(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】デジタルマイクロミラーデバイスを冷却するための合成ジェット
(51)【国際特許分類】
B41J 2/475 20060101AFI20220810BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20220810BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220810BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220810BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20220810BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20220810BHJP
H01L 23/34 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
B41J2/475 Z
G06F1/20 C
H05K7/20 H
H05K7/20 G
G03G21/00 530
G03G15/04
H01L23/46 C
H01L23/34 D
(21)【出願番号】P 2019004793
(22)【出願日】2019-01-16
【審査請求日】2022-01-17
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・ジリッリ
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-099882(JP,A)
【文献】特開2018-101777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0025542(US,A1)
【文献】特開2006-301368(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0285972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/475
G06F 1/20
H05K 7/20
G03G 21/00
G03G 15/04
H01L 23/467
H01L 23/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザイメージングモジュール(LIM)であって、
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と、
前記DMDに結合されたハウジングであって、前記ハウジングの第1の面が前記DMDの底部に結合されている、ハウジングと、
前記ハウジングの前記第1の面の反対側の第2の面に結合された冷却ブロックと、を含み、前記冷却ブロックは、
複数の開口部を含むプレートと、
前記プレートに結合された振動板と、
空気流を生成する空気入口と、
前記空気流を集める空気出口と、
複数の空気流ガイドであって、前記空気流が前記空気入口、前記空気出口、および前記複数の空気流ガイドによって形成される本体内部の前記プレートの上側を横切って移動し、前記振動板の可動床が前記プレートの下側に向かって移動して空気を前記複数の開口部を通して押し出し、前記空気流が前記ハウジングの前記第2の面に向かう方向に対して垂直な方向に前記空気流を移動させる力を生成する、前記複数の空気流ガイドと、を含む、LIM。
【請求項2】
前記可動床が、前記空気流の前記方向に対して垂直な前記方向に前記空気流を移動させる前記力を生成するように振動する、請求項1に記載のLIM。
【請求項3】
前記可動床が前記プレートに向かう方向および離れる方向に約1~2mmの間で振動する、請求項2に記載のLIM。
【請求項4】
前記可動床が約30ヘルツ~10キロヘルツの間の範囲の周波数で振動する、請求項2に記載のLIM。
【請求項5】
前記振動板が圧電振動板を含む、請求項1に記載のLIM。
【請求項6】
前記振動板が、
複数の独立したチャンバを含み、前記複数の独立したチャンバの各チャンバがそれぞれの振動する可動床を含む、請求項1に記載のLIM。
【請求項7】
前記複数の独立したチャンバの各チャンバの前記それぞれの可動床が、異なる時点または異なる周波数で振動することができる、請求項6に記載のLIM。
【請求項8】
前記空気流が連続している、請求項1に記載のLIM。
【請求項9】
前記空気流が毎秒約0.5メートル(m/s)~2m/sの間の速度で移動される、請求項1に記載のLIM。
【請求項10】
前記複数の開口部のそれぞれが約25ミクロン~100ミクロンの間の直径を含む、請求項1に記載のLIM。
【請求項11】
前記プレートが、前記プレートの前記複数の開口部上に前記空気流を封じ込めるための空気流ガイドを、前記プレートの両側に含む、請求項1に記載のLIM。
【請求項12】
前記プレートが矩形体であり、前記空気入口が前記矩形体の第1の端部に隣接し、前記空気出口が前記矩形体の第2の反対側の端部に隣接する、請求項1に記載のLIM。
