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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】車両用クリーナ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20220810BHJP
   B60S 1/52 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
B60S1/52
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018046453
(22)【出願日】2018-03-14
(65)【公開番号】P2019156210
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 靖洋
(72)【発明者】
【氏名】三浦 理一郎
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-074844(JP,A)
【文献】特開2003-182536(JP,A)
【文献】特開2003-182534(JP,A)
【文献】特開2006-335274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00-1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体パネルの一部に形成された開口部内に設けられる筒状の第1ブラケットと、
前記第1ブラケットに支持されるシリンダと、前記シリンダに対して進退自在に支持されるピストンとを有するアクチュエータと、
前記ピストンの先端近傍に設けられて前記ピストンが前記開口部から突出された状態で前記車両の被洗浄物へ洗浄液を噴射する噴射ノズルと、
前記ピストンの先端に設けられて前記ピストンが前記シリンダ内に引き込まれた状態で前記開口部を塞ぐカバーと、
前記車体パネルに取り付け可能であって、前記第1ブラケットと係合された状態で前記アクチュエータを前記開口部に対して位置決めする第2ブラケットと、
を備え、
前記第1ブラケットは、前記ピストンの進退方向に対して互いに回転対称の位置に配置された第1取付部と第2取付部とを有し、前記第1取付部と前記第2取付部とにより前記車体パネルに取り付け可能であ
前記第1ブラケットは、前記第2ブラケットに対して前記アクチュエータを位置決めするための枠形状の第1位置決め部を有し、
前記第2ブラケットは、前記第1位置決め部の前記枠形状に応じた枠形状を備えた第2位置決め部と、前記第2位置決め部の一方の開口端から外方に延びる板状の固定面部と、を有し、
前記固定面部が前記車体パネルの背面に接着固定されることにより、前記第2ブラケットが前記車体パネルに取り付けられる、車両用クリーナ。
【請求項2】
前記第1ブラケットは、前記第1位置決め部としての第1矩形枠体を有し、
前記第2ブラケットは、前記第1矩形枠体の形状に応じた形状を備えた前記第2位置決め部としての第2矩形枠体を有している、請求項に記載の車両用クリーナ。
【請求項3】
前記第1ブラケットは、前記ピストンの進退方向に沿って延びる前記第1位置決め部としてのガイド凸部を有し、
前記第2ブラケットは、前記進退方向に沿って延び前記ガイド凸部が挿通可能な、前記第2位置決め部としてのガイド溝を有している、請求項またはに記載の車両用クリーナ。
【請求項4】
前記第2ブラケットは、前記ピストンの進退方向に沿って前記第1ブラケットが前記第2ブラケットに係合される際に、前記第1ブラケットが突き当てられる突き当て面を有している、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用クリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用クリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のヘッドランプクリーナが特許文献1などに知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-151089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のヘッドランプクリーナは、筒状のシリンダと、シリンダに摺動自在に支持されたピストンと、ピストンの先端に設けられた噴射ノズルおよびノズルカバーと、ピストンを車両のバンパに対して位置決めするためのブラケットと、を有している。このヘッドランプクリーナにおいて、ブラケットがバンパから脱落した場合に、当該ブラケットがピストンの円滑な作動を阻害する可能性がある。
