(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】人感センサを用いた異常検出装置
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20220812BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20220812BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20220812BHJP
G08B 29/02 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
G08B25/04 K
H02J7/10 B
G08B21/02
G08B29/02
(21)【出願番号】P 2018088697
(22)【出願日】2018-05-02
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】今 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】菊池 修
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-206941(JP,A)
【文献】特開2014-161565(JP,A)
【文献】特開2016-135080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G9/00-15/12
99/00
E03D9/00-9/16
G08B19/00-31/00
H02J7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンセントに接続される電源装置を通じて供給される電力を得て動作する人感センサと、
上記電源装置を通じて供給される電力を得て蓄電するコンデンサと、
上記人感センサの動作開始を指示するための操作部と、
上記操作部を通じた指示により上記人感センサが動作中か否かを監視するセンサ動作監視部と、
上記電源装置からの入力電圧を監視する入力電圧監視部と、
上記人感センサにより人の異常状態が検出された場合に、上記電源装置を通じて供給される電力を用いて第1の報知動作を行うように制御するとともに、上記センサ動作監視部により上記人感センサが動作中であると判定され、かつ、上記入力電圧監視部により上記電源装置からの入力電圧が所定値以下になったと判定された場合に、上記コンデンサに蓄電された電力を用いて第2の報知動作を行うように制御する報知制御部とを備えたことを特徴とする人感センサを用いた異常検出装置。
【請求項2】
上記異常検出装置は、上記電源装置とは別系統の電源を得て動作するナースコールシステムの呼出装置に電気的に接続され、
上記報知制御部は、上記第1の報知動作または上記第2の報知動作を行うように上記呼出装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の人感センサを用いた異常検出装置。
【請求項3】
上記報知制御部は、上記第1の報知動作と上記第2の報知動作とで異なる種類の報知を行うように上記呼出装置を制御することを特徴とする請求項2に記載の人感センサを用いた異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人感センサを用いた異常検出装置に関し、特に、人感センサにより人の異常状態を検出する装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や老人施設等のトイレ内における人体の異常な体制等を検出して報知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のトイレ内人体検出器では、便座に着座した人の後頭部上方に位置する壁面に焦電型赤外線センサを設置し、トイレの便座に座った正常な人体位置を一部の受光電極で検出するとともに、便座から外れた異常な人体位置を他の受光電極で検出することにより、人体が正常な体勢でトイレ内に存在するか否かを判定するように構成されている。
【0003】
また、この特許文献1のように人感センサをトイレの壁面に設置するタイプではなく、既設のトイレにも後から簡単に設置可能なように、トイレの床面や棚などに人感センサを載置して使用するタイプの報知装置も存在する。このような後付けタイプの報知装置では、人感センサに対してACアダプタで電源を供給する必要がある。
【0004】
