IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 共和ゴム株式会社の特許一覧 ▶ 中里産業株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社オーイケの特許一覧

<>
  • 特許-ポール基礎ブロック 図1
  • 特許-ポール基礎ブロック 図2
  • 特許-ポール基礎ブロック 図3
  • 特許-ポール基礎ブロック 図4
  • 特許-ポール基礎ブロック 図5
  • 特許-ポール基礎ブロック 図6
  • 特許-ポール基礎ブロック 図7
  • 特許-ポール基礎ブロック 図8
  • 特許-ポール基礎ブロック 図9
  • 特許-ポール基礎ブロック 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】ポール基礎ブロック
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/42 20060101AFI20220812BHJP
   E01F 9/60 20160101ALI20220812BHJP
   E02D 31/02 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
E02D27/42 B
E01F9/60
E02D31/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018107096
(22)【出願日】2018-06-04
(65)【公開番号】P2019210681
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】392035341
【氏名又は名称】共和ゴム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596076621
【氏名又は名称】中里産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592136635
【氏名又は名称】株式会社オーイケ
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】寺阪 剛
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 康介
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-028969(JP,A)
【文献】実開昭53-157576(JP,U)
【文献】特開2002-333086(JP,A)
【文献】特開2008-014456(JP,A)
【文献】特開2006-144534(JP,A)
【文献】特開2001-193089(JP,A)
【文献】特開2002-233019(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101471552(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00-11/00
E02D 27/00-27/52
E02D 31/02
F16L 21/00-21/08
F16L 51/00-55/48
F16L 9/00-11/26
H02G 9/00-9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック本体の上面から上下方向に細長い形の側面にかけて管体の少なくとも一部を内蔵した、地中に埋設されるポール基礎ブロックであって、
前記管体における前記ブロック本体の側面に対応する部位に、別体の保護管の端部を接続する継手部が形成され
前記継手部が、前記管体を構成する長尺の管体本体の端部に接続された雌型の継手部材で構成され、
前記継手部材における前記管体本体を接続する管体接続部に連設されて前記保護管を接続する保護管接続部には、前記保護管の端部に取り付けられた雄型継手の直線的な差し込みを受けて前記雄型継手を係止して抜け止めする係止環が備えられるとともに、
前記保護管接続部における前記管体接続部とは反対側の端部には、端ほど大径となる方向に拡径する拡径部が形成され、
前記拡径部の先端に形成された環状平面が前記ブロック本体の側面と面一であり、
前記管体本体と前記継手部材との間には、前記ブロック本体を形成するためのコンクリートの水分を吸収して膨張する水膨張部が形成され、
前記保護管接続部が、その外周面のうち前記拡径部よりも奥側の部分に備えた未加硫ゴムシートによって前記ブロック本体と一体化されている
ポール基礎ブロック。
【請求項2】
