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特許7121808濃縮液及び/又は留分を正確に定量できるエバポレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】濃縮液及び/又は留分を正確に定量できるエバポレータ
(51)【国際特許分類】
   B01D 3/00 20060101AFI20220810BHJP
   G01N 25/14 20060101ALN20220810BHJP
【FI】
B01D3/00 C
G01N25/14 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020560529
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2018121938
(87)【国際公開番号】W WO2019144730
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】201810061892.4
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810061916.6
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】501079107
【氏名又は名称】北京▲師▼▲範▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130993
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 弘揮
(72)【発明者】
【氏名】温淑瑶
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0153397(US,A1)
【文献】米国特許第01415546(US,A)
【文献】実開昭58-132502(JP,U)
【文献】中国実用新案第204275520(CN,U)
【文献】中国実用新案第203090950(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 1/00-3/00
G01N 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な蒸留フラスコ2と、凝縮器3とが固定されているホルダ1を備える、濃縮液を正確に定量できるエバポレータにおいて、前記蒸留フラスコ2が加熱部品により加熱され、前記凝縮器3の底部に回収フラスコ4が連結されており、
前記蒸留フラスコ2の操作位置の底部に蒸留フラスコの排液口11が形成されており、前記蒸留フラスコの排液口11が濃縮液の定量部品に連結され、濃縮液を正確に定量制御し、
前記濃縮液の定量部品が定量目盛線14の付いている定量チューブ13を含み、前記定量チューブ13の底部に設けられる第2排液弁15により、濃縮液の排液及び蒸留フラスコの密封を制御し、
前記蒸留フラスコの排液口11に、濃縮液の正確な排出制御及び蒸留フラスコの密封を行う第1排液弁12が設けられており、
前記加熱部品が前記蒸留フラスコ2の外壁に設けられる電気加熱テープ16であることを特徴とする、濃縮液を正確に定量できるエバポレータ。
【請求項2】
前記濃縮液の定量部品の前記蒸留フラスコの排液口11から離れる末端に、すり合わせで定量容量増大器18がさらに密閉連結されており、治具により2つのすり合わせが固定され、濃縮液を一回で容量増大させ排出するために用いられ、前記定量容量増大器18が容量の異なる複数のものを含み、濃縮液の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いることを特徴とする、請求項1に記載の濃縮液を正確に定量できるエバポレータ。
【請求項3】
前記電気加熱テープ16と前記蒸留フラスコ2との間に温度調節器のセンサプローブがさらに設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の濃縮液を正確に定量できるエバポレータ。
【請求項4】
取り外し可能な蒸留フラスコ2と、凝縮器3とが固定されているホルダ1を備える、濃縮液の定量及び留分の定量を正確に行うことができるエバポレータにおいて、前記蒸留フラスコ2が加熱部品により加熱され、前記凝縮器3の底部に回収フラスコ4が連結されており、
前記蒸留フラスコ2の操作位置の底部に蒸留フラスコの排液口11が形成されており、前記蒸留フラスコの排液口11が濃縮液の定量部品に連結され、濃縮液を正確に定量制御し、
前記濃縮液の定量部品が定量目盛線14の付いている定量チューブ13を含み、前記定量チューブ13の底部に設けられる第2排液弁15により、濃縮液の排液及び蒸留フラスコの密封を制御し、
前記蒸留フラスコの排液口11に、濃縮液の正確な排出制御及び蒸留フラスコの密封を行う第1排液弁12が設けられており、
前記加熱部品は前記蒸留フラスコ2の外壁に設けられる電気加熱テープ16であり、
前記回収フラスコ4の底部に回収フラスコの排出口5が形成されており、前記回収フラスコの排出口5が留分の定量部品に連結され、留分を正確に定量制御し、
前記留分の定量部品が計量目盛線8の付いている計量チューブ7を含み、前記計量チューブ7の底部に設けられる第2排出弁9により留分の排出及び密封を制御し、
