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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】製袋方法および製袋機
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/18 20170101AFI20220812BHJP
   B31B 70/64 20170101ALI20220812BHJP
【FI】
B31B70/18
B31B70/64
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021520066
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2020010795
(87)【国際公開番号】W WO2020235188
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2019094925
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110192
【氏名又は名称】トタニ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 祐司
(72)【発明者】
【氏名】長澤 俊貴
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-189089(JP,A)
【文献】国際公開第2009/131214(WO,A1)
【文献】特開2003-267402(JP,A)
【文献】特開平10-217364(JP,A)
【文献】特開2017-128017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/18
B31B 70/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋方法であって、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせその長さ方向に送り、
前記第1および第2胴材の重ね合せ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2の胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材を互いに重ね合せたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に位置するようにし、
前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされており、
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合せ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成し、
前記仮シール部の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材を第1脆弱線に沿って分割し、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げ、
前記第1脆弱線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材に形成されたものであり、前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびており、
前記製袋方法は、さらに、
前記第1胴材の案内による前記第1脆弱線に沿った分割および前記折曲線に沿った折曲げ並びに前記仮シール部によって、前記サイドガセット材を前記第1脆弱線に整合する第2脆弱線に沿って切り開いて開き面を形成し、
前記第2脆弱線は、前記サイドガセット材の幅方向に沿ってのびるように前記サイドガセット材に形成されたものであり、
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い、連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置して、前記端面材を前記第1胴材の折曲部分および前記サイドガセット材の前記開き面に重ね合わせ、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する製袋方法において、
前記第1および第2脆弱線は、ミシン目であり、
前記第1および第2胴材の重ね合せ後、前記第1および第2胴材の送りに伴い、1つのミシン目カッターが回転して、当該ミシン目カッターによって前記ミシン目が前記第1胴材に形成されるとともに、前記第1および第2胴材の間に位置する前記サイドガセット材が当該ミシン目カッターを通過するとき、当該ミシン目カッターによって、重なった状態の前記第1胴材および前記サイドガセット材に前記ミシン目が形成される、
ことを特徴とする製袋方法。
【請求項2】
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、補助シール部を少なくとも前記開き面の対角線に形成し、
前記補助シール部の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材をさらに案内して、前記第1胴材を前記折曲線に沿って折り戻し、当該第1胴材の折戻しによって前記開き面を閉じるとともに前記端面材を2つ折りする、
ことを特徴とする請求項1に記載の製袋方法。
【請求項3】
前記第1胴材の折戻し後、前記端面材を、前記第1および第2胴材に、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記分割縁に沿ってヒートシールして、縦シール部を形成する、
ことを特徴とする請求項に記載の製袋方法。
【請求項4】
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、横シール部を少なくとも前記サイドガセット材の長さ全体に渡って形成し、
前記横シール部の形成後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記第1胴材の前記分割縁に沿ってスリットし、
スリットの後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の幅方向において前記横シール部の位置でクロスカットして、前記袋を製造する、
ことを特徴とする請求項1に記載の製袋方法。
【請求項5】
製袋方法であって、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせその長さ方向に送り、
前記第1および第2胴材の重ね合せ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材を互いに重ね合せたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に位置するようにし、
前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされており、
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合せ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成し、
前記仮シール部の形成後、互いに重ね合わせられた前記第1胴材、前記サイドガセット材及び前記第2胴材に対し、前記第1及び第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材及び前記サイドガセット材に脆弱線を形成し、
前記脆弱線は、前記第1胴材及び前記サイドガセット材に同一線上で形成されたものであり、前記第1胴材及び前記サイドガセット材を貫通する一方で前記第2胴材を貫通しないように深さを調整して形成され、
前記脆弱線の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材を前記脆弱線に沿って分割し、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げ、
前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびており、
前記製袋方法は、さらに、
前記第1胴材の案内および前記仮シール部によって、前記サイドガセット材を前記脆弱線に沿って切り開いて開き面を形成し、
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い、連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置して、前記端面材を前記第1胴材の折曲部分および前記サイドガセット材の前記開き面に重ね合わせ、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する、
ことを特徴とする製袋方法。
【請求項6】
