(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】生産管理システムおよび生産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20220810BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20220810BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2018236046
(22)【出願日】2018-12-18
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】堀内 雄平
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/082367(WO,A1)
【文献】特開2016-030385(JP,A)
【文献】特開2006-228017(JP,A)
【文献】特開2003-067167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアに印刷を実行して生成される成果物の生産を管理する生産管理システムであって、
前記成果物の生成の工程は、
前記印刷の工程と、
前記印刷の前処理の工程、および、前記印刷の後処理の工程の少なくとも1つと
を含み、
前記生産管理システムは、
前記成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器による処理の推奨の条件を示す処理条件情報を管理する処理条件情報管理部と、
前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定する推奨条件決定部と
を備え、
前記処理条件情報は、
前記成果物の品質と、
前記電子機器の種類および設置場所と、
前記電子機器による処理の推奨の条件と
の関連を、前記成果物の生成の工程毎に示す情報であり、
前記推奨条件決定部は、
前記成果物の目的の品質と、
前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器の種類および設置場所と、
前記処理条件情報管理部によって管理されている前記処理条件情報と
に基づいて、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定
し、
前記処理条件情報管理部は、前記電子機器による処理の実際の条件と、前記実際の条件によって前記電子機器によって処理された前記成果物の実際の品質とに基づいて、前記処理条件情報を学習することを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器を特定のアルゴリズムに基づいて自動で決定する使用機器決定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
前記処理条件情報は、前記成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する前記電子機器が処理液として水を使用する場合に、この電子機器による処理の推奨の条件が、少なくとも、この電子機器の設置場所の水質に応じて設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項4】
メディアに印刷を実行して生成される成果物の生産を管理する生産管理プログラムであって、
前記成果物の生成の工程は、
前記印刷の工程と、
前記印刷の前処理の工程、および、前記印刷の後処理の工程の少なくとも1つと
を含み、
前記生産管理プログラムは、
前記成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器による処理の推奨の条件を示す処理条件情報を管理する処理条件情報管理部と、
前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定する推奨条件決定部と
をコンピューターに実現させ、
前記処理条件情報は、
前記成果物の品質と、
前記電子機器の種類および設置場所と、
前記電子機器による処理の推奨の条件と
の関連を、前記成果物の生成の工程毎に示す情報であり、
前記推奨条件決定部は、
前記成果物の目的の品質と、
前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器の種類および設置場所と、
前記処理条件情報管理部によって管理されている前記処理条件情報と
に基づいて、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定
し、
前記処理条件情報管理部は、前記電子機器による処理の実際の条件と、前記実際の条件によって前記電子機器によって処理された前記成果物の実際の品質とに基づいて、前記処理条件情報を学習することを特徴とする生産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイルなどのメディアに印刷を実行して生成される成果物の生産を管理する生産管理システムおよび生産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺のテキスタイルに印刷を実行して生成される成果物を生産する方法として、テキスタイルに対する印刷の前処理と、このテキスタイルに対する印刷と、このテキスタイルに対する印刷の後処理とを含む方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法においては、成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器の設置場所によって異なる、水質、環境温度、環境湿度などの条件が考慮されないので、電子機器の設置場所によって成果物の品質にばらつきがあるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを低減することができる生産管理システムおよび生産管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の生産管理システムは、メディアに印刷を実行して生成される成果物の生産を管理する生産管