【請求項13】
請求項1に記載のLIMであって、
前記DMDの温度を測定する温度検知装置をさらに含む、請求項1に記載のLIM。
【請求項14】
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を冷却する方法であって、
前記DMDの温度を測定することと、
前記DMDの前記温度が閾値を上回っていると判定することと、
複数の開口部を有するプレート、前記プレートに結合された振動板
、空気流を生成する空気入口、前記空気流を集める空気出口、及び複数の空気流ガイドを含む冷却ブロックを通して
前記空気流を提供することであって、前記空気流が前記空気入口、前記空気出口、および前記複数の空気流ガイドによって形成される本体内部の前記プレートの上側を横切って移動し、前記振動板の可動床が前記プレートの下側に向かって移動して空気を前記複数の開口部を通して押し出し、前記空気流が前記DMDに向かう方向に対して垂直な方向に前記空気流を移動させる力を生成する、前記空気流を提供することと、
前記DMDの前記温度が前記閾値を下回るまで前記測定することを繰り返すことと、
前記空気流が前記冷却ブロックを介して移動することを停止することと、含む、方法。
【請求項15】
前記温度が、前記DMDおよび前記冷却ブロックに結合された温度検知装置によって測定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記振動板が、前記振動板内の移動床を約30ヘルツ~10キロヘルツの間の周波数で振動させることによって前記力を生成する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記空気流が毎秒約0.5メートル(m/s)~2m/sの間の速度で移動される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
レーザイメージングモジュール(LIM)であって、
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と、
前記DMDに結合されたハウジングであって、前記ハウジングの第1の面が前記DMDの底部に結合されている、ハウジングと、
前記ハウジングの前記第1の面の反対側の第2の面に結合された、複数の開口部を含む矩形プレートと、
前記矩形プレートを横断する空気流を生成するための、前記矩形プレートの第1の端部に結合されている、空気入口と、
前記空気流を集めるための、前記矩形プレートの前記第1の端部の反対側の第2の端部に結合されている、空気出口と、
前記矩形プレートの第3の端部上および前記第3の端部の反対側の第4の端部上の一対の空気流ガイドであって、前記空気入口、前記空気出口および前記一対の空気流ガイドが、前記矩形プレートの上側を横断して移動する前記空気流を封じ込めるためのチャンバを形成している、一対の空気流ガイドと、
前記矩形プレートの底部側に結合された振動板であって、前記矩形プレートの下側に向かって移動して空気を前記複数の開口部を通して押し出し、約30ヘルツ~10キロヘルツの間の周波数で振動する可動床を介して前記DMDの後部側に向かう方向に前記空気流を移動させる力を生成する振動板と、を含む、LIM。
【請求項19】
前記振動板が、
複数の独立したチャンバを含み、前記複数の独立したチャンバの各チャンバがそれぞれの振動する可動床を含む、請求項18に記載のLIM。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、プリンタおよびあるレーザイメージングモジュール内の光学部品に関し、より詳細には、デジタルマイクロミラーデバイスを合成ジェットを用いて冷却する装置および方法に関する。
【0002】
プリンタまたはイメージング装置のいくつかはレーザイメージングモジュール(LIM)を用いる。LIMは、1つ以上の光学部品と協働して画像を印刷するための印刷媒体にレーザを向け直す1つ以上のレーザを含む場合がある。動作中、光学部品はLIM内のレーザによって使用される電力量による大量の熱を吸収する恐れがある。
【0003】
大量の熱は、光学部品に悪影響を及ぼす恐れがある。例えば、大量の熱は、光学部品を正常に動作しないようにしたり、平均動作寿命を短くしたり、または、極端な例では、光学部品を完全に故障させる恐れがある。現在用いられている方法は、光学部品を適正な温度範囲に冷却するのに十分ではない可能性がある。
【0004】
本明細書に示される態様によれば、デジタルマイクロミラーデバイスを冷却する装置および方法が提供される。実施形態の1つの開示された特徴は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と、DMDに結合されたハウジングであって、ハウジングの第1の面がDMDの底部に結合されている、ハウジングと、第1の面の反対側のハウジングの第2の面に結合された冷却ブロックと、を含むレーザイメージングモジュールである。冷却ブロックは、複数の開口部を含むプレートと、プレートに結合された振動板と、プレートを横断する空気流を生成する空気入口であって、振動板が空気流がハウジングの第2の面に向かう方向に対して垂直な方向に空気流を移動させる力を生成する、空気入口と、空気流を集める空気出口と、を含む。
