(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】高所作業車
(51)【国際特許分類】
B66F 9/22 20060101AFI20220812BHJP
B66F 11/04 20060101ALI20220812BHJP
B66F 9/06 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B66F9/22 X
B66F11/04
B66F9/06 L
(21)【出願番号】P 2018205043
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【氏名又は名称】並木 敏章
(72)【発明者】
【氏名】町田 朝
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-136120(JP,A)
【文献】特開2003-074501(JP,A)
【文献】特開2017-105556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前部に運転キャブを有する車両と、
前記車体の後部に水平旋回自在に設けられた旋回台と、
前記旋回台に少なくとも起伏自在に設けられたブームと、
前記ブームの先端部に設けられた作業台と、
前記旋回台および前記ブームをそれぞれ作動させる複数の油圧アクチュエータと、
前記複数の油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧供給ユニットと、
前記複数の油圧アクチュエータの駆動制御を行う制御装置とを備え、
前記油圧供給ユニットは、前記複数の油圧アクチュエータに供給する作動油を貯留する作動油タンクを有し、
前記油圧供給ユニットが、前記車体における前記運転キャブの後方側に配設され、
前記制御装置が、前記車体における
前記作動油タンクの後方側であって前記旋回台の
直前の位置に配設されたことを特徴とする高所作業車。
【請求項2】
前記旋回台を作動させる油圧アクチュエータとして、旋回油圧モータおよび旋回減速機を有し、
前記旋回油圧モータおよび前記旋回減速機が、前記旋回台の後方側に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の高所作業車。
【請求項3】
前記油圧供給ユニットは、油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動モータとを有し、
前記電動モータを駆動するためのバッテリと、
前記バッテリから供給される電力を受けて前記電動モータの作動を制御するインバータと、
外部電源を用いて前記バッテリを充電する充電器とを備え、
前記インバータおよび前記充電器が、前記車体における前記旋回台の前方側に配設されたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の高所作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の前部に運転キャブを有する車両と、車体の後部に水平旋回自在に設けられた旋回台と、旋回台に少なくとも起伏自在に取り付けられたブームと、ブームの先端部に取り付けられた作業台とを備える高所作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
このような高所作業車では、旋回台およびブームを作動させることにより作業台を所望の高所位置に移動させて作業を行うことができるように構成されている。旋回台およびブーム等の作業装置を駆動する装置としては、高所作業車の走行用のエンジンを駆動し、変速機に取り付けられたPTO機構(パワーテイクオフ機構)により取り出したエンジン動力を用いて油圧ポンプを駆動することにより、この油圧ポンプから吐出される作動油を作業装置に供給して作業装置を駆動するように構成されたものが知られている。このようにエンジンを駆動して動力を取り出す方式では、エンジンの駆動音が騒音となる場合がある。そのため、車体にバッテリおよび電動モータを備え、作業装置を用いて作業を行うときには、エンジンを停止させ、バッテリからの電力により電動モータを駆動し、その電動モータによって油圧ポンプを駆動して作業装置を駆動するように構成されたものも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような高所作業車では、運転キャブの下方側に走行用のエンジンが配設され、そのエンジンの近傍である運転キャブの後方側に、油圧ポンプや作動油タンク等の油圧供給ユニットが配設されている。さらに、従来の高所作業車では、運転キャブの後方側に、作業装置の駆動制御を行う制御装置も配設されていた。運転キャブの後方側の位置は、走行用のエンジンに近いため、エンジンからの熱の影響を受け易い。従来では、その運転キャブの後方側の位置に、電子機器である制御装置が配設されていたため、制御装置においてエンジンからの熱の影響を軽減させる対策を施す必要があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、制御装置がエンジンからの熱の影響を受け難い構成の高所作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る高所作業車は、車体の前部に運転キャブを有する車両と、前記車体の後部に水平旋回自在に設けられた旋回台と、前記旋回台に少なくとも起伏自在に設けられたブームと、前記ブームの先端部に設けられた作業台と、前記旋回台および前記ブームをそれぞれ作動させる複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧供給ユニットと、前記複数の油圧アクチュエータの駆動制御を行う制御装置(例えば、実施形態におけるコントロールユニット50)とを備える。その上で、前記油圧供給ユニットは、前記複数の油圧アクチュエータに供給する作動油を貯留する作動油タンクを有し、前記油圧供給ユニットが前記車体における前記運転キャブの後方側に配設され、前記制御装置が前記車体における前記作動油タンクの後方側であって前記旋回台の直前の位置に配設される。