前記回収フラスコの排出口5に、留分の排出制御及び密封を行う第1排出弁6が設けられていることを特徴とする、濃縮液の定量及び留分の定量を正確に行うことができるエバポレータ。
【請求項5】
前記濃縮液の定量部品の前記蒸留フラスコの排液口11から離れる末端に、さらに定量容量増大器18がすり合わせで密閉連結されており、治具により2つのすり合わせが固定され、濃縮液を一回で容量増大させ排出するために用いられ、
前記留分の定量部品の前記回収フラスコの排出口5から離れる末端に、さらに計量容量拡大器17がすり合わせで密閉連結されており、治具により2つのすり合わせが固定され、留分を一回で容量拡大させ排出するために用いられることを特徴とする、請求項に記載の濃縮液の定量及び留分の定量を正確に行うことができるエバポレータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学実験設備の技術分野に関し、特に、エバポレータに関する。詳しくは、濃縮液の定量及び/又は留分の定量を正確に行うことができるエバポレータに関する。
【背景技術】
【0002】
エバポレータは材料を減圧、蒸留、濃縮する抽出用実験設備であり、サンプルの大規模な濃縮、乾燥、抽出回収等の実験に広く用いられており、特に多くの溶剤を迅速に蒸留することに用いられる。従来のエバポレータは通常、真空引き装置、加熱装置、凝縮装置、回転装置等の部品から構成されるものである。エバポレータの原理は主として電子設備により制御され、フラスコを最適の回転数にて定速で回転させて、溶液を薄膜に形成させ、蒸発の面積を大きくし、真空ポンプにより蒸発フラスコが負圧の状態となるようにする。蒸発フラスコが回転すると同時にウォーターバス又はオイルバスにおいて定温で加熱され、加熱温度が前記溶剤の沸点に近接することが可能であることで、フラスコにおける溶液は、負圧で加熱されて拡散し蒸発し、溶剤を急速に蒸発させる。
【0003】
従来よく用いられるエバポレータ(例えば、上海亜栄生化計器社製RE-3000型)は、使用過程で、加熱釜の温度、蒸留フラスコの回転数及びウォーターバスにおける高さ、及び蒸留前に実験者が精秤できるフィード量を設定することができるが、蒸留過程で回収フラスコにおける留分の量又は蒸留フラスコにおける濃縮液の量がどれだけになれば蒸留を止めるかを正確に決めることができず、通常完全に実験者の観察及び感覚によるものである。多くの場合、蒸留時間を限定したとしても、毎回蒸留から真空排気が正常の負圧レベルに達するまで真空引きする時間が完全に同様ではないので、同時にエバポレータの密封状況に関わることも考え、簡単な蒸留時間を限定する方法では蒸留を止める時点を正確に決めることができない。その上、通常の蒸留フラスコはすべて球形であり、中でも、液面のレベルについて、非常に経験のある実験者がフラスコに線を引いて蒸留を止める時点を決めても、異なるサンプルの蒸留留分は少なくとも1.5mLの誤差がある。このことから、減圧蒸留を行う研究者の蒸留終点に対する判断に深刻な影響を及ぼす。特にフィードされる材料が自然界においてランダムに取られる異なるサンプルである場合、フィードされる材料、留分又は濃縮液の各種の成分の指標は蒸留実験終了後に測定するが、異なるサンプルの蒸留収率、即ち留分量とフィードされる材料量との比又は濃縮液量とフィードされる材料量との比が正確で一致するように保持できないことで、異なるサンプルの蒸留結果は比較できなくなる。実験者は収率が高い上に、品質も良いことを期待することが多いが、現実の作業においては、収率が高いが濃縮液又は留分の品質指標が高くないか、又は収率が低いが濃縮液又は留分の品質指標が高いということが多く現れている。これらのことで、品質評価指標が何種類もある場合、より判断しにくくなる。回転蒸発操作では、留分の定量制御と排出、及び濃縮液の定量制御と排出をどのように正確に行うかは、収率の一致を確保することを踏まえて、異なる蒸留サンプルの濃縮液又は留分の品質の優劣、及び同じサンプルの異なる濃縮程度の濃縮液又は留分の性能を比較するには、重要な意義を有する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、濃縮液を正確に定量できるエバポレータを提供して、濃縮液の正確な定量制御の問題を解決した。
【0005】
本発明は、留分を正確に定量できるエバポレータをさらに提供して、留分の正確な定量制御の問題を解決した。
【0006】
本発明は、留分の定量及び濃縮液の定量を正確に行うことができるエバポレータをさらに提供して、留分及び濃縮液の正確な定量制御の問題を解決した。
【0007】
上記目的を実現するために、本発明は、取り外し可能な蒸留フラスコと、凝縮器と、回転モータとが固定されているホルダを備える、濃縮液を正確に定量できるエバポレータにおいて、前記蒸留フラスコが加熱部品により加熱され、前記凝縮器の底部に回収フラスコが連結されており、頂部に真空引き装置が連結されており、前記回転モータが前記蒸留フラスコを回転駆動させ、
前記蒸留フラスコの操作位置の底部に蒸留フラスコの排液口が形成されており、前記蒸留フラスコの排液口が濃縮液の定量部品に連結され、濃縮液を正確に定量制御する、濃縮液を正確に定量できるエバポレータを提供する。
【0008】
前記濃縮液の定量部品は、定量目盛線の付いている定量チューブを含み、前記定量チューブの底部に設けられる第2排液弁により、濃縮液の排液及び蒸留フラスコの密封を制御する。
【0009】
前記定量チューブは細管状構造であり、前記定量チューブの容量は1~20mLのうちのある数値である。
【0010】
