(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】温度処理装置、及び温度処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20220810BHJP
G01J 5/48 20220101ALI20220810BHJP
G01K 7/00 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G01J5/48 A
G01K7/00 301M
(21)【出願番号】P 2018220359
(22)【出願日】2018-11-26
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】根本 晃
(72)【発明者】
【氏名】津田 将太
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅規
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-051503(JP,A)
【文献】特開平09-218100(JP,A)
【文献】久保 克己 他,画像処理技術の適用による原子力発電プラントの監視技術,東芝レビュー,日本,株式会社東芝,1995年08月01日,第50巻 第8号,pp.619~622
【文献】福田 善文 他,3次元CGを利用した統合化変電所監視支援システムの検討,画像電子学会誌,日本,画像電子学会,1997年10月25日,第26巻 第5号,pp.608~617
【文献】石井 裕剛,拡張現実感(AR) 5 応用2:プラント保守作業支援,情報処理,日本,社団法人情報処理学会,2010年04月15日,第51巻 第4号,pp.392~397
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G01J 5/48
G01K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部に撮像される現実物体に対応する3次元モデルを配置する3次元モデル空間の座標系と、前記撮像部の座標系との位置合わせを行う位置合わせ部と、
前記撮像部
の複数の異なる位置から撮像される現実空間の温度分布画像
および現実空間画像を取得する取得部と、
複数の異なる位置毎の前記位置合わせ部による前記位置合わせに基づき、
前記複数の異なる位置から撮像される前記温度分布画像の温度データを前記現実物体に対応する前記3次元モデルの座標に関連付ける処理部と、
前記3次元モデルの座標に関連付けられた前記複数の異なる位置から撮像された前記温度分布画像の温度データを記憶する記憶部と、
前記座標に関連付けられた前記温度データが第1状態であるか否かを判定する判定部と、
前記温度データが前記第1状態であると前記判定部が判定した場合に、前記温度データの温度分布画像を前記現実空間画像及び前記3次元モデルの画像の少なくとも一方と共に表示部に表示する表示処理部と、
を備える温度処理装置。
【請求項2】
前記座標は、前記現実物体の表面に対応する予め設定された3次元座標である、請求項1に記載の温度処理装置。
【請求項3】
前記現実物体はプラントを構成する部材であり、
前記記憶部は、前記プラントの運転状態を示すプロセスデータ、及び時刻の少なくとも一方とも関連付けて、前記温度分布画像の温度データを記憶する、請求項
1に記載の温度処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記現実物体の運転状態を示すプロセスデータに応じて、前記判定を行う、請求項
3に記載の温度処理装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、表示処理部前記位置合わせに基づき、前記温度分布画像の少なくとも一部を対応する前記3次元モデルのエッジ画像と共に表示部に表示する
、請求項1に記載の温度処理装置。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記3次元モデルにおける内部形状のモデルを選択可能に表示する、請求項
1に記載の温度処理装置。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記3次元モデルを選択可能に表示する、請求項
1に記載の温度処理装置。
【請求項8】
前記表示部が設けられたゴーグル型の頭部装着装置を更に備える、請求項
1に記載の温度処理装置。
【請求項9】
撮像部
の複数の異なる位置から撮像される現実空間の温度分布画像を取得する取得工程と、
現実物体に対応する3次元モデルを配置する3次元モデル空間の座標系と前記
複数の異なる位置毎の前記撮像部の座標系との位置合わせを行う位置合わせ工程と、
前記複数の異なる位置毎の前記位置合わせに基づき、
前記複数の異なる位置から撮像される現実空間の前記温度分布画像の温度データを
、前記現実物体
の表面に対応する
予め設定された前記3次元モデルの座標に関連付ける処理工程と、
