(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】手摺ベルト、及びエスカレーター
(51)【国際特許分類】
B66B 23/24 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
B66B23/24 B
(21)【出願番号】P 2021017889
(22)【出願日】2021-02-08
【審査請求日】2021-02-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519434134
【氏名又は名称】株式会社UDエスカレーター
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】江本 真聰
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-224136(JP,A)
【文献】特開2018-193241(JP,A)
【文献】特開2018-165215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、前記踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、を備えたエスカレーターの前記手摺ベルトであって、
前記手摺ベルトは、
前記手摺ベルトの表面に設けられる方向表示マークと、
広告情報を送信する広告情報送信手段と、を備え、
前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、前記エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、
前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークの位置を基準に設けられて
おり、
前記方向表示マークは、前記広告情報送信手段の設置位置を特定するための目印ともなっている、
手摺ベルト。
【請求項2】
前記方向表示マークは、前記手摺ベルトが反転する反転部の半円周範囲に1個存在する間隔で、前記手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられている、
請求項1に記載の手摺ベルト。
【請求項3】
前記広告情報送信手段は、近距離無線通信にて前記広告情報を送信する、
請求項1又は2に記載の手摺ベルト。
【請求項4】
前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークと重なる位置に設けられて
おり、
前記広告情報送信手段と前記方向表示マークとは相互に対向している、
請求項1から3の何れか一項に記載の手摺ベルト。
【請求項5】
前記広告情報送信手段は、前記手摺ベルトの長手方向において隣接する2個の前記方向表示マークの相互間に設けられている、
請求項1から4の何れか一項に記載の手摺ベルト。
【請求項6】
前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられており、
前記手摺ベルトは、複数の前記方向表示マークを基準にして、長手方向において複数の区間に分けられており、
前記広告情報送信手段は、前記手摺ベルトの前記複数の区間各々に1個以上ずつ設けられており、
前記複数の区間の内の第1の区間に設けられている前記広告情報送信手段は、第1の広告を示す情報を送信し、
前記複数の区間の内の前記第1の区間とは異なる第2の区間に設けられている前記広告情報送信手段は、前記第1の広告とは異なる第2の広告を示す情報を送信する、
請求項1から5の何れか一項に記載の手摺ベルト。
【請求項7】
前記広告情報送信手段は、1個の前記エスカレーターに複数個設けられており、
複数の前記広告情報送信手段は、相互に異なる広告を示す情報を送信する、
請求項1から5の何れか一項に記載の手摺ベルト。
【請求項8】
前記広告情報送信手段は、1個の前記エスカレーターに複数個設けられており、
複数の前記広告情報送信手段は、相互に同一の広告を示す情報を送信する、
請求項1から5の何れか一項に記載の手摺ベルト。
【請求項9】
前記広告情報送信手段の設置位置を前記エスカレーターのユーザに覚知させるための広告マークあって、前記方向表示マークとは異なる前記広告マーク、を更に備える、
請求項1から3、5から8の何れか一項に記載の手摺ベルト。
【請求項10】
往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、前記踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、を備えたエスカレーターであって、
前記手摺ベルトは、
前記手摺ベルトの表面に設けられる方向表示マークと、
広告情報を送信する広告情報送信手段と、を備え、
前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、前記エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、
前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークの位置を基準に設けられて
おり、
