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特許7121744送受信回路、通信装置、および、送受信回路の制御方法
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  • 特許-送受信回路、通信装置、および、送受信回路の制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】送受信回路、通信装置、および、送受信回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/29 20150101AFI20220810BHJP
【FI】
H04B17/29 300
H04B17/29 400
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019549864
(86)(22)【出願日】2018-08-03
(86)【国際出願番号】 JP2018029254
(87)【国際公開番号】W WO2019087501
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2017209222
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】小森 健司
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0290888(US,A1)
【文献】特開2009-218891(JP,A)
【文献】特開平10-065746(JP,A)
【文献】特開2011-229042(JP,A)
【文献】特開平06-120860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、
所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成回路と、
前記アンテナからの受信信号と前記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択部と、
前記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信回路と、
前記受信情報信号と前記所定の変調対象信号とを比較するテスト回路と、
前記送信信号の送信と重複して割り当てられたタイムスロットにおいて前記テスト回路を動作させる信号処理部と
を具備する送受信回路。
【請求項2】
所定のローカル信号を生成して前記送信回路および前記ループバックテスト信号生成回路へ供給するローカル発振器をさらに具備し、
前記送信回路は、前記所定のローカル信号と前記送信情報信号とを混合し、
前記ループバックテスト信号生成回路は、前記所定のローカル信号と前記所定の変調対象信号とを混合する請求項1記載の送受信回路。
【請求項3】
前記ローカル発振器は、前記所定のローカル信号を前記受信回路へさらに送信し、
前記受信回路は、前記所定のローカル信号と前記復調対象信号とを混合する
請求項2記載の送受信回路。
【請求項4】
前記所定のローカル信号の位相誤差を補正して前記受信回路へ供給する位相シフタをさらに具備し、
前記ローカル発振器は、前記位相シフタを介して前記受信回路へ前記所定のローカル信号を供給する
請求項3記載の送受信回路。
【請求項5】
前記送信回路は、
第1のローカル信号を生成する第1のローカル発振器と、
前記第1のローカル信号と前記送信情報信号とを混合する第1の混合器と
を備え、
前記受信回路は、
第2のローカル信号を生成する第2のローカル発振器と、
前記第2のローカル信号と前記復調対象信号とを混合する第2の混合器と
を備える請求項1記載の送受信回路。
【請求項6】
前記ループバックテスト信号生成回路は、
第3のローカル信号を生成する第3のローカル発振器と、
前記第3のローカル信号と前記所定の変調対象信号とを混合する第3の混合器と
を備える請求項5記載の送受信回路。
【請求項7】
前記送信回路は、前記送信信号を前記アンテナに供給するとともに第3のローカル信号として前記ループバックテスト信号生成回路に供給し、
前記ループバックテスト信号生成回路は、前記第3のローカル信号と前記変調対象信号とを混合する第3の混合器を備える
請求項5記載の送受信回路。
【請求項8】
送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、
前記送信信号の送信と受信信号の受信とを行うアンテナと、
所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成回路と、
前記アンテナからの前記受信信号と前記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択部と、
前記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信回路と、
前記受信情報信号と前記所定の変調対象信号とを比較するテスト回路と、
前記送信信号の送信と重複して割り当てられたタイムスロットにおいて前記テスト回路を動作させる信号処理部と
を具備する通信装置。
【請求項9】
送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信手順と、
所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成手順と、
前記アンテナからの受信信号と前記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択手順と、
前記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信手順と、
前記受信情報信号と前記所定の変調対象信号とをテスト回路が比較するテスト手順と、
