(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】無人ダンプトラックの管理システム及び無人ダンプトラックの管理方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220810BHJP
【FI】
G05D1/02 P
(21)【出願番号】P 2020095566
(22)【出願日】2020-06-01
(62)【分割の表示】P 2016186328の分割
【原出願日】2016-09-23
【審査請求日】2020-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 章治
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/093372(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/129004(WO,A1)
【文献】特開2016-134019(JP,A)
【文献】特開2010-073080(JP,A)
【文献】特開2002-321179(JP,A)
【文献】特開平02-096809(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0323935(US,A1)
【文献】国際公開第2014/155733(WO,A1)
【文献】実開昭64-003917(JP,U)
【文献】特開2005-292915(JP,A)
【文献】鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準,日本,国土交通省,http://www.mlit.go.jp/common/001273450.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有人車両とともに同一の作業現場において稼働し、前部と後部に進行方向を報知可能な報知器を有する、キャブレスの無人ダンプトラックの管理システムであって、
前記無人ダンプトラックの積込作業が実施される積込場及び前記無人ダンプトラックの排出作業が実施される排土場に通じる搬送路において前記無人ダンプトラックを走行させる走行経路を規定する複数のコース点を含む、走行条件データを生成する走行条件データ生成部と、
前記走行条件データに基づいて、前記無人ダンプトラックの前進時において前記報知器が第1状態で作動し、前記無人ダンプトラックの後進時において前記報知器が前記第1状態とは異なる第2状態で作動するように、前記報知器を制御するための報知データを生成
して、複数の前記コース点のそれぞれに前記報知データを設定する報知データ生成部と、
前記報知データを前記無人ダンプトラックに出力する出力部と、を備える、
無人ダンプトラックの管理システム。
【請求項2】
前記走行経路は、前記無人ダンプトラックを前進で走行させる第1走行経路及び後進で走行させる第2走行経路を含み、
前記第1走行経路と前記第2走行経路は、それぞれ前記積込場及び前記排土場に通じる、
請求項1に記載の無人ダンプトラックの管理システム。
【請求項3】
前記走行条件データは、前記無人ダンプトラックを前記搬送路においてスイッチバックさせる指令データを含む、
請求項1又は請求項2に記載の無人ダンプトラックの管理システム。
【請求項4】
前記報知器は、前記無人ダンプトラックの前部に設けられた第1照明灯と、前記無人ダンプトラックの後部に設けられた第2照明灯とを含み、
前記報知データ生成部は、前記無人ダンプトラックの前進時と後進時とにおいて、前記第1照明灯の点灯状態及び前記第2照明灯の点灯状態が異なるように、前記報知データを生成する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無人ダンプトラックの管理システム。
【請求項5】
有人車両とともに同一の作業現場において稼働し、前部と後部に進行方向を報知可能な報知器を有する、キャブレスの無人ダンプトラックの管理方法であって、
前記無人ダンプトラックの積込作業が実施される積込場及び前記無人ダンプトラックの排出作業が実施される排土場に通じる搬送路において前記無人ダンプトラックを走行させる走行経路を規定する複数のコース点を含む、走行条件データを生成することと、
前記走行条件データに基づいて、前記無人ダンプトラックの前進時において前記報知器が第1状態で作動し、前記無人ダンプトラックの後進時において前記報知器が前記第1状態とは異なる第2状態で作動するように、前記報知器を制御するための報知データを生成
して、複数の前記コース点のそれぞれに前記報知データを設定することと、
前記報知データを前記無人ダンプトラックに出力することと、を含む、
無人ダンプトラックの管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の管理システム及び作業車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場においては、無人で走行する作業車両が運搬作業に使用される。特許文献1には、鉱山で稼働する無人車両についての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人車両及び有人車両の両方が同一の作業現場において稼働する場合がある。無人車両は前進又は後進する。無人車両の進行方向を把握することができれば、作業現場における作業が円滑に実施される。
【0005】
本発明の態様は、無人で走行する作業車両の進行方向を把握することができる作業車両の管理システム及び作業車両の管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、進行方向を報知可能な報知器を有する作業車両の走行条件データを生成する走行条件データ生成部と、前記走行条件データに基づいて、前記作業車両の前進時において前記報知器が第1状態で作動し、前記作業車両の後進時において前記報知器が前記第1状態とは異なる第2状態で作動するように、前記報知器を制御するための報知データを生成する報知データ生成部と、前記報知データを前記作業車両に出力する出力部と、を備える作業車両の管理システムが提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、進行方向を報知可能な報知器を有する作業車両の走行条件データを生成することと、前記走行条件データに基づいて、前記作業車両の前進時において前記報知器が第1状態で作動し、前記作業車両の後進時において前記報知器が前記第1状態とは異なる第2状態で作動するように、前記報知器を制御するための報知データを生成することと、前記報知データを前記作業車両に出力することと、を含む作業車両の管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、無人で走行する作業車両の進行方向を把握することができる作業車両の管理システム及び作業車両の管理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る作業車両の管理システムの一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る作業車両を前方から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る作業車両を後方から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る作業車両を示す側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る管理装置及び制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る走行条件データを模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る作業車両の管理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【
図15】
図15は、第4実施形態に係る作業車両の管理方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
第1実施形態.
