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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】カテーテル装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 15/00 20060101AFI20220812BHJP
   A61M 25/095 20060101ALI20220812BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A61J15/00 A
A61M25/095
A61M25/00 530
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019517622
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(86)【国際出願番号】 JP2018017706
(87)【国際公開番号】W WO2018207752
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】P 2017094886
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519000205
【氏名又は名称】間藤 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(72)【発明者】
【氏名】間藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】上村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】永井 勝也
(72)【発明者】
【氏名】添田 薫
(72)【発明者】
【氏名】魚住 岳輝
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/133119(WO,A1)
【文献】特表2016-522717(JP,A)
【文献】特開2002-263054(JP,A)
【文献】特開2015-188674(JP,A)
【文献】特開2010-051440(JP,A)
【文献】特開2016-087091(JP,A)
【文献】特開2013-196644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 15/00
A61M 25/095
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内に挿入されるチューブと、
前記チューブの先端側に設けられ、前記チューブの位置確認のための赤外線光を放出する赤外線発光素子が設けられた発光部と、
前記赤外線発光素子に電力を供給する電源ラインと、
前記電源ラインと前記赤外線発光素子との導通状態を可視光によって通知する可視光発光素子を有する導通検知部と、
を備え、
前記電源ラインと並列に設けられ、前記可視光発光素子を迂回して前記赤外線発光素子に電力を供給するバイパスラインと、
前記赤外線発光素子への電力の供給ラインとして、前記電源ラインと前記バイパスラインとの切り替えを行うスイッチ部と、をさらに備えたカテーテル装置。
【請求項2】
前記発光部は、前記チューブの延出方向に延在する基材を有し、
前記基材に前記赤外線発光素子および前記可視光発光素子が実装された、請求項1記載のカテーテル装置。
【請求項3】
前記可視光発光素子は、前記赤外線発光素子と前記延出方向に並置された、請求項2記載のカテーテル装置。
【請求項4】
前記可視光発光素子は、前記チューブの途中に設けられた、請求項1記載のカテーテル装置。
【請求項5】
前記可視光発光素子は、前記チューブの後端側に設けられた、請求項1記載のカテーテル装置。
【請求項6】
前記チューブの後端側に設けられ、前記チューブと外部機器とを接続するためのコネクタ部をさらに備え、
前記可視光発光素子は、前記コネクタ部に設けられた、請求項1記載のカテーテル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル装置に関し、特に体内に挿入するチューブの先端位置を把握するための発光部を備えたカテーテル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経管栄養カテーテル装置は、意識障害、筋力衰退などにより自ら飲食できなくなった患者の胃まで栄養剤や薬などを送るために用いられる。このカテーテル装置を用いた方法では、口や鼻から体内にチューブを挿入して胃まで到達させて、体外からチューブを介して栄養剤等を胃に送り込んでいる。点滴だけでは胃や腸などの消化器系の能力の衰退が危惧されるが、チューブによって胃に直接栄養剤等を送ることで消化器系の能力の衰退を抑制できるメリットもある。
