(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-09
(45)【発行日】2022-08-18
(54)【発明の名称】乳酸菌
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20220810BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20220810BHJP
【FI】
C12N1/20 A ZNA
A23L33/135
(21)【出願番号】P 2022051559
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2022-03-28
【微生物の受託番号】NPMD NITE P-03563
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301032517
【氏名又は名称】エバラ食品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】大橋 篤
【審査官】中野 あい
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/058798(WO,A2)
【文献】特開2006-291146(JP,A)
【文献】特開2008-104375(JP,A)
【文献】特開2009-191276(JP,A)
【文献】Fermentation, 2022.01.12, vol. 8, article no. 29, pp. 1-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00- 7/08
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/
AGRICOLA/BIOTECHNO/CABA/SCISEARCH/
TOXCENTER(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受託番号がNITE P-03563であるペディオコッカス sp.(Pediococcus sp.)の乳酸菌。
【請求項2】
粉末である請求項1に記載の乳酸菌。
【請求項3】
飲食品である請求項1または2に記載の乳酸菌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳酸菌に関する。
【背景技術】
【0002】
生体内で発生する過酸化水素(H2O2)は、活性酸素の一種であり、生体内においては有害な物質であることが知られている。ヒトについても、多くの疾病と過酸化水素との関連が示唆されている。そこで、過酸化水素の分解活性(過酸化水素消去作用)をもつとして、例えば特許文献1には、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) TY-1572株(NITE P-90)由来の過酸化物分解酵素が記載されている。この過酸化物分解酵素は、NAD(P)Hの存在下、過酸化物に高い反応性を示し、過酸化水素にも反応する基質特異性と、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動による測定において43kDaの分子量とを有する。
【0003】
乳酸菌については、ヒトの体内において種々の優れた働きをすることから、乳酸菌(乳酸菌の培養物、当該培養物から集菌された菌体を含む)を摂取することの意義は大きい。例えば、特許文献2には、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する乳酸菌またはペディオコッカス属(Pediococcus)に属する乳酸菌を培養して得られる培養物、この培養物から集菌された菌体を有効成分とする抗酸化剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-050366号公報
【文献】特開2006-291146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乳酸菌は、周知の通り、ヒトをはじめとする哺乳類の生体内にも多種存在するが、摂取した場合に発現する働き(機能)及びその強弱は個体毎に異なる。すなわち、ある個体において良好な働きを十分に示す乳酸菌であっても、他の個体において同様な働きを示すとは限らない。したがって、過酸化水素の分解活性をもつ乳酸菌が新たに見いだされることは、摂取の選択肢が増えることになり望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、過酸化水素の分解活性に優れた乳酸菌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、受託番号がNITE P-03563であるペディオコッカス sp.(Pediococcus sp.)の乳酸菌である。
【0008】
上記乳酸菌は、粉末であってもよい。乳酸菌は飲食品であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の乳酸菌は、過酸化水素の分解活性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】過酸化水素の分解活性の評価結果を示すグラフである。
