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特許7121825ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム
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  • 特許-ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム 図1
  • 特許-ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム 図2
  • 特許-ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム 図3
  • 特許-ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム 図4
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  • 特許-ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/05 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
G04B37/05 F
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021073040
(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公開番号】P2022048966
(43)【公開日】2022-03-28
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】20196111.7
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507276380
【氏名又は名称】オメガ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・レッチャー
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-108978(JP,A)
【文献】特開平09-218276(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01450218(EP,A1)
【文献】実公昭45-026137(JP,Y1)
【文献】実公昭48-033328(JP,Y1)
【文献】スイス国特許発明第257462(CH,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/04-37/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体的に円形の時計ムーブメント(2)をウォッチ・ケース(20)内で固定するためのシステムであって、前記固定システムは、中に前記時計ムーブメント(2)が配設された外装リング(1)を備え、前記外装リング(1)は上側部分と下側部分との間に延在しており、前記時計ムーブメント(2)の直径(D)の対向する2つの端部に配設された第1および第2の固定手段を使用して、前記時計ムーブメント(2)が前記外装リング(1)の前記下側部分において固定されており、前記第1および第2の固定手段から角度方向にオフセットした、前記外装リング(1)の前記上側部分において固定された少なくとも第3の固定手段により、前記時計ムーブメント(2)を前記外装リング(1)内でブロックすることができる、固定するためのシステム。
【請求項2】
保持部品を備え、前記時計ムーブメント(2)は、前記保持部品と前記外装リング(1)との間に挟まれ、前記保持部品は、前記少なくとも第3の固定手段を使用して前記外装リング(1)に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の固定システム。
【請求項3】
前記第3の固定手段は、前記時計ムーブメント(2)の前記直径(D)の前記対向する端部に配設された前記第1および第2の固定手段から角度方向に90°オフセットしていることを特徴とする、請求項1または2に記載の固定システム。
【請求項4】
全体的に円形の時計ムーブメント(2)をウォッチ・ケース(20)内で固定するためのシステムであって、前記固定システムは、中に前記時計ムーブメント(2)が配設された外装リング(1)を備え、前記外装リング(1)は上側部分と下側部分との間に延在しており、前記時計ムーブメント(2)は、角度方向に離間した、前記外装リング(1)の前記上側部分において固定された第1、第2、および第3の固定手段により、前記外装リング(1)内でブロックされ、さらに保持部品を備え、前記時計ムーブメント(2)は、前記保持部品と前記外装リング(1)との間に挟まれ、前記保持部品は前記第1、第2、および第3の固定手段を使用して前記外装リング(1)に固定される、固定するためのシステム。
【請求項5】
前記第1、第2および第3の固定手段は、角度方向に規則的に離間していることを特徴とする、請求項4に記載の固定システム。
【請求項6】
前記第1、第2および第3の固定手段は、ねじ(4、10、32、38)であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の固定システム。
【請求項7】