ブロック本体の上面から上下方向に細長い形の側面にかけて管体の少なくとも一部を内蔵した、地中に埋設されるポール基礎ブロックの側面に対して、前記管体に連通する別体の保護管を接続する、ポール基礎ブロックの保護管接続構造であって、
前記管体における前記ブロック本体の側面に対応する部位に、前記保護管の端部を接続する継手部が形成され、
前記継手部が、前記管体を構成する長尺の管体本体の端部に接続された雌型の継手部材で構成され、
前記継手部材における前記管体本体を接続する管体接続部に連設されて前記保護管を接続する保護管接続部には、前記保護管の端部に取り付けられた雄型継手の直線的な差し込みを受けて前記雄型継手を係止して抜け止めする係止環が備えられるとともに、
前記保護管接続部における前記管体接続部とは反対側の端部には、端ほど大径となる方向に拡径する拡径部が形成され、
前記拡径部の先端に形成された環状平面が前記ブロック本体の側面と面一であり、
前記管体本体と前記継手部材との間には、前記ブロック本体を形成するためのコンクリートの水分を吸収して膨張する水膨張部が形成され、
前記保護管接続部が、その外周面のうち前記拡径部よりも奥側の部分に備えた未加硫ゴムシートによって前記ブロック本体と一体化されており、
前記雄型継手の外周面における前記保護管接続部に差し込まれたときに前記保護管接続部内に位置する部位には、水分を吸収して膨張する水膨張部が設けられており、
設置された前記ポール基礎ブロック内の前記保護管接続部に対して真っすぐ差し込んで接続した前記保護管の前記雄型継手に備えた水膨張部を、埋め戻した地中の水分で膨張させて、前記保護管接続部と前記雄型継手との間を止水した状態で前記保護管を保持する
ポール基礎ブロックの保護管接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明灯や看板などを地面に設置するためのポール基礎ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
ポール基礎ブロックはコンクリート製であり、例えば縦長の直方体状に形成されている。そして、照明装置などのために電線を敷設する必要がある場合には、電線を挿通して保護するための管体が備えられている。
【0003】
図10に、従来用いられているポール基礎ブロック101の斜視図を示す。
【0004】
この図に示したように、ポール基礎ブロック101は、ブロック本体102の水平方向に広がる上面103の中央から、垂直方向に広がる側面104にかけて、管体105が内蔵されており、管体105の長手方向の一方の端部106は上面103から、他方の端部107は側面104から、それぞれ突出している。管体105には、螺旋状の突条を外周面に有した波付硬質合成樹脂管が用いられている。
【0005】
ポール基礎ブロックは、電線を敷設し保護するための管体が予め備えられているので、別の作業で管体を取り付ける必要がなく、この点において容易な施工が行える。
【0006】
しかし、取扱い性の面で難点がある。つまり、ブロック本体の上面から突出する管体は、ブロック本体の長手方向と同じ方向に延びるので、さして邪魔になることはないが、側面から突出する管体は、通常、例えば1メートルや3メートルなど、ブロック本体の長手方向とは異なる方向に長く延びている。しかも、管体は合成樹脂製である。このため、側面から飛び出した管体が、輸送時や施工時に邪魔になるうえ、不測に衝突したり当たったりして不自然に曲がった場合には、管体の一部分に局所的に負荷がかかり、例えば根元から裂けたり割れたりして、損傷してしまうので、取扱いには注意が必要であった。このこともあって、輸送には多大なコストがかかっていた。また保管には広い空間が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、取扱い性を高めて輸送コストを低減できるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのための手段は、ブロック本体の上面から上下方向に細長い形の側面にかけて管体の少なくとも一部を内蔵した、地中に埋設されるポール基礎ブロックであって、前記管体における前記ブロック本体の側面に対応する部位に、別体の保護管の端部を接続する継手部が形成され、前記継手部が、前記管体を構成する長尺の管体本体の端部に接続された雌型の継手部材で構成され、前記ブロック本体に対して高い一体性をもって固定され、前記継手部材における前記管体本体を接続する管体接続部に連設されて前記保護管を接続する保護管接続部には、前記保護管の端部に取り付けられた雄型継手の直線的な差し込みを受けて前記雄型継手を係止して抜け止めする係止環が備えられ、前記保護管接続部における前記管体接続部とは反対側の端部に、端ほど大径となる方向に拡径する拡径部が形成され、前記拡径部の先端に形成された環状平面が前記ブロック本体の側面と面一にされたポール基礎ブロックである。