[管理システム]
図1は、本実施形態に係る作業車両2の管理システム1の一例を模式的に示す図である。管理システム1は、作業車両2の運行管理を実施する。本実施形態において、作業車両2は、鉱山を走行可能な運搬車両であるダンプトラック2である。
【0012】
図1に示すように、ダンプトラック2は、鉱山の作業場PA及び作業場PAに通じる搬送路HLの少なくとも一部を走行する。作業場PAは、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方を含む。搬送路HLは、交差点ISを含む。ダンプトラック2は、搬送路HL及び作業場PAに設定された目標走行経路に従って走行する。
【0013】
積込場LPAは、ダンプトラック2に積荷を積み込む積込作業が実施されるエリアである。積込場LPAにおいて、油圧ショベルのような積込機械3が稼働する。排土場DPAは、ダンプトラック2から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアである。排土場DPAには、例えば破砕機CRが設けられる。
【0014】
管理システム1は、管理装置10と、通信システム9とを備える。管理装置10は、コンピュータシステムを含み、鉱山に設けられる管制施設7に設置される。通信システム9は、管理装置10とダンプトラック2との間でデータ通信及び信号通信を実施する。通信システム9は、データ及び信号を中継する中継器6を複数有する。管理装置10とダンプトラック2とは、通信システム9を介して無線通信する。
【0015】
本実施形態において、ダンプトラック2は、管理装置10からの指令信号に基づいて鉱山を走行する無人ダンプトラックである。ダンプトラック2は、運転者の操作によらずに管理装置10からの指令信号に基づいて鉱山を走行する。
【0016】
本実施形態において、ダンプトラック2の位置が、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を含む。GNSSは、複数の測位衛星5を有する。GNSSは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される位置を検出する。GNSSにより検出される位置は、グローバル座標系において規定される絶対位置である。GNSSにより、鉱山におけるダンプトラック2の絶対位置が検出される。
【0017】
[ダンプトラック]
次に、本実施形態に係るダンプトラック2について説明する。
図2は、本実施形態に係るダンプトラック2を前方から見た斜視図である。
図3は、本実施形態に係るダンプトラック2を後方から見た斜視図である。
図4は、本実施形態に係るダンプトラック2を示す側面図である。
図2、
図3、及び
図4を用いる説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。
【0018】
図2、
図3、及び
図4を用いる説明においては、Y軸方向をダンプトラック2の走行方向とし、+Y方向をダンプトラック2の前進方向とし、-Y方向をダンプトラック2の後進方向とする。また、走行方向において、ダンプトラック2の+Y側の部位又は方向を適宜、前部又は前方、と称し、ダンプトラック2の-Y側の部位又は方向を適宜、後部又は後方、と称する。また、X軸方向をダンプトラック2の車幅方向とし、車幅方向において、ダンプトラック2の+X側の部位又は方向を適宜、右部又は右方、と称し、ダンプトラック2の-X側の部位又は方向を適宜、左部又は左方、と称する。また、Z軸方向をダンプトラック2の上下方向とし、上下方向において、ダンプトラック2の+Z側の部位又は方向を適宜、上部又は上方、と称し、ダンプトラック2の-Z側の部位又は方向を適宜、下部又は下方、と称する。
【0019】
ダンプトラック2は、シャーシ20と、シャーシ20に支持されるダンプボディ21と、シャーシ20を支持する走行装置22と、走行装置22を作動するための動力を発生する駆動装置23と、ラジエータ24と、ダンプボディ21を駆動するホイストシリンダ25と、制御装置40とを備える。
【0020】
本実施形態において、ダンプトラック2は、キャブ(運転室)を有しないキャブレスダンプトラックである。ダンプトラック2は、運転者の操作によらずに無人で走行する。なお、ダンプトラック2は、キャブを有し、無人で走行するダンプトラックでもよい。
【0021】
走行装置22は、ダンプトラック2の前部に設けられ、タイヤ26Tを支持するホイール26と、ダンプトラック2の後部に設けられ、タイヤ27Tを支持するホイール27と、ホイール26及びホイール27を制動するブレーキ装置と、ホイール26及びホイール27を操舵する操舵装置とを有する。ホイール26及びタイヤ26Tは、シャーシ20の右部及び左部のそれぞれに1つずつ設けられる。ホイール27及びタイヤ27Tは、シャーシ20の右部及び左部のそれぞれに1つずつ設けられる。
【0022】
ホイール26及びホイール27は、懸架装置を介してシャーシ20に支持される。ホイール26及びホイール27が回転することによって、ダンプトラック2は走行する。
【0023】
駆動装置23は、ホイール26及びホイール27を回転させるための動力を発生する。本実施形態において、駆動装置23は、内燃機関と、内燃機関の作動により電力を発生する発電機と、発電機で発生した電力に基づいて作動する電動モータとを含む。ラジエータ24は、内燃機関の冷却液を放熱する。
【0024】