前記座標に関連付けられた前記温度データが第1状態であるか否かを判定する判定工程と、
を備える温度処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、温度処理装置、及び温度処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラント運転時のプロセス状態を監視するために、測定対象に熱電対、流量、圧力などを計測する計測器を取り付けている。この場合、計測器を取り付けた位置を含む限られた計測範囲における異常の兆候について検出することが可能である。しかし、計測範囲外で流体のリークなど部分的な異常が発生した場合に、異常の兆候について検出することは困難である。
【0003】
このため、赤外線サーモグラフィで撮像した温度分布画像を用いた観察により、広範囲な異常箇所の検出や特定が行われる。この場合、温度分布画像により得られる温度情報が正常なものか異常なものかの判定を行うのは人であり、それには十分な経験と知識を必要とする。このような判定に対し、統計データに基づく、客観的な判定が求められている。この統計データの蓄積には、温度分布画像に含まれる温度データを観察対象である現実物体の表面に対応する座標と関連付けることが必要である。このような関連付けの技術としてパターンマッチングが知られているが、赤外線サーモグラフィの撮像位置が異なると、温度分布画像と現実物体の座標との関連づけの精度が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、現実空間の温度分布データを現実物体の表面に対応する座標に関連付けることが可能な温度処理装置、及び画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る温度処理装置は、撮像部に撮像される現実物体に対応する3次元モデルを配置する3次元モデル空間の座標系と、前記撮像部の座標系との位置合わせを行う位置合わせ部と、前記撮像部に撮像される現実空間の温度分布画像を取得する取得部と、前記位置合わせに基づき、前記温度分布画像の温度データを前記現実物体に対応する前記3次元モデルの座標に関連付ける処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、温度分布画像の温度データを現実物体の表面に対応する座標に関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る温度処理装置の構成を示すブロック図。
【
図2】現実物体に対応する3次元モデルの例を示す図。
【
図4】3次元モデル空間の座標系と、撮像部の座標系との位置合わせ状態を示す概念図。
【
図5】撮像部が
図4と異なる位置に配置された場合の概念図。
【
図6】温度データを現実物体の表面に対応する座標に関連付ける概念図。
【
図7】メッシュモデルの3次元座標に関連付けられた温度データを2次元データとして模式的に示す図。
【
図8】
図7とは異なる撮像位置で撮像された温度データを2次元データとして模式的に示す図。
【
図9】座標に関連付けられた温度データとプロセスデータを示す図。
【
図10】現実物体表面における一軸上の温度分布データを示す図。
【
図11】プロセスデータの情報を加えた判定処理例を説明する図。
【
図12】非定常時の一座標点における温度変化例を示す図。
【
図13】表示処理部が液晶部に表示する画像例を示す図。
【
図15】表示処理部の操作モードの他の例を示す図。
【
図16】内部構造として第1内部構造 が選択された表示例を示す図。
【
図17】表示処理部のモデルを選択する操作モードの例を示す図。
【
図18】航空機に本実施形態に係る温度処理装置を適用した例を示す図。
【
図19】温度処理装置における温度処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る温度処理装置、及び画像処理方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態に係る温度処理装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る温度処理装置1は、現実空間の温度分布データを現実物体の表面に対応する座標に関連付ける装置である。この温度処理装置1は、データ処理装置10と、第1操作部20と、表示部30と、頭部装着映像装置40と、第2操作部50と、マーカ60とを備えて構成されている。
【0011】
データ処理装置10は、例えば、プロセッサを含んで構成され、現実物体に対応する3次元モデルを生成する。本実施形態に係る3次元モデルは、3次元モデル空間内に生成される。この3次元モデル空間の座標系は、現実空間の世界座標系に対応している。データ処理装置10の詳細な構成は後述する。
【0012】
第1操作部20は、データ処理装置10の操作に必要となる情報を入力する。この第1操作部20は、例えばキーボード、マウス、ポインティングデバイスなどにより構成される。