前記方向表示マークは、前記広告情報送信手段の設置位置を特定するための目印ともなっている、
エスカレーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺ベルト、及びエスカレーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エスカレーターの手摺ベルトに対して広告情報を表示した印刷シートを貼付することにより、広告を行う技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エスカレーターで行う広告において、乗客の安全性を確保しつつ広告を行う技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、乗客の安全性を確保しつつ広告を行うことが可能となる手摺ベルト及びエスカレーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の手摺ベルトは、往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、前記踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、を備えたエスカレーターの前記手摺ベルトであって、前記手摺ベルトは、前記手摺ベルトの表面に設けられる方向表示マークと、広告情報を送信する広告情報送信手段と、を備え、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、前記エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークの位置を基準に設けられており、前記方向表示マークは、前記広告情報送信手段の設置位置を特定するための目印ともなっている。
【0007】
また、請求項2に記載の手摺ベルトは、請求項1に記載の手摺ベルトにおいて、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトが反転する反転部の半円周範囲に1個存在する間隔で、前記手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられている。
【0008】
また、請求項3に記載の手摺ベルトは、請求項1又は2に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、近距離無線通信にて前記広告情報を送信する。
【0009】
また、請求項4に記載の手摺ベルトは、請求項1から3の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークと重なる位置に設けられており、前記広告情報送信手段と前記方向表示マークとは相互に対向している。
【0010】
また、請求項5に記載の手摺ベルトは、請求項1から4の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、前記手摺ベルトの長手方向において隣接する2個の前記方向表示マークの相互間に設けられている。
【0011】
また、請求項6に記載の手摺ベルトは、請求項1から5の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられており、前記手摺ベルトは、複数の前記方向表示マークを基準にして、長手方向において複数の区間に分けられており、前記広告情報送信手段は、前記手摺ベルトの前記複数の区間各々に1個以上ずつ設けられており、前記複数の区間の内の第1の区間に設けられている前記広告情報送信手段は、第1の広告を示す情報を送信し、前記複数の区間の内の前記第1の区間とは異なる第2の区間に設けられている前記広告情報送信手段は、前記第1の広告とは異なる第2の広告を示す情報を送信する。
【0012】
また、請求項7に記載の手摺ベルトは、請求項1から5の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、1個の前記エスカレーターに複数個設けられており、複数の前記広告情報送信手段は、相互に異なる広告を示す情報を送信する。
【0013】
また、請求項8に記載の手摺ベルトは、請求項1から5の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、1個の前記エスカレーターに複数個設けられており、複数の前記広告情報送信手段は、相互に同一の広告を示す情報を送信する。
【0014】
また、請求項9に記載の手摺ベルトは、請求項1から3、5から8の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段の設置位置を前記エスカレーターのユーザに覚知させるための広告マークあって、前記方向表示マークとは異なる前記広告マーク、を更に備える。