【0005】
本発明は、アクチュエータを位置決めするためのブラケットが車体パネルから脱落した場合であっても、アクチュエータの作動を阻害することのない車両用クリーナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の車両用クリーナは、
車両の車体パネルの一部に形成された開口部内に設けられる筒状の第1ブラケットと、
前記第1ブラケットに支持されるシリンダと、前記シリンダに対して進退自在に支持されるピストンとを有するアクチュエータと、
前記ピストンの先端近傍に設けられて前記ピストンが前記開口部から突出された状態で前記車両の被洗浄物へ洗浄液を噴射する噴射ノズルと、
前記ピストンの先端に設けられて前記ピストンが前記シリンダ内に引き込まれた状態で前記開口部を塞ぐカバーと、
前記車体パネルに取り付け可能であって、前記第1ブラケットと係合された状態で前記アクチュエータを前記開口部に対して位置決めする第2ブラケットと、
を備え、
前記第1ブラケットは、前記ピストンの進退方向に対して互いに回転対称の位置に配置された第1取付部と第2取付部とを有し、前記第1取付部と前記第2取付部とにより前記車体パネルに取り付け可能である。
【0007】
本開示によれば、アクチュエータを位置決めするためのブラケット(第2ブラケット)が車体パネルから脱落した場合であっても、アクチュエータの作動を阻害することのない車両用クリーナを提供することができる。
【0008】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記第1ブラケットは、前記第2ブラケットに対して前記アクチュエータを位置決めするための第1位置決め部を有し、
前記第2ブラケットは、前記第1位置決め部の形状に応じた形状を備えた第2位置決め部を有していてもよい。
【0009】
この構成によれば、第1位置決め部と第2位置決め部とを係合させることで、アクチュエータを車体パネルの開口部に対して容易に位置決めすることができる。
【0010】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記第1ブラケットは、前記第1位置決め部としての第1矩形枠体を有し、
前記第2ブラケットは、前記第1矩形枠体の形状に応じた形状を備えた前記第2位置決め部としての第2矩形枠体を有していてもよい。
【0011】
第1位置決め部および第2位置決め部としてこれらの構成を備えていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記第1ブラケットは、前記アクチュエータの進退方向に沿って延びる前記第1位置決め部としてのガイド凸部を有し、
前記第2ブラケットは、前記進退方向に沿って延び前記ガイド凸部が挿通可能な、前記第2位置決め部としてのガイド溝を有していてもよい。
【0013】
第1位置決め部および第2位置決め部としてこれらの構成を備えていることが好ましい。
【0014】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記第2ブラケットは、前記アクチュエータの進退方向に沿って前記第1ブラケットが前記第2ブラケットに係合される際に、前記第1ブラケットが突き当てられる突き当て面を有していてもよい。
【0015】
この構成によれば、アクチュエータの進退方向におけるアクチュエータの位置を、例えばアクチュエータの先端に固定されるカバーが車体パネルに対して面一となるような位置に容易に位置決めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アクチュエータを位置決めするためのブラケットが車体パネルから脱落した場合であっても、アクチュエータの作動を阻害することのない車両用クリーナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る車両用クリーナの斜視図である。
図2】車両用クリーナの分解斜視図である。
図3】車両用クリーナの第1ブラケットの正面図である。
図4】第1ブラケットの底面図である。
図5】車両用クリーナの縦断面図である。
図6】車両用クリーナの横断面図である。
図7】車両用クリーナの噴射ノズルのポップアップ状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る車両用クリーナの一例について、図面を参照して説明する。なお、本例における「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」とは、図に示す車両用クリーナについて、説明の便宜上、設定された相対的な方向である。