ホイール26及びホイール27は、電動モータが発生する動力によって回転する。電動モータは、インホイールモータであり、ホイール26及びホイール27のそれぞれに設けられる。内燃機関が駆動することにより、発電機が作動して電力を発生する。発電機が発生する電力によって、電動モータが駆動する。電動モータは、2つのホイール26のそれぞれに設けられる。また、電動モータは、2つのホイール27のそれぞれに設けられる。すなわち、本実施形態において、走行装置22は、4輪駆動方式の走行装置である。
【0025】
ホイール26は、第1の操舵装置によって操舵される。ホイール27は、第2の操舵装置によって操舵される。すなわち、本実施形態において、走行装置22は、4輪操舵方式の走行装置である。
【0026】
ダンプトラック2は、前進可能及び後進可能である。前進時におけるダンプトラック2の走行性能と後進時におけるダンプトラック2の走行性能とは実質的に同一であることが好ましい。すなわち、前進時における走行装置22の駆動性能、制動性能、及び旋回性能の少なくとも一つと、後進時における走行装置22の駆動性能、制動性能、及び旋回性能の少なくとも一つとは、実質的に同一である。例えば、前進時におけるダンプトラック2の最高走行速度と後進時におけるダンプトラック2の最高走行速度とは実質的に同一である。前進時におけるダンプトラック2の最高加速度と後進時におけるダンプトラック2の最高加速度とは実質的に同一である。
【0027】
ダンプボディ21は、積荷を収容する。ダンプボディ21は、シャーシ20の後部にヒンジ機構28を介して回動可能に支持される。ダンプボディ21は、前部に突出部29を有し、後部に傾斜面30を有する。
【0028】
ホイストシリンダ25は、ダンプボディ21を駆動する。ホイストシリンダ25は、車幅方向に2つ設けられる。ホイストシリンダ25の上端部は、ダンプボディ21の前部に回転可能に連結される。ホイストシリンダ25の下端部は、シャーシ20に回転可能に連結される。
【0029】
ダンプボディ21は、ホイストシリンダ25の作動によりダンプ動作する。ホイストシリンダ25が伸長することにより、ダンプボディ21の前部が上昇するように、ヒンジ機構28を中心にダンプボディ21が回動する。ダンプボディ21がダンプ動作することにより、ダンプボディ21に積載されている積荷は、ダンプボディ21の後部から排出される。
【0030】
制御装置40は、コンピュータシステムを含む。制御装置40は、管理装置10から供給される走行条件データを含む指令信号に基づいて、ダンプトラック2を制御する。
【0031】
ダンプトラック2は、ダンプトラック2の絶対位置を検出する位置検出器31と、前部に設けられた照明灯32と、後部に設けられた照明灯33と、前部に設けられた障害物センサ36と、後部に設けられた障害物センサ37とを有する。
【0032】
位置検出器31は、測位衛星5からのGPS信号を受信するGPSアンテナと、GPSアンテナで受信されたGPS信号に基づいてダンプトラック2の絶対位置を算出するGPS演算器とを含む。位置検出器31のGPSアンテナは、ダンプボディ21の後部に設けられる。
【0033】
照明灯32は、ダンプトラック2の前方の物体を照明する。照明灯33は、ダンプトラック2の後方の物体を照明する。
【0034】
障害物センサ36は、ダンプトラック2の前進時において、ダンプトラック2の前方の障害物を検出する。障害物センサ37は、ダンプトラック2の後進時において、ダンプトラック2の後方の障害物を検出する。障害物センサ36及び障害物センサ37は、例えばレーダ装置を含む。なお、障害物センサ36及び障害物センサ37は、レーザスキャナ装置を含んでもよいし、カメラを含んでもよい。ダンプトラック2の前進時において、障害物センサ36が障害物を検出したとき、制御装置40は、障害物センサ36の検出データに基づいて、ダンプトラック2と障害物との衝突を回避するための処理を実施する。ダンプトラック2の後進時において、障害物センサ37が障害物を検出したとき、制御装置40は、障害物センサ37の検出データに基づいて、ダンプトラック2と障害物との衝突を回避するための処理を実施する。ダンプトラック2と障害物との衝突を回避するための処理は、例えば、走行しているダンプトラック2を減速させる処理、又は停止させる処理である。
【0035】
[管理装置及び制御装置]
次に、本実施形態に係る管理装置10及び制御装置40について説明する。
図5は、本実施形態に係る管理装置10及び制御装置40の一例を示す機能ブロック図である。上述のように、管理装置10は、管制施設7に設置される。制御装置40は、ダンプトラック2に搭載される。管理装置10と制御装置40とは、通信システム9を介して無線通信する。
【0036】
管理装置10は、コンピュータシステムを含む。管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置11と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置12と、入出力インターフェース13とを有する。
【0037】
管理装置10は、無線通信装置14と接続される。管理装置10は、無線通信装置14及び通信システム9を介して、ダンプトラック2とデータ通信する。
【0038】
