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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】レジスター装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20220812BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/12 351B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018123448
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2020004111
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591261428
【氏名又は名称】株式会社ライト
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中村 健太郎
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-133751(JP,A)
【文献】特開2005-160796(JP,A)
【文献】特開2003-242376(JP,A)
【文献】特開2018-055639(JP,A)
【文献】特開2005-301978(JP,A)
【文献】特開2011-145997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G07D 1/00- 3/16,
9/00-13/00
G07F 19/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング店で使用されるクリーニング店用のものであり、顧客が別名を希望する場合にその顧客の本名及び別名の両方の登録を行うことが可能なレジスター装置であって、
別名を希望する顧客の本名及び別名を互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
複数種類の被印字物に印字を行う印字手段と、
予め設定された本名印字対象の被印字物には前記記憶手段に記憶された顧客の本名が印字され、かつ、予め設定された別名印字対象の被印字物には前記記憶手段に記憶された顧客の別名が本名の代わりに印字されるように、前記印字手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とするレジスター装置。
【請求項2】
クリーニング店で使用されるクリーニング店用のものであり、顧客が別名を希望する場合にその顧客の本名及び別名の両方の登録を行うことが可能なレジスター装置であって、
別名を希望する顧客の本名及び別名を互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
複数種類の被印字物に印字を行う印字手段と、
予め設定された本名印字対象の被印字物には前記記憶手段に記憶された顧客の本名が印字され、かつ、予め設定された別名印字対象の被印字物には前記記憶手段に記憶された顧客の別名が本名の代わりに印字されるように、前記印字手段を制御する制御手段と、
登録済みの別名を使用するか否かを設定する別名使用設定部である設定ボタンを表示するタッチパネルと
を備えることを特徴とするレジスター装置。
【請求項3】
前記本名印字対象の被印字物は、郵送により顧客に送付される送付物であり、
前記別名印字対象の被印字物は、預かり伝票、工場内作業伝票及び見出しシールを含む業務上利用するものであり、
前記預かり伝票は、クリーニング品の預かり証として顧客に渡される伝票であり、
前記工場内作業伝票は、クリーニング品と一緒にクリーニング工場に送られ、当該クリーニング工場の作業者が行うアセンブリ作業の際に使用される伝票であり、
前記見出しシールは、クリーニング店でクリーニング品に貼り付けられるシールである
ことを特徴とする請求項1又は2記載のレジスター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報の保護を図れるレジスター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されたレジスター装置が知られている。
【0003】
このレジスター装置は、クリーニング業を行うクリーニング店で使用されるもので、店員がタッチ操作する入力手段兼表示手段であるタッチパネルと、各種伝票等の被印字物に印字を行う印字手段であるプリンタ手段と、音声を発生する音声発生手段であるスピーカ手段と、これら各手段を制御する制御手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-242960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、クリーニング業では、顧客からクリーニング品を預かる預かり業務を伴うため、各種伝票等の被印字物にその顧客の人名として本名を記載することが多い。これはクリーニング品の返却の間違いを防ぐ等の目的があるが、近年重要視されている個人情報の保護の観点からすると、顧客の本名を被印字物に記載することは必ずしも好ましくない。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、個人情報の保護を図ることができるレジスター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のレジスター装置は、顧客の本名及び別名を互いに関連付けて記憶し、所定の被印字物には本名の代わりに別名を印字するものである。
【0008】
請求項2記載のレジスター装置は、クリーニング店で使用されるレジスター装置であって、顧客の本名及び別名を互いに関連付けて記憶する記憶手段と、被印字物に印字を行う印字手段と、本名印字対象の被印字物には前記記憶手段に記憶された顧客の本名が印字され、かつ、別名印字対象の被印字物には前記記憶手段に記憶された顧客の別名が印字されるように、前記印字手段を制御する制御手段とを備えるものである。
【0009】
請求項3記載のレジスター装置は、請求項2記載のレジスター装置において、制御手段は、別名印字対象の被印字物には顧客の別名の近傍にそれが本名ではなく別名であることを示す表示が印字されるように、印字手段を制御するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、個人情報の保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係るレジスター装置を模式的に示す構成図である。
図2】別名印字対象の被印字物(預かり伝票)の例を示す図である。
図3】別名印字対象の被印字物(工場内作業伝票)の例を示す図である。