理システムであって、前記成果物の生成の工程は、前記印刷の工程と、前記印刷の前処理の工程、および、前記印刷の後処理の工程の少なくとも1つとを含み、前記生産管理システムは、前記成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器による処理の推奨の条件を示す処理条件情報を管理する処理条件情報管理部と、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定する推奨条件決定部とを備え、前記処理条件情報は、前記成果物の品質と、前記電子機器の種類および設置場所と、前記電子機器による処理の推奨の条件との関連を、前記成果物の生成の工程毎に示す情報であり、前記推奨条件決定部は、前記成果物の目的の品質と、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器の種類および設置場所と、前記処理条件情報管理部によって管理されている前記処理条件情報とに基づいて、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の生産管理システムは、成果物の品質と、成果物の生成に使用する電子機器の種類および設置場所と、電子機器による処理の推奨の条件との関連を示す処理条件情報と、成果物の目的の品質と、成果物の生成に使用する予定の電子機器の種類および設置場所とに基づいて、成果物の生成に使用する予定の電子機器による処理の推奨の条件を決定するので、成果物の生成に使用する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを低減することができる。
【0008】
本発明の生産管理システムは、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器を特定のアルゴリズムに基づいて自動で決定する使用機器決定部を備えても良い。
【0009】
この構成により、本発明の生産管理システムは、成果物の生成に使用する予定の電子機器を特定のアルゴリズムに基づいて自動で決定するので、利便性を向上することができる。
【0010】
本発明の生産管理システムにおいて、前記処理条件情報管理部は、前記電子機器による処理の実際の条件と、この条件によって前記電子機器によって処理された前記成果物の実際の品質とに基づいて、前記処理条件情報を学習しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の生産管理システムは、電子機器による処理の実際の条件と、この条件によって電子機器によって処理された成果物の実際の品質とに基づいて、処理条件情報を学習するので、処理条件情報の精度を向上することができ、その結果、成果物の生成に使用する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを更に低減することができる。
【0012】
本発明の生産管理プログラムは、メディアに印刷を実行して生成される成果物の生産を管理する生産管理プログラムであって、前記成果物の生成の工程は、前記印刷の工程と、前記印刷の前処理の工程、および、前記印刷の後処理の工程の少なくとも1つとを含み、前記生産管理プログラムは、前記成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器による処理の推奨の条件を示す処理条件情報を管理する処理条件情報管理部と、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定する推奨条件決定部とをコンピューターに実現させ、前記処理条件情報は、前記成果物の品質と、前記電子機器の種類および設置場所と、前記電子機器による処理の推奨の条件との関連を、前記成果物の生成の工程毎に示す情報であり、前記推奨条件決定部は、前記成果物の目的の品質と、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器の種類および設置場所と、前記処理条件情報管理部によって管理されている前記処理条件情報とに基づいて、前記成果物の生成に使用する予定の前記電子機器による処理の推奨の条件を決定することを特徴とする。
【0013】
この構成により、本発明の生産管理プログラムを実行するコンピューターは、成果物の品質と、成果物の生成に使用する電子機器の種類および設置場所と、電子機器による処理の推奨の条件との関連を示す処理条件情報と、成果物の目的の品質と、成果物の生成に使用する予定の電子機器の種類および設置場所とに基づいて、成果物の生成に使用する予定の電子機器による処理の推奨の条件を決定するので、成果物の生成に使用する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の生産管理システムおよび生産管理プログラムは、成果物の生成の少なくとも1つの工程を実行する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る生産システムのブロック図である。
【
図2】1台のコンピューターによって構成される場合の
図1に示す生産管理システムのブロック図である。
【
図3】
図2に示す前処理機情報の一例を示す図である。
【
図4】
図2に示す前処理機処理条件情報の一例を示す図である。
【
図5】
図2に示す生産履歴情報の一例を示す図である。
【
図6】成果物を生産する場合の
図2に示す生産管理システムの動作の一部のフローチャートである。
【
図7】
図6に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【
図8】
図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
まず、本実施の形態に係る生産システムの構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る生産システム10のブロック図である。
【0019】