製袋機であって、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせ、その長さ方向に送る胴材送り装置と、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材が互いに重ね合わされたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に配置されるようにするサイドガセット材供給装置と、を備え、前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされたものであり、
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成する仮シール装置と、
前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材が第1脆弱線に沿って分割されるようにし、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げられるようにする第1ガイド装置と、を備え、前記サイドガセット材は、前記第1ガイド装置による前記第1胴材の案内および前記仮シール部によって、前記第1脆弱線に整合する第2脆弱線に沿って切り開かれて、開き面が形成され、前記第1脆弱線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材に形成されたものであり、前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびており、前記第2脆弱線は、前記サイドガセット材の幅方向に沿ってのびるように前記サイドガセット材に形成されたものであり、
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置し、前記第1胴材の折曲部分および前記開き面に重ね合わせる端面材供給装置を、備え、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する製袋機において、
前記製袋機は、さらに、
前記胴材送り装置が前記1および第2胴材を互いに重ね合わせる位置より下流に設けられ、前記第1および第2脆弱線を前記第1胴材および前記サイドガセット材にそれぞれ形成する脆弱線形成装置を備え、
前記第1脆弱線および前記第2脆弱線は、ミシン目であり、
前記脆弱線形成装置は、
前記ミシン目を形成するための円盤状のミシン目カッターを含み、
前記ミシン目カッターの前記第1胴材および前記サイドガセット材への切込み量を調整可能に構成されている、
ことを特徴とする製袋機。
【請求項7】
前記脆弱線形成装置は、さらに、
一端において前記第1および第2胴材の幅方向にのびる揺動軸の周りに揺動可能に支持されたアームを含み、
前記ミシン目カッターは、
前記第1および第2胴材の幅方向にのびる回転軸を有し、
前記回転軸周りに回転可能に前記アームに支持されており、
前記脆弱線形成装置は、さらに、
前記アームを、前記ミシン目カッターが前記第1および第2胴材の送り面から離れる方向に付勢する付勢部材と、
前記アームに当接して前記アームが前記付勢部材により前記揺動軸周りに移動するのを規制し、かつ、前記切込み量を調整するために用いられる調整部材と、を備える、
ことを特徴とする請求項に記載の製袋機。
【請求項8】
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、補助シール部を少なくとも前記開き面の対角線に形成する開き面シール装置と、
前記補助シール部の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材をさらに案内し、前記第1胴材を前記折曲線に沿って折り戻し、当該第1胴材の折戻しによって前記端面材が2つ折りされるようにする第2ガイド装置と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項に記載の製袋機。
【請求項9】
前記第1胴材の折戻し後、前記端面材を、前記第1および第2胴材に、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記分割縁に沿ってヒートシールして、縦シール部を形成する縦ヒートシール装置をさらに備える、
ことを特徴とする請求項に記載の製袋機。
【請求項10】
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、横シール部を少なくとも前記サイドガセット材の長さ全体に渡って形成する横ヒートシール装置と、
前記横シール部の形成後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記分割縁に沿ってスリットするスリット装置と、
前記スリット装置によるスリット後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の幅方向において前記横シール部の位置でクロスカットして、前記袋が製造されるようにするクロスカット装置と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項に記載の製袋機。
【請求項11】
製袋機であって、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせ、その長さ方向に送る胴材送り装置と、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材が互いに重ね合わされたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に配置されるようにするサイドガセット材供給装置と、を備え、前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされたものであり、
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成する仮シール装置と、
前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材が第1脆弱線に沿って分割されるようにし、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げられるようにする第1ガイド装置と、を備え、前記サイドガセット材は、前記第1ガイド装置による前記第1胴材の前記第1脆弱線に沿った分割および前記折曲線に沿った折曲げ並びに前記仮シール部によって、前記第1脆弱線に整合する第2脆弱線に沿って切り開かれて、開き面が形成され、前記第1脆弱線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材に形成されたものであり、前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびており、前記第2脆弱線は、前記サイドガセット材の幅方向に沿ってのびるように前記サイドガセット材に形成されたものであり、
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置し、前記第1胴材の折曲部分および前記開き面に重ね合わせる端面材供給装置を、備え、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する製袋機において、
前記第1脆弱線および前記第2脆弱線は、ミシン目であり、
前記製袋機は、さらに、
前記胴材送り装置が前記第1および第2胴材を互いに重ね合わせる位置より下流に設けられ、前記第1および第2胴材の送りに伴い回転して前記ミシン目を前記第1胴材に形成する1つのミシン目カッターを備え、前記ミシン目カッターは、前記第1および第2胴材の間に位置する前記サイドガセット材が当該ミシン目カッターを通過するとき、前記ミシン目を、重なった状態の前記第1胴材および前記サイドガセット材に形成する、
ことを特徴とする記載の製袋機。
【請求項12】
前記ミシン目カッターは、前記仮シール装置よりも下流に配置されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の製袋機。
【請求項13】
前記ミシン目カッターは、前記ミシン目を前記第2胴材に形成することがないように配置されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の製袋機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、端面部を有する袋を製造する製袋方法および製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック袋のような袋は、例えば、胴部、サイドガセット部および端面部を備える。端面部は、底面部になり、より具体的には底ガセット部になることがある。この種の袋は、角底袋と呼ばれる。特許文献1,2は、このような袋の製袋方法を開示する。
【0003】
製袋方法は、例えば、連続する2枚の胴材を互いに重ね合わせ、その長さ方向に送る。製袋方法は、サイドガセット材および端面材(底ガセット材)を胴材に組み込む。製袋方法は、胴材、サイドガセット材および端面材をヒートシールする。製袋方法は、胴材、サイドガセット材および端面材を胴材の幅方向においてクロスカットして、袋を製造する。製袋方法は、胴材によって胴部を形成し、サイドガセット材によってサイドガセット部を形成し、端面材によって端面部を形成する。
