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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 326C
A63F7/02 304D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020045149
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021145700
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】袴田 浩之
【審査官】橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-158785(JP,A)
【文献】特開2018-192171(JP,A)
【文献】特開2019-150386(JP,A)
【文献】特開2016-063950(JP,A)
【文献】特開2018-191809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件下で抽選を行い、抽選の結果に応じて遊技を進行させる遊技機であって、
抽選の結果を表示する表示部と、
遊技機の外観を構成し、取付部に対して着脱可能に取り付けられる特定部と、
可動部が動作する演出の制御を行う演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記取付部に前記特定部が取り付けられている状態で電源が投入された場合は、遊技が開始される前に前記可動部に所定動作を行わせることが可能であり
前記取付部に前記特定部が取り付けられていない状態で電源が投入された場合は、遊技が開始される前に前記可動部に前記所定動作を行わせずに特定動作を行わせることが可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1において、
前記取付部に前記特定部が取り付けられた状態で、前記取付部に前記特定部が取り付けられていることを遊技機の外部から確認可能な領域を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球(遊技媒体)が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する遊技機(ぱちんこ遊技機)が知られている。この種の遊技機は、遊技領域において遊技球を検出する検出領域として始動入賞口を設け、始動入賞口に遊技球が進入したことを条件に、特別抽選を行うとともに表示装置において図柄の変動表示を開始させ、特別抽選の結果が大当たりである場合に、図柄を特定の態様で停止表示させる。すると遊技状態を特別遊技状態に移行させ、特別遊技状態では複数回の特別遊技を実行し、各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口を開状態に動作させ、大入賞口への遊技球の進入に応じて遊技球を払い出す。
【0003】
そしてこの種の遊技機では、遊技機の外観を構成する特定の部分が、取付部に対して着脱可能に形成されており、かかる特定の部分を交換することにより、遊技機の外観を変化させることができるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-150386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような遊技機では、遊技機の管理者等が取付部に特定の部分を取り付ける作業を行う際に、取付部に特定の部分が取り付けられていることを確認できるようにすることが好ましい。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、維持管理を適切に行うことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、所定条件下で抽選を行い、抽選の結果に応じて遊技を進行させる遊技機であって、抽選の結果を表示する表示部と、遊技機の外観を構成し、取付部に対して着脱可能に取り付けられる特定部と、可動部が動作する演出の制御を行う演出制御手段を備え、前記演出制御手段は、前記取付部に前記特定部が取り付けられている状態で電源が投入された場合は、前記可動部に所定動作を行わせ、前記取付部に前記特定部が取り付けられていない状態で電源が投入された場合は、前記可動部に前記所定動作を行わせずに特定動作を行わせることを特徴とする遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、取付部に特定部が取り付けられているか否かに応じて、電源投入時における可動部の動作が異なるようにすることができる。
【0009】
(2)また本発明は、前記取付部に前記特定部が取り付けられていることを確認するための領域を備えるようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、遊技機の管理者等が、取付部に特定部が取り付けられていることを確認しながら、取付部に特定部を取り付ける作業を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、維持管理を適切に行うことができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の右側面図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機の上部ユニットと前枠基礎部の接続部分を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機の上面図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機の制御手法を説明する図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板が遊技機の内部において設けられている本体7と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(扉体)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の開口である前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
【0015】