また、請求項10に記載のエスカレーターは、往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、前記踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、を備えたエスカレーターであって、前記手摺ベルトは、前記手摺ベルトの表面に設けられる方向表示マークと、広告情報を送信する広告情報送信手段と、を備え、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、前記エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークの位置を基準に設けられている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の手摺ベルト、及び請求項10に記載のエスカレーターによれば、方向表示マーク及び広告情報送信手段を備えることにより、例えば、乗客の安全性を確保しつつ広告を行うことが可能となる。特に、広告情報送信手段は方向表示マークの位置を基準に設けられていることにより、例えば、乗客に対して、広告情報送信手段の設置位置を、方向表示マークの設置位置に基づいて認識させることが可能となる。
【0016】
請求項2に記載の手摺ベルトによれば、方向表示マークは、手摺ベルトが反転する反転部の半円周範囲に1個存在する間隔で、手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられていることにより、例えば、エスカレーターに乗り込もうとする乗客の注意を、半円周範囲における1個の方向表示マークに集中させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は近距離無線通信にて広告情報を送信することにより、例えば、広告を取得するために自己の端末装置を広告情報送信手段に近づけた乗客に対してのみ、広告を確認させることが可能となるので、広告の確認要否に関する乗客の意図に沿うことができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は方向表示マークと重なる位置に設けられていることにより、例えば、乗客に対して、広告情報送信手段の設置位置をより正確に把握させることが可能となる。また、広告情報の確認を希望する乗客に対して、方向表示マークへの注意を集中させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は2個の方向表示マークの相互間に設けられていることにより、例えば、2個の方向表示マークの相互間に広告情報送信手段を任意の個数だけ設けることができるので、利便性を向上させることが可能となる。また、例えば、乗客が、広告情報を受信するために、自己の端末装置を、手摺ベルトにおける広告情報送信手段が設けられている位置付近に当接させることにより、当該当接される位置付近が徐々に損傷する可能性が想定されるが、このような場合においても、方向表示マークの損傷を防止することができ、安全性を維持することが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は手摺ベルトの複数の区間各々に1個以上ずつ設けられており、複数の区間における共通の区間に設けられている広告情報送信手段は、相互に同一の広告を示す情報を送信することにより、例えば、手摺ベルトを複数の区間に分けて、区間単位で広告を行うことが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の手摺ベルトによれば、複数の広告情報送信手段は相互に異なる広告を示す情報を送信することにより、例えば、乗客に対して様々な広告情報を送信することが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の手摺ベルトによれば、複数の広告情報送信手段は相互に同一の広告を示す情報を送信することにより、例えば、あらゆる乗客に対して、同一の広告情報を送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態に係るエスカレーターを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る手摺ベルト、及びエスカレーターの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、概略的に、手摺ベルト、及びエスカレーターに関するものである。
【0026】
「手摺ベルト」とは、エスカレーターの構成要素であり、例えば、方向表示マーク、及び広告情報送信手段を備える。
【0027】
「方向表示マーク」とは、手摺ベルトの表面に設けられるマークであり、具体的には、手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となるマークである。
【0028】
方向表示マークの構成は任意であり、例えば、方向表示マークを視認できる任意の態様(つまり、任意の形状、任意の色、任意の模様、任意の表示形式)のマークを用いることができる。また、方向表示マークの個数も任意であり、例えば、1個のエスカレーターに対して1個のみ設けてもよいし、複数個設けてもよい。
【0029】
「広告情報送信手段」とは、広告情報を送信する手段であり、具体的には、方向表示マークの位置を基準に設けられているものである。「方向表示マークの位置を基準に設けられている」とは、例えば、方向表示マークの位置に基づいて広告情報送信手段の位置を特定可能となるように設けられていることを示す概念であるものと解釈してもよい。
【0030】
