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特許7121525メータユニットの位置決め固定方法と、これに用いる固定機構部材
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  • 特許-メータユニットの位置決め固定方法と、これに用いる固定機構部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】メータユニットの位置決め固定方法と、これに用いる固定機構部材
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018084704
(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2019190147
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073623
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 幸吉
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】細谷 晋太郎
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-348516(JP,A)
【文献】実開平01-165811(JP,U)
【文献】実開昭56-015813(JP,U)
【文献】実開昭48-052858(JP,U)
【文献】特開2004-124371(JP,A)
【文献】特開2015-183409(JP,A)
【文献】登録実用新案第3191037(JP,U)
【文献】特開2011-153488(JP,A)
【文献】米国特許第05823577(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータボックスの下枡に載置するベースフレーム上に止水栓、或いは、逆止弁、又は、止水栓と逆止弁の両方を設定固定し、これをユニットとしてメータボックスの下枡内の所定位置に位置決め、固定可能に構成し、メータボックスの下枡の底板に設けた貫通穴とベースフレームの底部孔に嵌合する弾性素材の固定機構部材の固定機構部材張出し部とベースフレームの底部長孔への側面嵌合、固定機構部材下面突起と下枡底板の貫通穴への係合によってメータボックス内の所定位置に位置決め、固定するように構成したメータユニットの位置決め、固定方法。
【請求項2】
ゴム等の弾性素材によって構成され、固定機構部材の本体胴部の、上流側の両側に1次側張出し、下流側の両側に2次側張出しが形成され、これがベースフレームの底部長孔の側面に嵌合し、嵌合突起のメータボックスの下枡の貫通穴への嵌合と相俟ってメータボックスの下枡と固定機構部材、固定機構部材とベースフレームの嵌合を図るようにしたメータユニットの固定機構部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータボックス内の所定位置に止水栓、逆止弁等を設定固定し、これをユニットとしてメータボックス内の所定位置に位置決め、固定するメータユニットの位置決め固定方法と、その位置決め、固定方法に用いる固定機構部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メータボックス内にメータユニットを設置する際に、メータユニットがメータボックスの適切な位置に配置されていないと、メータ交換等の作業に支障を来たし、多くの時間と無駄な労力を費やさざるを得ないという問題があった。
【0003】
従来、このような問題に対して、例えば特許文献1記載のように、スポンジゴムで作った緩衝材をメータユニットのベースの両端部分に接着剤を用いて接合しメータボックスの側壁部と接触させるように載置することで、メータボックス内でのメータユニットの長手方向の動きを抑制してメータユニットを位置決め固定する方法が採られてきた。
【0004】
しかしながら、この方法の場合、設置時に限らず何らかの原因により緩衝材の接着が剥がれた際に緩衝材としての性能が発揮されない恐れがあり、また、ベース両端に接合される緩衝材の両端面間の長さが決まっているため、緩衝材の性能を発揮する上で、設置するメータボックスの長手方向の長さが制約される問題がある。
【0005】
また、更なる対応として特許文献2記載のように、金属板にボルトを溶着した固定板の上に、メータボックスの底板とメータユニットのベースをそれぞれに設けられた貫通穴にボルトを嵌め合わせて載置し、ナットで締め付けて締結する方法も行われた。この方法の場合、コストが高くなるうえ、取付けの際にレンチ等の工具が必要となる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】登録実用新案第3191037号公報
【文献】特開2015-183409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
止水栓、逆止弁等から成るメータユニットがメータボックス内の適切な位置に配置できていないと、配管端末とメータユニットとの間にずれを生じて接合作業が面倒になるほか、メータ交換等の作業にも多くの時間と労力を要することになる。
【0008】
本発明は、メータボックス内におけるメータユニットの位置決め及び固定を簡便に行えない問題に対処し、従来、ベース両端に接合される緩衝材の両端面間の長さが決まっていることによるメータボックスの長手方向の長さの制約問題にも対処するものである。
【0009】
更に、従来、メータボックス内に流水方向の1次側と2次側を示す明確な指標が存在しなかったため、メータや部材の逆付けという重大な問題を招きかねない恐れもあった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記した課題に対応しようとするものであり、メータボックス内の所定位置に設定するため、下枡に載置するベースフレームに止水栓、逆止弁等を設定固定し、これをユニットとしてメータボックスの下枡内の所定位置に位置決め、固定可能に構成したメータユニットとして構成し、これをメータボックスの下枡の底板に設けた貫通穴に嵌合する弾性素材の固定機構部材によってメータボックス内の所定位置に位置決め、固定するように構成した。
【0011】
