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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】フローティング装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/02 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
B25J17/02 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018166582
(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公開番号】P2020037168
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000219233
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】瀧嶋 浩昭
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-138545(JP,U)
【文献】特開平10-076433(JP,A)
【文献】特開昭58-077484(JP,A)
【文献】特開2006-142416(JP,A)
【文献】特開2017-052069(JP,A)
【文献】特開平08-090480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットハンドのグリッパーが装着されるグリッパー側支持部材と、
前記ロボットハンドのアームに装着されるアーム側支持部材と、
前記グリッパー側支持部材と前記アーム側支持部材との間を連結する連結支持部材と、
前記グリッパー側支持部材と前記連結支持部材との間に配設される一対の第一弾性体と、
前記アーム側支持部材と前記連結支持部材との間に配設される一対の第二弾性体とを備え、
前記一対の第一弾性体及び前記一対の第二弾性体は、前記一対の第一弾性体同士を結ぶ第一仮想線と前記一対の第二弾性体同士を結ぶ第二仮想線とが平面視において交差するように配設され
前記第一弾性体の弾性係数は、前記第二弾性体の弾性係数よりも小さい、フローティング装置。
【請求項2】
ロボットハンドのグリッパーが装着されるグリッパー側支持部材と、
前記ロボットハンドのアームに装着されるアーム側支持部材と、
前記グリッパー側支持部材と前記アーム側支持部材との間を連結する連結支持部材と、
前記グリッパー側支持部材と前記連結支持部材との間に配設される一対の第一弾性体と、
前記アーム側支持部材と前記連結支持部材との間に配設される一対の第二弾性体とを備え、
前記一対の第一弾性体及び前記一対の第二弾性体は、前記一対の第一弾性体同士を結ぶ第一仮想線と前記一対の第二弾性体同士を結ぶ第二仮想線とが平面視において交差するように配設され、
前記第一弾性体及び前記第二弾性体は、ゴム材により形成される、フローティング装置。
【請求項3】
前記グリッパー側支持部材、前記アーム側支持部材及び前記連結支持部材の内、少なくとも前記連結支持部材は、前記グリッパーを挿通可能な開口部を有して枠状に形成される、請求項1又は2に記載のフローティング装置。
【請求項4】
前記アーム側支持部材に、前記アームに対して前記アーム側支持部材を回動可能に装着するためのベアリングが配設される、請求項1からのいずれか一項に記載のフローティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ロボットハンドのグリッパーをロボットアームのアームに対してフローティング支持するフローティング装置が公知である。
【0003】
特許文献1には、ロボットハンドにおける工具が、X軸(第一軸)及びX軸に直交するY軸(第二軸)周りにそれぞれ回動可能な状態でエアシリンダーにより支持されるフローティング機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-337662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術では、上部フローティング機構及び下部フローティング機構により、工具がX軸及びY軸周りにそれぞれ回動可能な状態を実現している。しかし、この技術では、工具がX軸及びY軸周りにそれぞれ回動可能な状態を実現するために、多数のエアシリンダーを必要とするため、フローティング装置全体の構造が複雑となり得ると共に、フローティング装置全体の重量が増加し得る。
【0006】
そこで、本発明は、構造の簡素化及び軽量化を図ることができるフローティング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るフローティング装置は、ロボットハンドのグリッパーが装着されるグリッパー側支持部材と、ロボットハンドのアームに装着されるアーム側支持部材と、グリッパー側支持部材とアーム側支持部材との間を連結する連結支持部材とを備える。フローティング装置は、グリッパー側支持部材と連結支持部材との間に配設される一対の第一弾性体と、アーム側支持部材と連結支持部材との間に配設される一対の第二弾性体とを備える。一対の第一弾性体及び一対の第二弾性体は、一対の第一弾性体同士を結ぶ第一仮想線と一対の第二弾性体同士を結ぶ第二仮想線とが平面視において交差するように配設され、第一弾性体の弾性係数は、第二弾性体の弾性係数よりも小さい