前記保持部品はリング(16、36)であることを特徴とする、請求項2および4ならびに請求項2または4を直接的または間接的に引用する請求項3から6のいずれか一項に記載の固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッチ・ケース内で時計ムーブメントを固定するためのシステムに関する。より詳細には、本発明は、ウォッチのケースに配設された外装リングに配置された時計ムーブメントを固定化できるようにするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
時計、特に腕時計は、従来、裏ぶたによって底部において閉じられるミドル部を含む。これらの2つの要素(ミドル部と裏ぶた)が合わさってウォッチ・ケースが形成され、このウォッチ・ケースが、キャリバーとも呼ばれる時計ムーブメントが収容される内部容積を画成する。上部に向かって、ガラスにより保護された文字板がウォッチ・ケースに載せられている。
【0003】
ケースによっては、このような時計ムーブメントは、ウォッチ・ケースの内部容積に直接配置されるか、または外装リングを用いて、この外装リングの中に時計ムーブメントが埋め込まれ、この時計ムーブメントと外装リングによって形成されたアセンブリが、次いでウォッチ・ケースに収容されることによって配置される。
【0004】
ウォッチ・ケース内での時計ムーブメントの固定化は、2本のねじ、またはねじとフランジの2つのアセンブリにのみによって確保されることが多い。これらのねじ、またはねじとフランジのアセンブリにより、時計ムーブメントをミドル部に直接固定するか、または外装リングに固定することが可能になる。これらの固定要素は、時計ムーブメントの直径の対向する2つの端部に配設されるのが通例であるが、実際のところ、このやり方は、非常に適切であると常に証明されているわけではない。実際に、ねじ、またはねじとフランジによって形成されたアセンブリが配設される時計ムーブメントの直径は、1本の軸線を形成し、ウォッチに衝撃が加えられた場合に、この軸線の周りで、時計ムーブメント、および該当する場合には時計ムーブメントが中に配設された外装リングが旋回可能になる。当然ながら、時計ムーブメント、または時計ムーブメント/外装リングのアセンブリが、ウォッチ・ケースの内側でこのように旋回することは回避されるべきである。なぜなら、これにより、ウォッチのいくつかの構成要素に深刻な損傷が引き起こされることがあり、たとえば巻真または修正リューズのシャフトがゆがんだり、文字板の足が破損したりすることがある。文字板が曲がった事例さえも確認された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特にウォッチ・ケースに衝撃が加えられた場合に、このようなウォッチ・ケース内で時計ムーブメントの全体的な固定化を保証できるようにする固定システムを提供することにより、上述した問題およびさらに他の問題を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、第1の態様によれば、本発明の目的は、全体的に円形の時計ムーブメントをウォッチ・ケース内で固定するためのシステムであって、この固定システムは、中に時計ムーブメントが配設された外装リングを備え、外装リングは上側部分と下側部分との間に延在しており、時計ムーブメントの直径の対向する2つの端部に配設された第1および第2の固定手段を使用して、時計ムーブメントが外装リングの下側部分において固定されており、第1および第2の固定手段から角度方向にオフセットした、外装リングの上側部分において固定された少なくとも第3の固定手段により、時計ムーブメントを外装リング内でブロックすることができる、固定するためのシステムである。
【0007】
本発明の特別な実施形態によれば、固定システムは保持部品を備え、時計ムーブメントは、この保持部品と外装リングとの間に挟まれ、保持部品は、少なくとも第3の固定手段を使用して外装リングに固定される。
【0008】
本発明の別の特別な実施形態によれば、第3の固定手段は、時計ムーブメントの直径の対向する端部に配設された第1および第2の固定手段から角度方向に90°オフセットしている。
【0009】
これらの特徴により、本発明は、時計ムーブメントとウォッチ・ケースとの間でしっかりした連結を保証し、それによりウォッチに衝撃が加えられた場合に、ウォッチ・ケースの内側で時計ムーブメントが折り悪く動いてしまうことを防止するための、ウォッチ・ケースの外装リング内に時計ムーブメントを固定するためのシステムを提供する。実際に、時計ムーブメントを外装リングに固定するための第1および第2の手段を相互につなぐ直径の線から角度方向にオフセットした少なくとも第3の固定手段を、この同外装リングの上部に設けることにより、衝撃の場合にウォッチ・ケースに対して時計ムーブメントが旋回する可能性が防止される。ウォッチの所有者がこのウォッチの外側から時計ムーブメントに作用を及ぼせるようにする巻真または修正リューズのシャフトがゆがむ危険性は、こうして回避される。また、これにより、文字板の足を破損する危険性、または文字板が曲がる危険性さえ回避され、これらの状況は、スペア部品がもはや入手不可能な古いウォッチを扱うときには修理不可能である。外装リングの内側での時計ムーブメントの固定化は、外装リングと、第3の固定手段によって固定化される保持部品との間に、この時計ムーブメントを挟むことによって、さらに改善される。
【0010】
また、本発明の目的は、全体的に円形の時計ムーブメントをウォッチ・ケース内で固定するためのシステムであって、この固定システムは、中に時計ムーブメントが配設された外装リングを備え、外装リングは上側部分と下側部分との間に延在しており、時計ムーブメントは、角度方向に離間した、この外装リングの上側部分において固定された第1、第2、および第3の固定手段により、外装リング内でブロックされる、固定するためのシステムでもある。
【0011】
