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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】発泡性飲料移充填方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/04 20060101AFI20220812BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B67D1/04 F
B67D1/08 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018075327
(22)【出願日】2018-04-10
(65)【公開番号】P2019182484
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591036996
【氏名又は名称】フジテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 元博
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-231674(JP,A)
【文献】特開2009-067448(JP,A)
【文献】特開2014-162523(JP,A)
【文献】特開2006-264736(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017988(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性飲料移充填システムを用いて行う大型容器から小型容器への発泡性飲料移充填方法であって、
前記発泡性飲料移充填システムは、
炭酸ガス供給源と、
前記炭酸ガス供給源と前記小型容器とを接続する第1配管と、
前記第1配管に配置された第1バルブと、
前記大型容器と前記小型容器とを接続する第2配管と、
前記第2配管に配置された第2バルブと、
前記炭酸ガス供給源と前記大型容器とを接続する第3配管と、
前記小型容器内のガスを大気に放出する少なくとも1つのガス放出バルブと、
前記第1バルブの開閉、前記第2バルブの開閉、および、前記少なくとも1つのガス放出バルブの開閉を制御する制御装置と
を具備し、
前記発泡性飲料移充填方法は、
前記制御装置が、前記第1バルブに開指令を送り、前記少なくとも1つのガス放出バルブに開指令を送ることにより、前記炭酸ガス供給源から前記小型容器に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給工程と、
前記制御装置が、前記第1バルブに閉指令を送り、前記第2バルブに開指令を送ることにより、前記大型容器から前記小型容器に発泡性飲料を移充填する移充填工程と、
前記制御装置が、前記第2バルブに閉指令を送ることにより、前記大型容器から前記小型容器への発泡性飲料の移充填を停止する移充填停止工程と
を具備し、
取付部が、前記小型容器に取り付けられることにより、前記第2配管が前記小型容器に接続され、且つ、前記大型容器と前記小型容器とを接続する前記第2配管が、前記取付部を貫通するように配置されている状態で、前記炭酸ガス供給工程および前記移充填工程の各々が実行される
発泡性飲料移充填方法。
【請求項2】
記移充填停止工程の実行後に前記第2配管に残留している発泡性飲料の少なくとも一部を、前記移充填工程で発泡性飲料が移充填された前記小型容器に追加して充填する残留飲料充填工程を更に具備する
請求項1に記載の発泡性飲料移充填方法。
【請求項3】
前記移充填工程は、前記小型容器内の圧力が大気圧よりも大きい状態で実行され、
前記移充填工程において、前記炭酸ガス供給源から前記大型容器への炭酸ガスの供給圧力は、0.28MPa以上である
請求項に記載の発泡性飲料移充填方法。
【請求項4】
前記大型容器内の発泡性飲料の温度は常温である
請求項に記載の発泡性飲料移充填方法。
【請求項5】
前記炭酸ガス供給工程と、前記移充填工程と、前記移充填停止工程とが前記制御装置によって連続的かつ自動的に実行される
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の発泡性飲料移充填方法。
【請求項6】
前記移充填工程の実行中に前記大型容器内の発泡性飲料の残量をモニタする残量モニタ工程と、
前記大型容器内の発泡性飲料の残量が所定量以下になったことを報知する報知工程と
を具備し、
前記制御装置は、前記大型容器内の発泡性飲料の残量が所定量以下になると前記第2バルブに閉指令を送り、かつ、前記報知工程を実行する
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の発泡性飲料移充填方法。
【請求項7】
発泡性飲料移充填システムを用いて行う大型容器から小型容器への発泡性飲料移充填方法であって、
前記発泡性飲料移充填システムは、
炭酸ガス供給源と、
前記炭酸ガス供給源と前記小型容器とを接続する第1配管と、
前記第1配管に配置された第1バルブと、
前記大型容器と前記小型容器とを接続する第2配管と、
前記第2配管に配置された第2バルブと、
前記炭酸ガス供給源と前記大型容器とを接続する第3配管と、
前記小型容器内のガスを大気に放出する少なくとも1つのガス放出バルブと、
前記第1バルブの開閉、前記第2バルブの開閉、および、前記少なくとも1つのガス放出バルブの開閉を制御する制御装置と
を具備し、
前記発泡性飲料移充填方法は、
前記制御装置が、前記第1バルブに開指令を送り、前記少なくとも1つのガス放出バルブに開指令を送ることにより、前記炭酸ガス供給源から前記小型容器に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給工程と、
前記制御装置が、前記第1バルブに閉指令を送り、前記第2バルブに開指令を送ることにより、前記大型容器から前記小型容器に発泡性飲料を移充填する移充填工程と、
前記制御装置が、前記第2バルブに閉指令を送ることにより、前記大型容器から前記小型容器への発泡性飲料の移充填を停止する移充填停止工程と、
前記移充填工程の実行中に前記大型容器内の発泡性飲料の残量をモニタする残量モニタ工程と、
前記大型容器内の発泡性飲料の残量が所定量以下になったことを報知する報知工程と
を具備し、
前記制御装置は、前記大型容器内の発泡性飲料の残量が所定量以下になると前記第2バルブに閉指令を送り、かつ、前記報知工程を実行し、
前記発泡性飲料移充填システムは、前記移充填工程の実行期間を計測するタイマーを備え、
前記制御装置は、前記第2バルブが閉鎖された時点での前記タイマーのカウント時間を、前記タイマーから受け取る
発泡性飲料移充填方法。
【請求項8】
発泡性飲料移充填システムを用いて行う大型容器から小型容器への発泡性飲料移充填方法であって、
前記発泡性飲料移充填システムは、
炭酸ガス供給源と、
前記炭酸ガス供給源と前記小型容器とを接続する第1配管と、
前記第1配管に配置された第1バルブと、
前記大型容器と前記小型容器とを接続する第2配管と、
前記第2配管に配置された第2バルブと、
前記炭酸ガス供給源と前記大型容器とを接続する第3配管と、
前記小型容器内のガスを大気に放出する少なくとも1つのガス放出バルブと、
前記第1バルブの開閉、前記第2バルブの開閉、および、前記少なくとも1つのガス放出バルブの開閉を制御する制御装置と
を具備し、
前記発泡性飲料移充填方法は、
前記制御装置が、前記第1バルブに開指令を送り、前記少なくとも1つのガス放出バルブに開指令を送ることにより、前記炭酸ガス供給源から前記小型容器に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給工程と、
前記制御装置が、前記第1バルブに閉指令を送り、前記第2バルブに開指令を送ることにより、前記大型容器から前記小型容器に発泡性飲料を移充填する移充填工程と、
前記制御装置が、前記第2バルブに閉指令を送ることにより、前記大型容器から前記小型容器への発泡性飲料の移充填を停止する移充填停止工程と
を具備し、
前記制御装置は、移充填モードと、洗浄モードとを実行可能であり、
前記移充填モードは、前記炭酸ガス供給工程と、前記移充填工程と、前記移充填停止工程とを含むモードであり、
前記洗浄モードは、前記第2配管の少なくとも一部を洗浄液で洗浄する洗浄工程を含むモードであり、
前記洗浄モードは、前記小型容器が取り付けられていた取付部に、洗浄用の容器が装着された状態で実行される
発泡性飲料移充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
供給容器から受容容器に飲料を移し替える技術が知られている。
【0003】
関連する技術として特許文献1には、酒類等の移し替え器具が記載されている。特許文献1に記載の移し替え器具では、複数の開閉弁および複数の気体開閉弁を操作することにより、供給容器から受容容器に飲料が移し替えられる。
【0004】
また、特許文献2には、充填装置が記載されている。特許文献2に記載の充填装置では、複数のバルブを操作することにより、第1容器から第2容器に飲料が移し替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-72198号公報
【文献】特開2005-231674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載の装置では、複数の弁またはバルブを操作することにより、供給容器から受容容器に飲料が移し替えられる。しかし、特許文献1および特許文献2に記載の装置では、複数の弁またはバルブを操作する手順が複雑であり、かつ、供給容器から受容容器への飲料の移し替え手順を自動的に実行することができない。また、特許文献1および特許文献2に記載の装置では、供給容器から受容容器に飲料を移し替えるときに、飲料から泡が発生することを抑制する対策が施されていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、大型容器から小型容器に発泡性飲料を自動的に移し替えることが可能な発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システムを提供することである。また、本発明の任意付加的な目的は、大型容器から小型容器に発泡性飲料を移し替える際に、飲料から泡が発生することが抑制される発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0009】