【0007】
上記構成の高所作業車において、前記旋回台を作動させる油圧アクチュエータとして旋回油圧モータおよび旋回減速機を有し、前記旋回油圧モータおよび前記旋回減速機が前記
旋回台の後方側に配設されることが好ましい。
【0008】
上記構成の高所作業車において、前記油圧供給ユニットは、油圧ポンプと前記油圧ポンプを駆動する電動モータとを有し、前記電動モータを駆動するためのバッテリ(例えば、実施形態におけるバッテリユニット121)と、前記バッテリから供給される電力を受けて前記電動モータの作動を制御するインバータと、外部電源を用いて前記バッテリを充電する充電器とを備え、前記インバータおよび前記充電器が前記車体における前記旋回台の前方側に配設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る高所作業車によれば、油圧アクチュエータの駆動制御を行う制御装置が、車体後部に設けられた旋回台の前方側に配設される。そのため、電子機器であって熱の影響を受け易い制御装置が、運転キャブの下方側に配設されたエンジンから離れた位置に配設されるので、制御装置がエンジンからの熱の影響を受けて誤動作すること等を防ぐことができる。
【0010】
上記構成の高所作業車において、好ましくは、旋回台を作動させる油圧アクチュエータとして旋回油圧モータおよび旋回減速機を有し、旋回油圧モータおよび旋回減速機が旋回台の後方側に配設される。このような構成とすれば、旋回台の前方側に、制御装置等を配設可能なスペースを作りだすことができる。
【0011】
上記構成の高所作業車において、油圧ポンプを駆動する電動モータと、電動モータを駆動するためのバッテリと、バッテリから供給される電力を受けて電動モータの作動を制御するインバータと、外部電源を用いてバッテリを充電する充電器とを備える場合には、インバータおよび充電器も、車体後部に設けられた旋回台の前方側に配設されることが好ましい。このような構成とすれば、特に耐熱性能が低いインバータおよび充電器も、エンジンからの熱の影響を受け難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る高所作業車を示す側面図である。
【
図2】本発明に係る高所作業車を示す平面図である。
【
図3】本発明に係る高所作業車を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係る高所作業車に設けられるサブフレームの側面図である。
【
図5】本発明に係る高所作業車の油圧制御系を示すブロック図である。
【
図6】本発明に係る高所作業車の工具箱およびカバー部材を取り外した状態の斜視図である。
【
図8】本発明に係る高所作業車の工具箱を取り外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る高所作業車1を
図1~
図3に示している。高所作業車1は、車体2の前部に運転キャブ7を有し、車体2の左右両側に配設された前輪5fおよび後輪5rにより走行可能なキャブオーバ型トラック車両をベースに構成されている。車体2における運転キャブ7の下方側には、走行駆動用のエンジンEが配設されている。車体2は、運転キャブ7よりも後方に延びるシャシフレーム3と、そのシャシフレーム3上に取り付けられた前後方向に延びるサブフレーム4とを有している。
【0014】
サブフレーム4の前後左右にはそれぞれ、左右方向に拡縮可能且つ上下方向に伸縮可能
なアウトリガジャッキ10が設けられている。アウトリガジャッキ10は、内部に設けられたアウトリガシリンダ11およびジャッキシリンダ12(
図5を参照)により左右方向に張り出すとともに下方に伸長してアウトリガジャッキ10の下端部を接地させ、高所作業車1を安定させた状態で支持するように構成されている。車体2には、各アウトリガジャッキ10の作動操作を行う操作レバー等を備えるジャッキ操作装置15(
図5を参照)が設けられている。
【0015】
サブフレーム4の後部には、旋回台20が水平旋回自在に設けられている。
図4に示すように、サブフレーム4の後部に他の部分よりも一段高く形成された旋回台配設部4aが設けられ、その旋回台配設部4a上に環状のベースリング(図示略)がボルト等により固定されている。そのベースリングの径方向外側に環状の旋回レース23がベースリングに対して周方向に回動可能に取り付けられている。この旋回レース23上に旋回台20がボルト等により固定されている。このため、旋回台20はベースリングに対して旋回自在になっている。サブフレーム4上には、旋回台配設部4aの前面左右両側からそれぞれ前方に延びる板状の補強部材4bが設けられている。左右一対の補強部材4bは、旋回台20が配設される旋回台配設部4aの強度を向上させるための部材である。
【0016】