前記蒸留フラスコの排液口に第1排液弁が設けられており、濃縮液の排液制御及び蒸留フラスコの密封を行う。前記蒸留フラスコの排液口が前記蒸留フラスコの最低液面に形成される。
【0011】
前記濃縮液の定量部品と前記蒸留フラスコの排液口は一体的に成形された構造であり、又はすり合わせで密閉連結され、治具により固定される。
【0012】
前記濃縮液の定量部品の前記蒸留フラスコの排液口から離れる末端に、濃縮液を一回で容量増大させ排出するための定量容量増大器がさらに密閉連結されている。
【0013】
前記定量容量増大器は容量の異なる複数のものを含み、濃縮液の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。
【0014】
前記定量容量増大器の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL及び200mLを含むが、これらに制限されるものではない。
【0015】
前記加熱部品は前記蒸留フラスコの外壁に設けられる電気加熱テープであり、好ましくは前記電気加熱テープが前記蒸留フラスコの外壁に巻き付けられる。
【0016】
前記電気加熱テープの外層に、前記電気加熱テープを断熱及び固定するガラス繊維ベルトが設けられている。
【0017】
前記電気加熱テープと前記蒸留フラスコとの間に温度調節器のセンサプローブがさらに設けられている。
【0018】
上記目的を実現するために、本発明は、取り外し可能な蒸留フラスコと、凝縮器と、回転モータとが固定されているホルダを備える留分を正確に定量できるエバポレータにおいて、前記蒸留フラスコが加熱部品により加熱され、前記凝縮器の底部に回収フラスコが連結されており、頂部に真空引き装置が連結されており、前記回転モータが前記蒸留フラスコを回転駆動させ、
前記回収フラスコの底部に排液口が形成されており、前記排液口が留分の定量部品に連結され、留分を正確に定量制御する、留分を正確に定量できるエバポレータを提供する。
【0019】
前記留分の定量部品は計量目盛線の付いている計量チューブを含み、前記計量チューブの底部に設けられる第2排出弁により留分の排出及び密封を制御する。
【0020】
前記計量チューブは細管状構造であり、前記計量チューブの容量は1~20mLのうちのある数値である。
【0021】
前記の排出口に、留分の排出制御及び密封を行う第1排出弁が設けられている。
【0022】
前記排出口が前記回収フラスコの最低液面位置に形成される。
【0023】
前記留分の定量部品と前記排出口は一体的に成形された構造であり、又はすり合わせで密閉連結され、治具により固定される。
【0024】
前記留分の定量部品の前記排出口から離れる末端に、留分を一回で容量拡大させ排出するための計量容量拡大器がさらに密閉連結されている。
【0025】
前記計量容量拡大器と前記留分の定量部品がすり合わせで密閉連結され、治具により固定される。
【0026】
前記計量容量拡大器は容量の異なる複数のものを含み、留分の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。
【0027】
前記計量容量拡大器の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL及び200mLを含むが、これらに制限されるものではない。
【0028】
上記目的を実現するために、本発明は、取り外し可能な蒸留フラスコと、凝縮器と、回転モータとが固定されているホルダを備える、濃縮液の定量及び留分の定量を正確に行うことができるエバポレータにおいて、前記蒸留フラスコが加熱部品により加熱され、前記凝縮器の底部に回収フラスコが連結されており、頂部に真空引き装置が連結されており、前記回転モータが前記蒸留フラスコを回転駆動させ、
前記蒸留フラスコの操作位置の底部に蒸留フラスコの排液口が形成されており、前記蒸留フラスコの排液口が濃縮液の定量部品に連結され、濃縮液を正確に定量制御し、
前記回収フラスコの底部側壁に排出口が形成されており、前記排出口が留分の定量部品に連結され、留分を正確に定量制御する、濃縮液の定量及び留分の定量を正確に行うことができるエバポレータを提供する。
【0029】
前記濃縮液の定量部品は、定量目盛線の付いている定量チューブを含み、前記定量チューブの底部に設けられる第2排液弁により、濃縮液の排液及び蒸留フラスコの密封を制御し、
前記定量チューブは細管状構造であり、前記定量チューブの容量は1~20mLのうちのある数値である。
【0030】
前記留分の定量部品は計量目盛線の付いている計量チューブを含み、前記計量チューブの底部に設けられる第2排出弁により留分の排出及び密封を制御する。
【0031】
前記計量チューブは細管状構造であり、前記計量チューブの容量は1~20mLのうちのある数値である。
【0032】
前記蒸留フラスコの排液口に第1排液弁が設けられており、濃縮液の排液制御及び蒸留フラスコの密封を行う。前記蒸留フラスコの排液口が前記蒸留フラスコの最低液面に形成され、
前記の排出口に、留分の排出制御及び密封を行う第1排出弁が設けられている。前記排出口が前記回収フラスコの最低液面位置に形成される。
【0033】
前記濃縮液の定量部品と前記蒸留フラスコの排液口は一体的に成形された構造であり、又はすり合わせで密閉連結され、治具により固定され、
前記留分の定量部品と前記回収フラスコの排出口は一体的に成形された構造であり、又はすり合わせで密閉連結され、治具により固定される。