本発明の特別な実施形態によれば、固定システムは保持部品を備え、時計ムーブメントは、この保持部品と外装リングとの間に挟まれ、保持部品は、第1、第2、および第3の固定手段を使用して外装リングに固定される。
【0012】
本発明の別の特別な実施形態によれば、保持部品を外装リングに固定するために使用される第1、第2、および第3の固定手段は、角度方向に規則的に離間している。
【0013】
本発明のこの別の目的は、外装リング内での時計ムーブメントの完全な固定化も保証でき、したがってムーブメントに機械的に連結された部品を損傷する危険性を回避することもできる。実際に、時計ムーブメントが、角度方向に離間した3つの点において外装リングに固定されることにより、外装リングに対する、したがってまたウォッチ・ケースに対する時計ムーブメントのいかなる変位も防止される。外装リングに対する時計ムーブメントの固定化は、3つの固定手段を使用して外装リングに対して固定化される保持部品を用いて、時計ムーブメントを覆うことによって、さらに改善される。
【0014】
本発明の特別な実施形態によれば、時計ムーブメントおよび/または保持部品を外装リングに固定するための手段は、ねじ、またはねじとフランジのアセンブリである。
【0015】
本発明の別の特別な実施形態によれば、保持部品はリングである。
【0016】
本発明の他の特徴および利点は、時計ムーブメントを外装リングに固定するためのシステムの実施形態の、以下に示す詳細な説明からより明確になろう。この例は、添付図面と併せて単に例示的に、かつ非限定的に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ウォッチ・ケースの内部容積に外装リングが配置されており、この外装リングは、ねじによってこの外装リングの下側部分において固定された時計ムーブメントを受けている、ウォッチ・ケースの断面図である。
図2】時計ムーブメントの直径の対向する2つの端部に配設された第1および第2のねじを使用して、外装リングの下側部分において時計ムーブメントが固定されている、図1の外装リングの底面図である。
図3】本発明の第1の態様により、第1および第2の固定手段から角度方向にオフセットした、外装リングの上側部分において固定された少なくとも第3の固定手段を使用して、時計ムーブメントが固定化されている、図2の外装リングの上面図である。
図4】保持部品が付加されており、この保持部品と外装リングとの間に時計ムーブメントが挟まれており、この保持部品が、第3の固定手段を使用して外装リングに固定されている、図3に類似した図である。
図5図4に示す外装リングへの時計ムーブメントの固定を示す断面図である。
図6】本発明の第2の態様により、外装リングの上側部分において固定された第1、第2、および第3の固定手段を使用して時計ムーブメントが固定化されている、外装リングの上面図である。
図7】時計ムーブメントが保持部品と外装リングとの間に挟まれており、この保持部品が、第1、第2、および第3の固定手段を使用して外装リングに固定化されていることを確認できる、図6に類似した図である。
図8】ねじとフランジの固定アセンブリを用いた、ウォッチ・ケース内での時計ムーブメントと外装リングの固定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ウォッチの時計ムーブメントを外装リングに対して固定化できるようにする固定システムを提供するという全体的な発明の概念に由来する。したがって、ウォッチに衝撃が加えられた場合に、外装リングおよびウォッチ・ケースに対する時計ムーブメントの相対的な動きを防止することが可能であり、それにより時計ムーブメントに機械的に連結されている巻真または修正シャフトなどの部品が損傷する危険性が回避される。本発明が特に非常に有利なのは、時計ムーブメントの直径の対向する端部に配設された、ウォッチに衝撃が加えられた場合に時計ムーブメントがその周りで旋回可能になる軸線を画成する2本のねじを用いて、なお外装リングの下側部分において固定されている多数の時計ムーブメントである。コストがかかる時計ムーブメントの配置を再考する必要なく、本発明は、時計ムーブメントを外装リングに固定する最初の2本のねじから角度方向にオフセットした、ねじなどの第3の固定手段を使用して、外装リングの上側部分において時計ムーブメントを固定化することを教示する。こうして、外装リングの内側で時計ムーブメントが変位する可能性が防止され、それによりウォッチ・ケースに衝撃が加えられた場合に、時計ムーブメントに連結された機械的部品を損傷する危険性がなくなる。また、時計ムーブメントをリングなどの保持部品によって覆い、時計ムーブメントを外装リングに固定するねじ同士をつなぐ線から角度方向にオフセットした少なくとも1本のねじを用いて、このリングを外装リングに固定することも提案される。こうして、ウォッチに衝撃が加えられた場合に、時計ムーブメントの完全な固定化が保証される。互いに角度方向に離間した少なくとも3本のねじを用いて、外装リングの上側部分において時計ムーブメントを固定することを選択する場合には、時計ムーブメントを外装リングの下側部分において固定する必要性を回避することさえ可能である。またこの場合には、外装リングと、この外装リングにねじによって固定される保持部品との間に、時計ムーブメントを挟むことが可能である。
【0019】
図1は、時計ムーブメント2が収容されている外装リング1の部分断面図である。図1および図2を併せて検討することによって理解できるように、時計ムーブメント2は、この時計ムーブメント2の直径Dの対向する2つの端部に配設された第1および第2の固定手段を使用して、外装リング1の下側部分において固定される。好ましいが非限定的な態様では、第1および第2の固定手段はそれぞれ、ヘッド6が設けられたねじ4から形成される。全体的に円形の時計ムーブメント2には、カラー8が設けてあり、時計ムーブメント2の厚さにねじ4がねじ込まれるとき、このカラー8により、時計ムーブメント2は外装リング1に当接する。最終的に、外装リング1は、カラー8と2本のねじ4のヘッド6との間にクランプ留めされる。