前記送信信号の送信と重複して割り当てられたタイムスロットにおいて前記テスト回路を動作させる信号処理手順と
を具備する送受信回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送受信回路、通信装置、および、送受信回路の制御方法に関する。詳しくは、搬送波通信を行う送受信回路、通信装置、および、送受信回路の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、無線通信においては、ローカル信号などの搬送波を用いて変調や復調を行う搬送波通信が広く利用されている。そして、搬送波通信を行う送受信回路においては、受信回路が正常に動作しているか否かを判断するために、送信回路から受信回路へアンテナを介さずにテスト信号を送信するループバックテストが行われることがある。例えば、ループバックテストの際にアンテナから送信回路および受信回路を切り離し、送信回路と受信回路とを直結するセレクタを配置した回路が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この回路において、セレクタは、無線通信の際に送信回路および受信回路のいずれかを選択してアンテナに接続する。また、この回路において、送信回路および受信回路は、同一のローカル発振器を共有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-060174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、送信回路および受信回路がローカル発振器を共有するため、それらの回路が個別にローカル発振器を有する場合と比較して、回路規模やコストを削減することができる。しかしながら、上述の従来技術では、無線送信時において送信回路および受信回路が直結されずにアンテナに接続されるため、無線送信中にループバックテストを実行することができないという問題がある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、無線通信を行う回路において、無線送信中にループバックテストを実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成回路と、上記アンテナからの受信信号と上記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択部と、上記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信回路と、上記受信情報信号と上記所定の変調対象信号とを比較するテスト回路と
を具備する送受信回路、および、その制御方法である。これにより、送信回路が送信信号を供給する一方で、ループバックテスト信号が生成されるという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、所定のローカル信号を生成して上記送信回路および上記ループバックテスト信号生成回路へ供給するローカル発振器をさらに具備し、上記送信回路は、上記所定のローカル信号と上記送信情報信号とを混合し、上記ループバックテスト信号生成回路は、上記所定のローカル信号と上記所定の変調対象信号とを混合してもよい。これにより、送信回路およびループバックテスト信号生成回路によりローカル発振器が共有されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記ローカル発振器は、上記所定のローカル信号を上記受信回路へさらに送信し、上記受信回路は、上記所定のローカル信号と上記復調対象信号とを混合してもよい。これにより、送信回路、ループバックテスト信号生成回路および受信回路によりローカル発振器が共有されるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記所定のローカル信号の位相誤差を補正して上記受信回路へ供給する位相シフタをさらに具備し、上記ローカル発振器は、上記位相シフタを介して上記受信回路へ上記所定のローカル信号を供給してもよい。これにより、ローカル信号の位相誤差が補正されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記送信回路は、第1のローカル信号を生成する第1のローカル発振器と、上記第1のローカル信号と上記送信情報信号とを混合する第1の混合器とを備え、上記受信回路は、第2のローカル信号を生成する第2のローカル発振器と、上記第2のローカル信号と上記復調対象信号とを混合する第2の混合器とを備えてもよい。これにより、ローカル信号の位相誤差が抑制されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記ループバックテスト信号生成回路は、第3のローカル信号を生成する第3のローカル発振器と、上記第3のローカル信号と上記所定の変調対象信号とを混合する第3の混合器とを備えてもよい。これにより、ローカル信号の位相誤差が抑制されるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記送信回路は、上記送信信号を上記アンテナに供給するとともに上記所定の変調対象信号として上記ループバックテスト信号生成回路に供給してもよい。これにより、送信回路のローカル発振器が削減されるという作用をもたらす。
【0013】