【0009】
この構成では、ブロック本体の側面に埋設された状態や衝突によって容易に損傷しない程度に側面から突出した状態でブロック本体の側面に設けられた継手部が、保護管の接続を可能にすることで、管体の端部をブロック本体の側面から予め突出させておく必要性をなくす。保護管の接続は、施工時における電線の敷設に際して、必要となった時点で行われる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ポール基礎ブロックの輸送時や施工に際しての移動時などにおいてブロック本体の側面から管体を長く突出させる必要がないので、管体の損傷を抑制して、取扱い性を高めることができる。このため、施工の簡単化を図れるとともに、輸送コストや保管スペースの大幅な削減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ポール基礎ブロックの斜視図。
図2】ポール基礎ブロックの要部と保護管の断面図。
図3】管体の要部の分解状態の断面図。
図4】管体の継手部材の斜視図。
図5】ポール基礎ブロックの製造工程の一部を示す断面図。
図6】保護管の接続状態を示す断面図。
図7】他の例に係るポール基礎ブロックの斜視図。
図8】他の例に係るポール基礎ブロックの斜視図。
図9】他の例に係るポール基礎ブロックの斜視図。
図10】従来のポール基礎ブロックの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に、ポール基礎ブロック11の斜視図を示す。
【0013】
このポール基礎ブロック11は、直方体形状で中実のコンクリート製のブロック本体12を有し、ブロック本体12には複数本のアンカーボルト13が埋設されている。アンカーボルト13はブロック本体12の方形状をなす上面12aから上に突出している。アンカーボルト13に囲まれた上面12aの中央からは、管体15の一端部15aが上方に向けて適宜長さ突出しており、管体15におけるその他の部位はブロック本体12に内蔵されている。
【0014】
管体15はブロック本体12の上面12aから側面12bにかけて埋設されており、管体15におけるブロック本体12の側面12bに対応する部位に、図2に示したよう別体の保護管17の端部を接続する継手部15bが形成されている。
【0015】
管体15は、長尺の管体本体51と、継手部15bを構成する継手部材52で構成される。管体本体51は、図3に示したように、外周面に螺旋状の突条51aと凹溝51bを有している。このような管体本体51には、例えばポリエチレンなどで構成される既存の波付硬質合成樹脂管が用いられる。
【0016】
継手部材52は、保護管17の端部の差し込みを受ける雌型の継手部材52であって、保護管17の直線的な差し込みのみで接続を可能とするものである。
【0017】
具体的には、図3図4に示したように、継手部材52は、ブロック本体12内で安定して支持されるとともに、管体本体51と保護管17の接続を安定して行える適宜長さの円筒状に形成されており、長手方向の一端側に、管体本体51を接続する管体接続部53を、他端側に、保護管17を接続する保護管接続部54を有している。
【0018】
管体接続部53は、管体本体51の突条51aが螺合する雌ねじ部55を有している。雌ねじ部55のねじ山55aは、管体本体51の凹溝51bに嵌る高さであり、外周面におけるねじ山55aに対応する部位には凹溝56を有している。
【0019】
内周面の雌ねじ部55における管体本体51に接する側の面の全体には、水分を吸収して膨張する水膨張部57が形成されている。水膨張部57は、管体本体51と継手部材52の雌ねじ部55との間に形成されればよく、雌ねじ部55ではなく、管体本体51の端部の外周面に形成することもできる。
【0020】
水膨張部57は、シート状の止水材を貼り付けて構成される。止水材は、水分を吸収して膨張する水膨張材を保持したポリエチレンテレフタレート等からなる不織布を使用できる。水膨張材には粉粒状のものやシート状のもの、液状のものなどが適宜使用できるが繊維状のものを用いると、不織布を構成する繊維との一体性が高まるのでよい。止水材の固定は、継手部材52を成形するときに一体成形するとよい。
【0021】
管体接続部53と保護管接続部54との間の内周面には、管体接続部53に挿入した管体本体51の先端を当接させることが可能な高さ内周側に張り出した仕切り壁58が形成されている。仕切り壁58の内周側部分には、管体接続部53と保護管接続部54を連通させる連通穴58aを有している。
【0022】