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の下部や上部には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0016】
また前枠10の下部の上面には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口が設けられている。また前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0017】
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口が設けられている。また上皿16の縁部手前側には、遊技者が操作可能な演出入力装置24(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置24を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0018】
そして前枠10は、前枠10の左辺および外枠2の左辺(側部)に沿った回転軸26を中心として、本体7および外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そして、前枠10の右下部に設けられたシリンダー錠27に鍵を差し込んで一方向に回転させると施錠が解除され、回転軸26を中心として前枠10を本体7および外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0019】
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0020】
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)と、液晶ディスプレイ31の表示領域を囲むように形成された液晶枠32を備える演出ユニット33が設けられている。ここで液晶枠32は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の液晶枠ランプ34が設けられている。
【0021】
また本実施形態の演出ユニット33は、剣の形状を模した可動部36を備えており、可動部36は、演出ユニット33の左上部の内部に設けられた回転軸を中心として回転可能に取り付けられている。そして可動部36は、図2に示すように液晶ディスプレイ31の表示領域の一部を覆い、遊技者から視認可能となる出現状態(動作位置)と、図示しないが、液晶ディスプレイ31の上方に収納されて、遊技者から視認不能となる収納状態(基準位置)との間で動作するように形成されている。そして演出ユニット33の内部には、図示しないモーターなどの駆動手段が設けられており、駆動手段によって可動部36が出現状態となったり収納状態となったりするように制御される。そして可動部36は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の可動部ランプ37が設けられている。
【0022】
そして本実施形態では、演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、演出ユニット33の左側の遊技領域4または演出ユニット33の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0023】
また液晶枠32の左部には、演出ユニット33の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる左開口40が形成されており、この左開口40を通過した遊技球は液晶枠32の内部に設けられている通路42を通過して、液晶枠32の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0024】
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0025】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0026】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0027】
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
【0028】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
【0029】
また遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
【0030】
そして遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には演出ユニット33の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には演出ユニット33の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0031】
従って遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは左開口40と通路42とステージ44を通過して、第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0032】
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
【0033】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示装置70が設けられている。
【0034】
2.前枠の詳細
図3は、本実施形態の遊技機の右側面図である。図3に示すように、本実施形態の遊技機では、前枠10の前面の上部分を構成する上部ユニット100が、前枠10の基礎となる部分を構成する前枠基礎部102に対して着脱可能となっている。同様に、前枠10の前面の下部分を構成する下部ユニット104も、前枠基礎部102に対して着脱可能となっている。
【0035】
ここで本実施形態の上部ユニット100には、前枠ランプ12やスピーカー14や、これらを制御する演出基板が設けられており、下部ユニット104には、前枠ランプ12や演出入力装置24や、これらを制御する演出基板が設けられている。
【0036】