【0034】
前記濃縮液の定量部品の前記蒸留フラスコの排液口から離れる末端に、濃縮液を一回で容量増大させ排出するための定量容量増大器がさらに密閉連結されており、
前記留分の定量部品の前記回収フラスコの排出口から離れる末端に、留分を一回で容量拡大させ排出するための計量容量拡大器がさらに密閉連結されている。
【0035】
前記定量容量増大器は容量の異なる複数のものを含み、濃縮液の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。前記定量容量増大器と前記濃縮液の定量部品がすり合わせで密閉連結され、治具により固定される。
【0036】
前記計量容量拡大器は容量の異なる複数のものを含み、留分の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。前記計量容量拡大器と前記留分の定量部品がすり合わせで密閉連結され、治具により固定される。
【0037】
前記計量容量拡大器の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL及び200mLを含むが、これらに制限されるものではない。
【0038】
前記定量容量増大器の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL及び200mLを含むが、これらに制限されるものではない。
【0039】
前記加熱部品は前記蒸留フラスコの外壁に設けられる電気加熱テープであり、好ましくは前記電気加熱テープが前記蒸留フラスコの外壁に巻き付けられる。
【0040】
前記電気加熱テープの外層に、前記電気加熱テープを断熱及び固定するガラス繊維ベルトが設けられている。
【0041】
前記電気加熱テープと前記蒸留フラスコとの間に温度調節器のセンサプローブがさらに設けられている。
【0042】
本発明に係る濃縮液を正確に定量できるエバポレータは、前記蒸留フラスコを底部に蒸留フラスコの排液口が形成されている構造に改善することで、蒸留フラスコを取り外すことなく濃縮液を排液することができるとともに、前記蒸留フラスコの排液口位置に定量細管が設けられていることで、濃縮液量の時々刻々の微妙な変化を直観的に観察できる。濃縮液が、設計される正確な量に達する場合、即時に蒸留を止め第1排液弁を閉じ、正確に定量される濃縮液を正確に排出して、蒸留収率を決めることに使用され得る。蒸留収率が一致する条件で、濃縮液成分等の反応濃縮液の品質の優劣の指標を測定することにより、同じ収率である異なる蒸留サンプルの濃縮液の性能指標、及び同じサンプルの異なる濃縮程度の濃縮液の性能指標を検討比較する。また、本発明に係るエバポレータは、従来のウォーターバス又はオイルバスの代わりに電気加熱テープを加熱部品として、前記蒸留フラスコを加熱する。エバポレータの体積を大幅に小さくする一方、蒸発過程における加熱用水消費量及び燃料消費量を削減した。それに、前記蒸留フラスコは、濃縮液を直接排出できるので、エバポレータ全体は昇降システム及び角度調整システムを用いることなく、エバポレータ全体における部品を減少し、コストを節約した。
【0043】
本発明に係る留分を正確に定量できるエバポレータでは、前記エバポレータは従来の球状回収フラスコを底部に排出口が形成されている構造に改善することで、回収フラスコを取り外すことなく留分を排出することができるとともに、前記排出口位置に計量チューブが設けられていることで、留分量の時々刻々の微妙な変化を直観的に観察できる。留分が、設計される正確な量に達する場合、即時に蒸留を止め第1排出弁を閉じ、正確に定量される留分を正確に排出して、蒸留収率を決めることに使用され得る。蒸留収率が一致する条件で、留分の各成分等の反応留分の品質の優劣の指標を測定することにより、同じ収率である異なる蒸留サンプルの留分の性能、及び同じ蒸留サンプルの異なる蒸留段階における留分の性能差異を検討比較する。
【0044】
本発明に係る濃縮液の定量及び留分の定量を正確に行うことができるエバポレータでは、さらに、前記蒸留フラスコ及び前記回収フラスコを底部に排液口及び排出口が形成されている構造に改善することで、蒸留フラスコ及び回収フラスコを取り外すことなく濃縮液の排液及び留分の排出を行うことができるとともに、前記排液口及び排出口にそれぞれ、定量チューブ及び計量チューブが設けられていることで、濃縮液及び留分量の時々刻々の微妙な変化を直観的に観察できる。濃縮液及び/又は留分が、設計される正確な量に達する場合、即時に蒸留を止め第1排液弁及び/又は第1排出弁を閉じ、所定量の濃縮液及び/又は留分を正確に排出して、蒸留収率を決めることに使用され得る。蒸留収率が一致する条件で、濃縮液及び/又は留分の成分等の指標を測定することにより、同じ収率である異なる蒸留サンプルの濃縮液及び留分の性能を検討比較することに使用され、さらに同じ蒸留サンプルの異なる濃縮程度の濃縮液及び留分の性能差異を検討することに使用される。また、本発明に係るエバポレータは、従来のウォーターバス(オイルバス)の代わりに電気加熱テープを加熱部品として、前記蒸留フラスコを加熱する。エバポレータの体積を大幅に小さくする一方、蒸発過程における加熱用水消費量及び燃料消費量を削減した。それに、前記蒸留フラスコは、濃縮液を直接排出できるので、エバポレータ全体は昇降システム及び角度調整システムを用いることなく、エバポレータ全体における部品を減少し、コストを節約した。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の実施例1に係るエバポレータの概略構成図である。