保護管接続部54は、内周面における長手方向の中間部に他の部位よりも大径となる保持溝59を有しており、保持溝59には、差し込まれた保護管17を係止する係止環61が備えられている。係止環61は、断面略三角形状のリング状であり、周方向の一部に、縮径及び拡径を可能にする切欠き61aを有している。係止環61は、保護管接続部54の長手方向に対して傾斜する傾斜面61bを内周面に有している。係止環61は、内周面の傾斜面61bが保護管接続部54の端部方向に向き、最も小径となる部分が保護管接続部54の管体接続部53側に位置する姿勢で、保持溝59に対して保持される。
【0023】
保護管接続部54の内周面における長手方向の端部には、端ほど大径となる方向に拡径する導入面62を有している。この導入面62と連続する、保護管接続部54における長手方向の端面は、保護管接続部54の長手方向に対して直角で面一の環状平面63で構成される。
【0024】
保護管接続部54の外周面は、前述の保持溝59に対応する部位に環状の大径部64を有し、この大径部64よりも管体接続部53側の部位には、保護管接続部54の長手方向に沿って延びる複数本のリブ65が形成されている。リブ65は比較的大きく形成されるとよく、図示例では、等間隔に4本形成され、リブ65同士の間隔を比較的大きく設定している。これらのリブ65は、継手部材52を回転するときの回転力の入力に資するとともに、コンクリートとの結合力を高める。
【0025】
保護管接続部54の外周面における端部には、前述の導入面62を有しており、保護管接続部54の大径部64よりも端部側を同一の肉厚にしているため、端ほど大径となる方向に拡径する拡径面66が形成されることになる。
【0026】
保護管接続部54の外周面における拡径面66と大径部64との間の部位は、全周にわたって凹状の外観を呈しており、この部位には、例えば未加硫のブチルゴムからなる未加硫ゴムシート67が備えられている。未加硫ゴムシート67は、化学的に不安定な状態にあり、コンクリートとの化学反応によりコンクリートとの高い接合力が得られ、一体性が高まる。
【0027】
未加硫ゴムシート67は、継手部材52の外周面における保護管接続部54側の前述の部位に備えるほか、前述の部位に代えて、または前述の部位と共に、管体接続部53の外周面など、その他の部位に備えてもよい。
【0028】
継手部材52に接続される保護管17は、図2に示したように、雄型継手71と保護管本体72で構成される。
【0029】
保護管本体72は、前述の管体本体51と同じ構成であり、外周面に螺旋状の突条72aと凹溝72bを有しており、例えばポリエチレンなどで構成される既存の波付硬質合成樹脂管で構成される。
【0030】
雄型継手71は、前述の継手部材52に直線的な差し込みで係止するものであって、円筒状に形成されている。雄型継手71の長手方向の後端側には、前述の保護管本体72を接続する接続部73を、先端側には継手部材52に挿入される挿入部74を有している。
【0031】
接続部73は、前述した継手部材52の管体接続部53と同じ構成であり、保護管本体72の突条72aが螺合する雌ねじ部75を有している。雌ねじ部75のねじ山75aは、保護管本体72の凹溝72bに嵌る高さであり、外周面におけるねじ山75aに対応する部位には凹溝76を有している。内周面の雌ねじ部75における保護管本体72に接する側の面の全体には、水分を吸収して膨張する水膨張部77が形成されている。水膨張部77は、保護管本体72と雄型継手71の雌ねじ部75との間に形成されればよく、雌ねじ部75ではなく、保護管本体72の端部の外周面に形成することもできる。この水膨張部77は、前述の水膨張部57と同じ構成であり、シート状の止水材を貼り付けて構成される。
【0032】
先端側の挿入部74の外周面は、先端部に、先端ほど小径となるテーパ部78が形成されており、テーパ部78より後側に、全周にわたって凹む係止溝79が形成されている。係止溝79は、継手部材52の係止環61が係止する部位である。係止溝79よりも後方には、継手部材52の端部側に収まる円筒形の円筒状部81が形成されている。
【0033】
円筒状部81の外周面には、水膨張部82が形成されている。この水膨張部82も前述の水膨張部57,77と同じ構成であり、シート状の止水材を貼り付けて構成される。
【0034】
前述のような構成の管体15、つまり管体本体51と、管体本体51の端部を接続した継手部材52を前述のアンカーボルト13と共にブロック本体12に一体化すると、ポール基礎ブロック11となる。
【0035】
ブロック本体12の成形は、管体本体51における継手部材52を接続した部位と反対側の一端部15aを突出させ、継手部材52をブロック本体12の側面12bに対応する部位に位置させて、アンカーボルト13と共に図5に示したように型枠91内に収めて、ブロック本体12を構成するためのコンクリートの打設を行う。