管理装置10は、入力装置15及び出力装置16と接続される。入力装置15及び出力装置16は、管制施設7に設置される。入力装置15は、例えばコンピュータ用のキーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくとも一つを含む。入力装置15が操作されることにより生成された入力データは、管理装置10に出力される。出力装置16は、表示装置を含む。表示装置は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)又は有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイを含む。出力装置16は、管理装置10から出力される表示データに基づいて作動する。なお、出力装置16は、例えば印刷装置でもよい。
【0039】
演算処理装置11は、走行条件データ生成部111と、報知データ生成部112と、位置データ取得部113とを有する。
【0040】
走行条件データ生成部111は、鉱山を走行するダンプトラック2の走行条件データを生成する。ダンプトラック2の走行条件データは、ダンプトラック2の走行経路、走行速度、加速度、減速度、及び進行方向の少なくとも一つを含む。また、ダンプトラック2の走行条件データは、ダンプトラック2の停車位置及び発車位置の少なくとも一方を含んでもよい。
【0041】
本実施形態において、走行条件データ生成部111は、少なくとも、搬送路HLにおいて、ダンプトラック2を前進で走行させる第1走行経路RPa及び後進で走行させる第2走行経路RPbを含む走行条件データを設定する。
【0042】
走行条件データ生成部111は、作業場PA及び搬送路HLにおいて、第1走行経路RPaと第2走行経路RPbとが重複しないように走行条件データを生成することが好ましい。
【0043】
報知データ生成部112は、走行条件データ生成部111で生成された走行条件データに基づいて、ダンプトラック2に設けられている報知器を制御するための報知データを生成する。報知器は、ダンプトラック2の進行方向を報知可能な報知器である。
【0044】
本実施形態において、報知器は、ダンプトラック2の前部に設けられた照明灯32と、ダンプトラック2の後部に設けられた照明灯33とを含む。報知データ生成部112は、ダンプトラック2の前進時と後進時とにおいて、照明灯32の点灯状態及び照明灯33の点灯状態が異なるように、報知データを生成する。
【0045】
位置データ取得部113は、ダンプトラック2の絶対位置を示す位置データを取得する。上述のように、ダンプトラック2の絶対位置は、位置検出器31によって検出される。位置検出器31の検出データは、通信システム9を介して管理装置10に送信される。位置データ取得部113は、通信システム9を介して、ダンプトラック2の位置データを取得する。
【0046】
入出力インターフェース13は、走行条件データ生成部111で生成された走行条件データをダンプトラック2に出力する。また、入出力インターフェース13は、報知データ生成部112で生成された報知データをダンプトラック2に出力する。入出力インターフェース13は、走行条件データ及び報知データをダンプトラック2に出力する出力部として機能する。演算処理装置11で生成された走行条件データ及び報知データは、入出力インターフェース13及び通信システム9を介して、ダンプトラック2に出力される。
【0047】
制御装置40は、コンピュータシステムを含む。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置41と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置42と、入出力インターフェース43とを有する。
【0048】
制御装置40は、無線通信装置44と接続される。制御装置40は、無線通信装置44及び通信システム9を介して、管理装置10とデータ通信する。
【0049】
制御装置40は、位置検出器31、駆動装置23、ブレーキ装置34、操舵装置35、照明灯32、及び照明灯33と接続される。位置検出器31、駆動装置23、ブレーキ装置34、操舵装置35、照明灯32、及び照明灯33は、ダンプトラック2に搭載される。
【0050】
上述のように、位置検出器31は、ダンプトラック2の絶対位置を検出する。駆動装置23は、ダンプトラック2の走行装置22を駆動するために作動する。ブレーキ装置34は、ダンプトラック2の走行装置22を制動するために作動する。操舵装置35は、ダンプトラック2の走行装置22を操舵するために作動する。
【0051】
演算処理装置41は、運転制御部411と、絶対位置データ取得部412と、報知器制御部413とを有する。
【0052】
運転制御部411は、管理装置10から供給された走行条件データに基づいて、ダンプトラック2の駆動装置23、ブレーキ装置34、及び操舵装置35の少なくとも一つを制御する運転制御信号を出力する。運転制御信号は、駆動装置23に出力されるアクセル信号、ブレーキ装置34に出力されるブレーキ指令信号、及び操舵装置35に出力されるステアリング指令信号を含む。
【0053】
絶対位置データ取得部412は、位置検出器31の検出データからダンプトラック2の絶対位置データを取得する。
【0054】
報知器制御部413は、管理装置10から供給された報知データに基づいて、ダンプトラック2の報知器を制御する制御信号を出力する。本実施形態において、報知器制御部413は、管理装置10から供給された報知データに基づいて、ダンプトラック2の照明灯32の点灯状態を制御する制御信号及び照明灯33の点灯状態を制御する制御信号を出力する。
【0055】
[走行条件データ]
次に、本実施形態に係る走行条件データについて説明する。
図6は、本実施形態に係る走行条件データを模式的に示す図である。
図6は、搬送路HLに規定された走行条件データの一例を示す。
【0056】
図6に示すように、走行条件データは、一定の間隔Wで設定される複数のコース点PIの集合体を含む。