そして本実施形態では、前枠基礎部102に取り付け可能な上部ユニット100および下部ユニット104として、外観が異なる複数種類の上部ユニット100および複数種類の下部ユニット104が用意されており、上部ユニット100あるいは下部ユニット104を交換することにより、遊技機の外観を変化させることができるようになっている。
【0037】
図4は、上部ユニット100と前枠基礎部102の接続部分を示す斜視図である。図4に示すように、上部ユニット100の下端の左右には、下方に突出するように金属製の右下ピン106と左下ピン108が設けられている。一方、前枠基礎部102の前面の中央部の左右には、上部ユニット100の下端が載置される右上面110と左上面112が形成され、右上面110には、右下ピン106を受け入れる右下ピン受入部114が設けられ、左上面112には、左下ピン108を受け入れる左下ピン受入部116が設けられている。
【0038】
また、上部ユニット100の背面の上部の左右には、後方に突出するように金属製の右フック118と左フック120が設けられている。一方、前枠基礎部102の前面の上部の左右には、右フック118を受け入れる右フック受入部122と左フック120を受け入れる左フック受入部124が設けられている。
【0039】
また、前枠基礎部102の前面の上部の中央には、前方に突出するように金属製の2つの中央フック126が設けられている。一方、上部ユニット100の背面の上部の中央には、2つの中央フック126を受け入れる中央フック受入部128が設けられている。そして、中央フック受入部128には、中央フック受入部128を左右方向に横切るように金属製の横シャフト130が設けられている。
【0040】
また、上部ユニット100の背面の上部には、左フック120と中央フック受入部128の間に、後方に突出するようにコの字状の金属製の被ロック部132が設けられている。一方、前枠基礎部102の前面の上部には、左フック受入部124と左の中央フック126の間に、被ロック部132を受け入れる被ロック受入部134が設けられている。
【0041】
また、上部ユニット100の背面には、左フック120の下方に、上部ユニット100の内部に設けられている演出基板から延びる配線が接続されているコネクタ136が設けられている。一方、前枠基礎部102の前面には、左フック受入部124の下方に、コネクタ136を受け入れるコネクタ受入部138が設けられている。
【0042】
そして本実施形態では、遊技機の管理者等の作業者が上部ユニット100を前枠基礎部102に取り付ける際には、まずは、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面から離れた状態で、右下ピン106が右下ピン受入部114に挿入され、左下ピン108が左下ピン受入部116に挿入されるように、上部ユニット100の下端を前枠基礎部102の中央部の右上面110と左上面112に載置する。そして、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面に近づくように、上部ユニット100の左右の下端を結ぶ線を軸として上部ユニット100を回転させる。すると、右フック118が右フック受入部122に受け入れられ、左フック120が左フック受入部124に受け入れられ、中央フック受入部128が2つの中央フック126を受け入れ、被ロック部132が被ロック受入部134に受け入れられ、コネクタ136がコネクタ受入部138に受け入れられる。
【0043】
そして、中央フック受入部128が2つの中央フック126を受け入れると、横シャフト130が2つの中央フック126の先端に接触する。そしてこの状態で、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面に近づくように上部ユニット100が更に回転されると、横シャフト130が2つの中央フック126の先端の上部に形成された突起を乗り越える。すると、横シャフト130が2つの中央フック126の上で突起に引っかかることにより、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面から離れる動きが規制され、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面に接続された状態が維持される。
【0044】
また本実施形態では、前枠基礎部102の被ロック受入部134には、図示しないロック部が設けられており、ロック部は、被ロック受入部134に被ロック部132が受け入れられた状態で被ロック部132を貫通する固定可能位置と、被ロック部132を貫通しない非固定位置の間で変位可能に設けられている。そしてロック部は、バネにより固定可能位置に付勢されている。
【0045】
そして、被ロック部132が被ロック受入部134に受け入れられると、被ロック部132の先端がロック部に接触する。そしてこの状態で、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面に近づくように上部ユニット100が更に回転されると、ロック部が被ロック部132により固定可能位置から押しのけられるように移動され、ロック部が被ロック部132の先端を乗り越える。すると、ロック部が被ロック部132を貫通するように固定可能位置に復帰することにより、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面から離れる動きが規制され、上部ユニット100の背面が前枠基礎部102の前面に接続された状態で固定される。
【0046】
すなわち本実施形態では、横シャフト130が2つの中央フック126の上で突起に引っかかった状態になるとともに、ロック部が被ロック部132を貫通する状態となることにより、上部ユニット100が前枠基礎部102に固定される。
【0047】
そして本実施形態では、上述したコネクタ受入部138は前枠10の前面から背面に貫通しており、上部ユニット100が前枠基礎部102に固定された状態では、コネクタ受入部138に受け入れられたコネクタ136に、前枠10の背面からハーネスを接続することにより、上部ユニット100に設けられた演出基板と前枠10あるいは本体7に設けられた演出基板を電気的に接続することができる。
【0048】
そして本実施形態では、前枠10の背面に、前枠10を本体7および外枠2に対して開いた状態で作業者が操作できる図示しないロックレバーが設けられており、ロックレバーを操作することにより、ロック部を固定可能位置と非固定位置の間で変位させることができるようになっている。
【0049】