【
図1B】クメンヒドロキシペルオキシドの分解活性の評価結果を示すグラフである。
【
図2B】胃酸及び胆汁酸に対する評価結果を示すグラフである。
【
図3】乳酸の産生能の評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態において、乳酸菌(以下、本乳酸菌と称する)は、ペディオコッカス sp.(Pediococcus sp.)の新規の乳酸菌株であり、2021年11月26日付で、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)(郵便番号292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、受託番号NITE P-03563にて寄託されている。
【0012】
本乳酸菌は、糠から単離されたものである。
【0013】
本乳酸菌の菌学的性状は以下の通りである。
1.形態的性状
下記はいずれもMRS寒天培地での30℃、48時間、好気培養による。
(1)形態 :球菌(大きさφは1.0μm以上1.2μm以下の範囲内)
(2)グラム染色性 :+(陽性)
(3)胞子形成(芽胞形成):-(陰性)
(4)運動性 :-(陰性)
(5)コロニー形態:白色、円形、光沢有り
【0014】
2.生理的性質
(1)生育能
15℃での生育能:+(陽性)
37℃での生育能:+(陽性)
45℃での生育能:+(陽性)
(2)カタラーゼ反応 :+(陽性)
(3)各種糖質の発酵性(糖資化性):表1に示す。測定は、API50CH(ビオメリュー・ジャパン株式会社製)を用いて実施した。15種の糖質について発酵性が認められている。表1において、「+」は陽性、「-」は陰性を示す。
【0015】
【0016】
(4)各種培地での増殖性
本乳酸菌を前培養と本培養とにより以下のように培養し、本培養開始前における培養液のpH(水素イオン濃度指数)及び培養液のOD(光学密度、波長は660nm、以下OD660と記載する)と、本培養終了後における培養液のpH及び培養液のOD660とを測定した。本乳酸菌を含む凍結グリセロールストックをMRS寒天培地に接種し、37℃、24時間培養した。前培養は、このMRS寒天培地上に出現したコロニーの1白金耳分を、ねじ口試験管に収容された10mlのMRS液体培地に接種し、37℃、24時間静置することにより行った。本培養は、前培養で得られた前培養液を、ねじ口試験管に収容された10mlの培地に対して1%(v/v)接種し、37℃、24時間静置することにより行った。本培養で用いた上記10mlの培地は、培地A~培地Fの6種である。培地AはMRS(乳酸菌用)、培地BはGAM(嫌気性菌用)、培地CはYM(真菌用)、培地DはM17(乳酸菌用)、培地EはSkim milk(乳酸菌用、動物性)、培地Fは肉汁培地(乳酸菌等用)であり、これらの各成分配合及び菌にとっての用途は表2に示す。なお、表2は、東京農業学菌株カタログ第三版2020による。pH及びOD660の結果は表3に示す。表3において、「0h」は本培養開始時、「24h」は本培養終了後であることを意味し、pHの「低下度」とODの「増加度」とは、本培養終了後の値から開始前の値を減算して求めた値である。
【0017】
【0018】
【0019】
表3の結果から、本乳酸菌は、培地Eにおいては増殖は認められず、その他の培地A~D、Fにおいて増殖が認められた。このように、本乳酸菌は、入手しやすい多くの培地で培養することができる。また、培地Aにおいて最も増殖し、その増殖性が非常に高いことから、培養が容易であることがわかる。
【0020】
(5)過酸化水素の分解活性
過酸化水素(H2O2)は、水素原子にヒドロペルオキシド基を有する過酸化物であり、本乳酸菌の過酸化水素の分解活性を評価した。本乳酸菌は、まず、MRS液体培地で30℃、24時間静置培養した。この培養物から培養菌体を回収して、培養菌体を含有する菌体懸濁液を被検液とした。回収は、10000rpm、5分の遠心分離し、リン酸緩衝液(pH7.4)にて洗浄した後に、さらに、10000rpm、5分の遠心分離を行うことにより行った。被検液はOD660=1.6となるようにリン酸緩衝液(pH7.4)を加えて濃度調整し、その培養菌体を遠心分離により取得した。この菌体に終濃度3mMとなるように過酸化水素を添加した。分解反応条件は、37℃、1時間とし、反応終了後の反応液を遠心分離し、上清をリン酸緩衝液(pH7.4)を加えて30倍希釈し、過酸化水素の残存量を、呈色反応(FOX assay)にて測定した。この測定結果から過酸化水素の減少濃度(単位;μM(マイクロモル))を求めた。
【0021】
過酸化水素の残存量の測定方法は、以下である。試験管に分解反応終了後の上清を200μl入れ、これに25mM硫酸を0.8ml、Fox assay緩衝液を1.0ml添加して懸濁した溶液を、室温にて30分反応させ、この反応溶液について分光光度計にて540nmにおける吸光度を測定した。Fox assay緩衝液は、25mM硫酸に硫酸アンモニウム第二鉄六水和物とキシレノールオレンジとをそれぞれ終濃度200μMとなるように溶解し調製した。過酸化水素の標準物質の吸光度より作成した検量線にて上清中の各成分濃度を算出した。なお、後述のクメンヒドロキシペルオキシドに対する分解性の評価においては、検量線をクメンヒドロキシペルオキシドの標準物質の吸光度により作成した。
【0022】