【0005】
実施形態の別の開示された特徴は、DMDを冷却する方法である。一実施形態では、この方法は、DMDの温度を測定することと、DMDの温度が閾値を上回っていると判定することと、複数の開口部を有するプレートと、プレートに結合された振動板と、プレートを横断する空気流を生成する空気入口であって、振動板が空気流のDMDに向かう方向に対して垂直な方向に空気流を移動させる力を生成する空気入口と、空気流を集める空気出口と、を含む冷却ブロックを介して空気流を提供することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】レーザイメージングモジュール内の本開示のレーザイメージングモジュール(LIM)の実施例を示す。
【
図2】本開示のLIM内の冷却ブロックの実施例の近接図を示す。
【
図3】本開示の冷却ブロックの配置の実施例の分解組立図を示す。
【
図4】本開示の冷却ブロックの実施例の断面図を示す。
【
図5】複数の独立したチャンバを有する本開示の振動板の実施例の分解組立図を示す。
【
図6】デジタルマイクロミラーデバイスを冷却する方法の実施例のフローチャートを示す。
【
図7】本明細書で説明される機能を行う用途に適したコンピュータの高次のブロック図を示す。
【0007】
理解を容易にするために、可能な場合は同一の参照番号を用いて各図に共通の同一要素を示した。
【0008】
本開示は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を冷却する装置および方法を広く開示する。上述したように、プリンタまたはイメージング装置のいくつかはレーザイメージングモジュール(LIM)を用いる。LIMは、1つ以上の光学部品と協働して画像を印刷するための印刷媒体にレーザを向け直す1つ以上のレーザを含んでよい。動作中、光学部品はLIM内のレーザによって使用される電力量による大量の熱を吸収する恐れがある。
【0009】
大量の熱は、光学部品に悪影響を及ぼす恐れがある。例えば、大量の熱は、光学部品を正常に動作しないようにしたり、平均動作寿命を短くしたり、または、極端な例では、光学部品を完全に故障させる恐れがある。現在用いられている方法は、光学部品を適正な温度範囲に冷却するのに十分ではない可能性がある。
【0010】
DMDは、付随する高い熱流速のせいで、DMDを適正に冷却する更なる課題を提示する。どのようにDMDが電気ボードに搭載されるかによって、効果的な冷却に利用できる空間の大きさは大きく制限される。
【0011】
本開示の実施形態は、冷却ブロック内で従来の設計よりも速い熱伝達速度を提供する新規な装置および方法を提供する。そのうえ、いくつかの実施形態では、冷却ブロックが合成ジェットを生成して熱伝達速度をさらに増大させ、より効率的なDMDの冷却を提供することができる。
【0012】
図1は、本開示のレーザイメージングモジュール(LIM)または装置100の実施例を示す。一実施形態では、LIM100は、イメージング装置またはプリンタの一部であってよい。一実施形態では、LIM100は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)104によって印刷媒体(例えば、紙、プラスチック、布など)上に向け直されるレーザを放出する1つ以上のレーザダイオード108を含んでよい。レーザダイオード108は、1つ以上の電気接続110を介してプロセッサ、電源などに接続されてよい。
【0013】
一実施形態では、レーザダイオード108は、大量の電力によって電力供給されてよい。例えば、レーザダイオード108は、360ワット程度のエネルギーで電力供給されてよく、このエネルギーのかなりの量、典型的には、40~60ワットの範囲のエネルギーがDMDによって吸収される可能性がある。一実施形態では、レーザダイオード108は、1つ以上の冷却管112によって冷却されてよい。
【0014】
一実施形態では、DMD104は、レーザダイオード108によって放出されたレーザまたは光を向け直すのに使用される小さなミラーの配列を含んでよい。動作中、レーザダイオード108によって放出された光の大量のエネルギーはDMD104の温度を上昇させる恐れがある。高い温度はDMD104を損傷させるかまたは完全に故障させる恐れがある。例えば、70℃を超える温度は、DMD104の寿命を劣化させる恐れがある。120℃を超える温度は、DMD104を損傷または故障させる恐れがある。
【0015】
上述のように、DMD104は、付随する高い熱流速のせいで、DMD104を適正に冷却するためにさらなる課題を提供する可能性がある。DMD104がどのように電気ボードに搭載されているかによって、効果的な冷却に利用できる空間の広さは大きく制限される。
【0016】
本開示の一実施形態は、DMD104を効率的に冷却するために設計された冷却ブロック102を提供する。冷却ブロック102は、入口冷却管106Iおよび出口冷却管106Oを介して冷却ブロック102を通って移動される冷却剤を使用してよい。入口冷却管106Iおよび出口冷却管106Oは、本明細書でまとめて冷却管106と称されてもよい。