【0013】
表示部30は、例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。表示部30は、データ処理装置10により生成された各種の情報及び頭部装着映像装置40により生成された画像などを表示する。例えば、表示部30は、温度分布画像の少なくとも一部を現実空間画像及び3次元モデル画像の少なくとも一方と共に表示する。
【0014】
頭部装着映像装置40は、例えばウェアラブルコンピュータであり、操作者の頭部に装着するゴーグル型の装置である。この頭部装着映像装置40は、現実空間に配置される現実物体の温度分布画像、及び現実空間画像を撮像し、3次元モデル空間の座標系に配置される三次元モデルと対応させる。この3次元モデル空間の座標系は、世界座標系に対応する。頭部装着映像装置40の詳細な構成は後述する。なお、現実物体又は3次元モデル上における点の位置を示すために与えられる数又は数の組を座標と呼ぶこととする。本実施形態では3次元座標を使用するが、これに限定されず、例えば1次元座標でもよい。
【0015】
第2操作部50は、頭部装着映像装置40の操作に必要となる情報を入力する。この頭部装着映像装置40は、例えばキーボード、マウス、ポインティングデバイスなどにより構成される。
【0016】
複数のマーカ60は、2次元の幾何模様を有するマーカであり、現実空間の座標系と、頭部装着映像装置40の撮像部402の座標系とを対応付けるために用いられる。複数のマーカ60が配置される位置は、3次元モデル空間の座標系における所定の座標に対応する。このマーカ60の撮像画像データに基づき、頭部装着映像装置40の世界座標系における位置及び姿勢が認識される。これにより、3次元モデル空間の座標系に頭部装着映像装置40の座標系を対応させることが可能となる。
【0017】
ここで、データ処理装置10の詳細な構成を説明する。データ処理装置10は、記憶部102と、生成部104と、プロセスデータ取得部106と、判定部108とを有する。
【0018】
記憶部102は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク等により実現される。この記憶部102は、データ処理装置10が実行するプログラムと、各種の制御用のデータを記憶する。
【0019】
また、記憶部102は、現実物体の3次元構造を示す3次元情報を記憶する。この3次元情報は、現実世界における配置情報として世界座標系における位置及び向きを示す情報を含んでいる。例えば現実物体は、プラント内の装置、配管などである。この記憶部102は、プラント内の装置、配管などの設計部材の情報、例えば3次元CADモデルの情報と、世界座標系における配置位置及び向きを示す情報とを記憶している。また、記憶部102は、現実物体の属性情報も記憶している。
【0020】
また、記憶部102は、現実物体の表面に対応する座標に関連付けられた温度データを記憶する。より具体的には、記憶部102は、現実物体がプラントを構成する部材であれば、プラントの運転状態を示すプロセスデータ、及び時刻の少なくとも一方とも関連付けて、現実物体の表面に対応する座標に関連付けられた温度データを記憶する。
【0021】
図2は、3次元モデル空間内に生成された現実物体に対応する3次元モデル110bの例を示す図である。ここでは、現実物体はフラッシャーである。3次元モデル空間の座標系110aは、現実空間の世界座標系に対応する。フラッシャーは、発電プラント内に配置され、水蒸気の減圧に用いられる。
【0022】
図2に示すように、生成部104は、記憶部102に記憶される現実物体の3次元情報に基づき、現実物体に対応する3次元モデル110bを3次元モデル空間内に生成する。3次元モデル110bは、現実空間の世界座標系内に配置される現実物体と同等の形状及び大きさをしている。また、3次元モデル110bは、現実物体と同等の位置、姿勢である。
【0023】
プロセスデータ取得部106は、プラント内の装置、配管などに配置される監視センサから各種のプロセスデータを取得する。例えば、発電量などの出力値、気温、水温、圧力、水蒸気温度、蒸気圧、復水流量などである。プロセスデータ取得部106が取得したプロセスデータは時系列に記憶部102に記憶される。
【0024】
判定部108は、現実物体の表面に対応する座標に関連付けられた温度が異常な状態であるか否かを判定する。また、判定部108は、現実物体の運転状態を示すプロセスデータに応じて、異常な状態であるか否かを判定する。なお、本実施形態に係る異常な状態が、第1状態に対応する。判定部108の詳細は後述する。
【0025】
ここで、頭部装着映像装置40の詳細な構成を説明する。
