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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】患者データを管理するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20220810BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20220810BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20220810BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
A61B5/08
G16H10/00
【請求項の数】 26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020045114
(22)【出願日】2020-03-16
(62)【分割の表示】P 2016569764の分割
【原出願日】2015-05-27
(65)【公開番号】P2020114395
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2020-04-14
(31)【優先権主張番号】2014901998
(32)【優先日】2014-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519212484
【氏名又は名称】レスメド・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】デラングル,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バーチャル,ポール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】チャーチル,ドーン・ローズマリー
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ジェイソン・ステラキス
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,クリストファー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ソマイヤ,チンマイ
(72)【発明者】
【氏名】テンプルトン,ブラッドリー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】トラル,ウェンドール・エリック
(72)【発明者】
【氏名】タイラー,マシュー・スコット
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-503289(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0198740(US,A1)
【文献】特開2002-291889(JP,A)
【文献】特表2009-507534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
A61B 5/08
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸治療デバイスの患者の使用に関連した患者データを管理するシステムであって、該システムは、1つまたは複数のプロセッサーを含み、該プロセッサーは、
一組の命令を含むサブスクリプションにアクセスし、該一組の命令は前記呼吸治療デバイスにより収集された使用データの送信を開始するトリガリングイベントを含み、
前記呼吸治療デバイスの前記患者の使用に関連した使用データを収集し、
前記呼吸治療デバイスの前記患者の使用に少なくとも部分的に関連する前記トリガリングイベントが発生したと決定し、該トリガリングイベントは、少なくとも(a)治療セッションの期間に関する最小治療期間と、(b)前記治療セッション後に発生する治療後期間の満了とを満足する前記患者の使用の組み合わせを含み、
前記サブスクリプション及び前記決定されたトリガリングイベントに従って前記使用データの少なくとも一部をネットワークを介して遠隔デバイスに送信する
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記サブスクリプションは、取集する異なる使用データサブセットを識別し、前記異なる使用データサブセットは、(a)デバイス設定、(b)故障ログ、および(c)患者状態を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サブスクリプションは、前記使用データの或る側面において発生した変化に基づくトリガリングイベントを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記使用データの前記或る側面における変化は、前記使用データにおける所定量より大きい変化を決定することを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記使用データは、前記呼吸治療デバイスが使用された期間を識別する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記使用データは、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸-呼吸低下指数、圧力統計、漏れ統計、分当たり換気量、1回換気量、および処方設定、のうちの少なくとも1つに関する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記サブスクリプションは、前記呼吸治療デバイスによって収集される個々のデータ項目の、ユーザーによる選択に基づいて少なくとも部分的に生成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記サブスクリプションは、使用データのサブセットを識別し、使用データの各サブセットに対する1つまたは複数のトリガリングイベントを識別する、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記使用データのサブセットは、デバイス設定、デバイス使用、故障、およびデバイスタイプに依存するデータ、のうちの少なくとも1つに関連したデータのサブセットを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記サブスクリプションは、a)前記呼吸治療デバイスの1つまたは複数の設定での変化、b)前記呼吸治療デバイスの1つまたは複数の構成要素での故障状態、c)所定の時間、およびd)使用データに対する要求を受信すること、のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に関連するトリガリングイベントを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記呼吸治療デバイスに対する電源がトリガリングイベントの前にスイッチオフされると、前記呼吸治療デバイスが電源オンの状態であるときに、前記トリガリングイベントが発生したかどうかを、前記呼吸治療デバイスが決定する、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記サブスクリプションは、睡眠データに基づくトリガリングイベントをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記サブスクリプションは、概要使用データとして提供される使用データの第1のサブセット、および詳細使用データとして提供される使用データの第2のサブセットを識別する、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
送信される前記使用データは、経時的に減少する、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
送信される前記使用データは、前記使用データの概要を示す代表値として提供される、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記サブスクリプションは、前記呼吸治療デバイスの動作モードに少なくとも部分的に基づくトリガリングイベントをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記サブスクリプションは、前記患者が治療を受けた累積時間量に少なくとも部分的に基づくトリガリングイベントをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
患者データを管理する方法であって、
1つまたは複数のプロセッサーによって、複数の患者呼吸治療デバイスからネットワークを介しての使用データの送信を受信するステップであって、使用データのそれぞれの送信は、前記複数の患者呼吸治療デバイスに送信されるサブスクリプションの一組の命令で識別されたトリガリングイベントに従って発生され、該トリガリングイベントは、前記複数の患者呼吸治療デバイスのうちの或る患者呼吸治療デバイスの患者の使用に少なくとも部分的に関連し、該トリガリングイベントは、少なくとも(a)治療セッションの期間に関する最小治療期間と、(b)前記治療セッション後に発生する治療後期間の満了とを満足する前記患者の使用の組み合わせを含む、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、前記使用データをメモリに格納するステップであって、前記使用データは、受信された前記送信の送信元である、前記複数の患者呼吸治療デバイスのうちの各患者呼吸治療デバイスに関連付けて格納される、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、格納された使用データの少なくとも一部に対する要求を、遠隔コンピューティングデバイスから前記ネットワークを介して受信するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、前記ネットワークを介して前記遠隔コンピューティングデバイスに要求された使用データの一部を送信するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記サブスクリプションは、取集する異なる使用データサブセットを識別し、該異なる使用データサブセットは、(a)デバイス設定、(b)故障ログ、および(c)患者状態を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
使用データの送信を受信するステップは、第1の患者呼吸治療デバイスから第1のセットの使用データを受信し、第2の患者呼吸治療デバイスから第2のセットの使用データを受信するステップを含み、前記第1のセットの使用データは、第1のトリガリングイベントに従って送信され、前記第2のセットの使用データは、第2のトリガリングイベントに従って送信される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のトリガリングイベントおよび前記第2のトリガリングイベントは、互いに異なる基準を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
格納された使用データの少なくとも一部に対する要求は、前記複数の患者呼吸治療デバイスから第1の患者デバイスを識別し、前記使用データの前記一部は、該第1の患者デバイスに関連付けられる、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記一組の命令は、前記使用データの或る側面において発生した変化を含むトリガリングイベントをさらに識別する、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記使用データの前記或る側面における変化は、前記使用データにおける所定量より大きい変化を決定することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記サブスクリプションは、前記患者呼吸治療デバイスの動作モードに少なくとも部分的に基づくトリガリングイベントをさらに含む、請求項18~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記サブスクリプションは、前記患者が治療を受ける累積時間量に少なくとも部分的に基づくトリガリングイベントをさらに含む、請求項18~25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年5月27日に出願されたオーストラリア仮出願第2014901
998号の利益を主張し、その全開示は、参照により本明細書に包含される。
【0002】
1.1(1)技術の分野
本発明の技術は、呼吸器関連疾患の検出、診断、治療、予防および改善のうちの1つ以
上に関する。特に、本発明の技術は、医療機器または装置、およびこれらの使用に関する
【背景技術】
【0003】
1.2(2)関連技術の説明
1.2.1 人呼吸器系とその疾患
身体の呼吸器系は、ガス交換を促進する。鼻と口は、患者の気道の入口を形成する。
【0004】
気道は一連の気管支を含み、これらの気管支は、肺内に深く入り込むほど狭く、短くな
り、数が増える。肺の主要機能は、ガス交換であり、酸素を空気から静脈血中に移動させ
、二酸化炭素を外に出すことができる。気管は、左右の気管支に分かれ、さらに最終的に
終末細気管支に分かれる。気管支は、導管の気道を作り、ガス交換には関与しない。気道
のさらなる分岐は、呼吸細気管支となり、最終的に肺胞になる。肺の胞状領域は、ガス交
換が行われる場所であり、呼吸領域と呼ばれる。John B. West著「呼吸生理
学」Lippincott Williams & Wilkins、第9版、2011
年発行を参照のこと。
【0005】
広範囲な呼吸器疾患が存在する。呼吸器疾患の一部の例としては、閉塞性睡眠時無呼吸
(OSA)、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、肥満過呼吸症候群(OHS)、慢性
閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)または胸壁疾患を挙げることができる
【0006】
そうでない場合、健康な個体は、システムおよびデバイスを利用して呼吸器疾患の発症
を防ぐことができる。
【0007】
1.2.2 治療
経鼻持続的気道陽圧(CPAP)治療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の治療に
使用されてきた。この仮説は、持続的気道陽圧が空気圧の副子として作用し、軟口蓋およ
び舌を前に押し出し、後口咽頭壁から離れるようにすることによって、上気道の閉塞を防
ぐことができるということである。
【0008】
非侵襲性換気(NIV)は、患者が十分な呼吸を行うことおよび/または体内の酸素レ
ベルを適切に維持することを支援するために、呼吸作業の一部またはすべてを行って、上
気道を通して患者に換気補助を提供する。換気補助は、患者のインタフェースを介して提
供される。NIVは、CSR、OHS、COPD、MDおよび胸壁障害の治療に使用され