【0017】
一実施形態では、冷却ブロック102および冷却管106は、金属を含んでよい。例えば、冷却ブロック102および冷却管106は、銅または別の類似の導電性金属から作製されてよい。
【0018】
一実施形態では、冷却剤は、DMD104から外に熱を伝達するために使用される流体でよい。一実施例では、流体は空気でよい。空気は、DMD104を冷却するために以下にさらに詳細に説明されるように、冷却され冷却ブロック102を通って流れることができる。
【0019】
一実施形態では、温度検知装置114が、冷却ブロック102および/またはDMD104に直接または間接的に結合されてよい。温度検知装置114は、サーミスタ線、熱電対、または他の任意のタイプの温度検知装置でよい。
【0020】
温度検知装置114は、DMD104の温度を測定することができる。プロセッサまたはコントローラは、温度に基づいて、冷却剤を冷却管106および冷却ブロック102を通して放出または移動させることができる。例えば、サーミスタ線114によって測定された温度が温度閾値(例えば、70℃、120℃など)を上回って上昇した場合には、閾値温度を下回って温度を下降させ温度を戻し維持するために、冷却剤が冷却ブロック102を通って移動されてよい。別の実施例では、温度検知装置114は、プロセッサがチラーに命令を送り入口冷却剤の温度を変えることができるようにプロセッサまたはコントローラにフィードバックを送るために使用されてよい。
【0021】
図2は、冷却ブロック102のより詳細な図面およびそれがLIM100の中でどのように配置されているのかを示す。
図1からのいくつかの構成部品は、DMD104がどのように電気ボード116上および冷却ブロック102上に配置されているのかをより詳しく示すために
図2から除去された。一実施形態では、冷却ブロック102は、温度検知装置114を保持する切り欠きまたは溝118を含んでよい。
【0022】
冷却管106は、冷却ブロック102内を横方向または水平に走っているように示されているが、冷却管106が冷却ブロック102内を垂直に走っていてもよいことに留意すべきである。例えば、冷却管106は、冷却ブロック102の下に位置し、冷却ブロック102の横側からではなく冷却ブロック102の底部側から入ってもよい。冷却管106を垂直に走らせることは、いくつかの回転を取り除くのに役立つことができ、このことは、冷却管106内の全体の圧力低下を低減させるのに役立ち得る。全体的に見て、できるだけ多くの回転を取り除くことは、冷却管106が冷却ブロック102内を垂直または水平に走るかに関わらず、冷却管106内の全体の圧力を低減させるのに役立つ。そのうえ、冷却管106は、冷却剤をより速い速度でまたはより多くの乱流で冷却ブロック102を通って送達しまたは移動させることができる。
【0023】
図3は、本開示の冷却ブロック102の配置の実施例の分解組立図を示す。一実施形態では、DMD104はソケット322に結合されたハウジング324に結合されてよい。電気ボード116は、ソケット322の開口部に対応する開口部を有してよい。開口部は、DMD104に結合されたハウジング324に空気が接触できるようにすることができる。
【0024】
一実施形態では、冷却ブロック102は、複数の開口部308を有するプレート302を含んでよい。複数の開口部308のそれぞれは、開口直径約25ミクロン~100ミクロンを有する。
【0025】
一実施形態では、プレート302は矩形または正方形の形状を有してよい。プレート302は、第1の端部310、第1の端部310の反対側の第2の端部312、第3の端部314および第3の端部314の反対側の第4の端部316を有してよい。
【0026】
一実施形態では、空気入口360が第1の端部310に結合されるか、または、第1の端部310に隣接していてよい。一実施形態では、空気出口362が第2の端部312に結合されてよい。冷却管106Iは、矢印350で示すように空気入口を通って上方に空気流を提供することができる。空気流は矢印352で示すような方向にプレート302の上面を超えて移動することができる。次いで、空気流は、空気出口362に集められ矢印354で示すように冷却出口106O内下方に移動することができる。
【0027】
空気流は、連続していてよく、または、冷却ブロック102がDMD104の温度に基づいてアクティブ化または非アクティブ化されるときにオン・オフされてもよい。一実施形態では、空気流は毎秒約0.5メートル(m/s)~2m/sの速度で移動することができる。
【0028】
一実施形態では、空気流ガイド304が第3の端部314に隣接して結合され、空気流ガイド306が第4の端部316に隣接して結合されてよい。つまり、空気流ガイド304および306がプレート302の両側に配置されてよい。そのうえ、空気流ガイド304および306が、空気入口360および空気出口362に対して垂直に配置されてよい。
【0029】