いくつかの実施形態における発泡性飲料移充填方法は、発泡性飲料移充填システム(1)を用いて行う大型容器(BC)から小型容器(SC)への発泡性飲料移充填方法である。前記発泡性飲料移充填システム(1)は、炭酸ガス供給源(10)と、前記炭酸ガス供給源(10)と前記小型容器(SC)とを接続する第1配管(P1)と、前記第1配管(P1)に配置された第1バルブ(V1)と、前記大型容器(BC)と前記小型容器(SC)とを接続する第2配管(P2)と、前記第2配管(P2)に配置された第2バルブ(V2)と、前記炭酸ガス供給源(10)と前記大型容器(BC)とを接続する第3配管(P3)と、前記小型容器(SC)内のガスを大気に放出する少なくとも1つのガス放出バルブ(GV)と、前記第1バルブ(V1)の開閉、前記第2バルブ(V2)の開閉、および、前記少なくとも1つのガス放出バルブ(GV)の開閉を制御する制御装置(20)と、を具備する。前記発泡性飲料移充填方法は、前記制御装置(20)が、前記第1バルブ(V1)に開指令を送り、前記少なくとも1つのガス放出バルブ(GV)に開指令を送ることにより、前記炭酸ガス供給源(10)から前記小型容器(SC)に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給工程と、前記制御装置(20)が、前記第1バルブ(V1)に閉指令を送り、前記第2バルブ(V2)に開指令を送ることにより、前記大型容器(BC)から前記小型容器(SC)に発泡性飲料を供給する移充填工程と、前記制御装置(20)が、前記第2バルブ(V2)に閉指令を送ることにより、前記大型容器(BC)から前記小型容器(SC)への発泡性飲料の供給を停止する移充填停止工程と、を具備する。
【0010】
上記発泡性飲料移充填方法において、前記移充填工程は、前記小型容器(SC)内の圧力が大気圧よりも大きい状態で実行されてもよい。また、前記移充填工程において、前記炭酸ガス供給源(10)から前記大型容器(BC)への炭酸ガスの供給圧力は、0.28MPa以上であってもよい。
【0011】
上記発泡性飲料移充填方法において、前記大型容器(BC)内の発泡性飲料の温度は常温であってもよい。
【0012】
上記発泡性飲料移充填方法において、前記炭酸ガス供給工程と、前記移充填工程と、前記移充填停止工程とが前記制御装置(20)によって連続的かつ自動的に実行されてもよい。
【0013】
上記発泡性飲料移充填方法において、前記移充填工程の実行中に前記大型容器(BC)内の発泡性飲料の残量をモニタする残量モニタ工程と、前記大型容器(BC)内の発泡性飲料の残量が所定量以下になったことを報知する報知工程とを具備していてもよい。前記制御装置(20)は、前記大型容器(BC)内の発泡性飲料の残量が所定量以下になると前記第2バルブ(V2)に閉指令を送り、かつ、前記報知工程を実行してもよい。
【0014】
上記発泡性飲料移充填方法において、前記発泡性飲料移充填システム(1)は、前記移充填工程の実行期間を計測するタイマー(TM2)を備えていてもよい。前記制御装置(20)は、前記第2バルブ(V2)が閉鎖された時点での前記タイマー(TM2)のカウント時間を、前記タイマー(TM2)から受け取ってもよい。
【0015】
上記発泡性飲料移充填方法は、前記移充填停止工程の実行後に前記第2配管(P2)に残留している発泡性飲料の少なくとも一部を前記小型容器(SC)に供給する残留飲料供給工程を更に具備していてもよい。
【0016】
上記発泡性飲料移充填方法において、前記制御装置(20)は、移充填モードと、洗浄モードとを実行可能であってもよい。前記移充填モードは、前記炭酸ガス供給工程と、前記移充填工程と、前記移充填停止工程とを含むモードであってもよい。前記洗浄モードは、前記第2配管の少なくとも一部を洗浄液で洗浄する洗浄工程を含むモードであってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態における発泡性飲料移充填システムは、炭酸ガス供給源(10)と、前記炭酸ガス供給源(10)と小型容器(SC)とを接続する第1配管(P1)と、前記第1配管(P1)に配置された第1バルブ(V1)と、大型容器(BC)と前記小型容器(SC)とを接続する第2配管(P2)と、前記第2配管(P2)に配置された第2バルブ(V2)と、前記炭酸ガス供給源(10)と前記大型容器(BC)とを接続する第3配管(P3)と、前記小型容器(SC)内のガスを大気に放出する少なくとも1つのガス放出バルブ(GV)と、前記第1バルブ(V1)の開閉、前記第2バルブ(V2)の開閉、および、前記少なくとも1つのガス放出バルブ(GV)の開閉を制御する制御装置(20)と、を具備する。
【0018】
上記発泡性飲料移充填システムにおいて、前記第1バルブ(V1)、前記第2バルブ(V2)、および、前記少なくとも1つのガス放出バルブ(GV)は、1つのバルブ保持ユニット(60)に固定されていてもよい。
【0019】
上記発泡性飲料移充填システムは、前記大型容器(BC)をバイパスして前記第2配管(P2)に炭酸ガスを送ることにより、前記第2配管(P2)に残存した発泡性飲料を前記小型容器(SC)に送るバイパス配管(P4)を更に具備していてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、大型容器から小型容器に発泡性飲料を自動的に移し替えることが可能な発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、第1の実施形態における発泡性飲料移充填システムを模式的に示す図である。
図2図2は、第1の実施形態の変形例における発泡性飲料移充填システムを模式的に示す図である。
図3図3は、第1の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填システムを模式的に示す図である。
図5図5は、制御ユニットを模式的に示す概略3面図である。
図6図6は、制御ユニットを模式的に示す概略背面図である。
図7A図7Aは、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法、より具体的には、移充填モードの一例を示すフローチャートである。
図7B図7Bは、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法、より具体的には、移充填モードの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図9図9は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図10図10は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図11図11は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図12図12は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図13図13は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図14図14は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法、より具体的には、洗浄モードの一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図16図16は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図17図17は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図18図18は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
図19図19は、第1の実験の実験結果を示すテーブルである。
図20図20は、第1の実験の実験結果を示すグラフである。
図21図21は、第2の実験の実験結果を示すテーブル、および、第3の実験の実験結果を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システム1に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しとなる説明は省略される。なお、以下の実施形態において、飲料は、例えば、「ビール」である。飲料が「ビール」である場合には、以下の実施形態における「飲料」の文言は「ビール」に読み替えられる。「ビール」は、例えば、アルコール入りのビールである。また、実施形態における飲料は、ビール以外の発泡性飲料(例えば、ビール以外の発泡性アルコール飲料、あるいは、発泡性非アルコール飲料)であってもよい。
【0023】
(第1の実施形態)
図1乃至図3を参照して、第1の実施形態における発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システム1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態における発泡性飲料移充填システム1Aを模式的に示す図である。図2は、第1の実施形態の変形例における発泡性飲料移充填システム1Aを模式的に示す図である。図3は、第1の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一例を示すフローチャートである。