従って、上部ユニット100が前枠基礎部102に固定された状態では、作業者がロックレバーを操作してロック部を非固定位置に変位させれば、上部ユニット100が前枠基礎部102に固定された状態が解除され、上部ユニット100を前枠基礎部102から取り外すことができるようになっている。
【0050】
図5は、上部ユニット100が前枠基礎部102に対して取り付けられている状態の上面図である。本実施形態では、作業者が上部ユニット100を前枠基礎部102に取り付ける際には、横シャフト130が2つの中央フック126の上で突起に引っかかった状態になる前に、上部ユニット100から手を離してしまうと、上部ユニット100が落下してしまい、上部ユニット100が破損したり、作業者が負傷したりするおそれがある。
【0051】
そこで本実施形態では、図5に示すように、中央フック受入部128の上面に、透明板により構成された視認窓140が設けられており、上部ユニット100が前枠基礎部102に対して取り付けられている状態では、横シャフト130が2つの中央フック126の上で突起に引っかかった状態になっていること、すなわち上部ユニット100が前枠基礎部102に固定されていることを、作業者が確認できるようになっている。
【0052】
これにより本実施形態では、上部ユニット100を前枠基礎部102に取り付ける際には、上部ユニット100が前枠基礎部102に固定されていることを作業者が視認窓140から確認することにより、上部ユニット100が落下することがないようにしつつ、上部ユニット100を前枠基礎部102に取り付ける作業を作業者が安心して行うことができるようにしている。
【0053】
図6(A)は、上部ユニット100あるいは下部ユニット104と前枠基礎部102の接続状態に関するエラーが発生した場合の遊技機の挙動を示す図である。
【0054】
本実施形態では、遊技機の電源が投入されるか、メインメモリ290の記憶状態を初期状態にクリアするRAMクリアスイッチが操作されると、エラーが発生していない状態では、前枠ランプ12、液晶枠ランプ34および可動部ランプ37が、通常の態様で点灯される。そして、液晶ディスプレイ31では、演出画像が通常のタイミングで起動される。そして、可動部36を正常に動作させるための確認動作として、可動部ランプ37を最大輝度で全色に点灯させながら、可動部36を収納状態となる初期位置から出現状態の限界位置まで動作させた後に初期位置に復帰させる可動部36の初期動作(所定動作)が行われる。
【0055】
しかし、図6(A)に示すように、上部ユニット100が接続されていない状態で、遊技機の電源が投入されるか、RAMクリアスイッチが操作されると、前枠ランプ12は消灯されるが、液晶枠ランプ34は通常の態様で点灯され、可動部ランプ37は全て赤色となるエラー態様で点灯される(特定動作)。そして、液晶ディスプレイ31では、エラー表示として、上部ユニット100が接続されていないことを示す上部ユニット未接続表示が表示されるが、演出画像は通常のタイミングで起動される。しかし、可動部ランプ37がエラー態様で点灯されたまま、可動部36の初期動作は行われない。
【0056】
また、下部ユニット104が接続されていない状態で、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作されると、前枠ランプ12および液晶枠ランプ34が、全て赤色となるエラー態様で点滅され、可動部ランプ37は消灯される(特定動作)。そして、液晶ディスプレイ31では、エラー表示として、下部ユニット104が接続されていないことを示す下部ユニット未接続表示が表示されるが、演出画像は、通常のタイミングで起動される。また、可動部ランプ37が消灯されたまま、可動部36の初期動作は行われない。
【0057】
ここで本実施形態の遊技機には、大当たりが当選する確率が約1/100に設定された遊技機Aと、大当たりが当選する確率が約1/300に設定された遊技機Bが存在し、遊技機Aと遊技機Bでは、演出ユニット33の外観が異なるとともに、液晶ディスプレイ31に表示される演出画像や、前枠ランプ12、液晶枠ランプ34あるいは可動部ランプ37を点灯させる演出の態様も異なっている。
【0058】
そして、遊技機A用の上部ユニット100として上部ユニット100Aが存在し、遊技機A用の下部ユニット104として下部ユニットAが存在し、遊技機B用の上部ユニット100として上部ユニット100Bが存在し、遊技機B用の下部ユニット104として下部ユニットBが存在し、上部ユニット100Aと上部ユニット100Bでは、また下部ユニットAと下部ユニットBでは、外観が異なるとともに、前枠ランプ12、液晶枠ランプ34あるいは可動部ランプ37を点灯させる演出の態様も異なっている。
【0059】
そこで本実施形態では、前枠基礎部102に取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104の演出基板の識別情報に基づいて、取り付けられた上部ユニット100が上部ユニット100Aであるか上部ユニット100Bであるかを識別できるとともに、前枠基礎部102に下部ユニット104が取り付けられると、取り付けられた下部ユニット104が下部ユニットAであるか下部ユニットBであるかを識別できるようになっている。
【0060】
そして、前枠基礎部102に取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104の識別情報と、演出ユニット33に設けられた演出基板の識別情報の組み合わせに基づいて、遊技機Aに遊技機B用の上部ユニット100Bあるいは下部ユニットBが取り付けられている場合や、遊技機Bに遊技機A用の上部ユニット100Aあるいは下部ユニットAが取り付けられている場合には、前枠基礎部102に取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104の識別情報に異常があるID異常として検出される。
【0061】
具体的には、図6(A)に示すように、ID異常である状態で、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作されると、前枠ランプ12および液晶枠ランプ34が消灯され、可動部ランプ37は全て赤色となるエラー態様で点滅される(特定動作)。そして、液晶ディスプレイ31では、エラー表示として、上部ユニット100あるいは下部ユニット104の識別情報に異常があることを示すID異常表示が表示されるが、演出画像は、通常のタイミングで起動される。また、可動部ランプ37はエラー態様で点滅されたまま、可動部36の初期動作は行われない。