【0036】
このとき、継手部材52の導入面62を有する側の端部の環状平面63を、型枠91に面接触させる。また、コンクリートの水分が管体本体51と継手部材52との間に浸み込み、水膨張部57を膨張させて、管体本体51と継手部材52との間の止水性を得る。
【0037】
このようにして製造されたポール基礎ブロック11は、継手部15bである継手部材52の環状平面63がブロック本体12の側面12bと面一であるので、図1に示したように、ブロック本体12の側面12bに突出する部位がない状態である。
【0038】
現場への運搬や、運搬に際しての積み込みに際しては、ブロック本体12の側面12bからの突出部分を考慮する必要がない。同様に、現場での積み下ろしや施工に際しての移動に際しても、ブロック本体12の側面12bが平らであることから、扱いに中を払う必要はない。このため、容易に取り扱えて、輸送コストの大幅な削減が可能である。また取扱い性が良く、施工が容易に行える。
【0039】
保護管17の接続は、例えば所定の位置に設置して保護管17が必要になった時点で行うとよい。保護管17は、管体15の継手部15bに対して真っ直ぐに差し込むだけで、図6に示したように接続することができる。保護管17を接続すると、保護管17の雄型継手71に備えた水膨張部82が、地中の水分を含んで膨張して、継手部材52との間の止水がなされる。
【0040】
しかも、継手部材52の環状平面63はブロック本体12の側面12bと面一であるので、他の物と接触しても損傷することはなく、移動等に際して邪魔になることもないので、前述のような取扱い性の良さなどの効果を確実に得られる。
【0041】
保護管17の接続状態においては、挿入部74の係止溝79が係止環61に係止して、円筒状部81が継手部材52の端部側の内周面に嵌ったうえで水膨張部82が膨張して両者間の隙間を埋めているので、1本の波付硬質合成樹脂管で構成したのと変わらない強固な接続状態が得られる。
【0042】
このように、必要になった時点で保護管17を接続すればよいので、施工に際して保護管17が不測に他の部位に当たって不用意に曲げられたりして、局所的に負荷がかかって損傷してしまうような事態を回避できる。そのうえ、管体15と保護管17との間では確実な止水が可能であるので、電線の保護も十分に行える。
【0043】
しかも、保護管17の接続は、保護管17を直線的に差し込むだけでよく、回転が不要であるので、作業性は極めて良い。
【0044】
また、管体15は管体本体51と継手部材52で構成されているので、管体本体51に既存のものを使用することで、安価な製造ができる。
【0045】
以上の構成はこの発明を実施するための一形態の構成であって、この発明は、前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
【0046】
たとえば、管体15は、前述のような継手部15bを備えた1本もので構成することもできる。同様に、保護管17も前述のような雄型継手71を備えた1本もので構成することができる。
【0047】
保護管17の雄型継手71に備えた水膨張部82を省略して、またはこれと併存して、継手部材52の内周面に水膨張部を備えることもできる。
【0048】
また、図7に示したように、管体15のすべてをブロック本体12内に収めることもできる。つまり、管体15の両端部に継手部15bを備えて、ブロック本体12の上面12aと側面12bからの管体15の突出をなくし、ブロック本体12の上面12aと側面12bの継手部15bに保護管17を接続可能にする。継手部15bと保護管17の構成は前述と同一である。
【0049】
管体15はブロック本体12の内部で複数に分岐して、複数の側面に継手部15bを備えるものであってもよい。
【0050】
前述の例では、ブロック本体12が直方体形状であるものを示したが、ブロック本体12はその他の形状であってもよい。図8に示したポール基礎ブロックは11のブロック本体12は円柱形状である。このブロック本体12は外周面に鋼管製のスパイラル管16を有している。図9は、ブロック本体12が多角柱形状、具体的には八角柱形状の例である。いずれのブロック本体12も、図1に示したポール基礎ブロックの場合と同様に、管体15と継手部材52が内蔵されている。
【符号の説明】
【0051】
11…ポール基礎ブロック
12…ブロック本体
12a…上面
12b…側面
15…管体
15b…継手部
17…保護管
51…管体本体
52…継手部材
57…水膨張部
67…未加硫ゴムシート
71…雄型継手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10