図1に示す生産システム10は、テキスタイルなどのメディアに印刷を実行して生成される成果物を生産するシステムである。生産システム10は、成果物の生産を管理する生産管理システム20と、メディアに対する印刷の前処理として、インクの滲みを防止するための前処理剤をメディアに塗布する処理を実行する電子機器である前処理機30と、前処理剤が付されたメディアに対してインクによる印刷を実行する電子機器であるプリンター40と、メディアに対する印刷の後処理として、インクによる印刷が実行されたメディアを蒸す処理を実行することによって、インクの定着および発色を実現する電子機器である蒸し機50と、メディアに対する印刷の後処理として、インクの定着および発色が実行されたメディアを洗う処理を実行することによって、余分な前処理剤および余分なインクをメディアから除去する電子機器である洗い機60とを備えている。成果物は、メディアへの前処理剤の塗布の工程、メディアへのインクによる印刷の工程、メディアの蒸しの工程、メディアの洗いの工程の順番で実行されることによって、生産される。
【0020】
生産管理システム20は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
【0021】
生産システム10は、前処理機30以外にも、前処理剤をメディアに塗布する処理を実行する前処理機を少なくとも1つ備えても良い。生産システム10に前処理機が複数含まれる場合、生産システム10に含まれる前処理機は、複数の地域に分散して配置されても良い。前処理機によって使用される処理液は、前処理剤である。前処理機による処理の条件としては、例えば、メディアのうち前処理が実行されている部分の搬送速度と、メディアのうち前処理が実行されている部分に加える張力と、メディアのうち前処理が実行されている部分の近傍の温度とが存在する。ここで、前処理機におけるメディアの搬送経路のうちメディアに前処理が実行される部分の長さが一定であるので、メディアのうち前処理が実行されている部分の搬送速度は、メディアのうち同一の部分に対する前処理の実行時間に比例する。
【0022】
生産システム10は、プリンター40以外にも、メディアに対してインクによる印刷を実行するプリンターを少なくとも1つ備えても良い。生産システム10にプリンターが複数含まれる場合、生産システム10に含まれるプリンターは、複数の地域に分散して配置されても良い。生産システム10に含まれるプリンターは、例えば、インクジェットプリンターでも良い。プリンターによって使用される処理液は、インクである。プリンターによる処理の条件としては、例えば、メディアのうち印刷が実行されている部分の搬送速度と、メディアのうち印刷が実行された部分の乾燥時間とが存在する。ここで、プリンターにおけるメディアの搬送経路のうちメディアに印刷が実行される部分の長さが一定であるので、メディアのうち印刷が実行されている部分の搬送速度は、メディアのうち同一の部分に対する印刷の実行時間に比例する。
【0023】
生産システム10は、蒸し機50以外にも、メディアを蒸す処理を実行する蒸し機を少なくとも1つ備えても良い。生産システム10に蒸し機が複数含まれる場合、生産システム10に含まれる蒸し機は、複数の地域に分散して配置されても良い。蒸し機によって使用される処理液は、水である。蒸し機による処理の条件としては、例えば、メディアのうち蒸し処理が実行されている部分の搬送速度と、メディアのうち蒸し処理が実行されている部分の近傍の温度と、メディアのうち蒸し処理が実行されている部分の近傍の湿度とが存在する。ここで、蒸し機におけるメディアの搬送経路のうちメディアに蒸し処理が実行される部分の長さが一定であるので、メディアのうち蒸し処理が実行されている部分の搬送速度は、メディアのうち同一の部分に対する蒸し処理の実行時間に比例する。
【0024】
生産システム10は、洗い機60以外にも、メディアを洗う処理を実行する洗い機を少なくとも1つ備えても良い。生産システム10に洗い機が複数含まれる場合、生産システム10に含まれる洗い機は、複数の地域に分散して配置されても良い。洗い機によって使用される処理液は、水である。洗い機による処理の条件としては、例えば、メディアのうち洗い処理が実行されている部分の搬送速度と、メディアのうち洗い処理が実行されている部分に加える張力と、メディアのうち洗い処理が実行されている部分の近傍の温度と、洗い機における水の入れ替えのタイミングとが存在する。ここで、洗い機におけるメディアの搬送経路のうちメディアに洗い処理が実行される部分の長さが一定であるので、メディアのうち洗い処理が実行されている部分の搬送速度は、メディアのうち同一の部分に対する洗い処理の実行時間に比例する。また、洗い機における水の入れ替えのタイミングは、どの程度の長さのメディアに対して洗い処理を実行する度にどの程度の量の水を入れ替えるかという条件である。
【0025】
生産管理システム20と、生産システム10に含まれる前処理機、プリンター、蒸し機および洗い機とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0026】
図2は、1台のコンピューターによって構成される場合の生産管理システム20のブロック図である。
【0027】
図2に示す生産管理システム20は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部23と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部24と、生産管理システム20全体を制御する制御部25とを備えている。
【0028】
記憶部24は、成果物の生産を管理するための生産管理プログラム24aを記憶している。生産管理プログラム24aは、例えば、生産管理システム20の製造段階で生産管理システム20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から生産管理システム20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から生産管理システム20に追加でインストールされても良い。
【0029】
記憶部24は、生産システム10に含まれる前処理機の種類および設置場所を示す前処理機情報24bを記憶している。
【0030】
【0031】
図3に示すように、前処理機情報24bは、例えば、前処理機の識別情報と、前処理機の設置場所とを関連付けて示している。ここで、設置場所は、任意の粒度の地域で示されても良い。例えば、設置場所は、アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本などの国以上の粒度の地域で示されても良いし、長野県、東京都、北海道などの国未満の粒度の地域で示されても良い。