【0024】
図1に示されるように、発泡性飲料移充填システム1Aは、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料を移充填するシステムである。なお、「大型容器BC」は、小型容器SCの容量よりも容量が大きな容器を意味する。大型容器BCは、例えば、ステンレス鋼製のビール樽である。「小型容器SC」は、大型容器BCの容量よりも容量が小さな容器を意味する。小型容器SCは、例えば、ペットボトル、金属容器等である。また、「移充填」とは、大型容器BCから小型容器SCに飲料を移し替えることを意味する。
【0025】
発泡性飲料移充填システム1Aは、炭酸ガス供給源10、第1配管P1、第1バルブV1、第2配管P2、第2バルブV2、第3配管P3、少なくとも1つのガス放出バルブGV、および、制御装置20を備える。
【0026】
炭酸ガス供給源10は、例えば、炭酸ガスボンベ11を含む。炭酸ガス供給源10は、第1配管P1および/または第3配管P3に供給される炭酸ガスの供給圧力を調整する圧力調整器12を備えていてもよい。図1に記載の例では、炭酸ガスボンベと、当該炭酸ガスボンベに接続された圧力調整器12とによって、炭酸ガス供給源10が構成されている。
【0027】
第1配管P1は、炭酸ガス供給源10と小型容器SCとを接続する配管である。第1配管P1は、1本の管によって構成されていてもよいし、複数の管を連結することによって構成されていてもよい。
【0028】
第1バルブV1は、第1配管P1に配置されたバルブである。第1バルブV1が開状態であるとき、第1配管P1によって規定される第1流路F1は開放されている。換言すれば、第1バルブV1が開状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、第1バルブV1の一方側から第1バルブV1の他方側に向けて移動することができる。第1バルブV1が閉状態であるとき、第1配管P1によって規定される第1流路F1は閉鎖されている。換言すれば、第1バルブV1が閉状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、第1バルブV1の一方側から第1バルブV1の他方側に向けて移動することができない。
【0029】
第2配管P2は、大型容器BCと小型容器SCとを接続する配管である。第2配管P2は、1本の管によって構成されていてもよいし、複数の管を連結することによって構成されていてもよい。
【0030】
第2バルブV2は、第2配管P2に配置されたバルブである。第2バルブV2が開状態であるとき、第2配管P2によって規定される第2流路F2は開放されている。換言すれば、第2バルブV2が開状態であるとき、飲料等の流体は、第2バルブV2の一方側から第2バルブV2の他方側に向けて移動することができる。第2バルブV2が閉状態であるとき、第2配管P2によって規定される第2流路F2は閉鎖されている。換言すれば、第2バルブV2が閉状態であるとき、飲料等の流体は、第2バルブV2の一方側から第2バルブV2の他方側に向けて移動することができない。
【0031】
第3配管P3は、炭酸ガス供給源10と大型容器BCとを接続する配管である。第3配管P3は、1本の管によって構成されていてもよいし、複数の管を連結することによって構成されていてもよい。
【0032】
ガス放出バルブGVは、小型容器SC内のガスを大気に放出するためのバルブである。図1に記載の例では、発泡性飲料移充填システム1Aは、2つのガス放出バルブ(GV1、GV2)を備える。第1のガス放出バルブGV1は、第1流路F1を介して、小型容器SC内のガスを大気に放出するバルブであり、第2のガス放出バルブGV2は、第2流路F2を介して、小型容器SC内のガスを大気に放出するバルブである。
【0033】
代替的に、図2に示されるように、ガス放出バルブGVは、小型容器SCから、直接的に(換言すれば、第1流路F1および第2流路F2を介さずに)、ガスを放出するバルブであってもよい。
【0034】
制御装置20は、第1バルブV1の開閉、第2バルブV2の開閉、および、少なくとも1つのガス放出バルブGVの開閉を制御する。図1に記載の例では、制御装置20と第1バルブV1とが第1信号線L1を介して接続され、制御装置20と第2バルブV2とが第2信号線L2を介して接続され、制御装置20と各ガス放出バルブGVとが信号線LGを介して接続されている。
【0035】
第1の実施形態における発泡性飲料移充填システム1Aは、第1バルブV1の開閉、第2バルブV2の開閉、および、少なくとも1つのガス放出バルブGVの開閉を制御する制御装置20を備える。このため、発泡性飲料移充填システム1Aは、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料を自動的に移し替えることが可能である。なお、制御装置20によって、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料が自動的に移し替えられる手順については、後述される。
【0036】
第1の実施形態において、制御装置20は、炭酸ガス供給源10から小型容器SCに炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給モードM1と、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料を送る移充填モードM2とを実行可能であることが好ましい。
【0037】
炭酸ガス供給モードM1では、制御装置20は、第1バルブV1に開指令を送り、ガス放出バルブGV(例えば、第2のガス放出バルブGV2)に開指令を送る。その結果、炭酸ガス供給源10から小型容器SCに炭酸ガスが供給される。小型容器SC内の空気は、炭酸ガスによって押し出され、ガス放出バルブGV(例えば、第2のガス放出バルブGV2)から大気中に放出される。なお、炭酸ガス供給モードM1は、第2バルブV2が閉鎖された状態で実行される。また、図1に記載の例では、炭酸ガス供給モードM1は、第1のガス放出バルブGV1が閉鎖された状態で実行される。
【0038】
移充填モードM2では、制御装置20は、第1バルブV1に閉指令を送り、第2バルブV2に開指令を送る。その結果、炭酸ガス供給源10から大型容器BCに炭酸ガスが供給される。また、大型容器BC内の発泡性飲料が炭酸ガスによって押し出されることにより、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料が供給される。なお、図1に記載の例では、移充填モードM2は、第1のガス放出バルブGV1が開放され、第2のガス放出バルブGV2が閉鎖された状態で実行される。
【0039】
大型容器BCから小型容器SCへの飲料の移充填が終了すると、制御装置20は、第2バルブV2に閉指令を送る。その結果、大型容器BCから小型容器SCへの発泡性飲料の供給が停止される。また、制御装置20は、第1のガス放出バルブGV1に閉指令を送る。その結果、小型容器SCから発泡性飲料移充填システム1Aの外部への炭酸ガスの排出が停止される。
【0040】
移充填モードM2の実行後、発泡性飲料移充填システム1A外への炭酸ガスの排出が防止された状態で、小型容器SCに炭酸ガスが供給されてもよい。この場合、小型容器SCに供給された炭酸ガスの一部が小型容器SC内の飲料に溶け込む。よって、移充填に伴って飲料への炭酸ガスの溶け込み量が減少した場合において、当該溶け込み量が回復する。小型容器SCへの炭酸ガスの供給は、ガス放出バルブ(GV1、GV2)が閉鎖され、第2バルブV2が閉鎖された状態で、第1バルブV1を開放すればよい。換言すれば、制御装置20は、第1バルブV1に開指令を送ればよい。
【0041】
図1に示されるように、第1バルブV1、第2バルブV2、および、少なくとも1つのガス放出バルブGVは、1つのバルブ保持ユニット60に固定されていることが好ましい。第1バルブV1、第2バルブV2、および、少なくとも1つのガス放出バルブGVがバルブ保持ユニット60に固定されていることにより、発泡性飲料移充填システム1Aの可搬性が向上する。なお、図1に示されるように、制御装置20がバルブ保持ユニット60に固定されていてもよい。
【0042】
(発泡性飲料移充填方法)
続いて、第1の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一例について説明する。
【0043】
第1ステップST1において、炭酸ガス供給源10から小型容器SCに炭酸ガスが供給される。第1ステップST1は、炭酸ガス供給工程である。炭酸ガス供給工程は、制御装置20が、第1バルブV1に開指令を送り、少なくとも1つのガス放出バルブGVに開指令を送ることにより実行される。炭酸ガス供給工程は、制御装置20が、上述の炭酸ガス供給モードM1を実行することにより実行されてもよい。
【0044】
第2ステップST2において、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料が供給される。第2ステップST2は、移充填工程である。移充填工程は、制御装置20が、第1バルブV1に閉指令を送り、第2バルブV2に開指令を送ることにより実行される。移充填工程は、制御装置20が、上述の移充填モードM2を実行することにより実行されてもよい。
【0045】
第3ステップST3において、大型容器BCから小型容器SCへの発泡性飲料の供給が停止される。第3ステップST3は、移充填停止工程である。移充填停止工程は、制御装置20が、第2バルブV2に閉指令を送ることにより実行される。付加的に、移充填停止工程において、制御装置20は、ガス放出バルブGV1に閉指令を送るようにしてもよい。
【0046】
第3ステップST3の実行後、発泡性飲料移充填システム1A外への炭酸ガスの排出が防止された状態で、小型容器SCに炭酸ガスが供給されてもよい。この場合、小型容器SCに供給された炭酸ガスの一部が小型容器SC内の飲料に溶け込む。よって、飲料中における炭酸ガスの溶け込み量が回復する。