ところが、このACアダプタを壁面のコンセントに接続した場合、ACアダプタが自重によりコンセントから脱落したり、トイレの利用者がぶつかってACアダプタがコンセントから脱落したりすることがある。この場合、人感センサが動作しなくなり、トレイ内で異常が発生しても報知することができなくなってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、人感センサに電源を供給するためのACアダプタがコンセントから脱落した場合に、人の異常状態が発生していることが知られずに放置されてしまう事態を回避できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明では、コンセントに接続される電源装置を通じて供給される電力を得て動作する人感センサにより人の異常状態が検出された場合に、電源装置を通じて供給される電力を用いて第1の報知動作を行うように制御する一方、人感センサが動作中であると判定され、かつ、電源装置からの入力電圧が所定値以下になったと判定された場合に、電源装置を通じて供給される電力を得て蓄電されたコンデンサからの電力を用いて第2の報知動作を行うように制御するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、人感センサに電源を供給するための電源装置がコンセントから脱落すると、電源装置からの入力電圧が所定値以下になるため、そのとき人感センサが動作中であれば、電源装置がコンセントから脱落する前にコンデンサに蓄電された電力を用いて第2の報知動作が行われる。これにより、この報知動作を受けたスタッフ等が現場に行って電源装置をコンセントにさし直すことが可能となるため、人の異常状態を検出することが可能な状態に戻すことができる。また、仮に電源装置の脱落中に人の異常状態が発生したとしても、そのことがスタッフ等に知られずに放置されてしまう事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態による人感センサを用いた異常検出装置の機能構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態による人感センサを用いた異常検出装置を含む呼出システムの外観構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による人感センサを用いた異常検出装置10(以下、単に異常検出装置という)の機能構成例を示す図である。
図2は、本実施形態による異常検出装置10を含む呼出システムの外観構成例を示す図である。
【0011】
図2に示すように、本実施形態の異常検出装置10は、持ち運び可能なスタンド40に設置される。なお、異常検出装置10は、スタンド40にあらかじめ固定した態様で構成してもよいし、スタンド40に着脱可能な態様で構成してもよい。本実施形態の異常検出装置10は、例えば病院や介護施設等のトイレ内に設置される。
【0012】
異常検出装置10には、これに電源を供給するためのACアダプタ20(特許請求の範囲の電源装置に相当)が電源ケーブル21を介して接続される。ACアダプタ20は、トイレの壁面に設けられた交流100V[ボルト]のコンセント(図示せず)に接続される。これにより、コンセントに接続されたACアダプタ20から異常検出装置10に電源が供給されるようになっている。
【0013】
また、異常検出装置10は、信号ケーブル31を介してナースコールシステムの呼出装置30に電気的に接続される。呼出装置30は、トイレの壁面に設置される。呼出装置30は、ACアダプタ20とは別系統の電源(ナースコールシステムの電源)を得て動作する。このため、ACアダプタ20をコンセントに接続していなくても、呼出装置30には電源が供給された状態となっている。
【0014】
呼出装置30は呼出ボタン32を備えており、トイレの利用者または病院や介護施設等のスタッフが呼出ボタン32を押下することにより、ナースコールの呼び出しを行うことができるようになっている。ナースコールの呼び出しとは、廊下灯(図示せず)を介してナースコール親機(図示せず)に呼出信号を送信することにより、ナースコール親機にて呼出音の出力を行ったり、廊下灯やナースコール親機にて呼出の表示を行ったりする処理をいう。
【0015】
また、呼出装置30は、異常検出装置10からの制御に基づいて、ナースコールの呼び出しを行うこともできるようになっている。この制御を行うために、異常検出装置10は、人感センサ11および開始ボタン12を備えている。人感センサ11は、人の動きを検出するためのセンサであり、例えば赤外線センサ、超音波センサ、可視光センサ、距離センサなどが用いられる。