【0032】
図1に示すように、記憶部24は、生産システム10に含まれるプリンターの種類および設置場所を示すプリンター情報24cを記憶している。プリンター情報24cは、前処理機情報24bと同様に、例えば、プリンターの識別情報と、プリンターの設置場所とを関連付けて示している。
【0033】
記憶部24は、生産システム10に含まれる蒸し機の種類および設置場所を示す蒸し機情報24dを記憶している。蒸し機情報24dは、前処理機情報24bと同様に、例えば、蒸し機の識別情報と、蒸し機の設置場所とを関連付けて示している。
【0034】
記憶部24は、生産システム10に含まれる洗い機の種類および設置場所を示す洗い機情報24eを記憶している。洗い機情報24eは、前処理機情報24bと同様に、例えば、洗い機の識別情報と、洗い機の設置場所とを関連付けて示している。
【0035】
記憶部24は、生産システム10に含まれる前処理機による処理の推奨の条件を示す処理条件情報としての前処理機処理条件情報24fを記憶している。前処理機処理条件情報24fは、生産システム10によって成果物が生産された場合に、後述の処理条件情報管理部25aによって更新される場合がある。前処理機処理条件情報24fの初期値は、例えば、前処理機の製造業者から提供されることによって処理条件情報管理部25aによって管理されても良い。
【0036】
図4は、前処理機処理条件情報24fの一例を示す図である。
【0037】
図4に示すように、前処理機処理条件情報24fは、前処理機によって処理されるメディアの種類と、前処理機によって使用される前処理剤の種類と、成果物の品質と、前処理機の種類および設置場所と、前処理機による処理の推奨の条件との関連を示す情報である。なお、
図4は、前処理機によって処理されるメディアの種類と、前処理機によって使用される前処理剤の種類と、成果物の品質と、前処理機による処理の推奨の条件とに関して、具体的な値を省略して描いている。なお、成果物の品質とは、例えば、成果物の色の品質である。
【0038】
図1に示すように、記憶部24は、生産システム10に含まれるプリンターによる処理の推奨の条件を示す処理条件情報としてのプリンター処理条件情報24gを記憶している。プリンター処理条件情報24gは、生産システム10によって成果物が生産された場合に、後述の処理条件情報管理部25aによって更新される場合がある。プリンター処理条件情報24gの初期値は、例えば、プリンターの製造業者から提供されることによって処理条件情報管理部25aによって管理されても良い。プリンター処理条件情報24gは、プリンターによって処理されるメディアの種類と、プリンターによって使用されるインクの種類と、成果物の品質と、プリンターの種類および設置場所と、プリンターによる処理の推奨の条件との関連を示す情報である。
【0039】
記憶部24は、生産システム10に含まれる蒸し機による処理の推奨の条件を示す処理条件情報としての蒸し機処理条件情報24hを記憶している。蒸し機処理条件情報24hは、生産システム10によって成果物が生産された場合に、後述の処理条件情報管理部25aによって更新される場合がある。蒸し機処理条件情報24hの初期値は、例えば、蒸し機の製造業者から提供されることによって処理条件情報管理部25aによって管理されても良い。蒸し機処理条件情報24hは、蒸し機によって処理されるメディアの種類と、成果物の品質と、蒸し機の種類および設置場所と、蒸し機による処理の推奨の条件との関連を示す情報である。
【0040】
記憶部24は、生産システム10に含まれる洗い機による処理の推奨の条件を示す処理条件情報としての洗い機処理条件情報24iを記憶している。洗い機処理条件情報24iは、生産システム10によって成果物が生産された場合に、後述の処理条件情報管理部25aによって更新される場合がある。洗い機処理条件情報24iの初期値は、例えば、洗い機の製造業者から提供されることによって処理条件情報管理部25aによって管理されても良い。洗い機処理条件情報24iは、洗い機によって処理されるメディアの種類と、成果物の品質と、洗い機の種類および設置場所と、洗い機による処理の推奨の条件との関連を示す情報である。
【0041】
記憶部24は、生産システム10による成果物の生産の履歴を示す生産履歴情報24jを記憶している。
【0042】
【0043】
図5に示すように、生産履歴情報24jは、生産システム10による成果物の生産毎に、例えば、生産の日時と、生産の対象の成果物の目的の品質と、生産に使用したメディアの種類と、生産に使用した前処理機の種類および設置場所と、生産に使用した前処理剤の種類と、生産に使用した前処理機による処理の条件と、生産に使用したプリンターの種類および設置場所と、生産に使用したインクの種類と、生産に使用したプリンターによる処理の条件と、生産に使用した蒸し機の種類および設置場所と、生産に使用した蒸し機による処理の条件と、生産に使用した洗い機の種類および設置場所と、生産に使用した洗い機による処理の条件と、生産の対象の成果物が目的の品質であったか否かの情報とを示している。なお、
図5は、生産の日時と、生産の対象の成果物が目的の品質であったか否かの情報とを除く項目の具体的な値を省略して描いている。
【0044】
図1に示す制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部24に記憶されているプログラムを実行する。
【0045】
制御部25は、生産管理プログラム24aを実行することによって、処理条件情報を管理する処理条件情報管理部25aと、成果物の生成に使用する予定の電子機器を特定のアルゴリズムに基づいて自動で決定する使用機器決定部25bと、成果物の生成に使用する予定の電子機器による処理の推奨の条件を決定する推奨条件決定部25cとを実現する。
【0046】
次に、生産システム10の動作について説明する。
【0047】
まず、成果物を生産する場合の生産システム10の動作について説明する。
【0048】
図6~
図8は、成果物を生産する場合の生産管理システム20の動作のフローチャートである。
【0049】
制御部25は、生産管理プログラム24aを実行している場合に、成果物の生産のジョブ(以下「対象ジョブ」という。)を通信部23を介して受信すると、