【0047】
上述の移充填工程は、小型容器SC内の圧力が大気圧よりも大きい状態で実行されることが好ましい。小型容器SC内の圧力が大気圧よりも大きいことにより、小型容器SC内の圧力が大気圧である場合と比較して、小型容器SC内に充填された飲料から泡が発生することが抑制される。また、上述の移充填工程において、炭酸ガス供給源10から大型容器BCへの炭酸ガスの供給圧力は、0.28MPa以上であることが好ましい。なお、炭酸ガス供給源10から大型容器BCへの炭酸ガスの供給圧力の調整は、圧力調整器12によって実行される。
【0048】
炭酸ガス供給源10から大型容器BCへの炭酸ガスの供給圧力が0.28MPa以上であることにより、小型容器SC内に充填された飲料から泡が発生することが抑制される。なお、「0.28MPa」という数値の根拠については、第1の実験の実験結果(図20)を参照しつつ後述される。
【0049】
大型容器BC内の飲料の温度が十分に低い温度(例えば、10℃以下の温度)である場合には、小型容器SC内に移充填された飲料からの泡の発生量は比較的少ない。これに対し、大型容器BC内の飲料が常温である場合、小型容器SC内に移充填された飲料から泡が発生し易くなる。よって、大型容器BC内の飲料が常温であるときには、炭酸ガス供給源10から大型容器BCへの炭酸ガスの供給圧力は、0.28MPa以上であることが、特に好ましい。なお、「常温」は、大型容器が冷蔵庫外に長時間(例えば、6時間以上)放置された時の大型容器内の飲料の温度を意味する。
【0050】
第1の実施形態において、炭酸ガス供給工程(第1ステップST1)と、移充填工程(第2ステップST2)と、移充填停止工程(第3ステップST3)とが、制御装置20によって連続的かつ自動的に実行されることが好ましい。
【0051】
例えば、図1に示されるように、発泡性飲料移充填システム1Aが、タイマーTMおよびスイッチ27を備える場合を想定する。スイッチ27が操作されると、制御装置20は、炭酸ガス供給工程の実行を開始するとともに、タイマーTMを作動させる。制御装置20がタイマーTMからの信号を受け取り、制御装置20が第1設定時間T1を経過したと判断すると、制御装置20は、炭酸ガス供給工程を終了する。また、制御装置20は、移充填工程の実行を開始するとともに、タイマーTMを作動させる。制御装置20がタイマーTMからの信号を受け取り、制御装置20が第2設定時間T2を経過したと判断すると、制御装置20は、移充填停止工程を実行する。こうして、第1ステップST1乃至第3ステップST3が、制御装置20によって連続的かつ自動的に実行される。
【0052】
第1ステップST1乃至第3ステップST3が、制御装置20によって連続的かつ自動的に実行される場合、作業者は、各工程の実行に対応して、複雑な操作を実行する必要がない。よって、移充填作業の作業効率が向上するとともに、移充填作業中における誤操作の発生が防止される。
【0053】
(第2の実施形態)
図4乃至図18を参照して、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法、および、発泡性飲料移充填システム1Bについて説明する。図4は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填システム1Bを模式的に示す図である。図5は、制御ユニットUを模式的に示す概略3面図である。図5の上側には、制御ユニットUの概略平面図が記載され、図5の左下側には、制御ユニットUの概略正面図が記載され、図5の右下側には、制御ユニットUの概略側面図が記載されている。図6は、制御ユニットUを模式的に示す概略背面図である。図7Aおよび図7Bは、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法、より具体的には、移充填モードの一例を示すフローチャートである。図8乃至図13は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。図14は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法、より具体的には、洗浄モードの一例を示すフローチャートである。図15乃至図18は、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一工程を模式的に示す図である。
【0054】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項については繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明しなかったとしても、第1の実施形態で説明済みの事項を第2の実施形態に適用可能であることは言うまでもない。
【0055】
第2の実施形態における発泡性飲料移充填システム1Bは、炭酸ガス供給源10、第1配管P1、第1バルブV1、第2配管P2、第2バルブV2、第3配管P3、少なくとも1つのガス放出バルブGV、および、制御装置20を備える。付加的に、発泡性飲料移充填システム1Bは、バイパス配管P4、第3バルブV3、第4バルブV4、洗浄液供給バルブV5、圧力計70、排気流量調整器40、洗浄液供給配管P5、および、ディスペンスヘッド50のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。また、発泡性飲料移充填システム1Bは、制御装置20を内蔵した制御ユニットU(図5を参照。)を備えていてもよい。
【0056】
(炭酸ガス供給源10)
図4に記載の例では、炭酸ガス供給源10は、炭酸ガスボンベ11と、圧力調整器12とを含む。圧力調整器12は、第1配管P1および/または第3配管P3に供給される炭酸ガスの供給圧力を調整する。また、図4に記載の例では、圧力調整器12は、バイパス配管P4に供給される炭酸ガスの供給圧力を調整する。図4に記載の例では、炭酸ガス供給源10の下流側(より具体的には、炭酸ガスの流れ方向における下流側)に、分岐部D1が配置されている。
【0057】
(第1配管P1)
第1配管P1は、炭酸ガス供給源10と小型容器SCとを接続する。図4に記載の例では、第1配管P1の第1端部は、圧力調整器12に接続されている。また、第1配管P1の第2端部は、小型容器SCの上部領域(例えば、小型容器SCの首部内の領域または肩部内の領域)に配置されている。
【0058】
図4に記載の例では、第1配管P1は、取付部30を貫通するように配置されている。そして、取付部30が、小型容器SCに取り付けられることにより、第1配管P1は、小型容器SCに接続される。図4に記載の例では、取付部30の雌ねじ部と、小型容器SCの雄ねじ部との螺合により、取付部30が小型容器SCに取り付けられる。
【0059】
(第1バルブV1)
第1バルブV1は、第1配管P1に配置されている。第1バルブV1は、例えば、電磁バルブである。
【0060】
(第2配管P2)
第2配管P2は、大型容器BCと小型容器SCとを接続する。図4に記載の例では、第2配管P2の第1端部は、大型容器BCに取り付けられるディスペンスヘッド50(より具体的には、飲料取出口50a)に接続されている。また、第2配管P2の第2端部E2は、小型容器SCの下部領域(例えば、小型容器SCの底壁の近傍)に配置されている。図4に記載の例では、第2配管P2の第2端部E2と、小型容器SCの底壁との間の距離が小さい(第2配管P2の第2端部E2と、小型容器SCの底壁との間の距離は、例えば、3cm以下である)。このため、大型容器BCから小型容器SCへの飲料の移充填時に、飲料が泡立つことが抑制される。なお、小型容器SCが、底壁に向かって延在する飲料取出管を内蔵している場合には、第2配管P2の第2端部E2は、当該飲料取出管と連通するように配置されればよい。この場合、第2端部E2は、小型容器SCの底壁に近接配置されていなくてもよい。
【0061】
図4に記載の例では、第2配管P2は、取付部30を貫通するように配置されている。そして、取付部30が、小型容器SCに取り付けられることにより、第2配管P2は、小型容器SCに接続される。
【0062】
(第2バルブV2)
第2バルブV2は、第2配管P2に配置されている。第2バルブV2は、例えば、電動バルブ(より具体的には、電動式のボールバルブ)である。
【0063】
(第3配管P3)
第3配管P3は、炭酸ガス供給源10と大型容器BCとを接続する。図4に記載の例では、第3配管P3の第1端部は、圧力調整器12に接続されている。また、第3配管P3の第2端部は、ディスペンスヘッド50(より具体的には、ガス導入口50b)に接続されている。なお、炭酸ガス供給源10と分岐部D1との間の配管は、第1配管P1の一部を構成するとともに、第3配管P3の一部を構成している。
【0064】
(ガス放出バルブGV)
発泡性飲料移充填システム1Bは、少なくとも1つのガス放出バルブGVを備える。図4に記載の例では、発泡性飲料移充填システム1Bは、第1のガス放出バルブGV1と、第2のガス放出バルブGV2とを備えている。
【0065】
第1のガス放出バルブGV1は、第1配管P1によって規定される第1流路F1を介して、小型容器SC内のガスを大気に放出するバルブである。図4に記載の例では、ガス放出配管P6が、分岐部D2において、第1配管P1に接続されている。そして、ガス放出配管P6に、第1のガス放出バルブGV1が配置されている。
【0066】
第1のガス放出バルブGV1が開状態であるとき、第1配管P1内のガス(炭酸ガスまたは空気)は、ガス放出バルブGV1を通って、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に放出される。
【0067】
図4に記載の例では、分岐部D2(換言すれば、ガス放出配管P6)は、第1バルブV1と、取付部30との間に配置されている。
【0068】