【0004】
特許文献1は、2種類の製袋方法を開示する。一方の製袋方法は、クロスカットの度に、1つの袋を製造する。他方の製袋方法は、クロスカットの度に、2つの袋を製造する。前者は、1列製袋と呼ばれ、後者は、2列製袋と呼ばれる。2列製袋は、製造効率の観点から注目されている。
【0005】
後者の製袋方法は、2つのサイドガセット材を上下2枚の胴材間に配置する工程と、サイドガセット材を上下の胴材に仮シールする工程とを含む。さらに、製袋方法は、上側の胴材をその長さ方向に沿って2分割する工程と、端面材を、分割された上側の胴材の隙間を通じて下側の胴材に供給して仮止めする工程と、を含む。さらに、製袋方法は、上側の胴材を一対の分割縁側において折り曲げ、この折曲げおよび仮シールを利用して2つのサイドガセット材を開いて開き面を形成する工程を含む。
【0006】
これを実現するために、サイドガセット材の配置工程は、1つのサイドガセット材を上側の胴材の分割線に対して一方側に位置させ、別のサイドガセット材を当該分割線に対して他方側に位置させ、これら2つのサイドガセット材を胴材の幅方向に一列に並べる必要がある。すなわち、サイドガセット材の供給動作を2回行わなければならない。これは、製造効率を低下させる原因の1つである。
【0007】
本出願は、端面部を有する袋を効率的に製造可能な製袋方法および製袋機を提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開WO2018/012542号公報
【文献】特許第3655627号公報
【発明の概要】
【0009】
本願の一態様によれば 製袋方法が提供され、
当該製袋方法は、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせその長さ方向に送り、
前記第1および第2胴材の重ね合せ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2の胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材を互いに重ね合せたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に位置するようにする。ここで、前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされている。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合せ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成し、
前記仮シール部の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材を第1脆弱線に沿って分割し、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げる。ここで、前記第1脆弱線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材に形成されたものであり、前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびている。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1胴材の案内による前記第1脆弱線に沿った分割および前記折曲線に沿った折曲げ並びに前記仮シール部によって、前記サイドガセット材を前記第1脆弱線に整合する第2脆弱線に沿って切り開いて開き面を形成する。ここで、前記第2脆弱線は、前記サイドガセット材の幅方向に沿ってのびるように前記サイドガセット材に形成されたものである。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い、連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置して、前記端面材を前記第1胴材の折曲部分および前記サイドガセット材の前記開き面に重ね合わせ、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する。
前記第1および第2脆弱線は、ミシン目である。
前記第1および第2胴材の重ね合せ後、前記第1および第2胴材の送りに伴い、1つのミシン目カッターが回転して、当該ミシン目カッターによって前記ミシン目が前記第1胴材に形成されるとともに、前記第1および第2胴材の間に位置する前記サイドガセット材が当該ミシン目カッターを通過するとき、当該ミシン目カッターによって、重なった状態の前記第1胴材及び前記サイドガセット材に前記ミシン目が形成される。
【0011】
前記製袋方法は、
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、補助シール部を少なくとも前記開き面の対角線に形成し、
前記補助シール部の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材をさらに案内して、前記第1胴材を前記折曲線に沿って折り戻し、当該第1胴材の折戻しによって前記開き面を閉じるとともに前記端面材を2つ折りしてよい。
【0012】
前記製袋方法は、
前記第1胴材の折戻し後、前記端面材を、前記第1および第2胴材に、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記分割縁に沿ってヒートシールして、縦シール部を形成してよい。
【0013】
前記製袋方法は、
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、横シール部を少なくとも前記サイドガセット材の長さ全体に渡って形成し、
前記横シール部の形成後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記第1胴材の前記分割縁に沿ってスリットし、
スリットの後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の幅方向において前記横シール部の位置でクロスカットして、前記袋を製造してよい。
【0014】
本願の別の態様に係る製袋方法は、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせその長さ方向に送り、
前記第1および第2胴材の重ね合せ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材を互いに重ね合せたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に位置するようにする。前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされている。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合せ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成し、
前記仮シール部の形成後、互いに重ね合わせられた前記第1胴材、前記サイドガセット材及び前記第2胴材に対し、前記第1及び第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材及び前記サイドガセット材に脆弱線を形成する。前記脆弱線は、前記第1胴材及び前記サイドガセット材に同一線上で形成されたものであり、前記第1胴材及び前記サイドガセット材を貫通する一方で前記第2胴材を貫通しないように深さを調整して形成されている。
前記製袋方法は、さらに、
前記脆弱線の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材を前記脆弱線に沿って分割し、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げる。前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびている。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1胴材の案内および前記仮シール部によって、前記サイドガセット材を前記脆弱線に沿って切り開いて開き面を形成する。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い、連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置して、前記端面材を前記第1胴材の折曲部分および前記サイドガセット材の前記開き面に重ね合わせ、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する。
【0015】
本願のさらに別の態様によれば、製袋機が提供され、