図6~
図8に示す動作を実行する。
【0050】
図6~
図8に示すように、使用機器決定部25bは、メディアへの前処理剤の塗布を実行させる前処理機を決定する(S101)。ここで、使用機器決定部25bは、対象ジョブにおいて前処理機が指示されている場合には、対象ジョブにおいて指示されている前処理機をS101において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、対象ジョブの受信後に通信部23を介して受信した指示に応じた前処理機をS101において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、前処理機情報24bに示されている前処理機のうち、特定のアルゴリズムに基づいて自動で選択した前処理機をS101において決定しても良い。ここで、特定のアルゴリズムとしては、例えば、実行待ちのジョブが最も少ない前処理機を選択するアルゴリズムや、特定の機能や生産能力などの性能を備えている前処理機を選択するアルゴリズムなど、任意のアルゴリズムが採用されることが可能である。
【0051】
制御部25は、S101の処理の後、S101において決定された前処理機に、対象ジョブにおいて示されているメディアおよび前処理剤をセットすることを前処理機の操作者に通知する(S102)。S102における通知先は、例えば、S101において決定された前処理機の図示していない表示部でも良いし、S101において決定された前処理機とは別の電子機器の表示部でも良い。前処理機の操作者は、S102における通知を受けると、S102において通知された前処理機に、S102において通知されたメディアおよび前処理剤をセットした後、メディアおよび前処理剤のセットが完了したことを、例えば、S102において通知された前処理機の図示していない操作部や、S102において通知された前処理機とは別の電子機器の操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。
【0052】
制御部25は、S102の処理の後、メディアおよび前処理剤のセットが完了したことが通知されたと判断するまで、メディアおよび前処理剤のセットが完了したことが通知されたか否かを判断する(S103)。
【0053】
推奨条件決定部25cは、メディアおよび前処理剤のセットが完了したことが通知されたとS103において判断されると、S101において決定された前処理機による処理の推奨の条件を決定する(S104)。ここで、推奨条件決定部25cは、対象ジョブにおいて示されているメディアの種類と、対象ジョブにおいて示されている前処理剤の種類と、対象ジョブにおいて示されている成果物の目的の品質と、S101において決定された前処理機の種類および設置場所との組み合わせに、前処理機処理条件情報24fにおいて関連付けられている、処理の推奨の条件を、S101において決定された前処理機による処理の推奨の条件として決定する。
【0054】
推奨条件決定部25cは、S104の処理の後、S104において決定された、前処理機による処理の推奨の条件を利用者に通知する(S105)。ここで、利用者とは、例えば、S101において決定された前処理機の操作者でも良い。S105における通知先は、例えば、S101において決定された前処理機の図示していない表示部でも良いし、S101において決定された前処理機とは別の電子機器の表示部でも良い。利用者は、S105における通知を受けると、利用者が希望する、前処理機による処理の条件を、例えば、S105における通知先の電子機器の図示していない操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。ここで、利用者が希望する、前処理機による処理の条件は、S105において通知された、前処理機による処理の推奨の条件と同一でも良いし、S105において通知された、前処理機による処理の推奨の条件から変更されても良い。
【0055】
制御部25は、S105の処理の後、利用者が希望する、前処理機による処理の条件が通知されたと判断するまで、利用者が希望する、前処理機による処理の条件が通知されたか否かを判断する(S106)。
【0056】
制御部25は、利用者が希望する、前処理機による処理の条件が通知されたとS106において判断すると、S101において決定された前処理機にメディアへの前処理剤の塗布を指示する(S107)。ここで、S107における指示には、S106において通知されたと判断した、前処理機による処理の条件が含まれる。前処理機は、S107における指示を受けると、S107における指示に応じてメディアへの前処理剤の塗布を実行し、メディアへの前処理剤の塗布が完了すると、メディアへの前処理剤の塗布の処理が完了したことを生産管理システム20に通知する。
【0057】
制御部25は、S107の処理の後、メディアへの前処理剤の塗布の処理が完了したことが通知されたと判断するまで、メディアへの前処理剤の塗布の処理が完了したことが通知されたか否かを判断する(S108)。
【0058】
使用機器決定部25bは、メディアへの前処理剤の塗布の処理が完了したことが通知されたとS108において判断されると、メディアへのインクによる印刷を実行させるプリンターを決定する(S111)。ここで、使用機器決定部25bは、対象ジョブにおいてプリンターが指示されている場合には、対象ジョブにおいて指示されているプリンターをS111において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、対象ジョブの受信後に通信部23を介して受信した指示に応じたプリンターをS111において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、プリンター情報24cに示されているプリンターのうち、特定のアルゴリズムに基づいて自動で選択したプリンターをS111において決定しても良い。ここで、特定のアルゴリズムとしては、例えば、実行待ちのジョブが最も少ないプリンターを選択するアルゴリズムや、特定の機能や生産能力などの性能を備えているプリンターを選択するアルゴリズムなど、任意のアルゴリズムが採用されることが可能である。
【0059】