また、本技術の第2の側面は、送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、上記送信信号の送信と受信信号の受信とを行うアンテナと、所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成回路と、上記アンテナからの上記受信信号と上記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択部と、上記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信回路と、上記受信情報信号と上記所定の変調対象信号とを比較するテスト回路とを具備する通信装置である。これにより、送信回路が送信信号をアンテナに供給する一方で、ループバックテスト信号が生成されるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0014】
本技術によれば、無線通信を行う回路において、無線送信中にループバックテストを実行することができるという優れた効果を奏し得る。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本技術の第1の実施の形態における通信装置の一構成例を示すブロック図である。
図2】本技術の第1の実施の形態における送受信回路の一構成例を示すブロック図である。
図3】本技術の第1の実施の形態における送信回路、ループバックテスト信号生成回路および受信回路の一構成例を示す回路図である。
図4】本技術の第1の実施の形態における送受信回路の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】本技術の第2の実施の形態における送受信回路の一構成例を示すブロック図である。
図6】本技術の第2の実施の形態における位相シフタの一構成例を示す回路図である。
図7】本技術の第3の実施の形態における送受信回路の一構成例を示すブロック図である。
図8】本技術の第3の実施の形態における送信回路、ループバックテスト信号生成回路および受信回路の一構成例を示す回路図である。
図9】本技術の第4の実施の形態における送受信回路の一構成例を示すブロック図である。
図10】本技術の第4の実施の形態における送信回路、ループバックテスト信号生成回路および受信回路の一構成例を示す回路図である。
図11】本技術の第5の実施の形態における送受信回路の一構成例を示すブロック図である。
図12】本技術の第5の実施の形態における送信回路、ループバックテスト信号生成回路および受信回路の一構成例を示す回路図である。
図13】本開示に係る技術が適用され得るIoT(Internet of Things)システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ループバックテスト信号生成回路がテスト信号を生成する例)
2.第2の実施の形態(位相誤差を補正し、ループバックテスト信号生成回路がテスト信号を生成する例)
3.第3の実施の形態(ローカル発振器を共有せず、ループバックテスト信号生成回路がテスト信号を生成する例)
4.第4の実施の形態(ループバックテスト信号生成回路が送信信号からテスト信号を生成する例)
5.第5の実施の形態(送信回路とローカル発振器を共有するループバックテスト信号生成回路がテスト信号を生成する例)
6.応用例
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[通信装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信装置100の一構成例を示すブロック図である。この通信装置100は、無線通信を行う装置であり、アンテナ110、送受信回路200および信号処理部120を備える。通信装置100としては、例えば、スマートフォンやIoTデバイスが想定される。
【0018】
アンテナ110は、電磁波と電気信号とを相互に変換するものである。このアンテナ110は、電磁波を電気信号に変換(すなわち、受信)して受信信号として送受信回路200に信号線119を介して供給する。また、アンテナ110は、信号線119を介して送受信回路200から受け取った電気信号である送信信号を電磁波に変換(すなわち、送信)する。
【0019】
送受信回路200は、信号の変調および復調を行うものである。この送受信回路200は、信号線129を介して信号処理部120から受け取った情報信号である送信情報信号を変調し、送信信号としてアンテナ110に供給する。また、送受信回路200は、アンテナ110からの受信信号を復調して情報信号を受信情報信号として取り出し、信号線129を介して信号処理部120へ供給する。
【0020】
信号処理部120は、情報信号に対して所定の信号処理を行うものである。この信号処理部120は、符号化などの信号処理により送信情報信号を生成して送受信回路200に供給する。また、信号処理部120は、送受信回路200から受信情報信号を受け取り、その信号に対して、復号などの信号処理を行う。送信情報信号や受信情報信号などの情報信号として、例えば、データを重畳したパルス信号が用いられる。
【0021】
[送受信回路の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における送受信回路200の一構成例を示すブロック図である。この送受信回路200は、セレクタ211および212と、受信回路220と、ループバックテスト信号生成回路230と、送信回路240と、テスト回路250と、ローカル発振器260とを備える。
【0022】
セレクタ211は、信号処理部120からの選択信号SELaに従って、セレクタ212と送信回路240とのいずれかを選択してアンテナ110に接続するものである。送受信回路200は、例えば、時分割で送信と受信とを切り替えて無線通信を行う。送信に割り当てられた一定の単位時間において、信号処理部120は、選択信号SELaによりセレクタ211を制御して送信回路240をアンテナ110に接続させる。これにより、送信回路240からアンテナ110へ送信信号が出力される。この単位時間は、タイムスロットと呼ばれる。
【0023】