また、本発明の一態様に係るフローティング装置は、ロボットハンドのグリッパーが装着されるグリッパー側支持部材と、ロボットハンドのアームに装着されるアーム側支持部材と、グリッパー側支持部材とアーム側支持部材との間を連結する連結支持部材とを備える。フローティング装置は、グリッパー側支持部材と連結支持部材との間に配設される一対の第一弾性体と、アーム側支持部材と連結支持部材との間に配設される一対の第二弾性体とを備える。一対の第一弾性体及び一対の第二弾性体は、一対の第一弾性体同士を結ぶ第一仮想線と一対の第二弾性体同士を結ぶ第二仮想線とが平面視において交差するように配設され、第一弾性体及び第二弾性体は、ゴム材により形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係るフローティング装置によれば、構造の簡素化及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るフローティング装置の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るフローティング装置の概略的な側面図である。
図3】本発明の実施形態に係るフローティング装置の概略的な平面図である。
図4】変形例に係るフローティング装置の斜視図である。
図5】変形例に係るフローティング装置の斜視図である。
図6】変形例に係るフローティング装置の斜視図である。
図7】変形例に係るフローティング装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0011】
図1から図3に示すように、フローティング装置10は、グリッパー側支持部材12と、アーム側支持部材13と、連結支持部材14とから構成される三層部材11を備える。グリッパー側支持部材12は、ロボットハンド1のグリッパー2が装着され、アーム側支持部材13は、ロボットハンド1のアーム(固定アーム)3に装着される。連結支持部材14は、グリッパー側支持部材12とアーム側支持部材13との間を連結する。三層部材11を構成する各部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)は、板状部材により形成される。
【0012】
三層部材11を構成する各板状部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)の材質は、特に限定はされず、金属材料であってもよく、合成樹脂材料であってもよい。また、三層部材11を構成する板状部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)の材質は、全ての板状部材が共に同じ材質であってもよく、各板状部材が別々の材質であってもよい。本実施形態では、三層部材11を構成する板状部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)の材質は、全ての板状部材が共に鉄系材料である。
【0013】
本実施形態では、フローティング装置10の先端部側から、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14、アーム側支持部材13の順に配置されている(図1及び図2参照)。
【0014】
グリッパー側支持部材12に、各種ワークを保持するためのグリッパー2が固定される。グリッパー2は、例えば、ブラケット15、ボルト及びナット等を用いてグリッパー側支持部材12に固定される。グリッパー2の種類は、特に限定はされず、マグネットグリッパー(電磁石又は永久磁石)であってもよく、エアグリッパー(真空)であってもよく、メカニカルグリッパーであってもよい。本実施形態では、グリッパー2は、永久磁石がグリッパー本体(シリンダー)4の内部で摺動するマグネットグリッパーが用いられる。なお、図1中において、符号5は、マグネットグリッパーのシリンダー4の内部にエアを供給するエア供給パイプを示す。
【0015】
グリッパー側支持部材12と連結支持部材14との間に、一対の第一弾性体20,20が配設され、アーム側支持部材13と連結支持部材14との間には、一対の第二弾性体21,21と、一対の柱状部材22,22とが配設される。
【0016】
一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21は、一対の第一弾性体20,20同士を結ぶ第一仮想線Xと一対の第二弾性体21,21同士を結ぶ第二仮想線Yとが平面視において交差するように配設される(図3参照)。本実施形態では、一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21は、一対の第一弾性体20,20同士を結ぶ第一仮想線Xと一対の第二弾性体21,21同士を結ぶ第二仮想線Yとが平面視において90°で交差(直交)するように配設される。第一仮想線Xと第二仮想線Yとが交差する角度θ(図3参照)は、90°に近い方がフローティング装置10の揺動幅を大きくとることが可能になるので好ましい。
【0017】
本実施形態では、一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21の位置関係は、三層部材11を構成する各板状部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)の最も外側(外縁側)に位置するように配設される。しかしながら、一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21は、三層部材11を構成する各板状部材における最も外側の位置への配置に限定はされず、あくまで第一仮想線Xと第二仮想線Yとが交差する位置関係にあればよい。
【0018】
グリッパー側支持部材12と連結支持部材14と第一弾性体20とによるフローティング支持により、グリッパー2は一対の第一弾性体20,20同士を結ぶ軸線(第一仮想線X)を中心に回動(揺動)することが可能になる(図3参照)。また、連結支持部材14とアーム側支持部材13と第二弾性体21とによるフローティング支持により、グリッパー2は一対の第二弾性体21,21同士を結ぶ軸線(第二仮想線Y)を中心に回動(揺動)することが可能になる(図3参照)。さらに、一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21による垂直軸線Zに沿った伸縮により、グリッパー2は垂直軸線Zに沿った方向に上下動(揺動)することが可能になる(図3参照)。
