(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】弾性クローラ用芯金及び該芯金を用いた弾性クローラ
(51)【国際特許分類】
B62D 55/253 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
B62D55/253 B
(21)【出願番号】P 2018191072
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】小堀 達也
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-027376(JP,A)
【文献】特開2010-215063(JP,A)
【文献】特開平11-268672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/253
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端帯状の弾性体の幅方向に伸長して埋設される芯金基体と、
該芯金基体の長手方向の中央部にて前記弾性体の内周面側に突出する一対の突起部と、
前記一対の突起部の両外側にて前記芯金基体から前記弾性体の内周面側に突出し、前記弾性体の内周面を転動する転輪を支持する転輪支持面を有する一対のレール部と、を備えた弾性クローラ用芯金において、
前記芯金基体から前記弾性体の内周面側に突出し、前記転輪支持面から連続形成される頂面が、前記レール部から前記芯金基体の長手方向中央側に向かって延びる一対のレール延出部を備え
、
前記突起部は、頭部と、前記頭部より前記芯金幅方向の寸法が小さい基部と、から構成されており、
前記各レール延出部において、前記レール延出部の前記頂面は、前記基部を挟んで前記芯金幅方向の両側に形成され、
該両側に形成された前記頂面は、それぞれ、前記レール部から前記突起部の前記長手方向中央側の端部まで延びており、
前記各レール延出部において、前記基部とその両側の前記頂面とを含む前記レール延出部の前記芯金幅方向の寸法は、前記レール部から前記端部に向かって小さくなっていることを特徴とする弾性クローラ用芯金。
【請求項2】
前記レール部の転輪支持面及び前記レール延出部の頂面と、前記芯金基体との間に位置して前記芯金基体から連なる起立部を有し、
該起立部は、前記芯金基体の幅方向の寸法が、前記芯金基体の幅寸法よりも小さいことを特徴とする請求項
1に記載の弾性クローラ用芯金。
【請求項3】
無端帯状の弾性体と、
該弾性体の幅方向に伸長する態様で、該弾性体の周方向に間隔をあけて複数埋設された請求項1
又は2に記載の弾性クローラ用芯金と、を備えたことを特徴とする弾性クローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性クローラ用芯金及び該芯金が埋設された弾性クローラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業機械、建設機械及び土木作業用機械等の走行部には、弾性クローラが広く用いられている。弾性クローラは、一般に、ゴム材等によって無端帯状に形成されている。このような弾性クローラは、通常、走行装置の駆動輪や転輪に巻き掛けられて用いられ、その内部には、剛性部材である芯金が複数埋設されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の弾性クローラは、無端帯状の弾性体と、この弾性体の内部に埋設された複数の芯金とを備えており、各芯金は弾性体の幅方向に伸長し、弾性体の周方向に所定の間隔をあけて埋設されている。芯金は、長尺状の芯金基体と、芯金基体の長手方向中央部に位置して弾性体の内周側に突出する一対の突起部と、一対の突起部の両外側に位置して弾性体の内周側に突出する一対のレール部とを備えている。一対のレール部は、頂部に転輪を支持する転輪支持面を有し、転輪支持面は、芯金基体よりも芯金幅方向の寸法が大きく形成されている。
【0004】
特許文献1に記載の弾性クローラでは、転輪が通過する転輪通過領域において、弾性クローラ周方向で隣り合う芯金間の距離(芯金が存在していない領域の距離)が、レール部が存在することにより、他の領域よりも短くなる。これにより、転輪が一方の芯金からこれに隣り合う他方の芯金へ転動する際に、転輪の地面側への落ち込み量を少なくすることができ、転輪の振動を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
弾性クローラが石等の障害物に乗り上げられたり、凹凸面を走行したりすることによって、弾性クローラにねじれが生じると、その内部に埋設された芯金にもねじれが発生する。
【0007】