旋回レース23の外周面には旋回ギヤ23aが形成されている。旋回台配設部4aの後方側には、旋回モータ24および旋回減速機25が配設されている。旋回減速機25の旋回ピニオンが旋回レース23の旋回ギヤ23aに噛合している。旋回モータ24が回転駆動されると、その回転速度が旋回減速機25により減速されて旋回減速機25の旋回ピニオンが回転駆動され、これにより旋回レース23がベースリングに対して回動して旋回台20を旋回させるように構成されている。
【0017】
旋回台20は、
図1~
図3に示すように、旋回レース23上に固定される略円盤状のベース部26と、ベース部26上に所定の間隔を有して対向配置された一対の支持部27とを有している。この一対の支持部27の上部間にフートピン28が跨設され、このフートピン28によりブーム30が上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。サブフレーム4上の左右両側にはそれぞれ、作業に必要な工具や機材等を収納するための複数の工具箱9が配設されている。
【0018】
ブーム30は、フートピン28により旋回台20の一対の支持部27に起伏自在に取り付けられた基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子式に組み合わされて構成されている。ブーム30は、内部に設けられた伸縮シリンダ31(
図5を参照)を駆動することにより長手方向に伸縮作動させることができるように構成されている。また、ブーム30は、基端ブーム30aと旋回台20の間に跨設された起伏シリンダ33を駆動することにより旋回台20に対して起伏作動させることができるように構成されている。
【0019】
先端ブーム30cの先端部には、揺動ピンを介して垂直ポスト(図示略)の下端部が取り付けられている。この垂直ポストは、不図示のレベリング装置により、ブーム30の起伏角度によらず常時垂直姿勢が保持される構成となっている。垂直ポストの上部には、作業台40が作業台保持ブラケット(図示せず)を介して水平面内で旋回自在に取り付けられている。この作業台保持ブラケットの内部には首振りモータ41(
図5を参照)が設けられており、この首振りモータ41を駆動させることにより作業台40全体を垂直ポストまわりに水平旋回(首振り作動)させることができるようになっている。上述のように垂直ポストは常時垂直姿勢が保たれるので、作業台40の床面はブーム30の起伏角度によらず常時水平に保持されるようになっている。
【0020】
作業台40内には、旋回台20、ブーム30および作業台40の作動操作を行う操作レ
バーや各種操作スイッチ等を備える作業操作装置45が設けられている。高所作業車1では、作業台40に搭乗した作業者が作業操作装置45を操作して、旋回台20の旋回作動、ブーム30の起伏および伸縮作動、作業台40の首振り作動などの作動操作を行うことができ、作業台40を所望の高所位置に移動できるようになっている。なお、作業操作装置45は車体2にも設けられており、地上もしくは車体2上に居る作業者により旋回台20、ブーム30および作業台40の作動操作を行うこともできるようになっている。
【0021】
このように構成される高所作業車1において、旋回モータ24、伸縮シリンダ31、起伏シリンダ33、首振りモータ41、アウトリガシリンダ11、ジャッキシリンダ12には、作動油圧によって駆動される油圧モータや油圧シリンダ等の油圧アクチュエータが用いられている。高所作業車1には、これらの油圧アクチュエータに作動油圧を供給する油圧駆動装置100が搭載されるとともに、作業操作装置45およびジャッキ操作装置15からの操作信号に基づいて油圧駆動装置100の作動を制御するコントロールユニット50が搭載されている。これらの油圧制御系の構成について、
図5を参照して説明する。
【0022】
作業操作装置45もしくはジャッキ操作装置15において操作が行われると、当該操作装置45,15からの操作信号がコントロールユニット50に出力される。コントロールユニット50は、当該操作信号が入力されると、当該操作信号に基づいた指令信号を油圧駆動装置100に出力し、対応する油圧アクチュエータに作動油を供給させ、当該操作信号に応じた作動速度で旋回台20、ブーム30、作業台40、アウトリガジャッキ10を作動させるように構成されている。コントロールユニット50は、エンジンEの始動キーのON・OFF、エンジンEの始動・停止を監視(制御)制御する車両コントローラも備えている。
【0023】
油圧駆動装置100は、油圧ポンプを電動モータによって駆動する電気駆動型の装置であり、旋回モータ24等の油圧アクチュエータACに作動油を供給する油圧供給ユニット110と、油圧供給ユニット110を駆動するための電力供給ユニット120とを有している。油圧供給ユニット110は、電力供給ユニット120から供給される電力を受けて駆動する電動モータ111と、この電動モータ111により駆動される油圧ポンプ112と、油圧アクチュエータACのそれぞれに対応する複数の制御バルブV1~V6を有する制御バルブユニット113と、作動油タンク114とを有している。
【0024】
油圧ポンプ112は、作動油タンク114から作動油を吸入して制御バルブユニット113に供給し、その作動油が制御バルブユニット113から油圧アクチュエータACに供給される。制御バルブユニット113の制御バルブV1~V6にはそれぞれ、コントロールユニット50からの指令信号が送信される。制御バルブV1~V6は、コントロールユニット50からの指令信号に応じて油圧アクチュエータACへの作動油の供給方向および供給量を制御して油圧アクチュエータACの作動を制御するように構成されている。
【0025】