制御部25は、S111の処理の後、S111において決定されたプリンターに、対象ジョブにおいて示されているメディアおよびインクをセットすることをプリンターの操作者に通知する(S112)。S112における通知先は、例えば、S111において決定されたプリンターの図示していない表示部でも良いし、S111において決定されたプリンターとは別の電子機器の表示部でも良い。プリンターの操作者は、S112における通知を受けると、S112において通知されたメディア、すなわち、S107における指示に応じて前処理機によって前処理剤が塗布されたメディアと、S112において通知されたインクとを、S112において通知されたプリンターにセットした後、メディアおよびインクのセットが完了したことを、例えば、S112において通知されたプリンターの図示していない操作部や、S112において通知されたプリンターとは別の電子機器の操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。
【0060】
制御部25は、S112の処理の後、メディアおよびインクのセットが完了したことが通知されたと判断するまで、メディアおよびインクのセットが完了したことが通知されたか否かを判断する(S113)。
【0061】
推奨条件決定部25cは、メディアおよびインクのセットが完了したことが通知されたとS113において判断されると、S111において決定されたプリンターによる処理の推奨の条件を決定する(S114)。ここで、推奨条件決定部25cは、対象ジョブにおいて示されているメディアの種類と、対象ジョブにおいて示されているインクの種類と、対象ジョブにおいて示されている成果物の目的の品質と、S111において決定されたプリンターの種類および設置場所との組み合わせに、プリンター処理条件情報24gにおいて関連付けられている、処理の推奨の条件を、S111において決定されたプリンターによる処理の推奨の条件として決定する。
【0062】
推奨条件決定部25cは、S114の処理の後、S114において決定された、プリンターによる処理の推奨の条件を利用者に通知する(S115)。ここで、利用者とは、例えば、S111において決定されたプリンターの操作者でも良い。S115における通知先は、例えば、S111において決定されたプリンターの図示していない表示部でも良いし、S111において決定されたプリンターとは別の電子機器の表示部でも良い。利用者は、S115における通知を受けると、利用者が希望する、プリンターによる処理の条件を、例えば、S115における通知先の電子機器の図示していない操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。ここで、利用者が希望する、プリンターによる処理の条件は、S115において通知された、プリンターによる処理の推奨の条件と同一でも良いし、S115において通知された、プリンターによる処理の推奨の条件から変更されても良い。
【0063】
制御部25は、S115の処理の後、利用者が希望する、プリンターによる処理の条件が通知されたと判断するまで、利用者が希望する、プリンターによる処理の条件が通知されたか否かを判断する(S116)。
【0064】
制御部25は、利用者が希望する、プリンターによる処理の条件が通知されたとS116において判断すると、S111において決定されたプリンターにメディアへのインクによる印刷を指示する(S117)。ここで、S117における指示には、S116において通知されたと判断した、プリンターによる処理の条件が含まれる。プリンターは、S117における指示を受けると、S117における指示に応じてメディアへのインクによる印刷を実行し、メディアへのインクによる印刷が完了すると、メディアへのインクによる印刷の処理が完了したことを生産管理システム20に通知する。
【0065】
制御部25は、S117の処理の後、メディアへのインクによる印刷の処理が完了したことが通知されたと判断するまで、メディアへのインクによる印刷の処理が完了したことが通知されたか否かを判断する(S118)。
【0066】
使用機器決定部25bは、メディアへのインクによる印刷の処理が完了したことが通知されたとS118において判断されると、メディアの蒸しを実行させる蒸し機を決定する(S121)。ここで、使用機器決定部25bは、対象ジョブにおいて蒸し機が指示されている場合には、対象ジョブにおいて指示されている蒸し機をS121において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、対象ジョブの受信後に通信部23を介して受信した指示に応じた蒸し機をS121において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、蒸し機情報24dに示されている蒸し機のうち、特定のアルゴリズムに基づいて自動で選択した蒸し機をS121において決定しても良い。ここで、特定のアルゴリズムとしては、例えば、実行待ちのジョブが最も少ない蒸し機を選択するアルゴリズムや、特定の機能や生産能力などの性能を備えている蒸し機を選択するアルゴリズムなど、任意のアルゴリズムが採用されることが可能である。
【0067】
制御部25は、S121の処理の後、S121において決定された蒸し機に、対象ジョブにおいて示されているメディアと、水とをセットすることを蒸し機の操作者に通知する(S122)。S122における通知先は、例えば、S121において決定された蒸し機の図示していない表示部でも良いし、S121において決定された蒸し機とは別の電子機器の表示部でも良い。蒸し機の操作者は、S122における通知を受けると、S122において通知されたメディア、すなわち、S117における指示に応じてプリンターによって印刷が実行されたメディアと、水とを、S122において通知された蒸し機にセットした後、メディアおよび水のセットが完了したことを、例えば、S122において通知された蒸し機の図示していない操作部や、S122において通知された蒸し機とは別の電子機器の操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。
【0068】
制御部25は、S122の処理の後、メディアおよび水のセットが完了したことが通知されたと判断するまで、メディアおよび水のセットが完了したことが通知されたか否かを判断する(S123)。
