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公報発行日 2022年8月19
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【課題】配線材料又は接合材料として用いた場合に銅配線等の導電性や伝熱性に優れ、電子回路を形成する際に微細な配線パターンを実現でき、かつ金属不純物の拡散により他部材の特性を損なうことがない。
【解決手段】粒子表面がカルボン酸銅由来の有機分子により構成された有機保護膜で被覆され、粒子に含まれる酸化還元電位が銅より卑な金属の合計した不純物濃度が10質量ppm未満であって、一次粒子の平均粒径が50nmを超え200nm以下の銅粒子である。銅粒子を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて分析したときに、CuC2O2H-イオンの検出量が、Cu+イオンの検出量に対して0.02倍以上の範囲にあって、C2H3O2-イオンの検出量が、Cu+イオンの検出量に対して0.02倍以上の範囲にある。
【選択図】図1
本発明の第1の観点の銅粒子は、粒子表面がカルボン酸銅由来の有機分子により構成された有機保護膜で被覆されるため、銅粒子の保管中の耐酸化性に優れる。特に特許文献4に示される銅粒子では、アミン化合物やカルボン酸化合物のような添加物による保護剤で粒子表面が被覆されるため、金属不純物の混入リスクが高いのに対して、本発明の第1の観点の銅粒子は粒子表面がカルボン酸銅由来であるため、金属不純物の混入リスクが低い特長がある。また、酸化還元電位が銅より卑な金属の不純物濃度が10質量ppm未満であるため、銅粒子を配線材料又は接合材料として用いた場合に金属不純物の拡散により他部材の特性を損なうことがない。また、銅粒子は、一次粒子の平均粒径が50nmを超え200nm以下の範囲にあるため、配線材料又は接合材料として用いた場合に銅配線等の導電性や伝熱性に優れ、電子回路を形成する際に微細な配線パターンを実現できるとともに、銅粒子の反応面積が大きく、加熱による反応性が高く、これにより銅粒子を比較的低温で焼結させることができる。
また、本発明の第1の観点の銅粒子は、銅粒子を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて分析したときに、CuC2O2H-イオンの検出量が、Cu+イオンの検出量に対して0.02倍以上の範囲にあって、C2H3O2-イオンの検出量が、Cu+イオンの検出量に対して0.02倍以上の範囲にあるため、銅粒子を保護するうえで、有機保護膜の量が不足しない。この有機保護膜により、銅粒子の表面が酸化せず、かつ銅粒子同士の凝集を防ぐことができる。
本発明の第2の観点の銅粒子の製造方法では、銅イオンの供給源を液中の水溶性の錯体からではなく、カルボン酸銅という金属化合物を銅イオンの供給源とすることにより、カルボン酸銅から僅かに溶出する銅イオンと、還元剤であるヒドラジン化合物とを逐次反応させるため、酸性領域でも液中の銅イオン濃度を低下させることが可能となり、一次粒子の平均粒径が50nmを超え200nm以下の範囲の銅粒子を得ることができる。
また、カルボン酸銅を構成する非金属部分である有機分子が、表面保護膜として、銅粒子のコア粒子表面を被覆するため、特許文献4に示すような、銅粒子の凝集を防止するための分散剤や表面保護剤を用いなくても済み、また表面保護剤に起因する不純物の混入がなく、銅粒子の不純物濃度をより一層低下させることができる。また有機分子が銅粒子の表面に存在するため、銅粒子(コア粒子)の溶解を抑制し、銅イオンが水酸化銅(II)になりにくくかつ水酸化銅(II)として沈殿しにくく、目標とする粒子を高収率で製造することができる。更に得られた銅粒子の保管中の耐酸化性に優れる。
更に、カルボン酸銅の水分散液のpHを3以上6未満の酸性領域に調整しておき、酸化還元電位が-0.7V~-0.5Vのヒドラジン化合物で60℃~75℃の温度で、所定の時間、カルボン酸銅を還元すると、特許文献5に記載のpH6~7の中和に近いpH値を含まないため、銅イオンの酸化還元電位とヒドラジン化合物の酸化還元電位との差が僅かになり、銅より卑な金属の析出が抑制され、銅より卑な金属の不純物濃度が10質量ppm未満となる。また特許文献5に記載された混合物の加熱を80℃の温度で行わないため、カルボン酸銅からの銅イオンの溶出が抑制され、一次粒子の粒径制御が容易になり、特許文献5に示されるBET径80nm~200nmの範囲よりも狭い50nmを超え80nm未満の範囲の一次粒子の平均粒径を得ることもできる。
本発明の第3の観点の銅粒子の製造方法では、水に難溶性であって、炭素数が4~8であるカルボン酸銅からなる群より選ばれた1種又は2種以上の銅塩である。炭素数の異なるカルボン酸銅を用いることにより粒径を変化させることが可能であり、一次粒子の平均粒径が50nmを超え200nm以下の範囲にある銅粒子が得られる。また、2種以上の銅塩を用いることで、粒度分布の調整が可能となる。
本発明の第4の観点の銅粒子の製造方法では、pH調整剤に、残留金属不純物の要因となる、例えばナトリウムを含む水酸化ナトリウムを用いずに、カルボン酸アンモニウムを用いて酸性領域を作り出すため、得られる銅粒子の金属不純物をより一層低減することができる。
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