また、受信に割り当てられた単位時間(すなわち、タイムスロット)において、信号処理部120は、選択信号SELaによりセレクタ211を制御してセレクタ212をアンテナ110に接続させる。これにより、アンテナ110からセレクタ212へ受信信号が出力される。
【0024】
送信回路240は、信号処理部120からの送信情報信号を変調して送信信号として供給するものである。この送信回路240は、ローカル発振器260からのローカル信号と送信情報信号とを混合して送信信号を生成する。この混合により、送信情報信号がローカル信号に重畳(すなわち、変調)される。そして、送信回路240は、生成した送信信号をセレクタ211を介してアンテナ110に供給する。
【0025】
ループバックテスト信号生成回路230は、テスト回路250からの所定のテスト情報信号を変調してループバックテスト信号として供給するものである。このループバックテスト信号生成回路230は、ローカル発振器260からのローカル信号とテスト情報信号とを混合してループバックテスト信号を生成する。この混合により、テスト情報信号がローカル信号に重畳(すなわち、変調)される。そして、ループバックテスト信号生成回路230は、生成したループバックテスト信号をセレクタ212に供給する。
【0026】
セレクタ212は、選択信号SELbに従って受信信号とループバックテスト信号のいずれかを選択し、復調対象信号として受信回路220に供給するものである。信号処理部120は、ループバックテストに割り当てられたタイムスロットにおいて、選択信号SELbによりセレクタ212を制御してループバックテスト信号を復調対象信号として受信回路220に供給させる。ここで、ループバックテストは、送信と重複してタイムスロットに割り当てることができる。
【0027】
また、ループバックテストに割り当てられていないタイムスロットにおいて、信号処理部120は、選択信号SELbによりセレクタ212を制御して受信信号を復調対象信号として受信回路220に供給させる。なお、セレクタ212は、特許請求の範囲に記載の選択部の一例である。
【0028】
受信回路220は、セレクタ212からの復調対象信号を復調して受信情報信号を取得するものである。この受信回路220は、ローカル発振器260からのローカル信号と復調対象信号とを混合する。この混合により、受信情報信号が復調対象信号から取り出される。言い換えれば、復調対象信号が復調される。そして、受信回路220は、取得した受信情報信号をテスト回路250および信号処理部120に供給する。
【0029】
ローカル発振器260は、所定の周波数のローカル信号を生成するものである。このローカル発振器260は、生成したローカル信号を受信回路220、ループバックテスト信号生成回路230および送信回路240に供給する。このように、ループバックテスト信号生成回路230および送信回路240は、同一のローカル発振器260を共有している。ローカル発振器260を共有することにより、ループバックテスト信号生成回路230および送信回路240のそれぞれが個別にローカル発振器を備える構成と比較して、回路規模やチップコストを削減することができる。
【0030】
テスト回路250は、信号処理部120からのイネーブル信号ENに従ってテスト情報信号と受信情報信号との比較を行うものである。このイネーブル信号ENは、テスト回路250を動作または停止させるための信号である。信号処理部120は、ループバックテストに割り当てられたタイムスロットにおいて、イネーブル信号ENを有効に設定してテスト回路250を動作させる。また、ループバックテストに割り当てられていないタイムスロットにおいて、信号処理部120は、イネーブル信号ENを無効に設定してテスト回路250を停止させる。
【0031】
イネーブル信号ENが有効に設定された場合にテスト回路250は、テスト情報信号を生成してループバックテスト信号生成回路230に供給する。そして、テスト回路250は、受信回路220から受信情報信号を受け取り、テスト情報信号と比較して受信回路220が正常に動作しているか否かを判断する。このように、回路内で生成した信号をアンテナ110を介さずに受信回路220に供給して行うテストは、ループバックテストと呼ばれる。ループバックテストにより、外部からの信号を用いずに、受信回路220をテストすることができる。このため、受信回路220のテストに要するコストや調整時間を削減することができる。
【0032】
なお、送受信回路200は、送信中にループバックテストを行っているが、この構成に限定されない。例えば、送受信回路200は、送信のタイムスロット以外の期間においてループバックテストを行ってもよい。
【0033】
また、信号処理部120は、テスト回路250をイネーブル信号ENにより制御しているが、ループバックテスト信号生成回路230および送信回路240をさらにイネーブル信号により個別に制御してもよい。この場合に信号処理部120は、送信のタイムスロット以外の期間において送信回路240をイネーブル信号により停止し、受信のタイムスロット以外の期間において受信回路220をイネーブル信号により停止する。また、信号処理部120は、ループバックテストのタイムスロット以外の期間においてループバックテスト信号生成回路230をイネーブル信号により停止する。例えば、省電力モードと通常モードとを設け、通常モードでは、送受信回路200が送信中にループバックテストを行えばよい。一方、省電力モードでは、送信のタイムスロット以外の期間において送受信回路200がループバックテストを行い、そのループバックテスト中は送信回路240を停止する。これにより通常モードと比較して、省電力モードの消費電力を削減することができる。
【0034】
[送信回路、ループバックテスト信号生成回路および受信回路の構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における送信回路240、ループバックテスト信号生成回路230および受信回路220の一構成例を示す回路図である。同図におけるaは、送信回路240の一構成例を示す回路図であり、同図におけるbは、ループバックテスト信号生成回路230の一構成例を示す回路図である。また、同図におけるcは、受信回路220の一構成例を示す回路図である。