図2】本発明の実施例2に係るエバポレータの概略構成図である。
図3】本発明の実施例3に係るエバポレータの概略構成図である。
図4】本発明に係る計量容量拡大器及び定量容量増大器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の上記目的、特徴及びメリットがより明確で分かりやすいように、以下に添付図面及び具体的実施の態様を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
【0047】
図1を参照する。本実施例に係る濃縮液の正確な定量を正確に行うことができるエバポレータは、取り外し可能な蒸留フラスコ2と、凝縮器3とが固定されているホルダ1を備える。前記蒸留フラスコ2に蒸留対象液が入っており、加熱部品により加熱され蒸発濃縮を行う。前記凝縮器3の底部に、留分を収集するための回収フラスコ4が連結されている。前記ホルダには、前記蒸留フラスコ2の回転を制御する回転モータ10(本発明に係るエバポレータに、前記回転モータのパラメータの回転数及び加熱温度を制御する制御パネルがさらに設けられてもよく、図示せず)と、回転数、加熱温度を制御する制御部品と、真空引き部品等とがさらに設けられている。
【0048】
図1に示すエバポレータのように、前記蒸留フラスコ2の底部(前記蒸留フラスコ2の作業状態の位置に準ずる)に蒸留フラスコの排液口11が形成されており、前記蒸留フラスコの排液口11が前記蒸留フラスコ2の液面底部位置に形成され、好ましくは前記蒸留フラスコ2の最低液面位置に形成され、かつ前記蒸留フラスコの排液口11に、濃縮液の排液制御及び蒸留フラスコの密封を行うための第1排液弁12がさらに設けられている。前記第1排液弁12はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0049】
本実施例に係るエバポレータでは、前記蒸留フラスコ2は、前記蒸留フラスコの排液口11に連結される、濃縮液の正確な定量制御を行うことができる濃縮液の定量部品をさらに備える。前記濃縮液の定量部品と前記蒸留フラスコの排液口11は一体的に成形された構造、又はすり合わせで密閉連結された構造であってもよく、ネジの付いているステンレスクリップで固定してシステムの密封性を保持する。
【0050】
図1に示すエバポレータのように、本実施例に係る濃縮液の定量部品は定量チューブ13であることが好ましい。前記定量チューブ13の外壁に、濃縮液の値を読み取るための定量目盛線14が付いており、前記定量チューブ13の底部位置に、濃縮液の排出及び密封を制御する第2排液弁15が設けられている。選択可能な構造として、本実施例に係る定量チューブ13は、キャビティが細管型構造である計量可能な細管であってもよく、その計量可能な容量が1~10mLであるとよく、その計量目盛りが0.01mL、さらに0.005mLまで読み取れる。前記第2排液弁15はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0051】
変換可能な構造として、図1に示す前記エバポレータのように、前記定量チューブ13の末端(前記第2排液弁15が設けられた一端)に定量容量増大器18がさらに密閉連結されており、前記定量容量増大器18と前記定量チューブ13とがすり合わせで連結密封され、治具により固定される。前記定量チューブ13の容量が濃縮液の容量要求を満足できない場合、前記定量容量増大器18を追設することにより、前記濃縮液の定量可能な容量を増加することができ、これにより所望量の濃縮液を一回で排出し、複数回の排出で複数回読む必要があることによる誤差を減少し、濃縮液の計量正確さの向上に寄与する。前記定量容量増大器18と前記定量チューブ13は正確な計量及び組み合わせにより、定量チューブ13を容量拡大させる。本実施例に係る定量容量増大器18は容量の異なる複数のものを含み、濃縮液の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。例えば、前記定量容量増大器18の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL、200mL等の複数のものを1組として設計され、所望の濃縮液容量に応じて適切な定量容量増大器18を選んで濃縮液を一回で正確に排出する。前記定量容量増大器18の形状は、前記蒸留フラスコ2の操作台から離れる距離に応じて選択される適切なコーナ継ぎ手管構造又は偏平ボトル構造であってもよく、前記定量容量増大器18が前記定量チューブ13のすり合わせと組み合わせて密封すればよい。図4に示す構造のように、好ましい設計として、定量チューブ1から流下した溶液を入れるように、前記定量容量増大器18のボトルの口外に一定量の容積を残しておく必要があり、前記定量容量増大器18と一体的に成形されたしずく受け20により実現される。
【0052】
図1に示すエバポレータ構造において、前記加熱部品が前記蒸留フラスコ2における蒸留対象液を加熱し蒸発させることに使用される。本実施例において、前記加熱部品は前記蒸留フラスコ2の外壁に巻き付けられる電気加熱テープ16である。前記電気加熱テープ16は蒸留フラスコ2のフラスコ壁の熱伝導を介して、その中の蒸留対象液を加熱し蒸発させ、好ましくは、均一な加熱を確保するように、前記電気加熱テープ16を環状に前記蒸留フラスコ2の外壁に巻き付ける。また、前記電気加熱テープ16外にガラス繊維ベルトが設けられており、断熱材及び固定層として前記電気加熱テープを断熱及び固定する。前記電気加熱テープ16と前記蒸留フラスコ2の外壁との間に、加熱温度を検出する温度調節器のセンサプローブがさらに設けられている。