【0069】
推奨条件決定部25cは、メディアおよび水のセットが完了したことが通知されたとS123において判断されると、S121において決定された蒸し機による処理の推奨の条件を決定する(S124)。ここで、推奨条件決定部25cは、対象ジョブにおいて示されているメディアの種類と、対象ジョブにおいて示されている成果物の目的の品質と、S121において決定された蒸し機の種類および設置場所との組み合わせに、蒸し機処理条件情報24hにおいて関連付けられている、処理の推奨の条件を、S121において決定された蒸し機による処理の推奨の条件として決定する。
【0070】
推奨条件決定部25cは、S124の処理の後、S124において決定された、蒸し機による処理の推奨の条件を利用者に通知する(S125)。ここで、利用者とは、例えば、S121において決定された蒸し機の操作者でも良い。S125における通知先は、例えば、S121において決定された蒸し機の図示していない表示部でも良いし、S121において決定された蒸し機とは別の電子機器の表示部でも良い。利用者は、S125における通知を受けると、利用者が希望する、蒸し機による処理の条件を、例えば、S125における通知先の電子機器の図示していない操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。ここで、利用者が希望する、蒸し機による処理の条件は、S125において通知された、蒸し機による処理の推奨の条件と同一でも良いし、S125において通知された、蒸し機による処理の推奨の条件から変更されても良い。
【0071】
制御部25は、S125の処理の後、利用者が希望する、蒸し機による処理の条件が通知されたと判断するまで、利用者が希望する、蒸し機による処理の条件が通知されたか否かを判断する(S126)。
【0072】
制御部25は、利用者が希望する、蒸し機による処理の条件が通知されたとS126において判断すると、S121において決定された蒸し機にメディアの蒸しを指示する(S127)。ここで、S127における指示には、S126において通知されたと判断した、蒸し機による処理の条件が含まれる。蒸し機は、S127における指示を受けると、S127における指示に応じてメディアの蒸しを実行し、メディアの蒸しが完了すると、メディアの蒸しの処理が完了したことを生産管理システム20に通知する。
【0073】
制御部25は、S127の処理の後、メディアの蒸しの処理が完了したことが通知されたと判断するまで、メディアの蒸しの処理が完了したことが通知されたか否かを判断する(S128)。
【0074】
使用機器決定部25bは、メディアの蒸しの処理が完了したことが通知されたとS128において判断されると、メディアの洗いを実行させる洗い機を決定する(S131)。ここで、使用機器決定部25bは、対象ジョブにおいて洗い機が指示されている場合には、対象ジョブにおいて指示されている洗い機をS131において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、対象ジョブの受信後に通信部23を介して受信した指示に応じた洗い機をS131において決定しても良い。また、使用機器決定部25bは、洗い機情報24eに示されている洗い機のうち、特定のアルゴリズムに基づいて自動で選択した洗い機をS131において決定しても良い。ここで、特定のアルゴリズムとしては、例えば、実行待ちのジョブが最も少ない洗い機を選択するアルゴリズムや、特定の機能や生産能力などの性能を備えている洗い機を選択するアルゴリズムなど、任意のアルゴリズムが採用されることが可能である。
【0075】
制御部25は、S131の処理の後、S131において決定された洗い機に、対象ジョブにおいて示されているメディアと、水とをセットすることを洗い機の操作者に通知する(S132)。S132における通知先は、例えば、S131において決定された洗い機の図示していない表示部でも良いし、S131において決定された洗い機とは別の電子機器の表示部でも良い。洗い機の操作者は、S132における通知を受けると、S132において通知されたメディア、すなわち、S127における指示に応じて蒸し機によって蒸しが実行されたメディアと、水とを、S132において通知された洗い機にセットした後、メディアおよび水のセットが完了したことを、例えば、S132において通知された洗い機の図示していない操作部や、S132において通知された洗い機とは別の電子機器の操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。
【0076】
制御部25は、S132の処理の後、メディアおよび水のセットが完了したことが通知されたと判断するまで、メディアおよび水のセットが完了したことが通知されたか否かを判断する(S133)。
【0077】
推奨条件決定部25cは、メディアおよび水のセットが完了したことが通知されたとS133において判断されると、S131において決定された洗い機による処理の推奨の条件を決定する(S134)。ここで、推奨条件決定部25cは、対象ジョブにおいて示されているメディアの種類と、対象ジョブにおいて示されている成果物の目的の品質と、S131において決定された洗い機の種類および設置場所との組み合わせに、洗い機処理条件情報24iにおいて関連付けられている、処理の推奨の条件を、S131において決定された洗い機による処理の推奨の条件として決定する。
【0078】
推奨条件決定部25cは、S134の処理の後、S134において決定された、洗い機による処理の推奨の条件を利用者に通知する(S135)。ここで、利用者とは、例えば、S131において決定された洗い機の操作者でも良い。S135における通知先は、例えば、S131において決定された洗い機の図示していない表示部でも良いし、S131において決定された洗い機とは別の電子機器の表示部でも良い。利用者は、S135における通知を受けると、利用者が希望する、洗い機による処理の条件を、例えば、S135における通知先の電子機器の図示していない操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。ここで、利用者が希望する、洗い機による処理の条件は、S135において通知された、洗い機による処理の推奨の条件と同一でも良いし、S135において通知された、洗い機による処理の推奨の条件から変更されても良い。