【0062】
このように本実施形態では、上部ユニット100が接続されていない場合と、下部ユニット104が接続されていない場合と、ID異常である場合には、上部ユニット100が接続されていないこと、下部ユニット104が接続されていないこと、またはID異常であることを、前枠ランプ12、液晶枠ランプ34、可動部ランプ37および液晶ディスプレイ31において異なる態様で報知する制御が行われる。
【0063】
また本実施形態では、遊技機B用の下部ユニットBとして、下部ユニットB1および下部ユニットB2が存在しており、下部ユニットB1と下部ユニットB2では、外観が異なるとともに、前枠ランプ12を点灯させる演出の態様も異なっている。そして本実施形態では、前枠基礎部102に取り付けられている下部ユニット104の識別情報に基づいて、前枠基礎部102に取り付けられている下部ユニット104が下部ユニットB1であるか下部ユニットB2であるかを識別できるようになっている。
【0064】
そして本実施形態では、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作された後のRAMクリア中において、演出入力装置24が操作されると、前枠基礎部102に取り付けられている下部ユニット104の識別情報と、演出ユニット33に設けられた演出基板の識別情報の組み合わせに基づいて、スピーカー14から音声が出力されるようになっている。
【0065】
具体的には本実施形態では、図6(B)に示すように、遊技機Aに下部ユニットAが取り付けられている場合には、液晶ディスプレイ31にエラー表示は表示されず、RAMクリア中に演出入力装置24が操作されると、下部ユニットAが取り付けられていることを示す下部ユニットA音声がスピーカー14から出力される。
【0066】
しかし、遊技機Aに下部ユニットB1が取り付けられている場合には、液晶ディスプレイ31にID異常表示が表示されつつ、RAMクリア中に演出入力装置24が操作されると、下部ユニットB1が取り付けられていることを示す下部ユニットB1音声がスピーカー14から出力される。
【0067】
また、遊技機Aに下部ユニットB2が取り付けられている場合には、液晶ディスプレイ31にID異常表示が表示されつつ、RAMクリア中に演出入力装置24が操作されると、下部ユニットB2が取り付けられていることを示す下部ユニットB2音声がスピーカー14から出力される。
【0068】
一方、遊技機Bに下部ユニットAが取り付けられている場合には、液晶ディスプレイ31にID異常表示が表示されつつ、RAMクリア中に演出入力装置24が操作されると、下部ユニット104が取り付けられていないことを示す未接続音声がスピーカー14から出力される。
【0069】
また、遊技機Bに下部ユニットB1が取り付けられている場合には、液晶ディスプレイ31にエラー表示は表示されず、RAMクリア中に演出入力装置24が操作されると、下部ユニットB1が取り付けられていることを示す下部ユニットB1音声がスピーカー14から出力される。
【0070】
また、遊技機Bに下部ユニットB2が取り付けられている場合には、液晶ディスプレイ31にエラー表示は表示されず、RAMクリア中に演出入力装置24が操作されると、下部ユニットB2が取り付けられていることを示す下部ユニットB2音声がスピーカー14から出力される。
【0071】
こうして本実施形態では、前枠基礎部102に取り付け可能な上部ユニット100および下部ユニット104として、複数種類の上部ユニット100および複数種類の下部ユニット104が存在しても、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作された場合における、前枠ランプ12、液晶枠ランプ34、可動部36、可動部ランプ37、液晶ディスプレイ31、スピーカー14の動作によって、上部ユニット100あるいは下部ユニット104と前枠基礎部102の接続状態を報知することができる。
【0072】
3.機能ブロック
図7は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板500およびサブ基板600を含む制御基板によって制御される。メイン基板500は、通過ゲートセンサ502、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505、大入賞口センサ506、払出センサ508等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物駆動装置520、特別役物駆動装置522、払出装置524等の出力手段の動作制御を行う。
【0073】
またサブ基板600は、メイン基板500から送られてくる信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置620、音響装置622、可動物駆動装置624等の演出装置626の動作制御を行う。またメイン基板500やサブ基板600等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0074】
そしてメイン基板500は、乱数発生手段540、普通抽選手段542、普通駆動制御手段544、特別抽選手段546、遊技状態移行制御手段548、特別駆動制御手段550、払出制御手段552、通信制御手段554、メインメモリ570を含んで構成されている。
【0075】
乱数発生手段540は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0076】
普通抽選手段542は、1個の遊技球が通過ゲート48を通過するごとに作動する通過ゲートセンサ502からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否を決定する普通抽選を行う。
【0077】
普通駆動制御手段544は、普通抽選で普通当たりが当選すると、普通役物52が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置520を制御する。
【0078】
特別抽選手段546は、1個の遊技球が第1始動入賞口46に進入するごとに作動する第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、あるいは1個の遊技球が第2始動入賞口50に進入するごとに作動する第2始動入賞口センサ505からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりの当否を決定するとともに、大当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