【0057】
複数のコース点PIのそれぞれは、ダンプトラック2の目標絶対位置データと、コース点PIが設定された位置におけるダンプトラック2の目標走行速度データと、コース点PIが設定された位置におけるダンプトラック2の目標進行方向データとを含む。
【0058】
複数のコース点PIを通過する軌跡によって、ダンプトラック2の目標走行経路RPが規定される。目標走行速度データに基づいて、そのコース点PIが設定された位置におけるダンプトラック2の目標走行速度が規定される。目標進行方向データに基づいて、そのコース点PIが設定された位置におけるダンプトラック2の目標進行方向が規定される。
【0059】
本実施形態において、複数のコース点PIのそれぞれは、ダンプトラック2の報知器を制御するための報知データを含む。報知データ生成部112は、複数のコース点PIのそれぞれに報知データを設定する。報知データは、ダンプトラック2がコース点PIの位置を通過するときの報知器の作動状態を制御するためのデータである。
【0060】
すなわち、本実施形態において、複数のコース点PIのそれぞれは、目標絶対位置データ、目標走行速度データ、目標進行方向データ、及び報知データを含む。
【0061】
報知データ生成部112は、ダンプトラック2の前進時において報知器が第1状態で作動し、ダンプトラック2の後進時において報知器が第1状態とは異なる第2状態で作動するように、報知データを生成する。例えば、あるコース点PIに規定されている目標進行方向データがダンプトラック2を前進させる目標進行方向データである場合、そのコース点PIに規定される報知データは、報知器を第1形態で作動させる報知データである。あるコース点PIに規定されている目標進行方向データがダンプトラック2を後進させる目標進行方向データである場合、そのコース点PIに規定される報知データは、報知器を第1形態とは異なる第2形態で作動させる報知データである。
【0062】
管理装置10の入出力インターフェース13は、無線通信装置18を介して、報知データを含む走行条件データをダンプトラック2に出力する。管理装置10は、ダンプトラック2の進行方向前方の複数のコース点PIを含む走行条件データをダンプトラック2に出力する。ダンプトラック2は、管理装置10から送信された走行条件データに従って、鉱山を走行する。また、ダンプトラック2は、管理装置10から送信された報知データに従って、照明灯32及び照明灯33を含む報知器を制御する。
【0063】
図6は、搬送路HLに設定された走行条件データの一例を示す。作業場PAにおいても、ダンプトラック2の走行条件データが設定される。
【0064】
[管理方法]
次に、本実施形態に係るダンプトラック2の管理方法について説明する。
図7は、本実施形態に係るダンプトラック2の管理方法の一例を示すフローチャートである。
図8、
図9、及び
図10は、本実施形態に係るダンプトラック2の管理方法を説明するための模式図である。
【0065】
走行条件データ生成部111は、ダンプトラック2の走行条件データを生成する(ステップS10)。走行条件データは、ダンプトラック2の積込作業が実施される積込場LPA及びダンプトラック2の排出作業が実施される排土場DPAに通じる搬送路HLにおいて、ダンプトラック2を前進で走行させる第1走行経路RPa及び後進で走行させる第2走行経路RPbを含む。
【0066】
図8は、本実施形態に係る走行条件データの一例を示す。
図8に示す例において、鉱山に複数の積込場LPA及び複数の排土場DPAが設けられている。
図8に示す例においては、鉱山に第1積込場LPA1及び第2積込場LPA2が設けられている。また、鉱山に第1排土場DPA1及び第2排土場DPA2が設けられている。
【0067】
図8に示すように、ダンプトラック2を前進で走行させる第1走行経路RPaと、ダンプトラック2を後進で走行させる第2走行経路RPbとが搬送路HLに設定される。ダンプトラック2は、第1走行経路RPa及び第2走行経路RPbに従って、搬送路HLを走行する。
【0068】
図8は、ダンプトラック2が第1積込場LPA1と第1排土場DPA1とを往復するように走行条件データが設定されている例を示す。ダンプトラック2は、第1走行経路RPaに従って搬送路HLを前進で走行し、第1積込場LPA1に進入する。ダンプトラック2は、第1積込場LPA1において、積込機械3により積荷を積み込まれる。第1積込場LPA1における積込作業が終了した後、ダンプトラック2は、第2走行経路RPbに従って搬送路HLを後進で走行し、第1排土場DPA1に進入する。ダンプトラック2は、第1排土場DPA1において、積荷を排出する。第1排土場DPA1における排出作業が終了した後、ダンプトラック2は、第1走行経路RPaに従って搬送路HLを前進で走行し、第1積込場LPA1に進入する。ダンプトラック2は、第1積込場LPA1において、積込機械3により積荷を積み込まれる。以下、同様の作業が繰り返される。
【0069】
報知データ生成部112は、走行条件データ生成部111で生成された走行条件データに基づいて、照明灯32及び照明灯33を制御するための報知データを生成する(ステップS20)。
【0070】
走行条件データ生成部111は、報知データ生成部112で生成された報知データと走行条件データとを合成する。
【0071】