広告情報送信手段の構成は任意であり、例えば、エスカレーターを利用するユーザ(つまり、乗客)が携帯する端末装置(例えば、スマートフォン又はタブレット端末等)に対して広告情報を送信するものであり、一例としては、近距離無線通信(つまり、NFC:Near Field Communication)にて広告情報を送信するものを採用することができる。
【0031】
「広告情報」とは、例えば、広告主の商品又はサービス又は広告主自体等の広告対象を人に知らせるための情報であり、例えば、画像情報(静止画及び動画を含む)又はテキスト情報等を含む概念である。
【0032】
広告情報送信手段の設置位置は任意であり、例えば、方向表示マークと重なる位置であってもよいし、隣接する2個の方向表示マークの相互間の位置であってもよし、あるいは、方向表示マークから所定距離だけ離れた位置であってもよい。
【0033】
そして、以下に示す実施の形態では、広告情報送信手段が方向表示マークと重なる位置に設けられている場合について説明し、その他の場合については変形例において説明する。
【0034】
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0035】
(構成)
まず、本実施の形態に係るエスカレーターの構成について説明する。なお、ここでは、本願の特徴に関連する構成のみ説明し、その他のエスカレーターの構成については公知の構成を適用することができるので、その詳細の説明を省略する。
【0036】
図1は、本実施の形態に係るエスカレーターを示す側面図であり、また、
図2は、エスカレーターを示す正面図である。なお、各図では、X-Y-Z軸は相互に直交していることとし、Z軸が鉛直方向を示しており、X軸及びY軸が水平方向を示しているものとして説明する。また、
図2においては、
図1の-X方向から+X方向へ向かって見た状態が図示されており、特に、欄干3及び手摺ベルト4については、下階側反転部31の周辺部分のみが図示されており、その他の部分の図示は省略されている。また、
図2においては、踏段2等の構成要素の図示は省略されている。また、実際には、広告用タグ8は隠れて見えない状態となっているが、
図2では、説明の便宜上、破線で図示されている(
図3、及び
図5~
図6も同様である)。
【0037】
図1のエスカレーター100は、下階床101と上階床102との間で乗客を昇降させるための装置であり、例えば、当該エスカレーター100が上り用のエスカレーターとして動作している場合について説明する。
【0038】
図1のエスカレーター100は、例えば、主フレーム1、踏段2、欄干3、及び手摺ベルト4を備える。
【0039】
(構成-主フレーム)
図1の主フレーム1は、下階床101側から上階床102側に設けられており、例えば、踏段2及び手摺ベルト4を移動させるための構成要素(例えば、駆動用の歯車、駆動用のローラ、モーター、駆動チェーン等)等を備えている。
【0040】
(構成-踏段)
図1の踏段2は、往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送するものである。
【0041】
(構成-欄干)
図1の欄干3は、下階床101側から上階床102側に至る往路において手摺ベルト4を支持しつつ、当該手摺ベルト4の移動を案内するものである。欄干3は、例えば、下階側反転部31、及び上階側反転部32を備える。
【0042】
(構成-欄干-下階側反転部)
下階側反転部31は、手摺ベルト4の移動方向が反転する部分であり、例えば、
図1に示すように、欄干3における一方側(-X方向)の端部に設けられている部分であり、また、一方側(-X方向)の一部が半円形状となっている部分である。
【0043】
(構成-欄干-上階側反転部)
上階側反転部32は、手摺ベルト4の移動方向が反転する部分であり、例えば、
図1に示すように、欄干3における他方側(+X方向)の端部に設けられている部分であり、また、他方側(+X方向)の一部が半円形状となっている部分である。
【0044】
また、例えば、下階側反転部31及び上階側反転部32の半円形状となっている部分の径は、相互に同じ径となっている。
【0045】
(構成-手摺ベルト)
図3は、手摺ベルトの平面図であり、
図4は、
図3のA-A断面図である。手摺ベルト4は、踏段2と同期して往路から復路にかけて反転して移動するものであり、例えば、
図3及び
図4に示すように、手摺ベルト本体部5、シート部6、方向表示マーク7、及び広告用タグ8を備える。
【0046】
(構成-手摺ベルト-手摺ベルト本体部)
手摺ベルト本体部5は、手摺ベルト4の本体となる部分であり、例えば、少なくとも往路において欄干3によって支持され、主フレーム1のモーターからの駆動力によって、移動する部分である。
【0047】
(構成-手摺ベルト-シート部)
シート部6は、手摺ベルト本体部5を覆うシート状のものであり、例えば、
図3の方向表示マーク7が印刷されている部分であり、また、手摺ベルト本体部5に対して接着剤等にて固定されているものである。このシート部6としては、例えば、ウレタン製のものを用いてもよいし、他の材質のものを用いてもよい。また、シート部6としては、例えば、方向表示マーク7が印刷された基板層と、当該基板層の印刷された面を覆う透明のラミネート層とを含む2層構造のものを用いてもよいし、他の構成のものを用いてもよい。
【0048】
(構成-手摺ベルト-方向表示マーク)