図1に示すように、頭部装着映像装置40は、プロセッサを含んで構成され、撮像部402と、時計部404と、取得部406と、位置合わせ部408と、処理部410と、液晶部412と、表示処理部414と、制御部416とを有している。プロセッサは、記憶部102に記憶されるプログラムを実行することにより、撮像部402と、時計部404と、取得部406と、位置合わせ部408と、処理部410と、液晶部412と、表示処理部414と、制御部416の機能を実現する。ここで、プロセッサという文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などの回路を意味する。
【0026】
図3は、撮像部402の構成例を示す図である。
図3に示すように、撮像部402は、温度分布撮像カメラ402aと、半球撮像カメラ402bと、を有する。
【0027】
温度分布撮像カメラ402aは、例えば赤外線サーモグラフィであり、温度分布画像406cを撮像する。すなわち、温度分布画像の各画素値は温度データに対応する。この温度分布撮像カメラ402aの光軸をZ軸とする。また、温度分布撮像カメラ402aのイメージセンサの撮像面をX-Y平面に平行に配置する。すなわち、撮像部402の座標系は、温度分布撮像カメラ402aの光軸をZ軸とし、イメージセンサの撮像面に平行な面をX-Y平面とする。また、撮像部402の座標系は、メージセンサの撮像面と温度分布撮像カメラ402aの光軸中心との交点である。
【0028】
本実施形態に係る温度分布撮像カメラ402aは、一般的な赤外線サーモグラフィであり、赤外画像である温度分布画像406cと、可視画像である現実空間画像406dと、温度分布画像406cと現実空間画像406dとの合成画像を撮像可能である。なお、本実施形態に係る温度分布撮像カメラ402aは、赤外線サーモグラフィであるが、これに限定されず、温度分布画像406cと現実空間画像406dとが撮像できるカメラらなら他の形態のカメラでもよく、例えばサーマルイメージと、デジタルカメラの組み合わせでもよい。なお、温度分布撮像カメラ402aは、複数台備えてもよい。
【0029】
半球撮像カメラ402bは、半天球を撮像可能な赤外線サーモグラフィである。例えば、半球撮像カメラ402bは、通常時には温度分布画像を撮像する。これにより、より多くの監視範囲の温度分布画像を撮像可能である。一方で、所定の周期で、可視画像を撮影する。これにより、マーカ60を撮像するカメラとして使用することが可能である。例えば監視者がプラント内を巡回して監視を行う場合に、半球撮像カメラ402bの撮影方向をマーカ60に向けることなく、半球撮像カメラ402bによりマーカ60を撮像可能である。このため、監視者は、プラント内の監視により専念できる。
【0030】
図1の時計部404は、例えば一般的なクロック回路であり、時刻を出力する。時計部404は、撮像部402で画像が撮像された時刻を画像データと関連付ける。
【0031】
取得部406は、撮像部402に撮像される現実空間の温度分布画像を取得する。また、撮像部402に撮像される現実空間画像、温度分布画像と現実空間画像との合成画像を取得する。
【0032】
図4は、3次元モデル110bを配置する3次元モデル空間の座標系110aと、撮像部402の座標系110cとの位置合わせ状態を示す概念図である。
図5は、撮像部402が
図4と異なる位置に配置された場合の座標系110aと、座標系110cとの位置合わせ状態を示す概念図である。
【0033】
図4及び
図5に示すように、位置合わせ部408は、3次元モデル空間の座標系110a、すなわち世界座標系と、撮像部402の座標系110cとの位置合わせを行う。この3次元モデル空間には、撮像部402から観察される現実物体に対応する3次元モデル110bが配置される。
【0034】
より具体的には、位置合わせ部408は、撮像部402が撮像したマーカ60の情報を用いて、撮像部402の位置姿勢を認識し、3次元モデル空間の座標系110aと、座標系110cとの位置合わせを行う。本実施形態に係る位置合わせとは、座標系110aの座標と、座標系110cの座標との対応関係を求めることを意味する。例えば、座標系110aにおける座標原点が対応する座標系110c内の座標と、X軸とXW軸とのずれ角と、Y軸とYW軸とのずれ角と、Z軸とZW軸とのずれ角とを求めることを意味する。
【0035】
より具体的には、本実施形態に係るマーカ60は、3次元モデル空間の座標系110aの所定の座標に対応する現実空間の位置に配置される。このため、マーカ60の撮像画像データに基づき、頭部装着映像装置40の位置姿勢が認識される。すなわち、この位置姿勢の認識に基づき、座標系110aにおける座標原点が対応する座標系110a内の座標と、X軸とXW軸とのずれ角と、Y軸とYW軸とのずれ角と、Z軸とZW軸とのずれ角とが演算される。なお、3次元モデル空間の座標系110a、すなわち世界座標系と、撮像部402の座標系110cとの位置合わせ演算には、マーカの情報を用いた一般的な演算方法を用いることが可能である。
【0036】