【0035】
送信回路240は、混合器241および低雑音増幅器242を備える。混合器241は、ローカル発振器260からのローカル信号と、信号処理部120からの送信情報信号とを混合して送信信号を生成し、低雑音増幅器242に供給するものである。低雑音増幅器242は、送信信号を増幅してセレクタ211へ供給するものである。ローカル信号のローカル周波数をfLOとし、送信情報信号の周波数をfptとすると、ローカル信号の混合により、それらと異なる送信周波数fTXの送信信号が得られる。この送信周波数fTXは、例えば、受信信号の受信周波数fRXと異なるものとする。
【0036】
また、ループバックテスト信号生成回路230は、混合器231および低雑音増幅器232を備える。混合器231は、ローカル発振器260からのローカル信号と、テスト回路250からのテスト情報信号とを混合してループバックテスト信号を生成し、低雑音増幅器232に供給するものである。低雑音増幅器232は、ループバックテスト信号を増幅してセレクタ212へ供給するものである。テスト情報信号の周波数をfprとすると、ローカル信号の混合により、受信周波数fRXと同一の周波数fLBのループバックテスト信号が得られる。この周波数fprは、例えば、送信情報信号の周波数fptと異なるものとする。このため、周波数fLBは、送信周波数fTXと異なる値となる。また、周波数fLBは、受信周波数fRXと同一の値であるものとする。
【0037】
また、受信回路220は、混合器221および低雑音増幅器222を備える。低雑音増幅器222は、セレクタ212からの復調対象信号を増幅して信号処理部120に供給するものである。混合器221は、ローカル発振器260からのローカル信号と、増幅された復調対象信号とを混合して受信情報信号を生成し、低雑音増幅器222に供給するものである。ローカル信号の混合により、周波数fprの受信情報信号が得られる。
【0038】
[送受信回路の動作例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における送受信回路200の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、例えば、無線通信を行うための所定のアプリケーションが実行されたときに開始される。
【0039】
送受信回路200は、送信のタイムスロット内であるか否かを判断する(ステップS901)。送信のタイムスロット内である場合に(ステップS901:Yes)、送受信回路200は、送信信号の送信を行う(ステップS902)。
【0040】
また、送信中において、送受信回路200は、ループバックテストのタイムスロット内であるか否かを判断する(ステップS903)。ループバックテストは、前述したように送信と重複してタイムスロットに割り当てることができる。ループバックテストのタイムスロット内である場合に(ステップS903:Yes)、送受信回路200は、ループバックテスト信号を選択して受信回路220で復調し、ループバックテストを実行する(ステップS904)。
【0041】
ループバックテストのタイムスロット外の場合(ステップS903:No)、または、ステップS904の後に、送受信回路200は、受信のタイムスロット内であるか否かを判断する(ステップS905)。また、送信のタイムスロット外の場合にも(ステップS901:No)、ステップS905が実行される。受信のタイムスロット内である場合に(ステップS905:Yes)、送受信回路200は、受信信号の受信を行う(ステップS906)。一方、受信のタイムスロット外である場合に(ステップS905:No)、送受信回路200は、ステップS901以降を繰り返し実行する。
【0042】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、送信回路240が送信信号を供給し、ループバックテスト信号生成回路230がループバックテスト信号を生成するため、送信中にループバックテストを行うことができる。
【0043】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、送信回路240およびループバックテスト信号生成回路230がローカル発振器260を共有していた。しかしながら、この構成では、ループバックテスト信号生成回路230を経由した信号であるループバックテスト信号の位相に対し、その回路を経由しないローカル信号において位相誤差が生じ、ループバックテストの検証精度が低下するおそれがある。この第2の実施の形態の送受信回路200は、ローカル信号の位相誤差を補正する点において第1の実施の形態と異なる。
【0044】
図5は、本技術の第2の実施の形態における送受信回路200の一構成例を示すブロック図である。この第2の実施の形態の送受信回路200は、位相シフタ270をさらに備える点において第1の実施の形態と異なる。
【0045】
位相シフタ270は、ローカル発振器260からのローカル信号について、ループバックテスト信号の位相に対する位相誤差を補正するものである。この位相シフタ270は、補正後のローカル信号を受信回路220に供給する。
【0046】
図6は、本技術の第2の実施の形態における位相シフタ270の一構成例を示す回路図である。この位相シフタ270は、所定段数(例えば、5段)の遅延回路271と、マルチプレクサ272とを備える。
【0047】
遅延回路271は、入力された信号を遅延させて出力するものである。初段の遅延回路271の入力端子には、ローカル発振器260からのローカル信号が入力される。また、初段の遅延回路の出力端子は、2段目の遅延回路271の入力端子とマルチプレクサ272とに接続される。なお、遅延回路271の段数は、5段に限定されない。