例えば、走行条件データ生成部111において、あるコース点PIにダンプトラック2を前進させる目標進行方向データが設定された場合、報知データ生成部112は、そのコース点PIに、報知器を第1形態で作動させる報知データを設定する。走行条件データ生成部111において、あるコース点PIにダンプトラック2を後進させる目標進行方向データが設定された場合、報知データ生成部112は、そのコース点PIに、報知器を第2形態で作動させる報知データを設定する。
【0072】
管理装置10の入出力インターフェース13は、報知データを含む走行条件データをダンプトラック2に出力する(ステップS30)。ダンプトラック2は、走行条件データに従って走行する。
【0073】
図9は、前進時におけるダンプトラック2の一例を模式的に示す図である。
図10は、後進時にけるダンプトラック2の一例を模式的に示す図である。
図9に示すように、ダンプトラック2の前進時において、報知機として機能する照明灯32及び照明灯33は、第1状態(第1点灯状態)で作動する。
図10に示すように、ダンプトラック2の後進時において、報知機として機能する照明灯32及び照明灯33は、第1状態(第1点灯状態)とは異なる第2状態(第2点灯状態)で作動する。本実施形態においては、ダンプトラック2の前進時において、照明灯32は第1点灯状態で作動し、ダンプトラック2の後進時において、照明灯32は第1点灯状態とは異なる第2点灯状態で作動する。ダンプトラック2の前進時において、照明灯33は第2点灯状態で作動し、ダンプトラック2の後進時において、照明灯33は第2点灯状態とは異なる第1点灯状態で作動する。
【0074】
図9及び
図10に示す例では、ダンプトラック2の前進時において、照明灯32は、第1色光(例えば黄色光)を射出し、照明灯33は、第1色光とは異なる第2色光(例えば赤色光)を射出する。ダンプトラック2の後進時において、照明灯32は、第2色光(例えば赤色光)を射出し、照明灯33は、第1色光(例えば黄色光)を射出する。
【0075】
なお、ダンプトラック2の前進時において、照明灯32が光を射出し、照明灯33が光を射出しないようにしてもよい。ダンプトラック2の後進時において、照明灯33が光を射出し、照明灯32が光を射出しないようにしてもよい。
【0076】
なお、ダンプトラック2の前進時において、照明灯32が連続光を射出し、照明灯33が点滅光を射出してもよい。ダンプトラック2の後進時において、照明灯33が連続光を射出し、照明灯32が点滅光を射出してもよい。
【0077】
[作用及び効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、前進時における走行性能と後進時における走行性能とが実質的に同一であるダンプトラック2に設けられている照明灯32及び照明灯33を含む報知器により、ダンプトラック2の進行方向がダンプトラック2の周囲に報知される。これにより、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、ダンプトラック2の進行方向を把握することができる。したがって、鉱山における作業は円滑に実施され、鉱山の作業性及び生産性は向上する。
【0078】
従来のダンプトラック2は、キャブを有する。そのため、従来において、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、ダンプトラック2の外観から、ダンプトラック2の進行方向を把握することができる。本実施形態において、ダンプトラック2は、キャブを有しない。したがって、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、ダンプトラック2の外観からでは、ダンプトラック2の進行方向を把握することが困難である。また、鉱山においては、ダンプトラック2は24時間フル稼働するため、特に夜間においては、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、ダンプトラック2の外観からでは、ダンプトラック2の進行方向を把握することが困難である。本実施形態によれば、ダンプトラック2の進行方向が報知器により報知されるため、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、ダンプトラック2の進行方向を把握することができる。
【0079】
また、本実施形態においては、走行条件データの複数のコース点PIのそれぞれに報知データが付与されるので、走行条件データに従って走行するダンプトラック2の報知器を適切に作動させることができる。
【0080】
また、本実施形態においては、報知器は、光を射出して、ダンプトラック2の進行方向を報知する。これにより、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、視覚を通じてダンプトラック2の進行方向を認識することができる。
【0081】
また、本実施形態においては、報知器は、ダンプトラック2の前部に設けられた照明灯32と、ダンプトラック2の後部に設けられた照明灯33とを含み、報知データ生成部112は、ダンプトラック2の前進時と後進時とにおいて、照明灯32の点灯状態及び照明灯33の点灯状態が異なるように、報知データを生成する。本実施形態においては、ダンプトラック2の前進時と後進時とにおいて、照明灯32は第1点灯状態と第1点灯状態とは異なる第2点灯状態で作動し、照明灯33は第2点灯状態と第2点灯状態とは異なる第1点灯状態で作動する。これにより、ダンプトラック2の前方に存在する有人車両の運転者又は作業者とダンプトラック2の後方に存在する有人車両の運転者又は作業者との双方が、視覚を通じてダンプトラック2の進行方向を認識することができる。
【0082】
第2実施形態.