図4】別名印字対象の被印字物(見出しシール)の例を示す図である。
図5】本名印字対象の被印字物(葉書)の例を示す図である。
図6】本名印字対象の被印字物(請求書)の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1において、1はレジスター装置で、このレジスター装置1は、クリーニング業を行うクリーニング店で使用されるものであって、顧客(会員顧客)が複数種の商品の中から選択した商品の価格に基づいてクリーニング代等の売上代金を決済する装置である。なお、ここでいう「商品」とは、商品自体に加え、他人に提供するサービス(役務)を含む意味である。
【0014】
そして、特にこのレジスター装置1は、顧客が希望する場合に、その顧客の本名及び別名の両方の登録を行うことが可能なクリーニング店用レジスターである。なお、ここでいう「別名」とは、本名以外の別の名称で本名(正式名称)に代わるものであり、例えば通称名、匿名、ニックネーム、愛称等である。つまり、それは顧客が自分を特定する識別表示として希望する名称である。
【0015】
レジスター装置1は、図1に示されるように、クリーニング店の店員が指先等でタッチ操作可能な入力手段兼表示手段であるタッチパネル2と、顧客(別名を希望する顧客)の本名及び別名を互いに関連付けて記憶するとともに各種情報を記憶する記憶手段3と、複数種類の被印字物6に印字を行う印字手段であるプリンタ手段4と、このプリンタ手段4を含む各手段を制御する制御手段5とを備えている。
【0016】
そして、制御手段5は、予め設定された本名印字対象の被印字物6(以下では「6a」という場合がある)には記憶手段3に記憶された顧客の本名が印字され、かつ、予め設定された別名印字対象の被印字物6(以下では「6b」という場合がある)には記憶手段3に記憶された顧客の別名が印字されるように、プリンタ手段4を制御する。
【0017】
また、制御手段5は、別名印字対象の被印字物6bには顧客の別名の近傍にそれが本名ではなく別名であることを示す表示(例えば「※」)が印字されるように、プリンタ手段4を制御する。なお、プリンタ手段4は、例えば伝票類を印字するサーマルプリンタ、見出しシール等を印字するドットプリンタ、請求書等を印字するページプリンタ等である。
【0018】
ここで、まず、別名印字対象の被印字物6bは、業務上利用するものであって、例えば預かり伝票、工場内作業伝票、見出しシール等である。
【0019】
預かり伝票は、図2に一例を示すもので、クリーニング品の預かり証(クリーニング後の仕上がり品の引換券)として顧客に渡される顧客用伝票である。工場内作業伝票は、図3に一例を示すもので、クリーニング工場でアセンブリ作業(複数の仕上がり品を顧客ごとにまとめる作業)の際に使用される店用伝票である。見出しシールは、図4に一例を示すもので、クリーニング店で仕上がり品に一点一点貼り付けられる返却用シールである。
【0020】
そして、これら複数の各被印字物6bには、顧客の本名(例えば「ライト太郎」)ではなく、その代わりに、顧客の別名が(例えば「別名太郎」)が印字される。また、その別名の近傍位置には、その名称が本名ではなく別名であることを示す表示、すなわち例えば「※」の如く予め設定された設定記号が印字される。
【0021】
また、本名印字対象の被印字物6aは、郵送等により顧客に送付される送付物であって、例えば販売促進用の葉書(DM)や、請求書等である。
【0022】
葉書は、図5に一例を示すもので、その裏面には、例えば割引券、無料券やタイムサービス等に関する、販売促進用の情報が記載される。請求書は、図6に一例を示すもので、クリーニング代を月毎に支払う特定の顧客に送付される文書である。そして、これら複数の各被印字物6aには、顧客の本名(例えば「ライト太郎」)が印字される。
【0023】
次に、レジスター装置1の作用等を説明する。
【0024】
例えば別名での表示を希望する新規な顧客から、クリーニングの注文を受けた場合には、店員は、少なくとも本名、別名、住所及び電話番号を含む顧客情報を登録するとともに、当該顧客からの注文情報を登録する。なお、各顧客ごとに会員番号が設定され、この設定された会員番号に対して本名、別名、住所、電話番号等の所定情報が関連付けられて記憶される。
【0025】
そして、店員が印刷実行の操作を行うと、制御手段5の制御に基づくプリンタ手段4の作動によって、例えば図2の如く別名が印字された預かり伝票と、図3の如く別名が印字された工場内作業伝票とが、それぞれ作成される。なお、印刷実行の前にタッチパネル2に表示される所定の画面には、例えば登録済みの別名を使用するか否かを設定する別名使用設定部である設定ボタンが表示される。それゆえ、別名での表示を希望しなくなった顧客に対しては、店員は設定ボタンをオン状態からオフ状態に切り換えることで対応可能である。
【0026】
そして、預かり伝票は、クリーニング品の預かり証として顧客に渡され、後にその顧客は仕上がり品を受け取る際にそれを持参する。
【0027】
工場内作業伝票は、クリーニング品と一緒にクリーニング工場に送られ、そこでのアセンブリ作業の際に使用される。具体的には、クリーニング工場の作業者は、工場内作業伝票の連番表示(例えば「1-034」、「1-035」、「1-036」)と、仕上がり品に付いたクリーニングタグのタグ番号とを照合しながら、アセンブリ作業を行うが、このとき顧客の本名を知ることはない。つまり、作業者が仕上がり品の所有者である顧客の本名を知るようなことはない。
【0028】
また一方、店員は、既に登録されて記憶手段3に記憶された情報に基づいて、プリンタ手段4を用いて、例えば図5の如く本名が印字された葉書や、図6の如く本名が印字された請求書を作成し、それらを各顧客に送付する。
【0029】
そして、このようなクリーニング店用のレジスター装置1によれば、クリーニング品を預ける顧客からの要求に応じて本名及び別名を互いに関連付けて記憶手段3で記憶し、予め設定された所定の被印字物6、つまり別名印字対象の各被印字物6bには本名の代わりに別名をプリンタ手段4で印字するため、個人情報の保護を図ることができる。
【0030】
また、別名印字対象の各被印字物6bには、顧客の別名の近傍にそれが本名ではなく別名であることを示す表示が印字されるため、店員は当該表示によって本名か別名かを容易に知ることができる。
【0031】
なお、レジスター装置1は、クリーニング店用のものには限定されず、他の店舗で使用されるものでもよい。
【0032】
また、別名印字対象の被印字物6bは、図示した預かり伝票、工場内作業伝票、見出しシールには限定されず、例えば納品書等でもよい。
【0033】
さらに、本名印字対象の被印字物6aは、図示した葉書、請求書には限定されず、例えば販売促進用のパンフレット等でもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 レジスター装置
3 記憶手段
4 印字手段であるプリンタ手段
5 制御手段
6 被印字物
図1
図2
図3
図4
図5
図6