第2のガス放出バルブGV2は、第2配管P2によって規定される第2流路F2を介して、小型容器SC内のガスを大気に放出するバルブである。図4に記載の例では、第2のガス放出配管P7が、バイパス配管P4を介して、第2配管P2に接続されている。そして、ガス放出配管P7に、ガス放出バルブGV2が配置されている。
【0069】
図4に記載の例では、第2のガス放出バルブGV2は、3方弁である。第2のガス放出バルブGV2が第1状態であるとき、第2配管P2(およびバイパス配管P4)と、ガス放出配管P7とが連通状態となる。換言すれば、第2のガス放出バルブGV2が第1状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、小型容器SCからガス放出配管P7に向かって流れることができる。第2のガス放出バルブGV2が第2状態であるとき、後述のバイパス配管上流部PU4とバイパス配管下流部PD4とが連通状態となる。換言すれば、第2のガス放出バルブGV2が第2状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、バイパス配管上流部PU4からバイパス配管下流部PD4に向かって流れることができる。
【0070】
(バイパス配管P4)
バイパス配管P4は、大型容器BCをバイパスして第2配管P2に炭酸ガスを送ることにより、第2配管P2に残存した飲料を小型容器SCに送ることが可能な配管である。
【0071】
図4に記載の例では、バイパス配管P4は、分岐部D3と合流部Cとの間に配置されている。図4に記載の例では、分岐部D3は、第1配管P1に配置されており、より具体的には、分岐部D1と第1バルブV1との間の配管に配置されている。代替的に、分岐部D3は、第3配管P3に配置されていてもよい。更に代替的に、分岐部D3は、炭酸ガス供給源10と分岐部D1との間の配管に配置されていてもよい。図4に記載の例では、合流部Cは、第2配管P2に配置されており、より具体的には、第2バルブV2と取付部30との間の配管に配置されている。
【0072】
図4に記載の例では、バイパス配管P4は、バイパス配管上流部PU4と、バイパス配管下流部PD4とを備える。そして、バイパス配管上流部PU4とバイパス配管下流部PD4との間に、上述の第2のガス放出バルブGV2が配置されている。
【0073】
(第3バルブV3)
第3バルブV3は、バイパス配管P4に配置されたバルブである。第3バルブV3は、例えば、電磁バルブである。第3バルブV3が開状態であるとき、バイパス配管P4によって規定されるバイパス流路F4は開放されている。換言すれば、第3バルブV3が開状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、第3バルブV3の一方側から第3バルブV3の他方側に向けて移動することができる。第3バルブV3が閉状態であるとき、バイパス配管P4によって規定されるバイパス流路F4は閉鎖されている。換言すれば、第3バルブV3が閉状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、第3バルブV3の一方側から第3バルブV3の他方側に向けて移動することができない。
【0074】
(第4バルブV4)
第4バルブV4は、第2配管P2に配置されたバルブである。図4に記載の例では、第4バルブV4は、合流部Cと取付部30との間の配管に配置されている。第4バルブV4は、例えば、電動バルブ(より具体的には、電動式のボールバルブ)である。
【0075】
第4バルブV4が開状態であるとき、飲料、炭酸ガス、あるいは、洗浄液等の流体は、合流部Cから小型容器SC内に向かって流れることができる。また、第4バルブV4が開状態であるとき、炭酸ガス、洗浄液等の流体は、小型容器SCから合流部Cに向かって流れることができる。他方、第4バルブV4が閉状態であるとき、飲料、炭酸ガス、あるいは、洗浄液等の流体は、第4バルブV4の一方側から第4バルブV4の他方側に向けて移動することができない。
【0076】
(洗浄液供給バルブV5)
洗浄液供給バルブV5は、発泡性飲料移充填システム1B内への洗浄液の供給を許容または禁止するバルブである。図4に記載の例では、洗浄液供給バルブV5は、3方弁である。洗浄液供給バルブV5が第1状態であるとき、洗浄液供給配管P5とガス放出配管P7とが連通状態となる。換言すれば、洗浄液供給バルブV5が第1状態であるとき、洗浄液等の流体は、洗浄液供給配管P5から第2配管P2に向かって流れることができる。洗浄液供給バルブV5が第2状態であるとき、ガス放出配管P7と大気開放部P8とが連通状態となる。換言すれば、洗浄液供給バルブV5が第2状態であるとき、炭酸ガス等の流体は、ガス放出配管P7から大気開放部P8に向かって流れることができる。
【0077】
(圧力計70)
図4に記載の例では、圧力計70は、第1配管P1に接続されている。圧力計70は、圧力センサ72(図6を参照。)を用いて、第1配管P1によって規定される第1流路F1内の圧力、より具体的には、第1バルブV1と小型容器SCとの間の流路内の圧力を測定する。図5に示されるように、圧力計70は、第1指定圧TH1(または第2指定圧TH2)を入力する指定圧入力部71を備えていることが好ましい。圧力計70は、第1配管P1内の圧力が第1指定圧TH1(または第2指定圧TH2)以上になると、制御装置20に、第1到達信号(または第2到達信号)を送る。
【0078】
(排気流量調整器40)
排気流量調整器40は、ガス放出配管P6を介して発泡性飲料移充填システム1Bの外に排出されるガスの流量を調整する。排気流量調整器40は、例えば、流量調整弁を含む。流量調整弁は、制御装置20からの信号に基づいて、弁開度を調整する。流量調整弁の弁開度が増加すると、ガス放出配管P6を介して発泡性飲料移充填システム1Bの外に排出されるガスの流量が増加する。他方、流量調整弁の弁開度が減少すると、ガス放出配管P6を介して発泡性飲料移充填システム1Bの外に排出されるガスの流量が減少する。
【0079】
(洗浄液供給配管P5)
洗浄液供給配管P5は、洗浄液を収容した洗浄液容器、あるいは、水道の蛇口等に接続され、発泡性飲料移充填システム1B内に洗浄液を供給するための配管である。洗浄液は、例えば、水である。図4に記載の例では、洗浄液供給配管P5は、洗浄液供給バルブV5を介して、ガス放出配管P7に接続されている。代替的に、洗浄液供給配管P5は、ガス放出配管P7を介することなく、バイパス配管P4あるいは第2配管P2に接続されてもよい。
【0080】
(ディスペンスヘッド50)
ディスペンスヘッド50は、大型容器BCに取り付けられる器具である。ディスペンスヘッド50は、飲料取出口50aと、ガス導入口50bと、大型容器BCの口金部に装着される取付部50cと、大型容器BC内の飲料弁を開放するプランジャ部材50dとを備える。なお、図4に記載の例では、大型容器BCが、大型容器BCの底壁に向かって延在する飲料取出管B1を備えている。このため、ガス導入口50bを介して大型容器BC内に炭酸ガスが供給されると、大型容器BC内の飲料は、飲料取出管B1、大型容器BC内の飲料弁、プランジャ部材50d内の流路、飲料取出口50a、および、第2配管P2を介して、小型容器SCに供給される。
【0081】
(制御ユニットU)
図5および図6を参照して、第1バルブV1、第2バルブV2、および、ガス放出バルブGVを含む複数のバルブの開閉を制御する制御ユニットUについて説明する。
【0082】
制御ユニットUは、筐体2と、筐体2に内蔵された制御装置20とを備える。筐体2には、少なくとも1つのスイッチが配置されている。図5に記載の例では、筐体2に、電源スイッチ21、スタートスイッチ27a、移充填モードまたは洗浄モードを選択するモード選択スイッチ28、自動移充填または手動移充填を選択する第2のモード選択スイッチ29、および、第1スイッチSW1乃至第6スイッチSW6が配置されている。
【0083】
制御ユニットUは、少なくとも1つのタイマーTMを備える。図5に記載の例では、制御ユニットUは、複数のタイマー(TM1、TM2、TM3・・・)を備える。タイマーTMは、例えば、炭酸ガス供給工程の実行期間、移充填工程の実行期間、あるいは、後述の残留飲料供給工程の実行期間を計測および/または設定するタイマーである。
【0084】
図5および図6に記載の例では、制御ユニットU(より具体的には、筐体2)には、第1バルブV1、第2バルブV2、および、ガス放出バルブGVを含む複数のバルブが固定されている。換言すれば、制御ユニットU(換言すれば、筐体2)は、バルブ保持ユニット60として機能している。
【0085】
制御ユニットUに複数のバルブが固定される場合には、発泡性飲料移充填システム1Bをコンパクトにすることができ、発泡性飲料移充填システム1Bの可搬性が向上する。
【0086】
図5(3面図)には、制御ユニットU(より具体的には、筐体2)に、第2バルブV2、第4バルブV4、第2のガス放出バルブGV2、洗浄液供給バルブV5が固定された様子が示されている。図5に示されるように、制御ユニットU(より具体的には、筐体2)には、圧力計70、および/または、ディスプレイ80が固定されていてもよい。
【0087】
図6(背面図)には、制御ユニットU(より具体的には、筐体2)に、第1バルブV1、第3バルブV3、ガス放出バルブGV1が固定された様子が示されている。
【0088】
制御装置20は、第1バルブV1に開指令または閉指令を送ることにより、第1バルブV1の開閉を制御する。制御装置20は、第1スイッチSW1のON/OFF状態に基づいて、第1バルブV1に開指令または閉指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、第1バルブV1に開指令または閉指令を送ってもよい。
【0089】
制御装置20は、第2バルブV2に開指令または閉指令を送ることにより、第2バルブV2の開閉を制御する。制御装置20は、第2スイッチSW2のON/OFF状態に基づいて、第2バルブV2に開指令または閉指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、第2バルブV2に開指令または閉指令を送ってもよい。