前記製袋機は、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせ、その長さ方向に送る胴材送り装置と、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材が互いに重ね合わされたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に配置されるようにするサイドガセット材供給装置と、を備える。ここで、前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされたものである。
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成する仮シール装置と、
前記第1および第2胴材の送りに伴い、前記第1胴材を案内して、前記第1胴材が第1脆弱線に沿って分割されるようにし、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げられるようにする第1ガイド装置と、を備える。前記サイドガセット材は、前記第1ガイド装置による前記第1胴材の案内および前記仮シール部によって、前記第1脆弱線に整合する第2脆弱線に沿って切り開かれて開き面が形成される。ここで、前記第1脆弱線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材に形成されたものであり、前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびており、前記第2脆弱線は、前記サイドガセット材の幅方向に沿ってのびるように前記サイドガセット材に形成されたものである。
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置し、前記第1胴材の折曲部分および前記開き面に重ね合わせる端面材供給装置を、備える。
そして、前記製袋機は、
前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する。
前記製袋機は、さらに、
前記胴材送り装置が前記1および第2胴材を互いに重ね合わせる位置より下流に設けられ、前記第1および第2脆弱線を前記第1胴材および前記サイドガセット材にそれぞれ形成する脆弱線形成装置を備える。
前記第1脆弱線および前記第2脆弱線は、ミシン目である。
前記脆弱線形成装置は、
前記ミシン目を形成するための円盤状のミシン目カッターを含み、
前記ミシン目カッターの前記第1胴材および前記サイドガセット材への切込み量を調整可能に構成されている。
【0016】
前記脆弱線形成装置は、さらに、
一端において前記第1および第2胴材の幅方向にのびる揺動軸の周りに揺動可能に支持されたアームを含んでよい。
前記ミシン目カッターは、
前記第1および第2胴材の幅方向にのびる回転軸を有し、前記回転軸周りに回転可能に前記アームに支持されてよい。
前記脆弱線形成装置は、さらに、
前記アームを、前記ミシン目カッターが前記第1および第2胴材の送り面から離れる方向に付勢する付勢部材と、
前記アームに当接して前記アームが前記付勢部材により前記揺動軸周りに移動するのを規制し、かつ、前記切込み量を調整するために用いられる調整部材と、を備えてよい。
【0017】
前記製袋機は、さらに、
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、補助シール部を少なくとも前記開き面の対角線に形成する開き面シール装置と、
前記補助シール部の形成後、前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材をさらに案内し、前記第1胴材を前記折曲線に沿って折り戻し、当該第1胴材の折戻しによって前記端面材が2つ折りされるようにする第2ガイド装置と、を備えてよい。
【0018】
前記製袋機は、さらに、
前記第1胴材の折戻し後、前記端面材を、前記第1および第2胴材に、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記分割縁に沿ってヒートシールして、縦シール部を形成する縦ヒートシール装置を備えてよい。
【0019】
前記製袋機は、さらに、
前記端面材の供給後、前記サイドガセット材を、前記第1および第2胴材、および、前記端面材に、前記第1および第2胴材の幅方向においてヒートシールして、横シール部を少なくとも前記サイドガセット材の長さ全体に渡って形成する横ヒートシール装置と、
前記横シール部の形成後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の長さ方向において前記分割縁に沿ってスリットするスリット装置と、
前記スリット装置によるスリット後、前記第1および第2胴材、前記サイドガセット材、および、前記端面材を、前記第1および第2胴材の幅方向において前記横シール部の位置でクロスカットして、前記袋が製造されるようにするクロスカット装置と、を備えてよい。
【0020】
さらに、別の態様に係る製袋機は、
連続する第1胴材および連続する第2胴材を互いに重ね合わせ、その長さ方向に送る胴材送り装置と、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ前、サイドガセット材を前記第1または第2胴材に供給し、前記第1および第2胴材の幅方向に配置して、前記第1および第2胴材が互いに重ね合わされたとき、前記サイドガセット材が前記第1および第2胴材の間に配置されるようにするサイドガセット材供給装置と、を備える。前記サイドガセット材は、その長さ方向中心線に対する両側で2つ折りされたものである。
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の重ね合わせ後、前記サイドガセット材を前記第1および第2胴材にシールして仮シール部を形成する仮シール装置と、
前記第1および第2胴材の送りに伴い前記第1胴材を案内して、前記第1胴材が第1脆弱線に沿って分割されるようにし、かつ、その分割縁側において折曲線に沿って折り曲げられるようにする第1ガイド装置と、を備える。前記サイドガセット材は、前記第1ガイド装置による前記第1脆弱線に沿った分割および前記折曲線に沿った折曲げ並びに前記仮シール部によって、前記第1脆弱線に整合する第2脆弱線に沿って切り開かれて、開き面が形成され、前記第1脆弱線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびるように前記第1胴材に形成されたものである。前記折曲線は、前記第1および第2胴材の長さ方向にのびており、前記第2脆弱線は、前記サイドガセット材の幅方向に沿ってのびるように前記サイドガセット材に形成されたものである。
前記製袋機は、さらに、
前記第1および第2胴材の送りに伴い連続する端面材を前記第1胴材に供給し、前記第1および第2胴材の長さ方向に配置し、前記第1胴材の折曲部分および前記開き面に重ね合わせる端面材供給装置を、備える。
前記製袋機は、前記第1および第2胴材によって袋の胴部を形成し、前記サイドガセット材によって前記袋のサイドガセット部を形成し、前記端面材によって前記袋の端面部を形成する。
前記第1脆弱線および前記第2脆弱線は、ミシン目である。
前記製袋機は、さらに、
前記胴材送り装置が前記第1および第2胴材を互いに重ね合わせる位置より下流に設けられ、前記第1および第2胴材の送りに伴い回転して前記ミシン目を前記第1胴材に形成する1つのミシン目カッターを備え、前記ミシン目カッターは、前記第1および第2胴材の間に位置する前記サイドガセット材が当該ミシン目カッターを通過するとき、前記ミシン目を、重なった状態の前記第1胴材および前記サイドガセット材に形成する。
【0021】
前記ミシン目カッターは、前記仮シール装置よりも下流に配置されてよい。
【0022】
前記ミシン目カッターは、前記ミシン目を前記第2胴材に形成することがないように配置されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1Aは、一実施形態に係る製袋機の上流部を概略的に示す平面図であり、図1Bは、図1Aの概略側面図である。
図2図1Aの製袋機の下流部を概略的に示す平面図である。
図3】袋を示す。
図4図4Aは、サイドガセット材の断面図であり、図4Bは、サイドガセット材の仮止めを説明する図であり、図4Cは、サイドガセット材のミシン目を示し、図4Dは、補助シール部の形成を説明する図である。
図5】サイドガセット材用のミシン目カッターを示す。
図6】他の実施形態に係る製袋機の上流部を概略的に示す平面図である。
図7図6の製袋機の下流部を概略的に示す平面図である。
図8図8Aは、別の袋を示し、図8Bは、図8Aの領域Tの拡大斜視図であり、図8Cは、領域Tの拡大平面図である。
図9図9Aは、連続するサイドガセット材を示し、図9Bは、サイドガセット材を搬送する搬送ユニットを示す側面図である。
図10図10Aは、さらに別の実施形態に係る製袋機の上流部を概略的に示す平面図であり、図10Bは、図10Aの概略側面図である。
図11図11Aは、脆弱線形成装置を概略的に示す側面図であり、図11Bは、ミシン目の形成を説明する断面図である。
図12】さらに別の実施形態に係る製袋機の上流部を概略的に示す。
図13】仮シール部を示す。