電力供給ユニット120は、電動モータ111を駆動するためのバッテリユニット121と、バッテリユニット121からの電力を用いて電動モータ111の作動を制御するインバータ122(モータ制御装置)と、バッテリユニット121を充電する充電器123とを有している。バッテリユニット121は、鉛蓄電池等の複数のバッテリを直列に接続し、1日の高所作業を行うために十分な電力を供給可能な容量となっている。バッテリユニット121は、車体2の後方下部(後側のアウトリガジャッキ10の前方側の位置)に左右に分けて搭載され、不図示の電気ケーブルによって接続されている。
【0026】
インバータ122は、バッテリユニット121から供給される直流電力をコントロールユニット50からの指令信号に応じた交流電力に変換して電動モータ111に供給し、電動モータ111の回転数(すなわち油圧ポンプ112の回転数)を制御して油圧ポンプ1
12から吐出される作動油の吐出圧および流量を制御するように構成されている。充電器123は、電源コンセント(外部電源)に接続可能なコンセントプラグを有している。充電器123は、営業所等においてコンセントプラグが電源コンセントに接続され、且つコントロールユニット50から油圧アクチュエータACを作動させる指令信号が出力されていない等の所定条件下において、コンセントプラグを介して電源コンセント(外部電源)から供給される交流電力を所定電圧および電流の直流電力に変換してバッテリユニット121に供給して充電させるように構成されている。
【0027】
このような構成の油圧駆動装置100において、従来の高所作業車では、油圧供給ユニット110、電力供給ユニット120およびコントロールユニット50が、車体2における運転キャブ7の後方側の位置に纏まって配設されていた。しかしながら、本発明に係る高所作業車1では、
図6および
図7に示すように、コントロールユニット50が、サブフレーム4における旋回台20(旋回台配設部4a)の前方側の位置であって、左右の補強部材4bの間の位置に配設されている。コントロールユニット50の隣の位置には、オプションコントロールユニット60が配設可能になっている。オプションコントロールユニット60は、高所作業車1において坂道逸走防止機能やアウトリガジャッキ10を自動的に設置させる機能等を追加した際に、コントロールユニット50では対応しきれない場合に追加される制御装置である。車体2には、
図8および
図9に示すように、これらのコントロールユニット50,60の上方、前方および左右を覆うカバー部材70が設けられている。
【0028】
油圧供給ユニット110における電動モータ111は、サブフレーム4の前部左方側の位置であって、前側のアウトリガジャッキ10の後方側の位置に配設されている。油圧ポンプ112は、図示を省略しているが、電動モータ111よりも車体2の内側に配設されている。作動油タンク114は、電動モータ111の後方側の位置に配設されている。電力供給ユニット120におけるインバータ122および充電器123は、サブフレーム4上の前部の位置であって、運転キャブ7の後方側の位置に配設されている。しかしながら、コントロールユニット50と同様に、サブフレーム4における旋回台20(旋回台配設部4a)の前方側の位置に、インバータ122および充電器123を配設してもよい。
【0029】
このように高所作業車1では、コントロールユニット50が、車体2(サブフレーム4)の後部に設けられた旋回台20の前方側の位置に配設されている。そのため、電子機器であって熱の影響を受け易いコントロールユニット50が、運転キャブ7の下方側に配設されたエンジンEから離れた位置に配設されるので、コントロールユニット50がエンジンEからの熱の影響を受けて誤動作すること等を防ぐことができる。また、高所作業車1では、旋回モータ24および旋回減速機25が旋回台20の後方側に配設されている。そのため、旋回台20の前方側に、コントロールユニット50等を配設可能なスペースを作りだすことができる。
【0030】
また、高所作業車1では、電力供給ユニット120におけるインバータ122および充電器123が、サブフレーム4上の前部の位置であって運転キャブ7の後方側の位置に配設されているが、コントロールユニット50と同様に、サブフレーム4における旋回台20の前方側の位置に配設してもよく、そのように配設した場合には、特に耐熱性能が低いインバータ122および充電器123も、エンジンEからの熱の影響を受け難くすることができる。
【0031】
これまで本発明に係る実施形態を説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態においては、油圧駆動装置100は、油圧ポンプ112を電動モータ111によって駆動する電気駆動型の装置であるが、PTO機構(パワーテイクオフ機構)を備え、エンジンEの動力を用いて油圧ポンプ112を
駆動する構成としてもよい。さらに、エンジンEとは別のエンジンユニットを備え、このエンジンユニットにより油圧ポンプ112を駆動する構成としてもよい。このようなPTO駆動やエンジンユニット駆動に変更する際にも、コントロールユニット50がサブフレーム4における旋回台20の前方側の位置に配設されているため、コントロールユニット50等のレイアウトを変更することなく、油圧駆動装置の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
1 高所作業車
2 車体
7 運転キャブ
20 旋回台
24 旋回モータ
25 旋回減速機
30 ブーム
40 作業台
50 コントロールユニット(制御装置)
100 油圧駆動装置
110 油圧供給ユニット
111 電動モータ
112 油圧ポンプ
120 電力供給ユニット
121 バッテリユニット
122 インバータ
123 充電器