一実施形態では、空気入口360、空気出口362、空気流ガイド304および空気流ガイド306が、電気ボード116の底部および電気ボード116の開口部の周囲に結合されてよい。その結果、空気入口360、空気出口362、空気流ガイド304および空気流ガイド306が空気流を封じ込め、矢印352に示すように、空気入口360からプレート302の全長にわたって空気出口362内に空気流が確実に移動される。
【0030】
一実施形態では、冷却ブロック102は、プレート302の底部側318に結合された振動板320を含んでもよい。振動板320は、空気流をDMD104に向かって移動させる力を生成することができる。つまり、振動板320に形成された力が、ハウジング324の底部側(または第2の面)に向かう空気流の方向に対して垂直な方向に空気流を移動させることができる。
【0031】
図4は、本開示の冷却ブロック102の実施例の断面図を示す。
図4は、振動板320および可動床402の壁によって生成された容積404を示す。一実施形態では、可動床402は、矢印406で示すように、上下に振動することができる。可動床402は、上に移動して空気または流体をプレート302の複数の孔308を通して押し出すことができる。プレート302に向かって上に移動する可動床402によって生成される力は、空気が複数の孔308を通して押し出されるときに、より速い速度で移動する空気による合成ジェットを生成することができる。プレート302に向かって移動している空気は、
図3に示す方向352に移動している空気流を、空気流が横方向に(矢印408によって示されるように)移動しているときに、(矢印410によって示されるように)DMD104に結合されたハウジング324のより近くに移動させることができる。
【0032】
一実施形態では、空気流は、移動床402が上下に振動するときに、方向352に波状に移動することができる。移動床402の振動は、方向352に移動している空気流をハウジング324に向かって上昇させ、ハウジング324から波状に降下させることができる。振動板320によって生成された力によって生じた移動の波形は、プレート302を超えてハウジング324/DMD104に対して移動している空気流の熱伝達を増大させることができる。
【0033】
一実施形態では、移動床402は、予め規定された周波数で移動することができる。一実施形態では、この周波数は約30ヘルツ~10キロヘルツの範囲にあってよい。一実施形態では、可動床402は、矢印406によって示される方向に約1~2ミリメートル上下に移動することができる。つまり、容積は約1~2ミリメートルの高さ(例えば、プレート302の底部から可動床402の頂部までの距離)を有することができる。
【0034】
一実施形態では、いずれの機械的または電気的な振動板も使用してよい。例えば、振動板320はコントローラまたはプロセッサによって制御される圧電振動板でよい。
【0035】
図5は、本開示の振動板520の別の実施形態の分解組立図を示す。一実施形態では、空気流は、矢印550で示すように移動してプレート302上に上昇し、矢印552で示すように移動して複数の孔308を超えて、矢印554に示すように冷却出口106
O内に下降する。
【0036】
一実施形態では、DMD104と空気流との間の熱伝達をさらに向上させるために、振動板520は、複数の独立したチャンバ5241~524N(以後、個々を独立チャンバ(independent chamber)524、または総じて独立チャンバ(independent chambers)524と呼ぶ)を含んでよい。一実施形態では、チャンバ524は、それぞれ、同じ大きさ、容積、寸法などを有してよい。別の実施形態では、チャンバ524は、DMD104の温度プロファイルおよびDMD104のどの表面がより熱いかあるいはより冷たいかに応じて、異なる大きさ、容積、寸法などを有してよい。
【0037】
一実施形態では、独立チャンバ524の各チャンバは、それぞれの可動床402を含んでよい。その結果、各独立チャンバ524は、空気流の異なる個所をハウジング324およびDMD104に向けて押し上げる力を生成することができる。一実施例では、各独立チャンバ524それぞれの可動床402は、同じ周波数で同時に移動することができる。これによって、空気流は、振動板320によって引き起こされる空気流移動と同様に上下に移動することができる。
【0038】
一実施形態では、独立チャンバ524の各チャンバそれぞれの可動床402は、同じ周波数だが異なる時点で移動することができる。例えば、独立チャンバ5241のそれぞれの可動床402は、独立チャンバ5242のそれぞれの可動床402が下に移動しているときに上に移動していることができる。これによって、空気流の異なる個所(例えば、複数の孔308のうちの特定の独立チャンバ524に対応するサブグループ)が、プレート302を超えて移動しつつ異なるポイントで上下することができる。
【0039】
別の実施形態では、独立チャンバ524の各チャンバそれぞれの可動床402は、異なる周波数で異なる時点で移動することができる。これによって、独立チャンバ5241のそれぞれの可動床402は50ヘルツの周波数で振動していてよく、独立チャンバ5242のそれぞれの可動床402は100ヘルツの周波数で振動していてよく、以下同様である。一実施形態では、独立チャンバ524の各チャンバそれぞれの可動床402の振動の周波数およびタイミングは、DMD104の温度プロファイルおよびDMD104のどの表面がより熱いかまたはより冷たいかの関数であってよい。