図14図14Aは、コーナーカットの工程を示し、図14Bは、図14Aの領域Sの拡大図である。
図15】一対の仮シール部を示す。
図16】他例の一対の仮シール部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、実施形態に係る製袋方法および製袋機が説明される。
【0025】
一実施形態に係る製袋機が、図1A図1Bおよび図2に示される。製袋機は、第1胴材1、第2胴材2、サイドガセット材3および端面材4によって、図3の袋5を製造する。以下の各実施形態では、袋5は、角底袋であり、かつ、プラスチック袋であり、そして、第1胴材1、第2胴材2、サイドガセット材3および端面材4は、プラスチックのフィルムである。これらのパーツ1-4は、プラスチックのフィルムに代えて、例えば、紙のベースと、当該ベースに部分的にまたは全体的にラミネートされたフィルムまたは樹脂材とからなってもよい。
【0026】
袋5は、2つの胴部6、2つのサイドガセット部7および端面部8を備える。2つの胴部6は、互いに対向しており、両側縁9および両端縁10,11を有する。一方の端縁は底縁10であり、他方の端縁は天縁11である。
【0027】
2つのサイドガセット部7は、対をなす。一対のサイドガセット部7は、両側縁9に沿ってのび、2つの胴部6の間に折り込まれ、2つ折りされている。サイドガセット部7の一端が、サイドガセット部7の両層間に折り込まれ、2つ折りされ、これによって補助ガセット部12が形成されている。また、サイドガセット部7の他方の端部は、2つ折りされたまま、サイドガセット材3の外面に向けて折り畳まれ、これによって三角フラップ部45が形成されている。
【0028】
端面部8は、底縁10に沿ってのび、2つの胴部6の間に、さらに補助ガセット部12の間に折り込まれ、2つ折りされている。したがって、端面部8は、底ガセット部として機能する。
【0029】
サイドガセット部7は2つの胴部6に両側縁9に沿ってヒートシールされる。さらに、端面部8は補助ガセット部12に両側縁9に沿ってヒートシールされる。これによって、第1シール部13が両側縁9に沿って形成されている。端面部8は2つの胴部6に底縁10に沿ってヒートシールされる。これによって、第2シール部14が底縁10に沿って形成されている。天縁11は開口縁である。
【0030】
袋5は、サイドガセット部7によって拡大し、その容量を増大することができる。端面部8(底ガセット部)は、袋5が拡大したとき、フラットな底面ベースを形成し、袋5を自立させる。
【0031】
図1A図1Bの通り、製袋方法は、連続する第1胴材1および連続する第2胴材2を互いに重ね合わせて、送る工程を含む。その送り方向Xは、胴材1,2の長さ方向である。実施形態では、胴材1は上側の胴材であり、胴材2は下側の胴材である。
【0032】
製袋機の胴材送り装置15は、ガイドローラ16および送りローラ対17(図2)を含む。胴材1,2が、それぞれの原反から繰り出される。なお、1つの原反から幅広のウェブ(例えばプラスチックのフィルムからなる)が繰り出され、スリットされて、2つの胴材1,2に分割されてもよい。胴材1はガイドローラ16にガイドされて、胴材1,2が互いに重ね合わされる。図2は、送りローラ対17の一方のローラだけを示す。送りローラ対17は、モータによって駆動されて、間欠的に回転し、胴材1,2を方向Xに間欠的に送る。したがって、胴材1,2は、送りと停止を繰り返す。
【0033】
製袋方法は、胴材1,2を重ね合わせる前、サイドガセット材3を胴材2に供給し、胴材1,2の幅方向に配置し、胴材1,2を互いに重ね合せるとき、サイドガセット材3が胴材1,2の間に位置されるようにする工程を含む。
【0034】
サイドガセット材3は、その長さ方向中心線3aに対する両側で2つ折りされている。したがって、図4Aの通り、サイドガセット材3は、扁平な筒形状である。サイドガセット材3は、サイドガセット部7の幅の2倍よりいくらか幅広く、サイドガセット部7の長さの2倍よりいくらか長い。図1Aの通り、サイドガセット材3の両端の各角部が、45°の角度をもって2つ折りされて、三角フラップ46がサイドガセット材3の両端に形成されている。
【0035】
製袋機のサイドガセット材供給装置19(図1A)は、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材3を胴材2に供給し、その上面に載せ、胴材1,2の幅方向に配置する。したがって、胴材1,2が胴材送り装置15によって互いに重ね合わされたとき、サイドガセット材3が胴材1,2の間に位置する。サイドガセット材供給装置19は、周知の構成が採用される。
【0036】
製袋方法は、サイドガセット材3を胴材2に仮止めする工程を含む。製袋機の仮止装置20(図1B)は、例えば超音波装置である。仮止装置20は、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材3を超音波シールによって胴材2に付着させ、仮止めして、仮止部21(図4B)をサイドガセット材3の長さ方向中心軸3a上に形成する。具体的には、仮止装置20は、胴材1,2が一時停止している間にサイドガセット材3を胴材2に仮止めする。
【0037】
製袋方法は、胴材1,2を互いに重ね合わせる前、胴材1,2の長さ方向にのびる第1脆弱線22(図1A)を胴材1に形成する工程を含む。製袋方法は、円盤状のミシン目カッター24(図1B)を用いて、脆弱線としてミシン目22を形成する。ミシン目22は、連続的に並んだ複数の孔を含む。
【0038】
製袋機の脆弱線形成装置23(図1B)は、実施形態では、胴材1,2が互いに重ね合わされる位置よりも上流に配置されたミシン目カッター24を含む。ミシン目カッター24は、その円周の全体に渡って複数の刃を含み、刃の少なくとも1つが胴材1と係合している。ミシン目カッター24が胴材1の送りに伴い回転して、ミシン目22がミシン目カッター24によって胴材1に形成される。
【0039】
製袋方法は、サイドガセット材3を胴材2に供給する前、サイドガセット材3の幅方向にのびる第2脆弱線25(図1A)をサイドガセット材3に形成する工程と、胴材1,2を互いに重ね合わせるとき、脆弱線25を胴材1の脆弱線22と整合させる工程とを含む。実施形態の脆弱線25もミシン目である。図4Cの通り、ミシン目25は、第1細孔251と複数の第2細孔252とを備える。第1細孔251は、サイドガセット材3の幅方向の中央部に位置する。第2細孔252は、第1細孔251の両側に位置する。第1細孔251のサイドガセット材3の幅方向における長さは、各第2細孔252のサイドガセット材3の幅方向における長さよりも長い。これは、後述するサイドガセット材3の切開きを容易にするためである。
【0040】
製袋機の別の脆弱線形成装置は、図5に示される別のミシン目カッター26を含む。ミシン目カッター26は、ミシン目25の形状に対応する刃を有する。当該装置は、サイドガセット材3をミシン目カッター26によって打ち抜いて、ミシン目25をサイドガセット材3に形成する。サイドガセット材供給装置19は、ミシン目25付きのサイドガセット材3を胴材2に供給する。胴材1,2が、胴材送り装置15によって互いに重ね合わされるとき、ミシン目25が胴材1のミシン目22と整合する。
【0041】
製袋方法は、胴材1,2を重ね合わせた後、サイドガセット材3の一方の層を胴材1にシールし、サイドガセット材3の他方の層を胴材2にシールして、仮シール部27(図1A)を形成する工程を含む。仮シール部27は、後述の開き面の形成のために利用される。
【0042】
製袋機の仮シール装置28は、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材3の一方の層と胴材1とを互いにシールし、同時にサイドガセット材3の他方の層と胴材2とを互いにシールする。それによって、一対の仮シール部27が形成され、一方の仮シール部27は、ミシン目25(ミシン目22と整合している)に対して一方側に位置し、他方の仮シール部27は、ミシン目25に対して他方側に位置する。
【0043】
図1Aの通り、製袋方法は、仮シール部27の形成後、胴材1,2の送りに伴い胴材1を案内して、胴材1をそのミシン目22に沿って2つに分割し、かつ、その2つの分割縁29側において折曲線30に沿って折り曲げる工程を含む。製袋方法は、この胴材1の案内および仮シール部27によって、サイドガセット材3をそのミシン目25に沿って切り開いて、2つの開き面32を形成する工程を含む。
【0044】
製袋機の第1ガイド装置33は、これらの工程を実施するために、特許文献1のそれと同様に、ガイドローラ、プレート、ピンチローラなどのガイド部材を含む。
【0045】
ガイド装置33は、胴材1,2の送りに伴い胴材1を案内して、胴材1が、ミシン目22に沿って2つに分割されるようにする。胴材1の分割によって、一対の分割縁29が生じる。ガイド装置33は、胴材1をさらに案内して、胴材1が分割縁29側において一対の折曲線30に沿って折り曲げられるようにする。これによって、一対の折曲部分34が胴材1によって形成される。折曲線30は、胴材1,2の長さ方向にのびる。
【0046】