【0053】
本実施例に係るエバポレータは、蒸留を開始する場合、前記第2排液弁15を閉じることで、前記蒸留フラスコ2において依然として蒸留システム内部の負圧状態を保っている。蒸留過程で濃縮液量を観察し、濃縮液量が設計される正確な量に達する場合、即時に蒸留を止めると同時に、前記第1排液弁12を閉じ、前記第2排液弁15を開く。この場合、所定量の濃縮液が排出されて、濃縮液の各成分等の反応濃縮液の品質の優劣の指標の測定、及び収率指標の計算に使用され、さらに同じ蒸留サンプルの異なる濃縮程度の濃縮液の性能差異の検討に使用される。
[実施例2]
【0054】
図2に示す構造を参照する。本実施例に係る留分を正確に定量できるエバポレータは、取り外し可能な蒸留フラスコ2と、凝縮器3とが固定されているホルダ1を備える。前記蒸留フラスコ2に蒸留対象液が入っており、加熱部品により加熱され蒸発濃縮を行う。前記凝縮器3の底部に、留分を収集するための回収フラスコ4が連結されている。前記ホルダには、前記蒸留フラスコ2の回転を制御する回転モータ10(本発明に係るエバポレータに、前記回転数及び加熱温度を制御する制御パネルがさらに設けられてもよく、図示せず)と、前記蒸留フラスコ2の昇降を制御する昇降部品と、加熱温度を制御する制御部品等とがさらに設けられている。前記加熱部品は、前記蒸留フラスコ2の下部に設けられるウォーターバス(オイルバス)又は蒸留フラスコに巻き付けられる電気加熱ベルトであり、前記蒸留フラスコ2の下部位置と前記ウォーターバスの加熱液体とが接触し、蒸留フラスコ2における蒸留対象液を加熱する。
【0055】
図2に示すエバポレータのように、前記回収フラスコ4の底部に回収フラスコの排出口5が形成されている。前記回収フラスコの排出口5が前記回収フラスコ4の液面底部位置に形成され、好ましくは前記回収フラスコ4の最低液面位置に形成され、かつ前記回収フラスコの排出口5に、留分の排出制御及び密封のための第1排出弁6がさらに設けられている。前記回収フラスコの第1排出弁6はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0056】
本実施例に係るエバポレータでは、前記回収フラスコ4は前記回収フラスコの排出口5に連結される、留分の正確な定量制御を行うことができる留分の定量部品をさらに備える。前記留分の定量部品と前記回収フラスコの排出口5は、一体的に成形された構造、又はすり合わせで密閉連結された構造であってもよく、ネジの付いているステンレスクリップで固定してシステムの密封性を保持する。
【0057】
図2に示すエバポレータのように、本実施例に係る留分の定量部品は、前記回収フラスコの排出口5に密閉連結される計量チューブ7であることが好ましい。前記計量チューブ7の外壁に、留分の正確な計量を行う計量目盛線8が付いており、前記計量チューブ7の底部位置に、留分の排出及び密封を制御する第2排出弁9が設けられている。選択可能な構造として、本実施例に係る計量チューブ7は、キャビティが細管型構造である計量可能な細管であってもよく、その計量可能な容量が1~10mLのうちのある数値であるとよく、その計量目盛りが0.0mL、さらに0.005mLまで読み取れる。前記第2排出弁9はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0058】
変換可能な構造として、図2に示す前記エバポレータのように、前記計量チューブ7の末端(前記第2排出弁9が設けられた一端)に、計量容量拡大器17がさらに密閉連結されている。前記計量容量拡大器17と前記計量チューブ7とがすり合わせで連結密封され、治具により固定される。前記計量チューブ7の容量が留分の容量要求を満足できない場合、前記計量容量拡大器17を追設することにより、前記留分の計量可能な容量を増加することができ、これにより所望量の留分を一回で排出し、複数回の排出で複数回読む必要があることによる誤差を減少し、留分の計量正確さの向上に寄与する。前記計量容量拡大器17と前記計量チューブ7は正確な計量及び組み合わせにより、計量チューブ7を容量拡大させる。本発明に係る計量容量拡大器17は容量の異なる複数のものを含み、留分の容量に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。例えば、前記計量容量拡大器17の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL、200mL等の複数のものを1組として設計され、所望の留分容量に応じて、適切な計量容量拡大器17を選択し留分を一回で正確に排出する。前記計量容量拡大器17の形状は、前記回収フラスコ4の操作台から離れる距離に応じて選択される適切なコーナ継ぎ手管構造又は偏平ボトル構造であってもよく、前記計量容量拡大器17が前記計量チューブ7のすり合わせと組み合わせて密封すればよい。図4に示す構造のように、好ましい設計として、計量チューブ7から流下した溶液を入れるように、前記計量容量拡大器17のボトルの口外に一定量の容積を残しておく必要があり、前記計量容量拡大器17と一体的に成形されたしずく受け20により実現される。
【0059】