突起部とともにレール部を有する芯金においては、芯金に作用するねじり力が、突起部とレール部との間に位置する、これらよりも幅狭で強度の低い連結部に集中することから、この連結部を起点とする芯金の折損に対し、より耐久性の高い構造が求められていた。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、使用時に作用するねじり力に対して高い耐久性を有する弾性クローラ用芯金及び該芯金を用いた弾性クローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態の弾性クローラ用芯金は、無端帯状の弾性体の幅方向に伸長して埋設される芯金基体と、該芯金基体の長手方向の中央部にて前記弾性体の内周面側に突出する一対の突起部と、前記一対の突起部の両外側にて前記芯金基体から前記弾性体の内周面側に突出し、前記弾性体の内周面を転動する転輪を支持する転輪支持面を有する一対のレール部と、を備えた弾性クローラ用芯金において、前記芯金基体から前記弾性体の内周面側に突出し、前記転輪支持面から連続形成される頂面が、前記レール部から前記芯金基体の長手方向中央側に向かって延びる一対のレール延出部を備え、前記突起部は、頭部と、前記頭部より前記芯金幅方向の寸法が小さい基部と、から構成されており、前記各レール延出部において、前記レール延出部の前記頂面は、前記基部を挟んで前記芯金幅方向の両側に形成され、該両側に形成された前記頂面は、それぞれ、前記レール部から前記突起部の前記長手方向中央側の端部まで延びており、前記各レール延出部において、前記基部とその両側の前記頂面とを含む前記レール延出部の前記芯金幅方向の寸法は、前記レール部から前記端部に向かって小さくなっていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、転輪支持面から連続形成される頂面が、レール部から芯金基体の長手方向中央側まで延びるレール延出部により、レール部と突起部との間の強度を高めることができる。これにより、芯金のねじり力に対する耐久性を高め、ねじれによる折損を防止することができる。
【0012】
この構成によれば、芯金にねじり力が作用した際に、レール部と突起部との間に発生する応力集中を緩和して、芯金の折損をより確実に防止することができる。
【0014】
この構成によれば、レール延出部の幅方向の寸法が、ねじれによる折損が生じやすいレール部との境界部で大きくなっているので、ねじれに対する耐久性を高く保持することができ、さらに、幅方向の寸法を突起部側に向かって小さくすることで、芯金の重量増加を抑制して軽量化を図ることができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態は、前記弾性クローラ用芯金において、前記レール部の転輪支持面及び前記レール延出部の頂面と、前記芯金基体との間に位置して前記芯金基体から連なる起立部を有し、該起立部は、前記芯金基体の幅方向の寸法が、前記芯金基体の幅寸法よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、芯金基体の幅方向において、起立部を芯金基体よりも凹状とすることができ、この凹状部に弾性体を構成する弾性材料を入り込ませて、芯金と弾性体との接着性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の一実施形態の弾性クローラは、無端帯状の弾性体と、該弾性体の幅方向に伸長する態様で、該弾性体の周方向に間隔をあけて複数埋設された前記弾性クローラ用芯金と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、弾性クローラ用芯金に形成されたレール延出部により、芯金のレール部と突起部との間の強度を高めて、芯金のねじり力に対する耐久性を高めることができるので、弾性クローラが障害物に乗り上げられたり、凹凸面を走行したりすることによって、芯金にねじり力が作用した場合に、芯金がねじり力によって折損することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の弾性クローラ用芯金及び弾性クローラによれば、使用時に作用するねじり力に対して、芯金の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施の形態である弾性クローラを用いた走行装置を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る弾性クローラ用芯金(以下、単に「芯金」という)及び該芯金を用いた弾性クローラについて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である弾性クローラ10を用いた走行装置50を模式的に示す側面図であり、
図2は、弾性クローラの内周部を示す平面図、
図3は、
図2のA-A線断面図である。なお、
図2及び
図3では、弾性体であるクローラ本体20を二点鎖線で示し、芯金30を実線で示している。弾性クローラ10は、例えば、農業機械、建設機械及び土木作業用機械等の走行装置50に装着される。
【0022】
走行装置50において、弾性クローラ10は、駆動輪であるスプロケット52、従動輪であるアイドラ54及び複数の転輪56に巻き掛けられて用いられる。各転輪56は、弾性クローラ10の内周面11に形成された転輪通過面上を転動する。
【0023】
弾性クローラ10は、弾性材料により無端帯状に形成されたクローラ本体(弾性体)20と、クローラ本体20の周方向に所定の間隔をあけて埋設された複数の芯金30とを備える。
【0024】
クローラ本体20は、外周面22から突出する複数のラグ24を有する。ラグ24は、外周面22の周方向に所定の間隔をあけて形成される。なお、ラグ24の形状、幅(弾性クローラ10の周方向における長さ)、パターン等は、弾性クローラ10の用途に応じて適宜設定することができる。