また、位置合わせ部408は、例えば撮像部402が撮像した画像データに基づき、現実空間内の画像から抽出された自然特徴点の3次元座標をSfM(Structure from Motion)により算出し、ランドマークデータとして記憶する。そして、位置合わせ部408は、ランドマークデータと撮像部402が撮像した画像データから得られる自然特徴点との対応関係に基づき、頭部装着映像装置40の位置姿勢を推定する。このように、マーカ60が撮像されない場合にも、現実空間内の座標系における頭部装着映像装置40の位置姿勢の推定が可能となる。位置姿勢の推定方法はこのような方法に限定されず、例えば、GPSによる位置計測と、ビーコンによる地磁気による方位計測とを行い、頭部装着映像装置40の位置姿勢を推定してもよい。
【0037】
処理部410は、位置合わせ部408の位置合わせに基づき、温度分布画像の温度データを現実物体の表面に対応する座標に関連付ける処理を行う。すなわち、処理部410は、位置合わせ部408の位置合わせに基づき、撮像部402により撮像された温度分布画像を3次元モデルにおける表面の3次元座標に対応させ、3次元モデルに対応する現実物体の表面における3次元座標に関連付ける。
【0038】
図6は、温度分布画像110iの温度データを現実物体の表面に対応する座標に関連付ける処理を説明する概念図である。
図6に示すように、XW、YW、ZWは3次元モデルの座標系110a、すなわち世界座標系を示している。一方で、X、Y、Zは撮像部402の座標系110cを示している。また、3次元モデル110bの左面の3次元座標をメッシュモデル1102bで示し、側面の3次元座標をメッシュモデル1102cで示している。これらメッシュモデル1102b、1102cで示す座標は、現実物体の表面における座標に対応している。
【0039】
本実施形態に係る座標系110cの座標原点は、上述したように温度分布撮像カメラ402aにおける撮像センサ110fのレンズ110dの光軸中心110eとの交点である。座標系110cの座標系の原点位置は、位置合わせ部408の位置合わせ処理により得られた情報により、世界座標系の中の座標(X1,Y1、Z1)に配置される。また、Z軸方向は、位置合わせ部408の位置合わせ処理により得られた温度分布撮像カメラ402aの光軸方向を示している。さらにまた、XY平面はZ軸と直交し、イメージセンサ110fと平行である。
【0040】
これらか分かるように、温度分布撮像カメラ402aの光学系の一般的な特性により、イメージセンサ110f上の座標(X,Y、Z)は、レンズ110dのレンズ中心110gを通る透視線100hが3次元モデル110bと交わる座標(XW、YW、ZW)に対応する。すなわち、イメージセンサ110f上の温度分布画像110i内の座標(X,Y、Z)は、レンズ中心110gを通る透視線100hが3次元モデル110bと交わる座標(XW、YW、ZW)に関連付けることが可能である。このように、処理部410は、位置合わせ部408の位置合わせに基づき、温度分布画像の温度データを現実物体の表面に対応する座標に関連付ける処理を行う。
【0041】
図7は、メッシュモデル1102cの3次元座標に関連付けられた温度データの一部を2次元データとして模式的に示す図である。縦軸がXW座標の値であり、横軸がYW座標の値である。説明を簡単にするためZW座標の値は省略している。また、メッシュモデル1102cの3次元座標に関連付けられた温度データは、温度分布撮像カメラ402aが撮像できた温度分布画像内の温度データに限られる。
【0042】
図8は、
図7と同様の図であり、
図7とは異なる撮像位置で撮像された温度データの一部を2次元データとして模式的に示す図である。
図7及び
図8に示すように、メッシュモデル1102cの3次元座標に関連付けられた温度データは撮像位置により異なる。また、メッシュモデル1102cの3次元座標に関連付けられ温度データは、温度分布撮像カメラ402aが撮像できた温度分布画像内の温度データに限られる。このため、温度分布撮像カメラ402aの撮像位置が異なると、NULLが格納される座標も異なる。一方で、温度分布撮像カメラ402aが撮像できた現実物体における温度分布画像内の温度データは、異なる位置から撮像しても、対応する座標に格納される。これらの座標に関連付けられた温度データは、記憶部102に記憶される。
【0043】
換言すると、異なる位置から撮像された温度分布画像内の温度データを、3次元モデル110bを介することにより、現実物体の表面に対応する共通した座標に関連付けることが可能となっている。このように、異なるタイミング、異なる位置から撮像されたデータを、3次元モデル110bを介することにより、現実物体の表面に対応する共通した座標に関連付けることができる。このため、異なる複数の撮像位置で撮像された温度分布画像、或いは、複数の異なる撮像部402により撮像された温度分布画像を共通のデータとして管理することも可能となる。
【0044】
図9は、現実物体の表面に対応する座標に関連付けられた温度データ901とプロセスデータ902とを概念的に示す図である。記憶部102は、時間軸Tに沿って、現実物体の表面に対応する座標に関連付けられた温度データ901を時系列に記憶する。また、記憶部102は、プロセスデータ取得部106により取得されたプロセスデータ902も温度データ901に時系列に関連付けて記憶する。