【0048】
2段目の遅延回路の出力端子は、3段目の遅延回路271の入力端子とマルチプレクサ272とに接続される。3段目の遅延回路の出力端子は、4段目の遅延回路271の入力端子とマルチプレクサ272とに接続される。4段目の遅延回路の出力端子は、5段目の遅延回路271の入力端子とマルチプレクサ272とに接続される。5段目の遅延回路の出力端子は、マルチプレクサ272に接続される。
【0049】
マルチプレクサ272は、遅延回路271のそれぞれからの信号のいずれかを選択して受信回路220に供給するものである。選択する信号は、通信前に予めレジスタなどにより設定される。
【0050】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、位相シフタ270がローカル信号の位相誤差を補正するため、ループバックテストの検証精度を向上させることができる。
【0051】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、送信回路240およびループバックテスト信号生成回路230がローカル発振器260を共有していた。しかしながら、この構成では、ループバックテスト信号生成回路230を経由した信号であるループバックテスト信号の位相に対し、その回路を経由しないローカル信号において位相誤差が生じ、ループバックテストの検証精度が低下するおそれがある。この第3の実施の形態の送受信回路200は、送信回路240およびループバックテスト信号生成回路230が個別にローカル発振器を備える点において第1の実施の形態と異なる。
【0052】
図7は、本技術の第3の実施の形態における送受信回路200の一構成例を示すブロック図である。この第3の実施の形態の送受信回路200は、ローカル発振器260を備えない点において第1の実施の形態と異なる。
【0053】
図8は、本技術の第3の実施の形態における送信回路240、ループバックテスト信号生成回路230および受信回路220の一構成例を示す回路図である。同図におけるaは、送信回路240の一構成例を示す回路図であり、同図におけるbは、ループバックテスト信号生成回路230の一構成例を示す回路図である。また、同図におけるcは、受信回路220の一構成例を示す回路図である。
【0054】
第3の実施の形態の送信回路240は、ローカル発振器243をさらに備える点において第1の実施の形態と異なる。このローカル発振器243は、ローカル信号を混合器241に供給する。なお、ローカル発振器243は、特許請求の範囲に記載の第1のローカル発振器の一例であり、混合器241は、特許請求の範囲に記載の第1の混合器の一例である。
【0055】
第3の実施の形態のループバックテスト信号生成回路230は、ローカル発振器233をさらに備える点において第1の実施の形態と異なる。このローカル発振器233は、ローカル信号を混合器231に供給する。なお、ローカル発振器233は、特許請求の範囲に記載の第3のローカル発振器の一例であり、混合器231は、特許請求の範囲に記載の第3の混合器の一例である。
【0056】
第3の実施の形態の受信回路220は、ローカル発振器223をさらに備える点において第1の実施の形態と異なる。このローカル発振器223は、ローカル信号を混合器221に供給する。なお、ローカル発振器223は、特許請求の範囲に記載の第2のローカル発振器の一例であり、混合器221は、特許請求の範囲に記載の第2の混合器の一例である。
【0057】
また、ローカル発振器223、233および243のそれぞれが生成するローカル信号の周波数および位相は同一であるものとする。
【0058】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、送信回路240およびループバックテスト信号生成回路230のそれぞれに、位相が同一のローカル発振器を設けたため、ローカル信号の位相誤差を抑制することができる。
【0059】
<4.第4の実施の形態>
上述の第3の実施の形態では、送信回路240、ループバックテスト信号生成回路230および受信回路220のそれぞれに個別にローカル発振器を配置していたが、それらの回路がローカル発振器を共有する構成と比較して回路規模やコストが増大してしまう。この第4の実施の形態の送受信回路200は、ループバックテスト信号生成回路230がローカル信号の代わりに送信信号を用いてループバックテスト信号を生成する点において第3の実施の形態と異なる。
【0060】
図9は、本技術の第4の実施の形態における送受信回路200の一構成例を示すブロック図である。この第4の実施の形態の送受信回路200は、ループバックテスト信号生成回路230が受信信号を用いてループバックテスト信号を生成する点において第3の実施の形態と異なる。
【0061】
図10は、本技術の第4の実施の形態における送信回路240、ループバックテスト信号生成回路230および受信回路220の一構成例を示す回路図である。同図におけるaは、送信回路240の一構成例を示す回路図であり、同図におけるbは、ループバックテスト信号生成回路230の一構成例を示す回路図である。また、同図におけるcは、受信回路220の一構成例を示す回路図である。
【0062】
送信回路240において、ローカル発振器243は、ローカル周波数fLO1のローカル信号を生成するものとする。
【0063】
また、ループバックテスト信号生成回路230には、ローカル発振器233が配置されない。ループバックテスト信号生成回路230において混合器231は、送信周波数fTXの送信信号と周波数fprのテスト情報信号とを混合してローカルループバック信号を生成する。
【0064】
また、受信回路220において、ローカル発振器223は、送信周波数fTXと同じ周波数fLO2のローカル信号を生成して混合器221に供給する。