【0019】
本実施形態では、グリッパー側支持部材12と連結支持部材14と第一弾性体20とは、ボルト30及びナット31等を用いて連結される(図1参照)。
【0020】
また、本実施形態では、連結支持部材14とアーム側支持部材13と第二弾性体21とは、ボルト34及びナット35等を用いて連結される(図1参照)。
【0021】
ロボットハンド1全体の高さを低くするために、フローティング装置10全体の高さを低くすることが好ましい。ロボットハンド1全体の高さを低くすることにより、例えば金型内の狭い空間内における作業が要求されるような場合においてもロボットハンド1(フローティング装置10)を使用することが可能になる。フローティング装置10全体の高さを低くするために、三層部材11を構成する各板状部材は、グリッパー2を挿通可能な開口部12h,13h,14hを有する枠状に形成し、グリッパー2を開口部12h,13h,14hの内側に配置する(図7参照)。
【0022】
枠状に形成する板状部材は、少なくとも連結支持部材14であればよい。しかしながら、フローティング装置10の軽量化のために、三層部材11を構成する全ての板状部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)を、枠状に形成してもよい(図7参照)。
【0023】
ロボットハンド1全体の高さをさらに低くするために、フローティング装置10全体の高さをさらに低くすることが好ましい。フローティング装置10全体の高さをさらに低くするためには、グリッパー側支持部材12を連結支持部材14とアーム側支持部材13との間に配置する(図5参照)。この場合、フローティング装置10の先端部側から、連結支持部材14、グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13の順に配置される(図5参照)。
【0024】
このように板状部材を配置しても、一対の第一弾性体20,20同士の間の距離並びに一対の第二弾性体21,21同士の間の距離は、フローティング装置10の先端部側から、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14、アーム側支持部材13の順に配置した場合(図1図4図6及び図7参照)と同じにすることができ、フローティング装置10としての性能に差異はない。
【0025】
三層部材11を構成する各板状部材(グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14)の形状(外形形状)は、丸板形状であってもよく、角板形状であってもよい。角板形状とする場合、板状部材の形状は四角形以上の角板形状であるほうがよい。本実施形態では、グリッパー側支持部材12及び連結支持部材14の形状が角板形状(正四角形の枠状)とされており、アーム側支持部材13の形状がバー形状とされている(図1参照)。そして、本実施形態では、三層部材11は、一対の柱状部材22,22、一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21を用いて連結されている(図1及び図2参照)。
【0026】
フローティング装置10の性能は、第一弾性体20及び第二弾性体21による垂直軸線Zに沿った伸縮にも起因して発揮される。すなわち、第一弾性体20及び第二弾性体21による垂直軸線Zに沿った伸縮が、グリッパー2がワークと最初に接触したときの衝撃を緩和する緩衝機構としての役目もしている。そのため、第一弾性体20の弾性係数を第二弾性体21の弾性係数よりも小さくする(すなわち、第一弾性体20を第二弾性体21よりも柔らかくする)ことにより、グリッパー2がワークと最初に接触したときの衝撃をより緩和することができるようにしている。
【0027】
また、第一弾性体20及び第二弾性体21の働きにより、グリッパー2はワークとの接触がないときには自動的に定位置(すなわち、図1に示す状態)に復帰する。
【0028】
第一弾性体20及び第二弾性体21は、例えば、ゴム材又はスプリング(コイルスプリング)等を用いることができる。本実施形態では、第一弾性体20及び第二弾性体21は、ゴム材を用いている。ゴム材を第一弾性体20及び第二弾性体21として用いている理由は、ゴム材の方がスプリングよりも振動の減衰性(制振性)が高いからである。このため、グリッパー2がワークと接触したときに、マグネットグリッパーがワークを中途半端に吸着しても、ゴム材の制振性によりワークの落下を防止することが可能になる。
【0029】
アーム側支持部材13に、アーム3に対してアーム側支持部材13を回動可能に装着するためのベアリング23が配設される。アーム側支持部材13の中心部分にベアリング23を配設することにより、フローティング装置10全体が垂直軸線Zを中心に回動することが可能になる(図3参照)。このようにすることにより、グリッパー2がワークに接触したときに、マグネットグリッパーの吸着面がワークの接触面により馴染んでより吸着し易くなり、ワークを確実に吸着することが可能になる。特に、マグネットグリッパーの吸着面とワークの接触面とが成す角度が比較的大きく、ベアリング23がない場合にワークを吸着し難いような状態であっても、ワークを比較的容易に吸着することが可能になる。
【0030】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0031】