仮シール部27は、サイドガセット材3の上側の層を胴材1に付着させ、かつ、サイドガセット材3の下側の層を胴材2に付着させている。したがって、胴材1が折り曲げられるとき(持ち上げられるとき)、サイドガセット材3の上側の層は、仮シール部27によって引き上げられる。この引上げにより、サイドガセット材3は、そのミシン目25に沿って切り開かれて2つに分割される。この切開きによって、一対の切開縁31が生じる。サイドガセット材3が一対の切開縁31側においてさらに開かれて、一対の略菱形状の開き面32が形成される。
【0047】
製袋方法は、胴材1,2の送りに伴い、連続する端面材4を胴材1に供給して、胴材1,2の長さ方向に配置し、一対の折曲部分34および一対の開き面32に重ね合わせる工程を含む。端面材4は、袋5の端面部8の幅の2倍よりもいくらか幅広い。
【0048】
製袋機の端面材供給装置35は、ガイドローラ36を含む。端面材4は、原反から繰り出される。胴材1,2の送りに伴い、端面材4は、ガイドローラ36によって案内されて、胴材1に供給され、一対の折曲部分34および一対の開き面32に重ね合わされるように、胴材1,2の長さ方向に配置される。なお、特許第6381169号と同様に、幅広のウェブ(例えばプラスチックのフィルムからなる)が原反から繰り出され、その長さ方向にスリットされて、端面材4と、胴材1または2とに分割されてもよい。
【0049】
製袋方法は、端面材4の供給後に、サイドガセット材3を、胴材1,2、および、端面材4に、胴材1,2の幅方向においてシールして、補助シール部48(図4Dにのみ示される)を少なくとも開き面32の対角線に形成する工程を含む。製袋機の開き面シール装置37が、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材3を、胴材1,2、および、前記端面材4に、胴材1,2の幅方向において、一対の開き面32の対角線に沿ってヒートシールする。それによって補助シール部48が形成される。端面材4が補助シール部48によって一対の開き面32に付着する。開き面シール装置37は、例えばヒートシールバーを用いて補助シール部48を形成してよい。
【0050】
製袋方法は、補助シール部48の形成後、胴材1,2の送りに伴い胴材1を案内して、折曲線30に沿って折り戻す工程を含み、この際に、当該胴材1の折戻しによって開き面32を閉じて補助ガセット18を形成するとともに、端面材4を2つ折りする。
【0051】
製袋機の第2ガイド装置38は、ガイドローラ、プレート、ピンチローラなどのガイド部材を含む。
【0052】
ガイド装置38は、胴材1,2の送りに伴い胴材1を案内して、胴材1が、一対の折曲線30に沿って折り戻されるようにする。当該胴材1の折戻しによって、一対の開き面32は閉じられて、2つの補助ガセット18が開き面32によって形成される。さらに、当該胴材1の折戻しによって、端面材4は、その長さ方向中心線(胴材1,2の長さ方向と平行である)に対して両側で2つ折りされる。結果的に、2つ折りされた端面材4が、胴材1および胴材2との間に配置され、さらに、開き面32によって形成された各補助ガセット18の間に配置される。また、一対の分割縁29が互いに整合する。
【0053】
図2の通り、製袋方法は、胴材1の折戻し後、端面材4を胴材1,2に胴材1,2の長さ方向において分割縁29に沿ってヒートシールして、縦シール部39を分割縁29に沿って形成する工程を含む。製袋機の縦シール装置40は、一対のヒートシールバーを含み、胴材1,2の間欠送り毎に、当該ヒートシールバーを用いてヒートシールを実施して、縦シール部39を形成する。
【0054】
製袋方法は、端面材4の供給後、サイドガセット材3を胴材1,2および端面材4に胴材1,2の幅方向においてヒートシールして、横シール部41を少なくともサイドガセット材の長さ全体に渡って(好ましくは胴材1,2の幅全体に渡って)形成する工程を含む。実施形態では、胴材1の折戻し後に、横ヒートシールが実施される。このヒートシールの位置は、サイドガセット材3の長さ方向中心線3aの位置である。したがって、横シール部41は、中心線3aに沿ってのびる。端面材4は、サイドガセット材3の補助ガセット18の間に配置されているので、補助ガセット18の位置でサイドガセット材3にシールされる。製袋機の横シール装置42は、実施形態では一対のヒートシールバーを2つ含み、胴材1,2の間欠送り毎に、当該ヒートシールバーを用いてヒートシールを実施して、横シール部41を形成する。前述の補助シール部48は、横シール部41に含まれ、一体となる。
【0055】
製袋方法は、胴材1,2の送りに伴い、胴材1,2、サイドガセット材3および端面材4を、胴材1,2の長さ方向においてスリットする工程を含む。スリットの位置は、互いに整合している一対の分割縁29の位置であり、したがって実施形態では縦シール部39の位置である。これにより、胴材2および端面材4もそれぞれ分割される。
【0056】
製袋機のスリット装置43は、特許文献1と同様に、胴材1,2の幅方向に間隔をあけて配置された一対のスリッターを含む。胴材1,2の送りに伴い、胴材1,2、サイドガセット材3および端面材4が、スリッターによって分割縁29に沿ってスリットされる。マージンがスリッター間に生じるものの、特許文献1と同様に公知の巻上機によって巻き上げられて、カスとして胴材1,2から分離される。
【0057】
製袋方法は、スリットの後、胴材1,2、サイドガセット材3および端面材4を、胴材1,2の幅方向においてクロスカットし、それによって袋5を製造する工程を含む。クロスカットの位置は、横シール部41の位置である。
【0058】
製袋機のクロスカット装置44は、カッターを備える。クロスカット装置44は、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2、サイドガセット材3および端面材4をカッターによって、胴材1,2の幅方向において横シール部41の位置でクロスカットする。それによって、実施形態では、2つの袋5がクロスカットの度に製造される。
【0059】
したがって、胴材1,2によって袋5の胴部6が形成され、サイドガセット材3によってサイドガセット部7が形成され、端面材4によって端面部8が形成される。さらに具体的には、補助ガセット18によって、補助ガセット部12が形成される。縦シール部39によって第2シール部14が形成される。横シール部41によって第1シール部13が形成される。また、三角フラップ46によって、三角フラップ部45が形成される。
【0060】
互いに対向する胴材1,2の対向面は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのシーラントによって形成される一方、その反対側の面は、ナイロン、PETなどの基材によって形成される。2つ折りされたサイドガセット材3の外面は、シーラントによって形成される一方、その内面は、基材によって形成される。端面材4の胴材1,2と対向する対向面は、シーラントによって形成される一方、その反対側の面は、基材によって形成される。シーラントによってフィルム同士のヒートシールが実現される。これらは、特許文献1,2と同様である。
【0061】
製袋方法は、天縁11(開口縁)から内容物を袋5に充填する工程、および、充填工程後に2つに胴部6を天縁11に沿って互いにヒートシールする工程を含んでよい。
【0062】
以下、他の実施形態が説明される。先の実施形態と同一または類似の構成には同一の符号が付されその説明は省略される。先の実施形態と同一または類似の工程はその説明は省略される。
【0063】
図6図7の実施形態の製袋方法は、図8Aの袋5を製造する。袋5は、補助ガセット部12が各サイドガセット部7の両端に形成される。さらに、2つの端面部8が設けられ、一方が底面部(底ガセットでよい)になり、他方が天面部(天ガセットでよい)になる。
【0064】
図6の通り、その両端に三角フラップ46(図1A)が形成されていないサイドガセット材3が胴材2に供給される。例えばサイドガセット材供給装置19は、図9Aのように連続するサイドガセット材3を胴材2に供給し、胴材1,2の幅方向に配置し、それを所定の切断位置50で例えば剪断などの手段でカットして1本のサイドガセット材3を胴材2上に位置させる。第2脆弱線としてのミシン目25は、連続するサイドガセット材3に所定の間隔でミシン目カッター26(図5)によって予め形成される。
【0065】
仮シール装置28は、ミシン目25に対する両側においてだけでなく、サイドガセット材3の両端においても、サイドガセット材3を胴材1,2にシールして、仮シール部27に加えて仮シール部51も形成する。
【0066】
第1ガイド装置33は、胴材1,2の送りにともない胴材1を案内して、胴材1がその両側縁52,53側において追加の折曲線54に沿って折り曲げられるようにする。そして、サイドガセット材3が、当該胴材1の折曲げおよび仮シール部51によって開かれて、開き面32に加えて、2つの開き面55が形成されるようにする。折曲線54は、胴材1,2の長さ方向にのびる。
【0067】
側縁52側において、端面材供給装置35は、胴材1,2の送りに伴い、追加の連続する端面材56を供給して、胴材1,2の長さ方向に配置して、胴材1の追加の折曲部分57および開き面55に重ね合わせる。
【0068】