【0040】
一実施形態では、複数の孔308の直径は、特定の独立チャンバ524に対応する孔の異なるグループに対しても異なってよい。例えば、より少ない熱伝達が必要な場合には、合成ジェットの速度はより遅くなることができ、独立チャンバ5241に対応する孔はより大きくなることができる。対称的に、より多くの熱伝達が必要で合成ジェットの速度がより速くならねばならない場合には、独立チャンバ5242にに対応する孔はより小さくなることができ、以下同様である。
【0041】
図6は、デジタルマイクロミラーデバイスを冷却する方法600の実施例のフローチャートを示す。一実施形態では、方法600の1つ以上の工程または操作は、
図7に示され以下に述べられるように、LIM100またはLIM100を制御するコンピュータによって行われてよい。
【0042】
ブロック602で、方法600が始まる。ブロック604で、方法600はDMDの温度を測定する。例えば、温度検知装置がDMDの温度を測定することができる。
【0043】
ブロック606で、方法600はDMDの温度が閾値を上回っているかどうかを判定する。例えば、閾値はDMDの寿命の低下または故障に関連する温度でよい。一実施形態では、閾値は20℃~30℃でよい。しかし、閾値温度は温度検知装置の位置に依存する可能性があり、他の環境因子の位置に基づいて変化する恐れがある。
【0044】
温度が閾値温度を上回っていない場合は、方法600はブロック604に戻ってDMDの温度の監視を続けることができる。しかし、温度が閾値温度を上回っている場合は、方法600はブロック608に進むことができる。
【0045】
ブロック608で、方法600は、複数の開口部を有するプレートと、プレートに結合された振動板と、プレートを横断する空気流を生成する空気入口であって、振動板が、空気流がDMDに向かう方向に対して垂直な方向に空気流を移動させる力を生成する空気入口と、空気流を集める空気出口と、を含む冷却ブロックを通して空気流を提供してよい。例えば、上述したように、空気流は、約0.5m/s~2.0m/sの速度でプレートを横断して移動することができる。
【0046】
そのうえ、より多くの熱伝達を生成するために、空気流は、プレートを横断して移動するときに、DMDに向かって上方におよびDMDから離れて下方に波形パターンで移動することができる。空気流の上下運動を、振動板によって生成された力によって引き起こすことができる。
【0047】
例えば、振動板は、プレートの複数の孔を通して空気を押し込んで合成ジェットを生成するために特定の周波数で振動する可動床を含んでよい。合成ジェットの移動は、空気流をDMDに向かって移動させる力を生成することができる。上記のように、可動床の振動周波数は約30ヘルツ~10キロヘルツの周波数の範囲でよい。
【0048】
一実施形態では、振動板は、各独立チャンバがそれぞれの可動床を有する複数の独立したチャンバを有してよい。これによって、複数の独立したチャンバの各チャンバそれぞれの可動床の振動が力を生成することができる。
【0049】
任意選択のブロック610で、方法600は、DMDの温度が閾値を上回っているかどうかを判定する。例えば、温度検知装置がDMDの温度測定を続けることができる。DMDの温度が閾値を上回ったままの場合は、方法600はブロック608にループバックし、冷却ブロックを通して送達される空気を介してDMDを冷却し続けることができる。
【0050】
しかし、DMDの温度が閾値を下回っている場合は、方法600は、任意選択のブロック612に続くことができる。任意選択のブロック612で、方法600は、空気流が冷却ブロックを通って移動するのを停止させることができる。ブロック614で、方法600は終了する。
【0051】
一実施形態では、方法600は、ブロック612からブロック604まで無期限にループバックしてよい。つまり、方法600は、DMDの温度を連続して測定し、LIMが動作している限り冷却ブロックを通って移動する空気流を介してDMDを冷却することができる。
【0052】
明示的に述べられていないが、上記で説明した方法600の1つ以上の工程、機能または操作は、特定の用途で必要な場合は、記憶工程、表示工程、および/または出力工程を含んでよいことに留意すべきである。つまり、いずれのデータ、記録、フィールド、および/またはこの方法で議論した中間結果も、特定の用途で必要な場合は、記憶し、表示し、かつ/または別の装置に出力することができる。さらにまた、判定操作を詳述しているかまたは決定を伴う