図3の方向表示マーク7は、手摺ベルト4の移動方向を示し、且つ、エスカレーター100に乗り移る際のタイミングを図る目印となるマークであり、例えば、シート部6に印刷されるマークである。この方向表示マーク7の構成は、前述のように様々想定されるが、手摺ベルト4の他の部分とは異なる色の円状のマークである場合について説明する。
【0049】
方向表示マーク7は、例えば、
図3に示すように、手摺ベルト4の長手方向に沿って、複数個設けられている。この複数の方向表示マーク7は、手摺ベルト4が反転する反転部(具体的には、下階側反転部31、上階側反転部32)の半円周範囲H(
図1及び
図2)に1個存在する間隔P(
図3)において配置されている。
【0050】
なお、半円周範囲Hとは、例えば、
図1及び
図2に示すように、下階側反転部31及び上階側反転部32の半円形状の部分に対応する範囲である。より具体的には、半円周範囲Hとは、例えば、反転部を
図1において真横から見た場合に見える部分に対応する範囲であり、すなわち、下階側反転部31を-X方向から+X方向に向かって見た場合に見える部分に対応する範囲(例えば、
図2に図示されている範囲)、及び、上階側反転部32を+X方向から-X方向に向かって見た場合に見える部分に対応する範囲である。このように構成することにより、エスカレーター100に乗り込もうとする乗客が、当該エスカレーター100を見ると、正面となる半円周範囲Hに1個存在する方向表示マーク7を視認して、当該方向表示マーク7の移動方向及び移動速度によって、エスカレーター100の移動方向及び移動速度を把握することができ、また、当該エスカレーター100に乗り移るタイミングを図ることが可能となる。
【0051】
また、方向表示マーク7は、例えば、
図3に示すように、手摺ベルト4の幅と同一の直径となるように構成してもよいし、あるいは、当該手摺ベルト4の幅よりも短い直径となるように構成してもよい。
【0052】
(構成-手摺ベルト-広告用タグ)
図2~
図4の広告用タグ8は、広告情報を送信する広告情報送信手段であり、具体的には、方向表示マーク7の位置を基準に設けられているものである。広告用タグ8は、例えば、近距離無線通信にて広告情報を送信するNFCタグであり、このNFCタグの構成は公知の構成を適用することができるので、詳細の説明を省略する。また、広告用タグ8は、例えば、
図3及び
図4に示すように、手摺ベルト本体部5とシート部6との間に接着剤等で固定されているシート状のものであり、また、方向表示マーク7と重なる位置に設けられているものである。すなわち、広告用タグ8は、例えば、手摺ベルト4の長手方向に沿って、方向表示マーク7の個数と同じ個数だけ設けられている。
【0053】
広告用タグ8をこのようにして設けることにより、例えば、エスカレーター100の乗客は、シート部6に隠れて広告用タグ8自体は視認できないものの、方向表示マーク7の位置に基づいて広告用タグ8の位置を把握することができ、自己の端末装置を広告用タグ8に近づけて、当該広告用タグ8から送信される広告情報を、当該端末装置で受信して表示することにより、広告情報を視認することが可能となる。
【0054】
(エスカレーターへの乗客の乗り移り及び広告の表示)
次に、このように構成されたエスカレーターへの乗客の乗り移り及び広告の表示について説明する。
【0055】
図1の下階床101側からエスカレーター100に乗り込もうとする乗客は、
図2の方向表示マーク7の移動方向及び移動速度を視認することにより、エスカレーター100の移動方向及び移動速度を把握した上で、当該方向表示マーク7を視認して、エスカレーター100に乗り移るタイミングを図って、適宜のタイミングでエスカレーター100に乗り移る。
【0056】
ここでは、特に、方向表示マーク7を基準とした位置に広告用タグ8が設けられているので、広告情報を得ることを所望する乗客の注意を、方向表示マーク7へ向けることができるので、エスカレーター100の移動方向及び移動速度をより確実に把握させることができ、また、エスカレーター100へ乗り移るタイミングをより確実に図らせることができ、安全性を向上させることが可能となる。
【0057】
次に、エスカレーター100に乗り移った乗客は、方向表示マーク7の設置位置に基づいて広告用タグ8の設置位置を把握した上で、自己の端末装置を広告用タグ8に近づける。この場合、端末装置と広告用タグ8との間で近距離無線通信が行われ、端末装置は、広告用タグ8から送信された広告情報を受信し、当該受信した広告情報を、端末装置のディスプレイに表示する。このようにして、乗客は、自己の端末装置のディスプレイを視認することにより、広告用タグ8から送信された広告情報を視認することが可能となる。
【0058】
ここでは、特に、方向表示マーク7が半円周範囲H(
図1及び
図2)に1個存在する間隔P(
図3)で設けられており、すなわち、広告用タグ8も半円周範囲H(
図1及び
図2)に1個存在する間隔P(
図3)で設けられているので、エスカレーター100の乗客は、踏段2上に留まった状態で手を伸ばして、何れかの広告用タグ8へ自己の端末装置を近づけることができる。よって、乗客は、広告情報を得るためにエスカレーター100上を移動することなく、広告情報を得ることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0059】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、方向表示マーク7及び広告用タグ8を備えることにより、例えば、乗客の安全性を確保しつつ広告を行うことが可能となる。特に、広告用タグ8は方向表示マーク7の位置を基準に設けられていることにより、例えば、乗客に対して、広告用タグ8の設置位置を、方向表示マーク7の設置位置に基づいて認識させることが可能となる。