実施形態の胴材2は、胴材1より幅広く、側縁53から一定距離突き出している。ガイド装置33は、胴材2を案内して、胴材2が側縁53と対応する側縁58側において、さらに別の折曲線59に沿って折り曲げられるようにする。この胴材2の折曲部分がさらに別の連続する端面材56となって、当該端面材56が、側縁53寄りの開き面55および胴材1の折曲部分57に重ね合わさるようにする。折曲線59は、胴材1,2の長さ方向にのびる。これは、特許文献2と同様である。
【0069】
開き面シール装置37は、端面材4を開き面32にシールして付着させるだけでなく、端面材56のそれぞれを、それが重ねられている開き面55にシールして付着させる。
【0070】
第2ガイド装置38は、胴材1,2の送りに伴い胴材1を案内して、胴材1が2つの折曲線54に沿って折り戻されるようにする。そして、この胴材1の折戻しによって、端面材56が2つ折りされる。さらに、この胴材1の折戻しによって、開き面55が閉じられて、サイドガセット材3の両端においても補助ガセット18が形成される。
【0071】
側縁52側においても側縁53側と同様に、胴材2を折り曲げて、その折曲部分を端面材56として供給してよい。側縁53側においても、側縁52側と同様に、胴材2とは分離した端面材56が、端面材供給装置35によって供給されるようにしてよい。
【0072】
図7の通り、縦シール装置40は、端面材4を一対の分割縁29に沿ってヒートシールしない。縦シール装置40は、一対のヒートシールバーを2つ含み、胴材1,2の間欠送り毎に、追加の端面材56を胴材1,2の長さ方向において胴材1の両側縁52,53に沿ってヒートシールして、縦シール部39を形成する。
【0073】
横シール装置42は、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材3を、胴材1,2および端面材4,56に、胴材1,2の幅方向においてヒートシールして、横シール部41を形成する。
【0074】
スリット装置43は、先の実施形態と同様に、胴材1,2、サイドガセット材3および端面材4を一対のスリッターによって、一対の分割縁29に沿ってスリットし、かつ、その際に発生したマージンをカスとして巻上機によって胴材1,2から分離する。
【0075】
クロスカット装置44は、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2、サイドガセット材3、端面材4,56を、カッターによって胴材1,2の幅方向において横シール部41の位置でクロスカットして、それによって袋5を製造する。端面材4,56によって2つの端面部8が形成され、端面材4が底面部/天面部になり、端面材56が天面部/底面部になる。端面材4によって形成される端面部8は、胴部6とヒートシールされていないので、底縁10または天縁11のどちらか一方が開口縁となる。ここで、縦シール装置40により開き面32や開き面55をヒートシールする際、開き面を開いた状態か閉じた状態か、いずれの状態で行うのかによって、どの縁を開口縁とするかを適宜選択することも出来る。
【0076】
その後の工程において、内容物が開口縁を通じて袋5に充填され、端面材4によって形成された端面部8と胴材1とが、その開口縁に沿って互いにヒートシールされて、追加の第2シール部14が形成されてよい。図8Aは、追加の第2シール部14が既に形成された袋5を示す。
【0077】
製袋方法は、図10A図10Bの実施形態の通り、胴材1,2を互いに重ね合わせた後、第1脆弱線としてのミシン目22および第2脆弱線としてのミシン目25をミシン目カッター24によって形成する工程を含んでよい。これにより、ミシン目22,25が確実に互いに整合し、結果的に、開き面32の形成を正確に行うことができる。
【0078】
脆弱線形成装置23は、胴材送り装置15が胴材1,2を互いに重ね合わせる位置より下流に設けられる。すなわち、ミシン目カッター24は、実施形態では、胴材1を案内して胴材2に重ね合わせる送りローラ16よりも下流に配置されている。胴材1,2の送りに伴い、ミシン目カッター24が回転し、ミシン目22が胴材1に形成される。また、胴材1,2の間に位置するサイドガセット材3がミシン目カッター24を通過するとき、ミシン目25がミシン目カッター24によってサイドガセット材3に形成される。ミシン目25の位置は、一対の仮シール部27の間である。
【0079】
脆弱線形成装置23(ミシン目カッター24)は、仮シール装置28よりも下流に配置されることが好ましい。というのも、仮シール部27の形成後は、サイドガセット材3と胴材1との相対的なずれが仮シール部27によって防止されるからあり、結果的に、形成されたミシン目22,25が確実に互いにずれないからである。
【0080】
図11Aは、本実施形態の脆弱線形成装置23を示す。当該装置23は、一端において胴材1,2の幅方向にのびる揺動軸61を介してフレーム60に支持され、揺動軸61の周りに揺動可能なアーム62を備える。円盤状のミシン目カッター24は、ベアリング等を介して、アーム62に支持されて、その胴材1,2の幅方向にのびる回転軸241の周りに回転可能である。ミシン目カッター24は、その円周の全体に渡って複数の刃240を有し、その刃240のいくつかが、胴材1,2が胴材送り装置15によって送られる送り面100に進入するようにアーム62に支持される。
【0081】
当該装置23は、アーム62を、ミシン目カッター24が送り面100から離れる方向(時計周りに)に付勢する付勢部材63と、アーム62に当接して、アーム62が付勢部材63によって揺動軸61周りに移動するのを規制する調整部材64とをさらに備える。実施形態では、付勢部材63はスプリングであり、調整部材64は調整ノブである。調整部材64は、フレーム60に固定された支持部材65に、その軸線周りに回転可能に支持されている。調整部材64と支持部材65とはねじ係合している。調整部材64は、回転されることで、アーム62に向かってまたはアーム62から離れる方向eに支持部材65に対して移動し、それにより、ミシン目カッター24の切込み量(ミシン目カッター24の送り面100への進入量)を微調整する。これにより、胴材1,2およびサイドガセット材3の素材、厚み、構造といった特性に応じて切込み量を適切に設定することができる。調整部材64は、ノブのような回転式に限らず、カム等の他の部材でもよい。
【0082】
図11Bは、ミシン目25がミシン目カッター24によってサイドガセット材3に形成されている状態を示す。区間Mは、サイドガセット材3が刃240によって切られている区間であり、区間Nは、サイドガセット材3が刃240によって切られていない区間である。M/Nが大きければ、ミシン目22,25の切易さ(脆弱性)が高い。ミシン目22,25を胴材1およびサイドガセット材3に形成するとき、ミシン目が胴材2に形成される必要はない。したがって、図11Bの通り、刃240が胴材2を貫通していなくてもよい。
【0083】
但し、ミシン目が胴材2に形成されないように、上記の調整ノブ64によって切込み量が調整されていることが好ましい。というのも、胴材1の案内によって開き面32を形成する際、胴材2が当該ミシン目に沿って裂かれてずれが生じ、これが開き面32の形成やその後の工程に悪影響を及ぼし得るからである。
【0084】
図12の実施形態は、3列製袋を開示する。2つの第1脆弱線としてのミシン目22が、胴材1にその幅方向に間隔をあけて形成される。2つの第2脆弱線としてのミシン目25が、サイドガセット材3にその長さ方向に間隔をあけて形成される。製袋方法は、胴材1を第1ガイド装置33によって案内して、2つのミシン目22に沿って3分割し、その2つの一対の分割縁29側において折曲線30に沿って折り曲げる。製袋方法は、この胴材1の折曲げおよび仮シール部27によって、サイドガセット材3を、ミシン目22と整合する2つのミシン目25に沿って切り開き、2つの一対の開き面32を形成する。
【0085】
製袋方法は、2つの端面材4を端面材供給装置35によって胴材1,2の送りに伴い胴材1に供給し、胴材1,2の長さ方向に配置し、一方の端面材4を一方の一対の折曲部分34および一対の開き面32に重ね合わせ、他方の端面材4を他方の一対の折曲部分34および他方の一対の開き面32に重ね合わせる。製袋方法は、胴材1を第2ガイド装置38によって案内して、胴材1を各折曲線30に沿って折り戻し、この折戻しによって各端面材4をその長さ方向中心線に対して両側で2つ折りし、さらに、各開き面32を閉じて4つの補助ガセット18を形成する。
【0086】
サイドガセット材3の両端および胴材1の両側縁52,53は、図12の例示のように処理される場合に限らず、製造される袋5の設計に合わせて任意に処理されてよい。
【0087】
その後の工程は、前述の実施形態と実質的に同じであるため省略される。なお、縦シール部39(図2図6)を分割縁29および両側縁52,53のいずれに沿って形成して、どの縁を袋5の開口縁にするかは任意である。
【0088】
当業者であれば、上記実施形態から、4列以上の多列製袋も実施可能なことは容易に理解することができる。
【0089】
以上から明らかな通り、各実施形態では、複数列の製袋にあたり、サイドガセット材を複数回胴材に供給してこれら複数のサイドガセット材を胴材の幅方向に一列に並べる必要はない。これは、サイドガセット材の供給工程にかかる時間を短縮し、端面部を有する袋の製造効率を向上させる。