【0045】
再び
図1に示すように、液晶部412は、例えば光学シースルー型液晶ディスプレイである。通常時には、監視者は肉眼により、装置を監視可能である。一方で、画像データが入力された場合には、液晶ディスプレイに表示される画像も観察可能に構成されている。なお、本実施形態に係る液晶部412が表示部に対応する。
【0046】
表示処理部414は、位置合わせ部408の位置合わせに基づき、撮像部402により撮像された温度分布画像温度分布画像406c(
図3)の少なくとも一部を現実空間画像406d(
図3)及び3次元モデル110b(
図2)の画像の少なくとも一方と共に液晶部412に表示する。また、表示処理部414は、判定部108が異常の状態と判定した場合に、撮像部402により撮像された温度分布画像406c(
図3)の少なくとも一部を現実空間画像406d(
図3)及び3次元モデル110b(
図2)の画像の少なくとも一方と共に液晶部412に表示してもよい。この場合、例えば、温度異常が生じている領域を示す温度画像が表示される。表示処理部414は、これらの処理画像を表示部30にも表示してよい。表示処理部414の詳細は後述する。
【0047】
制御部416は、温度処理装置1の全体を制御する。
【0048】
ここで、判定部108の処理の詳細を説明する。判定部108は、撮像部402により撮像された温度分布画像406c(
図3)を、記憶部102に記憶されたデータと比較し、異常の有無を判定する機能を有する。
【0049】
図10は、現実物体表面における一軸上の温度分布データD10を示す図である。縦軸は温度を示し、横軸はX座標を示している。温度分布データD10は、現実物体表面の座標に関連付けられ、記憶部102に記憶されたデータである。また、ラインL1は、温度分布データD10の平均値を示している。温度p1,p2は、撮像部402により撮像され送られてきた温度データの中で異常値を示しているデータである。温度分布データD10は、異なる撮像位置で撮像された温度分画像内の温度データを関連づけたデータである。
【0050】
図10に示すように、判定部108は、座標毎の温度の正常値の範囲を演算し、正常値を超える範囲の温度を異常と判定する。より詳細には、座標毎の温度値の分散σを演算し、例えば2σ以内を正常値の範囲W1、W2とする。温度p1,p2は正常値の範囲W1、W2を逸脱しているので異常と判定する。温度値の分散σの演算には、座標毎に関連付けられた温度の分散を演算してもよいし、或いは、座標に対応する現実物体の点から所定範囲内に対応する複数の座標それぞれに関連づけられた温度の分散を演算してもよい。
【0051】
また、判定部108は、異常と判定した座標の情報を表示処理部414に出力する。これにより、表示処理部414は、判定部108が異常と判定した座標に基づき、撮像部402により撮像された温度分布画像406c(
図3)における温度異常が生じている領域の温度画像を現実空間画像406d(
図3)及び3次元モデル110b(
図2)の画像の少なくとも一方と共に液晶部412に表示する。
【0052】
図11は、プロセスデータの情報を加えた判定処理例を説明する図である。
縦軸は温度を示し、横軸はプロセス値を示している。温度分布データD14は、パラメータAで取得された温度データの分布であり、現実物体の表面の一座標に関連付けられた温度データの分布である。ラインL2は、温度分布データD14のプロセス値毎の平均値を示す。
【0053】
温度分布データD16は、パラメータBで取得された温度データの分布であり、現実物体の表面の一座標に関連付けられた温度データの分布である。ラインL3は、温度分布データD16のプロセス値毎の平均値を示す。なお、温度分布データD14、16は、異なる撮像位置で撮像された温度分布画像内の温度データを関連づけたデータである。
【0054】
判定部108は、同一パラメータ内のプロセス値毎の温度の正常値の範囲を演算し、正常値を超える範囲の温度を異常と判定する。より詳細には、プロセス値毎の温度値の分散σを演算し、2σ以内を正常値の範囲W3、W4とする。温度p3,p4は正常値の範囲W3、W4を逸脱しているので異常と判定する。温度値の分散σの演算には、座標毎に関連付けられた温度の分散を演算してもよいし、或いは、座標に対応する現実物体の点から所定範囲内に対応する複数の座標それぞれに関連づけられた温度の分散を演算してもよい。
【0055】
プロセス値は、現実物体の計測器から得られた温度、圧力、流量、冷却水温、蒸気圧、蒸気温度などのプロセス量のいずれか、又は組み合わせに基づく数値である。或いは、プロセス値は、現実物体周辺の気温、室温などどの環境値でもよい。また、プロセス値は、プロセス量又は環境値の時間変化率でもよい。このように、プロセス値により温度分布範囲が異なるので、プロセス値に応じて、判定を行うことにより、より判定精度があがる。なお、プロセス値はこれらに限定されず、温度分布の変動要因となるプロセス値を用いることが可能である。
【0056】