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0083】
図11は、本実施形態に係るダンプトラック2の管理方法の一例を模式的に示す図である。本実施形態においては、ダンプトラック2がスイッチバックするときの報知器の動作について説明する。
【0084】
スイッチバックとは、前進するダンプトラック2がダンプトラック2の前後方向を転換することなく進行方向を転換して、後進を開始する動作、又は、後進するダンプトラック2がダンプトラック2の前後方向を転換することなく進行方向を転換して、前進を開始する動作をいう。
【0085】
作業場PA又は搬送路HLにおいて、ダンプトラック2をスイッチバックさせる場合がある。ダンプトラック2をスイッチバックさせる場合、走行条件データ生成部111は、ダンプトラック2をスイッチバックさせる指令データを含む走行条件データを生成する。
【0086】
本実施形態において、報知データ生成部112は、スイッチバックが実施されるスイッチバック位置SPとスイッチバック位置SPから規定距離離れた規定位置KPとの間において報知器が第3状態で作動するように、報知データを生成する。ダンプトラック2が前進した後に後進するようにスイッチバックする場合において、規定位置KPは、ダンプトラック2の前進区間に規定される。ダンプトラック2が後進した後に前進するようにスイッチバックする場合において、規定位置KPは、ダンプトラック2の後進区間に規定される。すなわち、報知データ生成部112は、ダンプトラック2がスイッチバックする直前において、報知器が第1状態及び第2状態とは異なる第3状態で作動するように、報知データを生成する。
【0087】
図11は、第1走行経路RPaに従って前進で走行するダンプトラック2がスイッチバックSPでスイッチバックした後、第2走行経路RPbに従って後進で走行する例を示す。規定位置KPは、ダンプトラック2の前進区間である第1走行経路RPaに規定される。規定位置KPは、特定のコース点PIによって規定される。スイッチバック位置SPも、特定のコース点PIによって規定される。
【0088】
ダンプトラック2が規定位置KPを通過する前の区間においては、照明灯32及び照明灯33は、第1状態(第1点灯状態)で点灯する。第1点灯状態は、例えば照明灯32が黄色の連続光を射出し、照明灯33が赤色の連続光を射出する状態である。
【0089】
ダンプトラック2が規定位置KPを通過すると、照明灯32及び照明灯33の点灯状態は、第1状態(第1点灯状態)から第3状態(第3点灯状態)に遷移する。規定位置KPとスイッチバック位置SPとの間の区間においては、照明灯32及び照明灯33は、第3状態(第3点灯状態)で点灯する。第3点灯状態は、第1点灯状態及び第2点灯状態とは異なる動作である。第3点灯状態は、例えば照明灯32が黄色の点滅光を射出し、照明灯33が赤色の点滅光を射出する状態である。
【0090】
ダンプトラック2は、スイッチバック位置SPにおいてスイッチバックする。ダンプトラック2がスイッチバック位置SPを通過した前の区間においては、照明灯32及び照明灯33は、第2状態(第2点灯状態)で点灯する。第2点灯状態は、例えば照明灯32が赤色の連続光を射出し、照明灯33が黄色の連続光を射出する状態である。
【0091】
以上説明したように、本実施形態においては、スイッチバックが実施される直前の区間において、報知器が第1状態及び第2状態とは異なる第3状態で作動する。これにより、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者は、ダンプトラック2の進行方向がそろそろ変更されそうであることを認識することができる。したがって、鉱山における作業は円滑に実施され、鉱山の作業性及び生産性は向上する。
【0092】
第3実施形態.