てきた。
【0009】
侵襲性換気(IV)は、もはや自ら効果的に呼吸できない患者に換気補助を提供し、気
管切開チューブを使用して提供される。
【0010】
人工呼吸器は、患者に注入された呼吸のタイミングおよび圧力を制御し、患者が行う呼
吸をモニタリングすることができる。患者の制御およびモニタリング方法は、通常、従量
式の方法および従圧式の方法を含む。従量式の方法は、特に、圧力制御従量式換気(PR
VC)、従量換気(VV)および従量式調節連続強制換気(VC?CMV)技法を含むこ
とができる。従圧式の方法は、特に、補助調節(AC)、同期的間欠的強制換気(SIM
V)、調節機械換気(CMV)、圧力補助換気(PSV)、持続的気道陽圧(CPAP)
または呼吸終末陽圧(PEEP)技法を含む。
【0011】
1.2.3 システム
治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者
インタフェースおよびデータ管理を含むことができる。
【0012】
1.2.4 患者インタフェース
患者インタフェースは、例えば、呼吸できるガスの流れを提供することによって、呼吸
デバイスをユーザーにインタフェースするのに使用できる。呼吸できる空気の流れは、鼻
および/または口へのマスク、口へのチューブまたはユーザーの気管への気管切開チュー
ブを介して提供され得る。適用される治療法に応じて患者インタフェースは、治療を行う
ための周囲圧力で十分な変化時の圧力、例えば、約10cmHOの陽圧で、ガスの供給
を促進するために、例えば、患者の顔領域にシールを形成することができる。酸素の送達
などの他の治療法の場合、患者インタフェースは、約10cmHOの陽圧でのガスの気
道への供給を促進するのに十分なシールを含まなくてよいことがある。
【0013】
患者インタフェースのデザインにはいろいろな難問がある。顔面は複雑な3次元の形状
をしている。鼻のサイズと形は個人でかなり異なる。頭部には骨、軟骨と軟組織があり、
顔面の異なる領域は機械的な力に対して異なる反応をする。顎または下顎は頭蓋のほかの
骨に関連して動くことができる。頭全体が呼吸治療の過程で動くことができる。
【0014】
これらの難問のために、マスクによっては、ひどく目立つ、審美的に好ましくない、コ
ストが高い、装着が不十分である、使用困難である、及び、特に長期間の着用または患者
がシステムに不慣れの場合に不快である、のうちの1つまたはそれ以上の問題に悩まされ
る。例えば、飛行士専用にデザインされたマスク、個人の保護装置(例えば、フィルター
マスク)の一部としてデザインされたマスク、SCUBAマスク、または麻酔薬投与のた
めのマスクは、本来の適用には耐えるが、長期間、例えば、数時間着用するのは好ましく
ないほど不愉快である。この不快感は、治療に対する患者のコンプライアンスの低下につ
ながる。睡眠中にマスクを着用しなければならない場合は、特にそうである。
【0015】
患者が治療に従う限り、CPAP治療は、特定の呼吸器疾患の治療に特に効果的である
。マスクが不愉快であるか使用困難であれば、患者は治療に従わないかもしれない。患者
は自分のマスクを定期的に洗浄するようしばしば推奨されているので、マスクの洗浄が困
難であれば(例えば、組立または分解が困難)、患者は自分のマスクを洗浄しないかもし
れず、これは患者のコンプライアンスに影響する。
【0016】
その他の適用(例えば、飛行士)のためのマスクを睡眠呼吸障害に使用するのは適切で
ないかもしれないが、睡眠呼吸障害に使用するようデザインされたマスクはその他の適用
に適しているかもしれない。
【0017】
これらの理由により、睡眠中の鼻CPAPの送達のための患者インタフェースは独特な
分野である。
【0018】
1.2.4.1 シール形成部
患者インタフェースは、シール形成部を含むことができる。これは、患者の顔面と直接
接触するので、シール形成部の形状と構成とは、患者インタフェースの有効性と快適さに
直接影響を与えることができる。
【0019】
患者インタフェースは、シール形成部分が使用中の顔面の何処と係合するべきかがデザ
イン意図によって、一部特徴付けられる。患者インタフェースの1つの形態において、シ
ール形成部は、左と右のそれぞれの鼻孔に当たる2つのサブ部分を有することができる。
患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は使用中に両方の鼻孔を囲む
単一の要素であり得る。このような単一の要素は、例えば、顔面の上唇領域と鼻梁領域を
覆うようにデザインすることができる。患者インタフェースの1つの形態において、シー
ル形成部分は、例えば、顔面の下唇領域上にシールを形成するなど、使用中の口の領域を
囲む要素からなり得る。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は、
使用中の両方の鼻孔と口の部分を囲む単一の要素からなり得る。患者インタフェースのこ
れらの異なるタイプは、それらの製造者が付けた種々の名称で知られており、鼻マスク、
フルフェース・マスク、鼻枕、鼻噴霧および口腔鼻マスクが含まれる。
【0020】
患者の顔の1領域で効果的なシール形成部分は、患者の顔の形状、構造、ばらつきおよ
び敏感な部分が異なるので、別の領域には適していないことがある。例えば、患者の額を
覆う水中メガネのシールを患者の鼻に使用するには適当でない。
【0021】
さまざまな異なる顔の形状およびサイズに適し、快適で効果的な1つのデザインのよう
に、大量生産用として特定のシール形成部をデザインすることができる。患者の顔の形状
と大量生産された患者のインタフェースのシール形成部の間に不整合ができるまで、一方
または両方は、シールを形成するために順応しなければならない。
【0022】
シール形成部分の1つのタイプは、患者インタフェースの周辺付近に伸び、シール形成
部分が患者の顔に係合しようとしており、力が患者インタフェースに加えられた時に患者
の顔に対してシールするように意図されている。シール形成部分は、空気または液体で満
たされたクッション、またはゴムなどのエラストマーでできた弾性シール要素の成形また
は形成面を含むことができる。このタイプのシール形成部では、適合(fit)が適切でな
い場合、シール形成部分と顔との間に間隙が存在し、シールを達成するために顔に対して
患者インタフェースに追加の力を加える必要がある。
【0023】
シール形成部のもう1つタイプは、マスクの周辺近辺に位置した薄い材料からできたフ
ラップシールを含み、マスク内に陽圧がかかると患者の顔に対抗してセルフシーリングを
行う。シール形成部分の以前のタイプのように、顔面とマスクとの間の整合が良好でない
と、シールを形成するのに追加の力が必要になるかまたはマスクから漏れが生じる。さら
に、シール形成部分の形状が患者のそれに整合しない場合、使用中にしわが生じたり曲が
ったりすることがあり、漏れが発生する。
【0024】
シール形成部分のもう1つのタイプは、例えば、鼻孔への挿入のような摩擦嵌合要素を
含むことができる。
【0025】
シール形成部分のもう1つの形態は、接着剤を使用してシールを達成することができる
。顔面に接着剤を絶えず適用し、これを除去するのが不便と感じる患者もいる。
【0026】
ResMed Limitedに譲渡された以下の特許出願に、さまざまな患者インタ
フェース・シール形成部の技術が開示されている:WO 1998/004,310;W
O 2006/074,513;WO 2010/135,785。
【0027】
鼻枕の1つの形態がPuritan-Bennettが製造するAdam Circu
itに見出される。また他の鼻枕または鼻噴霧は、Puritan-Bennett C
orporationに譲渡された米国特許第4,782,832号(Trimble外
)の主題である。
【0028】
ResMed Limitedは、鼻枕を導入する以下の製品を製造した:SWIFT
鼻枕マスク、SWIFT II鼻枕マスク、SWIFT LT鼻枕マスク、SWIFT
FX鼻枕マスクおよびLIBERTYフルフェース・マスク。ResMedに譲渡され
た以下の特許出願に、鼻枕マスクの例を説明している。国際特許出願WO 2004/0
73,778(特に、ResMed SWIFT鼻枕の特徴を記載)、米国特許出願第2
009/0044808号(特に、ResMed SWIFT LT鼻枕の特徴を記載)
;国際特許出願WO 2005/063,328とWO 2006/130,903(特
に、ResMed LIBERTYフルフェース・マスクの特徴を記載);国際特許出願
WO 2009/052,560(特に、ResMed SWIFT FX鼻枕の特徴を
記載)。
【0029】
1.2.4.2 位置決めと安定化
陽圧空気治療に使用する患者インタフェースのシール形成部は、シールを崩壊しようと
する空気圧の相応した力の影響を受ける。このように、シール形成部を位置決めし、顔面
の適当な部分とのシーリングの関係を保持するために種々な技術が使用されてきた。
【0030】
1つの技術は、接着剤の使用である。例えば、米国特許出願公開第US2010/00
00534号を参照のこと。
【0031】
また他の技術は、1つまたはそれ以上のストラップおよび/または安定化装着帯の使用
である。このような装着帯の多くは、1つまたはそれ以上の不適合、かさばる、不快さお
よび使用がぎこちない、の問題に悩まされる。
【0032】
1.2.5 呼吸圧力治療(RPT)デバイス
睡眠呼吸障害の治療に使用する1つの既知のRPTデバイスは、ResMedが製造し
たS9 Sleep Therapy Systemである。RPTデバイスのまた他の
例は、人工呼吸器である。成人および小児用の人工呼吸器のResMed Stella
r(商標)シリーズのような人工呼吸器は、これらに限定されないが、NMD、OHSお
よびCOPDのような多数の状態を治療するために、広範囲な患者に、侵襲性および非侵
襲性依存性呼吸に対する支持を提供することができる。RPTデバイスは、また、流れ発
生器としても知られている。
【0033】
ResMed Elisee(商標)150人工呼吸器とResMed VSIII(
商標)人工呼吸器とは、多数の状態を治療するために、成人または小児患者に適した、侵
襲性および非侵襲性依存性換気に対する支持を提供することができる。これらの人工呼吸
器は、単一肢または二重肢の回路に容量および大気の換気モードを提供する。
【0034】
RPTデバイスは、一般的に、モータ駆動の送風機(ブロワー)または圧縮ガスリザー
バのような圧力発生器を備え、患者の気道に空気の流れを供給するように構成される。い
くつかの場合では、空気の流れを陽圧で患者の気道に供給することができる。RPTデバ
イスの出口は、前述したように、患者のインタフェースに空気回路を介して接続される。
【0035】
RPTデバイスは、また、一般的に、入口フィルター、様々なセンサおよびマイクロプ
ロセッサーベースのコントローラを備えている。送風機は、サーボ制御モータ、渦巻きお
よびインペラーを備えている。いくつかの場合では、モータのブレーキは、モータおよび
インペラーの慣性を克服するために、送風機の速度をさらに急速に低下させるように実現
することができる。ブレーキングにより、送風機が、慣性にもかかわらず、呼気と同期化
に合うように、より低圧の条件をさらに急速に達成できるようになる。いくつかの場合で
は、圧力発生器は、さらに、モータ速度制御に対する代替手段として、患者に運ばれる圧
力を変化させるための手段として、発生された空気を大気に排出可能な弁を備えることが
できる。センサは、例えば、圧力トランスデューサまたはこれに類するものとともに、特
に、モータ速度、質量流量および出口の圧力を測定する。コントローラは、一体化したデ
ータ抽出および表示機能の有無にかかわらず、データ記憶容量を含むことができる。
【0036】
【表1】
【0037】
1.2.6 加湿器
加湿せずに呼吸可能な気体の流れを患者の気道に伝えることは、気道の乾燥を引き起こ
すことができる。医療加湿器は、必要なときに、一般的に、患者が(例えば、病院で)眠
っているまたは休んでいるときに、周囲の空気に関連して、呼吸可能な気体の流れの湿度
および/または温度を増加させるのに使用される。結果的に、医療加湿器は、ベッドサイ
ドの配置に対して小さいことが好ましく、患者の周囲を加湿および/または加熱せずに、
患者に伝えられる呼吸可能な気体の流れを加湿ならびに/あるいは加熱するように構成さ
れるのが好ましい。例えば、部屋ベースのシステム(例えば、サウナ、空気調節器、蒸発
冷却器)もまた、患者に吸入される空気を加湿および/または加熱できるが、これらのシ
ステムは、部屋全体を加湿および/または加熱することによって行うため、居住者に対す
る不快感を引き起こすことがある。
【0038】
流れ発生器またはRPTデバイスおよび患者インタフェースを有する加湿器の使用は、
鼻の粘膜の乾燥を最小化し、患者の気道の快適さを増加させる、加湿された空気を生成す
る。寒冷な気候に加えて、患者インタフェース中および患者インタフェース周囲の顔面領
域に通常適用される温暖な空気は、冷たい空気よりさらに快適である。
【0039】
呼吸用加湿器は、多くの形態で利用可能であり、空気回路を介して呼吸デバイスに結合
される独立型デバイスであってもよく、関連呼吸デバイスと一体化されるとか、関連呼吸
デバイスに直接結合されるように構成される。既知の受動加湿器は、多少救済をもたらす
ことがあるが、一般的に、熱加湿器は、患者が快適になるように、十分な湿度および温度
を空気に提供するために使用され得る。一般的に、加湿器は、数百ミリリットル(ml)
の容量を有するウォーターリザーバーまたはウォータータブ、リザーバー中の水を加熱す
る熱要素、加湿のレベルを変化させ得るコントロール、流れ発生器またはRPTデバイス
から空気を受け取る空気入口、および、患者インタフェースに加湿された空気を伝える空
気回路に接続されるように適合化された空気出口を備える。
【0040】
加熱パスオーバー型加湿は、RPTデバイスとともに使用される1つの一般的な形態の
加湿である。このような加湿器では、加熱要素は、ウォータータブ下にあり、ウォーター
タブと温熱的に接触するヒータープレートに組み込まれ得る。従って、熱は、伝導により
主にヒータープレートからウォーターリザーバーに送達される。RPTデバイスからの空
気の流れは、加熱された水をウォータータブにパスオーバーし、結果的に、空気の流れに
より含まれる水蒸気となる。ResMed H4i(商標)およびH5i(商標)加湿器
は、ResMed S8およびS9 CPAPデバイスと組み合わせてそれぞれ使用され
るこのような加熱パスオーバー型加湿器の一例である。
【0041】
バブルまたは拡散加湿器、ジェット加湿器またはウィッキング加湿器のような、他の加
湿器も使用され得る。バブルまたは拡散加湿器では、空気は水面下に伝導され、表面にバ
ブルが戻ることを可能にする。ジェット加湿器は、水の噴霧を生成し、整流デバイスまた
はフィルターは、加湿器から離れる前に粒子が除去または蒸発するように使用され得る。
ウィッキング加湿器は、毛細管作用により水を吸収するために、スポンジまたは紙のよう
な、水吸収物質を使用する。水吸収物質は、空気の流れに含まれることになる吸収物質中
の水の蒸発を可能にする空気の流れ経路の少なくとも一部の中、または、こうした経路の
隣に位置する。
【0042】
加湿の代替的な形態は、大きな表面領域にわたって空気の流れを第1の方向に向かわせ