この構成により、メータボックス内にメータユニットを仮載置後、ベースフレームとメータボックスの下枡に固定機構部材を嵌め合わせてメータボックス内の所定位置にメータユニットを装着することになるので、メータボックス内におけるメータユニットの位置調整が可能となり、適切な位置への位置決めと固定が可能となった。
【0012】
更に、固定機構部材の装着はメータボックスの底板中央又はその近傍に行われるので、メータボックスの長手方向の長さに制約がなく装着部位の位置決めが可能となるほか、弾性素材が用いられているため、ベースフレームの塗装による塗装厚さのばらつきが生じるような際にも固定機構部材の拡縮により寸法差の吸収が行われ、寸法差の許容範囲が拡張される。また、弾性素材の使用により従来よりも安価となり、手で嵌め込むだけの簡易な使用方法のため工具も不要である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように構成したことにより、従来、多大な時間と労力を要したメータボックス内におけるメータユニットの位置決めと固定について固定機構部材の嵌合わせによって簡易迅速に行える効果があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例を示すもので、固定機構部材下面に設定された嵌合突起を嵌合する貫通穴の設定状況を示すメータユニットを載置する前のメータボックスの下枡の平面図。
図2】同じく、メータボックスの下枡にメータユニットを載置固定した状態を示す、ベースフレームと下枡部分を断面とした構造を示す要部縦断面正面図。
図3】同じく、メータボックスの下枡にメータユニットを載置固定した状態を示すメータボックスの下枡の全体平面図。
図4】同じく、メータユニットに設定された進退支持部材とメータ受け支持部材及び固定機構部材の配置状況を示す同部材の平面図。
図5】同じく、メータユニットに止水栓、水道メータ、逆止弁等を設定した状態を示す同部材の正面図。
図6】同じく、ベースフレームとメータボックスの下枡に対する固定機構部材嵌合突起の嵌合状態を示す図3におけるA-A断面図。
図7】同じく、固定機構部材の形状を示す同部材の平面図。
図8】同じく、固定機構部材の形状を示す同部材の正面図。
図9】同じく、固定機構部材の形状を示す同部材の右側面図。
図10】同じく、固定機構部材の形状を示す同部材の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
1はメータボックスの下枡で、中央部長手方向に固定機構部材5の下面に設定された嵌合突起51を嵌合する貫通穴11が1次側11aと2次側11bに別れて設定されている。12は水抜き穴である。
【0016】
固定機構部材5の下面に設定された嵌合突起51は、本体胴部の1次側端部又はその近傍と2次側端部又はその近傍に突設され、1次側突起51aが貫通穴11aに、2次側突起51bが貫通穴11bにそれぞれ嵌合する。なお、本体胴部の上面には流水方向を示す矢印54が表示され、流水方向を確認できるようになっている。また、同部には、更に、使用する水道メータの呼び径を表示しても良い。なお、固定機構部材5の下面に設定された嵌合突起は、ボックス下枡の形状により1又は複数としても良い。
【0017】
固定機構部材5の使用方法として、先ず、メータボックスの下枡1にメータユニットを仮載置する。次に固定機構部材5をベースフレーム4の底部長孔42を通してメータボックスの下枡1の貫通穴11に固定機構部材5の下面に設定された嵌合突起51を嵌合する。または、メータボックスの下枡1に固定機構部材5を嵌め込み、固定機構部材5の本体胴部の張出し部にベースフレーム4の底部長孔42を嵌合固定することも可能であり使用順序は問わない。
【0018】
固定機構部材5は、ゴム等の弾性素材によって構成され、本体胴部の1次側端部又はその近傍の両側に1次側張出し52、2次側端部又はその近傍の両側に2次側張出し53が形成され、これがベースフレーム4の底部長孔42の側面に嵌合し、嵌合突起51のメータボックスの下枡の貫通穴11への嵌合と相俟ってメータボックスの下枡1と固定機構部材5、固定機構部材5とベースフレーム4の安定的嵌合が図られるようになっている。なお、固定機構部材5の本体胴部の張出しは、ベースフレームの形状により1又は複数としても良い。
【0019】
ベースフレーム4は、1次側に止水栓2を備える進退支持部材21、2次側に逆止弁3を内蔵するメータ受け支持部材31を備え、水道用メータMの1次側端部M1を進退支持部材21に、2次側端部M2をメータ受け支持部材31に当接し、進退支持部材21を回動して端部を推進させて水道用メータMを押し、2次側端部M2をメータ受け支持部材31に押し付けることによって進退支持部材21とメータ受け支持部材31の間に水道用メータMを挟着するものである。なお、41はベースフレーム4のメータ逆付防止突起である。
【0020】
水道用メータMの両接合端部とベースフレーム4上に設定された支持部材21、31との位置合わせが完了すると、支持部材21の端部推進により水道用メータMは支持部材21、31との間に挟着支持される。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明に係るメータユニットの位置決め、固定方法と、その位置決め、固定に用いる固定機構部材は、上記のように、メータボックス内におけるメータユニットの位置決め及び固定を簡便に行えない問題に対処し、従来、設置作業性にも問題のあったメータユニットの構成について、作業効率を高めると共に、弾性素材による固定機構部材により設置作業性を高めたもので水道機器産業において利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 メータボックスの下枡
11 メータボックスの下枡の貫通穴
11a 1次側貫通穴
11b 2次側貫通穴
12 下枡の水抜き穴
2 止水栓
21 進退支持部材
3 逆止弁
31 メータ受け支持部材
4 ベースフレーム
41 ベースフレームのメータ逆付防止突起
42 ベースフレームの底部長孔
5 固定機構部材
51 固定機構部材の嵌合突起
51a 固定機構部材の1次側突起
51b 固定機構部材の2次側突起
52 固定機構部材の1次側張出し
53 固定機構部材の2次側張出し
54 固定機構部材の本体胴部の上面の流水方向を示す矢印
M 水道用メータ
M1 水道用メータの1次側端部
M2 水道用メータの2次側端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10