【0090】
制御装置20は、第3バルブV3に開指令または閉指令を送ることにより、第3バルブV3の開閉を制御する。制御装置20は、第3スイッチSW3のON/OFF状態に基づいて、第3バルブV3に開指令または閉指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、第3バルブV3に開指令または閉指令を送ってもよい。
【0091】
制御装置20は、第4バルブV4に開指令または閉指令を送ることにより、第4バルブV4の開閉を制御する。制御装置20は、第4スイッチSW4のON/OFF状態に基づいて、第4バルブV4に開指令または閉指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、第4バルブV4に開指令または閉指令を送ってもよい。
【0092】
制御装置20は、洗浄液供給バルブV5に第1操作指令を送ることにより、洗浄液供給バルブV5を第1状態(洗浄液供給配管P5とガス放出配管P7とが連通している状態)に変更する。また、制御装置20は、洗浄液供給バルブV5に第2操作指令を送ることにより、洗浄液供給バルブV5を第1状態から第2状態(ガス放出配管P7と大気開放部P8とが連通している状態)に変更する。制御装置20は、移充填モードまたは洗浄モードを選択するモード選択スイッチ28の状態に基づいて、洗浄液供給バルブV5に第1操作指令または第2操作指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、洗浄液供給バルブV5に第1操作指令または第2操作指令を送ってもよい。
【0093】
制御装置20は、ガス放出バルブGV1に開指令または閉指令を送ることにより、ガス放出バルブGV1の開閉を制御する。制御装置20は、第5スイッチSW5のON/OFF状態に基づいて、ガス放出バルブGV1に開指令または閉指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、ガス放出バルブGV1に開指令または閉指令を送ってもよい。
【0094】
制御装置20は、第2のガス放出バルブGV2に第1操作指令を送ることにより、第2のガス放出バルブGV2を第1状態(バイパス配管P4(あるいは第2配管P2)と、ガス放出配管P7とが連通している状態)に変更する。また、制御装置20は、第2のガス放出バルブGV2に第2操作指令を送ることにより、第2のガス放出バルブGV2を第1状態から第2状態(バイパス配管上流部PU4とバイパス配管下流部PD4とが連通している状態)に変更する。制御装置20は、第6スイッチSW6の状態に基づいて、第2のガス放出バルブGV2に第1操作指令または第2操作指令を送ってもよいし、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムまたは自動洗浄プログラムに基づいて、第2のガス放出バルブGV2に第1操作指令または第2操作指令を送ってもよい。
【0095】
(残量検知器S1)
図4に示されるように、発泡性飲料移充填システム1Bは、大型容器BC内の飲料の残量を検知する残量検知器S1を備えていてもよい。残量検知器S1は、大型容器BC内の液面高さを測定する液面センサであってもよいし、大型容器BCの重量を測定する重量センサであってもよいし、第1バルブV1内または第1バルブV1の近傍に配置された流量センサ(例えば、第2配管P2を通る飲料の累積流量を測定するセンサ)であってもよいし、第2配管P2に配置された光学センサ(ビールの有無を検知するセンサ)であってもよい。制御装置20が、残量検知器S1から受信する信号に基づいて、大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になったと判断すると、制御装置20は、ディスプレイ80またはスピーカ等の出力装置に信号を送信する。そして、ディスプレイ80またはスピーカ等の出力装置は、大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になったことを表示または報知する。また、制御装置20は、大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になったと判断すると、第2バルブV2に閉指令を送る。その結果、移充填工程が中断される。
【0096】
(発泡性飲料移充填方法)
続いて、第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法の一例について説明する。
【0097】
(移充填モード)
まず、発泡性飲料移充填方法における移充填モードの一例について説明する。移充填モードの選択は、図5に示される電源スイッチ21がONにされ、かつ、モード選択スイッチ28が操作されることにより行われてもよい。移充填モードが選択されると、制御装置20が、洗浄液供給バルブV5に第2操作指令を送るようにしてもよい。この場合、ガス放出配管P7と大気開放部P8とが連通状態になる。
【0098】
第2のモード選択スイッチ29によって自動移充填モードが選択されてもよい。自動移充填モードでは、記憶装置22に記憶された自動移充填プログラムを制御装置20が実行することにより、制御装置20は、複数のバルブ(V1、V2、GV等)を自動的に制御する。
【0099】
第1ステップST1において、炭酸ガス供給源10から小型容器SCに炭酸ガスが供給される。第1ステップST1(炭酸ガス供給工程)は、スタートスイッチ27aが押圧されることに応じて開始されてもよい。
【0100】
図8に示されるように、炭酸ガス供給工程では、炭酸ガス供給源10から、第1配管P1を介して、小型容器SCに炭酸ガスが供給され、小型容器SC内のガス(例えば、空気)が、第2配管P2、ガス放出配管P7、および、大気開放部P8を介して、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に放出される。
【0101】
炭酸ガス供給工程の実行期間は、第1のタイマーTM1によって設定されていてもよい。例えば、スタートスイッチ27aが押圧されると、制御装置20は、第1のタイマーTM1を作動させるとともに、炭酸ガス供給源10から大気開放部P8に至る配管に配置された複数のバルブ(V1、V4、GV2)を開放する。より具体的には、制御装置20は、第1バルブV1および第4バルブV4に開指令を送るとともに、ガス放出バルブGV2に第1操作指令(バイパス配管P4とガス放出配管P7とを連通状態にする指令)を送る。
【0102】
第1のタイマーTM1のカウント時間が、予め設定された第1設定時間T1を超えると、第1のタイマーTM1は、制御装置20にカウントアップ信号を送信する。制御装置20は、カウントアップ信号の受信に応じて、ガス放出バルブGV2を閉鎖する。より具体的には、制御装置20は、ガス放出バルブGV2に第2操作指令(バイパス配管P4とガス放出配管P7とを非連通状態にする指令)を送る。
【0103】
ガス放出バルブGV2の閉鎖後も、炭酸ガス供給源10から小型容器SCへの炭酸ガスの供給は継続する。このため、小型容器SCの内圧および第1配管P1内の圧力は、上昇する。圧力計70は、第1配管P1内の圧力が、予め指定された第1指定圧TH1以上になると、制御装置20に、第1到達信号を送る。制御装置20は、第1到達信号の受信に応じて、第1バルブV1に閉指令を送る。こうして、小型容器SCへの炭酸ガスの供給が停止される(図9を参照。)。
【0104】
第2ステップST2において、大型容器BCから小型容器SCに発泡性飲料が供給される。
【0105】
図10に示されるように、第2ステップST2(移充填工程)では、炭酸ガス供給源10から、第3配管P3を介して、大型容器BCに炭酸ガスが供給される。大型容器BC内の飲料(例えば、ビール)は炭酸ガスによって押し出され、押し出された飲料は、第2配管P2を介して小型容器SCに供給される。小型容器SC内の炭酸ガスは飲料によって押し出され、押し出された炭酸ガスは、第1配管P1、および、ガス放出配管P6を介して、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に放出される。
【0106】
移充填工程の実行期間は、第2のタイマーTM2によって設定されていてもよい。より具体的には、移充填工程が開始されると(換言すれば、第1ステップST1が終了すると)、制御装置20は、第2のタイマーTM2を作動させるとともに、炭酸ガス供給源10から、大型容器BCを介して小型容器SCに至る配管に配置されたバルブ(V2、V4)を開放し、小型容器SCからガス放出配管P6の大気開放部に至る配管に配置されたバルブ(GV1)を開放する。より具体的には、制御装置20は、第2バルブV2に開指令を送るとともに、ガス放出バルブGV1に開指令を送る。
【0107】
(大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になった場合)
第2ステップST2(移充填工程)の実行中、制御装置20は、残量検知器S1からの信号に基づいて、大型容器BC内の飲料の残量をモニタするモニタ工程を実行してもよい。
【0108】
制御装置20が、残量検知器S1からの信号に基づいて、大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になったと判断すると、第4ステップST4に進む。他方、制御装置20が、残量検知器S1からの信号に基づいて、大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になっていないと判断すると、第2のタイマーTM2がカウントアップするまで移充填工程が継続される。
【0109】
第3ステップST3において、大型容器BCから小型容器SCへの発泡性飲料の供給が停止される。より具体的には、第2のタイマーTM2のカウント時間が、予め設定された第2設定時間T2を超えると、第2のタイマーTM2は、制御装置20にカウントアップ信号を送信する。制御装置20は、カウントアップ信号の受信に応じて、第2バルブV2およびガス放出バルブGV1を閉鎖する。より具体的には、制御装置20は、第2バルブV2に閉指令を送り、ガス放出バルブGV1に閉指令を送る。こうして、大型容器BCから小型容器SCへの発泡性飲料の供給が停止される(図11を参照。)。