また、比較として、下記の標準菌株a~iについても同様に評価した。標準菌株a~iは以下の通りである。標準菌株aは、本乳酸菌に近縁な標準菌株であり、標準菌株b~iは、ヒトの腸内に通常存在すると言われる標準的な菌株である。
標準菌株a;Pediococcus acidilactici NRIC0115
標準菌株b;Lactobacillus rhamnosus NRIC1043
標準菌株c;Enterococcus faecalis NRIC1142
標準菌株d;Lactobacillus casei subsp. casei NRIC1042
標準菌株e;Lactobacillus acidophilus NRIC1547
標準菌株f;Lactococcus lactis subsp. lactis NRIC1149
標準菌株g;Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus NRIC1688
標準菌株h;Lactobacillus delbrueckii subsp.delbrueckii NRIC1053
標準菌株i;Lactobacillus gasseri NRIC1546
【0023】
本乳酸菌と各標準菌株a~iとの各結果は
図1Aに示す。なお、
図1A及び他の各図において、本乳酸菌は「x」で示す。100μMを残存率100%とした場合に、本乳酸菌は、過酸化水素の減少濃度が32.9μMであり、ヒトの腸内に通常存在すると言われる標準菌株b~iと比べて、過酸化水素の減少濃度が約2倍であり、本乳酸菌株に近縁な標準菌株aと比べても大きいことがわかる。このように、本乳酸菌は過酸化水素の分解活性に優れる。
【0024】
本乳酸菌の、クメンヒドロキシペルオキシドに対する分解活性も評価した。クメンヒドロキシペルオキシドは、ヒトの生体内には通常存在するものではないものの、過酸化物のひとつではある。評価方法及び条件は、分解反応条件を37℃、3時間とした以外は、過酸化水素に対する分解活性の場合と同様である。また、標準菌株a~iについても同様にクメンヒドロキシペルオキシドの分解活性を評価した。
【0025】
本乳酸菌と各標準菌株a~iとの各結果は
図1Bに示す。
図1Bに示すように、本乳酸菌はクメンヒドロキシペルオキシドに対しても分解活性を示し、分解活性は腸内に通常存在すると言われる標準菌株b、c、f、hと比べて低いものの、標準菌株d、e、g、iに比べて高く、また、近縁な標準菌株aと比べても高い。このように、本乳酸菌は、クメンヒドロキシペルオキシドの分解にも一定の効果を示し、過酸化水素以外の過酸化物の分解活性にも優れることがわかる。
【0026】
(6)胃酸及び胆汁酸に対する耐性
(6-1)胃酸耐性
本乳酸菌及び標準菌株a~iについて胃酸耐性について以下の方法で評価した。すなわち、pH2.5に調整したMRS液体培地に終濃度0.04%となるようペプシンを添加した液体培地を人工胃液培地として調製し、この人工胃液培地を用いた評価を、胃酸耐性の評価とした。本乳酸菌及び標準菌株a~iは、前述の方法と同様に培養及び遠心分離して菌体を回収し、回収菌体をリン酸緩衝液にて洗浄した後、OD660=1.0に菌液を調製し、人工胃液培地に1%接種して3時間処理した。
【0027】
評価結果は、
図2Aに示す。この結果によると、ヒトの腸内に通常存在すると言われる標準菌株b~hは生存率が0%に近い一方で、本乳酸菌は50%を超える生存率を示しており、非常に高いことがわかる。このことから、本乳酸菌はヒトの腸内に通常存在すると言われる多くの乳酸菌よりも優れた胃酸耐性を示すことを期待することができる。
【0028】
(6-2)胃酸及び胆汁酸耐性
本乳酸菌及び標準菌株a~iについて胆汁酸耐性について以下の方法で評価した。MRS液体培地に終濃度0.3%oxygallとなるよう添加した培地を人工胆汁酸培地とした。上記の胃酸処理を経た処理液を人工胆汁酸培地に対して1%添加して20時間処理し、この処理後の生菌数(単位;cfu/ml)を、胆汁酸耐性として評価した。
【0029】
評価結果は、
図2Bに示す。この結果によると、本乳酸菌は生菌数が多く、その生菌数はいずれの標準菌株a~iと比べても高いことがわかる。したがって、本乳酸菌は胃酸及び胆汁酸に対して優れた耐性を示すことが期待できる。このことから、ヒトの腸内に通常存在すると言われる多くの乳酸菌よりも胃酸耐性及び胆汁酸耐性を示すこと、すなわち、生きたまま腸に届くことが期待される。
【0030】
(7)乳酸産生能
胃酸及び胆汁酸処理された場合の本乳酸菌の活性を評価するために、人工胃液培地(pH2.5)処理(処理時間は3h)及びその後の人工胆汁酸培地(0.3%oxygall)処理(処理時間は20h)を経た後の乳酸量(乳酸産生能)を測定した。なお、本乳酸菌との比較として、標準菌株a~iについても同様に乳酸量を測定した。
【0031】
乳酸量の測定は、イオン排除クロマトグラフィ、及びポストカラムpH緩衝化電気伝導度検出法を用いて行った。分析条件は以下のとおりである。
・カラム :Shim-pack SCR-102H 2本(8mm×300mm)、ガードカラム付き
・ポンプ1 :移動相:5mM p-トルエンスルホン酸水溶液
流量:0.8ml/min
・ポンプ2 :反応液:5mM p-トルエンスルホン酸、100μM EDTA含有20mM Bis-Tris水溶液
流量:0.8ml/min
・カラム温度 :40℃
・検出器 :POLARITY:+、DISPLAY:BACK GROUND、RESPONSE:SLOW、GAIN:1