【0019】
図1は、車両のバンパ100(車体パネルの一例)に取り付けられた車両用クリーナ1(以下、クリーナ1と称す)を左上後方から観察した斜視図である。図2は、図1に示すクリーナ1の分解斜視図である。クリーナ1は、車両に搭載される灯具(例えば、ヘッドランプ)に洗浄液を噴き付けて、灯具に付着した汚れや雪を除去して灯具を洗浄するためのクリーナである。
【0020】
図1および図2に示すように、クリーナ1は、第1ブラケット2と、第1ブラケット2に支持されるアクチュエータ3と、第1ブラケット2に係合される第2ブラケット5と、アクチュエータ3の先端に設けられるノズルカバー6(カバーの一例)と、を備えている。なお、車両の灯具110(被洗浄物の一例)は、クリーナ1の上方に配置されている(図5参照)。
【0021】
第1ブラケット2は、車両のバンパ100の一部に形成された例えば矩形状の開口部101内に設けられる筒状のブラケットである。第1ブラケット2は、第1矩形枠体21(第1位置決め部の一例)と、第1矩形枠体21の後部から左右に延びる第1取付部22aおよび第2取付部22bと、第1矩形枠体21から後方へ延びる円筒枠体23と、を有している。
【0022】
アクチュエータ3は、第1ブラケット2の第1矩形枠体21内および円筒枠体23に挿通されて、第1ブラケット2に固定されている。アクチュエータ3が有するピストン32(図5参照)は、アクチュエータ3の中心軸Lに沿って前後方向へ進退可能である。
【0023】
第2ブラケット5は、第1ブラケット2とバンパ100との間に配置されるブラケットである。第2ブラケット5は、第2矩形枠体51(第2位置決め部の一例)と、第2矩形枠体51の前側に取り付けられている前板部52と、を有している。
【0024】
前板部52には、バンパ100の開口部101に対応する形状、例えば矩形状で、開口部101よりもひと回り小さな大きさの開口部53が形成されている。
【0025】
第2矩形枠体51は、天板と底板と左右側板とで形成され、前後方向が開放された構造の矩形枠体である。第2矩形枠体51の前後方向に開放する開口の大きさは、第1ブラケット2の第1矩形枠体21が第2矩形枠体51内に挿入することが可能な大きさに形成されている。また、第2矩形枠体51のこの開口の大きさは、前板部52の開口部53よりも僅かに大きく形成されている。
【0026】
前板部52は、開口部53の縁部が第2矩形枠体51の前側開口の周辺部を僅かずつ塞いだ状態で第2矩形枠体51の前側に取り付けられている。このため、第2矩形枠体51の後側開口から第2矩形枠体51内を観察したとき、前板部52の開口部53における縁部背面55(突き当て面の一例)が第2矩形枠体51の内側に向かって僅かずつ張り出した構成になっている。
【0027】
前板部52は、バンパ100の開口部101の周辺部を塞いだ状態でバンパ100の背面に固定されている。前板部52は、例えば、前板部52の前面に取り付けた両面テープ54等の接着剤でバンパ100の背面に固定されている。また、前板部52の前面には、バンパ100の開口部101に対する第2ブラケット5の位置を決めるための突起部57が設けられている(図5から図7参照)。突起部57は、開口部101の形状に対応して矩形の枠状に形成されている。
【0028】
第2矩形枠体51の左右側板には、アクチュエータ3の進退方向である中心軸Lに沿って前後方向に延びるガイド溝56(第2位置決め部の一例)が形成されている。ガイド溝56には、第1ブラケット2の第1矩形枠体21に形成されているガイド凸部24(図3で後述する)が挿通可能である。
【0029】
ノズルカバー6は、アクチュエータ3の先端に取り付けられている。ノズルカバー6は、バンパ100の開口部101を塞ぐことが可能なカバーである。
【0030】
また、バンパ100には、第1ブラケット2を取り付けるためのフランジ102が設けられている。フランジ102は、例えば、車体パネルを構成する一部品として用いられる。第1ブラケット2は、第1取付部22aと第2取付部22bとがフランジ102に、例えば、ネジ27によりネジ止めされることによって取り付けられている。これにより、第1ブラケット2は、フランジ102を介して、バンパ100に固定される。
【0031】
図3は、第1ブラケット2の正面図である。また、図4は、第1ブラケット2の底面図である。
図3および図4に示すように、第1ブラケット2の第1矩形枠体21は、天板と底板と左右側板とで形成される矩形枠体であり、第1矩形枠体21の前方向は、開放されている。第1矩形枠体21内には、アクチュエータ3の先端近傍に設けられた噴射ノズル41が収容されている。噴射ノズル41は、車両の灯具110に向けて洗浄液を噴射可能なノズルである。
【0032】