、加熱された水を大きな表面領域に対して第2の反対方向に供給するCounterSt
ream(商標)技術を使用するResMed HumiCare(商標)D900によ
り提供される。ResMed HumiCare(商標)D900加湿器は、侵襲性およ
び非侵襲性のさまざまな人工呼吸器とともに使用され得る。
【発明の概要】
【0043】
2 技術の簡単な説明
本開示の態様は、患者データの管理のためのコンピューター実行方法を提供する。前記
方法は、一組の命令を含むことができるサブスクリプション(subscription)にアクセス
した後、患者デバイスに対する使用データを収集するステップを含み、前記使用データは
、患者デバイスの患者使用に関連される。前記方法は、また、トリガリングイベントが発
生したかを決定した後、サブスクリプションに従って収集された使用データの少なくとも
一部を送信するステップを含むことができる。以下のステップ:使用データを収集するス
テップ、トリガリングイベントを決定するステップ、および収集された使用データの少な
くとも一部を送信するステップのうちの少なくとも1つは、アクセスされたサブスクリプ
ションに従って実行される。
【0044】
前記サブスクリプションは、前記使用が送信される前に満たされるべき複数の状態など
を識別することができ、前記トリガリングイベントは、前記状態などのそれぞれが満たさ
れたという決定を含むことができる。収集された使用データの少なくとも一部を送信する
ステップは、前記使用データのセット(組)を送信するステップを含むことができる。患
者デバイスは、呼吸圧力治療デバイスを含むことができる。
【0045】
一態様において、前記トリガリングイベントは、所定の期間の間、患者デバイスの使用
を終了した患者に基づくことができる。さらに、使用データは、患者デバイスが使用され
た期間を識別することができる。使用データは、また、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数
および無呼吸-呼吸低下指数のうちの少なくとも1つに関連され得る。
【0046】
他の態様においては、複数の患者デバイスから使用データの送信を受信するステップを
含み、使用データのそれぞれの送信は、一組の命令で識別されたトリガリングイベントに
従って発生される患者データの管理方法が開示される。前記方法は、また、使用データを
メモリに格納することを含み、使用データは、受信された送信の送信元である、複数の患
者デバイスのうちの各患者デバイスに関連付けられるように記憶される。この方法は、ま
た、記憶された使用データの少なくとも一部に対する要求を受信した後、格納された使用
データの要求された部分を送信するステップを含むことができる。
【0047】
前記一組の命令は、前記使用が送信される前に満たされるべき複数の状態などを識別す
ることができ、前記トリガリングイベントは、前記状態などのそれぞれが満たされたとい
う決定を含むことができる。一実施例において、使用データの送信を受信することは、第
1の患者デバイスから第1のセット(組)の使用データを受信し、第2のデバイスから第
2のセット(組)の使用データを受信するステップを含むことができ、前記第1のセット
の使用データは、第1のトリガリングイベントに従って送信することができ、前記第2の
セットの使用データは、第2のトリガリングイベントに従って送信され得る。第1のトリ
ガリングイベントおよび第2のトリガリングイベントは、異なる基準に基づくことができ
る。
【0048】
一実施例において、格納された使用データの少なくとも一部に対する要求は、複数の患
者から第1の患者を識別し、格納された使用データの一部は、第1の患者に関連され得る
。また、前記一組の命令は、所定の期間の間、患者デバイスの使用を終了した患者として
トリガリングイベントを識別することができる。前記使用データは、また、複数の患者デ
バイス中の各患者デバイスが使用された期間に関連してもよい。一部の態様において、用
語「使用データ」は、以下のいずれかを含むと理解され得る:治療データ、処方および快
適設定、故障、ログ、湿度データ、温度データ、またはデバイスの構成、動作、使用およ
び周囲環境に関連したその他のデータ。
【0049】
また他の側面において、サブスクリプションは、患者デバイスによって収集されるべき
個々のデータ項目のユーザーの選択に基づいて生成され得る。サブスクリプションは、使
用データのサブセットを識別し、使用データの各サブセットに対する1つ以上のトリガリ
ングイベントを識別することができる。また、サブスクリプションに従って収集された使
用データは、時間の経過とともに変更され得る。トリガリングイベントは、患者デバイス
の1つ以上の設定における変化、または患者デバイスの1つ以上の構成要素における故障
状態を含むことができる。
【0050】
本開示は、また、患者データを管理するためのシステムを提供し、前記システムは、本
明細書に記述された方法を実行するように構成された1つまたは複数のコンピューティン
グデバイスを含む。
【0051】
3 図面の様々な視点の簡単な説明
本発明の技術は、添付された図面の図で例として示しているが、限定されるものではな
く、添付された図面の図で同一の参照符号は、同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1a】[3.1 治療システム]本発明の技術によるシステムを示す図である。患者インタフェース3000を装着した患者1000は、鼻枕の形態で、RPTデバイス4000から陽圧で空気の供給を受け取る。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000に渡される。
図1b】患者インタフェース3000を装着した患者1000を含むシステムを示す図であり、経鼻マスク形態で、RPTデバイス4000から陽圧で空気の供給を受け取る。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000に渡される。
図1c】患者インタフェース3000を装着した患者1000を含むシステムを示す図であり、フルフェース・マスクの形態で、RPTデバイスから陽圧で空気の供給を受け取る。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000に渡される。
図2a】[3.2 治療]<3.2.1 呼吸器系>鼻腔および口腔、喉頭、声帯、食道、気管、気管支、肺、肺胞嚢、心臓、および横隔膜を含む人呼吸器系の概要を示す図である。
図2b】鼻腔、鼻骨、側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、鼻孔、上唇、下唇、喉頭、硬口蓋、軟口蓋、中咽頭、舌、喉頭蓋、声帯、食道、および気管を含む人の上気道の概要を示す図である。
図2c】<3.2.2 顔解剖学>上唇、上赤唇、下赤唇、下唇、口幅、 目頭部分(endocanthion)、鼻翼、鼻唇溝、および口角点(cheilion)を含む、識別された表面解剖学のいくつかの特徴を有する顔の正面図である。
図3a】[3.3 患者インタフェース]先行技術に公知された患者インタフェースの一例を示す図である。
図4a】[3.4 呼吸圧力治療(RPT)デバイス]本発明の技術の1つの形態によるRPTデバイスを示す図である。
図4b】本発明の技術の1つの形態によるRPTデバイスの空気圧回路への概路図を示す図である。上流および下流方向が示される。
図4c】本発明の技術の1つの形態によるRPTデバイスの電気構成要素の概路図である。
図5a】[3.5 加湿器]本発明の技術の1つの形態による加湿器を示す図である。
図6a】[3.6 呼吸波形]睡眠中の人体の通常的な呼吸波形モデルを示す図である。横軸は時間であり、縦軸は呼吸の流量である。パラメータ値は変化できる一方、通常の呼吸は以下の近似値を有することができる:一回換気量(Vt)0.5L、吸息時間(Ti)1.6s、ピーク吸入気流(Qpeak)0.4L/s、呼息時間(Te)2.4s、ピーク呼気流(Qpeak)?0.5L/s。呼吸の総持続時間(Ttot)は約4sである。人は通常、1分間に約15回(BPM)の速度で呼吸し、換気量(Vent)は約7.5L/sである。通常のデューティーサイクルである、Ti対Ttot比は約40%である。
図7】[3.7 診断システム]患者データの収集および送信に使用され得る例示的な通信システム700を示す図である。それぞれの患者デバイス720、730および740は、RPT4000、加湿器5000、患者インタフェース3000を含むことができる。
図8】患者データの収集および送信に関連して本明細書に開示された患者デバイスによって実行され得る動作の流れを示す流れ図800である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
4.本発明の技術の実施例の詳細な説明
本発明の技術をさらに詳細に説明する前に、本発明の技術が本明細書で説明されている
特定の例に限定されず、変更可能であることを理解すべきである。さらに、本開示におい
て使用される用語は、本明細書で説明されている特定の例のみを説明することを目的とし
ており、制限的なことを意図しないことを理解すべきである。
【0054】
4.1 治療システム
一形態において、本発明の技術は、呼吸器疾患を治療するためのデバイスを含む。前記
デバイスは、患者インタフェース3000に至る空気送出チューブを経て患者1000に
加圧空気を供給するための流れ発生デバイスまたは送風機(ブロワー)を含むことができ
る。
【0055】
4.2 治療法
一形態において、本発明の技術は、患者1000の気道の入口に陽圧を印加するステッ
プを含む呼吸器疾患を治療するための方法を含む。
【0056】
4.2.1 OSAに対する経鼻CPAP
一形態において、本発明の技術は、患者に経鼻持続気道陽圧を適用することにより、患
者の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を治療する方法を含む。
【0057】
4.3 患者インタフェース3000
本発明の技術の一態様に従う非侵襲性患者インタフェース3000は、以下の機能的側
面として、シール形成構造3100、プレナムチャンバ3200、位置決めおよび安定化
構造3300、換気口3400、および空気回路4170に接続するための接続ポート3
600を備える。いくつかの形態では、機能的側面は、1つまたは複数の物理的構成要素
により提供され得る。いくつかの形態では、1つの物理的構成要素は、1つまたは複数の
機能的側面を提供することができる。使用時に、シール形成構造3100は、陽圧で気道
への空気の供給を促進するために、患者の気道の入口を取り囲むように構成される。
【0058】
4.3.1 シール形成構造3100
本発明の技術の一形態において、シール形成構造3100は、シール形成面を提供し、
さらにクッション機能を提供することができる。
【0059】
本発明の技術によるシール形成構造3100は、シリコーンのような柔らかくて、柔軟
性且つ弾力性のある材料から構成することができる。
【0060】
一形態において、シール形成構造3100は、シール用フランジと支持フランジを含む
。好ましくは、シール用フランジは、プレナムチャンバ3200の周辺部3210の周り
に延びる約1mm未満、例えば、約0.25mm~約0.45mmの厚さを有する比較的
薄い部材を含む。支持フランジは、シール用フランジより相対的により厚くてよい。支持
フランジは、シール用フランジとプレナムチャンバ3200の周縁エッジの間に配置され
、周辺部3210の少なくとも一部の周りに延びている。支持フランジは、バネ状の要素
であるか、またはそれを含み、使用中にシール用フランジを支持して座屈を起こすのを防
止する。使用中に、シール用フランジは、プレナムチャンバ3200におけるシステム圧
力に容易に対応することができ、その底面に作用して顔にしっかりと係合するよう促す。
【0061】
一形態において、非浸湿性患者インタフェース3000のシール形成部は、一対の鼻噴
霧または鼻枕を含み、それぞれの鼻噴霧または鼻枕は、患者の鼻のそれぞれの鼻孔とシー
ルを形成するように構築されて配置される。
【0062】
本発明の技術の態様による鼻枕は次を含む:少なくとも一部分が患者の鼻の下面にシー
ルを形成する截頭円錐、截頭円錐の底面の柔軟な部分で截頭円錐を脚に接続する脚。さら
に、本発明の技術の鼻枕が接続される構造は、脚の基部に隣接した柔軟な領域を含む。柔
軟な領域は協調して自在継手構造の役目をし、截頭円錐と鼻枕が接続されている構造との
変位および角度の両方の相対運動に対応する。例えば、截頭円錐は、脚が接続される構造
に向けて軸方向に変位させることができる。
【0063】
1つの形態において、非侵襲性シール形成部3000は、使用中に患者の顔の上唇領域
(すなわち、上唇)上にシールを形成するシール形成部を含む。
【0064】
1つの形態において、非侵襲性患者インタフェース3000は、使用中に患者の顔の顎
の部分にシールを形成するシール形成部を含む。
【0065】
4.3.2 プレナムチャンバ3200
好ましくは、プレナムチャンバ3200は、使用中にシールが形成される領域における
平均的な人の顔の表面輪郭に補完的な形状の周辺部3210を有している。使用中、プレ
ナムチャンバ3200の周縁エッジは、顔の隣接する表面に近接するよう位置決めされる
。顔との実際の接触は、シール形成構造3100によって行われる。好ましくは、シール
形成構造3100は、使用中にプレナムチャンバ3200の全体周辺部3210に延びる
【0066】
一形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200が鼻マスク
(例えば、図1bに示される)の一部であるところの患者の鼻孔を取り囲み、および/ま
たはこれらと流体連通され得る。また他の形態において、プレナムチャンバ3200は、
プレナムチャンバ3200がフルフェース・マスク(例えば、図1cに示される)の一部
であるところの患者の鼻孔および口を取り囲み、および/またはこれらと流体連通され得
る。また他の形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200が
鼻枕(例えば、図29に示される)の一部であるところの患者の鼻孔のうち、1つまたは
複数と係合および/または流体連通することができる。
【0067】
4.3.3 位置決めおよび安定化構造3300
好ましくは、本発明の技術の患者インタフェース3000のシール形成構造3100は
、位置決めと安定化構造3300によって使用中はシーリング位置に保持される。
【0068】
4.4 RPTデバイス4000
本発明の技術の態様を実施するのに適合できる例示的なRPTデバイス4000は、機
械的および空気的構成要素4100、電気構成要素4200を含むことができ、本明細書
の全般にわたって記載された1つまたは複数の制御方法論またはアルゴリズムを行うよう
にプログラム化され得る。RPTデバイスは、外部ハウジング4010を有し、好ましく
は、外部ハウジング4010の上部4012および外部ハウジング4010の下部401
4の2つの部分に形成される。代替的な形態では、外部ハウジング4010は、1つまた
は複数のパネル4015を含むことができる。好ましくは、RPTデバイス4000は、
該RPTデバイス4000の1つまたは複数の内部構成要素を支持するシャーシ4016