【0003】
このようなカテーテル装置を用いた方法では、チューブが誤って気道に入らないように注意を払う必要がある。特許文献1には、複数の視覚素子を備えるカテーテルが開示される。すなわち、使用者が様々な角度で病巣の複数の画像を取り込むことができる固定式視覚素子と可動式視覚素子とを備えたカテーテルシステムが開示されている。このカテーテルシステムでは、チューブの先端にLEDを設けることで光を照射して、視覚素子で取り込む画像の質を向上させている。
【0004】
また、特許文献2には、生体内の細管内に挿入して発光させる体内部位発光装置が開示される。この装置は、両端が封止された可撓性および光透過性を有する管状体からなる本体部と、この本体部に内設される少なくとも1つの発光部と、この発光部を発光させるための発光手段とを有している。この体内部位発光装置では、本体部を発光させて生体内に挿入した後で発光させることにより、腹腔鏡下手術等において、医師や獣医師が細管の位置や走行状態を正確に視認できるようになっている。
【0005】
特許文献3には、光源からファイバに向けて光を出射してカテーテルの先端部の位置を適切に確認することができるカテーテル装置及びカテーテル位置確認方法が開示される。この装置は、体内に挿入されるべきカテーテルと、可視赤色光を放射するレーザーダイオードを有する光源部と、光源部から放射される可視赤色光をカテーテルの先端部近傍に導光するファイバと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2008-526360号公報
【文献】特開2007-222388公報
【文献】特開2016-087091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
チューブの先端に発光部を備えたカテーテル装置では、発光部からは人体を透過しやすい赤外領域の波長の光が放出されるため、正常に点灯しているか目視で確認しにくい。一方、カテーテル装置を取り扱う使用者には、チューブ先端の発光部が正常に動作しているかどうか、チューブを患者に挿入する前に目視で確認したいという要求がある。
【0008】
本発明は、チューブを挿入する前に発光部の動作確認を目視で行うことができるカテーテル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るカテーテル装置は、体内に挿入されるチューブと、チューブの先端側に設けられ、チューブの位置確認のための赤外線光を放出する赤外線発光素子が設けられた発光部と、赤外線発光素子に電力を供給する電源ラインと、電源ラインと赤外線発光素子との導通状態を可視光によって通知する可視光発光素子を有する導通検知部と、を備える。
【0010】
このような構成によれば、導通検知部の可視光発光素子から発光される可視光の状態によって、チューブの先端側に設けられた発光部の赤外線発光素子と、この赤外線発光素子に電力を供給する電源ラインとの導通状態を確認することができる。
【0011】
上記カテーテル装置において、発光部は、チューブの延出方向に延在する基材を有し、基材に赤外線発光素子および可視光発光素子が実装されていてもよい。これにより、チューブの先端側に設けられた発光部の位置に導通検知部の可視光発光素子が設けられているため、導通確認の可視光の発光状態をチューブの先端側で確認することができる。
【0012】
上記カテーテル装置において、可視光発光素子は、赤外線発光素子と延出方向に並置されていてもよい。これにより、チューブの先端側に赤外線発光素子と可視光発光素子とが設けられていても、チューブ先端側の外径を必要以上に大きくしなくて済む。
【0013】
上記カテーテル装置において、可視光発光素子は、チューブの途中に設けられていてもよいし、チューブの後端側に設けられていてもよい。これにより、チューブの先端側が人体に挿入されていても可視光の発光状態を確認することができる。
【0014】
上記カテーテル装置において、チューブの後端側に設けられ、チューブと外部機器とを接続するためのコネクタ部をさらに備えていてもよい。可視光発光素子は、コネクタ部に設けられていてもよい。これにより、チューブの後端側に設けられたコネクタ部の位置において可視光の発光状態に基づき赤外線発光素子と電源ラインとの導通状態を確認することができる。
【0015】