第1矩形枠体21の左右側板には、アクチュエータ3の進退方向である中心軸Lに沿って前後方向に延びるガイド凸部24(第1位置決め部の一例)が設けられている。ガイド凸部24は、例えば、側板から垂直に立ち上がる軸部24aと、軸部24aの先端部から軸部24a方向に対して垂直に延びる押え部24bとで構成されている。第1ブラケット2と第2ブラケット5とは、第1矩形枠体21が第2矩形枠体51内に挿入されるとともに、第1矩形枠体21のガイド凸部24における軸部24aが第2矩形枠体51のガイド溝56に挿通されることで係合される。
【0033】
第1取付部22aと第2取付部22bには、ネジ孔25aと25bがそれぞれ設けられている。ネジ孔25a,25bには、フランジ102との取り付けのために用いられるネジ27が挿通される。第1取付部22aと第2取付部22bとは、アクチュエータ3の進退方向である中心軸Lに対して互いに回転対称の位置に配置されている。本例では、第1取付部22aと第2取付部22bは、フランジ102に固定するために左右方向へ延びる平板状に形成されている。
【0034】
なお、第1取付部22aおよび第2取付部22bの形状は、平板状には限定されない。また、第1取付部22aと第2取付部22bは、フランジ102を介さずにバンパ100に固定できるように構成されていてもよい。その場合、第1取付部22aと第2取付部22bは、例えば、バンパ100に固定するためにバンパ100の形状に合わせた所定の形状に形成されてもよい。
【0035】
円筒枠体23は、アクチュエータ3の設置方向を決める枠体であり、円筒枠体23内にはアクチュエータ3が挿通されている。
【0036】
図5は、クリーナ1の中心軸Lを通って縦方向に切断した縦断面図である。図6は、クリーナ1の中心軸Lを通って横方向に切断した横断面図である。図7は、図6におけるクリーナ1の噴射ノズル41を突出させた状態を示す図である。
図5から図7に示すように、クリーナ1のアクチュエータ3は、筒状に形成されたシリンダ31と、シリンダ31の内部に摺動自在に支持されるピストン32と、を有している。ピストン32は、シリンダ31に対し、アクチュエータ3の中心軸Lに沿って前後方向に進退動作可能である。
【0037】
ピストン32の先端には、ノズルカバー6が取り付けられている。ノズルカバー6は、ピストン32がシリンダ31内に引き込まれた状態でバンパ100の開口部101を塞ぐように構成されている(図5図6参照)。すなわち、ノズルカバー6は、ピストン32がシリンダ31内に引き込まれた状態でバンパ100と面一となる位置に配置される。
【0038】
また、ピストン32の先端近傍であって上記ノズルカバー6の後側には、噴射ノズル41が設けられている。本例では、ピストン32の先端部における左右に一対の噴射ノズル41が設けられている(図6図7参照)。これらの噴射ノズル41は、それぞれ噴射口を有しており、ピストン32がバンパ100の開口部101から突出された状態で、噴射口から水や洗剤などの洗浄液を灯具110へ向けて噴射させる(図7参照)。
【0039】
上記の構成のクリーナ1の組立方法は以下の通りである。まず、第2ブラケット5を、バンパ100の開口部101に突起部57を合わせるようにして、前板部52の前面に取り付けた両面テープ54でバンパ100の背面に固定する。次に、開口部101に位置決め固定された第2ブラケット5の第2矩形枠体51内に第1矩形枠体21を挿入するとともに、第2矩形枠体51のガイド溝56に第1矩形枠体21のガイド凸部24を挿通する。これにより、第1ブラケット2が第2ブラケット5に係合される。また、第1矩形枠体21が第2矩形枠体51内に挿入されることで、第1矩形枠体21を構成する天板、底板および左右側板の各前面が、第2矩形枠体51の内側に張り出している前板部52の開口部53における縁部背面55に突き当てられる。そして、第1ブラケット2の第1取付部22aと第2取付部22bをフランジ102にネジ止めすることで、フランジ102を介して第1ブラケット2をバンパ100に固定する。このようにして組立てられたクリーナ1においては、第1ブラケット2のガイド凸部24が第2ブラケット5のガイド溝56に挿通された状態で、第1ブラケット2がフランジ102を介してバンパ100に固定されることで、第2ブラケット5は、バンパ100と第1ブラケット2との間で保持される。
【0040】