を含む。一形態では、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持される
か、またはシャーシ4016の一部として形成される。RPTデバイス4000は、ハン
ドル4018を含むことができる。
【0069】
RPTデバイス4000の空気圧経路は、空気入口フィルター4112、入口マフラー
4122、陽圧で空気を供給することができる制御可能な圧力デバイス4140(好まし
くは、送風機4142)および出口マフラー4124を含むのが好ましい。1つまたは複
数の圧力センサ4271および流量センサ4274は、空気圧経路に含まれる。
【0070】
好ましい空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置される空気圧経
路の一部を含む。
【0071】
RPTデバイス4000は、好ましくは、電力供給装置4210、1つまたは複数の入
力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイスコントローラ4240お
よび/または前述のコントローラのいずれか1つ、圧力デバイス4140、1つまたは複
数の保護回路4250、メモリ4260、トランスデューサ4270、データ通信インタ
フェース4280および1つまたは複数の出力デバイス4290を備える。電気構成要素
4200は、単一のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に設置され得る
。代替的な形態では、RPTデバイス4000は、1つまたは複数のPCBA4202を
含むことができる。
【0072】
1つまたは複数のプロセッサーを含むことができるRPT装置4000の中央コントロ
ーラ4230は、好ましくは、前処理モジュール、治療エンジンモジュール、圧力制御モ
ジュールおよびさらに好ましくは、故障状態モジュールを含む1つまたは複数のアルゴリ
ズムモジュールを実行するようにプログラム化され得る。これは、本明細書の全般にわた
って記述される1つまたは複数の換気制御方法で構成され得る換気制御モジュールを更に
含むことができる。
【0073】
4.4.1 RPTデバイスの機械的および空気圧構成要素4100
4.4.1.1 空気フィルター(複数可)4110
本発明の技術の一形態によるRPTデバイスは、1つの空気フィルター4110、また
は複数の空気フィルター4110を含むことができる。
【0074】
一形態において、空気入口フィルター4112は、送風機4142の空気圧経路上流の
先頭に位置している。図4b参照。
【0075】
一形態において、例えば、抗菌フィルターのような出口空気フィルター4114は、空
気ブロック4020の出口と患者インタフェース3000との間に位置している。図4
参照。
【0076】
4.4.1.2 マフラー4120
本発明の技術の一形態において、入口マフラー4122は、送風機4142の空気圧経
路の上流に配置される。図4b参照。
【0077】
本発明の技術の一形態において、出口マフラー4124は、 送風機4142と患者イ
ンタフェース3000との間の空気圧経路内に配置される。図4b参照。
【0078】
4.4.1.3 圧力デバイス4140
本発明の技術の好ましい一形態において、陽圧の空気の流れを発生するための圧力デバ
イス4140は、制御可能な送風機4142である。例えば、送風機は、渦巻室内に収納
された1つまたは複数のインペラーを有するブラシレスDCモータ4144を含むことが
できる。送風機は、好ましくは、空気の供給を、例えば、約120リットル/分の速度で
、約4cmHOから約20cmHO、または他の形態においては約30cmHOま
での範囲の陽圧により送達することができる。
【0079】
圧力デバイス4140は、治療デバイスコントローラ4240の制御下にある。
【0080】
4.4.1.4 トランスデューサ4270
本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力
デバイス4140の上流に配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、
空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置される。
【0081】
本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力
デバイス4140の下流および空気回路4170の上流に配置される。1つまたは複数の
トランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製
作され、配置される。
【0082】
本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、患者
インタフェース3000の近くに配置される。
【0083】
4.4.1.5 アンチスピルバック弁4160
本発明の技術の一形態において、アンチスピルバック弁は、加湿器5000と空気圧ブ
ロック4020との間に配置される。アンチスピルバック弁は、水が加湿器5000から
上流に、例えば、モータ4144に流れる危険性を低減するように製作され、配置される
【0084】
4.4.1.6 空気回路4170
本発明の技術の一形態による空気回路4170は、空気圧ブロック4020と患者イン
タフェース3000との間に空気の流れを可能にするように製作され、配置構成される。
【0085】
4.4.1.7 酸素送達
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧経路内のある地点に送達
される。
【0086】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧ブロック4020の上流
に送達される。
【0087】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気回路4170に送達される。
【0088】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、患者インタフェース3000に供
給される。
【0089】
4.4.2 RPTデバイス電気構成要素4200
4.4.2.1 電源装置4210
本発明の技術の一形態において、電源装置4210は、RPTデバイス4000の外部
ハウジング4010の内部にある。本発明の技術の他の形態において、電源装置4210
は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の外部にある。
【0090】
本発明の技術の一形態において、電源装置4210は、電力をRPTデバイス4000
のみに供給する。本発明の技術の他の形態において、電源装置4210は、電力をRPT
デバイス4000と加湿器5000との両方に供給する。電源装置は、また、本明細書の
全般にわたって記載されたように、換気デバイスのための任意のアクチュエータ、コント
ローラおよび/またはセンサに電力を選択的に供給することができる。
【0091】
4.4.2.2 入力デバイス4220
本発明の技術の一形態において、RPTデバイス4000は、作業者が前記デバイスと
交流できるように、ボタン、スイッチまたはダイヤルの形態の1つまたは複数の入力デバ
イス4220を含む。これらは、換気デバイスのようなRPTデバイスの構成要素の動作
設定を入力するために実施され得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、物理的デバイ
スであるかまたはタッチスクリーンを介してアクセス可能なソフトウェアデバイスである
ことができる。これらのボタン、スイッチまたはダイヤルは、一形態では、外部ハウジン
グ4010に物理的に接続されるかまたは他の形態では、中央コントローラ4230に電
気的に接続される受信機と無線方式で通信することができる。
【0092】
一形態において、入力デバイス4220は、作業者が値および/またはメニューオプシ
ョンを選択できるように製作され、配置され得る。
【0093】
4.4.2.3 中央コントローラ4230
本発明の技術の一形態において、中央コントローラ4230は、入力デバイス4220
から入力信号(など)を受信し、出力信号(など)を出力デバイス4290および/また
は治療デバイスコントローラ4240に提供するように構成された専用電子回路である。
【0094】
一形態において、中央コントローラ4230は、アプリケーション特定集積回路である
。また他の形態において、中央コントローラ4230は、別の電子構成要素を含む。
【0095】
本発明の技術の別の形態において、中央コントローラ4230は、x86INTELプ
ロセッサーなどのRPTデバイス4000を制御するのに適したプロセッサーである。
【0096】
本発明の技術の別の形態によるRPTデバイス4000を制御するのに適したプロセッ
サー4230は、ARM HoldingsのARM Cortex-Mプロセッサーに
基づいたプロセッサーを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのST
M32シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0097】
本発明の技術の他の代替的形態によるRPTデバイス4000を制御するのに適した他
のプロセッサーは、ファミリARM9ベース32ビットRISC CPUから選択された
部材を含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTR9シリーズマイ
クロコントローラが使用され得る。
【0098】
本発明の技術の特定代替形態において、16ビットRISC CPUは、RPTデバイ
ス4000に対するプロセッサーとして使用され得る。例えば、TEXAS INSTR
UMENTSで製造したマイクロコントローラのMSP430ファミリからのプロセッサ
ーが使用され得る。
【0099】
プロセッサーは、1つまたは複数のトランスデューサ4270、および1つまたは複数
の入力デバイス4220から入力信号を受信するように構成される。
【0100】
プロセッサーは、出力信号を出力デバイス4290、治療デバイスコントローラ424
0、データ通信インタフェース4280、および加湿器コントローラ5250のうちの1
つまたは複数に提供するように構成される。
【0101】
本発明の技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230のプロセッサー、
または複数のそのようなプロセッサーは、メモリ4260などの非一時的コンピューター
可読記憶媒体に格納されるコンピュータープログラムとして表現される1つまたは複数の
アルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている1つまたは複数の方法を具現す
るように構成される。一部の場合には、既に説明されているように、そのようなプロセッ
サーは、RPTデバイス4000に統合することができる。しかし、本発明の技術のいく
つかの形態におおいて、プロセッサーは、呼吸器処置の実施を直接的に制御することなく
本明細書で説明されている方法のいずれかを行うことなどを目的として、RPTデバイス
4000の空気圧構成要素から個別的に実行され得る。例えば、そのようなプロセッサー
は、本明細書で説明されているセンサのいずれかなどからの格納データの解釈によって換
気デバイスに対する制御設定またはその他の呼吸器関連イベントを決定することを目的と
して本明細書で説明されている方法のうちのいずれかを行うことができる。同様に、この
ようなプロセッサーは、本明細書に記載されている換気デバイスの動作を制御するために
、本明細書に記載されている任意の方法のうちのいずれかを実行することができる。
【0102】
4.4.2.4 クロック4232
好ましくは、RPTデバイス4000は、プロセッサーに接続されているクロック42
32を含む。
【0103】
4.4.2.5 治療デバイスコントローラ4240
本発明の技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、中央コントロ
ーラ4230のプロセッサーによって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する
圧力制御モジュール4330である。
【0104】
本発明の技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、専用モータ制
御集積回路である。例えば、ONSEMIで製造したMC33035ブラシレスDCモー
タコントローラが使用される。
【0105】
4.4.2.6 保護回路4250
好ましくは、本発明の技術によるRPTデバイス4000は、1つまたは複数の保護回
路4250を含む。
【0106】
保護回路4250の一形態は、電気保護回路である。
【0107】
本発明の技術による保護回路4250の一形態は、温度、または圧力安全回路である。
【0108】
4.4.2.7 メモリ4260
本発明の技術の一形態によれば、RPTデバイス4000は、メモリ4260、好まし
くは不揮発性メモリを含む。いくつかの形態において、メモリ4260は、電池式スタテ
ィックRAMを含むことができる。いくつかの形態において、メモリ4260は、揮発性
RAMを含むことができる。
【0109】
好ましくは、メモリ4260は、PCBA4202上に配置される。メモリ4260は
、EEPROMまたはNANDフラッシュの形態であり得る。
【0110】
追加的に、または代替的に、RPTデバイス4000は、移動可能な形態のメモリ42
60、例えば、セキュアデジタルSD規格に従って製作されたメモリカードを含む。
【0111】
本発明の技術の一形態において、メモリ4260は、非一時的コンピューター可読記憶
媒体として動作し、この媒体に、1つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細
書で説明されている1つまたは複数の方法を表現するコンピュータープログラム命令が格
納される。
【0112】
4.4.2.8 トランスデューサ4270
トランスデューサは、デバイスの内部にあるか、RPTデバイスの外部にあり得る。外
部トランスデューサは、例えば、患者インタフェース上で、例えば、空気送達回路上に配
置されるか、またはその一部を形成することができる。外部トランスデューサは、データ
をRPTデバイスに送信または転送するドップラーレーダー移動センサなどの非接触セン
サの形態のものであり得る。
【0113】
4.4.2.8.1 流量
本発明の技術による流量トランスデューサ4274は、差圧トランスデューサ、例えば
、SENSIRION社のSDP600シリーズ差圧トランスデユーサに基づくものであ
り得る。差圧トランスデューサは、空気圧回路と流体連通し、圧力トランスデューサのそ
れぞれの1つは流れ制限要素内の各第1および第2の地点に接続される。
【0114】
使用中に、流量トランスデューサ4274からの全流量Qtを表す信号が、プロセッサ
ーによって受信される。
【0115】
4.4.2.8.2 圧力
本発明の技術による圧力トランスデューサ4272は、空気圧回路と流体連通するよう
に配置される。好適な圧力トランスデューサの一例は、HONEYWELL ASDXシ