パラメータは、温度分布の変動要因となる現象を意味する。例えば、春、夏、秋、冬などの季節である。また、異なる例では、0~1時間、1時間~6時間、6時間~12時間、12時間~1日、1日~3日、0~1週間、1ヶ月、6か月、1年などの装置の起動からの時間範囲である。このように、パラメータにより温度分布範囲D14、D16が異なるので、パラメータに応じて、判定を行うことにより、より判定精度があがる。なお、パラメータはこれに限定されず、温度分布の変動要因となる事象をパラメータとすることが可能である。
【0057】
また、判定部108は、プロセス値の時間変化率毎の温度の正常値の範囲を演算し、正常値を超える範囲の温度を異常と判定する。
図12は、装置の起動時などのような非定常時の一座標点における温度変化例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は温度とプロセス値を示している。プロセス値L4を温度換算した値が温度換算値L5である。
【0058】
一方で、実際の非定常時の測定温度値L6は、温度換算値L5と差分値W3のずれが生じてしまう。このため、
図11に示すような、プロセス値L4毎の温度の正常値範囲の演算では、温度分布に歪みが生じてしまい、判定精度が低下してしまう。そこで、非定常時には、プロセス値L4の時間変化率毎の温度の正常値の範囲をもとめ、判定に使用する。非定常時のプロセス値L4の時間変化率と、非定常時の測定温度値L6の時間変化率は、より高い相関を有する。このため、プロセス値における時間変化率毎の温度の正常値範囲を演算することで、より判定精度が向上する。
【0059】
ここで、表示処理部414の処理を詳細に説明する。
図13は、表示処理部414が液晶部412に表示する画像例を示す図である。
図13に示すように、表示処理部414は、3次元モデル1300と、内部構造のモデルである第1内部構造1302と、第2内部構造1304と、温度異常のあった領域を示す画像1306を液晶部412及び表示部30に表示する。3次元モデル1300は、例えば復水器である。
【0060】
生成部104は、記憶部に402に記憶される3次元モデル1300の内部構造の情報に基づき、内部構造のモデルである第1内部構造1302と、第2内部構造1304とのモデル形状画像を生成する。表示処理部414は、判定部108から供給された情報に基づき、3次元モデル1300、第1内部構造1302、及び第2内部構造1304のモデル形状画像と共に、温度異常のあった温度領域1306を示す画像を3次元モデル1300におけるモデル形状の表面に表示する。
【0061】
これにより、温度異常のあった温度領域1306と、現実物体の内部構造を合わせて観察することが可能となる。このため、観察者は、内部構造の情報も用いて異常の原因を把握可能となる。例えば、
図13の例では、温度異常のあった温度領域1306は、第1内部構造1302側にあるので、異常の原因が第1内部構造1302側である可能性が高いと、把握できる。一方で、通常の赤外線サーモグラフィでは、物体の表面と温度分布の関係しか把握できないため、内部構造との関係を画像上から確認することは困難である。
【0062】
図14は、表示処理部414の操作モード例を示す図である。
図14に示すように、表示処理部414は、現実空間画像、温度の異常領域、温度分布画像、モデル形状画像、モデル形状の内部モデル、モデル形状のエッジ画像の組み合わせを選択して表示することができる。例えば、
図13の画像は、
図14の操作例の結果画像であり、温度の異常領域、モデル形状、及びモデル形状の内部モデルの画像が表示されている。
【0063】
モデル形状のエッジ画像は、モデル形状の辺をエッジとして表示するものである。温度分布画像の解像度は低く、温度分布画像のみでは現実物体との位置関係の把握が困難となる。これに対して、モデル形状のエッジ画像と、温度分布画像を重畳すると、現実物体との位置関係の把握を容易に行うことができる。
【0064】
図15は、表示処理部414の操作モードの他の例を示す図である。
図15に示すように、表示処理部414では、モデル形状の内部モデル(
図14)が選択された場合には、更に表示する内部モデルを選択可能に構成されている。一般に内部構造は、複雑に配置されており、更に包含関係にある内部構造もある。このため、全ての内部構造を表示すると、内部構造の把握が困難となる場合がある。
【0065】
図16は、内部構造として第1内部構造が選択された表示例を示す図である。
図16に示すように、表示する内部モデル1302を選択することにより、内部構造の把握が容易となる。このように、本実施形態に係る操作モードでは、確認したい内部構造を選択可能に構成されているので、内部構造の把握が容易となる。
【0066】
図17は、表示処理部414のモデルを選択する操作モードの他の例を示す図である。
図7に示すように、表示処理部414では、撮像部402の撮像範囲にある現実物体の中から、表示するモデルを選択可能に構成されている。