(1)フローティング装置10は、グリッパー側支持部材12と、アーム側支持部材13と、これらのグリッパー側支持部材12とアーム側支持部材13との間を連結する連結支持部材14とを備える。フローティング装置10は、グリッパー側支持部材12と連結支持部材14との間に配設される一対の第一弾性体20,20と、アーム側支持部材13と連結支持部材14との間に配設される一対の第二弾性体21,21とを備える。一対の第一弾性体20,20及び一対の第二弾性体21,21は、一対の第一弾性体20,20同士を結ぶ第一仮想線Xと一対の第二弾性体21,21同士を結ぶ第二仮想線Yとが平面視において交差するように配設される(図3参照)。
【0032】
グリッパー側支持部材12と連結支持部材14と第一弾性体20とによるフローティング支持により、グリッパー2は一対の第一弾性体20,20同士を結ぶ軸線(第一仮想線X)を中心に回動(揺動)することが可能になる(図3参照)。また、連結支持部材14とアーム側支持部材13と第二弾性体21とによるフローティング支持により、グリッパー2は一対の第二弾性体21,21同士を結ぶ軸線(第二仮想線Y)を中心に回動(揺動)することが可能になる(図3参照)。このため、マグネットグリッパーの吸着面はワークの接触面の形状に追従して揺動し、種々の形状のワークに対応することができ、種々のワークに対する段取り替えが不要となる。
【0033】
以上要するに、本実施形態に係るフローティング装置10によれば、構造の簡素化及び軽量化を図ることができる。
【0034】
(2)グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13及び連結支持部材14の内、少なくとも連結支持部材14は、グリッパー2を挿通可能な開口部14hを有して枠状に形成される。
【0035】
このように少なくとも連結支持部材14を枠状に形成することにより、グリッパー2を連結支持部材14(開口部14h)の内側に配置することができ、フローティング装置10全体の高さを低くすることが可能になる。フローティング装置10全体の高さを低くすることにより、例えば金型内の狭い空間内における作業が要求されるような場合においてもフローティング装置10を使用することが可能になる。また、三層部材11を構成する各板状部材を枠状に形成することにより、フローティング装置10の軽量化を図ることもでき、ロボットハンド1の耐荷重が小さい場合でもフローティング装置10を適用することが可能になる。
【0036】
(3)第一弾性体20の弾性係数は、第二弾性体21の弾性係数よりも小さい。
【0037】
第一弾性体20の弾性係数を第二弾性体21の弾性係数よりも小さくする(すなわち、第一弾性体20を第二弾性体21よりも柔らかくする)ことにより、グリッパー2がワークと最初に接触したときの衝撃をより緩和することが可能になる。
【0038】
(4)第一弾性体20及び第二弾性体21は、ゴム材により形成される。
【0039】
振動の減衰性(制振性)が比較的高いゴム材を第一弾性体20及び第二弾性体21として用いることにより、グリッパー2がワークを保持したときに、ゴム材の制振性によりグリッパー2からのワークの落下を防止することが可能になる。
【0040】
(5)アーム側支持部材13に、アーム3に対してアーム側支持部材13を回動可能に装着するためのベアリング23が配設される。
【0041】
アーム側支持部材13の中心部分にベアリング23を配設することにより、フローティング装置10全体が垂直軸線Zを中心に回動することが可能になる(図3参照)。
【0042】
[変形例]
次に、変形例に係るフローティング装置について説明する。
【0043】
図4に示すフローティング装置10Aでは、フローティング装置10Aの先端部側から、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14、アーム側支持部材13の順に配置される。また、グリッパー側支持部材12の形状が角板形状(正四角形の板状)とされ、連結支持部材14の形状が開口部14hを有する枠状に形成され、アーム側支持部材13の形状がバー形状とされる。
【0044】
図5に示すフローティング装置10Bでは、フローティング装置10Bの先端部側から、連結支持部材14、グリッパー側支持部材12、アーム側支持部材13の順に配置される。また、連結支持部材14は、グリッパー2を挿通可能な開口部14hを有する枠状に形成される。グリッパー側支持部材12の形状が角板形状(長方形の板状)とされ、アーム側支持部材13の形状がバー形状とされる。そして、連結支持部材14(開口部14h)の内側に、グリッパー2が配置される。
【0045】
図6に示すフローティング装置10Cでは、フローティング装置10Cの先端部側から、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14、アーム側支持部材13の順に配置される。また、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14及びアーム側支持部材13の形状は全て、角板形状(正四角形の板状)とされる。
【0046】
図7に示すフローティング装置10Dでは、フローティング装置10Dの先端部側から、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14、アーム側支持部材13の順に配置される。また、グリッパー側支持部材12、連結支持部材14及びアーム側支持部材13は、グリッパー2を挿通可能な開口部12h,14h,13hを有する枠状に形成される。そして、グリッパー側支持部材12(開口部12h)及び連結支持部材14(開口部14h)の内側に、グリッパー2が配置される。
【0047】
ところで、本発明のフローティング装置は前述の実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ロボットハンド
2 グリッパー
3 アーム
10 フローティング装置
12 グリッパー側支持部材
13 アーム側支持部材
14 連結支持部材
20 第一弾性体
21 第二弾性体
23 ベアリング
X 第一仮想線
Y 第二仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7