本実施例に係るエバポレータは、蒸留を開始する場合、前記第2排出弁9を閉じることで、前記回収フラスコ4において依然として蒸留システム内部の負圧状態を保っている。蒸留過程で、留分が、設計される正確な量に達することを観察した時点で、即時に蒸留を止めると同時に、前記第1排出弁6を閉じ、前記第2排出弁9を開く。この場合、正確に定量される留分が排出されて、蒸留収率を決めることと、留分の各成分等の反応留分の品質の優劣の指標を測定することに使用され、さらに同じ蒸留サンプルの異なる蒸留段階における留分の性能差異を検討することに使用される。
[実施例3]
【0060】
変換可能な構造として、図3に示すエバポレータの構造のように、本実施例に係る濃縮液の定量及び/又は留分の定量を正確に行うことができるエバポレータは、取り外し可能な蒸留フラスコ2と、凝縮器3とが固定されているホルダ1を備える。前記蒸留フラスコ2に蒸留対象液が入っており、加熱部品により加熱され蒸発濃縮を行う。前記凝縮器3の底部に、留分を収集するための回収フラスコ4が連結されている。前記ホルダには、前記蒸留フラスコ2の回転を制御する回転モータ10(本発明に係るエバポレータに、回転数及び加熱温度を制御する制御パネルがさらに設けられてもよく、図示せず)と、加熱温度を制御する制御部品等とがさらに設けられている。
【0061】
図3に示すエバポレータのように、前記回収フラスコ4の底部に回収フラスコの排出口5が形成されている。前記回収フラスコの排出口5が前記回収フラスコ4の液面底部位置に形成され、好ましくは前記回収フラスコ4の最低液面位置に形成され、かつ前記回収フラスコの排出口5に、留分の排出制御及び密封のための第1排出弁6がさらに設けられている。前記回収フラスコの第1排出弁6はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0062】
本実施例に係るエバポレータでは、前記回収フラスコ4は前記回収フラスコの排出口5に連結される、留分の正確な定量制御を行うことができる留分の定量部品をさらに備える。前記留分の定量部品と前記回収フラスコの排出口5は、一体的に成形された構造、又はすり合わせで密閉連結された構造であってもよく、ネジの付いているステンレスクリップで固定してシステムの密封性を保持する。
【0063】
図3に示すエバポレータのように、本実施例に係る留分の定量部品と前記回収フラスコの排出口5が密閉連結された計量チューブ7は、その外壁に、留分の正確な計量を行う計量目盛線8が付いており、その底部位置に、留分の排出及び密封を制御する第2排出弁9が設けられている。選択可能な構造として、本実施例に係る計量チューブ7は、キャビティが細管型構造である計量可能な細管であってもよく、その計量可能な容量が1~10mLのうちのある数値であるとよく、その計量目盛りが0.01mL、さらに0.005mLまで読み取れる。前記第2排出弁9はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0064】
変換可能な構造として、図3に示す前記エバポレータのように、前記計量チューブ7の末端(前記第2排出弁9が設けられた一端)に、計量容量拡大器17がさらに密封連結されてもよい。前記計量容量拡大器17と前記計量チューブ7とがすり合わせで連結密封され、治具により固定さる。前記計量チューブ7の容量が留分の容量要求を満足できない場合、前記計量容量拡大器17を追設することにより、前記留分の計量可能な容量を増加することができ、これにより所望量の留分を一回で排出し、複数回の排出で複数回読む必要があることによる誤差を減少し、留分の計量正確さの向上に寄与する。前記計量容量拡大器17と前記計量チューブ7は正確な計量及び組み合わせにより、計量チューブ7を容量拡大させる。本発明に係る計量容量拡大器17は容量の異なる複数のものを含み、留分の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いる。例えば、前記計量容量拡大器17の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL、200mL等の複数のものを1組として設計され、所望の留分容量に応じて、適切な計量容量拡大器17を選択し留分を一回で正確に排出する。前記計量容量拡大器17の形状は、前記回収フラスコ4の操作台から離れる距離に応じて選択される適切なコーナ継ぎ手管構造又は偏平ボトル構造であってもよく、前記計量容量拡大器17が前記計量チューブ7のすり合わせと組み合わせて密封すればよい。図4に示す構造のように、好ましい設計として、計量チューブ7から流下した溶液を入れるように、前記計量容量拡大器17のボトルの口外に一定量の容積を残しておく必要があり、前記計量容量拡大器17と一体的に成形されたしずく受け20により実現される。
【0065】
図3に示すエバポレータのように、前記蒸留フラスコ2の底部(前記蒸留フラスコ2の作業状態の位置に準ずる)の側壁に蒸留フラスコの排液口11が形成されている。前記蒸留フラスコの排液口11が前記蒸留フラスコ2の液面底部位置に形成され、好ましくは前記蒸留フラスコ2の最低液面位置に形成され、かつ前記蒸留フラスコの排液口11に、濃縮液の排液制御及び密封を行うための第1排液弁12がさらに設けられている。前記第1排液弁12はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0066】