【0060】
また、方向表示マーク7は、手摺ベルト4が反転する反転部(下階側反転部31、上階側反転部32)の半円周範囲Hに1個存在する間隔Pで、手摺ベルト4の長手方向に沿って複数個設けられていることにより、例えば、エスカレーター100に乗り込もうとする乗客の注意を、半円周範囲Hにおける1個の方向表示マーク7に集中させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0061】
また、広告用タグ8は近距離無線通信にて広告情報を送信することにより、例えば、広告を取得するために自己の端末装置を広告用タグ8に近づけた乗客に対してのみ、広告を確認させることが可能となるので、広告の確認要否に関する乗客の意図に沿うことができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0062】
また、広告用タグ8は方向表示マーク7と重なる位置に設けられていることにより、例えば、乗客に対して、広告用タグ8の設置位置をより正確に把握させることが可能となる。また、広告情報の確認を希望する乗客に対して、方向表示マーク7への注意を集中させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0063】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0064】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0065】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0066】
(広告情報について(その1))
また、上記実施の形態において、エスカレーター100に設けられている複数の広告用タグ8については、相互に同一の広告を示す情報を送信するように構成してもよい。すなわち、例えば、エスカレーター100に設けられている複数の広告用タグ8全てに対して、同じ広告を示す広告情報を格納し、当該広告情報を送信するように構成してもよい。
【0067】
(広告情報について(その2))
また、上記実施の形態において、エスカレーター100に設けられている複数の広告用タグ8については、相互に異なる広告を示す情報を送信するように構成してもよい。すなわち、例えば、エスカレーター100に設けられている複数の広告用タグ8各々に対して、相互に異なる広告を示す広告情報を格納し、当該広告情報を送信するように構成してもよい。
【0068】
なお、相互に異なる広告を示す広告情報を送信するように構成する場合、エスカレーター100に設けられている複数の広告用タグ8全てが、相互に異なる広告情報を送信するように構成してもよいし、当該複数の広告用タグ8の一部が相互に異なる広告情報を送信するように構成してもよい。
【0069】
(広告用タグについて)
図5は、手摺ベルトの平面図である。
図3の広告用タグ8の位置及び個数を任意に変更してもよい。例えば、
図5に示すように、広告用タグ8を、手摺ベルト4の長手方向において隣接する2個の方向表示マーク7の相互間に設けてもよい。なお、この場合、方向表示マーク7の設置位置に基づいて、広告用タグ8の設置位置を把握することが可能となるが、当該広告用タグ8の設置位置をより詳細に把握させるために、手摺ベルト4における広告用タグ8と重なる位置に広告マーク91を設けてもよい。
【0070】
「広告マーク」91とは、広告用タグ8の設置位置を乗客に覚知させるためのマークであり、例えば、広告用タグ8が送信する広告情報に関連する情報が表示されているマークである。広告マーク91に表示する情報は任意であるが、例えば、広告用タグ8が送信する広告情報が広告主である「A社」のサービスに関する情報である場合、当該広告用タグ8に重ねられている広告マーク91に表示する情報としては、「A社」を示す情報(例えば「A社」のロゴマーク等)、又は、広告用タグ8が送信する広告情報である「A社」のサービスをイメージさせる情報(画像情報、イラスト情報、又はテキスト情報等)を採用してもよい。
【0071】
なお、この広告マーク91の形状は任意であるが、例えば、
図5に示すように、方向表示マーク7よりも幅狭となる形状を採用してもよい。なお、「幅狭」とは、例えば、手摺ベルト4の長手方向に対して直交する方向(
図5の図面左右方向)における長さが短いことを示すものと解釈してもよい。広告マーク91は、方向表示マーク7と同様にして、
図3のシート部6に印刷して設けてもよい。
【0072】
また、ここで説明した概念を任意に変更してもよい。例えば、
図5において、広告マーク91の一部又は全部を省略してもよい。また、
図5において、2個の方向表示マーク7の相互間に設けられる広告用タグ8の個数を任意に変更しもよい。また、
図5において、実施の形態で説明したように、方向表示マーク7と重なる位置にも広告用タグ8を設けてもよい。
【0073】
また、例えば、