【0110】
第2ステップST2の実行中に大型容器BC内の飲料残量が少なくなると、第4ステップST4において、制御装置20は、大型容器BCから小型容器SCへの飲料の供給を中断する。より具体的には、制御装置20は、第2バルブV2に閉指令を送り、ガス放出バルブGV1に閉指令を送る。また、制御装置20は、ディスプレイ80またはスピーカ等の出力装置に信号を送信し、ディスプレイ80またはスピーカ等の出力装置は、大型容器BC内の飲料の残量が所定量以下になったことを表示または報知する。
【0111】
制御装置20は、第2バルブV2が閉鎖された時点でのタイマー(TM2)のカウント時間TAを、タイマー(TM2)から受け取ってもよい。制御装置20は、当該カウント時間TAを、ディスプレイ80等の出力装置に出力してもよいし、制御装置20は、当該カウント時間TAに基づいて、後述の補正設定時間を設定してもよい。
【0112】
カウント時間TAは、新たな大型容器BCから小型容器SCに飲料を移充填する際に利用することができる。例えば、発泡性飲料移充填システム1B(より具体的には、ディスペンスヘッド50)に接続されていた大型容器BCが、新たな大型容器BCに交換された後、移充填工程が再開される。再開時における移充填工程の実行期間は、第2設定時間T2とは異なる補正設定時間である。補正設定時間は、第2設定時間T2からカウント時間TAを減算することにより得られる時間であってもよい。再開時における移充填工程の実行期間(換言すれば、補正設定時間)を、カウント時間TAに基づいて設定する工程は、手動で行われてもよいし、制御装置20によって自動的に行われてもよい。移充填工程の再開後、補正設定時間が経過すると、大型容器BCから小型容器SCへの発泡性飲料の供給が停止される(換言すれば、第3ステップST3が実行される。)。
【0113】
第3ステップST3の実行後、第5ステップST5において、第2配管P2に残留している飲料の少なくとも一部が小型容器SCに供給される。第5ステップST5は、残留飲料供給工程である。
【0114】
図12に示されるように、第5ステップST5(残留飲料供給工程)では、炭酸ガス供給源10から、バイパス配管P4を介して、第2配管P2に炭酸ガスが供給され、第2配管P2内の飲料が小型容器SCに供給され、小型容器SC内の炭酸ガスが、第1配管P1、および、ガス放出配管P6を介して、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に放出される。
【0115】
残留飲料供給工程の実行期間は、第3のタイマーTM3によって設定されていてもよい。より具体的には、残留飲料供給工程が開始されると(換言すれば、第3ステップST3が終了すると)、制御装置20は、第3のタイマーTM3を作動させるとともに、炭酸ガス供給源10から、バイパス配管P4および第2配管P2を介して小型容器SCに至る配管に配置されたバルブ(V3、V4)を開放し、小型容器SCから大気開放部に至る配管に配置されたバルブ(GV1)を開放する。より具体的には、制御装置20は、第3バルブV3に開指令を送るとともに、ガス放出バルブGV1に開指令を送る。
【0116】
第3のタイマーTM3のカウント時間が、予め設定された第3設定時間T3を超えると、第3のタイマーTM3は、制御装置20にカウントアップ信号を送信する。制御装置20は、カウントアップ信号の受信に応じて、ガス放出バルブGV1を閉鎖する。より具体的には、制御装置20は、ガス放出バルブGV1に閉指令を送る。
【0117】
ガス放出バルブGV1の閉鎖後も、炭酸ガス供給源10から小型容器SCへの炭酸ガスの供給は継続する。このため、小型容器SCの内圧および第1配管P1内の圧力は、上昇する。圧力計70は、第1配管P1内の圧力が、予め指定された第2指定圧TH2以上になると、制御装置20に、第2到達信号を送る。制御装置20は、第2到達信号の受信に応じて、第3バルブV3、および/または、第4バルブV4に閉指令を送る。こうして、小型容器SCへの炭酸ガスの供給が停止される(図13を参照。)。なお、第2指定圧TH2は、上述の第1指定圧TH1と同じであってもよいし、第1指定圧TH1と異なっていてもよい。
【0118】
実施形態における発泡性飲料移充填方法が、残留飲料供給工程を備える場合、第2配管P2に残留する飲料が廃棄されることなく、小型容器SCに充填される。このため、移充填に伴って、一部の飲料が無駄となることが抑制される。また、第2配管P2に残留する飲料がガスによって置換されるため、次の移充填作業までの間に、第2配管P2内の衛生状態が保たれる。
【0119】
また、実施形態における発泡性飲料移充填方法では、第2のタイマーTM2における第2設定時間T2を変更することにより、大型容器BCから小型容器SCへの飲料の移充填量を変更することができる。よって、小型容器SCの容量、あるいは、ユーザーの要望に基づいて、最適な移充填量を設定することができる。
【0120】
実施形態における発泡性飲料移充填方法において、スタートスイッチ27aを押圧することにより、上述の第1ステップST1乃至第3ステップST3(または、上述の第1ステップST1乃至第3ステップST3、および、第5ステップST5)が自動的に実行されるようにしてもよい。この場合、移充填作業における作業者の負担が大幅に軽減される。
【0121】
実施形態における発泡性飲料移充填方法において、大型容器BC内の発泡性飲料の残量が所定量以下になると第2バルブV2が自動的に閉鎖される場合には、空の大型容器BCから小型容器SCに炭酸ガスが移動することが防止され、炭酸ガスが無駄に消費されることが抑制される。また、制御装置20が、第2バルブV2が閉鎖された時点での第2のタイマーTM2のカウント時間TAを取得するように構成されている場合には、当該カウント時間TAを、移充填再開後における移充填量の設定に活用することができる。
【0122】
(洗浄モード)
次に、発泡性飲料移充填方法における洗浄モードの一例について説明する。洗浄モードの選択は、図5に示される電源スイッチ21がONにされ、かつ、モード選択スイッチ28が操作されることにより行われてもよい。洗浄モードでは、取付部30に洗浄用の容器Wが装着される。容器Wは、小型容器SCと同種の容器であってもよいし、小型容器SCとは種類が異なる容器であってもよい。
【0123】
第1ステップST101において、発泡性飲料移充填システム1B内の配管が炭酸ガスで洗浄される。第1ステップST101は、炭酸ガスによる配管洗浄工程である。第1ステップST101(炭酸ガスによる配管洗浄工程)は、スタートスイッチ27aを押圧することにより開始されてもよい。
【0124】
図15に示されるように、炭酸ガスによる配管洗浄工程では、炭酸ガス供給源10から、バイパス配管P4および第2配管P2を介して、容器Wに炭酸ガスが供給され、容器W内のガスが、第1配管P1およびガス放出配管P6を介して、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に放出される。
【0125】
第1ステップST101(炭酸ガスによる配管洗浄工程)の実行期間は、第4のタイマーTM4によって設定されていてもよい。より具体的には、スタートスイッチ27aが押圧されると、制御装置20は、第4のタイマーTM4を作動させるとともに、炭酸ガス供給源10からガス放出配管P6のガス放出部に至る配管に配置された複数のバルブ(V3、V4、GV1)を開放する。より具体的には、制御装置20は、第3バルブV3および第4バルブV4に開指令を送るとともに、ガス放出バルブGV1に開指令を送る。
【0126】
第4のタイマーTM4のカウント時間が、予め設定された第4設定時間T4を超えると、第4のタイマーTM4は、制御装置20にカウントアップ信号を送信する。制御装置20は、カウントアップ信号の受信に応じて、炭酸ガスの供給を停止する。より具体的には、制御装置20は、ガス放出バルブGV2に第1操作指令(バイパス配管上流部PU4とバイパス配管下流部PD4との間を非連通状態にする指令)を送る。
【0127】
なお、第4のタイマーTM4は、第1のタイマーTM1と同一のタイマーであってもよいし、第1のタイマーTM1とは異なるタイマーであってもよい。
【0128】
第2ステップST102において、発泡性飲料移充填システム1B内の配管(例えば、第2配管P2の少なくとも一部)が洗浄液で洗浄される。第2ステップST102は、洗浄液による配管洗浄工程である。
【0129】
第2ステップST102では、例えば、2つのガス放出配管(P6、P7)の一方側から、2つのガス放出配管(P6、P7)の他方側に向けて、水等の洗浄液が供給される。この場合、第1配管P1の少なくとも一部、および、第2配管P2の少なくとも一部が洗浄液によって洗浄されることとなる。
【0130】
図16に記載の例では、第2ステップST102において、制御装置20は、洗浄液供給バルブV5に第1操作指令(洗浄液供給配管P5とバイパス配管P4とを連通状態にする指令)を送る。そして、洗浄液容器あるいは水道の蛇口等の洗浄液供給源から、洗浄液供給配管P5、ガス放出配管P7、バイパス配管下流部PD4、および、第2配管P2を介して、容器Wに洗浄液が供給され、容器Wから、第1配管P1、および、ガス放出配管P6を介して、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に洗浄液が排出される。
【0131】
第2ステップST102(洗浄液による配管洗浄工程)の実行期間は、第5のタイマーTM5によって設定されていてもよい。より具体的には、洗浄液による配管洗浄工程が開始されると(換言すれば、洗浄液の供給が開始されると)、制御装置20は、第5のタイマーTM5を作動させるとともに、洗浄液供給源からガス放出配管P6のガス放出部に至る配管に配置された複数のバルブ(V5、V4、GV1)を開放する。より具体的には、制御装置20は、洗浄液供給バルブV5に第1操作指令(洗浄液供給配管P5とバイパス配管P4とを連通状態にする指令)を送る。