【0016】
図2に示すように、人感センサ11は、異常検出装置10の本体の正面に設置され、当該正面側の所定範囲を対象として人の動きを検出する。異常検出装置10は、便座に着座した人(以下、トイレ利用者という)の動きを検出可能となるように、異常検出装置10の正面が便座の方向を向くようにトイレ内に設置される。この人感センサ11は、コンセントに接続されるACアダプタ20を通じて供給される電力を得て動作する。
【0017】
開始ボタン12は、人感センサ11の動作開始をスタッフが指示するためのボタンであり、特許の請求の範囲の操作部に相当する。すなわち、異常検出装置10は、スタッフが開始ボタン12を操作した場合にのみ、人感センサ11を用いた異常検出動作を実行し、トイレ利用者の異常状態の発生を検出する。この開始ボタン12も、コンセントに接続されるACアダプタ20を通じて供給される電力を得て動作する。
【0018】
異常検出装置10は、人感センサ11によりトイレ利用者の異常状態が検出された場合に、ナースコールの呼び出しを行うように呼出装置30を制御する。この場合の呼び出しは、特許請求の範囲における第1の報知動作に相当する。本実施形態の異常検出装置10が検出するトイレ利用者の異常状態は2つある。1つは、トイレ利用者が便座から立ち上がろうとしている状態である。もう1つは、トイレ利用者が便座に着座したまま所定時間以上経過した状態である。以下に、この2つの異常状態について説明する。
【0019】
一般に、病院や介護施設などにおいて、介助を必要とする患者や被介護者がトイレを使いたいときは、看護師や介護士等のスタッフが、トイレ利用者の便座への着座動作を介助する。そして、スタッフがいったんトイレから外に出た後、トイレ利用者が用便終了後に呼出ボタン32を押下して、スタッフを呼び出す。この呼び出しを受けたスタッフは、トイレ利用者の便座からの立ち上がり動作を介助する。なお、このときスタッフは、トイレ内またはトイレ外に設置された復旧ボタンを操作することにより、ナースコールの呼出状態を解除する。
【0020】
ところで、介助を必要とするトイレ利用者の中には、下肢に障害を有する等の理由のために、トイレを使用するときに自力で便座から起立することを禁止された者もいる。ところが、そのようなトイレ利用者の中には、呼び出しをせずに自力で立ち上がってしまう者もいて、それが原因で障害を悪化させてしまうことがある。このような事態を防ぐために、異常検出装置10は、スタッフにより開始ボタン12が操作された後、トイレ利用者が便座から立ち上がろうとしていることを人感センサ11により検出した場合に、呼出装置30を制御してナースコールの呼び出しを行う。
【0021】
また、トイレ利用者がスタッフの介助を得て便座に着座した後、体調が悪くなったり、呼び出し方を忘れたりするなどして呼出ボタン32を押下することができなくなってしまうことがある。このような場合に、トイレ利用者が放置されたままの状態とならないようにするために、異常検出装置10は、スタッフにより開始ボタン12が操作された後、トイレ利用者の動きを検出することなく所定時間以上が経過した場合に、呼出装置30を制御してナースコールの呼び出しを行う。なお、所定時間は、あらかじめ決められた固定値としてもよいし、スイッチ操作等によってスタッフが所望の時間を選択できるようにしてもよい。
【0022】
なお、スタッフが開始ボタン12を操作して人感センサ11の動作を開始させた後、人感センサ11によりトイレ利用者の異常状態が検出されることなく、トイレ利用者が呼出ボタン32を操作することによってナースコールの呼び出しを行った場合、スタッフは、上述のように復旧ボタンを操作することによって呼出状態を解除するとともに、人感センサ11の動作状態も解除する。人感センサ11の動作状態の解除は、例えば、開始ボタン12を再度操作することによって行う。この場合の操作は、開始ボタン12を所定時間以上続けて押下する長押し操作としてもよい。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の異常検出装置10は、その機能構成として、上述した人感センサ11および開始ボタン12の他に、電圧レギュレータ13、コンデンサ14、整流ダイオード15、入力電圧監視部16、制御部17およびリレースイッチ18を備えている。制御部17は、CPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたマイコンであり、RAMやROM等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される機能構成として、センサ動作監視部17Aおよび報知制御部17Bを備えている。