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0093】
図12及び
図13は、本実施形態に係るダンプトラック2の管理方法の一例を模式的に示す図である。本実施形態においては、報知器がダンプトラック2の外面に設けられた表示装置51を含む例について説明する。表示装置51は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)又は有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイを含む。表示装置51は、光を射出して、ダンプトラック2の進行方向を報知する。
【0094】
表示装置51は、ダンプトラック2の周囲の有人車両の運転者又は鉱山で作業をしている作業者が視認可能な位置に設けられる。
図12及び
図13に示す例では、表示装置51は、ダンプトラック2のシャーシ20の側面に設けられる。
【0095】
報知データ生成部112は、表示装置51に表示させる表示データを生成する。報知データ生成部112は、ダンプトラック2の前進時と後進時とにおいて、表示装置51に表示される表示データが異なるように、報知データを生成する。
【0096】
図12及び
図13に示す例では、ダンプトラック2の前進時において、ダンプトラック2の進行方向を示す矢印の画像データが表示装置51に表示される。
図12及び
図13に示す例では、矢印の向きがダンプトラック2の進行方向前方を向くように表示される。ダンプトラック2の後進時において、ダンプトラック2の進行方向を示す矢印の画像データが表示装置51に表示される。なお、画像データは、矢印に限定されない。また、表示装置51に表示される表示データが、文字データを含んでもよい。
【0097】
以上説明したように、本実施形態においても、ダンプトラック2の進行方向がダンプトラック2の周囲に報知される。報知データ生成部112は、表示データを任意に生成可能であり、多彩なバリエーションの報知形態でダンプトラック2の進行方向を報知することができる。
【0098】
第4実施形態.
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0099】
図14及び
図15は、本実施形態に係るダンプトラック2の管理方法の一例を模式的に示す図である。本実施形態においては、報知器が、ダンプトラック2が走行する地面に画像を投影する投影装置52及び投影装置53を含む例について説明する。投影装置52及び投影装置53は、液晶パネル又はDMD(Digital Mirror Device:デジタルミラーデバイス)のような光変調素子及び投射光学系を有するプロジェクタ装置である。投影装置52及び投影装置53は、光を射出して、ダンプトラック2の進行方向を報知する。
【0100】
投影装置52は、ダンプトラック2の前部に設けられる。投影装置53は、ダンプトラック2の後部に設けられる。投影装置52は、ダンプトラック2の前方の地面に画像を投影する。投影装置53は、ダンプトラック2の後方の地面に画像を投影する。
【0101】
報知データ生成部112は、投影装置52及び投影装置53に投影させる画像データを生成する。報知データ生成部112は、ダンプトラック2の前進時と後進時とにおいて、地面に投影される画像が異なるように、報知データを生成する。
【0102】
図14及び
図15に示す例では、ダンプトラック2の前進時において、ダンプトラック2の進行方向を示す矢印の画像が、ダンプトラック2の前方の地面及び後方の地面のそれぞれに投影される。ダンプトラック2の後進時において、ダンプトラック2の進行方向を示す矢印の画像が、ダンプトラック2の前方の地面及び後方の地面のそれぞれに投影される。なお、投影される画像は、矢印に限定されない。また、文字が地面に投影されてもよい。
【0103】
以上説明したように、本実施形態においても、ダンプトラック2の進行方向がダンプトラック2の周囲に報知される。報知データ生成部112は、画像データを任意に生成可能であり、多彩なバリエーションの報知形態でダンプトラック2の進行方向を報知することができる。
【0104】
なお、上述の実施形態においては、走行条件データ生成部111、報知データ生成部112、及び位置データ取得部113の機能が管理装置10に含まれることとした。走行条件データ生成部111、報知データ生成部112、及び位置データ取得部113の一部又は全部の機能が、ダンプトラック2に搭載されている制御装置40に含まれてもよい。
【0105】
なお、上述の実施形態においては、作業車両が鉱山で稼働するダンプトラック2であることとした。作業車両は、鉱山とは別の広域の作業現場で稼働してもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…管理システム、2…ダンプトラック(作業車両)、3…積込機械、5…測位衛星、6…中継器、7…管制施設、9…通信システム、10…管理装置、11…演算処理装置、12…記憶装置、13…入出力インターフェース、14…無線通信装置、15…入力装置、16…出力装置、18…無線通信装置、20…シャーシ、21…ダンプボディ、22…走行装置、23…駆動装置、24…ラジエータ、25…ホイストシリンダ、26…ホイール、26T…タイヤ、27…ホイール、27T…タイヤ、28…ヒンジ機構、29…突出部、30…傾斜面、31…位置検出器、32…照明灯、33…照明灯、34…ブレーキ装置、35…操舵装置、36…障害物センサ、37…障害物センサ、40…制御装置、41…演算処理装置、42…記憶装置、43…入出力インターフェース、44…無線通信装置、51…表示装置、52…投影装置、53…投影装置、111…走行条件データ生成部、112…報知データ生成部、113…位置データ取得部、411…運転制御部、412…絶対位置データ取得部、413…報知器制御部、CR…破砕機、DPA…排土場、HL…搬送路、IS…交差点、LPA…積込場、PA…作業場、RP…目標走行経路、RPa…第1走行経路、RPb…第2走行経路。