【0090】
多列製袋において、一本のサイドガセット材3が用いられると、胴材1の分割縁29での開き面32の形成に問題が生じる。しかしながら、実施形態は、胴材1の案内によってサイドガセット材3を第2脆弱線25に沿って切り開いて開き面32を形成することで、当該問題を解決している。胴材1およびサイドガセット材3は、胴材1が第1ガイド装置33によって案内されるまで第1および第2脆弱線22,25に沿って裂かれることはない。これは、開き面32の形成を容易にかつ確実にする。結果的に、製造される袋5の仕上がりをよくする。
【0091】
端面材4は、開き面32の形成後に、胴材1に供給され、サイドガセット材3の開き面32に重ね合わされる。特許文献1の2列製袋は、開き面の形成前に、端面材(底ガセット材)が上側の胴材の上面に載せられる。この場合、開き面の形成時に、端面材が抵抗となり、開き面の形成を干渉し得る。実施形態は、特許文献1のこの問題も解決する。
【0092】
上記実施形態では、第1および第2脆弱線22,25は、ミシン目に限らず、例えば、適宜の間隔で配置された複数のマイクロジョイントや、周囲よりも材料の厚みが薄くそれにより引き裂かれ易い凹み線などであってよい。
【0093】
以下で変形例や追加の構成がさらに説明される。
【0094】
柄が胴材1,2および端面材4に印刷されていると、これらの柄の位置合わせが必要な場合がある。製袋機は、図1B図10Bの通り、端面材4と胴材2の送り方向Xにおける位置合わせのために第1および第2センサ67,68を備えてよい。マークが、端面材4の上面及び胴材2の下面のそれぞれに胴材1,2の間欠送りのピッチに合わせて印刷されている。第1センサ67は端面材4のマークを検知し、第2センサ68は胴材2のマークを検知する。
【0095】
例えば、センサ68が胴材2のマークを検知したタイミングで、センサ67が端面材4のマークを検知していない場合、端面材4の供給が遅れている。したがって、この場合、端面材4の上流側テンションを低くする。逆に、センサ68が胴材2のマークを検知したタイミングで、センサ67が既に端面材4のマークを検知している場合、端面材4の供給が早い。したがって、この場合、端面材4の上流側テンションを高くする。これが繰り返されることで、端面材4と胴材2の柄が送り方向Xにおいて揃えられる。
【0096】
テンションの範囲やセンサ67,68の検知範囲などは、製造される袋のサイズや送り速度等により適宜変更される。端面材4のマークと胴材2のマークとはかならずしも同じ位置に印刷されているとは限らないので、センサ67,68は、送り方向Xに移動可能に支持されてよい。
【0097】
連続状のサイドガセット材3のカットの方法は、剪断に限定されない。例えば、ミシン目が、図4Aの切断位置50に形成されてよく、サイドガセット材供給装置19が、2つのクランプによって、サイドガセット材3をそのミシン目に対して両側で把持する。そして、少なくともどちらか一方のクランプが、他方のクランプに対して離間することで、サイドガセット材3をミシン目に沿って引きちぎってよい。
【0098】
サイドガセット材供給装置19は、図6図12の通り、胴材1,2の幅方向にのびるガイド70と、ガイド70に沿って移動可能に設けられた搬送ユニット71とを備えてよい。図9Bは、搬送ユニット71を胴材1,2の幅方向の一方から視た図である。搬送ユニット71は、2つの爪72,73と、これらの爪72,73を保持しガイド70に沿って移動可能なスライダ74とを備える。
【0099】
搬送ユニット71は、上側の爪72を下側の爪73に対して近接および離間させることで、図9Aの連続状のサイドガセット材3を爪72,73で解除可能に把持する。搬送ユニット71は、爪72,73によってサイドガセット材3を把持しつつガイド70に沿って移動することで、サイドガセット材3を胴材2上に搬送し配置する。サイドガセット材3の搬送が完了すると、仮止装置20は、サイドガセット材3を胴材2に仮止めして仮止部21(図4B)を形成する。
【0100】
爪72,73がサイドガセット材3を把持して胴材2上に搬送する際、サイドガセット材3の上流側からテンションがかけられてもよい。これにより、サイドガセット材3の供給時にサイドガセット材3のぶれを防止し、正確な位置に配置できる。その後、搬送ユニット71は、待機位置に戻る。
【0101】
搬送ユニット71は、胴材2およびサイドガセット材3に対して胴材1,2の幅方向に移動し、胴材2およびサイドガセット材3は、搬送ユニット71に対して送り方向Xに移動する。したがって、搬送ユニット71は、その下端に、下向き凸状の略球冠状湾曲面75を有してよい。これにより、搬送ユニット71が、胴材2またはサイドガセット材3にひっかかったり、これらを傷付けたりすることを防止する。
【0102】
胴材1,2の送りおよびサイドガセット材3の供給のタイミングについて、例えば、胴材送り開始、胴材送り停止、サイドガセット材供給、仮止め、および、胴材送り再開が繰り返されてよい。また、胴材送り開始、サイドガセット材供給、胴材送り停止、仮止め、および、胴材送り再開が、繰り返されてよい。後者は、高速製袋の観点からは有利である。
【0103】
製袋方法は、胴材1,2、サイドガセット材3および端面材4(または56)をパンチ刃、トムソン刃などで打ち抜いて(例えば図14参照)、図8B図8Cの通り、袋5が、怪我を防止するための丸みをおびたコーナーカット部47を有するようにしてよい。この工程は、周知である。
【0104】
仮シール部27(または51)は、上記の通り開き面32(または55)の形成に貢献する。仮シール部27は、例えば図13の通り、その先端部は、二本の斜線270を含み、先端に向けて窄まる三角形状でよい。開き面32が形成されるとき、折り目が2本の斜線270に沿って形成されるので、結果として得られる開き面32の仕上がりは綺麗になる。図8Aの袋5の補助ガセット部12の斜線は、斜線270に沿って形成された折り目である。
【0105】
図14Aは、コーナーカットの工程を例示し、図14Bは、コーナーカットされた部分を含む図13Aの領域Sを拡大して示す。図14Bの通り、クロスカットの位置81が、送り方向Xに隣り合う2つの袋の境界線80から送り方向Xにわずかにずれるだけでも、一方の袋に、怪我の原因となり得る鋭利なつの83が発生する。したがって、クロスカット装置44のクロスカット時、胴材1,2の幅方向にのびるマージン84を生じさせ、マージン84をカスとして廃棄して、袋につの83が発生するのを防止すべきである。なお、胴材1,2の幅方向に隣り合う2つの袋の間のマージンは、前述の通り、スリット装置43のスリット時に生じて、カスとして廃棄される。
【0106】
図15は、図14Bのマージン84を発生させない場合の一対の仮シール部27を例示する。胴材1の実際の分割線85(ミシン目22が実際に形成されたまたは形成される位置)が、胴材1の蛇行などにより設計上の分割線86からずれると、分割線85が仮シールの先端角272からずれて一方の仮シール部27の先端部を横切る。結果的に、開き面32の折り目を正常に形成できなくなる虞がある。
【0107】
また、胴材1の蛇行により、縦ヒートシール領域390がずれて、仮シール部27の角271のいずれかが縦ヒートシール領域390の外側に位置すると、シール形状がいびつになる。同様に、角271のいずれかが横ヒートシール領域410の外側に位置しても、シール形状がいびつになる。
【0108】
図16は、当該問題を回避するための一対の仮シール部27を例示する。仮シール部27の先端部は、三角形状ではなく台形状であり、かつ、スリット装置43により形成される送り方向Xにのびるマージン87に含まれない。これにより、開き面32の形成時に、正確な折り目が斜線270によって形成される。台形状の先端部は、縦および横ヒートシール領域390,410の双方に完全に含まれることで、適切なシール形状が確保される。特に、縦ヒートシール領域390と横ヒートシール領域410の外側縁の交点が斜線270の延長線上に位置されることが好ましい。これは、袋5の品質を高め、さらにその外観、仕上げを綺麗にする。
【0109】
仮シール部27の先端部のサイズは、上記要件を満たすように、胴材1,2の蛇行、間欠送りの精度、マージン84,87の幅などによって適宜決定される。
【符号の説明】
【0110】
1,2 胴材
3 サイドガセット材
4 端面材
5 袋
6 胴部
7 サイドガセット部
8 端面部
15 胴材送り装置
19 サイドガセット材供給装置
22 胴材の脆弱線(ミシン目)
23 脆弱線形成装置
24 ミシン目カッター
241 ミシン目カッターの回転軸
25 サイドガセット材の脆弱線(ミシン目)
251 長い細孔
252 短い細孔
27 仮シール部
28 仮シール装置
29 分割縁
30 折曲線
32 開き面
33 ガイド装置
34 折曲部分
35 端面材供給装置
37 開き面シール装置
38 ガイド装置
39 縦シール部
40 縦シール装置
41 横シール部
42 横シール装置
43 スリット装置
44 クロスカット装置
48 補助シール部
61 揺動軸
62 アーム
63 付勢部材
64 調整部材
胴材の送り方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16