【0024】
電圧レギュレータ13は、ACアダプタ20から入力される電圧をもとに、一定の電圧を生成して出力するものである。この電圧レギュレータ13により生成された電圧が、人感センサ11、開始ボタン12、入力電圧監視部16、制御部17およびリレースイッチ18に対して電源電圧として供給される。なお、電圧レギュレータ13より出力される電源電圧は、電圧レギュレータ13の出力直後で分岐する第1系統と、整流ダイオード15およびコンデンサ14を経由する第2系統との何れかを介して供給される。人感センサ11、開始ボタン12および入力電圧監視部16に対する電源電圧は第1系統を介して供給され、制御部17およびリレースイッチ18に対する電源電圧は第2系統を介して供給される。
【0025】
コンデンサ14は、コンセントからACアダプタ20および電圧レギュレータ13を通じて供給される電力を得て蓄電する。すなわち、ACアダプタ20がコンセントに接続されている間、ACアダプタ20から供給される電力をもとに電圧レギュレータ13により生成された電源電圧がコンデンサ14に加えられることにより、コンデンサ14に電流が流れて充電される。そして、電極間の電位差が電源電圧と等しくなると充電が終了し、そのときの蓄電状態が維持される。
【0026】
逆に、ACアダプタ20がコンセントから外されると、コンデンサ14から電流が流れ出ることによって放電が行われる。ここで、電圧レギュレータ13とコンデンサ14との間には整流ダイオード15が接続されており、電圧レギュレータ13からコンデンサ14に向かう方向に対してのみ電流が流れるように構成されている。このため、コンデンサ14の放電によって生じる電流は、制御部17およびリレースイッチ18に対してのみ供給される。制御部17およびリレースイッチ18は、ACアダプタ20がコンセントに接続されているときにコンデンサ14に蓄電された電力を、当該コンデンサ14の放電時に電源として用いて動作することが可能である。
【0027】
入力電圧監視部16は、ACアダプタ20からの入力電圧を監視する。具体的には、入力電圧監視部16は、ACアダプタ20から電圧レギュレータ13に入力される電圧をもとに生成される電源電圧の大きさを監視し、電源電圧が基準値以下に低下した場合に、ACアダプタ20からの入力電圧が所定値以下になったと判断する。ここで、基準値は、例えば、異常検出装置10の各回路が正常に動作するために必要と考えられる最低限の電圧値とする。
【0028】
制御部17は、開始ボタン12の操作に応じて、人感センサ11の動作の有無を制御する。すなわち、制御部17は、人感センサ11が動作していないときに開始ボタン12が操作されたことを検知した場合、人感センサ11の動作を開始させる。その後、開始ボタン12が再度操作されたことを検知した場合、制御部17は、人感センサ11の動作を停止させる。
【0029】
また、制御部17は、人感センサ11による検出結果と、開始ボタン12の操作状態と、入力電圧監視部16による監視結果とに基づいて、ナースコールの呼び出しを行うか否かを判定する。そして、呼び出しを行うと判定した場合は、リレースイッチ18を介して呼出装置30を制御することにより、ナースコールの呼び出しを行う。制御部17が制御するナースコールの呼び出しは、上述した第1の報知動作の他に、第2の報知動作がある。以下に、センサ動作監視部17Aおよび報知制御部17Bの動作とともに、第1の報知動作および第2の報知動作を説明する。
【0030】
センサ動作監視部17Aは、開始ボタン12を通じた指示により人感センサ11が動作中か否かを監視する。例えば、センサ動作監視部17Aは、開始ボタン12が操作されて人感センサ11の動作が開始されたときに、内部のフラグをセットすることにより、人感センサ11が動作中であることを記憶する。また、開始ボタン12が再び操作されて人感センサ11の動作が終了したときに、内部のフラグをリセットすることにより、人感センサ11が動作中でないことを記憶する。これにより、センサ動作監視部17Aは、内部のフラグがセットされているか否かによって、人感センサ11が動作中か否かを監視している。
【0031】
報知制御部17Bは、人感センサ11によりトイレ利用者の異常状態が検出された場合に、ACアダプタ20を通じて供給される電力を用いて第1の報知動作を行うように制御する。すなわち、報知制御部17Bは、人感センサ11によりトイレ利用者の異常状態が検出された場合に、ACアダプタ20からの電力をもとに電圧レギュレータ13により生成された電源電圧を用いて、リレースイッチ18を介して呼出装置30を動作させることにより、ナースコールの呼び出し(第1の報知動作)を行うように制御する。