上記カテーテル装置において、電源ラインと並列に設けられ、可視光発光素子を迂回して赤外線発光素子に電力を供給するバイパスラインと、赤外線発光素子への電力の供給ラインとして、電源ラインとバイパスラインとの切り替えを行うスイッチ部と、をさらに備えていてもよい。これにより、可視光発光素子の発光状態で赤外線発光素子と電源ラインとの導通状態を確認した後、バイパスラインへの切り替えによって可視光発光素子を発光させずに済む。すなわち、赤外線発光素子と電源ラインとの導通状態が確認できた後は、可視光発光素子を発光させないようにして電力消費の抑制および発熱を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、チューブを挿入する前に発光部の動作確認を目視で行うことができるカテーテル装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係るカテーテル装置を例示する模式図である。
図2】発光部の構成例を示す斜視図である。
図3】導通検知部の回路構成(その1)を例示する図である。
図4】導通検知部の回路構成(その2)を例示する図である。
図5】可視光発光素子の配置例について示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0019】
(カテーテル装置の構成)
図1は、本実施形態に係るカテーテル装置を例示する模式図である。
本実施形態に係るカテーテル装置1は、人体100に挿入されるチューブ10と、チューブ10の先端側に設けられた発光部20と、電源ライン25と、可視光発光素子45を有する導通検知部40とを備える。図1に示すカテーテル装置1は、受光部30および制御部50をさらに備えている。カテーテル装置1は、一例として、チューブ10を口や鼻から体内に挿入し、食道を経由してチューブ10の先端を胃まで到達させる。そして、体外からチューブ10を通して栄養剤や薬などを胃に送り込む。これにより、患者の胃まで栄養剤や薬などを直接送ることができる。
【0020】
チューブ10の後端側にはコネクタ15(コネクタ部)が接続され、このコネクタ15にケーブルC10が接続されている。ケーブルC10は制御部50(外部機器)と接続される。チューブ10には電源ライン25が設けられており、この電源ライン25の一端が発光部20と接続され、電源ライン25の他端がコネクタ15と接続される。コネクタ15は、チューブ10の電源ライン25とケーブルC10とを導通させる役目を果たす。
【0021】
また、コネクタ15にはチューブ10の他端側の口(体外側の口)と連通する投入口151が設けられる。投入口151から栄養剤や薬などをチューブ10内に入れることができる。
【0022】
発光部20には、チューブ10の位置確認のための赤外線発光素子21が設けられている。赤外線発光素子21から発光される赤外線光の波長は人体100を透過可能な例えば650nm~1000nm程度である。これにより、チューブ10が体内に挿入された際、チューブ10の先端側に設けられた発光部20から放出される赤外線光を体外で受けることができる。赤外線発光素子21には電源ライン25が接続される。電源ライン25は例えばチューブ10の壁内(肉厚内)に埋め込まれており、チューブ10の先端から後端にかけて延設されている。
【0023】
また、発光部20はキャップ20cによって保護されている。キャップ20cによって発光部20内を防水できるとともに、キャップ20cの滑らかな外形によってチューブ10を人体100に挿入する際の作業性が高まる。
【0024】
受光部30は、発光部20から放出され人体100を透過した赤外線光を受ける部分である。受光部30は体外の人体100に近い位置に配置される。例えば、チューブ10の先端を胃まで到達させたい場合には、受光部30を体外の胃の近くに配置しておく。受光部30はケーブルC30によって制御部50と接続される。受光部30で受けた赤外線光に基づく電気信号はケーブルC30を介して制御部50へ送られる。
【0025】
制御部50は、発光部20および受光部30など各部を制御する部分である。制御部50は操作ボタン53およびディスプレイ55を備える。制御部50は、ケーブルC10を介して発光部20へ通電制御を行う。すなわち、発光部20を動作させるための電力は、制御部50からケーブルC10およびチューブ10内の電源ライン25を介して発光部20の赤外線発光素子21へ供給される。
【0026】
ディスプレイ55は、受光部30による検出結果を表示する。例えば、受光部30で検出した赤外線光の強度に基づく信号が所定の値を超えた場合には「検出」した旨の表示を行う。また、信号強度に応じた数値やグラフ、絵柄などを表示してもよい。制御部50は、「検出」した旨を音によって報知してもよい。操作ボタン53は、ディスプレイ55の表示切り替えや、設定変更などを行う場合に用いられる。
【0027】