リーズセンサである。代替的に好適な圧力トランスデューサは、GENERAL ELE
CTRIC社のNPAシリーズセンサである。
【0116】
使用中に、圧力トランスデューサ4272は、中央コントローラプロセッサーによって
受信される。一形態において、圧力トランスデューサ4272からの信号は、中央コント
ローラ4230によって受信される前にフィルター処理される。
【0117】
4.4.2.8.3 モータ速度
本発明の技術の一形態において、モータ速度信号4276が生成される。モータ速度信
号4276は、好ましくは、治療デバイスコントローラ4240によって送られる。モー
タ速度は、例えば、ホール効果センサなどの、速度センサによって発生され得る。
【0118】
4.4.2.9 データ通信システム4280
本発明の技術の好ましい一形態において、データ通信インタフェース4280が備えら
れ、中央コントローラプロセッサーに接続される。データ通信インタフェース4280は
、好ましくは、遠隔外部通信ネットワーク4282に接続可能である。データ通信インタ
フェース4280は、好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能で
ある。好ましくは、遠隔外部通信ネットワーク4282は、遠隔外部デバイス4286に
接続可能である。好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部
デバイス4288に接続可能である。
【0119】
一形態において、データ通信インタフェース4280は、中央コントローラ4230の
一部である。他の形態において、データ通信インタフェース4280は、中央コントロー
ラプロセッサーから分離している集積回路である。
【0120】
一形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282は、インターネットである。デー
タ通信インタフェース4280は、有線通信(例えば、Ethernet、または光ファ
イバーを介する)または無線プロトコルを使用してインターネットに接続することができ
る。
【0121】
一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、Bluetooth(登
録商標)などの1つまたは複数の通信規格、または消費者向けの赤外線プロトコルを利用
する。
【0122】
一形態において、遠隔外部デバイス4286は、1つまたは複数のコンピューター、例
えば、ネットワークコンピューターのクラスタである。一形態において、遠隔外部デバイ
ス4286は、物理的コンピューターではなく、仮想コンピューターであり得る。いずれ
の場合にも、そのような遠隔外部デバイス4286は、臨床医などの適切な権限を有した
作業者によるアクセスが可能であり得る。
【0123】
好ましくは、ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピューター、携帯電話
、タブレット、または遠隔制御である。
【0124】
4.4.2.10 オプションのディスプレイ、警報を含む出力デバイス
本発明の技術による出力デバイス4290は、視覚的ユニット、聴覚的ユニット、およ
び触覚的ユニットのうちの1つまたは複数の形態を取ることができる。視覚的ディスプレ
イは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであり
得る。
【0125】
4.4.2.10.1 ディスプレイドライバ4292
ディスプレイドライバ4292は、入力として、ディスプレイ4294上に表示するた
めに意図される文字、記号、または画像を受け取り、それらをディスプレイ4294にそ
れらの文字、記号、または画像を表示させる命令に変換する。
【0126】
4.4.2.10.2 ディスプレイ4294
ディスプレイ4294は、ディスプレイドライバ4292から受信された命令に応答し
て文字、記号、または画像を視覚的に表示するように構成される。例えば、ディスプレイ
4294は、8つのセグメントディスプレイであることができ、この場合に、ディスプレ
イドライバ4292は、数字「0」などの各文字、または記号を8つの論理信号に変換し
、この論理信号は、8つの各セグメントが特定の文字、または記号を表示するために活性
化することができるか否かを示す。
【0127】
4.5 通信およびデータ管理システム
図7は、本開示の態様などが実施され得る例示的なシステム700を示す。このような
例は、本開示の範囲または本明細書に説明された特徴の有用性を制限するものと見なされ
るべきではない。この例において、システム700は、サーバー710、患者デバイス7
20、730および740、ストレージシステム750だけでなく、コンピューティング
デバイス760を含む。これらのデバイスは、それぞれネットワーク4282を介して通
信することができる。
【0128】
各患者デバイス720、730および740は、RPT4000、加湿器5000およ
び患者インタフェース3000を含む1つまたは複数のデバイスを含むことができる。ま
た、それぞれの患者デバイス720、730および740は、遠隔位置で、および異なる
患者によって操作され得る。コントローラプロセッサー4230およびメモリ4260の
みが患者デバイス720に示されているが、各患者デバイスは、RPT4000、加湿器
5000および患者インタフェース3000と関連して前述の構成要素のいずれかを含む
ことができる。また、患者デバイス720、730および740が4282を介して直接
通信するものと示されているが、それぞれの患者デバイスは、外部コンピューティングデ
バイスを介してネットワーク4282上で通信することもできる。例えば、患者デバイス
720は、ネットワーク4282を介してデータを送信するパーソナルコンピューターと
通信することができる。
【0129】
サーバー710は、1つまたは複数のプロセッサー712、メモリ714を含むことが
でき、汎用コンピューティングデバイスに通常的に存在する他の構成要素と組み込まれる
ことができる。サーバー710のメモリ714は、プロセッサー712によって実行され
得る命令715を含む、プロセッサー712によってアクセス可能な情報を格納すること
ができる。メモリ714は、また、プロセッサー712によって検索、操作または格納さ
れ得るデータ718を含むことができる。メモリは、プロセッサーによってアクセス可能
な情報を格納することができる任意の非一時的タイプであり得る。サブスクリプション7
16は、プロセッサー712によって直接的または間接的に実行される命令などを含むこ
とができる。これと関連して、「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」および「
プログラム」という用語は、本明細書で相互交換可能に使用され得る。命令の機能、方法
およびルーチンは、以下でより詳細に説明する。
【0130】
データ718は、命令715に従ってプロセッサー712によって検索、格納または修
正され得る。例えば、本明細書に記載された主題が任意の特定のデータ構造によって制限
されないが、データは、コンピューターレジスターに格納されることができ、すなわち、
多くの他のフィールドとレコード、または XML文書を有するテーブルとしてリレーシ
ョナルデータベースに格納され得る。データ718は、また、数字、説明テキスト、専用
コード、ポインタ、他のネットワーク位置などの他のメモリに格納されたデータに対する
参照のような関連情報を識別するか計算するのに十分な任意の情報であり得る。1つまた
は複数のプロセッサー712は、CPUのような従来のプロセッサーなどを含むことがで
きるか、またはASICのようなハードウェアベース構成要素であり得る。
【0131】
図7は、サーバー710、コンピューティングデバイス760および患者デバイス72
0、730および740のプロセッサー、メモリおよび他の要素をそれぞれ1つのブロッ
ク内にあるように機能的に示しているが、各デバイスの様々な構成要素は、異なる物理的
ハウジング内に格納され得る。例えば、メモリ714は、サーバー710のハウジングと
異なるハウジングに配置されたハードドライブまたは他の格納媒体であり得る。同様に、
プロセッサー712は、複数のプロセッサーを含むことができ、その一部または全部は、
サーバー710のハウジングとは異なるハウジングに配置される。従って、プロセッサー
、コンピューター、コンピューティングデバイスまたはメモリに対する言及は、並列で動
作するか動作しないプロセッサー、コンピューター、コンピューティングデバイスまたは
メモリの集合体に対する言及を含むものとして理解されるだろう。一部の機能などが単一
のプロセッサーを有する単一のコンピューティングデバイス上で発生するものとして本明
細書で説明されたが、本開示の様々な態様などは、ネットワーク4282を介して通信す
るもののように互いに情報を通信する複数のコンピューティングデバイスによって実施さ
れ得る。
【0132】
本明細書に記載されたネットワーク4282および介在ノードは、ネットワークがイン
ターネット、ワールドワイドウェブ、特定のイントラネット、広域ネットワーク、ローカ
ルネットワーク、または携帯電話ネットワークの一部となることができるように、様々な
プロトコルおよびシステムを使用して相互接続され得る。ネットワークは、イーサネット
(登録商標)、Wi-FiおよびHTTPのような標準的な通信プロトコル、1つまたは
複数の会社が独占的に使用するプロトコルおよび前述の様々な組み合わせを利用すること
ができる。前述のように、情報が送信または受信されるときに所定の利点が得られるが、
本明細書に記載された主題の他の態様は、情報の特定送信方式に制限されない。
【0133】
サーバー710は、ネットワーク4282を介してストレージシステム750、コンピ
ューティングデバイス760、および患者デバイス720、730および740と通信で
きる1つまたは複数の通信サーバーを含むことができる。以下により詳細に説明するよう
に、サーバー710は、ネットワーク4282を介して患者デバイス720,730およ
び740にサブスクリプションを送信することができる。次に、患者デバイス720、7
30および740は、受信されたサブスクリプションに従ってサーバー710にデータを
送信することができる。
【0134】
コンピューティングデバイス760は、サーバー710と同様に、前述したようなデー
タおよび命令を含むことができる1つまたは複数のプロセッサー762、メモリ764か
ら構成され得る。それぞれのコンピューティングデバイス760は、臨床医、技術者、ま
たは他のユーザーによる使用を目的とするパーソナルコンピューティングデバイスである
ことができ、中央処理デバイス(CPU)、データおよび命令を格納するメモリ(例えば
、RAMおよび内部ハードドライブ)、ディスプレイ766(例えば、スクリーン、タッ
チスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように操作できる他のデバ
イスを有するモニタ)のようなディスプレイ、およびユーザー入力デバイス768(例え
ば、マウス、キーボード、タッチスクリーンまたはマイクロフォン)と関連して通常使用
されるすべての構成要素を備える。
【0135】
4.6 例示的な方法
RPT4000などの患者デバイスは、メモリに格納されたサブスクリプションに従っ
て使用データを収集するか、送信するか、または、収集および送信の両方を行うことがで
きる。使用データは、患者の医療機器の使用に関連する任意のデータを含むことができ、
サブスクリプションは、使用データを収集して送信する場合に、医療機器によって使用さ
れるスクリプトのような一組の命令形態を取ることができる。サブスクリプションは、患
者デバイスによって収集される特定のデータを選択することができる。例えば、RPT4
000は、患者インタフェース3000が患者によって着用されたかまたは着用されなか
った期間に関する使用データを含み、患者がRPT4000を使用した期間に関する使用
データを収集することができる。また、収集された使用データは、患者が治療にどのよう
に反応するかに関連し得る。例えば、RPT4000によって実行されるサブスクリプシ
ョンは、患者の無呼吸指数(「AI」)、呼吸低下指数(「HI」)または無呼吸-呼吸
低下指数(「AHI」)を計算するために使用され得る使用データの収集を要求すること
ができる。特に、RPT4000は、RPT4000が使用される期間の間にわたって生
じる患者呼吸の中断を追跡するために、質量流量および出口圧力を測定するために前述し
たセンサなどのセンサを使用することができる。臨床医は、患者のAI、HIおよびAH
Iを含む治療に対する患者の反応を検討することができるように、このような使用データ
を収集して、サブスクリプションに従ってサーバーに送信することができる。
【0136】
図7に戻って、患者デバイス720は、1つまたは複数のサブスクリプション716を
メモリ4260に格納することができる。次に、患者デバイス720は、使用データ72
8を収集して格納するために、中央コントローラ4230を使用してサブスクリプション
726を実行することができる。格納された使用データ728は、また、ネットワーク4
282を介してサーバー710などのような遠隔デバイスに送信することができる。次に
、臨床医は、コンピューティングデバイス760を使用してサーバー710に格納された
送信された使用データ718にアクセスすることができる。一例において、サーバー71
0は、患者デバイス720によって送信された使用データ718をストレージシステム7
50に格納することができ、コンピューティングデバイス760は、ストレージシステム
750に格納されたデータに直接アクセスすることができる。
【0137】
一態様によれば、サブスクリプション726は、患者デバイス720が収集した使用デ
ータ728を送信する特定の時間または出来事を指定することができる。このような指定
された時間および出来事は、トリガリングイベントと呼ばれ得る。トリガリングイベント
は、サブスクリプションで定義され得る。1つのこのようなトリガリングイベントは、患
者デバイス720を使用することを患者が中断した後、所定の期間を含む。例えば、サブ
スクリプション716は、患者デバイス720を使用することを患者が中断してから1時
間後に使用データ728が送信されるべきであることを示すことができる。従って、デバ
イスを使用してから1時間が経過するとき、データは、サーバー710に送信されるだろ
う。患者が患者デバイス720を使用することを中断するが、1時間以内にそれを再使用
すると、使用データ728は、送信されないだろう。その代わりに、患者デバイス720
は、患者デバイス720の患者の使用が1時間の指定された時間の間中断してから使用デ
ータ728を送信するまで待機する。患者デバイス720に対する電源が治療後期間に達
する前にスイッチオフされると、患者デバイス720は、治療後期間が満たされる場合に
、電源オン状態に入ると使用データ728を送信することができる。
【0138】
他の例において、トリガリングイベントは、少なくとも4時間の間持続した個別治療セ
ッションのような、所定の最小期間の間持続した治療セッションであり得る。また他の例
において、トリガリングイベントは、4時間の最小治療期間と1時間の治療後期間との組