【0020】
この時計ムーブメントの直径の対向する端部に配設された2本のねじを用いて外装リングに時計ムーブメントを固定することは、長く知られており問題のある解決策である。実際に、ウォッチに衝撃が加えられた場合に、2本のねじを互いにつなぐ時計ムーブメントの直径は、時計ムーブメントがその周りで旋回可能になる軸線を形成する。このような事態が生じると、時計ムーブメントに機械的に連結されている部品が損傷したり、破損したりさえする恐れがあり、これは時計ムーブメントから短い距離を置いてその上方に位置付けられた文字板の足についても同様である。文字板が曲がる場合さえある。この理由から、特に衝撃が生じた場合に、ウォッチ・ケースの内側で時計ムーブメントが変位するのを防止するために、時計ムーブメントを固定化するための追加の手段を提供する必要性が生じている。
【0021】
この理由から、本発明の第1の態様によれば、外装リングの上側部分において時計ムーブメントを固定するための第3の手段が提供される。この解決策が、本特許明細書に添付の図3に示してあり、この図では、ねじ10などの第3の固定手段が、外装リング1の上側部分にねじ込まれていることを確認することができる。このねじ10にはヘッド12が設けてあり、このヘッド12が、時計ムーブメント2のリム14に部分的に当接する。ねじ10は、外装リング1の下側部分において時計ムーブメント2を固定するために使用されているねじ4から、角度方向にたとえば90°オフセットしており、それにより外装リング1内でのこの時計ムーブメント2の完全な固定化が保証される。
【0022】
図4に示してある本発明の特別な実施形態によれば、時計ムーブメント2が、リング16などの保持部品によって覆われ、このリング16は、このリング16と外装リング1との間に時計ムーブメント2を挟むように、ねじ10によって外装リング1に固定される。こうして、外装リング1内で時計ムーブメント2の固定化がさらに改善され、外装リング1における時計ムーブメント2の取付けの仕上がり品質が高まる。
【0023】
図5は、図4に示す外装リング1への時計ムーブメント2の固定を示す断面図である。この図5において確認できるように、中に時計ムーブメント2が収容されている外装リング1は、ミドル部22および裏ぶた24から形成されたウォッチ・ケース20の内部容積18に配設され、圧縮シール26が、外装リング1とこの裏ぶた24との間に介在している。
【0024】
時計ムーブメント2にはカラー28が設けてあり、このカラー28によって、時計ムーブメント2は外装リング1に設けられたショルダ30に載るので、時計ムーブメント2は、カラー28に当接するリング16タイプの保持部品によって覆われて、このリング16と外装リング1の間に時計ムーブメント2が挟まれる。最終的に、ねじ10が、リング16を貫通して外装リング1にねじ込まれ、このリング16にねじ10がそのヘッド12で当接する。
【0025】
図6に示してある本発明の第2の態様によれば、外装リング1の下側部分における時計ムーブメント2の固定を省く一方で、それでもなお外装リング1内で時計ムーブメント2の完全な固定化を保証することが可能である。この目的のために、外装リング1の上側部分にねじ込まれるねじ32など、第1、第2、および第3の固定手段を使用して、外装リング1に時計ムーブメント2を固定することが実現される。これらのねじ32は、好ましくは規則的に、互いに角度方向に離間している。これらのねじには、それぞれヘッド34が設けてあり、このヘッド34が、時計ムーブメント2のリム14に部分的に当接する。したがって、角度方向に離間した3つの点において外装リング1に固定されているので、外装リング1内での時計ムーブメント2のいかなる変位も不可能になる。時計ムーブメント2の相互係止の仕上がり品質を向上させるために、図7に示してあるように、リング36などの保持部品と外装リング1との間に時計ムーブメントを挟むことが可能であり、リング36は、3本のねじ32を使用して、この外装リング1の上側部分に固定される。
【0026】
最後に、図8は、外装リング1と時計ムーブメント2によって形成されたアセンブリの、ウォッチ・ケース20への取付けを示す。この図8では、フランジ40が介在した状態でねじ38が外装リング1にねじ込まれており、このフランジ40は、ミドル部22に形成されたショルダ42に当接していることが確認される。その一方で、時計ムーブメント2のカラー28に当接するリング16が、下側縁部44で外装リング1に当接していることも確認することができる。
【0027】
当然ながら、本発明は、説明したばかりの実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正形態および簡単な変形形態が、当業者によって考案されてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 外装リング
2 時計ムーブメント
D 直径
4 ねじ
6 ヘッド
8 カラー
10 ねじ
12 ヘッド
14 リム
16 リング
18 内部容積
20 ウォッチ・ケース
22 ミドル部
24 裏ぶた
26 圧縮シール
28 カラー
30 ショルダ
32 ねじ
34 ヘッド
36 リング
38 ねじ
40 フランジ
42 ショルダ
44 下側縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8