図6に示したように、撮像部402の撮像範囲にあるモデルは、透過線110hと交差するモデル空間上の三次元モデルにより把握可能である。これにより、表示処理部414は、表示可能であるモデルの属性を液晶部412に表示する。観察者は、液晶部412に表示されたモデルの属性を選択する。
【0067】
表示処理部414は、観察者が選択した現実物体に対応するモデルのみを液晶部412に表示する。これにより、観察者は、観察したい現実物体のモデルを集中的に観察可能となる。例えば、
図14、及び15に示した内部モデルに関する表示処理も選択した現実物体に対応するモデルに対して行われるので、観察がより容易となる。
【0068】
図18は、航空機に本実施形態に係る温度処理装置1を適用した例を示す図である。
図18に示すように、3次元の設計データがある装置に、本実施形態に係る温度処理装置1を適用可能である。例えば、航空機、自動車、電車、電子機器、船舶などである。
【0069】
図19は、温度処理装置1における温度処理の流れを示すフローチャートの一例である。ここでは、
図14において異常領域、モデル形状の表示が選択されている例について説明する。
【0070】
図19に示すように、撮像部402はマーカ60を撮像する(ステップS100)。続けて、取得部402により取得されたマーカ60の可視画像は位置合わせ部408に入力される。
【0071】
位置合わせ部408は、マーカ60の情報に基づき、現実物体に対応する3次元モデルを配置する3次元モデル空間の座標系110aと、撮像部402の座標系110cとの位置合わせを行う(ステップS102)。
【0072】
次に、撮像部402は、温度分布画像を撮像する(ステップS104)。続けて、取得部402により取得された温度分布画像は処理部410に入力される。
【0073】
次に、処理部410は、位置合わせ部408による位置合わせに基づき、温度分布画像の温度データを3次元モデルにおける表面の3次元座標に対応させ、現実物体の表面における3次元座標に関連付ける(ステップS106)。
【0074】
次に、判定部108は、3次元座標に関連付けられた温度データの全てに関して、異常の有無を判定する(ステップS108)。異常があると判定した場合(ステップS108のYES)、判定部108は、異常があると判定された3次元座標の情報を、表示処理部414に出力する。
【0075】
表示処理部414は、異常があると判定された3次元座標の情報に基づき、三次元モデル形状と、三次元モデル形状の表面画像上における、異常があると判定された3次元座標の領域を示す画像を液晶部412に表示する(ステップS110)。一方で、異常がない場合(ステップS108のNO)、ステップS112からの処理を行う。
【0076】
次に、制御部416は、全体処理を終了する否かを判定する(ステップS112)。終了すると判定する場合(ステップS112のYES)、全体処理を終了する。一方で、終了しない場合(ステップS112のNO)、位置合わせ部408は、頭部装着映像装置40の位置姿勢を推定し(ステップS114)、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0077】
このように温度データに異常がある場合に、異常を示す領域を観察中の現実物体に対応する3次元モデル上に異常を示す領域を表示することで、異常の箇所を容易に判別可能となる。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、位置合わせ部408が、現実物体に対応する3次元モデルを配置する3次元モデル空間の座標系と、撮像部402の座標系との位置合わせを行い、処理部410が、この位置合わせに基づき、温度分布画像の温度データを現実物体の表面に対応する3次元モデルの座標に関連付けることとした。これにより、異なる位置から撮像された温度分布画像内の温度データを、3次元モデルを介することにより、現実物体の表面に対応する共通した座標に関連付けることが可能となる。
【0079】
本実施形態による温度処理装置1におけるデータ処理方法の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、データ処理方法の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、データ処理方法の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0080】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置、方法及びプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法及びプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0081】
1:温度処理装置、10:データ処理装置、30:表示部、40:頭部装着映像装置、102:記憶部、104:生成部、108:判定部、402:撮像部、404:時計部、406:取得部、408:位置合わせ部、410:処理部、412:液晶部、414:表示処理部