【0079】
遊技状態移行制御手段548は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
【0080】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
【0081】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の大当たり遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
【0082】
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/50に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0083】
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
【0084】
特別駆動制御手段550は、特別遊技状態における各大当たり遊技において、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置522の駆動制御を行う。
【0085】
払出制御手段552は、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505あるいは大入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する払出数の遊技球を払出装置524に払い出させる制御を行う。
【0086】
通信制御手段554は、サブ基板600に信号を送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板500とサブ基板600との間では、メイン基板500からサブ基板600への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板600からはメイン基板500へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0087】
続いて、サブ基板600について説明する。サブ基板600は、演出制御手段640と、サブメモリ670とを含んで構成されている。
【0088】
演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号や、サブメモリ670に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置620を制御して前枠ランプ12、液晶枠ランプ34を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させたり、音響装置622を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、可動物駆動装置624を駆動して可動部36などの可動物を動作させたりするなど、演出装置626を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
【0089】
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の入賞、演出入力装置114に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
【0090】
特別抽選演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置626に実行させる。本実施形態では演出制御手段640は、液晶ディスプレイ31において特別図柄画像を変動表示させた後に、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ31において実行する。
【0091】
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しが用意されており、演出制御手段640は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、可動物の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
【0092】
また演出制御手段640は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて可動物駆動装置624を制御して、可動部36などの可動物を動作させる。詳細には本実施形態では、演出制御手段640(制御手段)は、ソレノイドやモーターなどの可動物駆動装置624を制御して、可動部36を収納状態から出現状態に動作させたり、可動部36を出現状態から収納状態に復帰させたりする。
【0093】
状態演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
【0094】
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段640は、所定条件下で演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段640は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。また演出制御手段640は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
【0095】
また演出制御手段640は、予め定められたタイミングにおいて演出入力装置26に対する操作が行われたことに基づいて、特定の演出音をスピーカー14から出力したり、特定の演出画像を液晶ディスプレイ31に表示させたり、可動物を動作させたりする制御を行う。
【0096】
また演出制御手段640は、前枠基礎部102に取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104に設けられた演出基板の識別情報や、演出ユニット33に設けられた演出基板の識別情報に基づいて、前枠ランプ12、液晶枠ランプ34、液晶ディスプレイ31、スピーカー14を制御して、上部ユニット100や下部ユニット104の接続状態を報知する演出を行う。