【0065】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、ループバックテスト信号生成回路230がローカル信号の代わりに送信信号を用いてループバックテスト信号を生成するため、ループバックテスト信号生成回路230内のローカル発振器を削減することができる。
【0066】
<5.第5の実施の形態>
上述の第4の実施の形態では、ループバックテスト信号生成回路230が送信信号を用いてループバックテスト信号を生成していたが、ループバックテスト中に送信回路240を停止することができず、消費電力を削減することが困難である。この第5の実施の形態の送受信回路200は、送信回路240およびループバックテスト信号生成回路230がローカル発振器260を共有する点において第4の実施の形態と異なる。
【0067】
図11は、本技術の第5の実施の形態における送受信回路200の一構成例を示すブロック図である。この第5の実施の形態の送受信回路200は、ローカル発振器260をさらに備える点において第4の実施の形態と異なる。このローカル発振器260は、送信回路240およびループバックテスト信号生成回路230にローカル信号を供給する。送信回路240は、ローカル信号を用いて送信情報信号を変調し、ループバックテスト信号生成回路230は、ローカル信号を用いてテスト情報信号を変調する。
【0068】
図12は、本技術の第5の実施の形態における送信回路240、ループバックテスト信号生成回路230および受信回路220の一構成例を示す回路図である。同図におけるaは、送信回路240の一構成例を示す回路図であり、同図におけるbは、ループバックテスト信号生成回路230の一構成例を示す回路図である。また、同図におけるcは、受信回路220の一構成例を示す回路図である。
【0069】
第5の実施の形態の送信回路240の構成は、第4の実施の形態と同様である。第5の実施の形態のループバックテスト信号生成回路230の構成は、送信信号の代わりにローカル信号を変調する点以外は、第4の実施の形態と同様である。第5の実施の形態の受信回路220の構成は、第4の実施の形態と同様である。ただし、ローカル発振器223が生成するローカル信号の位相および周波数は、ローカル発振器260の生成するローカル信号と同様である。
【0070】
このように、本技術の第5の実施の形態によれば、送信回路240が送信情報信号を変調する一方でループバックテスト信号生成回路230がテスト情報信号を変調するため、ループバックテスト中に送信回路240を停止させて消費電力を削減することができる。
【0071】
<6.応用例>
本開示に係る技術は、いわゆる「物のインターネット」であるIoT(Internet of things)と呼ばれる技術へ応用可能である。IoTとは、「物」であるIoTデバイス9100が、他のIoTデバイス9003、インターネット、クラウド9005などに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。IoTは、農業、家、自動車、製造、流通、エネルギー、など様々な産業に利用できる。
【0072】
図13は、本開示に係る技術が適用され得るIoTシステム9000の概略的な構成の一例を示す図である。
【0073】
IoTデバイス9001には、温度センサー、湿度センサー、照度センサー、加速度センサー、距離センサー、画像センサー、ガスセンサー、人感センサーなどの各種センサーなどが含まれる。また、IoTデバイス9001には、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブル端末、ゲーム機器などの端末を含めてもよい。IoTデバイス9001は、AC電源、DC電源、電池、非接触給電、いわゆるエナジーハーベストなどにより給電される。IoTデバイス9001は、有線、無線、近接無線通信などにより通信することができる。通信方式は3G/LTE、WiFi、IEEE802.15.4、Bluetooth、Zigbee(登録商標)、Z-Waveなどが好適に用いられる。IoTデバイス9001は、これらの通信手段の複数を切り替えて通信してもよい。
【0074】
IoTデバイス9001は、1対1、星状、ツリー状、メッシュ状のネットワークを形成してもよい。IoTデバイス9001は、直接に、またはゲートウエイ9002を通して、外部のクラウド9005に接続してもよい。IoTデバイス9001には、IPv4、IPv6、6LoWPANなどによって、アドレスが付与される。IoTデバイス9001から収集されたデータは、他のIoTデバイス9003、サーバ9004、クラウド9005などに送信される。IoTデバイス9001からデータを送信するタイミングや頻度は好適に調整され、データを圧縮して送信してもよい。このようなデータはそのまま利用してもよく、統計解析、機械学習、データマイニング、クラスタ分析、判別分析、組み合わせ分析、時系列分析など様々な手段でデータをコンピュータ9008で分析してもよい。このようなデータを利用することにより、コントロール、警告、監視、可視化、自動化、最適化、など様々なサービスを提供することができる。
【0075】
本開示に係る技術は、家に関するデバイス、サービスにも応用可能である。家におけるIoTデバイス9001には、洗濯機、乾燥機、ドライヤ、電子レンジ、食洗機、冷蔵庫、オーブン、炊飯器、調理器具、ガス器具、火災報知器、サーモスタット、エアコン、テレビ、レコーダ、オーディオ、照明機器、温水器、給湯器、掃除機、扇風機、空気清浄器、セキュリティカメラ、錠、扉・シャッター開閉装置、スプリンクラー、トイレ、温度計、体重計、血圧計などが含まれる。さらにIoTデバイス9001には、太陽電池、燃料電池、蓄電池、ガスメータ、電力メータ、分電盤を含んでもよい。
【0076】