み合わせであることができるので、最小治療期間および治療後期間の両方が満たされるま
で使用データ728は送信されないだろう。使用データ728を送信する前に所定の期間
待機することによって、サブスクリプション726は、患者が患者インタフェース300
0を調整するか一時的に除去するときのような治療に対する短期間の中断による使用デー
タの不要な送信を防止することができる。使用データ728の送信をトリガリングするた
めに使用される所定の期間は、特定の患者デバイスによって実施される特定のサブスクリ
プション726に対して構成可能であり得る。治療後または最小治療トリガリングイベン
トに対する経過期間は、特定の患者または患者群に対する睡眠データに基づいて決定する
ことができる。従って、患者デバイス720は、患者デバイス730によって実施される
所定の期間とは異なる所定の期間でサブスクリプションを実施することができる。
【0139】
他の実施例において、サブスクリプション726は、患者が患者デバイス720で治療
を受けた累積した時間量に基づいてトリガリングイベントを指定することができる。この
期間は、サブスクリプション内で構成可能であり、ネットワーク4282を介して送信さ
れるデータの量を制限することと、使用データの適時性を達成することとの間にバランス
を見つけることができる。サブスクリプション726は、また、ゼロ使用データ728ま
たは所定の期間の間にわたって治療が行われなかったことを示す他のデータを患者デバイ
ス720に送信することができる。例えば、患者デバイス720は、患者デバイス720
が過去24時間の間に使用されなかったことを示すゼロ時間/分の使用を含む使用データ
728をサーバー710に送信することができる。代替的に、患者デバイス720は、患
者デバイス720の使用不足を示す通知をサーバー710に送信することができる。この
通知を受信すると、サーバー710は、コンピューティングデバイス760にメッセージ
を送信することができる。このメッセージは、患者デバイス720の使用不足に関する情
報をコンピューティングデバイス760のユーザーに提供することができる、患者デバイ
ス720を使用する患者は、さらなる支援が必要であるということを示すことができる。
【0140】
サブスクリプション726は、患者デバイス720が使用データ728を送信する前に
満たされなければならない追加の条件を指定することができる。例えば、患者デバイスは
、複数の治療モードのうちのいずれか1つで動作することができる。例えば、RPT40
00は、患者インタフェース3000に適用される陽圧の量によって制御されるCPAP
モードで動作することができる。RPT4000は、また、換気が非CPAPモードで提
供されるモードで動作することができる。また他のモードにおいて、治療は、RPT40
00によって循環される空気の量に基づくことができる。一態様によれば、サブスクリプ
ション726は、使用データが特定の動作モードに関連してのみ送信されるということを
示すことができる。例えば、患者デバイス720は、CPAPモードで実行中の患者デバ
イス720に関連して使用データ728が単独に送信されるサブスクリプション726を
実施することができる。代替的に、患者デバイス720は、非CPAPモードに関連して
使用データ728の送信に関連する別途のサブスクリプションを実施することができる。
【0141】
他の態様において、サブスクリプション726は、使用データ728の或る側面(特徴
)において特定の変化が発生したときに、使用データ728を患者デバイス720に送信
するように指示することができる。例えば、患者デバイス720は、サブスクリプション
726に従って使用データ728を追跡して、最後の使用データ728が送信された時か
ら現在の使用データが何らかの方式で変更されたか否かを判断することができる。使用デ
ータ728における変化は、所定の範囲から逸脱した患者の AHI、AIまたはHIを
含むことができる。このようにして、臨床医は、治療に対する患者の反応が変化したとい
う表示を直ちに受け取ることができる。しかし、このような「変化時」トリガリングは、
患者デバイス720の1つまたは複数の構成要素における処方設定の変更または故障状態
のような頻繁に変化しない設定とさらによく関連付けられる。故障状態は、患者デバイス
720の1つまたは複数の構成要素が正確に動作しなかったか、または不正確に使用され
た場合の任意の出来事を含むことができる。処方設定変更および故障状態は、まれにしか
報告されないので、このような「変更時」トリガリングは、通常、毎日発生する頻度は少
ない。
【0142】
使用データの変化は、また、患者デバイス720の使用が最後の使用データが送信され
た時から予め決定された量を超えてずれたという決定を含むことができる。このようにし
て、患者デバイス720は、患者の治療が変更されたとき、または患者が処方された治療
から逸脱し始めたときに、使用データを送信することのみを必要とすることができる。通
常、これは変更頻度の低い使用データに適用され得る。このような使用データの例には、
治療または快適設定の変更を含む。これらは、変更が発生するときにのみ設定の変更をデ
バイスが報告するように、変更によってサブスクライブすることができる。変化を報告す
るための他の例は、ハードウェア故障のイベントである。
【0143】
前述したように、使用データ728は、異なるサブセットなどに分割され得る。例えば
、使用データ728のサブセットは、デバイス設定、使用ログ、故障ログ、イベントログ
、患者状態、例えば、AHI、HI、AI、呼吸数、1回換気量、分当り換気およびRE
RAデータは勿論、その他の治療データを含むことができる。使用データ728のサブセ
ットは、また、使用データの概要対詳細な使用データを含むことができる。また、使用デ
ータのサブセットは、使用中の患者デバイスのタイプに応じて変わることができるので、
デバイスタイプに依存することができる。例えば、CPAPデバイスは、BiLevel
PAPデバイスに使用されるサブセットと異なる使用データ728のサブセットを有す
ることができる。使用データ728の各サブセットについて、サブスクリプション726
は、患者デバイス720がサーバー710に使用データのサブセットを送信する特定のト
リガリングイベントまたはトリガリングイベントなどの組み合わせを識別することができ
る。トリガリングイベントは、周期的に計時されたトリガー、収集されたデータまたは患
者の状態における事前定義された変化、遠隔デバイスからの使用データに対する要求、ま
たは治療セッションを中止することのようなイベントの発生を含むことができる。例えば
、AHIデータは、一日に一回などの周期的なトリガリングイベントに基づいて送信され
ることができ、患者デバイス720の故障状態の変化が検出されると直ちに、故障ログが
患者デバイス720からサーバー710に送信され得る。このようにして、故障ログデー
タは、潜在的に故障に対処するために、技術者が直ちにアクセスすることができる。他の
例において、デバイス設定または故障に関連する使用データは、一日一回送信されること
ができるが、デバイスの設定または故障が変化した場合にのみ送信される。他の例におい
て、使用データ728の一部サブセットは、使用データ728の特定のサブセットに対す
るサーバー710などの他のデバイスからの要求を受信するときにのみ送信され得る。さ
らに他の例において、使用データの概要は、治療セッションの終了時など、またはデバイ
スを使用しない場合には、一日が終わるときに定期的に送信することができる。反対に、
詳細な使用データは、より少ない頻度で、または要求されたときにのみ、送信され得る。
概要使用データは、データによって表示される期間の間に使用データの概要を示す1つの
代表値として提示され得る。より詳細な使用データは、必要な詳細データがある場合、概
要使用データとともに一部の圧縮形式で送信されることもできる。このようにして、患者
デバイス720は、データ送信の頻度、量、帯域幅、およびコストを最小化しながら、所
望の使用データ728を提供することができる。
【0144】
サブスクリプション726は、患者状態または治療処方の変化に応答して、更新される
か、または他の方法で変更され得る。例えば、患者デバイス720は、製造時に、第1の
セット(組)のサブスクリプション726を含むことができる。しかし、一定期間にわた
って、サーバー710は、更新されるかまたは全く新しいサブスクリプションを患者デバ
イス720に送信することができる。これらの新しいサブスクリプションは、患者デバイ
ス720によって格納することができ、サブスクリプションの命令に従って実施される。
代替的に、1つの代りに、多数の予め定義されたサブスクリプションまたはサブスクリプ
ション726のセットは、患者デバイスのメモリ4260で特定の時間(例えば、製造時
に)に格納され得る。この場合に、現在のサブスクリプションは、依然としてサーバー7
10によって更新され得る。代替的に、事前インストールされた他のサブスクリプション
726は、患者デバイス上の利用可能なサブスクリプションのうちから単純に選択され得
る。
【0145】
個々のデータ項目は、ユーザーの必要に基づいてサブスクリプション726の一部とし
て選択されるか選択解除され得る。例えば、個々のデータ項目は、使用時間、AHI、H
I、AI呼吸数、1回換気量、1分換気、RERA、デバイス設定などに関連した使用デ
ータを含むことができる。サブスクリプション更新は、ユーザーが提供した選択に基づい
て、これらの各データ項目をサブスクライブまたはサブスクライブ解除することができる
。ユーザーは、患者デバイス720、730および740に対する特定の更新716に含
まれるデータ項目を選択するために、サーバー710にアクセスするためにコンピューテ
ィングデバイス760を使用して個々のデータ項目を選択することができる。
【0146】
患者の治療が始まると、前記列挙されたデータ項目のような大きいデータ項目セットに
対する詳細な治療データを収集するサブスクリプション726を実施することが有益であ
り得る。時間の経過とともに、サブスクリプション726は、詳細でないデータ項目セッ
トを含むことがある。これは、ユーザーがもはや関心のない個々のデータ項目をサブスク
ライブ解除することによって発生することができる。例えば、患者が所定期間、例えば、
数ヶ月の間に所定の治療を受けた後に、ユーザーは、使用データおよびAHIデータを除
いたすべての治療データからサブスクライブ解除を行うことができる。また、患者状態の
変化によって、ユーザーは、新しいサブスクリプション726に含まれる個々のデータ項
目を選択することによって、1つまたは複数のデータ項目を追加するようにできる。サブ
スクリプション726への変更は、また、予め決定されたスケジュールに基づいて、自動
的に発生することができ、サブスクリプションに従って収集された治療データは、経時的
に変化する。このスケジュールは、患者の治療の決定された効能に基づいて、または患者
状態の変化に基づいてユーザーによって変更され得る。
【0147】
一態様において、臨床医または技術者は、コンピューティングデバイス760を使用し
てサーバー710と通信し、また、サブスクリプション更新に関連して1つまたは複数の
患者デバイスに送信されるサブスクリプション716を選択することができる。臨床医は
、複数の患者デバイスまたは特定の患者デバイスに対するサブスクリプション更新を選択
することができる。例えば、サブスクリプション更新は、患者デバイス720のユーザー
に対する治療要求事項の変更に関連して患者デバイス720に具体的に提供され得る。従
って、臨床医は、サブスクリプション更新を受信するために、患者デバイス720を選択
することができる一方、患者デバイス730は、そうではない。代替的に、臨床医は、サ
ブスクリプション更新は、特定のモデルの患者デバイスのような患者デバイスグループに
送信され得る。従って、本明細書の一部の実施例は、患者デバイス720などの特定の患
者デバイス上で実施されるか更新される特定のサブスクリプションを指すが、患者デバイ
ス730および740などの他の患者デバイスは、同様の方法でそれらのサブスクリプシ
ョンセットを実施するか更新することができる。
【0148】
臨床医によって選択されたサブスクリプションは、ネットワーク4282を介してサー
バー710から送信され得る。患者デバイスへの選択されたサブスクリプション716の
送信は、即時であり得るか、または所定のイベントに関連して発生することができる。例
えば、サーバー710は、患者デバイス720がネットワーク4282に接続されたと決
定されるまで、または患者デバイス720がサーバー710に使用データ728を送信す
るプロセスに入るまで、選択されたサブスクリプション716を患者デバイス720に送
信することを待機することができる。臨床医は、またサーバー710が1つまたは複数の
患者デバイスに新しいサブスクリプション716を送信することができる特定の日付を選
択することができる。
【0149】
一実施例において、患者デバイス720は、治療の最初の日または数週間などの初期期
間にわたって詳細な使用データを提供するサブスクリプション726を実施することがで
きる。この初期期間が経ると、サブスクリプションは、自動的にキャンセルされるかまた
は自動的に新しいサブスクリプションに置き換えられ得る。このような新しいサブスクリ
プションは、1週間以上にわたって収集された使用データの概要を提供するなど、使用頻
度の低い詳細な使用データを提供するように設計され得る。サブスクリプション726は
、また患者が自分の保険払い戻し基準に達するまで実施されるなど、制限された時間の間
に実施され得る。例えば、保険によって払い戻されるためには、患者は、3ヶ月にわたっ
て少なくとも週5日間、患者デバイス720を使用するように要求されることがある。サ
ーバー710は、患者デバイス720から送信された使用データ718を患者の払い戻し
基準と比較して基準が満たされた時点を決定することができる。一応、払い戻し基準が満
たされると、サーバー710は、患者デバイス720に新しいサブスクリプション716
を送信するか、または患者デバイス720によって実施される現在のサブスクリプション
726を単純にキャンセルすることができる。他の実施例において、サブスクリプション
726は、サブスクリプション726を実施しなければならない所定の日付範囲を含むこ
とができる。患者デバイス720は、患者の治療が所定の日付範囲内にある場合に自動的
にサブスクリプション726の実施を開始することができ、治療が所定の日付範囲を逸脱
する場合に、サブスクリプション726の実施を自動的に終了することができる。例えば
、サブスクリプションは、新たに購入したデバイスを再入金するまでの期間を対象とする
ことができ、その間に、より詳細なデータが必要であり得る。また他の例は、大部分の場
合、その期間後にデータが要求されないように、2年間の保証期間を対象とする処方があ
る。
【0150】
サーバー710に格納された使用データ718は、臨床医が特定の患者の状態をモニタ
リングすることができるように、コンピューティングデバイス760によってアクセスす
ることができる。従って、使用データ718は、使用データを特定の患者デバイス及び患
者と関連付ける方式でサーバー710に格納され得る。このようにして、臨床医は、特定
の患者の治療に関する問題を容易に検出することができる。患者デバイス720、730