導通検知部40は、電源ライン25と赤外線発光素子21との導通状態を検知する部分である。導通検知部40に設けられた可視光発光素子45は、電源ライン25と赤外線発光素子21との導通状態を可視光によって通知する。図1に示す例では、可視光発光素子45は発光部20内に設けられる。電源ライン25と赤外線発光素子21とが導通状態であれば可視光発光素子45から可視光が放出される。
【0028】
一方、電源ライン25と赤外線発光素子21とが導通状態でなければ可視光発光素子45から可視光は放出されない。赤外線発光素子21からは視認しにくい赤外線光が放出されるため、正常に動作しているか把握し難い。このため、可視光発光素子45から可視光が放出されるか否かによって電源ライン25と赤外線発光素子21との導通状態を目視で確認しやすくなる。
【0029】
カテーテル装置1を使用するには、先ず、チューブ10とコネクタ15とを接続し、コネクタ15にケーブルC10を接続して制御部50と繋げる。また、受光部30をケーブルC30によって制御部50と繋げる。
【0030】
次に、制御部50からケーブルC10およびチューブ10の配線を介して発光部20に電力を供給して、赤外線光を放出する。この際、電源ライン25から赤外線発光素子21に正常に電力が供給されていれば、導通検知部40の可視光発光素子45から可視光が放出される。使用者は、可視光発光素子45の発光状態によって、赤外線発光素子21から正常に赤外線光が放出されているか否かを確認することができる。
【0031】
可視光発光素子45から放出される可視光によって赤外線発光素子21が正常に動作していることを確認した後は、この状態でチューブ10を口や鼻から体内に挿入していく。一方、チューブ10の先端を到達させたい位置と近い体外に受光部30を配置しておく。例えば、胃までチューブ10を挿入したい場合には、体外の胃の辺り(上腹部辺り)に受光部30を配置しておく。
【0032】
この状態でチューブ10を体内に挿入していく。そして、チューブ10の先端が胃まで到達すると、発光部20から放出された赤外線光が人体100を透過して受光部30まで達する。受光部30で赤外線光を受けると、その光量に応じた信号をケーブルC30を介して制御部50に送る。この信号が予め設定された値を超えた場合、制御部50のディスプレイ55に到達した旨を表示する。
【0033】
一方、チューブ10の先端が胃まで到達していない場合には、受光部30で受ける赤外線光の量が少ないため、ディスプレイ55には到達した旨の表示はされない。これにより、使用者は、ディスプレイ55の表示によって、チューブ10の先端が胃まで到達したか否かを認識することができる。
【0034】
なお、上記の例では、チューブ10を体内に挿入しながら先端位置の検出を行ったが、チューブ10に先端からの長さを示す目盛が設けられている場合、その目盛を目安にしてチューブ10を体内に挿入し、目標の長さまで挿入した後に受光部30を当てて検出を行うようにしてもよい。
【0035】
(発光部の構成例)
図2は、発光部の構成例を示す斜視図である。なお、図2では、説明の便宜上、キャップ20cは省略されている。発光部20は、チューブ10の延出方向D0に延在する基材である基板200と、基板200に実装される赤外線発光素子21を有する。ここで、チューブ10の延出方向D0とは、チューブ10を真っ直ぐにした際にチューブ10の延びる方向のことを言う。
【0036】
基板200は、例えば配線パターンが形成されたフレキシブル基板である。赤外線発光素子21は、基板200の実装面210aに実装される。また、実装面210aには、導通検知部40の可視光発光素子45が実装される。可視光発光素子45は、実装面210aにおいて赤外線発光素子21と延出方向D0に並置される。
【0037】
基板200には、配線パターンと導通するように赤外線発光素子21および可視光発光素子45が実装される。また、チューブ10から延出する電源ライン25が配線パターンに接続され、電源ライン25から配線パターンを介して赤外線発光素子21および可視光発光素子45へ電力が供給される。
【0038】
このような発光部20では、基板200の実装面210aに赤外線発光素子21と可視光発光素子45とが並置されていることで、動作確認したい赤外線発光素子21と近い位置で、可視光による動作確認を行うことができる。動作確認したい対象物と近い位置で確認できるため、直感的な動作確認を行うことができる。
【0039】
図3は、導通検知部の回路構成(その1)を例示する図である。
図3では、説明の便宜上、発光部20、チューブ10および制御部50が示されている。この回路構成では、制御部50と発光部20との間に電源ライン25、バイパスライン29および接地ライン27が設けられる。電源ライン25、バイパスライン29および接地ライン27の3本の配線はチューブ10に沿って並列に設けられる。
【0040】