【0032】
また、報知制御部17Bは、センサ動作監視部17Aにより人感センサ11が動作中であると判定され、かつ、入力電圧監視部16によりACアダプタ20からの入力電圧が所定値以下になったと判定された場合に、コンデンサ14に蓄電された電力を用いて第2の報知動作を行うように制御する。ここで、ACアダプタ20からの入力電圧が所定値以下になった場合とは、ACアダプタ20がコンセントから外れた場合に該当する。このとき、開始ボタン12の操作によって人感センサ11が動作中であった場合、報知制御部17Bは、コンデンサ14からの放電により得られる電力を用いて、リレースイッチ18を介して呼出装置30を動作させることにより、ナースコールの呼び出し(第2の報知動作)を行うように制御する。
【0033】
なお、報知制御部17Bは、人感センサ11によりトイレ利用者の異常状態が検出されたときに行う第1の報知動作と、ACアダプタ20がコンセントから外れたときに行う第2の報知動作とで異なる種類の報知を行うように呼出装置30を制御するようにしてもよい。異なる種類の報知とは、例えば、呼出種別の異なる報知である。具体的には、第1の報知動作は、呼出種別を一般呼出または緊急呼出とし、第2の報知動作は、呼出種別を脱落呼出とする。廊下灯やナースコール親機では、呼出種別に応じて異なる呼出音を出力したり、異なる表示を行ったりする。
【0034】
以上詳しく説明したように、本実施形態の異常検出装置10では、コンセントに接続されるACアダプタ20を通じて供給される電力を得て動作する人感センサ11により人の異常状態が検出された場合に、ACアダプタ20を通じて供給される電力を用いて第1の報知動作を行うように呼出装置30を制御する一方、人感センサ11が動作中であると判定され、かつ、ACアダプタ20からの入力電圧が所定値以下になったと判定された場合に、ACアダプタ20を通じて供給される電力を得て蓄電されたコンデンサ14からの電力を用いて第2の報知動作を行うように呼出装置30を制御するようにしている。
【0035】
このように構成した本実施形態によれば、人感センサ11に電源を供給するためのACアダプタ20がコンセントから脱落すると、ACアダプタ20からの入力電圧が所定値以下になるため、そのとき人感センサ11が動作中であれば、ACアダプタ20がコンセントから脱落する前にコンデンサ14に蓄電された電力を用いて第2の報知動作が行われる。これにより、この報知動作を受けたスタッフが報知元のトイレに行ってACアダプタ20をコンセントにさし直すことが可能となるため、トイレ利用者の異常状態を検出することが可能な状態に戻すことができる。また、仮にACアダプタ20の脱落中にトイレ利用者の異常状態が発生したとしても、そのことがスタッフに知られずに放置されてしまう事態を回避することができる。
【0036】
また、本実施形態では、ACアダプタ20がコンセントから脱落しても、人感センサ11が動作中でなければ第2の報知動作は行われない。すなわち、スタッフが開始ボタン12を操作したことに対応して人感センサ11が動作中の場合に限り、第2の報知動作が行われる。これにより、誰もトイレを利用していないときにACアダプタ20が自重によりコンセントから外れたり、介助の必要がないトイレ利用者が誤ってぶつかることによってACアダプタがコンセントから外れたりしても、それだけで呼び出しは行われず、誤報の発生を抑制することが可能である。
【0037】
なお、上記実施形態では、異常検出装置10をトイレに設置する例について説明したが、設置する場所はこれに限定されない。例えば、患者や被介護者が一人で一定の時間滞在するような場所であれば、上記実施形態と同様に設置することが可能である。
【0038】
また、上記実施形態では、異常検出装置10とは別に呼出装置30が存在し、異常検出装置10と呼出装置30との間を信号ケーブル31で接続する構成を示したが、異常検出装置10が呼出装置30の機能を備える構成としてもよい。
【0039】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 異常検出装置
11 人感センサ
12 開始ボタン(操作部)
13 電圧レギュレータ
14 コンデンサ
15 整流ダイオード
16 入力電圧監視部
17 制御部
17A センサ動作監視部
17B 報知制御部
18 リレースイッチ
20 ACアダプタ(電源装置)
30 呼出装置