる負担を軽減する能力;不必要な医療データを取り除くことにより現在及び未来の診断の効率を高め、ローカル医療リポジトリに課せられる負担を軽減するために、統合医療データを医療従事者が精選することができるよう、ほかのネットワーク内ヘルスケア施設からの統合された医療データに対し後処理を実行する機能を医療従事者に提供する能力;実行された後処理の条件を保存し、保存した後処理の条件を後の医療データ統合要求に適用することにより、同じ患者の未来の診断における医療従事者の効率及び負担を高める能力;などである。
【0147】
本発明を限定された数の実施形態に関して説明してきたが、本開示の利益を有する当業者は、ここに開示されるような本発明の要旨から逸脱しない他の実施形態を考案することができることを理解するであろう。したがって、本発明の要旨は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。