発光部20において、電源ライン25と接地ライン27との間に赤外線発光素子21および可視光発光素子45が、直列に接続される。制御部50にはスイッチ部SWが設けられる。スイッチ部SWは、電源の一方(例えばプラス側)を電源ライン25に接続するか、バイパスライン29に接続するかの切り替えを行う。
【0041】
バイパスライン29は、電源ライン25と並列に設けられており、可視光発光素子45を迂回して赤外線発光素子21に電力を供給するライン(電力の供給ライン)である。したがって、スイッチ部SWによって電源ライン25を選択した場合には赤外線発光素子21および可視光発光素子45に電力が供給され、バイパスライン29を選択した場合には可視光発光素子45を迂回して赤外線発光素子21に電力が供給される。
【0042】
このような回路構成では、赤外線発光素子21と電源ライン25との導通状態を確認する際にはスイッチ部SWで電源ライン25を選択して、赤外線発光素子21と直列接続された可視光発光素子45の発光状態によって赤外線発光素子21の動作を確認する。そして、動作確認をした後は、スイッチ部SWでバイパスライン29を選択して、可視光発光素子45には電力を供給せずに赤外線発光素子21のみを発光させる。これにより、赤外線発光素子21と電源ライン25との導通状態が確認できた後は、可視光発光素子45を発光させないようにして電力消費の抑制および発熱を防止することができる。
【0043】
図4は、導通検知部の回路構成(その2)を例示する図である。この回路構成では、赤外線発光素子21と可視光発光素子45とが電源ライン25に直列に接続されるとともに、可視光発光素子45が発光部20以外の位置に設けられている。発光部20には赤外線発光素子21が設けられ、これらが電源ライン25に直列に接続されている。また、発光部20以外の位置に設けられた可視光発光素子45も赤外線発光素子21と直列に接続され、電源ライン25に接続されている。
【0044】
したがって、電源ライン25に電力を供給することで、導通状態が正常であれば赤外線発光素子21および可視光発光素子45から光が放出される。一方、導通状態が異常であれば赤外線発光素子21および可視光発光素子45から光は放出されない。したがって、使用者は、電源ライン25に電力を供給した際に可視光発光素子45から可視光が放出されたか否かによって赤外線発光素子21と電源ライン25との導通状態を確認することができる。
【0045】
図5は、可視光発光素子の配置例について示す模式図である。
図5では、発光部20以外の位置に可視光発光素子45が配置されている例を示している。可視光発光素子45は、例えばチューブ10の途中、コネクタ15の位置、ケーブルC10の途中、制御部50の位置、受光部30の位置など、見やすい位置に配置することができる。可視光発光素子45は、赤外線発光素子21と電源ライン25との導通状態に応じて可視光を放出するように配線されていれば、どのような位置に配置されていてもよい。使用者が確認しやすい位置に可視光発光素子45を設けておけばよい。
【0046】
なお、上記に本実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、赤外線発光素子21と電源ライン25との導通状態が正常であれば可視光発光素子45から可視光を放出し、異常であれば可視光を放出しない回路構成を示したが、反対に、正常であれば可視光発光素子45から可視光を放出せず、異常であれば可視光を放出するような回路構成であってもよい。また、導通検知部40として可視光発光素子45から可視光を放出する例を示したが、制御部50のディスプレイ55に赤外線発光素子21と電源ライン25との導通状態を通知するようにしてもよい。
【0047】
また、上記の実施形態ではチューブ10を口や鼻から体内に挿入する例を示したが、肛門や施術によって身体に開けた穴からチューブ10を挿入する場合であっても適用可能である。また、発光部20として、延出方向D0に赤外線発光素子21および可視光発光素子45が並置される例を示したが、基板200の表裏に赤外線発光素子21および可視光発光素子45のそれぞれが実装されていてもよい。
【0048】
また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
1…カテーテル装置
10…チューブ
15…コネクタ
20…発光部
20c…キャップ
21…赤外線発光素子
25…電源ライン
27…接地ライン
29…バイパスライン
30…受光部
40…導通検知部
45…可視光発光素子
50…制御部
53…操作ボタン
55…ディスプレイ
100…人体
151…投入口
200…基板
210a…実装面
C10…ケーブル
C30…ケーブル
D0…延出方向
SW…スイッチ部
図1
図2
図3
図4
図5