図6の工程、ブロックまたは操作は、判定操作の両方の選択肢が続行されることを必ずしも要求しない。つまり、判定操作の選択肢の一方は任意選択の工程と見なすことができる。そのうえ、上述の方法600の1つ以上の工程、ブロック、機能または操作は、任意選択の工程を含んでよく、あるいは、本開示の例示的実施例から逸脱することなく、組み合わせ、分離し、かつ/または、上述した順序と異なる順序で行なうことができる。さらにまた、上記開示での用語「任意選択の」使用は、「任意選択の」ものと分類されない他のいずれの工程も任意選択のものではないことを意味しない。このように、任意選択のものと分類されない工程を詳述していないいずれの請求項も必須の工程がなくなっていると見なされるべきではなく、むしろ、かかる省略された工程はその実施形態において任意選択のものであると見なされる実施形態を詳述していると見なされるべきである。
【0053】
図7は、本明細書で説明した機能を行なうために特化したコンピュータの高度なブロック図を描写する。
図7に描写されたように、コンピュータ700は、1つ以上のハードウェアプロセッサ素子702(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサまたはマルチコアプロセッサ)と、メモリ704(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはリードオンリィメモリ(ROM))と、デジタルマイクロミラーデバイスを冷却するモジュール705と、様々な入出力装置706(例えば、限定はされないが、テープドライブ、フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブまたはコンパクトディスクドライブ、レシーバ、トランスミッタ、スピーカ、ディスプレイ、音声合成器、出力ポート、入力ポートおよびユーザ入力装置(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォンなど)を含む記憶装置)と、を含む。1つのプロセッサ素子しか示されていないが、コンピュータは複数のプロセッサ素子を採用してよいことに留意されたい。さらにまた、図では1台のコンピュータしか示されていないが、上述したような方法が特定の例示的な実施例のために分散方式または並列方式で実行される場合は、すなわち、上記の方法または全体の方法の各工程が複数または並列のコンピュータにわたって実行される場合は、この図のコンピュータはこれらの複数のコンピュータのそれぞれを代表することが意図されている。さらにまた、1つ以上のハードウェアプロセッサを、仮想化または共有されたコンピュータ環境を支援するのに利用することができる。仮想化されたコンピュータ環境は、コンピュータ、サーバまたは他のコンピュータデバイスを代表する1つ以上の仮想マシーンを支援することができる。かかる仮想化された仮想マシーンでは、ハードウェアプロセッサおよびコンピュータ可読記憶装置などのハードウェア構成部品を仮想化または論理的に表現することができる。
【0054】
本開示を、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)などのプログラマブル論理アレー(PLA)を用いて、ソフトウェアおよび/またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装することができること、あるいは、ハードウェアデバイスに配置されたステートマシーン、コンピュータまたは他の任意のハードウェア同等物(例えば、上述した方法に関係するコンピュータ可読命令)を用いて、上記で開示された方法の工程、機能および/または操作を行なうハードウェアプロセッサを構成することができることが留意されるべきである。一実施形態では、デジタルミラーデバイスを冷却する本モジュールまたはプロセス705の命令およびデータ(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)は、メモリ704にロードされ、ハードウェアプロセッサ要素702によって実行されて実施例の方法600に関係する上述のような工程、機能および操作を実装することができる。さらにまた、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「操作」を行なうとき、これは、操作を直接行なって、かつ/または、別のハードウェアデバイスまたは構成要素(例えば、コプロセッサなど)を支援し、それに指示し、または、それと協力して操作を行なうことができるはずである。
【0055】
上述の方法に関連するコンピュータ可読命令またはソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサまたは専用プロセッサとして認識することができる。このように、本開示のデジタルミラーデバイス(関連するデータ構造を含む)を冷却する本モジュール705は、触知可能または物理的な(広義に非一時的な)コンピュータ可読記憶デバイスまたは媒体(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気または光学のドライブ、デバイスまたはディスケットなど)に記憶することができる。より具体的には、コンピュータ可読記憶装置は、プロセッサまたはコンピュータもしくはアプリケーションサーバなどのコンピュータデバイスによってアクセスされるデータおよび/または命令などの情報を記憶する能力を提供するいずれの物理デバイスも含むことができる。