【0097】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0098】
まず上記実施形態では、上部ユニット100および下部ユニット104が前枠基礎部102に着脱可能に取り付けられる例を挙げて説明したが、上部ユニット100あるいは下部ユニット104が本体7に着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。
【0099】
また上記実施形態では、中央フック受入部128、横シャフト130および視認窓140が上部ユニット100に設けられ、2つの中央フック126が前枠基礎部102に設けられている例を挙げて説明したが、2つの中央フック126が上部ユニット100に設けられ、中央フック受入部128、横シャフト130および視認窓140が本体7に設けられているようにしてもよい。
【0100】
また上記実施形態では、被ロック部132が上部ユニット100に設けられ、被ロック受入部134およびロック部が前枠基礎部102に設けられている例を挙げて説明したが、被ロック受入部134およびロック部が上部ユニット100に設けられ、被ロック部132が本体7に設けられているようにしてもよい。
【0101】
また上記実施形態では、中央フック受入部128の上面に視認窓140が設けられている例を挙げて説明したが、被ロック受入部134の上面に視認窓140が設けられているようにしてもよい。すなわち、中央フック受入部128における横シャフト130と2つの中央フック126の接続状態や、被ロック受入部134における被ロック部132とロック部の接続状態を視認できる領域が設けられているようにしてもよい。
【0102】
また上記実施形態では、前枠基礎部102に取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104に設けられた演出基板の識別情報に基づいて、前枠基礎部102に取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104の種類を識別する例を挙げて説明したが、上部ユニット100あるいは下部ユニット104の前枠基礎部102との接続部分に、上部ユニット100あるいは下部ユニット104の種類に応じた態様の突起を設け、上部ユニット100あるいは下部ユニット104が前枠基礎部102に取り付けられると、前枠基礎部102に設けられたセンサが、取り付けられている上部ユニット100あるいは下部ユニット104に設けられた突起に応じた識別情報を出力するようにしてもよい。
【0103】
また上記実施形態では、ID異常である状態で、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作されると、可動部ランプ37はエラー態様で点滅されたまま、可動部36の初期動作は行われない例を挙げて説明したが、この場合には、下部ユニット104が接続されていない状態で、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作される場合と同様に、可動部ランプ37が消灯されたまま、可動部36の初期動作は行われないようにしてもよい。すなわち可動部36および可動部ランプ37の初期動作がいずれも行われないようにしてもよい。
【0104】
また、上部ユニット100あるいは下部ユニット104が接続されていない状態や、ID異常である状態で、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作されると、可動部ランプ37を低輝度で全色に点灯させながら、可動部36を収納状態となる初期位置から出現状態の途中位置まで動作させた後に初期位置に復帰させる動作(特定動作)が行われるようにしてもよい。すなわちエラーが発生している状態では、エラーが発生していない状態と比較して、制限された初期動作(特定動作)が行われるようにしてもよい。この場合には、初期動作の態様の違いにより、上部ユニット100あるいは下部ユニット104と前枠基礎部102の接続状態に関するエラーを報知することができる。
【0105】
また、上部ユニット100が接続されていないが下部ユニット104が接続されている状態で、遊技機の電源が投入されるか、RAMクリアスイッチが操作されると、可動部ランプ37は全て赤色となるエラー態様で点灯され、上部ユニット100が接続されているが下部ユニット104が接続されていない状態で、遊技機の電源が投入されるか、RAMクリアスイッチが操作されると、可動部ランプ37は全て緑色となるエラー態様で点灯されるようにしてもよい。
【0106】
また上記実施形態では、上部ユニット100あるいは下部ユニット104が接続されていない状態や、ID異常である状態で、遊技機の電源が投入されるかRAMクリアスイッチが操作されると、液晶ディスプレイ31においてエラー表示を行うとともに、可動部36の初期動作は行われない例を挙げて説明したが、このような場合であっても、液晶ディスプレイ31においてエラー表示を行うものの、可動部36の初期動作は行うようにしてもよい。
【0107】
また上記実施形態では、遊技球が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射するぱちんこ遊技機に本発明を適用した例を説明したが、外周面に図柄が配列されている複数のリールを備え、遊技者の操作に応じて複数のリールを回転させ、抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させるスロットマシンに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0108】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、7 本体、8 ガラスユニット、10 前枠、
11 前枠開口、12 前枠ランプ、14 スピーカー、16 上皿、
20 グリップユニット、24 演出入力装置、26 回転軸、27 シリンダー錠、
28 外レール、30 内レール、31 液晶ディスプレイ、32 液晶枠、
33 演出ユニット、34 液晶枠ランプ、36 可動部、
40 左開口、42 通路、44 ステージ、46 第1始動入賞口、
48 通過ゲート、50 第2始動入賞口、52 普通役物、54 大入賞口、
56 特別役物、62 アウト口、70 状態表示装置、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7