【0025】
芯金30は、
図2~
図6に示すように、クローラ本体20に埋設される長尺状の芯金基体31と、芯金基体31の長手方向の中央部に位置する一対の突起部32L,32Rと、一対の突起部32L,32Rの両外側に位置する一対のレール部34L,34Rと、レール部34L,34Rと突起部32L,32Rとの間に形成される一対のレール延出部36L,36Rとを備える。
【0026】
芯金基体31は、平面視において略長方形状に形成されている。一対の突起部32L,32R、一対のレール部34L,34R及び一対のレール延出部36L,36Rは、それぞれ、芯金基体31の上面31a(クローラ本体20に埋設された状態で、クローラ本体20の内周面21側を向く面)から突出している。一対の突起部32L,32Rの間には、スプロケット52が係合する係合部46が形成されている。
【0027】
以下の説明では、芯金30の長手方向(
図4の矢印X方向)を単に「長手方向」と記載し、芯金30の幅方向(
図4の矢印Y方向)を「芯金幅方向」と記載し、芯金30の厚さ方向(
図4の矢印Z方向)を「芯金厚さ方向」と記載する。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交している。芯金30は、さらに、芯金幅方向の一方の側面30bに、一対の第1規制突起40L,40Rを有し、他方の側面30cに第2規制突起42L,42Rを有する。芯金30は、一般的に鋳造、鍛造等の手段で作成される金属製のものであるが、硬質樹脂製や板金製であってもよい。
【0028】
本実施の形態において、一対の突起部32L,32R、一対のレール部34L,34R及び一対のレール延出部36L,36Rは、
図5に示すように、平面視で芯金30の中心点Pに対して点対称となるように形成されているが、これに限られず、芯金30の中心線CLに対して線対称に形成されていてもよい。一対の第1規制突起40L,40Rと、一対の第2規制突起42L,42Rとは、中心線CLに対して線対称に形成されている。以下の説明では、対を成している各突起部32L、32R、各レール部34L,34R及び、各レール延出部36L,36Rのうち、一方の突起部32R、レール部34R及びレール延出部36Rについて詳説し、他方の突起部32L、レール部34L及びレール延出部36Lについては、対応する部位に同一の符号を付して、その詳細を省略している。
【0029】
突起部32Rは、芯金基体31から連なる基部33Aと、基部33Aから芯金幅方向に突出した頭部33Bとを有する。
図4及び
図5に示すように、基部33Aの芯金幅方向の寸法W2は、芯金基体31の幅寸法W1よりも小さく、頭部33Bの芯金幅方向の寸法は、芯金基体の幅寸法W1とほぼ等しく形成されている。
【0030】
レール部34Rは、弾性クローラ10の走行時に転輪56が通過する領域に形成されている。レール部34Rは、
図7及び
図8に示すように、芯金基体31から連なる起立部39Aと、起立部39Aから芯金幅方向に突出した頂部39Bとを有し、頂部39Bに転輪56を支持する転輪支持面35を有する。転輪支持面35は、突起部32Rの頭部33Bよりも低い位置(すなわち、芯金厚さ方向で基部33Aが存在する位置)に略平面状に形成されており、
図5に示すように、芯金幅方向の寸法W3が、芯金基体31の幅寸法W1よりも大きく設定されている。本実施の形態の転輪支持面35は、平面視で芯金幅方向に長い長方形状に形成されている。レール部34Rは、さらに、芯金基体31の上面31aから突出して頂部39Bを支持するリブ39Cを有する。リブ39Cは、
図5に示す平面視で、起立部39Aの芯金幅方向の一方の側面(具体的には、起転輪支持面35の一部が芯金基体31から突出している方の側面)から芯金幅方向に伸びている。
【0031】
図3に示すように、転輪56は、走行装置50に回転可能に支持される軸部56Aと、軸部56Aの軸方向の両端部に固定された輪部56Bとを有し、輪部56Bが転輪支持面35上を転動する。
【0032】
レール延出部36Rは、レール部34Rと突起部32Rとの間に形成される。レール延出部36Rは、
図7及び
図9に示すように、芯金基体31から連なる起立部38Aと、起立部38Aから芯金幅方向に突出した頂部38Bとを有する。頂部38Bに形成されたレール延出部36Rの頂面37は、転輪支持面35から連続形成され、本実施の形態では転輪支持面35とほぼ面一状に形成されている。
【0033】
レール延出部36Rの頂面37は、レール部34Rから芯金基体31の長手方向中央側に向かって延びている。頂面37は、レール部34Rから突起部32Rの近接端32aよりも中心線CL側(すなわち、芯金基体31の長手方向中央側)まで延びていることが好ましく、突起部32Rの中心線CL側の端部まで延びていることがより好ましい。本実施の形態では、頂面37がレール部34Rから突起部32Rの遠方端32bまで延びている。本実施の形態では、
図4及び
図5に示すように、頂面37の芯金幅方向の寸法が、レール部34Rから突起部32R側に向かって小さくなるように形成されており、頂面37の最大寸法W4は、芯金基体31の幅寸法W1とほぼ等しく、最小寸法W5は、突起部32Rの基部33Aの芯金幅方向の寸法とほぼ同じか、それよりも大きく設定されている。