および740に格納された使用データ728は、要求時、直ちに再検討のために提供され
得る。例えば、サーバー710またはコンピューティングデバイス760は、特定の期間
の間に収集されたすべての使用データ728または患者デバイス720に対する現在設定
のリストのような患者デバイス720から特定の使用データの即時の送信を要求すること
ができる。これは、サーバー710が患者デバイス720に、患者デバイス720によっ
て提供される特定のデータセットを示す「今すぐ送信」メッセージを送信することにより
発生することができる。
【0151】
使用データ728は、送信されるコンテンツまたは使用データ728のタイプに基づい
て、ネットワーク4282を介して異なるエンドポイントに、サブスクリプションに従っ
て送信することができる。特に、一部の使用データ728は、コンピューティングデバイ
ス760またはストレージシステム750に直接提供されることができ、一方、他の使用
データ728は、1つまたは複数のサーバー710に提供され得る。例えば、臨床医は、
患者のAHI、AIまたはHIによって指示されたように、処方された治療に対する非正
常的な反応を経験した患者に対する使用データ728を直接受信することができる。従っ
て、サブスクリプション726は、特定のAHI、AIまたはHI値を有する使用データ
728がコンピューティングデバイス760に直接送信されるように指定することができ
る。
【0152】
図8は、前述の開示されたシステムの患者デバイスによって実行され得る流れ図800
である。ブロック802で、患者デバイスは、サブスクリプションに従って使用データを
収集する。患者デバイスは、また、トリガリングイベントが発生したか否かを判定する(
ブロック804)。一応、トリガリングイベントが識別されると、患者デバイスは、使用
データをサーバーに送信するなど、ネットワークを介して収集された使用データの少なく
とも一部を送信する(ブロック806)。前述したように、サブスクリプションは、ネッ
トワークを介して送信される使用データを識別する情報だけでなく、トリガリングイベン
トを識別する情報を含むことができる。従って、サブスクリプションは、異なるトリガリ
ングイベントに基づいて送信されるデータの異なるサブセットを識別することができる。
例えば、トリガリングイベントは、患者が所定の期間の間に患者デバイスの使用を中断し
たことの決定を含むことができ、サブスクリプションは、送信される使用データの一部が
最終データ送信以後に収集されたすべての使用データを含むということを識別することが
できる。他のトリガリングイベントは、患者デバイスの設定の変化であることができ、こ
こで、サブスクリプションは、患者デバイスの設定に関する特定のデータセットを患者デ
バイスに送信するように指示することができる。また、サブスクリプションは、周期的状
態と「変更時」状態の両方に基づくトリガリングイベントのトリガーなど、トリガーイベ
ントの一部の組み合わせを識別することができる。
【0153】
患者デバイスは、また、サブスクリプション更新が受信されたか否かを決定する(ブロ
ック808)。サブスクリプション更新が受信されていない場合、患者デバイスは、使用
データを収集し続けてブロック802および804に従ってトリガリングイベントが発生
したか否かを決定することができる。しかし、サブスクリプション更新が受信された場合
、患者デバイスは、更新を実行することができる(ブロック810)。更新には、新しい
サブスクリプションの追加、現在のサブスクリプションの変更、現在のサブスクリプショ
ンの新しいサブスクリプションへの置き換え、および/またはサブスクリプションのキャ
ンセルを含むことができる。前述したように、サブスクリプション更新は、患者デバイス
の新しいサブスクリプションに含まれるべき使用データおよびAHIデータなどの個々の
データ項目をユーザーが選択することに基づいて発生することができる。また、サブスク
リプション更新は、所定のスケジュールに従って患者デバイスに送信され得る。すべての
サブスクリプションがキャンセルされていない場合(ブロック812)、患者デバイスは
、更新されたサブスクリプション命令に従って使用データを収集し続け(ブロック802
)、使用日付を送信することができる(ブロック806)。
【0154】
図8に示す動作は、それぞれ単一の患者デバイスによって実行され得るが、一部の動作
は、別途のデバイスによって実行され得る。例えば、患者デバイスは、無線ネットワーク
を介してパーソナルコンピューターと通信することができ、従って、パーソナルコンピュ
ーターは、前述の1つ以上の操作を実行することができる。操作などは、ダイヤグラム8
00に追加するか除去することができる。また、様々な操作などは、ダイヤグラム800
に説明されたものと同一の順序で実行される必要はない。
【0155】
4.7 用語解説
本発明の技術の特定の形態において、以下の定義のうちの1つまたは複数が適用され得
る。本発明の技術の他の形態では、代替的な定義が適用され得る。
【0156】
4.7.1 一般的な事項
空気:空気は、呼吸可能な気体、例えば、補給酸素を有する空気を含むと解釈される。
【0157】
持続的気道陽圧(CPAP):CPAP処置は、大気に対して連続的に陽圧であり、好
ましくは、患者の呼吸サイクルを介してほぼ一定した圧力で気道の入口へ空気または呼吸
可能な気体を供給することを意味する。いくつかの形態において、気道の入口における圧
力は、単一呼吸サイクル内で数センチメートルの水だけ変化し、例えば、吸気中に高く、
呼気中に低い。いくつかの形態において、気道の入口における圧力は、呼気中はわずかに
高く、吸気中はわずかに低いだろう。いくつかの形態において、患者の様々な呼吸サイク
ルの間に圧力が変化し、例えば、患者の一部上気道閉塞の指示が検出されるのに対応して
増加し、一部上気道閉塞の徴候がないときは減少する。
【0158】
4.7.2 材料
シリコーンまたはシリコーンエラストマー:合成ゴム。本明細書において、シリコーン
が参照される場合、これは、液体シリコーンゴム(LSR)または圧縮形成シリコーンゴ
ム(CMSR)を指す。商業的に販売されているLSRの一形態は、Dow Corni
ngで製造したSILASTIC(この商標で販売されている製品の範囲に含まれる)で
ある。LSRのまた他の製造社は、Wackerである。別に、反対として明示されない
限り、LSRの好ましい形態は、ASTM D2240を使用して測定時に、約35~約
45の範囲内のショアA(またはタイプA)圧入硬度を有する。
【0159】
ポリカーボネート:ビスフェノール-A-カーボネートの典型的に透明な熱可塑性重合
体。
【0160】
4.7.3 患者インタフェースの諸側面(特徴)
窒息防止弁(AAV):大気圧に対してフェイルセーフで開くことによって患者が過度
なCOを再呼吸する危険を減らす、マスクシステムの構成要素または部分構成要素。
【0161】
屈曲部:角部を通して方向を変化させるための、空気の流れの軸方向を誘導する導管。
一形態において、この角度は、約90度であり得る。また他の形態において、この角度は
、90度未満であり得る。導管は、ほぼ円形の断面を有することができる。他の形態にお
いて、導管は、楕円形または矩形の断面を有することができる。
【0162】
フレーム:フレームは、ヘッドギアとの2つ以上の接続点の間で張力の負荷を担うマス
ク構造を意味すると解釈される。マスクフレームは、マスク内の非気密耐荷重性構造であ
ってもよい。しかし、いくつかの形態のマスクフレームは、また、気密であってもよい。
【0163】
ヘッドギア:ヘッドギアは、頭部に対して使用するために設計された位置決めおよび安
定化構造の一形態を意味すると解釈される。一実施例において、ヘッドギアは、呼吸治療
を送達するために患者インタフェースを患者の顔上の定位置に配置および維持するように
構成された1つまたは複数の支柱、紐、および補強材の集合を備える。いくつかの紐は、
発泡体および布地の積層複合材のように、柔軟な、可撓性で、弾性の材料から形成される
【0164】
膜:膜は、好ましくは、実質的に屈曲に対する耐性を有しないが、伸張に対する耐性を
有する、典型的に薄い要素を意味すると解釈される。
【0165】
プレナムチャンバ:患者インタフェースプレナムチャンバは、フルフェース・マスク(
例:鼻および口マスク)、鼻マスクまたは鼻枕のようなある容積の空間を囲む壁を有する
患者インタフェースの一部を意味すると解釈され、容積部は、患者による使用時に大気圧
以上に加圧された空気を内部に有する。シェルは、患者インタフェースプレナムチャンバ
の壁の一部を形成することができる。1つの形態において、患者の顔の領域は、クッショ
ンまたはシールのようなプレナムチャンバの壁のうち、1つに接する。
【0166】
シール:名詞形(「a seal」)は、2つの表面の界面を通る空気の流れに意図的
に抵抗する構造または障壁を意味すると解釈される。動詞形(「to seal」)は、
空気の流れに抵抗することを意味すると解釈される。
【0167】
シェル:シェルは、屈曲、引張および圧縮剛性を有する湾曲構造、例えば、マスクの湾
曲構造壁を形成するマスクの一部分を意味すると解釈される。好ましくは、その全体寸法
と比較して、シェルは相対的に薄い。いくつかの形態において、シェルはファセット状に
なっていてもよい。好ましくは、そのような壁は、気密性があるが、いくつかの形態にお
いて、それらは気密性がなくてもよい。
【0168】
補強材:補強材は、少なくとも1つの方向において別の構成要素の屈曲耐性を増大させ
るように設計された構造的構成要素を意味すると解釈される。
【0169】
支柱:支柱は、少なくとも1つの方向において別の構成要素の圧縮耐性を増大させるよ
うに設計された構造的構成要素を意味すると解釈される。
【0170】
スイベル:(名詞)例えば、低トルク下で、例えば、独立的に、共通の軸を中心として
回転するように構成されている構成要素のサブアセンブリ。一形態において、スイベルは
、少なくとも360度の角度、回転するように構成されている。他の形態において、スイ
ベルは、360度未満の角度、回転するように構成されている。空気導管の文脈において
使用される場合、例えば、構成要素のサブアセンブリは、一致した対の円筒形導管を含む
。好ましくは、使用中、スイベルから空気が漏れる流れはほとんどまたは全くない。
【0171】
紐:紐は、張力に抵抗するように設計された構造的構成要素であると解釈される。
【0172】
換気口:(名詞)マスクの内部からの空気の漏れの速度を慎重に制御することを可能に
する構造、または、吐き出された二酸化炭素(CO)の流出および酸素(O)の供給
を可能にするための、外気に対する導管。
【0173】
4.8 その他の備考
本特許明細書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。特許商標庁の特許
包袋または記録において明らかにするために、著作権所有者は、特許文書または特許開示
のいずれかによるファクシミリ複製に対しても異論を唱えないが、その他の面では、どん
なものであれ、すべての著作権を保有している。
【0174】
文脈上、別に明らかに示していない限り、値の範囲が与えられている場合、下限の単位
の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間にある介在する値が、本発明の技術内
に包含されることと理解される。独立的に介在する範囲内に含まれることができ、これら
の介在する範囲の上限および下限も記載している範囲内の任意の具体的に除外される限度
の対象となり、同様に、本発明の技術内に含まれる。記載されている範囲が一方または両
方の限界値を含む場合、これらの含まれている限界値のうちの一方または両方を除外した
範囲も本発明の技術に含まれる。
【0175】
さらに、1つまたは複数の値が本明細書において本発明の技術の一部として実施される
ものとして記載される場合、そのような値は、別途の言及がない限り近似値であってもよ
く、そのような値は、実際の技術的な実施がそれを許容するかまたは必要とする限り、任
意の適切な有効数字に利用され得ると理解されなければならない。
【0176】
別に定義されない限り、本明細書において使用するすべての技術用語および科学用語は
、本発明の技術が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味
を有する。本明細書に記載されているものと同様または均等な任意の方法および材料を、
本発明の技術の実施または実験において同じく使用することができるが、本明細書には、
限られた数の例示的な方法および材料しか記載されていない。
【0177】
特定の材料が使用するのに好ましく、または、構成要素を構成するための一実施例であ
ると確認される場合、同様の特性を有する自明の代替的な材料が代替用として使用され得
る。さらに、他に明示されない限り、本明細書に記載された任意のおよびすべての構成要
素は、製造することができると理解され、従って、一体にまたは別々に製造することがで
きる。
【0178】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されているものとしての、単数形「
a」、「an」および「the」は、別途文脈が明確に示していない限り、それらの複数
の均等物を含むことに留意しなければならない。
【0179】
本明細書において言及されるすべての刊行物は、それらの刊行物が対象とする方法およ
び/または材料を開示および記載するために、参照として本明細書に組み込まれる。本明
細書において記述される刊行物は、本出願の出願日よりも前に、それらの開示のために単
独で提供されている。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の技術が、先行する発明
によってそのような刊行物に先行する資格がないことを認めるものとして解釈されるべき
ではない。さらに、記載されている刊行日は、実際の刊行日とは異なる場合があり、これ
は個別に確認する必要がある場合がある。
【0180】
さらに、本開示を解釈する上で、すべての用語は、文脈と一致する最も広い合理的な方
法で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」および「含む(co
mprising)」という用語は、要素、構成要素、またはステップを非排他的に指し
ているものとして解釈されるべきであり、参照される要素、構成要素、またはステップが
、明示的には参照されていない他の要素、構成要素、またはステップと共に存在し、また
は共に利用されるか、またはそれらと組み合わされてもよいことを示している。
【0181】
詳細な説明において使用される主題の見出しは、読者が参照するのを容易にするために
のみ含まれており、特許請求の範囲の開示全体を通じて見出される主題を限定するように
使用されるべきではない。主題の見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の限定
事項を解釈するのに使用されるべきではない。
【0182】
本発明における技術を、特定の実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は、
本発明の技術の原理および応用の例示に過ぎないことを理解されたい。いくつかの事例に
おいて、用語および記号は、本発明の技術を実施するのに必要ではない特定の詳細を暗示
する場合がある。例えば、「第1の」および「第2の」という用語が使用される場合があ