本実施例に係るエバポレータでは、前記蒸留フラスコ2は、前記第1の排液口11に連結される、濃縮液を定量制御できる濃縮液の定量部品をさらに備える。前記濃縮液の定量部品と前記蒸留フラスコの排液口11は一体的に成形された構造、又はすり合わせで密閉連結された構造であってもよく、ネジの付いているステンレスクリップで固定してシステムの密封性を保持する。
【0067】
図3に示すエバポレータにように、本実施例に係る濃縮液の定量部品は、前記蒸留フラスコの排液口11に密閉連結された定量チューブ13であることが好ましい。前記定量チューブ13の外壁に、濃縮液の正確な定量を行う定量目盛線14が付いている。前記定量チューブ13の底部位置に、濃縮液の排出及び密封を制御する第2排液弁15が設けられている。選択可能な構造として、本実施例に係る定量チューブ13はキャビティが細管型構造である定量可能な細管であってもよく、その定量可能な容量が1~10mLのうちのある数値であるとよく、その計量目盛りが0.01mL、さらに0.005mLまで読み取れる。前記第2排液弁15はガラスの材質又はポリテトラフルオロエチレンの材質であってもよい。
【0068】
変換可能な構造として、図3に示す前記エバポレータのように、前記定量チューブ13の末端(前記第2排液弁15が設けられた一端)に、定量容量増大器18がさらに密閉連結されている。前記定量容量増大器18と前記定量チューブ13とがすり合わせで連結密封され、治具により固定さる。前記定量チューブ13の容量が濃縮液の容量要求を満足できない場合、前記定量容量増大器18を追設することにより、前記濃縮液の定量可能な容量を増加することができ、これにより所望量の濃縮液を一回で排出し、複数回の排出で複数回読む必要があることによる誤差を減少し、濃縮液の計量正確さの向上に寄与する。前記定量容量増大器18と前記定量チューブ13は正確な計量及び組み合わせにより、定量チューブ13を容量拡大させる。本実施例に係る定量容量増大器18は容量の異なる複数のものを含み、濃縮液の容量要求に応じて選択して用いるか、又は交換して用いることが可能である。例えば、前記定量容量増大器18の容量は、10mL、20mL、30mL、50mL、100mL、200mL等の複数のものを1組として設計され、所望の濃縮液容量に応じて適切な定量容量増大器18を選んで濃縮液を一回で正確に排出する。前記定量容量増大器18の形状は、前記蒸留フラスコ2の操作台から離れる距離に応じて選択される適切なコーナ継ぎ手管構造又は偏平ボトル構造であってもよく、前記定量容量増大器18が前記定量チューブ13のすり合わせと組み合わせて密封すればよい。図4に示す構造のように、好ましい設計として、定量チューブ1から流下した溶液を入れるように、前記定量容量増大器18のボトルの口外に一定量の容積を残しておく必要があり、前記定量容量増大器18と一体的に成形されたしずく受け20により実現される。
【0069】
図3に示すエバポレータ構造において、前記加熱部品は前記蒸留フラスコ2における蒸留対象液を加熱し蒸発処理を行うことに使用される。本実施例において、前記加熱部品は前記蒸留フラスコ2の外壁に設けられる電気加熱テープ16であり、前記電気加熱テープ16は蒸留フラスコ2のフラスコ壁の熱伝導を介して、その中の濃縮対象液を加熱し蒸発させ、好ましくは、均一な加熱を確保するように、前記電気加熱テープ16を前記蒸留フラスコ2の外壁に巻き付ける。また、前記電気加熱テープ16の外層にガラス繊維ベルトが設けられており、断熱材及び固定層として前記電気加熱テープを断熱及び固定する。前記電気加熱テープ16と前記蒸留フラスコ2の外壁との間に、加熱温度を検出する温度調節器のセンサプローブがさらに設けられている。
【0070】
本実施例に係るエバポレータは、蒸留を開始する場合、前記第2排出弁9及び第2排液弁15を閉じることで、前記回収フラスコ4及び前記蒸留フラスコ2において依然として蒸留システム内部の負圧状態を保っている。蒸留過程で留分量及び濃縮液量の時々刻々の微妙な変化を観察する。留分又は濃縮液量が設計される正確な量に達する場合、即時に蒸留を止めると同時に、前記第1排出弁6及び第1排液弁12を閉じ、前記第2排出弁9及び第2排液弁15を開く。この場合、正確に定量される留分又は濃縮液が排出されて、蒸留収率を決めることに使用される。蒸留収率が一致する条件で、留分又は濃縮液の各成分等の反応留分又は濃縮液の品質の優劣の指標を測定し、異なる蒸留サンプルの濃縮液及び留分の性能を検討比較することに使用され、さらに、同じ蒸留サンプルの異なる蒸留段階における留分及び異なる濃縮程度の濃縮液の性能差異を検討することに使用される。
【0071】
以上、本発明の実施例を詳述した。本明細書において具体的な例により本発明の原理及び実施の態様を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその主旨を理解させるために用いられるものに過ぎない。また、当業者であれば、本発明の趣旨に従い、具体的実施の態様及び適用範囲について全て変更される部分がある。要するに、本明細書の内容は本発明を制限するものと理解すべきではない。
【符号の説明】
【0072】
1 ホルダ
2 蒸留フラスコ
3 凝縮器
4 回収フラスコ
5 回収フラスコの排出口
6 第1排出弁
7 計量チューブ
8 計量目盛線
9 第2排出弁
10 回転モータ
11 蒸留フラスコの排液口
12 第1排液弁
13 定量チューブ
14 定量目盛線
15 第2排液弁
16 電気加熱テープ
17 計量容量拡大器
18 定量容量増大器
19 治具
20 しずく受け
図1
図2
図3
図4