なお、本例では、クリーナ1を、灯具110(例えば、ヘッドランプ)を洗浄するクリーナとして説明したが、これに限定されない。例えば、クリーナ1は、車載センサ、車載カメラ等のクリーナとして適応することも可能である。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係るクリーナ1は、バンパ100に形成された開口部101内に設けられる筒状の第1ブラケット2と、第1ブラケット2に支持されるシリンダ31と、シリンダ31に対して進退自在に支持されるピストン32とを有するアクチュエータ3と、ピストン32の先端近傍に設けられてピストン32が開口部101から突出された状態で灯具110(被洗浄物の一例)へ洗浄液を噴射する噴射ノズル41と、ピストン32の先端に設けられてピストン32がシリンダ31内に引き込まれた状態で開口部101を塞ぐノズルカバー6と、バンパ100に取り付け可能であって第1ブラケット2と係合された状態でアクチュエータ3を開口部101に対して位置決めする第2ブラケット5と、を備えている。そして、第1ブラケット2は、ピストン32の進退方向(アクチュエータ3の中心軸L)に対して互いに回転対称の位置に配置された第1取付部22aと第2取付部22bと、を有し、第1取付部22aと第2取付部22bによりバンパ100に取り付け可能である。この構成によれば、第1ブラケット2の第1取付部22aと第2取付部22bとがピストン32の進退方向に対して互いに回転対称の位置に配置されているため、アクチュエータ3を第1取付部22aと第2取付部22bとでバンパ100に対して確実に固定することができる。また、アクチュエータ3の開口部101への位置決めのために用いられる第2ブラケット5が、アクチュエータ3をバンパ100へ固定するための第1ブラケット2とは独立して設けられている。すなわち、第2ブラケット5は、アクチュエータ3をバンパ100に固定するための機能を担うものではない。そのため、例えば、第2ブラケット5の前板部52の両面テープ54が剥がれて第2ブラケット5がバンパ100から脱落した場合であっても、第1ブラケット2の第1取付部22aと第2取付部22bとによりアクチュエータ3を確実に固定しているため、脱落した第2ブラケット5がアクチュエータ3の作動を阻害することを防止することができる。
【0042】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、例えば、シリンダ31内部に摺動自在に支持されているピストン32を適正な向きに支持することができるので、アクチュエータ3をスムーズに進退動作させることができる。
【0043】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、第2ブラケット5の前板部52に設けられた矩形枠状の突起部57をバンパ100の開口部101の内側に入り込ませ、開口部101の内周面に突起部57の外周面が接するように第2ブラケット5が取り付けられる。これにより、バンパ100に対して第2ブラケット5を正確に位置決めすることができる。
【0044】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、第2ブラケット5の第2矩形枠体51内に第1矩形枠体21を挿入するとともに、第2矩形枠体51のガイド溝56に第1矩形枠体21のガイド凸部24を挿通することで、第1ブラケット2が第2ブラケット5に係合される。これにより、位置決め固定された第2ブラケット5に対して、第1ブラケット2を正確に位置決めすることができる。そして、第1ブラケット2に固定されているアクチュエータ3をバンパ100の開口部101に対して適正な位置に取り付けることができる。
【0045】
また、第1矩形枠体21を構成する天板、底板および左右側板の各前面が、第2矩形枠体51の内側に張り出している前板部52の開口部53における縁部背面55に突き当てられることで、ピストン32の先端に取り付けられているノズルカバー6をバンパ100に対して正確に位置決めすることができる。具体的には、ピストン32がシリンダ31内に引き込まれた状態で、ノズルカバー6をバンパ100に対して面一となるようにして、バンパ100の開口部101を塞ぐことができる。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0047】
1:クリーナ、2:第1ブラケット、3:アクチュエータ、5:第2ブラケット、6:ノズルカバー(カバーの一例)、21:第1矩形枠体(第1位置決め部の一例)、22a:第1取付部、22b:第2取付部、23:円筒枠体、24:ガイド凸部(第1位置決め部の一例)、31:シリンダ、32:ピストン、41:噴射ノズル、51:第2矩形枠体(第2位置決め部の一例)、52:前板部、53:開口部、54:両面テープ、55:縁部背面(突き当て面の一例)、56:ガイド溝(第2位置決め部の一例)、57:突起部、100:バンパ(車体パネルの一例)、101:開口部、110:灯具(被洗浄物の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7