【0079】
制御部25は、S135の処理の後、利用者が希望する、洗い機による処理の条件が通知されたと判断するまで、利用者が希望する、洗い機による処理の条件が通知されたか否かを判断する(S136)。
【0080】
制御部25は、利用者が希望する、洗い機による処理の条件が通知されたとS136において判断すると、S131において決定された洗い機にメディアの洗いを指示する(S137)。ここで、S137における指示には、S136において通知されたと判断した、洗い機による処理の条件が含まれる。洗い機は、S137における指示を受けると、S137における指示に応じてメディアの洗いを実行し、メディアの洗いが完了すると、メディアの洗いの処理が完了したことを生産管理システム20に通知する。
【0081】
制御部25は、S137の処理の後、メディアの洗いの処理が完了したことが通知されたと判断するまで、メディアの洗いの処理が完了したことが通知されたか否かを判断する(S138)。
【0082】
処理条件情報管理部25aは、メディアの洗いの処理が完了したことが通知されたとS138において判断されると、洗いの処理が完了したメディア、すなわち、生産の対象の成果物が目的の品質であったか否かの問い合わせを利用者に通知する(S141)。ここで、利用者とは、例えば、S131において決定された洗い機の操作者でも良い。S141における通知先は、例えば、予め設定されている任意の電子機器の表示部でも良い。利用者は、S141における通知を受けると、生産の対象の成果物が目的の品質であったか否かの回答を、例えば、S141における通知先の電子機器の図示していない操作部を介して、生産管理システム20に通知することができる。
【0083】
処理条件情報管理部25aは、S141の処理の後、利用者から回答が通知されたと判断するまで、利用者から回答が通知されたか否かを判断する(S142)。
【0084】
処理条件情報管理部25aは、利用者から回答が通知されたとS142において判断すると、今回の生産について生産履歴情報24jを更新する(S143)。ここで、生産履歴情報24jのうち、生産の対象の成果物の目的の品質、生産に使用したメディアの種類、生産に使用した前処理剤の種類、生産に使用したインクの種類は、それぞれ、対象ジョブにおいて示されている、成果物の目的の品質、メディアの種類、前処理剤の種類、インクの種類が入力される。また、生産履歴情報24jのうち、生産に使用した前処理機の種類および設置場所、生産に使用したプリンターの種類および設置場所、生産に使用した蒸し機の種類および設置場所、生産に使用した洗い機の種類および設置場所は、それぞれ、S101において決定された前処理機の種類および設置場所、S111において決定されたプリンターの種類および設置場所、S121において決定された蒸し機の種類および設置場所、S131において決定された洗い機の種類および設置場所が入力される。また、生産履歴情報24jのうち、生産に使用した前処理機による処理の条件、生産に使用したプリンターによる処理の条件、生産に使用した蒸し機による処理の条件、生産に使用した洗い機による処理の条件は、それぞれ、S106において通知されたと判断した、前処理機による処理の条件、S116において通知されたと判断した、プリンターによる処理の条件、S126において通知されたと判断した、蒸し機による処理の条件、S136において通知されたと判断した、洗い機による処理の条件が入力される。また、生産履歴情報24jのうち、生産の対象の成果物が目的の品質であったか否かの情報は、S143において通知されたと判断した回答の内容が入力される。
【0085】
処理条件情報管理部25aは、S143の処理の後、S143において更新した生産履歴情報24jに基づいて前処理機処理条件情報24f、プリンター処理条件情報24g、蒸し機処理条件情報24hおよび洗い機処理条件情報24iを更新する(S144)。ここで、S144における更新のアルゴリズムとしては、様々なアルゴリズムが採用されることが可能である。
【0086】
制御部25は、S144の処理の後、
図6~
図8に示す動作を終了する。
【0087】
以上に説明したように、生産管理システム20は、成果物の品質と、成果物の生成に使用する電子機器の種類および設置場所と、電子機器による処理の推奨の条件との関連を示す処理条件情報と、成果物の目的の品質と、成果物の生成に使用する予定の電子機器の種類および設置場所とに基づいて、成果物の生成に使用する予定の電子機器による処理の推奨の条件を決定する(S104、S114、S124、S134)ので、成果物の生成に使用する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを低減することができる。
【0088】
生産管理システム20は、成果物の生成に使用する予定の電子機器を特定のアルゴリズムに基づいて自動で決定する(S101、S111、S121、S131)ので、利便性を向上することができる。
【0089】
生産管理システム20は、電子機器による処理の実際の条件と、この条件によって電子機器によって処理された成果物の実際の品質とに基づいて、処理条件情報を学習する(S141~S144)ので、処理条件情報の精度を向上することができ、その結果、成果物の生成に使用する電子機器の設置場所による成果物の品質のばらつきを更に低減することができる。
【0090】
生産システム10は、本実施の形態において、メディアへのインクによる印刷以外に、メディアへの前処理剤の塗布と、メディアの蒸しと、メディアの洗いとを実行することによって、成果物を生産する。しかしながら、生産システム10は、メディアへの前処理剤の塗布と、メディアの蒸しと、メディアの洗いとの少なくとも1つを実行せずに、成果物を生産しても良い。
【符号の説明】
【0091】
20 生産管理システム(コンピューター)
24a 生産管理プログラム
24f 前処理機処理条件情報(処理条件情報)
24g プリンター処理条件情報(処理条件情報)
24h 蒸し機処理条件情報(処理条件情報)
24i 洗い機処理条件情報(処理条件情報)
25a 処理条件情報管理部
25b 使用機器決定部
25c 推奨条件決定部
30 前処理機(電子機器)
40 プリンター(電子機器)
50 蒸し機(電子機器)
60 洗い機(電子機器)