・サンプル注入量:10μl
・1サイクル :35分
【0032】
評価結果は、
図3に示す。本乳酸菌は、ヒトの腸内に通常存在する標準菌株b~iと比べて、産生した乳酸量が非常に多く、近縁の標準菌株aと比べても、産生した乳酸量が多い。すなわち、本乳酸菌は、活性がより高い状態が保持され、活性が高い状態で腸に届くことが期待される。
【0033】
3.16S rDNA遺伝子解析結果
16S rDNA部分塩基配列について解析を行った。解析条件は以下である。なお、解析は(株)テクノスルガ・ラボにて行い、以下の解析条件等は、(株)テクノスルガ・ラボの「細菌 Standard-Full報告書」による。
・DNA抽出:アクロモペプチターゼ(FUJIFILM Wako Pure Chemical,Japan)
・PCR増幅:PrimeSTAR HS DNA Polymerase(Takara Bio,Japan)
・サイクルシークエンス:BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems,USA)
・使用プライマー:PCR増幅;9F,1510R
シークエンス;9F,515F,1099F,536R,926R,1510R
・シークエンス:ABI PRISM 3130 xl Genetic Analyzer System(Applied Biosystems)
・塩基配列決定:ChromasPro2.1(Technelysium ,AUS)
・BLAST相同性検索:解析ソフトウエア:ENKI(TechnoSuruga Laboratory)
データベース DB-BA15.0(TechnoSuruga Laboratory)
国際塩基配列データベース(DDBJ/ENA(EMBL)/GenBank)
検索日:2020年1月23日
【0034】
微生物同定システム「ENKI(登録商標)」を用いたDB-BA(微生物同定データベース、細菌用)に対するBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)相同性検索の結果、本乳酸菌の16S rDNA部分塩基配列は、Pediococcus acidilactici DSM 20284T(AJ305320)に対して相同率99.5%を示した。上記Pediococcus acidilactici DSM 20284T株は、Pediococcus acidilactici NRIC0115と同じ菌株である。DB-BAに対する相同性検索で得られた塩基配列を基に解析した簡易分子系統樹の推定の結果、本乳酸菌はPediococcus acidilactici DSM 20284T(AJ305320)と100%の高いブーストラップ値で支持されるクラスターを形成し、近縁であることが示された。本系統解析は近隣結合法にて行っており、その際の塩基置換モデルとしてはKimura-2-parameterを用い、樹形の信頼性評価はブートストラップ法(1000反復)にて行っている。
【0035】
また、(株)テクノスルガ・ラボによる、本乳酸菌の国際塩基配列データベースに対するBLAST検索結果を表4に示す。相同性スコアで上位30に検索された16S rDNA塩基配列データを示すものである。以上の結果より、本乳酸菌はPediococcus acidilacticiに近縁なPediococcus sp.であることが判った。
【0036】
【0037】
本乳酸菌の16S rDNA部分塩基配列は、配列表に示す。
【0038】
本乳酸菌は、粉末にすることができる。すなわち、粉末の集合体である粉体の態様で、保管、流通、使用することができる。本例における本乳酸菌の粉末は、粒径が概ね試験用ふるい(日本工業規格JIS Z8801-1)公称目開き355μmパス(メッシュNo.45を通過)、63μmオン(メッシュNo.230上に残留)の範囲内である。粉末化は、以下の方法で行うことができる。すなわち、前述のように培養して得られた培養液を、遠心分離することにより上清を除去して本乳酸菌の菌体を得て、得られた菌体を凍結した後、真空乾燥(減圧乾燥)し、粉砕する方法である。遠心分離の回転数は、概ね10000rpmでよい。ただし、粉末化の方法はこの方法に限られず、乳酸菌の粉末化として知られる公知の手法を用いてもよい。
【0039】
本乳酸菌は、喫食することができる飲食品(食品及び飲料)として利用することができる。したがって、本乳酸菌は、他の飲食品とともに喫食してもよいし、単独で喫食してもよい。他の飲食品と喫食する例としては、ヨーグルト、ジャム、ふりかけ等の食品とともに喫食することができる。単独で喫食する場合には、粉末とされた本乳酸菌を、例えば水等の飲料により経口摂取する方法が挙げられる。
【要約】
【課題】過酸化水素の分解活性に優れた乳酸菌を提供する。
【解決手段】本乳酸菌は、2021年11月26日付で、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)(郵便番号292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に受託されている。本乳酸菌は、受託番号がNITE P-03563であるペディオコッカス sp.(Pediococcus sp.)の新規の乳酸菌である。本乳酸菌は、粉末であってもよい。本乳酸菌は飲食品であってもよい。
【選択図】なし
【配列表】