家におけるIoTデバイス9001の通信方式は、低消費電力タイプの通信方式が望ましい。また、IoTデバイス9001は屋内ではWiFi、屋外では3G/LTEにより通信するようにしてもよい。クラウド9005上にIoTデバイス制御用の外部サーバ9006を設置し、IoTデバイス9001を制御してもよい。IoTデバイス9001は、家庭機器の状況、温度、湿度、電力使用量、家屋内外の人・動物の存否などのデータを送信する。家庭機器から送信されたデータは、クラウド9005を通じて、外部サーバ9006に蓄積される。このようなデータに基づき、新たなサービスが提供される。このようなIoTデバイス9001は、音声認識技術を利用することにより、音声によりコントロールすることができる。
【0077】
また各種家庭機器からテレビに情報を直接送付することにより、各種家庭機器の状態を可視化することができる。さらには、各種センサーが居住者の有無を判断し、データを空調機、照明などに送付することで、それらの電源をオン・オフすることができる。さらには、各種家庭機器に供えられたディスプレイにインターネットを通じて広告を表示することができる。
【0078】
以上、本開示に係る技術が適用され得るIoTシステム9000の一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、IoTデバイス9001に好適に適用され得る。具体的には、図1の通信装置100をIoTデバイス9001に適用することができる。IoTデバイス9001に本開示に係る技術を適用することにより、送信中にループバックテストを実行してIoTデバイス9001の信頼性を向上させることができる。
【0079】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0080】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、
所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成回路と、
前記アンテナからの受信信号と前記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択部と、
前記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信回路と、
前記受信情報信号と前記所定の変調対象信号とを比較するテスト回路と
を具備する送受信回路。
(2)所定のローカル信号を生成して前記送信回路および前記ループバックテスト信号生成回路へ供給するローカル発振器をさらに具備し、
前記送信回路は、前記所定のローカル信号と前記送信情報信号とを混合し、
前記ループバックテスト信号生成回路は、前記所定のローカル信号と前記所定の変調対象信号とを混合する前記(1)記載の送受信回路。
(3)前記ローカル発振器は、前記所定のローカル信号を前記受信回路へさらに送信し、
前記受信回路は、前記所定のローカル信号と前記復調対象信号とを混合する
前記(2)記載の送受信回路。
(4)前記所定のローカル信号の位相誤差を補正して前記受信回路へ供給する位相シフタをさらに具備し、
前記ローカル発振器は、前記位相シフタを介して前記受信回路へ前記所定のローカル信号を供給する
前記(3)記載の送受信回路。
(5)前記送信回路は、
第1のローカル信号を生成する第1のローカル発振器と、
前記第1のローカル信号と前記送信情報信号とを混合する第1の混合器と
を備え、
前記受信回路は、
第2のローカル信号を生成する第2のローカル発振器と、
前記第2のローカル信号と前記復調対象信号とを混合する第2の混合器と
を備える前記(1)記載の送受信回路。
(6)前記ループバックテスト信号生成回路は、
第3のローカル信号を生成する第3のローカル発振器と、
前記第3のローカル信号と前記所定の変調対象信号とを混合する第3の混合器と
を備える前記(5)記載の送受信回路。
(7)前記送信回路は、前記送信信号を前記アンテナに供給するとともに前記所定の変調対象信号として前記ループバックテスト信号生成回路に供給する
前記(5)記載の送受信回路。
(8)送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、
前記送信信号の送信と受信信号の受信とを行うアンテナと、
所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成回路と、
前記アンテナからの前記受信信号と前記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択部と、
前記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信回路と、
前記受信情報信号と前記所定の変調対象信号とを比較するテスト回路と
を具備する通信装置。
(9)送信情報信号を変調して送信信号としてアンテナへ供給する送信手順と、
所定の変調対象信号を変調してループバックテスト信号として供給するループバックテスト信号生成手順と、
前記アンテナからの受信信号と前記ループバックテスト信号とのいずれかを選択して復調対象信号として供給する選択手順と、
前記復調対象信号を復調して受信情報信号を取得する受信手順と、
前記受信情報信号と前記所定の変調対象信号とを比較するテスト手順と
を具備する送受信回路の制御方法。
【符号の説明】
【0081】
100 通信装置
110 アンテナ
120 信号処理部
200 送受信回路
211、212 セレクタ
220 受信回路
221、231、241 混合器
222、232、242 低雑音増幅器
223、233、243、260 ローカル発振器
230 ループバックテスト信号生成回路
240 送信回路
250 テスト回路
270 位相シフタ
271 遅延回路
272 マルチプレクサ
9001 IoTデバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13