図5の例において、広告用タグ8を、対象物に対して貼付可能なシールとして構成してもよい。この場合、広告マーク91を省略して、広告用タグ8を
図4のシート部6に貼付して設けてもよい。
【0074】
(区間について)
図6は、手摺ベルトの平面図である。
図5の手摺ベルト4を、方向表示マーク7を基準に当該手摺ベルト4の長手方向において複数の区間に分けて、区間単位で広告を行うように構成してもよい。例えば、隣接する方向表示マーク7の間の区間を1個の区間とし、共通の区間に設けられている広告用タグ8が、相互に同一の広告を示す情報を送信するように構成してもよい。
図6の例では、例えば、区間901に設けられている3個の広告用タグ8が、「A社」のサービスに関する相互に同一の広告情報を送信し、区間902に設けられている3個の広告用タグ8が、「B社」のサービスに関する相互に同一の広告情報を送信するように構成してもよい。なお、「A社」のサービスに関する広告情報と、「B社」のサービスに関する広告情報とは、相互に異なる情報であることとする。
【0075】
また、このように構成する場合、
図6に示すように、前述の「(広告用タグについて)」で説明した広告マーク91を設けてもよいし、あるいは、当該広告マークを設けなくてもよい。
【0076】
(シールについて)
また、上述においては、方向表示マーク7及び広告マーク91を、
図4のシート部6に印刷して設ける場合について説明したが、これに限らない。例えば、方向表示マーク7及び広告マーク91を、対象物に対して貼付可能なシールとして構成した上で、当該シールとして形成した方向表示マーク7及び広告マーク91を、
図4の手摺ベルト本体部5に貼付して設けてもよい。このように構成する場合、シート部6を省略してもよい。
【0077】
また、
図4に示すように、シート部6を設けた上で、シールとして形成した方向表示マーク7及び広告マーク91を、シート部6に貼付して設けてもよい。
【0078】
(用語の解釈について)
また、例えば
図4の手摺ベルト4において、図面上側の面を手摺ベルト4の「表面」であるものと解釈してもよい。
【0079】
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組み合わせてもよい。
【0080】
(付記)
付記1の手摺ベルトは、往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、前記踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、を備えたエスカレーターの前記手摺ベルトであって、前記手摺ベルトは、前記手摺ベルトの表面に設けられる方向表示マークと、広告情報を送信する広告情報送信手段と、を備え、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、前記エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークの位置を基準に設けられている。
【0081】
また、付記2の手摺ベルトは、付記1に記載の手摺ベルトにおいて、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトが反転する反転部の半円周範囲に1個存在する間隔で、前記手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられている。
【0082】
また、付記3の手摺ベルトは、付記1又は2に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、近距離無線通信にて前記広告情報を送信する。
【0083】
また、付記4の手摺ベルトは、付記1から3の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークと重なる位置に設けられている。
【0084】
また、付記5の手摺ベルトは、付記1から4の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、前記手摺ベルトの長手方向において隣接する2個の前記方向表示マークの相互間に設けられている。
【0085】
また、付記6の手摺ベルトは、付記1から5の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられており、前記手摺ベルトは、複数の前記方向表示マークを基準にして、長手方向において複数の区間に分けられており、前記広告情報送信手段は、前記手摺ベルトの前記複数の区間各々に1個以上ずつ設けられており、前記複数の区間における共通の区間に設けられている前記広告情報送信手段は、相互に同一の広告を示す情報を送信する。
【0086】
また、付記7の手摺ベルトは、付記1から5の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、1個の前記エスカレーターに複数個設けられており、複数の前記広告情報送信手段は、相互に異なる広告を示す情報を送信する。
【0087】
また、付記8の手摺ベルトは、付記1から5の何れか一項に記載の手摺ベルトにおいて、前記広告情報送信手段は、1個の前記エスカレーターに複数個設けられており、複数の前記広告情報送信手段は、相互に同一の広告を示す情報を送信する。
【0088】