るが、別途明記されていない限り、それらは、任意の順序を示すように意図されず、別個
の要素の間で区別するために利用され得る。さらに、方法における工程が、ある順序で記
載または図示されている場合があるが、そのような順序は必須ではない。そのような順序
は変更されてもよく、および/またはそれらの態様は同時に、またはさらには同期して実
行されてもよいことを、当業者は認識しよう。
【0183】
従って、本発明の技術の精神および範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対
して多数の変更をなすことができること、および、他の構成を考え出すことができること
を理解されたい。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した患者データを管理する方法であって、
1つまたは複数のプロセッサーによって、一組の命令を含むサブスクリプションにアクセスするステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、患者デバイスの使用データを収集するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、トリガリングイベントが発生したと決定するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、収集された使用データの少なくとも一部を送信するステップと、
を含み、
前記使用データを収集するステップ、前記トリガリングイベントを決定するステップ、および前記使用データの少なくとも一部を送信するステップ、のうちの少なくとも1つは、サブスクリプションに従って実行される、方法。
請求項2:
前記サブスクリプションは、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、該状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項1に記載の方法。
請求項3:
前記トリガリングイベントは、前記使用データの或る側面において発生した特定の変化に基づいている、請求項1または2に記載の方法。
請求項4:
前記患者デバイスは、CPAPデバイスを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
請求項5:
前記トリガリングイベントは、所定の期間の間、患者が患者デバイスを使用することを終了したことに基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
請求項6:
前記使用データは、患者デバイスが使用された期間を識別する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
請求項7:
前記使用データは、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸-呼吸低下指数、漏れおよび圧力の統計、分当たり換気量、1回換気量、および処方設定、のうちの少なくとも1つに関する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
請求項8:
前記サブスクリプションは、前記患者デバイスによって収集される個々のデータ項目の、ユーザーによる選択に基づいて、少なくとも部分的に生成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9:
前記サブスクリプションは、使用データのサブセットを識別し、使用データの各サブセットに対する1つまたは複数のトリガリングイベントを識別する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10:
前記使用データのサブセットは、デバイス設定、デバイス使用、故障、およびデバイスタイプに依存するデータ、のうちの少なくとも1つに関連したデータのサブセットを含む、請求項9に記載の方法。
請求項11:
前記サブスクリプションに従って収集される前記使用データは、経時的に変化する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
請求項12:
前記トリガリングイベントは、a)前記患者デバイスの1つまたは複数の設定での変化、b)患者デバイスの1つまたは複数の構成要素での故障状態、c)所定時間、およびd)使用データに対する要求を受信すること、のうちの少なくとも1つである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13:
前記患者デバイスに対する電源がトリガリングイベントの前にスイッチオフされると、患者デバイスが電源オンの状態にあるときに、前記トリガリングイベントが発生したことを決定するステップを実行する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14:
前記トリガリングイベントは、睡眠データに基づき、前記トリガリングイベントは、治療後期間、および治療セッションの最小期間、のうちの少なくとも一方を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
請求項15:
前記サブスクリプションは、概要使用データとして提供される使用データの第1のサブセット、および詳細使用データとして提供される使用データの第2のサブセットを識別する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
請求項16:
送信される前記使用データの一部は、経時的に減少する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
請求項17:
送信される前記使用データの一部は、前記使用データの概要を示す代表値として提供される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
請求項18:
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した患者データを管理するシステムであって、該システムは、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み、該コンピューティングデバイスは、
一組の命令を含むサブスクリプションにアクセスし、
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した使用データを収集し、
トリガリングイベントが発生したと決定し、
前記サブスクリプションに従って前記使用データの少なくとも一部を送信する、
ように構成され、
前記システムは、前記使用データを収集するステップ、前記トリガリングイベントを識別するステップ、および前記使用データの少なくとも一部を送信するステップ、のうちの少なくとも1つが、サブスクリプションに従って実行されるように構成される、システム。
請求項19:
前記サブスクリプションは、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、前記状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項18に記載のシステム。
請求項20:
前記トリガリングイベントは、前記使用データの或る側面において発生した変化に基づく、請求項18または19に記載のシステム。
請求項21:
前記トリガリングイベントは、所定の期間の間、患者が患者デバイスを使用することを終了したことに基づく、請求項18または19に記載のシステム。
請求項22:
前記使用データは、患者デバイスが使用された期間を識別する、請求項18~21のいずれか一項に記載のシステム。
請求項23:
前記使用データは、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸-呼吸低下指数、 圧力統計、漏れ統計、分当たり換気量、1回換気量、および処方設定、のうちの少なくとも1つに関する、請求項18~22のいずれか一項に記載のシステム。
請求項24:
前記サブスクリプションは、患者デバイスによって収集される個々のデータ項目の、ユーザーによる選択に基づいて少なくとも部分的に生成される、請求項18~23のいずれか一項に記載のシステム。
請求項25:
前記サブスクリプションは、使用データのサブセットを識別し、使用データの各サブセットに対する1つまたは複数のトリガリングイベントを識別する、請求項18~24のいずれか一項に記載のシステム。
請求項26:
前記使用データのサブセットは、デバイス設定、デバイス使用、故障、およびデバイスタイプに依存するデータ、のうちの少なくとも1つに関連したデータのサブセットを含む、請求項25に記載のシステム。
請求項27:
前記サブスクリプションに従って収集される前記使用データは、経時的に変化する、請求項18~26のいずれか一項に記載のシステム。
請求項28:
前記トリガリングイベントは、a)患者デバイスの1つまたは複数の設定での変化、b)患者デバイスの1つまたは複数の構成要素での故障状態、c)所定時間、およびd)使用データに対する要求を受信すること、のうちの少なくとも1つである、請求項18~27のいずれか一項に記載のシステム。
請求項29:
患者デバイスに対する電源がトリガリングイベントの前にスイッチオフされると、前記患者デバイスが電源オンの状態であるときに、前記トリガリングイベントが発生したことを決定する、請求項18~28のいずれか一項に記載のシステム。
請求項30:
前記トリガリングイベントは、睡眠データに基づいており、前記トリガリングイベントは、治療後期間、および治療セッションの最小期間、のうちの少なくとも1つを含む、請求項18~29のいずれか一項に記載のシステム。
請求項31:
前記サブスクリプションは、概要使用データとして提供される使用データの第1のサブセット、および詳細使用データとして提供される使用データの第2のサブセットを識別する、請求項18~29のいずれか一項に記載のシステム。
請求項32:
送信される前記使用データの一部は、経時的に減少する、請求項18~31のいずれか一項に記載のシステム。
請求項33:
送信される前記使用データの一部は、前記使用データの概要を示す代表値として提供される、請求項18~32のいずれか一項に記載のシステム。
請求項34:
患者データを管理する方法であって、
1つまたは複数のプロセッサーによって、複数の患者デバイスから使用データの送信を受信するステップであって、使用データのそれぞれの送信は、一組の命令で識別されたトリガリングイベントに従って発生される、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、前記使用データをメモリに格納するステップであって、前記使用データは、受信された前記送信の送信元である、前記複数の患者デバイスのうちの各患者デバイスに関連付けて格納される、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、格納された使用データの少なくとも一部に対する要求を受信するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、要求された使用データの一部を送信するステップと、
を含む、方法。
請求項35:
前記一組の命令は、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、前記状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項34に記載の方法。
請求項36:
使用データの送信を受信するステップは、第1の患者デバイスから第1のセットの使用データを受信し、第2の患者デバイスから第2のセットの使用データを受信するステップを含み、前記第1のセットの使用データは、第1のトリガリングイベントに従って送信され、前記第2のセットの使用データは、第2のトリガリングイベントに従って送信される、請求項34または35に記載の方法。
請求項37:
前記第1のトリガリングイベントおよび前記第2のトリガリングイベントは、異なる基準に基づく、請求項36に記載の方法。
請求項38:
格納された使用データの少なくとも一部に対する要求は、前記複数の患者から第1の患者を識別し、前記使用データの一部は、該第1の患者に関連付けられる、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
請求項39:
前記一組の命令は、所定の期間、前記患者デバイスを使用することを終了した患者、または前記使用データの或る側面において発生した変化、のうちの1つとして前記トリガリングイベントを識別する、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
請求項40:
前記使用データは、前記複数の患者デバイスのうちの各患者デバイスが使用された期間に関連する、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【符号の説明】
【0184】
700 通信システム
710 サーバー
712 プロセッサー
714 メモリ
715 命令
716 サブスクリプション
718 使用データ
720 患者デバイス
726 サブスクリプション
728 使用データ
730 患者デバイス
740 患者デバイス
750 ストレージシステム
760 コンピューティングデバイス
762 プロセッサー
764 メモリ
766 ディスプレイ
768 ユーザー入力デバイス
1000 患者
3000 患者インタフェース
3100 シール形成構造
3200 プレナムチャンバ
3210 周辺部
3300 位置決めおよび安定化構造
3400 換気口
3600 接続ポート
4000 RPTデバイス
4010 外部ハウジング
4012 外部ハウジングの上部
4014 外部ハウジングの下部
4015 パネル
4016 シャーシ
4018 ハンドル
4020 空気圧ブロック
4100 空気圧構成要素
4110 空気フィルター
4112 空気入口フィルター
4114 出口空気フィルター
4120 マフラー
4122 入口マフラー
4124 出口マフラー
4140 圧力デバイス
4142 送風機
4144 モータ
4144 ブラシレスDCモータ
4160 バック弁
4170 空気回路
4180 補給酸素
4200 電気構成要素
4202 回路板アセンブリPCBA
4210 電力供給装置
4220 入力デバイス
4230 中央コントローラ
4232 クロック
4240 治療デバイスコントローラ
4250 保護回路
4260 メモリ
4270 トランスデューサ
4271 圧力センサ
4272 圧力トランスデューサ
4274 流量センサ
4276 モータ速度信号
4280 データ通信インタフェース
4282 遠隔外部通信ネットワーク
4284 ローカル外部通信ネットワーク
4286 遠隔外部デバイス
4288 ローカル外部デバイス
4290 出力デバイス
4292 ディスプレイドライバ
4294 ディスプレイ
4300 アルゴリズム
4330 圧力制御モジュール
5000 加湿器
5250 加湿器コントローラ
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図4a
図4b
図4c
図5a
図6a
図7
図8