【0132】
第5のタイマーTM5のカウント時間が、予め設定された第5設定時間T5を超えると、第5のタイマーTM5は、制御装置20にカウントアップ信号を送信する。制御装置20は、カウントアップ信号の受信に応じて、洗浄液供給バルブV5を閉鎖する。より具体的には、制御装置20は、洗浄液供給バルブV5に第2操作指令(洗浄液供給配管P5とバイパス配管P4とを非連通状態にする指令)を送る。
【0133】
なお、第5のタイマーTM5は、第2のタイマーTM2と同一のタイマーであってもよいし、第2のタイマーTM2とは異なるタイマーであってもよい。
【0134】
第3ステップST103において、発泡性飲料移充填システム1B内の配管から洗浄液が除去される。第3ステップST103は、洗浄液除去工程である。
【0135】
図17に示されるように、洗浄液除去工程では、炭酸ガス供給源10から、第1配管P1を介して、容器Wに炭酸ガスが供給され、容器W内の洗浄液が、第2配管P2、バイパス配管P4、ガス放出配管P7、および、大気開放部P8を介して、発泡性飲料移充填システム1Bの外部に放出される。
【0136】
洗浄液除去工程の実行期間は、第6のタイマーTM6によって設定されていてもよい。より具体的には、洗浄液除去工程が開始されると(換言すれば、第2ステップST102が終了すると)、制御装置20は、第6のタイマーTM6を作動させるとともに、炭酸ガス供給源10から大気開放部P8に至る配管に配置された複数のバルブ(V1、V4、GV2、V5)を開放する。より具体的には、制御装置20は、第1バルブV1に開指令を送り、ガス放出バルブGV1に閉指令を送る。
【0137】
第6のタイマーTM6のカウント時間が、予め設定された第6設定時間T6を超えると、第6のタイマーTM6は、制御装置20にカウントアップ信号を送信する。制御装置20は、カウントアップ信号の受信に応じて、炭酸ガスの供給を停止する。より具体的には、制御装置20は、第1バルブV1、および/または、ガス放出バルブGV2に閉指令を送る。こうして、炭酸ガス供給源10からの炭酸ガスの供給が停止される(図18を参照。)。
【0138】
なお、第6のタイマーTM6は、第3のタイマーTM3と同一のタイマーであってもよいし、第3のタイマーTM3とは異なるタイマーであってもよい。
【0139】
第3ステップST103の実行後に、再度、上述の第1ステップST101(炭酸ガスによる配管洗浄工程)が実行されてもよい。
【0140】
第2の実施形態における発泡性飲料移充填方法において、制御装置20が移充填モードと洗浄モードとを選択的に実行可能である場合には、移充填モード実行後に、速やかに、飲料が付着した配管を洗浄液で洗浄することができる。このため、1つの移充填作業が終了してから次の移充填作業が開始されるまでの期間において、発泡性飲料移充填システム内の配管の衛生状態が保たれる。
【0141】
(飲料から泡が発生することを抑制する対策)
移充填時に飲料から泡が発生する状況を調べる実験を行った。第1の実験では、常温のビール(温度が約19℃であるビール)からの泡の発生状況が調査された。第1の実験では、炭酸ガス供給源10の炭酸ガス供給圧力が、泡の発生に与える影響が調査された。
【0142】
図19は、第1の実験結果を示すテーブル1である。テーブル1において、「炭酸ガス供給圧力」、「移充填重量」、「移充填時間」、「流量」、「全高」、「液高さ」、「泡比率」は、それぞれ、「圧力調整器12の設定圧力」、「大型容器BCから小型容器SCに移充填されたビールの重量」、「大型容器BCから小型容器SCへのビールの移充填時間」、「単位時間あたりのビールの移充填重量、すなわち、移充填重量/移充填時間」、「移充填後における小型容器SC中でのビールの高さ=液高さ+泡高さ」、「移充填後における小型容器SC中でのビールの液体部分の高さ」、「移充填後におけるビール全体に占める泡の割合、すなわち、(全高-液高さ)/全高×100」を意味する。
【0143】
図19から把握されるように、炭酸ガス供給圧力が0.3MPaでは、泡比率が10%以下に抑制された。泡比率が10%を超えると、泡が泡を呼ぶ現象により、泡比率を低い値にコントロールすることが困難となる。また、泡比率が10%を超えると、泡が泡を呼ぶ現象により、移充填毎の泡比率のバラツキが大きくなる。よって、移充填における炭酸ガスの供給圧力は、0.3MPa以上であることが好ましいことがわかった。
【0144】
図20は、図19に示される第1の実験の実験結果をグラフ上にプロットしたものである。図20から、泡比率を10%以下に抑制するための炭酸ガス供給圧力の臨界値は、0.28MPaであることがわかった。換言すれば、移充填における炭酸ガスの供給圧力は、0.28MPa以上であることが好ましいことがわかった。
【0145】
従来、大型容器から小型容器への飲料の移充填は、飲料が比較的低温の状態で行われていた。これに対し、移充填における炭酸ガスの供給圧力を0.28MPa以上にすることにより、常温の飲料(あるいは、温度コントロールされていない飲料)であっても泡の発生を抑制しつつ移充填を行うことができる。換言すれば、移充填における炭酸ガスの供給圧力を0.28MPa以上にする場合には、移充填に先立って、大型容器BCを冷却する必要がない。
【0146】
なお、第1の実験において、炭酸ガス供給圧力が0.3MPaのとき、移充填後の小型容器SC内の内圧(換言すれば、圧力計70が示す圧力の値)は、0.18MPaであった。移充填後または移充填時における小型容器SC内の内圧が低くなると、飲料からの泡の発生量が増加する。よって、移充填工程(上述の第2ステップST2)において、小型容器SC内の内圧は、0.18MPa以上に維持されていることが好ましい。
【0147】
移充填時に小型容器SC内の内圧を、0.18MPa以上に維持することは、例えば、上述の第1指定圧TH1を0.18MPa以上、0.2MPa以上、あるいは、0.25MPa以上に設定することにより実現されてもよい。
【0148】
また、第1の実験(図19)において、炭酸ガス供給圧力が0.3MPaのとき、移充填流量の平均値は、約55g/secであった。移充填流量が大きくなると、飲料からの泡の発生量が増加する。よって、移充填工程(上述の第2ステップST2)において、大型容器BCから小型容器SCに移充填される飲料の流量は、55g/sec以下であることが好ましい。
【0149】
移充填流量を55g/sec以下に維持することは、例えば、上述の排気流量調整器40において、ガス排気流量を0.21g/sec以下、0.18g/sec以下、あるいは、0.16g/sec以下に設定することにより実現されてもよい。
【0150】
第2の実験では、常温よりも高い温度のビール(すなわち、温度が約29℃であるビール)からの泡の発生状況が調査された。
【0151】
図21(a)は、第2の実験結果を示すテーブル2である。図21(a)から把握されるように、温度が約29℃のビールを移充填する場合でも、炭酸ガス供給圧力が0.35MPaでは、泡比率が10%以下に抑制された。図21(a)から把握されるように、炭酸ガス供給圧力が0.35MPaのときには、移充填流量が61g/sec超でも、泡比率が10%以下に抑制される。よって、炭酸ガス供給圧力が0.35MPa以上である場合には、大型容器BCから小型容器SCに移充填される飲料の流量は、必ずしも55g/sec以下である必要はなく、63g/sec以下であってもよいことがわかった。
【0152】
第3の実験では、常温よりも低い温度のビール(すなわち、温度が約7℃であるビール)からの泡の発生状況が調査された。
【0153】
図21(b)は、第3の実験結果を示すテーブル3である。図21(b)から把握されるように、温度が約7℃のビールを移充填する場合には、炭酸ガス供給圧力が0.2MPaの時にも、泡比率が10%以下に抑制された。よって、常温よりも低い温度のビール(例えば、温度が約10℃以下であるビール)を移充填する場合には、大型容器BCから小型容器SCに移充填する際の炭酸ガス供給圧力は、必ずしも0.28MPa以上である必要はなく、0.2MPa以上であってもよいことがわかった。
【0154】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0155】
1、1A、1B:発泡性飲料移充填システム
2 :筐体
10 :炭酸ガス供給源
11 :炭酸ガスボンベ
12 :圧力調整器
20 :制御装置
21 :電源スイッチ
22 :記憶装置
27 :スイッチ
27a :スタートスイッチ
28 :モード選択スイッチ
29 :第2のモード選択スイッチ
30 :取付部
40 :排気流量調整器
50 :ディスペンスヘッド
50a :飲料取出口
50b :ガス導入口
50c :取付部
50d :プランジャ部材
60 :バルブ保持ユニット
70 :圧力計
71 :指定圧入力部
72 :圧力センサ
80 :ディスプレイ
B1 :飲料取出管
BC :大型容器
C :合流部
D1、D2、D3:分岐部
E2 :第2端部
F1 :第1流路
F2 :第2流路
F4 :バイパス流路
GV、GV1、GV2:ガス放出バルブ
L1 :第1信号線
L2 :第2信号線
LG :信号線
P1 :第1配管
P2 :第2配管
P3 :第3配管
P4 :バイパス配管
P5 :洗浄液供給配管
P6 :ガス放出配管
P7 :第2のガス放出配管
P8 :大気開放部
PD4 :バイパス配管下流部
PU4 :バイパス配管上流部
S1 :残量検知器
SC :小型容器
SW1~SW6:スイッチ
TM、TM1~TM6:タイマー
U :制御ユニット
V1 :第1バルブ
V2 :第2バルブ
V3 :第3バルブ
V4 :第4バルブ
V5 :洗浄液供給バルブ
W :容器

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21