【0034】
図5及び
図6に示すように、レール部34Rの起立部39Aと、レール延出部36Rの起立部38Aとは、芯金基体31の芯金幅方向の中央部に位置しており、芯金30の長手方向で直線状に連なっている。起立部38A,39Aの芯金幅方向の寸法W6は、芯金基体31の幅寸法W1よりも小さく形成されている。
【0035】
第1規制突起40L,40R及び第2規制突起42L,42Rは、それぞれ、係合部46を挟んで対を成すように形成されている。第1規制突起40L,40R及び第2規制突起42L,42Rは、先細に形成されており、第2規制突起42L,42Rは、第1規制突起40L,40Rよりも先端部の離間距離が大きくなっている。
【0036】
芯金30は、クローラ本体20に埋設された状態で、芯金基体31がクローラ本体20の幅方向に伸長し、係合部46、各突起部32L,32R、各レール部34L,34R及び各レール延出部36L,36Rは、クローラ本体20を構成する弾性材料で被覆され、これらが、クローラ本体20の内周面21側を向くように配置される。一対の突起部32L,32Rは、
図1に示すように、弾性クローラ10の内周面11から突出する弾性突起26を構成している。弾性クローラ10の周方向と幅方向(すなわち、クローラ本体20の周方向と幅方向)は、互いに直交している。芯金30が埋設された状態で、芯金厚さ方向は、弾性クローラ10の厚さ方向と一致し、芯金30の長手方向は、弾性クローラ10の幅方向と一致している。
【0037】
既述のとおり、芯金30はクローラ本体20の周方向に間隔をあけて複数配置され、周方向で隣り合う2つの芯金30は、
図2に示すように、一方の芯金30の第1規制突起40L,40Rのクローラ幅方向外側に、他方の芯金30の第2規制突起42L,42Rが位置するように配置される。このように配置することで、芯金30のクローラ幅方向の移動を規制することができる。
【0038】
各芯金30は、芯金基体31の全部又は一部が、厚さ方向でラグ24と重なるように配置することができる。また、これに代えて、芯金基体31が厚さ方向でラグ24と重ならないように配置されていてもよい。
【0039】
図3に示すように、クローラ本体20において、芯金30のクローラ本体20外周面22側には、一対の突起部32L,32Rの間の係合部46を挟んで、クローラ幅方向の両側に、クローラ周方向に沿って伸びる無端帯状の補強層28が埋設されている。補強層28は、クローラ周方向に沿って螺旋状に巻回された1本の補強コード又はクローラ周方向に沿って並列された複数本の補強コードをゴム被覆して形成されている。この補強コードは、例えば、引張り強度に優れるスチールコードや、有機繊維等で構成したコードを用いることができる。
【0040】
上述した芯金30を用いた弾性クローラ10では、レール延出部36L,36Rにより、芯金30のレール部34L,34Rと突起部32L,32Rとの間の強度を高めることができるので、弾性クローラ10が石等の障害物に乗り上がってねじり力が作用した場合に、芯金30に生じるねじり力に対する耐久性を高めることができる。これにより、ねじれによって芯金30が折損することを防止することができる。また、レール延出部36L,36Rの頂面37が転輪支持面35と面一状に形成されているので、ねじれにより折損が生じやすいレール部34L,34Rとの境界部に生じる応力集中を緩和することができる。
【0041】
また、レール延出部36L,36Rの芯金幅方向の寸法をレール部34L,34Rから突起部32L,32R側に向かって小さくしているので、ねじれに対して必要な強度を確保しながら、芯金30の重量増加を抑制して軽量化を図ることができる。特に、ねじれによる折損の起点となりやすいレール部34L,34Rとの境界部分において、レール延出部36L,36Rの幅寸法を大きくしているので、ねじれに対する耐久性を高く保持することができる。
【0042】
また、レール延出部36L,36Rの頂部38B及びレール部34L,34Rの頂部39Bと、芯金基体31との間に、これらよりも芯金幅方向の寸法が小さい起立部38A,39Aを形成して、起立部38A,39Aを芯金基体31よりも凹状とすることで、この凹状部にクローラ本体20を構成する弾性材料を入り込ませることができる。これにより、芯金30とクローラ本体20との接触面積を大きくして、これらの接着性を高めることができる。また、芯金30の重量増加を抑制して軽量化を図ることができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、芯金30のレール延出部36L,36Rは、芯金幅方向の寸法がレール部34L,34Rから突起部32L,32R側に向かって変化することなくほぼ一定に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 弾性クローラ
20 クローラ本体
24 ラグ
30 芯金
31 芯金基体
32L,32R 突起部
34L,34R レール部
35 転輪支持面
36L,36R レール延出部
37 頂面
38A レール延出部の起立部
38B レール延出部の頂部
39A レール部の起立部
39B レール部の頂部
40L,40R 第1規制突起
42L,42R 第2規制突起
50 走行装置
56 転輪