また、付記9のエスカレーターは、往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、前記踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、を備えたエスカレーターであって、前記手摺ベルトは、前記手摺ベルトの表面に設けられる方向表示マークと、広告情報を送信する広告情報送信手段と、を備え、前記方向表示マークは、前記手摺ベルトの移動方向を示し、且つ、前記エスカレーターに乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、前記広告情報送信手段は、前記方向表示マークの位置を基準に設けられている。
【0089】
(付記の効果)
付記1の手摺ベルト、及び付記9のエスカレーターによれば、方向表示マーク及び広告情報送信手段を備えることにより、例えば、乗客の安全性を確保しつつ広告を行うことが可能となる。特に、広告情報送信手段は方向表示マークの位置を基準に設けられていることにより、例えば、乗客に対して、広告情報送信手段の設置位置を、方向表示マークの設置位置に基づいて認識させることが可能となる。
【0090】
付記2の手摺ベルトによれば、方向表示マークは、手摺ベルトが反転する反転部の半円周範囲に1個存在する間隔で、手摺ベルトの長手方向に沿って複数個設けられていることにより、例えば、エスカレーターに乗り込もうとする乗客の注意を、半円周範囲における1個の方向表示マークに集中させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0091】
付記3の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は近距離無線通信にて広告情報を送信することにより、例えば、広告を取得するために自己の端末装置を広告情報送信手段に近づけた乗客に対してのみ、広告を確認させることが可能となるので、広告の確認要否に関する乗客の意図に沿うことができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0092】
付記4の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は方向表示マークと重なる位置に設けられていることにより、例えば、乗客に対して、広告情報送信手段の設置位置をより正確に把握させることが可能となる。また、広告情報の確認を希望する乗客に対して、方向表示マークへの注意を集中させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0093】
付記5の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は2個の方向表示マークの相互間に設けられていることにより、例えば、2個の方向表示マークの相互間に広告情報送信手段を任意の個数だけ設けることができるので、利便性を向上させることが可能となる。また、例えば、乗客が、広告情報を受信するために、自己の端末装置を、手摺ベルトにおける広告情報送信手段が設けられている位置付近に当接させることにより、当該当接される位置付近が徐々に損傷する可能性が想定されるが、このような場合においても、方向表示マークの損傷を防止することができ、安全性を維持することが可能となる。
【0094】
付記6の手摺ベルトによれば、広告情報送信手段は手摺ベルトの複数の区間各々に1個以上ずつ設けられており、複数の区間における共通の区間に設けられている広告情報送信手段は、相互に同一の広告を示す情報を送信することにより、例えば、手摺ベルトを複数の区間に分けて、区間単位で広告を行うことが可能となる。
【0095】
付記7の手摺ベルトによれば、複数の広告情報送信手段は相互に異なる広告を示す情報を送信することにより、例えば、乗客に対して様々な広告情報を送信することが可能となる。
【0096】
付記8の手摺ベルトによれば、複数の広告情報送信手段は相互に同一の広告を示す情報を送信することにより、例えば、あらゆる乗客に対して、同一の広告情報を送信することが可能となる。
【符号の説明】
【0097】
1 主フレーム
2 踏段
3 欄干
4 手摺ベルト
5 手摺ベルト本体部
6 シート部
7 方向表示マーク
8 広告用タグ
31 下階側反転部
32 上階側反転部
91 広告マーク
100 エスカレーター
101 下階床
102 上階床
901 区間
902 区間
H 半円周範囲
P 間隔
【要約】
【課題】乗客の安全性を確保しつつ広告を行うことが可能となる手摺ベルト及びエスカレーターを提供すること。
【解決手段】往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルト4と、を備えたエスカレーター100の手摺ベルト4であって、手摺ベルト4は、手摺ベルト4の表面に設けられる方向表示マーク7と、広告情報を送信する広告用タグ8と、を備え、方向表示マーク7は、手摺ベルト4の移動方向を示し、且つ、エスカレーター100に乗り移る際のタイミングを図る目印となっており、広告用タグ8は、方向表示マーク7の位置を基準に設けられており、方向表示マーク7は、手摺ベルト4が反転する反転部の半円周範囲に1個存在する間隔で、手摺ベルト4の長手方向に沿って複数個設けられている。
【選択図】
図2